説明

測位方法、プログラム及び測位装置

【課題】測位用信号のサーチ範囲を適切に設定することで、測位用信号の受信を効率的に
行うこと。
【解決手段】測位基礎位置を携帯型電話機1の位置とみなして算出した第1の擬似距離(
第1の整数部分)と、GPS衛星信号の発信時刻と受信時刻との時刻差に基づいて算出し
た第2の擬似距離(第2の整数部分)との差異に基づいて、測位基礎位置に対する位置誤
差が補正される。そして、位置誤差を用いてGPS衛星信号のサーチ範囲が設定され、当
該サーチ範囲に基づいてGPS衛星信号を受信して測位が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位装置が、測位用信号に発信時刻を周期的に乗せて発信する測位用衛星か
ら前記測位用信号を受信して測位を行う測位方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
測位用信号を利用した測位システムとしては、GPS(Global Positioning System)
が広く知られており、携帯型電話機やカーナビゲーション装置等に内蔵された測位装置に
利用されている。GPSでは、自機の位置を示す3次元の座標値と、時計誤差との4つの
パラメータの値を、複数のGPS衛星の位置や各GPS衛星から自機までの擬似距離等の
情報に基づいて求める測位演算を行うことで、自機の現在位置を測位する。
【0003】
このGPSに関連する技術として、例えば特許文献1には、前回の測位演算により求め
られた測位位置(以下、「前回測位位置」と称す。)に含まれる位置誤差を用いて、今回
の測位演算に使用する基礎位置(初期位置)を決定する技術が開示されている。位置誤差
は、前回の測位時刻と現在時刻との時刻差に、予め定められた測位装置の最大移動速度(
例えば「200km/h」)を乗算することで求める手法が用いられる。
【特許文献1】特開2006−71460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
GPSによる測位では、測位演算の前処理として、GPS衛星の捕捉(GPS衛星信号
の捕捉ともいう。)を行って、GPS衛星信号に含まれる航法データを取得・抽出する必
要がある。具体的には、周波数及び位相のサーチ範囲を設定し、当該サーチ範囲内で周波
数及び位相のサーチを行うことでGPS衛星を捕捉する。
【0005】
周波数のサーチ範囲は、位置誤差が大きい場合は広く設定し、位置誤差が小さい場合は
狭く設定することが一般的である。従来の手法によれば、前回の測位時から長時間が経過
しているほど、位置誤差として大きな値が算出されることになり、サーチ範囲が広く設定
される。GPS衛星信号の信号強度が弱い場合等には、設定されたサーチ範囲内で何回か
サーチを繰り返さなければGPS衛星を捕捉することができないことがあり得るが、サー
チ範囲が広く設定されていると、それだけでGPS衛星の捕捉に長時間を要するという問
題がある。
【0006】
また、測位装置が、想定していた最大移動速度を超える速度で移動する場合には、逆の
問題が生じる。すなわち、設定された位置誤差を超える移動をするため、設定されるサー
チ範囲内ではGPS衛星を捕捉することができない場合があり得る。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みて為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するための第1の発明は、測位装置が、測位用信号に発信時刻を周期
的に乗せて発信する測位用衛星から前記測位用信号を受信して測位を行う測位方法であっ
て、所与の測位基礎位置を前記測位装置の位置とみなした第1の擬似距離を算出すること
と、前記発信時刻と当該受信時の受信時刻との時刻差に基づき第2の擬似距離を算出する
ことと、前記所与の測位基礎位置に対する位置誤差を設定することと、前記第1の擬似距
離と前記第2の擬似距離との差異に基づいて、前記位置誤差を補正することと、前記位置
誤差を用いて前記測位用信号を受信する際の信号探索範囲を設定することと、前記信号探
索範囲に基づいて前記測位用信号を受信して測位を行うことと、を含む測位方法である。
【0009】
また、他の発明として、測位用信号に発信時刻を周期的に乗せて発信する測位用衛星か
ら前記測位用信号を受信して測位を行う測位装置であって、前記発信時刻を受信したこと
を検出する検出部と、所与の測位基礎位置を前記測位装置の位置とみなした第1の擬似距
離を算出する第1算出部と、前記検出部により検出された発信時刻と当該受信時の受信時
刻との時刻差に基づき第2の擬似距離を算出する第2算出部と、前記所与の測位基礎位置
に対する位置誤差を設定する位置誤差設定部と、前記第1の擬似距離と前記第2の擬似距
離との差異に基づいて、前記位置誤差を補正する位置誤差補正部と、前記位置誤差を用い
て前記測位用信号を受信する際の信号探索範囲を設定する信号探索範囲設定部と、前記信
号探索範囲に基づいて前記測位用信号を受信して測位を行う測位部と、を備えた測位装置
を構成してもよい。
【0010】
この第1の発明等によれば、所与の測位基礎位置を測位装置の位置とみなして算出した
第1の擬似距離と、測位用信号の発信時刻と受信時刻との時刻差に基づいて算出した第2
の擬似距離との差異に基づいて、測位基礎位置に対する位置誤差が補正される。そして、
位置誤差を用いて測位用信号の信号探索範囲が設定され、当該信号探索範囲に基づいて測
位用信号を受信して測位が行われる。
【0011】
異なる算出方式で算出した第1の擬似距離と第2の擬似距離との差異が小さければ、測
位基礎位置を測位装置の位置とみなした第1の擬似距離には一定の信頼性(精確性)が認
められるため、例えば、位置誤差をより小さな値に補正するといったことが可能である。
一方、第1の擬似距離と第2の擬似距離との差異が大きければ、測位基礎位置を測位装置
の位置とみなした第1の擬似距離には信頼性(精確性)が認められないため、例えば、位
置誤差をより大きな値に補正するといったことが可能である。
【0012】
また、第2の発明として、第1の発明の測位方法であって、前記位置誤差を設定するこ
とは、最後の前記測位からの経過時間が長ければ長いほど前記位置誤差を広く設定するこ
とを含み、前記位置誤差を補正することは、前記第1の擬似距離と前記第2の擬似距離と
の差異が所定の近似条件を満たす場合には、当該近似条件を満たす場合の位置誤差として
予め設定された擬似距離近似用位置誤差に前記位置誤差を補正することを含む測位方法を
構成してもよい。
【0013】
この第2の発明によれば、最後の測位からの経過時間が長ければ長いほど位置誤差が広
く設定される。また、第1の擬似距離と第2の擬似距離との差異が所定の近似条件を満た
す場合には、当該近似条件を満たす場合の位置誤差として予め設定された擬似距離近似用
位置誤差に位置誤差が補正される。例えば、第1の擬似距離と第2の擬似距離とが近似し
ているのに位置誤差が大きい場合は、位置誤差の設定そのものが誤っていると考えられる
ため、位置誤差をより小さな値に補正すると好適である。
【0014】
また、第3の発明として、第2の発明の測位方法であって、前記位置誤差を補正するこ
とは、前記第1の擬似距離と前記第2の擬似距離との差異が前記所定の近似条件を満たさ
ず、且つ、前記位置誤差が前記擬似距離近似用位置誤差より小さい場合には、前記第1の
擬似距離と前記第2の擬似距離との差異に基づいて前記位置誤差を補正することを含む測
位方法を構成してもよい。
【0015】
この第3の発明によれば、第1の擬似距離と第2の擬似距離との差異が所定の近似条件
を満たさず、且つ、位置誤差が擬似距離近似用位置誤差より小さい場合に、第1の擬似距
離と第2の擬似距離との差異に基づいて位置誤差が補正される。かかる場合には、位置誤
差が誤っていると考えられるため、例えば第1の擬似距離と第2の擬似距離との差異に比
例する値に位置誤差を補正すると好適である。
【0016】
また、第4の発明として、第2又は第3の発明の測位方法であって、前記測位用信号は
擬似雑音符号により符号化されており、前記位置誤差を補正することは、前記擬似雑音符
号の符号長に相当する距離以内であることを前記所定の近似条件として前記補正を行うこ
とである測位方法を構成してもよい。
【0017】
この第4の発明によれば、測位用信号は擬似雑音符号により符号化されており、当該擬
似雑音符号の符号長に相当する距離以内であることを近似条件として位置誤差の補正が行
われる。
【0018】
また、第5の発明として、第1〜第4の何れかの発明の測位方法であって、複数の前記
測位用衛星のうち、何れか1つの測位用衛星からの前記発信時刻を受信したことを検出す
ることと、前記第1の擬似距離を算出すること、及び、前記第2の擬似距離を算出するこ
とは、前記受信した発信時刻を発信した測位用衛星に関する擬似距離を算出することであ
り、前記信号探索範囲を設定することは、前記受信した発信時刻を発信した測位用衛星以
外の測位用衛星からの測位用信号を受信する際の周波数の信号探索範囲を可変することを
含む測位方法を構成してもよい。
【0019】
この第5の発明によれば、複数の測位用衛星のうち、何れか1つの測位用衛星からの発
信時刻を受信したことが検出され、受信した発信時刻を発信した測位用衛星に関する擬似
距離が算出される。そして、受信した発信時刻を発信した測位用衛星以外の測位用衛星か
らの測位用信号を受信する際の周波数の信号探索範囲が可変される。従って、一の測位用
衛星について算出した第1の擬似距離と第2の擬似距離との差異に基づいて、他の測位用
衛星の信号探索範囲を可変に設定することが可能になる。
【0020】
また、第6の発明として、第1〜第5の何れかの発明の測位方法を測位装置に内蔵され
たコンピュータに実行させるためのプログラムを構成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に好適な実施形態の一例を説明する。尚、以下では、測
位装置を備えた電子機器として携帯型電話機を例に挙げ、測位システムとしてGPS(Gl
obal Positioning System)を用いた場合について説明するが、本発明を適用可能な実施
形態がこれらに限定されるわけではない。
【0022】
1.機能構成
図1は、本実施形態における携帯型電話機1の機能構成を示すブロック図である。携帯
型電話機1は、GPSアンテナ5と、GPS受信部10と、ホストCPU(Central Proc
essing Unit)30と、操作部40と、表示部50と、携帯電話用アンテナ60と、携帯
電話用無線通信回路部70と、ROM(Read Only Memory)80と、RAM(Random Acc
ess Memory)90とを備えて構成される。
【0023】
GPSアンテナ5は、GPS衛星から発信されているGPS衛星信号を含むRF(Radi
o Frequency)信号を受信するアンテナであり、受信した信号をGPS受信部10に出力
する。尚、GPS衛星信号は、衛星毎に異なる拡散符号の一種であるPRN(Pseudo Ran
dom Noise)コードで直接スペクトラム拡散方式により変調された1.57542[GH
z]の通信信号である。PRNコードは、コード長1023チップを1PNフレームとす
る繰返し周期1msの擬似ランダム雑音符号である。
【0024】
GPS受信部10は、GPSアンテナ5から出力された信号に基づいて携帯型電話機1
の現在位置を測位する測位回路であり、いわゆるGPS受信機に相当する機能ブロックで
ある。GPS受信部10は、RF(Radio Frequency)受信回路部11と、ベースバンド
処理回路部20とを備えて構成される。尚、RF受信回路部11と、ベースバンド処理回
路部20とは、それぞれ別のLSI(Large Scale Integration)として製造することも
、1チップとして製造することも可能である。
【0025】
RF受信回路部11は、RF信号の処理回路ブロックであり、所定の局部発振信号を分
周或いは逓倍することで、RF信号乗算用の発振信号を生成する。そして、生成した発振
信号を、GPSアンテナ5から出力されたRF信号に乗算することで、RF信号を中間周
波数の信号(以下、「IF(Intermediate Frequency)信号」と称す。)にダウンコンバ
ートし、IF信号を増幅等した後、A/D変換器でデジタル信号に変換して、ベースバン
ド処理回路部20に出力する。
【0026】
ベースバンド処理回路部20は、RF受信回路部11から出力されたIF信号に対して
相関処理等を行ってGPS衛星信号を捕捉・抽出し、データを復号して航法メッセージや
時刻情報等を取り出して測位演算を行う回路部である。ベースバンド処理回路部20は、
プロセッサとしてのCPU21と、メモリとしてのROM23及びRAM25と、時刻を
計時する時計部27とを備えて構成される。尚、時計部27は、時分秒を計時することと
してもよいし、Zカウントと同じくGPS週数及びTOW(Time Of Week)のカウント値
を計時することとしてもよい。
【0027】
ホストCPU30は、ROM80に記憶されているシステムプログラム等の各種プログ
ラムに従って携帯型電話機1の各部を統括的に制御するプロセッサである。ホストCPU
30は、CPU21から入力した出力位置をプロットしたナビゲーション画面を、表示部
50に表示させる。
【0028】
操作部40は、例えばタッチパネルやボタンスイッチ等により構成される入力装置であ
り、押下されたアイコンやボタンの信号をホストCPU30に出力する。この操作部40
の操作により、通話要求やメールの送受信要求、GPSの起動要求等の各種指示入力がな
される。
【0029】
表示部50は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、ホストCPU3
0から入力される表示信号に基づいた各種表示を行う表示装置である。表示部50には、
ナビゲーション画面や時刻情報等が表示される。
【0030】
携帯電話用アンテナ60は、携帯型電話機1の通信サービス事業者が設置した無線基地
局との間で携帯電話用無線信号や各種データの送受信を行うアンテナである。
【0031】
携帯電話用無線通信回路部70は、RF変換回路、ベースバンド処理回路等によって構
成される携帯電話の通信回路部であり、携帯電話用無線信号の変調・復調等を行うことで
、通話やメールの送受信等を実現する。
【0032】
ROM80は、読み取り専用の不揮発性の記憶装置であり、ホストCPU30が携帯型
電話機1を制御するためのシステムプログラムや、ナビゲーション機能を実現するための
各種プログラムやデータ等を記憶している。
【0033】
RAM90は、読み書き可能な揮発性の記憶装置であり、ホストCPU30により実行
されるシステムプログラム、各種処理プログラム、各種処理の処理中データ、処理結果な
どを一時的に記憶するワークエリアを形成している。
【0034】
2.データ構成
図2は、ベースバンド処理回路部20のROM23に格納されたデータの一例を示す図
である。ROM23には、CPU21により読み出され、ベースバンド処理(図6参照)
として実行されるベースバンド処理プログラム231が記憶されている。また、ベースバ
ンド処理プログラム231には、測位基礎位置誤差補正処理(図7参照)として実行され
る測位基礎位置誤差補正プログラム2311がサブルーチンとして含まれている。
【0035】
ベースバンド処理とは、CPU21が、測位基礎位置に含まれる誤差(以下、「測位基
礎位置誤差」と称す。)を基に、GPS衛星信号の周波数及び位相のサーチ範囲を設定し
、当該サーチ範囲内で周波数及び位相のサーチを行うことで、GPS衛星を捕捉する処理
である。そして、CPU21は、捕捉衛星の移動情報(以下、「衛星移動情報」と称す。
)を用いて所定の測位演算を行うことで、携帯型電話機1の位置及び速度を演算する。
【0036】
本実施形態では、前回(最後)に測位された測位位置(以下、「前回測位位置」と称す
。)を測位基礎位置として測位演算を行う。また、測位演算としては、最小二乗法を用い
た測位演算や、カルマンフィルタを用いた測位演算等の公知の手法を適用することができ
る。ベースバンド処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
【0037】
測位基礎位置誤差補正処理とは、CPU21が、測位基礎位置と捕捉衛星の衛星位置と
を基に算出した捕捉衛星と携帯型電話機1間の擬似距離の“整数部分”(以下、「第1の
整数部分」と称す。)と、捕捉衛星から取得したZカウントを基に算出した捕捉衛星と携
帯型電話機1間の擬似距離の“整数部分”(以下、「第2の整数部分」と称す。)との差
異に基づいて、測位基礎位置誤差を補正する処理である。
【0038】
ここで、Zカウントとは、航法データのサブフレームに載せられているGPS衛星信号
の発信時刻に関する情報であり、HOW(Hand Over Word)に相当するものである。また
、前述したように、GPS衛星から発信されているGPS衛星信号は、衛星毎に異なる拡
散符号の一種であるPRNコードで変調された通信信号である。
【0039】
また、“整数部分”の意味を説明する。GPS衛星信号はPRNコードで繰り返し変調
されているため、観念的には、図4に示すように、GPS衛星と携帯型電話機1との間に
は、PRNコードが連続的に並んでいると考えることができる。しかし、GPS衛星から
携帯型電話機1までの距離がPRNコードの長さの「整数倍」になるとは限らない。この
場合、PRNコードの長さの「整数倍」に端数部分を加えた長さがGPS衛星と携帯型電
話機1間の擬似距離となる。この「整数倍」の整数が、第1の整数部分及び第2の整数部
分の“整数部分”である。尚、PRNコードのコード長に相当する距離は「300km」
である。
【0040】
図3は、ベースバンド処理回路部20のRAM25に格納されるデータの一例を示す図
である。RAM25には、衛星移動情報データ251と、測位基礎位置データ252と、
想定最大速度データ253と、前回測位時刻データ254と、測位基礎位置誤差データ2
55と、第1の整数部分データ256と、第2の整数部分データ257と、計測データ2
58とが記憶される。
【0041】
図5は、衛星移動情報データ251のデータ構成の一例を示す図である。衛星移動情報
データ251には、捕捉された各捕捉衛星2511それぞれについて、衛星位置と衛星速
度ベクトルとが衛星移動情報2513として対応付けて記憶される。衛星位置は、例えば
地球基準座標系における3次元の座標値として表され、衛星速度ベクトルは、例えば地球
基準座標系における3次元のベクトルとして表される。衛星移動情報データ251は、ベ
ースバンド処理においてCPU21により更新される。
【0042】
測位基礎位置データ252は、携帯型電話機1の測位基礎位置についてのデータであり
、ベースバンド処理においてCPU21により更新される。
【0043】
想定最大速度データ253は、携帯型電話機1が移動する速度として想定される最大の
速度(以下、「想定最大速度」と称す。)についてのデータであり、ベースバンド処理の
初期設定においてCPU21により所定値(例えば「200km/h」)が設定・記憶さ
れる。
【0044】
前回測位時刻データ254は、前回の測位演算により測位位置が求められた時刻(以下
、「前回測位時刻」と称す。)についてのデータであり、ベースバンド処理においてCP
U21により更新される。
【0045】
測位基礎位置誤差データ255は、測位基礎位置誤差についてのデータであり、ベース
バンド処理においてCPU21により更新される。測位基礎位置誤差は、想定最大速度に
、時計部27により計時された現在時刻と前回測位時刻との時刻差を乗算することで算出
される。
【0046】
第1の整数部分データ256は、擬似距離の第1の整数部分についてのデータであり、
ベースバンド処理においてCPU21により更新される。同様に、第2の整数部分データ
257は、擬似距離の第2の整数部分についてのデータであり、ベースバンド処理におい
てCPU21により更新される。
【0047】
計測データ258は、測位演算により求められた携帯型電話機1の位置及び速度につい
てのデータであり、ベースバンド処理においてCPU21により更新される。
【0048】
3.処理の流れ
図6は、CPU21によりROM23に記憶されているベースバンド処理プログラム2
31が読み出されて実行されることで、携帯型電話機1において実行されるベースバンド
処理の流れを示すフローチャートである。
【0049】
ベースバンド処理は、RF受信回路部11によるGPS衛星信号の受信と併せて、CP
U21が、操作部40に測位開始指示の操作がなされたことを検出した場合に実行を開始
する処理であり、各種アプリケーションの実行といった各種の処理と並行して行われる処
理である。尚、携帯型電話機1の電源のON/OFFとGPSの起動/停止とを連動させ
、携帯型電話機1の電源投入操作を検出した場合にベースバンド処理の実行を開始させる
ことにしてもよい。
【0050】
先ず、CPU21は、初期設定を行う(ステップA1)。具体的には、RAM25に測
位基礎位置が記憶されていない場合は、所定位置(例えば現在通信可能な無線基地局の位
置)を測位基礎位置に設定し、測位基礎位置データ252としてRAM25に記憶させる
。また、RAM25に想定最大速度が記憶されていない場合は、想定最大速度に所定値(
例えば「200km/h」)を設定して、想定最大速度データ253としてRAM25に
記憶させる。
【0051】
さらに、CPU21は、RAM25に前回測位時刻が記憶されていない場合は、時計部
27により計時された現在時刻を前回測位時刻に設定し、前回測位時刻データ254とし
てRAM25に記憶させる。また、CPU21は、測位基礎位置誤差補正処理用のフラグ
をOFFに設定する。
【0052】
次いで、CPU21は、ROM23に記憶されている測位基礎位置誤差補正プログラム
2311を読み出して実行することで、測位基礎位置誤差補正処理を開始する(ステップ
A3)。
【0053】
その後、CPU21は、RAM25の想定最大速度データ253に記憶されている想定
最大速度に、時計部27により計時された現在時刻と前回測位時刻データ254に記憶さ
れている前回測位時刻との時刻差を乗算することで、測位基礎位置誤差を算出し、測位基
礎位置誤差データ255としてRAM25に記憶させる(ステップA5)。
【0054】
その後、CPU21は、最新のアルマナックデータ等に基づいて、捕捉対象とするGP
S衛星(以下、「捕捉対象衛星」と称す。)を判定する(ステップA7)。より詳細には
、時計部27で計時されている現在時刻において、RAM25の測位基礎位置データ25
2に記憶されている測位基礎位置の天空に位置するGPS衛星をアルマナックやエフェメ
リスのデータから判定する。そして、CPU21は、各捕捉対象衛星について、ループA
の処理を実行する(ステップA9〜A21)。
【0055】
ループAでは、CPU21は、過去に当該捕捉対象衛星の捕捉に成功しているか否かを
判定し(ステップA11)、成功していないと判定した場合は(ステップA11;No)
、初回用サーチ判定設定処理を行う(ステップA13)。具体的には、周波数については
、GPS衛星信号の搬送波周波数(1.57542「GHz」)に対応するダウンコンバ
ート後のIF周波数を中心とする所定範囲をサーチ範囲として設定する。この際、RAM
25の測位基礎位置誤差データ255に記憶されている測位基礎位置誤差が小さいほど、
サーチ範囲が狭くなるようにサーチ範囲を設定する。また、位相については、PRNコー
ドのチップ長である1023チップの位相範囲内でサーチ範囲を設定する。
【0056】
また、ステップA11において、過去に当該捕捉対象衛星の捕捉に成功していると判定
した場合は(ステップA11;Yes)、CPU21は、サーチ範囲設定処理を行う(ス
テップA15)。具体的には、周波数については、初回捕捉時に捕捉した周波数を中心と
する所定範囲をサーチ範囲として設定する。この際、RAM25の測位基礎位置誤差デー
タ255に記憶されている測位基礎位置誤差が小さいほど、サーチ範囲が狭くなるように
サーチ範囲を設定する。また、位相については、初回捕捉時に捕捉したコード位相を中心
とする所定範囲をサーチ範囲として設定する。
【0057】
ステップA13又はA15においてサーチ範囲を設定した後、CPU21は、衛星捕捉
処理を行って、当該捕捉対象衛星の捕捉を試みる(ステップA17)。具体的には、ステ
ップA13又はA15において設定したサーチ範囲内で、PRNコードの開始位置(コー
ド位相)を検出するための位相方向の相関演算と、周波数を検出するための周波数方向の
相関演算とを行い、相関値が最大となった周波数及びコード位相を抽出する。
【0058】
次いで、CPU21は、ステップA17で捕捉されたGPS衛星信号に重畳されている
航法データに基づいて、当該捕捉対象衛星の衛星位置及び衛星速度ベクトルを算出し、衛
星移動情報としてRAM25の衛星移動情報データ251に記憶させる(ステップA19
)。そして、CPU21は、次の捕捉対象衛星へと処理を移行する。
【0059】
全ての捕捉対象衛星についてループAの処理を行った後(ステップA21)、CPU2
1は、公知の測位演算を実行して、携帯型電話機1の現在位置及び現在速度を計測して、
RAM25の計測データ258に記憶させる(ステップA23)。尚、携帯型電話機1の
速度は、捕捉衛星と携帯型電話機1の相対速度に基づいて算出することができる。
【0060】
次いで、CPU21は、ステップA23で計測した測位位置をホストCPU30に出力
する(ステップA25)。そして、CPU21は、今回の測位位置を測位基礎位置として
、RAM25の測位基礎位置データ252を更新する(ステップA27)。また、今回の
測位時刻を前回測位時刻として、RAM25の前回測位時刻データ254を更新する(ス
テップA29)。また、CPU21は、フラグをOFFに設定する(ステップA31)。
【0061】
その後、CPU21は、測位を終了するか否かを判定し(ステップA33)、まだ終了
しないと判定した場合は(ステップA33;No)、ステップA5に戻る。また、測位を
終了すると判定した場合は(ステップA33;Yes)、ベースバンド処理を終了する。
【0062】
図7は、測位基礎位置誤差補正処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU21は、フラグがOFFに設定されているか否かを判定し(ステップB1
)、ONに設定されていると判定した場合は(ステップB1;No)、そのまま待機する
。また、フラグがOFFに設定されていると判定した場合は(ステップB1;Yes)、
Zカウントを取得できた捕捉衛星があるか否かを判定する(ステップB3)。
【0063】
ステップB3においてZカウントを取得できた捕捉衛星がないと判定した場合は(ステ
ップB3;No)、CPU21は、ステップB1に戻る。また、Zカウントを取得できた
捕捉衛星があると判定した場合は(ステップB3;Yes)、当該捕捉衛星の衛星位置を
算出する(ステップB5)。
【0064】
次いで、CPU21は、RAM25の測位基礎位置データ252に記憶されている測位
基礎位置と、ステップB5で算出した当該捕捉衛星の衛星位置とに基づいて、当該捕捉衛
星と携帯型電話機1間の擬似距離の“整数部分”を算出して第1の整数部分とし、第1の
整数部分データ256としてRAM25に記憶させる(ステップB7)。
【0065】
また、CPU21は、取得したZカウントに基づいて、当該捕捉衛星と携帯型電話機1
間の擬似距離の“整数部分”を算出して第2の整数部分とし、第2の整数部分データ25
7としてRAM25に記憶させる(ステップB9)。
【0066】
次いで、CPU21は、第1の整数部分と第2の整数部分とが一致したか否かを判定し
(ステップB11)、一致したと判定した場合は(ステップB11;Yes)、RAM2
5の測位基礎位置誤差データ255に記憶されている測位基礎位置誤差が「300km」
以上であるか否かを判定する(ステップB13)。
【0067】
本実施形態では、測位基礎位置誤差の閾値を、PRNコードのコード長に相当する距離
である「300km」として計算を行うものとして説明するが、所定の単位長(例えば「
100km」)を測位基礎位置誤差の閾値として計算を行うこととしてもよい。
【0068】
そして、測位基礎位置誤差が「300km」以上であると判定した場合は(ステップB
13;Yes)、CPU21は、測位基礎位置誤差を「290km」に補正してRAM2
5の測位基礎位置誤差データ255を更新した後(ステップB15)、測位基礎位置誤差
補正処理を終了する。
【0069】
第1の整数部分と第2の整数部分とが一致するにも関わらず、測位基礎位置誤差が「3
00km」以上であるということは、測位基礎位置誤差の設定が誤っていると考えられる
ため、測位基礎位置誤差を閾値よりも小さな値に補正することにしたものである。尚、補
正値である「290km」はあくまでも一例であり、他の補正値(例えば「295km」
)としてもよいことは勿論である。
【0070】
一方、ステップB11において、第1の整数部分と第2の整数部分とが一致しないと判
定した場合は(ステップB11;No)、CPU21は、RAM25の測位基礎位置誤差
データ255に記憶されている測位基礎位置誤差が「300km」以上であるか否かを判
定する(ステップB19)。
【0071】
そして、測位基礎位置誤差が「300km」未満であると判定した場合は(ステップB
19;No)、測位基礎位置誤差を「(|第1の整数部分−第2の整数部分|+1)×3
00km」に補正してRAM25の測位基礎位置誤差データ255を更新した後(ステッ
プB21)、測位基礎位置誤差補正処理を終了する。
【0072】
第1の整数部分と第2の整数部分とが一致しないにも関わらず、測位基礎位置誤差が「
300km」未満であるということは、測位基礎位置誤差の設定が誤っていると考えられ
るため、測位基礎位置誤差を閾値よりも大きな値に補正することにしたものである。尚、
補正値である「(|第1の整数部分−第2の整数部分|+1)×300km」はあくまで
も一例であり、他の補正値(例えば一律に「1000km」)としてもよいことは勿論で
ある。
【0073】
また、ステップB13において測位基礎位置誤差が「300km」未満であると判定し
た場合(ステップB13;No)、又は、ステップB19において測位基礎位置誤差が「
300km」以上であると判定した場合は(ステップB19;Yes)、CPU21は、
測位基礎位置誤差を補正することなく、測位基礎位置誤差補正処理を終了する。
【0074】
4.作用効果
本実施形態によれば、測位基礎位置を携帯型電話機1の位置とみなして算出した第1の
擬似距離(第1の整数部分)と、GPS衛星信号の発信時刻と受信時刻との時刻差に基づ
いて算出した第2の擬似距離(第2の整数部分)との差異に基づいて、測位基礎位置に対
する位置誤差が補正される。そして、位置誤差を用いてGPS衛星信号のサーチ範囲が設
定され、当該サーチ範囲に基づいてGPS衛星信号を受信して測位が行われる。
【0075】
異なる算出方式で算出した第1の擬似距離と第2の擬似距離との差異が小さければ、測
位基礎位置を携帯型電話機1の位置とみなした第1の擬似距離には一定の信頼性(精確性
)が認められるため、位置誤差をより小さな値に補正することができる。一方、第1の擬
似距離と第2の擬似距離との差異が大きければ、測位基礎位置を携帯型電話機1の位置と
みなした第1の擬似距離には信頼性(精確性)が認められないため、位置誤差をより大き
な値に補正することができる。
【0076】
また、本実施形態では、複数のGPS衛星のうち、何れか1つのGPS衛星からZカウ
ントが取得された場合に、当該Zカウントを取得したGPS衛星に関して擬似距離が算出
される。そして、当該GPS衛星についての擬似距離の差異に基づいて補正された測位基
礎位置誤差を用いて、当該GPS衛星以外のGPS衛星からのGPS衛星信号を受信する
際の周波数のサーチ範囲が可変される。従って、一のGPS衛星について算出した第1の
擬似距離と第2の擬似距離との差異に基づいて、他のGPS衛星の信号のサーチ範囲を可
変に設定することが可能になる。
【0077】
5.変形例
5−1.電子機器
上述した実施形態では、測位装置を備えた電子機器として携帯型電話機を例に挙げて説
明したが、本発明を適用可能な電子機器はこれに限られるわけではない。例えば、測位装
置を備えたノート型パソコンやPDA(Personal Digital Assistant)、カーナビゲーシ
ョン装置等の電子機器に適用することも可能である。
【0078】
5−2.衛星測位システム
また、上述した実施形態では、衛星測位システムとしてGPSを例に挙げて説明したが
、WAAS(Wide Area Augmentation System)、QZSS(Quasi Zenith Satellite Sy
stem)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO等の
他の衛星測位システムに本願発明を適用することとしてもよい。
【0079】
5−3.処理の分化
CPU21が行う処理の一部又は全部を、ホストCPU30が行うことにしてもよい。
例えば、ホストCPU30が測位基礎位置誤差補正処理を行い、CPU21は、その処理
結果に基づいてサーチ範囲を可変して衛星捕捉処理を行う。また、ホストCPU30が測
位演算を行う構成としてもよい。
【0080】
5−4.衛星捕捉部
上述した実施形態では、CPU21が衛星捕捉処理を行うことで衛星の捕捉をソフトウ
ェア的に実現することとして説明したが、ベースバンド処理回路部20に衛星の捕捉を行
う回路部である衛星捕捉部を独立して設けて、ハードウェア的に実現することとしてもよ
い。この場合は、CPU21が設定した周波数及び位相のサーチ範囲に従って、衛星捕捉
部が相関演算を行って衛星を捕捉する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】携帯型電話機の機能構成を示すブロック図。
【図2】ベースバンド処理回路部のROMに格納されたデータの一例を示す図。
【図3】ベースバンド処理回路部のRAMに格納されるデータの一例を示す図。
【図4】擬似距離の説明図。
【図5】衛星移動情報データのデータ構成の一例を示す図。
【図6】ベースバンド処理の流れを示すフローチャート。
【図7】測位基礎位置誤差補正処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0082】
1 携帯型電話機、 5 GPSアンテナ、 10 GPS受信部、
11 RF受信回路部、 20 ベースバンド処理回路部、 21 CPU、
23 ROM、 25 RAM、 27 時計部、 30 ホストCPU、
40 操作部、 50 表示部、 60 携帯電話用アンテナ、
70 携帯電話用無線通信回路部、 80 ROM、 90 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位装置が、測位用信号に発信時刻を周期的に乗せて発信する測位用衛星から前記測位
用信号を受信して測位を行う測位方法であって、
所与の測位基礎位置を前記測位装置の位置とみなした第1の擬似距離を算出することと

前記発信時刻と当該受信時の受信時刻との時刻差に基づき第2の擬似距離を算出するこ
とと、
前記所与の測位基礎位置に対する位置誤差を設定することと、
前記第1の擬似距離と前記第2の擬似距離との差異に基づいて、前記位置誤差を補正す
ることと、
前記位置誤差を用いて前記測位用信号を受信する際の信号探索範囲を設定することと、
前記信号探索範囲に基づいて前記測位用信号を受信して測位を行うことと、
を含む測位方法。
【請求項2】
前記位置誤差を設定することは、最後の前記測位からの経過時間が長ければ長いほど前
記位置誤差を広く設定することを含み、
前記位置誤差を補正することは、前記第1の擬似距離と前記第2の擬似距離との差異が
所定の近似条件を満たす場合には、当該近似条件を満たす場合の位置誤差として予め設定
された擬似距離近似用位置誤差に前記位置誤差を補正することを含む、
請求項1に記載の測位方法。
【請求項3】
前記位置誤差を補正することは、前記第1の擬似距離と前記第2の擬似距離との差異が
前記所定の近似条件を満たさず、且つ、前記位置誤差が前記擬似距離近似用位置誤差より
小さい場合には、前記第1の擬似距離と前記第2の擬似距離との差異に基づいて前記位置
誤差を補正することを含む、
請求項2に記載の測位方法。
【請求項4】
前記測位用信号は擬似雑音符号により符号化されており、
前記位置誤差を補正することは、前記擬似雑音符号の符号長に相当する距離以内である
ことを前記所定の近似条件として前記補正を行うことである、
請求項2又は3に記載の測位方法。
【請求項5】
複数の前記測位用衛星のうち、何れか1つの測位用衛星からの前記発信時刻を受信した
ことを検出することと、
前記第1の擬似距離を算出すること、及び、前記第2の擬似距離を算出することは、前
記受信した発信時刻を発信した測位用衛星に関する擬似距離を算出することであり、
前記信号探索範囲を設定することは、前記受信した発信時刻を発信した測位用衛星以外
の測位用衛星からの測位用信号を受信する際の周波数の信号探索範囲を可変することを含
む、
請求項1〜4の何れか一項に記載の測位方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の測位方法を測位装置に内蔵されたコンピュータに実
行させるためのプログラム。
【請求項7】
測位用信号に発信時刻を周期的に乗せて発信する測位用衛星から前記測位用信号を受信
して測位を行う測位装置であって、
前記発信時刻を受信したことを検出する検出部と、
所与の測位基礎位置を前記測位装置の位置とみなした第1の擬似距離を算出する第1算
出部と、
前記検出部により検出された発信時刻と当該受信時の受信時刻との時刻差に基づき第2
の擬似距離を算出する第2算出部と、
前記所与の測位基礎位置に対する位置誤差を設定する位置誤差設定部と、
前記第1の擬似距離と前記第2の擬似距離との差異に基づいて、前記位置誤差を補正す
る位置誤差補正部と、
前記位置誤差を用いて前記測位用信号を受信する際の信号探索範囲を設定する信号探索
範囲設定部と、
前記信号探索範囲に基づいて前記測位用信号を受信して測位を行う測位部と、
を備えた測位装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−264811(P2009−264811A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112142(P2008−112142)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】