説明

温間成形用金型

【課題】温間成形後に、ダイスを分割することにより、成形品を取り出しやすくした温間成形用金型を提供する。
【解決手段】上方基部2の下面には、中央ダイス6aが固定され、これを取り囲むように複数個の側方ダイス6b、6c等が配置されている。側方ダイス6b、6cの背後に設けられたカム装置20には、上方基部2の下面に固定された第1カム24と、第1カム24と係合して第1カムから中央ダイスに向かう押圧力を付与される第2カム23と、第2カム23を中央ダイス6aに対して接近離隔する方向に案内するガイド部材20と、第2カム23に固定され側方ダイスの背後を押す連絡部材25と、ガイド部材20を下方基部1上で上下動可能に支持する支持部材22とが設けられている。下方基部1上にはパンチ3が設置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランクの少なくとも一部を100℃以上の温度に加熱してプレス成形する温感成形用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、自動車の燃費向上の観点から、車体の軽量化が促進されており、このために、自動車の外板部品であるサイドドア等をアルミニウム又はアルミニウム合金(以下、アルミニウム材という)で製造するアルミニウム材化が進められている。しかし、ドアインナ等の部品をアルミニウム材化しようとしたとき、鋼板に比してアルミニウム材の成形性が劣るため、適切なプレス成形ができないという問題がしばしば生じる。
【0003】
このため、アルミニウム材ブランクを温間成形により成形することが検討されている。この温間成形方法は、成形中のブランクの一部を加熱することにより軟化させ、塑性変形を生じやすくする成形方法である(特許文献1乃至3)。
【0004】
図4は、この温間成形方法の一例を示す断面図である。下部基部100上にパンチ101が設置されている。このパンチ101には、冷却水の通路102、103、104が形成されており、パイプ105から通路102内に供給された冷却水がこれらの通路102、103、104を通流して、パイプ106から排出される。これにより、パンチ101が冷却されるようになっている。
【0005】
このパンチ101を取り囲むようにして、矩形リング状のダイス111が、上部基部115に固定されている。このダイス111は、上部基部115の下降により、下降することができる。また、下部基部100を挿通するようにして、ダイクッションピン107が配置されており、このダイクッションピン107は、その下部がエアクッション(図示せず)により支持されている。また、このダイクッションピン107上には、矩形リング状のブランクホルダ110が固定されている。そして、ダイス111が下方に移動したときには、ダイス111がブランクホルダ110を下方に押圧し、ブランクホルダ110及びクッションピン107は、ダイス111と共に、下方に押し下げられる。このとき、ダイクッションピン107は下方のエアクッションによる反発力を受けるため、ダイス111とブランクホルダ110との間には、エアクッションの設定に応じて生じる面圧が作用する。このダイス111及びブランクホルダ110には、夫々、通電により発熱するヒータ113及び112が内蔵されている。
【0006】
このように構成された従来の温間成形用金型においては、ブランクホルダ110上に平板状のブランク120を載置し、ダイス111を下降させてブランクホルダ110とダイス111との間でブランク120を狭持する。ブランク120の中央部分は、パンチ101の上面が接触している。次いで、ヒータ112,113により、ブランクホルダ110及びダイス111を加熱し、その熱量によってブランク120の周辺部分を加熱しつつ、パンチ101を通路102、103、104内を通流する冷却水により冷却することにより、ブランク120の中央部分を冷却する。その後、更にダイス111が下降すると、ブランクホルダ110及びダイス111は、ブランク120を挟持したまま、下方へ沈み込み、ブランク120の周辺部が、中心部よりも低い位置へ押し下げられることにより、ブランク120が絞り成形される。この場合に、ブランク120の周辺部分は加熱され、ブランクの中央部分は低温に保持されるので、絞り成形性が高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−66729号公報
【特許文献2】特開2004−209486号公報
【特許文献3】特開2009−241140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような温間成形装置においては、プレス成形中のブランクの温度上昇により、ダイスとパンチとの間で材料の熱膨張が生じ、材料がダイス内面と密着してしまうことがある。その結果、プレス成形後の成形品を取り出すことができないことがある。そして、この成形品を無理矢理ダイスから取り出すと、プレス成形品にキズ及び変形が生じてしまい、廃棄せざるを得ない場合がある。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、温間成形後に、ダイスを分割することにより、成形品を取り出しやすくした温間成形用金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願第1発明に係る温間成形用金型は、ブランクの少なくとも一部の温度を100℃以上に高めてプレス成形する温間成形用金型において、相対的に上下方向に移動可能な上方基部及び下方基部と、前記上方基部の下面に固定された中央ダイスと、前記上方基部の下面に前記中央ダイスを中心にしてその周囲を取り囲むように複数個配置され夫々前記中央ダイスに向けて接近離隔可能に前記上方基部の下面に対してスライド可能に支持された側方ダイスと、前記各側方ダイスを前記中央ダイスに向けて接近する方向に移動させる複数個のダイス駆動装置と、前記下方基部の上面における前記中央ダイスに整合する位置に配置されたパンチと、前記下方基部を挿通して上下動可能に設置された複数個のクッションピンと、前記クッションピン上に支持され前記中央ダイスに接したときの前記側方ダイスに対して接近移動することにより前記ブランクの周辺部分を前記側方ダイスとの間で挟持するブランクホルダと、被成形体を100℃以上の温度に加熱する加熱装置と、前記上方基部又は前記下方基部を夫々前記下方基部又は前記上方基部に向けて駆動する基部駆動装置と、を有することを特徴とする。
【0011】
本願第2発明に係る温間成形用金型は、ブランクの少なくとも一部の温度を100℃以上に高めてプレス成形する温間成形用金型において、相対的に上下方向に移動可能な上方基部及び下方基部と、前記上方基部の下面に固定された中央ダイスと、前記上方基部の下面に前記中央ダイスを中心にしてその周囲を取り囲むように複数個配置され夫々前記中央ダイスに向けて接近離隔可能に前記上方基部の下面に対してスライド可能に支持された側方ダイスと、前記各側方ダイスの背後に配置された複数個のカム装置と、前記下方基部の上面における前記中央ダイスに整合する位置に配置されたパンチと、
前記下方基部を挿通して上下動可能に設置された複数個のクッションピンと、前記クッションピン上に支持され前記中央ダイスに接したときの前記側方ダイスに対して接近移動することにより前記ブランクの周辺部分を前記側方ダイスとの間で挟持するブランクホルダと、被成形体を100℃以上の温度に加熱する加熱装置と、前記上方基部又は前記下方基部を夫々前記下方基部又は前記上方基部に向けて駆動する基部駆動装置と、を有し、
前記カム装置は、前記上方基部の下面に固定された第1カムと、前記第1カムと係合して前記第1カムから前記中央ダイスに向かう押圧力を付与される第2カムと、前記第2カムを前記中央ダイスに対して接近離隔する方向に案内するガイド部材と、前記ガイド部材を前記下方基部上で上下動可能に支持する支持部材と、を有することを特徴とする。
【0012】
この第2の温間成形用金型において、前記支持部材は、前記下方基部上に設置され、前記ガイド部材の下部に連結されたガススプリングを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本願第1発明においては、温間成形後に、ダイス駆動装置により側方ダイスが複数個に分割されるので、成形品を取り出すことが容易である。
【0014】
本願第2発明においては、同様に、温間成形後に、カム装置により側方ダイスが複数個に分割されるので、成形品を取り出すことが容易である。更に、本願第2発明においては、カム機構により側方ダイスを中央ダイスに向けて押圧することにより、中央ダイス及び複数個の側方ダイスにより、成形用のダイスを構成するので、この側方ダイスの移動は、例えば、上方基部を下降させたときに、ダイスが下降する成形工程と連動してなされる。このため、側方ダイスを駆動させる複雑な機構が必要ではなく、金型構造を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る温間成形用金型を示す正面図である。
【図2】同じくその成形後のパンチ下死点におけるブランク形状を示す図である。
【図3】同じくその平面図である。
【図4】従来の温間成形用金型を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1乃至図3は本発明の実施形態に係る温間成形用金型を示す。但し、図1は図3のI−I線の位置での断面図である。下方基部1は固定されており、この下方基部1に対向するようにして、下方基部1の上方に上方基部2が上下動可能に設置されている。この上方基部2は適宜の駆動装置により、上下駆動され、この上方基部2の上下動により、上方基部2と下方基部1とは相対的に上下方向に移動することができる。そして、正角柱状の中央ダイス6aが上方基部2の下面に固定されており、この中央ダイス6aの角部に水平断面がL型である4個の側方ダイス6b、6c、6d、6eが配置されている。この側方ダイス6b、6c、6d、6eにより、中央ダイス6aがその周囲を取り囲まれている。これらの側方ダイス6b、6c、6d、6eは、中央ダイス6aに向けて接近離隔可能に、上方基部2の下面に対してスライド可能に、上方基部2に支持されている。
【0017】
一方、下方基部1には、その中央ダイス6aに整合する位置に、成形せんとする成形体の内面形状を有するパンチ3が固定されている。また、ブランクホルダ5aが下方基部1に設けられた挿通孔2a,2bを挿通するクッションピン4a,4b上に支持されている。このブランクホルダ5aは、中央にパンチ3が貫通する孔を有する矩形リング状をなし、側方ダイス6b、6c、6d、6eが中央ダイス6aに向けて進出し、所定のプレス成形を行う状態に配置されたときに、これらの側方ダイス6b、6c、6d、6eに整合する位置に、矩形リング状のブランクホルダ5aが配置されるようになっている。このクッションピン4a、4bが上下動することにより、クッションピン4a、4b上のブランクホルダ5aは側方ダイス6b、6c、6d、6eの上下動と連動して上下動し、パンチ3に対して相対的に接近離隔移動する。
【0018】
各側方ダイス6b、6c、6d、6eの背後には、夫々、カム装置20が配置されている。各カム装置20においては、下方基部1上にガススプリング22が設けられており、このガススプリング22上にガイド部材21が設置されている。ガイド部材21には中央ダイス6aに向かう前方側及び後方側に夫々縦壁21a、21bが設けられている。ガイド部材21には、第2カム23がガイド部材21上を中央ダイス6aに向けて接近離隔移動可能に支持されている。即ち、第2カム23はガイド部材21上を水平方向の中央ダイス6aに向かう方向にスライドすることができる。そして、この第2カム23にはガイド部材21の縦壁21aを挿通して水平方向に延びる連絡部材25が固定されており、この連絡部材25の先端は夫々対応する側方ダイス6b、6c、6d、6eの背面に設けられた溝(図示せず)内に係合している。この溝は、側方ダイス6b、6c、6d、6eの隅部の外面に垂直方向に延びるように形成されており、この溝内に連絡部材25の先端が係合しており、これにより、連絡部材25と側方ダイス6b、6c、6d、6eとは相対的に上下動することができるが、連絡部材25が後方に待避したときには、側方ダイス6b、6c、6d、6eも溝を介して連絡部材25に引き寄せられて後方に移動する。また、第2カム23が中央ダイス6aに向けてスライド移動したときには、連絡部材25の先端が側方ダイス6b、6c、6d、6eの背面を押圧し、側方ダイス6b、6c、6d、6eを中央ダイス6aに向けて移動させ、最終的に、側方ダイス6b、6c、6d、6eを中央ダイス6aに接触させる。なお、第2カム23と縦壁21aとの間には、圧縮バネ(図示せず)が介装されており、この圧縮バネにより、第2カム23及び連絡部材25は、中央ダイス6aから離隔する方向に付勢されている。
【0019】
カム装置20の第1カム24は、上方基部2の下面に固定されている。この第1カム24はガイド部材21の縦壁21bと第2カム23との間に介在する。そして、第1カム24及び第2カム23には鉛直方向に対して同一角度で傾斜する斜面が形成されており、第1カム24の中心と第2カム23の中心との上下方向の間隔が短くなると、この斜面同士が重なり、両斜面は相互に摺動する。このとき、第1カム24は、水平方向の位置が上方基部2により固定されているので、第2カム23が水平方向に移動する。そして、上方基部2の下降により、カム装置20の第1カム24の中心点と第2カム23の中心点との間の上下距離が最も小さくなり、第1カム24により第2カム23が縦壁21aに押圧された時点で、その後、更に、上方基部2が下降した場合は、ガススプリング22が縮みながら、上方基部2の下降運動が行われる。
【0020】
側方ダイス6b、6c、6d、6eには、夫々ヒータ30が内蔵されており、このヒータ30の通電発熱により、側方ダイス6b、6c、6d、6eが加熱されるようになっている。そして、側方ダイス6b、6c、6d、6eを加熱することにより、プレス成形時にこの側方ダイス6b、6c、6d、6eに接触するブランク40の周辺部を100℃以上の温度に加熱する。また、矩形リング形状を有するブランクホルダ5aにもヒータ(図示せず)が内蔵されており,このヒータの通電発熱によりブランクホルダ5aが加熱され、プレス成形時にはブランクホルダ5aと接触するブランク40の周辺部を100℃以上の温度に加熱する。一方、パンチ3は、図4に示す従来のパンチ101と同様に内部に冷却水の通路(図示せず)が形成されており、この通路を通流する冷却水によりパンチ3が冷却されるようになっている。このパンチ3を冷却することにより、このパンチ3に接触するブランク40の中央部が低温に保持される。
【0021】
次に、上述のごとく構成された本実施形態の温間成形装置の動作について説明する。上方基部2が上死点に位置している状態で、第1カム24の中心と、第2カム23の中心との間の上下方向の間隔は大きく、側方ダイス6b、6c、6d、6eは中央ダイス6aから離隔して位置(待避位置)に位置する。そして、ブランクホルダ5a、5b上にブランク40を載置し、上方基部2を下降させる。そうすると、第1カム24が下降して第2カム23に接触し、その斜面同士が摺動して、第1カム24の中心と第2カム23の中心との間の上下間距離が減少すると共に、第1カム24が固定されているので、第2カム23は第1カム24の斜面から押圧力を受けて、水平方向に中央ダイス6aに向けて移動する。これにより、側方ダイス6b、6c、6d、6eは中央ダイス6aに向けて移動し、中央ダイス6aに接触する。この状態で、更に上方基部2が下降して、側方ダイス6b、6c、6d、6eと中央ダイス6aが一体となって下降を続けると、ブランク40の上面にも側方ダイス6b、6c、6d、6eの下面が接触する。これにより、ブランク40が側方ダイス6b、6c、6d、6eとブランクホルダ5a、5b等との間で挟持される。
【0022】
その後、上方基部2の下降により、中央ダイス6aと側方ダイス6b、6c、6d、6eとを、ブランクホルダ5aとの間でブランク40を挟持したまま、更に下降させると,、パンチ3上に支持されるブランク40の中央部に対して、側方ダイス6b、6c、6d、6eとブランクホルダ5aとの間で挟持されるブランク40の周辺部が下方に引きおろされ、ブランク40が、絞り成形される。このとき、ガイド部材21はガススプリング22が縮小することにより、側方ダイス6b、6c、6d、6eと共に、下降する。
【0023】
このようにして、ブランク40がプレスにより下死点まで絞り成形された後、上方基部2が上昇する。そうすると、ブランクホルダ5aも上昇し、側方ダイス6b、6c、6d、6eは、ブランクホルダ5aとの間でブランク40を挟持したまま、中央ダイス6aと共に上昇する。これにより、パンチ3は成形品の内部から下方に離脱し、成形品とパンチ3とは分離される。この状態では、成形品は、その熱膨張により、側方ダイス6b、6c、6d、6eの内面に密着しているが、更に、上方基部2が上昇することにより、第2カム23の中心と、第1カム24の中心との間の上下方向の間隔が広がり、第2カム23が第1カム24により拘束を受けなくなる結果、第2カム23と縦壁21aの間の圧縮バネ(図示せず)によって第2カム23が中央ダイス6aから離隔する方向に押し出される。これにより、連絡部材25と共に側方ダイス6b、6c、6d、6eも中央ダイス6aから離隔し、結局、側方ダイス6b、6c、6d、6eは成形品の外面から離脱する。これにより、成形品は、側方ダイス6b、6c、6d、6eからも分離され、成形品は、容易にダイス及びパンチから離脱して回収される。従って、成形品にキズがついたり、変形が生じたりすることがない。
【0024】
本発明は上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。上記実施形態においては、側方ダイス6b、6c、6d、6eを、カム装置20により、上方基部2と連動させて中央ダイス6aに向けて移動させたが、側方ダイス6b、6c、6d、6eを水平方向、即ち、中央ダイス6aに向けて接近離隔する方向に駆動する駆動装置を設け、上方基部2の下降とは別個に、独立して、側方ダイス6b、6c、6d、6eを駆動することとしても良い。
【符号の説明】
【0025】
1:下方基部
2:上方基部
3:パンチ
4a、4b:クッションピン
5a、5b:ブランクホルダ
6a:中央ダイス
6b、6c、6d、6e:側方ダイス
20:カム装置
21:ガイド部材
22:ガススプリング
23:第2カム
24:第1カム
25:連絡部材
40:ブランク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランクの少なくとも一部の温度を100℃以上に高めてプレス成形する温間成形用金型において、相対的に上下方向に移動可能な上方基部及び下方基部と、前記上方基部の下面に固定された中央ダイスと、前記上方基部の下面に前記中央ダイスを中心にしてその周囲を取り囲むように複数個配置され夫々前記中央ダイスに向けて接近離隔可能に前記上方基部の下面に対してスライド可能に支持された側方ダイスと、前記各側方ダイスを前記中央ダイスに向けて接近する方向に移動させる複数個のダイス駆動装置と、前記下方基部の上面における前記中央ダイスに整合する位置に配置されたパンチと、前記下方基部を挿通して上下動可能に設置された複数個のクッションピンと、前記クッションピン上に支持され前記中央ダイスに接したときの前記側方ダイスに対して接近移動することにより前記ブランクの周辺部分を前記側方ダイスとの間で挟持するブランクホルダと、被成形体を100℃以上の温度に加熱する加熱装置と、前記上方基部又は前記下方基部を夫々前記下方基部又は前記上方基部に向けて駆動する基部駆動装置と、を有することを特徴とする温間成形用金型。
【請求項2】
ブランクの少なくとも一部の温度を100℃以上に高めてプレス成形する温間成形用金型において、相対的に上下方向に移動可能な上方基部及び下方基部と、前記上方基部の下面に固定された中央ダイスと、前記上方基部の下面に前記中央ダイスを中心にしてその周囲を取り囲むように複数個配置され夫々前記中央ダイスに向けて接近離隔可能に前記上方基部の下面に対してスライド可能に支持された側方ダイスと、前記各側方ダイスの背後に配置された複数個のカム装置と、前記下方基部の上面における前記中央ダイスに整合する位置に配置されたパンチと、
前記下方基部を挿通して上下動可能に設置された複数個のクッションピンと、前記クッションピン上に支持され前記中央ダイスに接したときの前記側方ダイスに対して接近移動することにより前記ブランクの周辺部分を前記側方ダイスとの間で挟持するブランクホルダと、被成形体を100℃以上の温度に加熱する加熱装置と、前記上方基部又は前記下方基部を夫々前記下方基部又は前記上方基部に向けて駆動する基部駆動装置と、を有し、
前記カム装置は、前記上方基部の下面に固定された第1カムと、前記第1カムと係合して前記第1カムから前記中央ダイスに向かう押圧力を付与される第2カムと、前記第2カムを前記中央ダイスに対して接近離隔する方向に案内するガイド部材と、前記ガイド部材を前記下方基部上で上下動可能に支持する支持部材と、を有することを特徴とする温間成形用金型。
【請求項3】
前記支持部材は、前記下方基部上に設置され、前記ガイド部材の下部に連結されたガススプリングを有することを特徴とする請求項2に記載の温間成形用金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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