説明

測位情報配信システム、受信装置及び測位情報配信方法

【課題】双曲線航法にて測位するシステムにおいて、基地局側が互いに精密に同期した時計を必要とすることのないシステムを提供する。
【解決手段】基地局S0が周波数f0の測位電波f0を発信し、第1中継基地局S1は測位電波f0を受信して測位電波f1を再送信し、第2中継基地局S2は測位電波f0を受信して測位電波f2を発信する。受信装置Pは測位電波f0、f1、f2を受信して各受信時刻T0、T1’、T2’を記録する。基地局S0は測位電波f0発信〜測位電波f1受信までの期間ΔTd1、測位電波f0発信〜測位電波f2受信までの期間ΔTd2を算出し、また期間ΔTs1、期間ΔTs2を算出し(ΔTs1=ΔTd1−d01/c、ΔTs2=ΔTd2−d02/c、d01:S0〜S1距離、d02:S0〜S2距離、c:光速)、期間ΔTs1、期間ΔTs2、第1中継基地局S1座標、第2中継基地局S2座標を含む測位情報を配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、測位情報を配信する測位情報配信システム、前記測位情報を用いた測位を実行する受信装置及び前記測位情報を配信する測位情報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、電波を用いた10m〜100m程度の範囲における測位方法がある。
図10はこの従来技術を示す図である。基地局S1〜S3にて測位対象Pから発信された電波を受信し、受信した時刻の差
|T2−T1|、|T3−T1|
を得る。この受信時刻の差に光速cを乗じることで測位対象Pと各基地局との距離の差
|P・S2|−|P・S1|、|P・S3|−|P・S1|
が得られる。なお、P・S2は測位対象Pと基地局S2との距離である。測位対象Pの位置は、双曲線航法によって、それぞれの条件を満たす双曲線の交点として求められる(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−187639号公報、段落[0002]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図10に示すような従来方式では、基地局S1〜S3全てにおいて、互いに精密に同期した時計を内蔵しなければならず、構成が複雑になるという課題がある。このためシステムがコスト高になる。
【0005】
この発明は、それぞれの基地局において、互いに精密に同期した時計を必要としないシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の測位情報配信システムは、
基地局S0と、第1中継基地局S1と、第2中継基地局S2とを備えた測位情報配信システムにおいて、
前記基地局S0は、
周波数f0の測位電波f0を発信し、
前記第1中継基地局S1は、
前記測位電波f0を受信すると、前記測位電波f0と異なる周波数f1の測位電波f1を発信し、
前記第2中継基地局S2は、
前記測位電波f0を受信すると、前記測位電波f0と前記測位電波f1とのいずれとも異なる周波数f2の測位電波f2を発信し、
前記基地局S0は、
前記測位電波f0の発信から前記測位電波f1の受信までの期間ΔTd1と、前記測位電波f0の発信から前記測位電波f2の受信までの期間ΔTd2とを算出すると共に、以下の式1、式2で算出される期間ΔTs1と、期間ΔTs2とを算出し、
ΔTs1=ΔTd1−d01/c (式1)
ΔTs2=ΔTd2−d02/c (式2)
01:前記基地局S0と前記第1中継基地局S1との距離
02:前記基地局S0と前記第2中継基地局S2との距離
c:光速
算出した前記期間ΔTs1と、前記期間ΔTs2と、前記第1中継基地局S1の座標と、前記第2中継基地局S2の座標とを少なくとも含む測位情報を配信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の測位情報配信システムにより、それぞれの基地局において、互いに精密に同期した時計を必要とすることのないシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1の測位情報配信システム100の構成図。
【図2】実施の形態1の基地局S0のブロック図。
【図3】実施の形態1の第1中継基地局S1のブロック図。
【図4】実施の形態1の第2中継基地局S2のブロック図。
【図5】実施の形態1の受信装置Pのブロック図。
【図6】実施の形態1のΔTs1を説明する図。
【図7】実施の形態1の|T1−T0|を説明する図。
【図8】実施の形態1の測位情報配信システム100の動作を示すフローチャート。
【図9】実施の形態2の基地局S0のハードウェア構成を示す図。
【図10】従来技術を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1〜図8を参照して実施の形態1を説明する。
図1は実施の形態1の測位情報配信システム100のシステム構成を示す図である。測位情報配信システム100は、基地局S0、第1中継基地局S1、第2中継基地局S2及び受信装置Pを備えている。後述のように、基地局S0、第1中継基地局S1、第2中継基地局S2は、それぞれ測位電波f0、f1、f2を発信し、さらに、基地局S0は測位情報を発信する。
以下では、測位電波に関して、
基地局S0→受信装置Pのルート50、
基地局S0→第1中継基地局S1→受信装置Pのルート51、
基地局S0→第2中継基地局S2→受信装置Pのルート52が着目対象となる。
【0010】
図2は基地局S0の構成を示すブロック図である。基地局S0は、情報を送信する送信部1、情報を受信する受信部2、処理を実行する処理部3、時間を計測する時計部4及び情報を記憶する記憶部5を備える。これらの具体的な機能は後述の動作説明の中で述べる。
【0011】
図3は第1中継基地局S1の構成を示すブロック図である。第1中継基地局S1は、情報を送信する第1送信部11、情報を受信する第1受信部12、処理を実行する第1処理部13を備える。これらの具体的な機能は後述の動作説明の中で述べる。
【0012】
図4は第2中継基地局S2の構成を示すブロック図である。第2中継基地局S2の構成は、第1中継基地局S1と同様である。
【0013】
図5は、自身の位置を測位する受信装置Pのブロック図である。受信装置Pは、基地局S0からの測位電波f0、第1中継基地局S1からの測位電波f1、第2中継基地局S2からの測位電波f2を受信し、また、基地局S0から後述の「測位情報」を受信する。図5に示すように、受信装置Pは、情報を受信する装置側受信部31、測位電波f0〜f2、及び測位情報に基づき自身の位置を測位する装置側測位部32、時刻を計測する装置側時計部33を備える。これらの具体的な機能は後述の動作説明の中で述べる。
【0014】
(動作の説明)
以下、図6〜図8を参照して、測位情報配信システム100の動作を説明する。
図6は、後述のΔTs1を説明する図である。図7は、後述の|T1−T0|を説明する図である。図8は、測位情報配信システム100の動作を示すフローチャートである。図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0015】
まず前提として、
(1)基地局S0と第1中継基地局S1と、第2中継基地局S2とを、図1に示すように、予め測位領域55に配置する。
(2)また、予め各基地局相互の距離を測定しておく。
すなわち、
基地局S0〜第1中継基地局S1間の距離d01
基地局S0〜第2中継基地局S2間の距離d02
第1中継基地局S1〜第2中継基地局S2間の距離d12
を測定しておく。測定した基地局間の距離d01、d02、d12は、図1に示すように、基地局S0の記憶部5に登録する。なお、記憶部5は、基地局S0、第1中継基地局S1、第2中継基地局S2の各座標(位置)も格納している。
【0016】
(測位動作)
以下の動作説明では時刻と、時間差(時刻と時刻との差)が登場する。時間差(期間という場合もある)には「Δ」(デルタ)を付けて時刻と区別する。以下、システムの動作を説明する。
【0017】
(基地局S0)
ステップS101において、基地局S0の送信部1から周波数がf0(Hz)の測位電波f0を発信する。
【0018】
(第1中継基地局S1)
ステップS102において、第1中継基地局S1の第1受信部12が測位電波f0を受信する。この受信を契機に、第1送信部11が測位電波f0に対してある周波数fだけずらした周波数f1の測位電波f1を再送信する。測位電波f1は周波数が異なることで、測位電波f0と区別できればよい。
【0019】
(第2中継基地局S2)
ステップS103において、同様に第2中継基地局S2の第2受信部22は測位電波f0を受信する。この受信を契機に、第2送信部21が、測位電波f0に対して一定周波数2fだけずらした周波数f2の測位電波f2を再送信する。なお、2fだけずらすのは一例である。測位電波f2は、測位電波f0及び側電波f1と周波数が異なることで、測位電波f0、f1に対して区別できればよい。
【0020】
(受信装置P)
ステップS104において、測位対象の受信装置Pの装置側受信部31は、測位電波f0、測位電波f1、測位電波f2を受信する。この際、装置側時計部33が、測位電波f0、測位電波f1、測位電波f2のそれぞれの受信時刻T0,T1’,T2’を記録する。
ここで、受信時刻T0等は、以下の意味である。
T0:受信装置Pによる測位電波f0の受信時刻、
T1’:受信装置Pによる測位電波f1の受信時刻、
T2’:受信装置Pによる測位電波f2の受信時刻。
なお、受信時刻T1’、T2’の2つには「’」を付したのは、これらは後述する遅延時間Δtを含むからである。
【0021】
(基地局S0:ΔTd1等の算出)
ステップS105において、基地局S0の処理部3は、受信した測位電波f1、f2について、基地局S0自身が測位電波f0を発信してから、測位電波f1、f2を受信するまでの期間である時間差ΔTd1、ΔTd2を、時計部4を用いて計測する。
これらの記号の意味を以下に記しておく。
ΔTd1:基地局S0の測位電波f0発信〜測位電波f1受信までの期間、
ΔTd2:基地局S0の測位電波f0発信〜測位電波f1受信までの期間。
【0022】
(基地局S0:ΔTs1等の算出)
ステップS106において、基地局S0の処理部3は、次に以下のΔTs1、ΔTs2を求める。ΔTs1は、測位電波f0発信〜側電波f1発信までの期間であり、ΔTs2は、測位電波f0発信〜側電波f2発信までの期間である。
式としては、
ΔTs1=ΔTd1−d01/c (式1)
ΔTs2=ΔTd2−d02/c (式2)
である。
ここにcは光速である。
図6を参照して、上記(式1)のΔTs1について説明する。
まず時間差ΔTd1について説明する。
時間差ΔTd1は、前述のように基地局S0が測位電波f0を送信してから測位電波f1を受信するまでの期間である。これは、図6に示すように、
ΔTd1=ΔT01+ΔtS1+ΔT10
である。
ここで、
ΔT01:、測位電波f0が基地局S0から第1中継基地局S1に到達するまでの期間、
ΔtS1:第1中継基地局S1が測位電波f0を受信してから測位電波f1を発信するまでの期間(タイムラグ)、
ΔT10:測位電波f1が第1中継基地局S1から基地局S0に到達するまでの期間。
なお、当然に、
ΔT01=ΔT10=d01/c
である。
よって、
ΔTs1=ΔTd1−d01/c=ΔT01+ΔtS1+ΔT10−d01/c
=ΔT01+ΔtS1
よって、
ΔTs1=ΔT01+ΔtS1
である。
このΔTs1は、図6に示すように、基地局S0が測位電波f0を発信してから第1中継基地局S1がそ測位電波f1を発信するまでの時間差(期間)である。これをΔTs1とおいた。同様にして第2中継基地局S2に関する時間差ΔTs2については上記(式2)により得られる。このように、基地局S0の処理部3は、(式1)、(式2)に基づき、
測位電波f0発信〜測位電波f1発信までの期間ΔTs1、
測位電波f0発信〜測位電波f2発信までの期間ΔTs2
を算出する。
【0023】
(基地局S0:ΔTs1等の送信)
ステップS107において、基地局S0は、ΔTs1、ΔTs2および基地局S0、第1中継基地局S1、第2中継基地局S2の座標(位置)を無線通信により発信し、受信装置Pに伝達する。この場合、基地局S0の座標を原点とする場合には、基地局S0の座標の送信は不要である。逆にいえば、基地局S0の座標を座標系の原点としない場合は、基地局S0、第1中継基地局S1、第2中継基地局S2の各座標を送信する。
【0024】
(受信装置Pによる自己測位)
受信装置Pは、ステップS108において、
T1’−ΔTs1−T0 (式3)
の計算により、第1中継基地局S1と基地局S0とからの電波の真の受信時刻差
|T1−T0| (式4)
を得る。なお、
T1=T1’−ΔTs1
とおいた。
同様にして、受信装置Pは、
T2’−ΔTs2−T0 (式5)
の計算により、第2中継基地局S2と基地局S0からの電波の真の受信時刻差
|T2−T0| (式6)
を得る。
なお、
T2=T2’−ΔTs2
とおいた。図7を参照して(式3)、(式4)の意味を説明する。
図7は、基地局S0、第1中継基地局S1、受信装置Pの関係を示している。
時刻T0は、受信装置Pが、ルート50で測位電波f0を受信した時刻である。
時刻T1’は、受信装置Pが、ルート51で測位電波(f0、f1)を受信した時刻である。以下では理解の容易のため具体的な時刻を用いているが例示であり現実的な数値ではない。受信装置Pの測位電波f0の受信時刻T0を15:00:10(15時0分10秒)とする。
すなわち、
T0=15:00:10。
受信装置Pの装置側受信部31による測位電波f1の受信時刻T1’を15:00:30とする。
すなわち、
T1’=15:00:30。
また、
ΔTs1=12秒
とする。
この前提で、
図7のように、S0→S1→Pのルート51での所要時間、
ΔT01+Δts1+ΔT1Pを考える。
ΔT01:S0〜S1間の電波到達時間、
ΔT1P:P〜S1間の電波到達時間
この所要時間を、基地局S0を起点として、ΔT0P(S0〜P間の電波到達時間)に平行に、ΔT1P、Δts1、ΔT01の順に並べかえると考える(ポイント1)。この並べかえに加え、S0→Pのルート50、S0→S1→Pのルート51において、「測位電波f0の発信時刻が共通」(ポイント2)という条件がある。よって図7により、
「T1’−ΔTs1=時刻」
であるが、この時刻はΔT1Pに相当する。この時刻を(式4)ではT1とおいた。つまり、基準を同じくする「ΔT1Pに相当する時刻」(15:00:18)から、時刻T0(15:00:10,これはS0〜P間の電波到達期間ΔT0Pに相当する時刻)を引いてやれば、P〜S0間の距離と、P〜S1間の距離との差に相当する時間差が得れる。つまり、
「T1’−ΔTs1」−T0=T1−T0=8秒が得られる。
つまり、
「15:00:18」−「15:00:10」=8秒
が得られる。そしてこの8秒に光速cを乗じることで、P〜S0間の距離と、P〜S1間の距離との距離差を得ることができる。従って、受信装置Pは測位電波f0の発信時刻を知る必要はない。以上のように上記(式3)については時刻T0、T1’の先後により、絶対値で評価すればよい。
よって、
「T1’−ΔTs1−T0」は、
|T1−T0|として評価すればよい。
(式5)、(式6)についても同様である。
受信装置Pは、上記(式4)、(式6)の、
|T1−T0|、
|T2−T0|
を得る。これら時刻差に光速cを乗ずることで、「受信装置P〜第1中継基地局S1」と「受信装置P〜基地局S0」との距離の差、及び「受信装置P〜第2中継基地局S2」と「受信装置P〜基地局S0」との距離の差を得る。
すなわち、
|P・S1−P・S0|=距離差L1 (式7)
|P・S2−P・S0|=距離差L2 (式8)
を得る。なおP・S1は「受信装置P〜第1中継基地局S1」の距離を示す。
これらの式は、背景技術で述べた、
|P・S2|−|P・S1|、|P・S3|−|P・S1|
に対応する。よって受信装置Pは、自己位置を、双曲線航法に基づき、上記(式7)、(式8)を満たす双曲線の交点として求めることができる。
【0025】
なお、中継基地局は2以上の任意の個数で構わない。
【0026】
以上に説明した実施の形態1の測位情報配信装置によれば、基地局間での精密な時刻同期が不要となる。よって簡易な構成で測位が可能となる。このため、低コストでの基地局の構成が可能となる。監視対象の受信装置Pをパーソナルコンピュータの周辺装置とすれば、必要な演算はパーソナルコンピュータで行うことができ、装置の小型化、低価格化に寄与する。またパーソナルコンピュータにおいて自己位置の把握が出来るため、可搬パーソナルコンピュータの設置場所によってセキュリティ機能をパーソナルコンピュータ自身で変更したり、あるいは、物品管理分野において、パーソナルコンピュータの正確な設置位置を容易に管理することが可能となる。
【0027】
実施の形態2.
実施の形態2は、基地局S0、中継基地局S1、S2及び受信装置Pのハードウェア構成を説明する。基地局S0、中継基地局S1、S2及び受信装置Pは、いずれも同様の構成のコンピュータであるので、基地局S0を例に説明する。基地局S0についての以下の説明は、中継基地局S1、S2及び受信装置Pについてもあてはまる。
【0028】
図9は、基地局S0のハードウェア構成を示す。基地局S0は、プログラムを実行するCPU810(Central Processing Unit)を備えている。CPU810は、バス825を介してROM(Read Only Memory)811、RAM(Random Access Memory)812、表示装置813、操作キー814、通信ボード816、磁気ディスク装置820と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置820の代わりに、光ディスク装置、フラッシュメモリなどの記憶装置でもよい。
【0029】
RAM812は、揮発性メモリの一例である。ROM811、磁気ディスク装置820等の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、「記憶装置」あるいは記憶部、格納部、バッファの一例である。通信ボード816、操作キー814などは、入力部、入力装置の一例である。また、通信ボード816、表示装置813、などは、出力部、出力装置の一例である。
【0030】
通信ボード816は、ネットワークに接続されている。通信ボード816は、中継基地局S1、S2及び受信装置Pと通信可能である。
【0031】
磁気ディスク装置820には、オペレーティングシステム821(OS)、プログラム群823、ファイル群824が記憶されている。プログラム群823のプログラムは、CPU810、ウィンドウシステム822により実行される。
【0032】
上記プログラム群823には、以上の実施の形態1の説明において「〜部」として説明した機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU810により読み出され実行される。
【0033】
ファイル群824には、以上の実施の形態1の説明において、「〜の判定結果」、「〜の算出結果」、「〜の抽出結果」、「〜の生成結果」、「〜の処理結果」として説明した情報や、データや信号値や変数値やパラメータなどが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU810によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0034】
また、以上に述べた実施の形態1の説明において、データや信号値は、RAM812のメモリ、磁気ディスク装置820の磁気ディスク等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス825や信号線によりオンライン伝送される。
【0035】
また、以上の実施の形態の説明において、「〜部」として説明したものは、「〜手段」、「〜回路」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明したものは、ROM811に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU810により読み出され、CPU810により実行される。すなわち、プログラムは、以上に述べた「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、以上に述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0036】
以上の実施の形態では、測位情報配信システム、基地局S0、中継基地局S1,S2,受信装置等を説明したが、これらの動作をコンピュータに実行させるためのプログラムとして把握することも可能である。あるいは、運転情報収集プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として把握することも可能である。また、測位情報配信システムの動作を、測位情報配信方法として把握することも可能である。
【符号の説明】
【0037】
S0 基地局、S1 第1中継基地局、S2 第2中継基地局、P 受信装置、1 送信部、2 受信部、3 処理部、4 時計部、5 記憶部、11 第1送信部、12 第1受信部、13 第1処理部、21 第2送信部、22 第2受信部、23 第2処理部、31 装置側受信部、32 装置側測位部、33 装置側時計部、50,51,52 ルート、55 測位領域、100 測位情報配信システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局S0と、第1中継基地局S1と、第2中継基地局S2とを備えた測位情報配信システムにおいて、
前記基地局S0は、
周波数f0の測位電波f0を発信し、
前記第1中継基地局S1は、
前記測位電波f0を受信すると、前記測位電波f0と異なる周波数f1の測位電波f1を発信し、
前記第2中継基地局S2は、
前記測位電波f0を受信すると、前記測位電波f0と前記測位電波f1とのいずれとも異なる周波数f2の測位電波f2を発信し、
前記基地局S0は、
前記測位電波f0の発信から前記測位電波f1の受信までの期間ΔTd1と、前記測位電波f0の発信から前記測位電波f2の受信までの期間ΔTd2とを算出すると共に、以下の式1、式2で算出される期間ΔTs1と、期間ΔTs2とを算出し、
ΔTs1=ΔTd1−d01/c (式1)
ΔTs2=ΔTd2−d02/c (式2)
01:前記基地局S0と前記第1中継基地局S1との距離
02:前記基地局S0と前記第2中継基地局S2との距離
c:光速
算出した前記期間ΔTs1と、前記期間ΔTs2と、前記第1中継基地局S1の座標と、前記第2中継基地局S2の座標とを少なくとも含む測位情報を配信することを特徴とする測位情報配信システム。
【請求項2】
前記測位情報配信システムは、さらに、
前記基地局S0によって発信された前記測位情報を受信すると共に、前記測位電波f0、前記測位電波f1、前記測位電波f2を受信すると前記測位電波f0の受信時刻T0、前記測位電波f1の受信時刻T1’、前記測位電波f2の各受信時刻T2’を記録し、記録した各受信時刻T0,T1’、T2’と、受信した前記測位情報とを用いた双曲線航法によって、自身の位置を算出する受信装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の測位情報配信システム。
【請求項3】
請求項1記載の測位情報配信システムの前記基地局S0の発信する前記測位情報と、前記測位電波f0、前記測位電波f1、前記測位電波f2を受信する装置側受信部と、
前記測位電波f0、前記測位電波f1、前記測位電波f2の各受信時刻である受信時刻T0、T1’、T2’を記録する装置側時計部と、
前記装置側時計部が記録した各受信時刻T0,T1’、T2’と、前記装置側受信部が受信した前記測位情報とを用いた双曲線航法によって、自身の位置を算出する装置側測位部と
を備えたことを特徴とする受信装置。
【請求項4】
基地局S0と、第1中継基地局S1と、第2中継基地局S2とを備えた測位情報配信システムが行う測位情報配信方法であって、
前記基地局S0は、
周波数f0の測位電波f0を発信し、
前記第1中継基地局S1は、
前記測位電波f0を受信すると、前記測位電波f0と異なる周波数f1の測位電波f1を発信し、
前記第2中継基地局S2は、
前記測位電波f0を受信すると、前記測位電波f0と前記測位電波f1とのいずれとも異なる周波数f2の測位電波f2を発信し、
前記基地局S0は、
前記測位電波f0の発信から前記測位電波f1の受信までの期間ΔTd1と、前記測位電波f0の発信から前記測位電波f2の受信までの期間ΔTd2とを算出すると共に、以下の式1、式2で算出される期間ΔTs1と、期間ΔTs2とを算出し、
ΔTs1=ΔTd1−d01/c (式1)
ΔTs2=ΔTd2−d02/c (式2)
01:前記基地局S0と前記第1中継基地局S1との距離
02:前記基地局S0と前記第2中継基地局S2との距離
c:光速
算出した前記期間ΔTs1と、前記期間ΔTs2と、前記第1中継基地局S1の座標と、前記第2中継基地局S2の座標とを少なくとも含む測位情報を配信することを特徴とする測位情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−68070(P2012−68070A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211609(P2010−211609)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(501158538)三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社 (28)
【Fターム(参考)】