説明

測位支援システム、交換機及び測位支援方法

【課題】複数の通信網を利用可能な通信端末に係る測位支援をより効率的に行う。
【解決手段】測位支援システム2に含まれるLTE通信網における交換機である#1MME31の接続先情報格納部では、通信端末5を特定する情報とこの通信端末5が3G通信網において在圏する交換機である#1xGSN21を特定する情報が保持されている。そして、GMLC12からの測位指示に基づき、測位指示に含まれる情報により特定される通信端末5が自機を利用して通信を行っているか否かを確認し、通信端末5が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合には、3G通信網における交換機である#1xGSN21に対して測位指示を転送する構成を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末による測位を支援する測位支援システム及びこの測位支援システムに含まれる交換機及びこの測位支援システムによる測位支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(Third Generation Partnership Project)によって標準化された通信方式(以下、3G方式)においては、携帯電話等の通信端末を用いた測位が一般的に行われている。通信端末による測位方法としては、GPS衛星からの電波を利用したGPS測位のほか、通信端末が通信を行うセルの位置を特定する情報を通信端末の位置情報として利用するセルベース測位が知られている。このセルベース測位では、通信端末のセルベース測位を支援する測位支援装置が測位要求を受信すると、通信端末が在圏する通信エリアを管轄する交換機を特定する情報が格納された加入者情報データベースの情報に基づいて、交換機に対して通信端末が通信している通信エリアを問い合わせることで当該通信端末が通信する通信エリアの位置を割り出し、これを通信端末に対して測位結果として送信する構成が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−153858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、3G方式に対して、新しい通信方式であるLTE(Long Term Evolution)が提案されている。LTEを利用する通信端末が3G方式を利用することも可能な仕様とした場合、この通信端末は2種類の通信方式を併用できる。また、3G方式とLTEとが併用される通信端末に関しては、3G方式において通信端末が在圏する通信エリアを管轄する交換機に係る情報と、LTE方式において通信端末が在圏する通信エリアを管轄する交換機に係る情報と、が加入者情報データベースに格納されることとなる。
【0005】
しかしながら、通信端末が実際にどちらの通信方式を利用して通信接続を行っているかに係る情報は、加入者情報データベースにおいて保持されない。このため、通信端末に係る測位要求を受信した測位支援装置は、測位結果を送信するためには、2種類の通信方式における交換機の双方に対して通信端末が通信接続を行っているかを問い合わせることで通信端末が通信を行っている通信エリアを特定する必要がある。このように、複数の通信方式で通信可能な通信端末に対しての測位支援を行う場合、測位支援装置による通信量が増加してしまう。また、測位支援装置による測位結果の送信のための通信量が増加することにより、測位結果の送信が遅延する可能性がある。
【0006】
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、複数の通信網を利用可能な通信端末に係る測位支援をより効率的に行うことが可能な測位支援システム、交換機及び測位支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る測位支援システムは、互いに異なる第1の通信網及び第2の通信網に対して接続可能な通信端末が前記第1の通信網を介して通信するための第1の交換機と、前記通信端末が前記第2の通信網を介して通信するための第2の交換機と、前記通信端末に係る測位情報を提供する測位支援装置により構成される測位支援システムであって、前記測位支援装置は、前記通信端末を特定する情報と当該通信端末が在圏する前記第1の交換機を特定する情報とを対応付けて格納する端末情報格納手段と、通信端末の測位要求を受信する測位要求受信手段と、前記測位要求受信手段により受信された前記測位要求に係る通信端末を特定する情報と対応付けて前記端末情報格納手段に格納された情報によって特定される前記第1の交換機に対して送信され、当該通信端末を特定する情報を含む測位指示を送信する測位指示手段と、前記測位指示手段により送信された前記測位指示に応じた測位結果を受信する測位結果受信手段と、前記測位結果受信手段により受信された前記測位結果を前記測位要求に応じた送信先に対して送信する測位結果送信手段と、を備え、前記第1の交換機は、前記通信端末を特定する情報と当該通信端末が在圏する前記第2の交換機を特定する情報を格納する接続先報格納手段と、前記測位支援装置からの前記測位指示を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段により受信された前記測位指示に基づき、前記測位指示に含まれる情報により特定される通信端末が自機を利用して通信を行っているか否かを確認する第1の接続確認手段と、前記接続確認手段において前記通信端末が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合に、当該通信端末を特定する情報と対応付けて前記接続先情報格納手段に格納された情報により特定された前記第2の交換機に対して前記測位指示を転送する第1の転送手段と、前記接続確認手段において前記通信端末との通信接続が有ると確認された場合に前記通信端末が接続する基地局の位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する第1の測位結果送信手段と、を備え、前記第2の交換機は、前記第1の交換機から転送された前記測位指示を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段により受信された前記測位指示に基づき、前記通信端末が接続する通信エリアの位置を特定する位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する第2の測位結果送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る測位支援システムに含まれる第1の交換機は、互いに異なる第1の通信網及び第2の通信網に対して接続可能な通信端末が前記第1の通信網を介して通信するための第1の交換機と、前記通信端末が前記第2の通信網を介して通信するための第2の交換機と、前記通信端末に係る測位情報を提供する測位支援装置により構成される測位支援システムに含まれる第1の交換機であって、前記通信端末を特定する情報と当該通信端末が在圏する前記第2の交換機を特定する情報を格納する接続先報格納手段と、前記測位支援装置からの前記測位指示を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段により受信された前記測位指示に基づき、前記測位指示に含まれる情報により特定される通信端末が自機を利用して通信を行っているか否かを確認する第1の接続確認手段と、前記第1の接続確認手段において前記通信端末が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合に、当該通信端末を特定する情報と対応付けて前記接続先情報格納手段に格納された情報により特定された前記第2の交換機に対して前記測位指示を転送する第1の転送手段と、前記接続確認手段において前記通信端末との通信接続が有ると確認された場合に前記通信端末が接続する基地局の位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する第1の測位結果送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記実施形態に係る測位支援システムによれば、第1の交換機において、通信端末を特定する情報とこの通信端末が第2の通信網において在圏する交換機である第2の交換機を特定する情報が接続先情報格納手段において保持されている。そして、測位支援装置からの測位指示に基づき、測位指示に含まれる情報により特定される通信端末が自機を利用して通信を行っているか否かを確認し、通信端末が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合には、第2の交換機に対して測位指示を転送する構成を具備している。したがって、第1の交換機を利用した通信を通信端末が行っていない場合であっても、第1の交換機から第2の交換機に対して測位指示が転送されるため、測位支援装置が複数の通信網のそれぞれの交換機に対して問い合わせをする必要がなくなり、測位支援装置による通信量が軽減され、複数の通信網を利用可能な通信端末に係る測位支援をより効率的に行うことが可能となる。
【0010】
ここで、前記第2の交換機は、前記第2の受信手段により受信された前記測位指示に基づき、前記測位指示に含まれる情報により特定される通信端末が自機を利用して通信を行っているか否か第2の接続確認手段をさらに備え、前記第2の測位結果送信手段は、前記通信端末が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合に、前記通信端末が接続する基地局の位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する態様とすることができる。
【0011】
上記態様によれば、第2の交換機においても、通信端末が自機を利用した通信を行っているかが確認されるため、仮に通信端末が第1の交換機及び第2の交換機のいずれも利用していない場合に、例えば第2の交換機に係る誤った測位結果が測位支援装置に対して返送されることが防止でき、通信端末の測位に係る精度を高めることができる。
【0012】
また、前記第2の交換機は、前記第1の通信網において前記通信端末が在圏する第1の交換機を示す情報を前記通信端末から取得し、この通信端末が前記第2の通信網において自機に在圏していることを当該第1の交換機に対して通知する接続先通知手段を備え、前記第1の交換機の前記接続先情報格納手段は、前記第2の交換機から通知された情報に基づいて、前記第2の通信網において前記通信端末が在圏する交換機を特定する情報を更新する態様とすることもできる。
【0013】
上記構成によれば、第1の交換機の接続先情報格納手段に格納される第2の交換機に係る情報を更新する場合に、測位支援装置が交換機との間で通信を行う必要がないため、効率的な測位支援を行うための測位支援装置の通信量が増大することを抑制することができる。
【0014】
なお、本発明は、上記のように測位支援システムの発明として記述できる他に、以下のように測位支援方法の発明としても記述することができる。これはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0015】
すなわち、本発明に係る測位支援方法は、互いに異なる第1の通信網及び第2の通信網に対して接続可能な通信端末が前記第1の通信網を介して通信するために用いられると共に、前記通信端末を特定する情報と当該通信端末が前記第2の通信網を介して通信するために当該通信端末が在圏する前記第2の交換機を特定する情報とを対応付けて格納する接続先報格納手段を備える第1の交換機と、前記通信端末が前記第2の通信網を介して通信するための第2の交換機と、前記通信端末を特定する情報と当該通信端末が在圏する前記第1の交換機を特定する情報とを対応付けて格納する端末情報格納手段を備え、前記通信端末に係る測位情報を提供する測位支援装置により構成される測位支援システムによる測位支援方法であって、前記測位支援装置の測位要求受信手段により、通信端末の測位要求を受信する測位要求受信ステップと、前記測位支援装置の測位指示手段により、前記測位要求受信ステップにおいて受信された前記測位要求に係る通信端末を特定する情報と対応付けて前記端末情報格納手段に格納された情報によって特定される前記第1の交換機に対して送信され、当該通信端末を特定する情報を含む測位指示を送信する測位指示ステップと、前記測位支援装置の測位結果受信手段により、前記測位指示ステップにおいて送信された前記測位指示に応じた測位結果を受信する測位結果受信ステップと、前記測位支援装置の測位指示手段により、前記測位結果受信ステップにおいて受信された前記測位結果を前記測位要求に応じた送信先に対して送信する測位結果送信ステップと、前記第1の交換機の第1の受信手段により、前記測位支援装置からの前記測位指示を受信する第1の受信ステップと、前記第1の交換機の第1の接続確認手段により、前記第1の受信ステップにおいて受信された前記測位指示に基づき、前記測位指示に含まれる情報により特定される通信端末が自機を利用して通信を行っているか否かを確認する第1の接続確認ステップと、前記第1の交換機の第1の転送手段により、前記接続確認ステップにおいて前記通信端末が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合に、当該通信端末を特定する情報と対応付けて前記接続先情報格納手段に格納された情報により特定された前記第2の交換機に対して前記測位指示を転送する第1の転送ステップと、前記第1の交換機の第1の測位結果送信手段により、前記接続確認ステップにおいて前記通信端末との通信接続が有ると確認された場合に前記通信端末が接続する基地局の位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する第1の測位結果送信ステップと、前記第2の交換機の第2の受信手段により、前記第1の交換機から転送された前記測位指示を受信する第2の受信ステップと、前記第2の交換機の第2の測位結果送信手段により、前記第2の受信ステップにおいて受信された前記測位指示に基づき、前記通信端末が接続する通信エリアの位置を特定する位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する第2の測位結果送信ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の通信網を利用可能な通信端末に係る測位支援をより効率的に行うことが可能な測位支援システム、交換機及び測位支援方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の好適な実施形態に係る通信システムの構成を説明するブロック図である。
【図2】測位支援システム2に含まれる各装置、ISP、及びGWのハードウェア構成を示す図である。
【図3】通信端末のハードウェア構成を示す図である。
【図4】測位支援装置を構成するHLRとGMLCの構成を説明するブロック図である。
【図5】HLRに格納される位置登録情報の例である。
【図6】xGSN及びMMEの構成を説明するブロック図である。
【図7】xGSN及びMMEの接続先情報格納部に格納される接続先情報の例である。
【図8】通信端末が位置登録する際の処理を説明するシーケンス図である。
【図9】通信端末が位置登録処理を再度行った場合の処理を説明するシーケンス図である。
【図10】通信端末に係る測位情報を提供するための処理を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
<測位支援システムの構成>
【0019】
図1は、本実施形態に係る測位支援システムを含む通信システム1の構成を説明するブロック図である。通信システム1は、測位支援システム2と、ISP(Internet Service Provider)3、GW(Gateway)4、及び通信端末5を含んで構成される。また、測位支援システム2は、HLR(Home Location Centre)11、GMLC(Gateway Mobile Location Centre)12、#1xGSN(serving/gateway General packet radio service Support. Node)21、RNC(:Radio Network Controller)22、BTS(BaseTransceiver Station)23、#1MME(Mobility Management Entity)31、eNB(e-Node B)32、及びBTS33を含んで構成される。
【0020】
測位支援システム2を構成する各装置のうち、#1xGSN21、RNC22及びBTS23は、第2の通信網である3G通信網を構成するための装置であり、#1MME31、eNB(e-Node B)32、及びBTS33は、第1の通信網であるLTE通信網を構成するための装置である。そして、HLR11及びGMLC12これらの2つの通信網に係る制御を行う装置である。
【0021】
まず3G通信網を構成する各装置について説明する。#1xGSN21は交換機としての機能を有する装置であり、RNC22は無線基地局制御装置としての機能を有する。また、BTS23は基地局として機能する。実際の3G通信網では、1つのxGSNに対しては複数のRNCが接続されていて、さらに1つのRNCに対して複数のBTSが接続されている。通信端末5は、このうちの1つのBTS(図1ではBTS23)からの電波により形成されるセル(図1ではセルC2)に在圏し、このBTS23と無線通信を行うことで、例えば他の通信端末との3G通信網を介した通信を行うことが可能となる。
【0022】
次に、LTE通信網を構成する各装置について説明する。#1MME31は交換機としての機能を有する装置であり、eNB32は無線基地局制御装置としての機能を有する。また、BTS23は基地局として機能する。実際のLTE通信網では、1つのMMEに対しては複数のeNBが接続されていて、さらに1つのeNBに対して複数のBTSが接続されている。通信端末5は、このうちの1つのBTS(図1ではBTS33)からの電波により形成されるセル(図1ではセルC3)に在圏し、このBTS33と無線通信を行うことで、例えば他の通信端末とのLTE通信網を介した通信を行うことが可能となる。
【0023】
また、HLR11は、通信端末5の位置登録に係る情報を管理する機能を有する装置であり、GMLC12は、位置情報を制御するゲートウェイとして機能を有する装置である。このGMLC12は、#1xGSN21や#1MME31と通信を行うことで、各通信網に在圏する通信端末の位置に係る情報を収集し、HLR11へ送信する。また、HLR11は、このGMLC12から送信された情報を格納する。このHLR11及びGMLC12は測位支援システム2における測位支援装置としての機能を有する。
【0024】
ISP3は、通信端末5によるインターネットへの接続サービスを提供する機能を有する装置である。また、GW4は、通信端末5がインターネットへ接続する場合のゲートウェイとしての機能を有する装置である。インターネットを介して通信端末5に対して提供されるコンテンツには、通信端末5の位置情報を利用したものが含まれる。この場合、通信端末5のユーザの承諾の上で、コンテンツを作成する者(コンテンツ提供者)から通信網における位置情報を制御するGMLC12に対して、通信端末5の位置情報の提供を要求する測位要求が送信される。これに対して、GMLC12を含む測位支援システム2において、通信端末5の位置情報が取得され、これが測位結果としてISP3に対して応答され、ISP3からコンテンツ提供者に対して送信される。
【0025】
通信端末5は、上記の3G通信網とLTE通信網の双方に対して接続する機能を有する端末である。通信端末5が3G通信網において在圏し位置登録をした場合、位置登録に係る情報はBTS23、RNC22、#1xGSN21、GMLC12を介してHLR11に登録される。また、通信端末5がLTE通信網において位置登録をした場合、位置登録に係る情報はBTS33、eNB32、#1MME31、GMLC12を介してHLR11に登録される。
【0026】
なお、通信端末5は、双方の通信網を介して同時に通信を行うことはできない。したがって、通信端末5が実際に通信を行う通信網は1つのみである。また、3G通信網とLTE通信網との間で通信する通信網を切り替えた場合であっても、各々の通信網において在圏するセルが変更されていない場合には、HLR11において保持される位置登録情報の更新は行われない。具体的には、図1に示すように、BTS23により構築された3G通信網のセルC2に在圏する通信端末5が移動し、BTS33により構築されたLTE通信網のセルC3に在圏した場合にはこのセルC3に係る情報はHLR12に登録される。ただし、3G通信網において通信端末5が在圏するセルC2は変更していないので、HLR12ではセルC2に係る情報の更新は行われない。また、図1に示す移動後の通信端末5(5’)は、3G通信網を介した接続通信とLTE通信網を介した接続通信との双方を行うことができるが、どちらの通信網を介して接続通信を行っているかは、HLR11及びGMLC12は把握することができない状態となっている。
【0027】
次に、通信端末の位置を測位する測位方法に関して説明する。本実施形態では、測位方法としてセルベース測位に関して説明する。セルベース測位では、通信端末5において衛星からの電波を受信し測位を行うGPS測位のように通信端末5自身が測位を行うものではなく、通信端末5が通信接続するセルの位置を示す情報を位置情報として利用するものである。したがって、ISP3からの測位要求に基づいて通信端末5の位置情報をGMLC12がISP3に対して送信する際には、GMLC12において通信端末5が通信接続するセルを特定しこのセルに係る位置情報を通信端末5の測位結果として送信することになる。
【0028】
上記の通信システム1の測位支援システム2に含まれる各装置、ISP3、及びGW4は、それぞれ、図2に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM(Read Only Memory)103、通信を行うための通信モジュール104、並びにハードディスク等の補助記憶装置105等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。そして、これらの構成要素が動作することにより、各装置の機能が発揮される。また、通信端末5は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)501、RAM502、ROM503、操作部504、無線通信部505、ディスプレイ506、及びアンテナ507等のハードウェアにより構成される。そしてこれらの構成要素が動作することにより、通信端末5の機能が発揮される。
【0029】
なお、測位支援システム2に含まれる各装置の間、GMLC12とISP3との間、ISP3とGW4との間は、それぞれ有線のネットワークを介して接続される。また、通信端末5とBTS23,33との間は、それぞれ無線通信により情報の交換が行われる。
【0030】
次に通信システム1に含まれる各装置のうち、測位支援装置として機能するHLR11とGMLC12、及び、交換機として機能する#1xGSN21及び#1MME31について詳細に説明する。
【0031】
まず、図4及び図5を用いて、測位支援装置を構成するHLR11及びGMLC12について説明する。
【0032】
HLR11は、通信端末を特定する情報と当該通信端末が在圏する交換機を特定する情報とを対応付けて格納する端末情報格納手段として機能する。HLR11において格納される情報とは、具体的には図5に示すように、通信端末5を特定する情報(図5では、通信端末の電話番号)と、その通信端末5が3G通信網において位置登録を行った交換機を特定する情報(#1xGSN,#2xGSN等)と、LTE通信網において位置登録を行った交換機を特定する情報(#1MME、#3MME等)と、が対応付けられたものである。このHLR11に格納される情報は、通信端末5が各々の通信網に在圏して位置登録を行った場合に更新される。また、移動等により、各々の通信網において通信端末が利用する交換機が変更となった場合には、通信端末5からGMLC12を介してHLR11に対して更新の要求がなされるので、この要求に基づいて、HLR11に格納される情報が更新される。このHLR11に格納される情報は、GMLC12による測位に係る制御に用いられる。
【0033】
GMLC12は、通信部121及び測位制御部122を含んで構成される。通信部121は、測位支援システム2の外部装置との通信行う機能を備え、具体的には、通信端末の測位要求を受信する測位要求受信手段としての機能を有すると共に、測位結果を測位要求に応じた送信先に対して送信する測位結果送信手段としての機能を有する。本実施形態では、このGMLC12の通信部121がISP3との通信を行い、ISP3からの通信端末5に係る測位要求を受信して測位制御部122に対して送ると共に、測位制御部122から送られた測位結果をISP3に対して送信する機能を有する。
【0034】
測位制御部122は、測位要求に基づいて、HLR11から通信端末5に係る情報を取得し、この通信端末5が在圏する交換機(本実施形態では、#1MME31)に対して測位指示を送信する機能を有する測位指示手段としての機能を有すると共に、この測位指示に応じた測位結果を受信する測位結果受信手段としての機能を有する。すなわち、測位制御部122は測位支援システム2に含まれる各装置との通信制御を行う。測位制御部122において受信された測位結果は、通信部121に対して送られ、通信部121から測位要求の送信先(本実施形態ではISP3)に対して送信される。なお、GMLC12は、#1xGSN21及び#1MME31のいずれか一方に対して、通信端末5に係る測位指示を送信するが、どちらの交換機に送信するかについては、予めGMLC12の管理者等により定められていてもよいし、通信の混雑状況等に応じて、適宜変更する態様としてもよい。上記のHLR11及びGMLC12による処理の詳細は後述する。
【0035】
次に、図6及び図7を用いて、#1xGSN21及び#1MME31について説明する。なお、本実施形態では、#1xGSN21及び#1MME31は同様の機能を有する場合について説明する。
【0036】
図6に示すように、#1xGSN21(第2の交換機)及び#1MME31(第1の交換機)は、通信接続処理部201、制御部202、転送部203、及び接続先情報格納部204を含んで構成される。
【0037】
通信接続処理部201は、通信端末5からの要求に基づいて通信網(3G通信網又はLTE通信網)に対する通信端末5の位置登録(在圏)処理及び通信処理を行う機能を有する。ここで、通信端末5が通信網間で通信先を変更した場合にも、通信開始に係る処理及び切断に係る処理を行う機能を有する。その詳細は後述する。
【0038】
さらに、通信接続処理部201は、#1MME31の場合、GMLC12からの測位指示を受信する受信手段(第1の受信手段)としての機能を有し、通信接続処理部201は、この測位指示に対応した測位結果をGMLC12に対して送信する機能を有する(第1の測位結果送信手段)また、#1xGSN21の場合、#1MME31から転送された測位指示を受信する受信手段(第2の受信手段)としての機能を有し、さらにこの測位指示に対応した測位結果を#1MME31を介してGMLC12に対して送信する機能を有する(第2の測位結果送信手段)。いずれの装置であっても、測位結果として用いられる基地局の位置情報は、下位の無線基地局制御装置(RNC22又はeNB32)に対して問い合わせることにより取得される。この通信接続処理部201において受信された測位指示は制御部202へ送られる。
【0039】
制御部202は、通信接続処理部201により受信された測位指示に基づき、この測位指示に含まれる情報により特定される通信端末5が自機を利用して通信を行っている(呼接続を行っている)か否かを確認する機能を有する(第1の接続確認手段/第2の接続確認手段)。また、制御部202は、他の通信網において通信端末5が在圏する交換機を示す情報を通信端末5から取得し、この通信端末が自網において自機に在圏していることを他網の交換機に対して通知する機能を有する(接続先通知手段)。さらに、通信端末5が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合には、接続先情報格納部203から他網において通信端末5が在圏する交換機の情報を取得し、この交換機の情報を転送部204に対して送ることで他網において通信端末5が在圏している交換機(#1MME31の場合は#1xGSN21)への測位指示の転送を指示する機能を有する。
【0040】
接続先情報格納部203は、自網における通信端末5の接続先(自網において通信を行う際に利用する無線基地局制御装置)を登録すると共に、他網における通信端末5の位置登録先を格納する機能を有する(接続先報格納手段)。図7(a)は、#1xGSN21の接続先情報格納部203に格納される情報の例を示し、図7(b)は、#1MME31の接続際情報格納部203に格納される情報の例を示す。この図5(a)(b)では、電話番号「0900000003」により特定される通信端末はLTE通信網の交換機#1MME31に対して接続していて、電話番号「0900000004」により特定される通信端末は3G通信網の交換機#1xGSN21に対して接続している場合について説明する。図5(a)に示すように、#1xGSN21においては、#1xGSN21を利用して通信を行っている「09000000004」により特定される通信端末については、3G通信網において接続しているRNCを特定する情報が格納されている。また、#1xGSN21からLTE通信網の交換機に対して通信先を変更した通信端末や、LTE通信網の交換機から通信先を変更して#1xGSN21に対して接続している通信端末については、LTE通信網において在圏している交換機を特定する情報(LTE交換機情報)がさらに対応付けて格納される。これにより、「09000000003」により特定される通信端末は、現在3G通信網を利用した通信を行ってはいないが、LTE通信網では、#1MMEにより特定されるLTE交換機を利用して通信を行っているということがわかる。また、「09000000004」により特定される通信端末は、現在#1xGSN21を利用して3G通信網における通信を行っているが、LTE通信網では、#1MMEにより特定されるLTE交換機に対して位置登録をしているということがわかる。
【0041】
一方、LTE通信網の交換機である#1MME31では、図7(b)に示すように、#1MME31を利用した通信を行っている通信端末については、通信を行っているeNBを特定する情報が格納されると共に、3G通信網でも接続可能であって位置登録を行っている通信端末については3G通信網において利用する交換機を特定する情報が格納される。このように3G通信網における交換機及びLTE通信網における交換機の双方で、他網において通信端末が位置登録をしている交換機を特定する情報と、自網において通信端末が接続をしている場合には接続先を特定する情報と、が通信端末を特定する情報に対応付けて格納される。これらの情報は、通信端末の位置登録や、通信先(利用する通信網)の変更等を契機に更新される。具体的には後述する。
【0042】
図6に戻り、転送部204は、制御部202からの指示に基づき、GMLC12から送信された測位指示を、他網において通信端末5が在圏している交換機(#1MME31の場合は#1xGSN21)に対して送信する機能を有する(第1の転送手段)。本実施形態の#1xGSN21及び#1MME31では、通信端末5が自機を利用した通信を行っていないことが確認された場合に、他網において通信端末5が位置登録を行っている交換機に対してGMLC12からの測位指示を転送するとい構成の特徴を有する。これにより、複数の通信網(3G通信網及びLTE通信網)に対して接続可能な通信端末5がどちらの通信網を介して通信を行っているかをGMLC12が個別に問い合わせて確認することが不要となり、GMLC12による通信が減少するという効果を奏する。
【0043】
<測位支援システムによる測位支援方法>
次に、上記の測位支援システム2を含む通信システム1による測位支援方法について、図8〜図10に示すシーケンス図を用いて説明する。なお、図8は、通信端末5による位置登録に係る処理を説明するシーケンス図であり、図9は、通信端末5が位置登録処理を再度行った場合の処理を説明するシーケンス図であり、図10は、通信端末5に係る測位を行う場合の処理を説明するシーケンス図である。
【0044】
最初に、図8を用いて、通信端末5の位置登録に係る処理を説明する。まず通信端末5が3G通信網へ在圏する場合(S101)、通信端末5からBTS23(図示せず)及びRNC22を介して#1xGSN21に対して位置登録要求が送信される(S102)。#1xGSN21の通信接続処理部201において、位置登録要求を受信すると、接続先情報格納部203において保持される通信端末5の接続先に係る情報を更新する(S103)と共に、この位置登録要求が#1xGSN21の通信接続処理部201からGMLC12を介してHLR11に対して送信される。これにより、HLR11に格納された情報が更新され、3G通信網にかかる位置登録が行われる(S104)。
【0045】
また、通信端末5がLTE通信網に在圏する場合(S111)であっても、3G通信網における場合と同様の処理が行われる。具体的には、通信端末5からBTS33(図示せず)及びeNB32を介して#1MME31に対して位置登録要求が送信される(S112)。#1MME31の通信接続処理部201において、位置登録要求を受信すると、接続先情報格納部203において保持される通信端末5の接続先に係る情報を更新する(S113)と共に、この位置登録要求が#1MME31の通信接続処理部201からGMLC12を介してHLR11に対して送信される(S114)。これにより、HLR11に格納された情報が更新され、LTE通信網にかかる位置登録が行われる(S115)。このとき、#1MME31は、通信端末5から、3G通信網において在圏する交換機の情報(#1xGSN21)を取得し、これが#1xGSN21に対して通知されることで、両者の間で端末情報の登録が行われる(S116)。
【0046】
次に、3G通信網とLTE通信網との間で、通信端末5が通信を行う通信網を変更した場合について説明する。ここでは、3G通信網を介して通信を行っていた通信端末5が、移動等により、一度切断をした後に、LTE通信網を介した通信へ変更を行った場合について説明する。
【0047】
まず、3G通信網を利用した通信を行う場合(S201)、通信端末5からの接続要求がBTS23(図示せず)及びRNC22を介して#1xGSN21に対して送られる(S202)。ここで、#1xGSN21と通信端末5との間で、通信を行うための認証処理等を含む接続処理が行われ(S203)ることで、通信が開始される。この接続処理を行う際に、接続先情報格納部203に格納された通信端末5の接続先に係る情報が更新される。
【0048】
ここで、通信端末5がLTE通信網を利用した通信に変更を行う場合(S211)、通信端末5からRNC22を介して#1xGSN21に対して、通信網を変更するための処理を行う要求(変更要求)が送信され(S212)、#1xGSN21においてこの変更に係る処理が行われる(S213)。この変更処理として、このとき、#1xGSN21に対しては、通信端末5からLTE通信網において通信端末5が利用する交換機が、#1MME31である旨も#1xGSN21に対して通知される。また、この情報に基づいて、接続先情報格納部203に格納された通信端末5の情報が更新される。具体的には、通信端末5に関して、#1xGSN21を利用して通信を行っていることを示す情報を、通信端末5が#1MME31に対して接続先を変更したことを示す情報に更新される。
【0049】
一方、LTE通信網を利用した通信を行うための接続要求は、通信端末5からeNB32を介して#1MME31に対して送信される(S214)。また、#1xGSN21から#1MME31に対しても、#1xGSN21を利用していた通信端末5が#1MME31を利用した通信に変更を行う旨の通知がなされる(S215)。これにより、#1MME31と通信端末5との間で、通信を行うための認証処理等を含む接続処理が行われ(S216)ることで、通信が開始される。ここでも、3G通信網を介した通信を行う場合と同様に、接続先情報格納部203に格納された通信端末5の接続先に係る情報が更新される。以上により、通信端末5が通信を行う際の接続処理、及び、通信端末5が通信を行う通信網を変更した場合の変更処理が完了する。
【0050】
次に、上記のように2つの通信網に対して接続可能な通信端末に係る測位を行う場合の処理について、図10を用いて説明する。なお、前提として、通信端末5は3G通信網を介してISP3に対して接続をしている場合について説明する。
【0051】
まず、通信端末5のユーザが通信端末5を操作することにより、測位要求が通信端末からBTS23(図示せず)及びRNC22を介して#1xGSN21へ送信される(S301)。ここでいう通信端末5からの測位要求には、例えば、通信端末5の位置情報を利用したインターネットコンテンツの提供要求等も含まれる。これにより#1xGSN21では、3G通信網を介した通信を行うための接続処理が行われる(S302)。その後、GW4(図示せず)及び当該コンテンツの提供業者(図示せず)等を介してISP3に対して、通信端末5の測位要求が送信される(S303)。ISP3はこの通信端末5からの測位要求に基づいて、通信端末5に係る測位要求をGMLC12に対して送信する(S304)。これに対して、GMLC12の通信部121が測位要求を受信すると、測位要求が測位制御部122に送られる。そして、測位制御部122では、HLR12に格納された情報を参照して、通信端末5に対応付けて格納されている#1MME31に係る情報を取得する。そして、測位制御部122から#1MME31に対して測位指示が送信される(S305)。この測位指示には、通信端末5を特定する情報(例えば電話番号)が含まれる。
【0052】
一方、#1MME31では、GMLC12からの測位指示を受信すると、この測位指示に含まれる通信端末5を特定する情報に基づいて、通信端末5が自機を利用した通信を行っているか確認する(S306)。具体的には、接続先情報格納部203に格納された情報を参照し、LTE通信網を介した通信を行っているか、すなわち、#1MME31の配下にあって、通信端末5が通信を行っている基地局に係る情報を接続先情報格納部203において保持されているかを確認する。本実施形態では、通信端末5は3G通信網を介した通信を行っているので、#1MME31には通信端末5の接続先に係る情報は保持されておらず、通信端末5が接続する3G通信網の交換機に係る情報(すなわち#1xGSN21を特定する情報)のみが保持されているため、#1MME31では自機を利用した通信が行われていないと判断される。したがって、#1MME31の転送部204から#1xGSN21に対して、測位指示は転送される(S307)。
【0053】
そして、#1xGSN21では、#1MME31から転送された測位指示を受信すると、#1MME31と同様に、測位指示に含まれる通信端末5を特定する情報に基づいて、接続先情報格納部203に格納された情報を参照し、3G通信網を介した通信を行っているか、すなわち、#1sGSN21の配下にあって、通信端末5が通信を行っている基地局に係る情報を接続先情報格納部203において保持されているかを確認する(S309)。本実施形態では、通信端末5は、3G通信網を介した通信を行っている(S302)ため、3G通信網において通信端末5が接続していることを示す情報は接続先情報格納部203に保持されていることから、通信端末5は自機を利用した通信を行っていると判断される。これにより、#1xGSN21は、接続先情報格納部203に格納された情報に基づいてRNC22に対して通信端末5の位置情報提供要求を送信する(S310)。そして、RNC22では、#1xGSN21から送信された位置情報提供要求に基づいて、通信端末5が通信を行っているセルの位置を示す位置情報を用いて測位情報を作成し(S311)、これを測位結果(位置情報)として#1xGSN21に対して送信する(S312)。
【0054】
#1xGSN21では、RNC22からの測位結果を受信すると、これを測位指示の転送元である#1MME31に対して転送する(S313)。また、#1MME31は、#1xGSN21から転送された測位結果を、GMLC12からの測位指示(S305)に対する測位指示応答として、GMLC12に対して送信する(S314)。そして、GMLC12では、#1MME31からの測位指示応答を、測位要求を送信(S304)したISP3に対して返送する。これによりISP3では、通信端末5の測位結果が取得され、これが#1xGSN21を介して通信端末5に対して送信される(S315)。なお、通信端末5に対する測位結果の送信は、単純に通信端末5の位置情報を返送する構成に限られず、通信端末5の位置情報を利用したインターネットコンテンツを通信端末5に対して送信する態様とすることもできる。以上により、通信端末5に係る測位情報の提供に係る処理が終了する。
【0055】
以上のように、上記実施形態に係る測位支援システム2及びこの測位支援システム2による測位支援方法によれば、#1MME31において、通信端末5を特定する情報とこの通信端末5が3G通信網において在圏する交換機である#1xGSN21を特定する情報を接続先情報格納部203において保持している。そして、GMLC12からの測位指示に基づき、測位指示に含まれる情報により特定される通信端末5が自機を利用して通信を行っているか否かを確認し、通信端末5が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合には、#1xGSN21に対して測位指示を転送する構成を具備している。したがって、#1MME31を利用した通信を通信端末5が行っていない場合であっても、#1MME31から#1xGSN21に対して測位指示が転送されるため、GMLC12が2つの交換機(#1MME31及び#1xGSN21)に対して問い合わせをする必要がなくなり、GMLC12による通信量が軽減され、複数の通信網を利用可能な通信端末に係る測位支援をより効率的に行うことが可能となる。
【0056】
また、上記実施形態では、#1xGSN21においても、通信端末5が自機を利用した通信を行っているかが確認されるため、仮に通信端末5が#1xGSN21及び#1MME31のいずれも利用していない場合に、例えば#1xGSN21に係る誤った情報等がGMLC12に対して返送されることが防止でき、通信端末5の測位に係る精度を高めることができる。
【0057】
また、上記実施形態では、#1MME31及び#1xGSN21の接続先情報格納部203に格納される他の通信網における通信端末5の在圏情報を更新する場合に、#1MME31と#1xGSN21との間で通信が行われる。すなわち、#1MME31又は#1xGSN21と、GMLC12との間で通信を行うことなく接続先情報格納部203に格納される情報の更新が行われるため、効率的な測位支援を行うための測位支援装置(特にGMLC12)の通信量が増大することを抑制することができる。
【0058】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係る測位支援システム10を含む測位システム1は種々の変更を行うことができる。
【0059】
例えば、測位支援システム2に含まれる各装置(例えば、HLR11及びGMLC12)に係る機能は、一台の装置に全て含まれる構成であってもよいし、各機能がそれぞれ異なる装置に分散される構成であってもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、通信端末5が接続可能な通信網が2種類(3G通信網及びLTE通信網)である構成について説明したが、この接続可能な通信網が3つ以上であってもよい。この場合、交換機の接続先情報格納部203に格納される情報の種類を増やすことで、上記実施形態と同様の処理を行うことができる。
【0061】
また、上記実施形態では、#1MME31において、GMLC12からの測位指示を受信し(S305)、通信端末5が自機を利用した通信を行っていないと判断された場合(S306)には#1xGSN21に対して測位指示を転送する(S307)と共に、#1xGSN21から返送される通信端末5の位置情報を受信した後(S312)測位指示の転送元である#1MME31に対して転送し(S313)、これが#1MME31からGMLC12に対して送信される。すなわち、GMLC12は#1MME31に対して測位指示を送信し、#1MME31から送信される測位指示応答を受信する構成について説明している。しかしながら、GMLC12が測位指示を送信する交換機と、この測位指示に対応する測位結果の送信元となる交換機とは一致している必要はない。例えば、上記実施形態において、#1xGSN21がGMLC12から測位指示を受信し(S307)、これに基づいた通信端末5に係る位置情報をRNC22から受信した(S311)後、#1xGSN21からGMLC12に対して測位結果を送信する態様とすることもできる。
【0062】
また、上記実施形態では、#1xGSN21及び#1MME31において同様の機能を有する構成について説明したが、両者が同一の機能を具備している必要はなく、例えばいずれか一方の通信網の交換機のみが、他の通信網の交換機に対して測位指示を転送する機能を具備している構成であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…通信システム、2…測位支援システム、3…ISP、4…GW、5…通信端末、11…HLR、12…GMLC、21…#1xGSN、22…RNC、23,33…BTS、31…#1MME、32…eNB。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる第1の通信網及び第2の通信網に対して接続可能な通信端末が前記第1の通信網を介して通信するための第1の交換機と、前記通信端末が前記第2の通信網を介して通信するための第2の交換機と、前記通信端末に係る測位情報を提供する測位支援装置により構成される測位支援システムであって、
前記測位支援装置は、
前記通信端末を特定する情報と当該通信端末が在圏する前記第1の交換機を特定する情報とを対応付けて格納する端末情報格納手段と、
通信端末の測位要求を受信する測位要求受信手段と、
前記測位要求受信手段により受信された前記測位要求に係る通信端末を特定する情報と対応付けて前記端末情報格納手段に格納された情報によって特定される前記第1の交換機に対して送信され、当該通信端末を特定する情報を含む測位指示を送信する測位指示手段と、
前記測位指示手段により送信された前記測位指示に応じた測位結果を受信する測位結果受信手段と、
前記測位結果受信手段により受信された前記測位結果を前記測位要求に応じた送信先に対して送信する測位結果送信手段と、
を備え、
前記第1の交換機は、
前記通信端末を特定する情報と当該通信端末が在圏する前記第2の交換機を特定する情報を格納する接続先報格納手段と、
前記測位支援装置からの前記測位指示を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信された前記測位指示に基づき、前記測位指示に含まれる情報により特定される通信端末が自機を利用して通信を行っているか否かを確認する第1の接続確認手段と、
前記第1の接続確認手段において前記通信端末が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合に、当該通信端末を特定する情報と対応付けて前記接続先情報格納手段に格納された情報により特定された前記第2の交換機に対して前記測位指示を転送することで前記第2の交換機から前記通信端末に係る測位結果を取得する第1の測位結果取得手段と、
前記接続確認手段において前記通信端末との通信接続が有ると確認された場合に前記通信端末が接続する基地局の位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する第1の測位結果送信手段と、
を備え、
前記第2の交換機は、
前記第1の交換機から転送された前記測位指示を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段により受信された前記測位指示に基づき、前記通信端末が接続する通信エリアの位置を特定する位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する第2の測位結果送信手段と、
を備えることを特徴とする測位支援システム。
【請求項2】
前記第2の交換機は、
前記第2の受信手段により受信された前記測位指示に基づき、前記測位指示に含まれる情報により特定される通信端末が自機を利用して通信を行っているか否か第2の接続確認手段をさらに備え、
前記第2の測位結果送信手段は、前記通信端末が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合に、前記通信端末が接続する基地局の位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する
ことを特徴とする請求項1記載の測位支援システム。
【請求項3】
前記第2の交換機は、前記第1の通信網において前記通信端末が在圏する第1の交換機を示す情報を前記通信端末から取得し、この通信端末が前記第2の通信網において自機に在圏していることを当該第1の交換機に対して通知する接続先通知手段を備え、
前記第1の交換機の前記接続先情報格納手段は、前記第2の交換機から通知された情報に基づいて、前記第2の通信網において前記通信端末が在圏する交換機を特定する情報を更新する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の測位支援システム。
【請求項4】
互いに異なる第1の通信網及び第2の通信網に対して接続可能な通信端末が前記第1の通信網を介して通信するための第1の交換機と、前記通信端末が前記第2の通信網を介して通信するための第2の交換機と、前記通信端末に係る測位情報を提供する測位支援装置により構成される測位支援システムに含まれる第1の交換機であって、
前記通信端末を特定する情報と当該通信端末が在圏する前記第2の交換機を特定する情報を格納する接続先報格納手段と、
前記測位支援装置からの前記測位指示を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信された前記測位指示に基づき、前記測位指示に含まれる情報により特定される通信端末が自機を利用して通信を行っているか否かを確認する第1の接続確認手段と、
前記接続確認手段において前記通信端末が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合に、当該通信端末を特定する情報と対応付けて前記接続先情報格納手段に格納された情報により特定された前記第2の交換機に対して前記測位指示を転送することで前記第2の交換機から前記通信端末に係る測位結果を取得する第1の測位結果取得手段と、
前記接続確認手段において前記通信端末との通信接続が有ると確認された場合に前記通信端末が接続する基地局の位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する第1の測位結果送信手段と、
を備えることを特徴とする第1の交換機。
【請求項5】
互いに異なる第1の通信網及び第2の通信網に対して接続可能な通信端末が前記第1の通信網を介して通信するために用いられると共に、前記通信端末を特定する情報と当該通信端末が前記第2の通信網を介して通信するために当該通信端末が在圏する前記第2の交換機を特定する情報とを対応付けて格納する接続先報格納手段を備える第1の交換機と、前記通信端末が前記第2の通信網を介して通信するための第2の交換機と、前記通信端末を特定する情報と当該通信端末が在圏する前記第1の交換機を特定する情報とを対応付けて格納する端末情報格納手段を備え、前記通信端末に係る測位情報を提供する測位支援装置により構成される測位支援システムによる測位支援方法であって、
前記測位支援装置の測位要求受信手段により、通信端末の測位要求を受信する測位要求受信ステップと、
前記測位支援装置の測位指示手段により、前記測位要求受信ステップにおいて受信された前記測位要求に係る通信端末を特定する情報と対応付けて前記端末情報格納手段に格納された情報によって特定される前記第1の交換機に対して送信され、当該通信端末を特定する情報を含む測位指示を送信する測位指示ステップと、
前記測位支援装置の測位結果受信手段により、前記測位指示ステップにおいて送信された前記測位指示に応じた測位結果を受信する測位結果受信ステップと、
前記測位支援装置の測位指示手段により、前記測位結果受信ステップにおいて受信された前記測位結果を前記測位要求に応じた送信先に対して送信する測位結果送信ステップと、
前記第1の交換機の第1の受信手段により、前記測位支援装置からの前記測位指示を受信する第1の受信ステップと、
前記第1の交換機の第1の接続確認手段により、前記第1の受信ステップにおいて受信された前記測位指示に基づき、前記測位指示に含まれる情報により特定される通信端末が自機を利用して通信を行っているか否かを確認する第1の接続確認ステップと、
前記第1の交換機の第1の測位結果取得手段により、前記接続確認ステップにおいて前記通信端末が自機を利用した通信を行っていないと確認された場合に、当該通信端末を特定する情報と対応付けて前記接続先情報格納手段に格納された情報により特定された前記第2の交換機に対して前記測位指示を転送することで前記第2の交換機から前記通信端末に係る測位結果を取得する第1の測位結果取得ステップと、
前記第1の交換機の第1の測位結果送信手段により、前記接続確認ステップにおいて前記通信端末との通信接続が有ると確認された場合に前記通信端末が接続する基地局の位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する第1の測位結果送信ステップと、
前記第2の交換機の第2の受信手段により、前記第1の交換機から転送された前記測位指示を受信する第2の受信ステップと、
前記第2の交換機の第2の測位結果送信手段により、前記第2の受信ステップにおいて受信された前記測位指示に基づき、前記通信端末が接続する通信エリアの位置を特定する位置情報を測位結果として前記測位支援装置に対して送信する第2の測位結果送信ステップと、
を備えることを特徴とする測位支援方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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