説明

測位装置及び測位方法

【課題】無線LAN を利用して位置測位を行う際に、チャネルのサーチ時間を短縮し、且つ該チャネルのサーチにより消費される電力を低減すること。
【解決手段】アクセスポイントとの間の距離に基づいて、測位演算を行う測位装置は、アクセスポイントを検出するアクセスポイント検出部と、該検出されたアクセスポイントを、チャネル毎に記憶する記憶部と、記憶されたアクセスポイントに基づいて、スキャンすべきチャネルを設定するチャネル設定部と、検出されたアクセスポイントとの間の距離に基づいて測位を行う測位演算部とを有する。アクセスポイント検出部は、チャネル設定部により設定されたチャネルに基づいて、アクセスポイントを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置測位装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の地理情報に、リアルタイムに位置情報とコンテンツ情報とを融合することが行われている。該地理情報は、防災、セキュリティ、交通等の様々な分野で、モバイル通信技術を用いて利用される。該地理情報を利用することは、ロケーションベースドサービス(LBS: Location Based Services)と呼ばれる。LBSでは、ユーザの位置や環境に応じて適切なサービスとコンテンツが提供される。
【0003】
LBSの実現に必要な社会基盤と主要な技術課題には、高精度3次元空間データ、屋外・屋内を含む広範囲の空間で位置を取得することができるシームレス測位システム、通信システム、端末・表示技術などが含まれる。
【0004】
シームレス測位システムの一例として、無線LANを利用した位置測位が挙げられる。
【0005】
現在、個人宅や企業オフィス、カフェや駅などに設置されている無線LANアクセスポイントから送信される電波を受信して、位置測位を行うサービスが一般的に利用されている。駅やオフィス街では、無線LANアクセスポイントは非常に多く設置されている。駅やオフィス街周辺での位置測位方法として、無線LANを利用した測位サービスは極めて有効である。特に、全地球測位システム(GPS: Global Positioning System)ではGPS衛星からの電波が届かない地下街では有効である。
【0006】
移動機通信端末に搭載された測位装置は、無線LANを利用して位置測位を行う際には、近傍のアクセスポイントにより送信されるべきビーコン(Beacon)信号を検出(発見)して、該ビーコン信号の受信強度からアクセスポイントとの距離を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2009-543074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
無線LAN を利用して位置測位を行う場合、測位装置は、アクセスポイントを発見する必要がある。例えば、アクセスポイントにより送信されるビーコン信号をサーチすることによりアクセスポイントを発見してもよい。ビーコン信号をサーチする際には、周波数帯をスキャンする必要がある。周波数帯のスキャンは、定期的に行われるのが好ましい。測位装置の搭載された携帯端末装置の移動に追従して、位置測位を行うためである。
【0009】
また、アクセスポイントを検出するために行われる周波数帯のスキャンには、アクティブスキャンとパッシブスキャンの2種類の方法が含まれる。
【0010】
アクティブスキャンでは、無線LAN端末は、プローブリクエストフレームを送信し、接続可能なアクセスポイントからのレスポンス(Probe Response)のために待機する。該無線LAN端末は、複数のアクセスポイントからProbe Responseを受信した場合には、電波状況から最適なアクセスポイントを選択し、該アクセスポイントに、無線LANへの参加要求を意味するリアソシエーションリクエスト(Reassociation Request)フレームを送信する。
【0011】
パッシブスキャンでは、無線LAN端末は、プローブリクエスト(Probe Request)フレームを送信せずに、アクセスポイントから送信されるビーコンメッセージを一定時間受信する。該受信後、該無線LAN端末は、該ビーコンメッセージに基づいて選択したアクセスポイントに対してリアソシエーションリクエスト(Reassociation Request)フレームを送信する。
【0012】
無線LAN を利用して位置測位を行う際には、パッシブスキャンが主に行われる。アクティブスキャンではアクセスポイントの識別子が既知である必要があるためである。該アクセスポイントの識別子には、サービスセットID(SSID: Service Set Identifier)が含まれる。
【0013】
アクセスポイントを発見する際には、アクセスポイントによりビーコン信号が送信されていると想定される全周波数帯をスキャンする必要がある。無線LANでは、約20MHz幅の周波数を使ってアクセスポイントとの間で無線通信が行われる。該約20MHz幅の周波数はチャネルと呼ばれる。例えば、IEEE802.11bでは1ch〜14chが利用可能であり、IEEE802.11gでは1ch〜13chが利用可能である。アクセスポイントを発見するには、全チャネルをサーチする必要がある。アクセスポイントによりビーコン信号が送信されるチャネルを事前に知ることができないためである。アクセスポイントによりビーコン信号が送信される全チャネルをサーチする必要があるため、チャネルのサーチに時間がかかる。さらに、ビーコン信号が送信されないチャネルをサーチする結果となるため、無駄な電力を消費してしまう。
【0014】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、無線LAN を利用して位置測位を行う際に、チャネルのサーチ時間を短縮でき、且つ該チャネルのサーチにより消費される電力を低減できる測位装置及び測位方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本測位装置は、
アクセスポイントとの間の距離に基づいて、測位演算を行う測位装置であって、
アクセスポイントを検出するアクセスポイント検出部と、
該アクセスポイント検出部により検出されたアクセスポイントを、チャネル毎に記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶されたアクセスポイントに基づいて、スキャンすべきチャネルを設定するチャネル設定部と、
前記アクセスポイント検出部により検出されたアクセスポイントとの間の距離に基づいて測位を行う測位演算部と
を有し、
前記アクセスポイント検出部は、前記チャネル設定部により設定されたチャネルに基づいて、アクセスポイントを検出する。
【0016】
本測位方法は、
アクセスポイントとの間の距離に基づいて、測位演算を行う測位装置における測位方法であって、
アクセスポイントを検出するアクセスポイント検出ステップと、
該アクセスポイント検出ステップにより検出されたアクセスポイントを、チャネル毎に記憶する記憶ステップと、
該記憶ステップにより記憶されたアクセスポイントに基づいて、スキャンすべきチャネルを設定するチャネル設定ステップと、
前記アクセスポイント検出ステップにより検出されたアクセスポイントとの間の距離に基づいて測位を行う測位演算ステップと
を有し、
前記アクセスポイント検出ステップは、前記チャネル設定ステップにより設定されたチャネルに基づいて、アクセスポイントを検出する。
【発明の効果】
【0017】
開示の測位装置及び測位方法によれば、無線LAN を利用して位置測位を行う際に、チャネルのサーチ時間を短縮でき、且つ該チャネルのサーチにより消費される電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施例に従った測位装置が適用されるシステムを示す説明図である。
【図2】本実施例に従った測位装置を示すハードウェアの一例を示す構成図である。
【図3】本実施例に従った測位装置を示す機能ブロック図である。
【図4】チャネルのサーチを示す説明図である。
【図5】本実施例に従った測位装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施例に従った測位装置におけるチャネルのサーチを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0020】
<実施例>
<システム>
本実施例に従った測位装置100が適用されるシステムについて説明する。
【0021】
図1は、本測位装置100が適用されるシステムを示す。
【0022】
該システムには、アクセスポイント(Access Point)200(nは、n>0の整数)が含まれる。アクセスポイントは、「親機」、「基地局」、「ステーション」等と呼ばれてもよい。本測位装置100は、発見できたアクセスポイント200との間の距離に基づいて、測位を行う。図1には、一例として、n=3の場合が示される。nは、2以下であっても、4以上であってもよい。例えば、n=1、2の場合には、アクセスポイント200と測位装置100との間の距離から、測位装置100が位置すると想定される領域を求めることができる。また、nの値が大きくなるほど測位精度が向上する。
【0023】
本測位装置100は、携帯端末装置に搭載されるようにしてもよいし、携帯情報端末(PDA: Personal Digital Assistants)に搭載されるようにしてもよいし、パーソナルコンピュータ(PC: Personal Computer)に搭載されるようにしてもよい。
【0024】
本測位装置100が携帯端末装置に搭載され、発見できたアクセスポイント200との間の距離に基づいて測位を行うことにより、屋内においても位置情報を取得できる。屋内においても位置情報を取得できるため、屋内における位置情報に基づいてサービスを提供できる。
【0025】
<本測位装置>
図2は、本実施例に従った測位装置100を示す。図2には、主にハードウェア構成が示される。
【0026】
本携帯端末装置100は、無線部102と、記憶部104と、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)106と、出力部108と、通信制御部110とを有する。各機能ブロックは、バス150により接続される。
【0027】
中央演算処理装置106は、無線部102、記憶部104、出力部108、及び通信制御部110の制御を行う。中央演算処置装置106は、記憶部104に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0028】
無線部102は、中央演算処理装置106による制御により、アクセスポイント200との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、無線LANが含まれる。無線LANの規格には、IEEE802.11、IEEE802.15が含まれが、どの規格に従ったものでもよい。該無線部102は、通信制御部110により生成された情報を無線信号に変換して送信する。また、アクセスポイント200からの無線信号をベースバンド信号に変換する。該無線部102は、アクセスポイント200からの無線信号の受信強度を測定する。
【0029】
記憶部104は、アプリケーションを有する。アプリケーションは、測位装置100上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。また、記憶部104は、チャネル毎に発見されたアクセスポイントの情報を記憶する。また、記憶部104は、当該測位装置100に設定可能なアクセスポイント200の識別子を記憶する。該識別子には、サービスセットID(SSID: Service Set ID)、ESSID(Extended SSID)が含まれる。アクセスポイントを識別可能な識別子であれば、サービスセットID(SSID: Service Set ID)、ESSID(Extended SSID)に限られない。
【0030】
出力部106は、当該測位装置100により算出された位置情報を出力する。例えば、当該測位装置100を搭載する装置に対して出力するようにしてもよい。当該測位装置100を搭載する装置に対して出力することにより、該装置が携帯端末装置である場合には、入力された位置情報に基づいてサービスを提供することができる。例えば、ユーザの現在位置・時間に適した様々な情報の配信することが挙げられる。
【0031】
通信制御部110は、当該測位装置100がアクセスポイントを発見する際に送信すべき情報を生成し、また、発見されたアクセスポイントから受信されるべき信号を解析する。例えば、アクセスポイントを発見する際に送信すべき情報には、アクティブスキャンを行う場合におけるプローブリクエスト(Probe Request)が含まれる。該プローブリクエストには、発見すべきアクセスポイントの識別子が含まれてもよいし、当該測位装置100の近傍に位置するアクセスポイントからの応答を要求するための情報が含まれてもよい。また、例えば、アクセスポイントを発見する際に送信すべき信号には、アクティブスキャン及びパッシブスキャンにおけるリアソシエーションリクエスト(Reassociation Request)が含まれてもよい。
【0032】
例えば、発見されたアクセスポイントから受信されるべき信号には、アクティブスキャンを行う場合におけるプローブレスポンス(Probe Response)が含まれる。該プローブレスポンスには、該プローブレスポンスを送信するアクセスポイントの識別子が含まれてもよい。また、例えば、発見されたアクセスポイントから受信されるべき信号には、パッシブスキャンにおけるビーコン(Beacon)が含まれる。該ビーコンには、該ビーコンを送信するアクセスポイントの識別子が含まれてもよい。
【0033】
また、通信制御部110は、アクティブスキャンを行う場合には、チャネル毎にプローブリクエストが送信されるように、無線部102を制御する。また、通信制御部110は、パッシブスキャンを行う場合には、チャネル毎にビーコン信号を検出できるように、周波数帯をスキャンするように無線部102を制御する。
【0034】
<本測位装置の機能>
本測位装置100により実行される処理には、アクセスポイント200を発見するために、周波数帯をスキャンする処理(以下、「周波数帯スキャン処理」と呼ぶ)が含まれる。該周波数帯スキャン処理では、周波数帯が測定される。該周波数帯スキャン処理には、チャネルをサーチする処理が含まれる。また、本測位装置100により実行される処理には、周波数帯スキャン処理の結果を記憶する処理が含まれる。該結果には、チャネル毎に、発見されたアクセスポイントの情報が含まれる。該発見されたアクセスポイントには、ステルス機能がオンにされたアクセスポイントが含まれる。ステルス機能がオンにされたアクセスポイントからは、ビーコン信号が停止されている。従って、ステルス機能がオンにされたアクセスポイントは、アクティブスキャンにより発見されたものであってもよい。また、該発見されたアクセスポイントには、ビーコン信号に含まれるアクセスポイントの識別子を検出することにより発見されたアクセスポイントが含まれる。
【0035】
本測位装置100により実行される処理には、現在から過去の所定の時間以内に、周波数帯スキャン処理が実行されたかどうかを判定する処理が含まれる。本測位装置100により実行される処理には、現在から過去の所定の時間以内に実行された周波数帯スキャン処理の結果に基づいて、アクセスポイントが発見されなかったチャネルがあるかどうかを判定する処理が含まれる。該判定の結果、サーチの対象とすべきチャネルから、アクセスポイントが発見されなかったチャネルを除外する。現在の状況に近い周波数帯スキャン処理の結果に基づいて判定する観点からは、直前の周波数帯スキャン処理の結果を用いるのが好ましい。そこで、本実施例では、直前の周波数帯スキャン処理の結果を用いる場合について説明する。
【0036】
本測位装置100により実行される処理には、直前に実行された周波数帯スキャン処理の結果に基づいて、サーチの対象とすべきチャネルの優先度を設定する処理が含まれる。本測位装置100により実行される処理には、直前に実行された周波数帯スキャン処理の結果に基づいて、スキャンの方法を設定する処理が含まれる。また、本測位装置100により実行される処理には、サーチの対象とすべきチャネルの優先度に従って、設定されるべきスキャン方法により周波数帯スキャン処理を実行する処理が含まれる。
【0037】
また、本測位装置100により実行される処理には、周波数帯スキャン処理の結果に基づいて発見されたアクセスポイントとの間の距離を求め、当該測位装置100の位置を求める処理が含まれる。例えば、アクセスポイント200により送信されるべき無線信号の受信強度に基づいて、アクセスポイントとの間の距離を求めるようにしてもよい。該距離を求める際にアクセスポイント200の位置が必要である場合には、該アクセスポイント200の位置は、当該測位装置100に事前に格納されてもよいし、他の方法で取得するようにしてもよい。例えば、当該測位装置100を搭載する携帯端末装置により取得されてもよい。例えば、該携帯端末装置が、アクセスポイントの位置情報を格納するサーバにアクセスすることにより取得するようにしてもよい。該携帯端末装置は、所定の無線通信方式により無線通信を行うものであってもよい。例えば、該無線通信方式には、GSM(Global System for Mobile Communications)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、LTE (Long Term Evolution)が含まれてもよい。
【0038】
図3は、本測位装置100の機能を示す。
【0039】
本測位装置100は、サーチ対象チャネル設定部1062を有する。該サーチ対象チャネル設定部1062は、現在の時刻から過去の一定時間以内に周波数帯スキャン処理が実行されたかどうかを判定する。該サーチ対象チャネル設定部1062は、一定時間以内に周波数帯スキャン処理が実行されないと判定された場合、サーチの対象とすべきチャネルを全チャネルとする。換言すれば、アクセスポイント200と通信可能とされる全周波数帯とする。前回の周波数帯スキャン処理の結果は現在の周波数帯スキャン処理の結果とは異なると判定されるためである。該サーチ対象チャネル設定部1062は、一定時間以内に周波数帯スキャン処理が実行されないと判定された場合、サーチの対象とすべき全チャネルの情報を、サーチ制御部1070に入力する。該サーチ対象チャネル設定部1062は、一定時間以内に周波数測定が実行されたと判定される場合、前回の周波数帯スキャン結果をチャネル除外部1064に入力する。
【0040】
本測位装置100は、チャネル除外部1064を有する。該チャネル除外部1064は、サーチ対象チャネル設定部1062と接続される。該チャネル除外部1064は、サーチ対象チャネル設定部1062により入力されるべき直前(前回)の周波数帯スキャン結果に基づいて、アクセスポイントが発見されなかったチャネルがあるかどうかを判定する。
【0041】
図4は、周波数帯スキャン結果を説明するための図である。
【0042】
図4によれば、「1ch」−「64ch」までの周波数帯がスキャンされる例が示される。該「1ch」−「64ch」は一例であり、「64ch」より大きいチャネルの周波数帯がスキャンされてもよい。また、当該測位装置100により利用可能なチャネルの周波数がスキャンされてもよい。当該測位装置100が適用される無線LANの規格により無線通信可能なチャネルが異なるためである。
【0043】
図4に示される例では、「1ch」及び「5ch」ではステルス機能がオンにされたアクセスポイントが発見され、「2ch」ではステルス機能がオンにされたアクセスポイントと、SSIDが「A」に設定されたアクセスポイントが発見され、「10ch」ではSSIDが「B」に設定されたアクセスポイントが発見される。「1ch」、「2ch」、「5ch」、及び「10ch」以外のチャネルではアクセスポイントは発見されない。
【0044】
図4に示される例では、チャネル除外部1064は、アクセスポイントが発見されなかったチャネル、すなわち「1ch」、「2ch」、「5ch」、及び「10ch」以外のチャネルをサーチ対象のチャネルから除外する。サーチ対象のチャネルから、アクセスポイントが発見されなかったチャネルを除外したチャネルを、サーチ対象のチャネルとする。換言すれば、アクセスポイントが発見されたチャネルを、サーチ対象のチャネルとする。
【0045】
該チャネル除外部1064は、サーチ対象チャネル設定部1062により入力されたサーチ対象とすべきチャネルからアクセスポイントが発見されなかったチャネルを除外し、サーチ対象チャネル優先度設定部1066に入力する。
【0046】
本測位装置100は、サーチ対象チャネル優先度設定部1066を有する。該サーチ対象チャネル優先度設定部1066は、チャネル除外部1064と接続される。該サーチ対象チャネル優先度設定部1066は、チャネル除外部1064により入力されるべきサーチ対象チャネルに基づいて、複数のアクセスポイントが発見されたチャネルがあるかどうかを判定する。該サーチ対象チャネル優先度設定部1066は、複数のアクセスポイントが発見されたチャネルのサーチにおける優先度を上げる。
【0047】
例えば、図4に示される例では、「2ch」ではステルス機能がオンにされたアクセスポイントと、SSIDが「A」に設定されたアクセスポイントが発見される。該サーチ対象チャネル優先度設定部1066は、「2ch」のサーチにおける優先度を上げる。複数のアクセスポイントが発見されたチャネルのサーチにおける優先度を上げる場合、発見されたアクセスポイントの数に応じて、上昇させる優先度の度合いを変えるようにしてもよい。例えば、発見されたアクセスポイントの数が多いほど、上昇させる優先度の度合いがより高くなるように設定する。また、発見されたアクセスポイントが、ステルス機能がオンにされているかどうかで上昇させる優先度の度合いを変えるようにしてもよい。該サーチ対象チャネル優先度設定部1066は、優先度が設定されたサーチ対象となるチャネルの情報をスキャン方法設定部1068に入力する。
【0048】
本測位装置100は、スキャン方法設定部1068を有する。該スキャン方法設定部1068は、スキャン方法を設定する。該スキャン方法には、アクティブスキャンと、パッシブスキャンとが含まれる。
【0049】
上述したように、アクティブスキャンでは、プローブリクエストフレームを送信し、接続可能なアクセスポイントからのレスポンス(Probe Response)のために待機する。複数のアクセスポイントからレスポンスを受信した場合には、電波状況から最適なアクセスポイントを選択し、該アクセスポイントに、無線LANへの参加要求を意味するリアソシエーションリクエスト(Reassociation Request)フレームを送信する。
【0050】
パッシブスキャンでは、プローブリクエスト(Probe Request)フレームを送信せずに、アクセスポイントから送信されるビーコンメッセージを一定時間受信する。該受信後、該ビーコンメッセージをもとに選択したアクセスポイントに対してリアソシエーションリクエスト(Reassociation Request)フレームを送信する。
【0051】
該スキャン方法設定部1068は、サーチ対象チャネル優先度設定部1066により入力された優先度が設定されたサーチ対象となるチャネルのうち、当該測位装置100にアクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルがあるかどうかを判定する。
【0052】
図4に示される例では、「10ch」が、当該測位装置100にアクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルに該当する。該スキャン方法設定部1068は、当該測位装置100にアクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルについては、アクティブスキャンを行うように設定する。該アクティブスキャンに設定されたチャネルの情報は、サーチ対象チャネル優先度設定部1066により入力された優先度が設定されたスキャン対象となるチャネル情報とともに、サーチ制御部1070に入力される。
【0053】
さらに、アクセスポイントを設定することによりサーチされたチャネルに加えて、直前の周波数帯スキャン処理により、識別子が既知となったアクセスポイントが存在することも想定される。該直前の周波数帯スキャン処理によりアクセスポイントの識別子が既知となったアクセスポイントについても、該識別子が既知となったアクセスポイントのみが発見されたチャネルについては、アクティブスキャンを行うように設定してもよい。アクティブスキャンは、パッシブスキャンよりもスキャン速度が早いため、より処理時間を短縮できる。
【0054】
本測位装置100は、サーチ制御部1070を有する。該サーチ制御部1070は、スキャン方法設定部1068と、サーチ対象チャネル設定部1062と接続される。該サーチ制御部1070には、測位演算に利用すべきアクセスポイント数が入力される。該アクセスポイント数は、本測位装置100が搭載された携帯端末装置により実行されるべきアプリケーションに応じて設定されてもよい。該サーチ制御部1070は、サーチ対象チャネル設定部1062により入力されるべき全チャネルの情報又はスキャン方法設定部1068により入力されるべきサーチ対象となるチャネル情報及びアクティブスキャンに設定されたチャネルの情報に基づいて、チャネルのサーチを行うように制御する。
【0055】
例えば、サーチ制御部1070は、パッシブスキャンの場合には、無線部102により受信されるべきビーコン信号に基づいてアクセスポイントを発見する。また、例えば、サーチ制御部1070は、アクティブスキャンの場合には、通信制御部110にプローブリクエストフレームを生成させ、該プローブリクエストフレームを無線部110により無線送信させる。サーチ制御部1070は、測位演算に利用すべきアクセスポイント数のアクセスポイントが発見された場合に、チャネルのサーチを中止する。サーチ制御部1070は、発見されたアクセスポイントの識別子を測位演算部1072に入力する。また、サーチ制御部1070は、発見されたアクセスポイントにより送信される無線信号の受信強度を測位演算部1072に入力するように、無線部102に命令する。無線部102は、サーチ制御部1070による命令に従って、発見されたアクセスポイントにより送信される無線信号の受信強度を測位演算部1072に入力する。サーチ制御部1070は、チャネルのサーチの結果を、周波数帯スキャン処理の結果として、記憶部104に格納する。該チャネルのサーチの結果には、サーチが行われた時刻情報が含まれる。該チャネルのサーチの結果には、チャネル毎に、発見されたアクセスポイントの情報が含まれる。該アクセスポイントの情報には、識別子が含まれてもよい。また、該アクセスポイントの情報には、アクセスポイントのステルス機能がオンにされているかどうかの情報が含まれてもよい。
【0056】
本測位装置100は、測位演算部1072を有する。該測位演算部1072は、サーチ制御部1070と接続される。測位演算部1072には、アクセスポイントの位置情報と、発見されたアクセスポイントにより送信される無線信号の受信強度とが入力される。例えば、アクセスポイントの位置情報は、アクセスポイントの識別子と位置情報とが対応付けられたものでもよい。該測位演算部1072は、サーチ制御部1070により入力されるべき発見されたアクセスポイントの識別子に基づいて、該発見されたアクセスポイントの位置情報を取得する。該測位演算部1072は、該発見されたアクセスポイントの位置情報と、該発見されたアクセスポイントから送信された無線信号の受信強度に基づいて、該発見されたアクセスポイントと当該測位装置100との間の距離を求める。該距離に基づいて、当該測位装置100の位置を求める。
【0057】
図3において、チャネル除外部1064、サーチ対象チャネル優先度設定部1064、及びスキャン方法設定部1068における処理の順番は、上述した順番に限られず、適宜変更可能である。
【0058】
<本携帯端末装置の動作>
図5は、本測位装置100の動作の一例を示すフローチャートである。本測位装置100には、位置測位演算に利用すべきアクセスポイント数が予め設定される。該アクセスポイント数は、ユーザにより設定されてもよいし、当該測位装置100が搭載された携帯端末装置の有するアプリケーションに応じて設定されてもよい。以下、位置測位演算に利用すべきアクセスポイント数が4台に設定される場合について説明する。該4台は一例であり、1−3台でもよいし、5台以上でもよい。
【0059】
本測位装置100は、一定時間以内にスキャンを実施したかどうかを判定する(ステップS502)。例えば、サーチ対象チャネル設定部1062は、記憶部104に格納された周波数帯スキャン処理の結果に基づいて、一定時間以内に周波数帯スキャン処理がされたものがあるかどうかを判定する。
【0060】
一定時間以内に周波数帯スキャン処理が実施されたと判定した場合(ステップS502:YES)、本測位装置100は、アクセスポイントが発見されなかったチャネルがあるかどうかを判定する(ステップS504)。例えば、チャネル除外部1064は、記憶部104に格納された周波数帯スキャン処理の結果のうち、直前(最新)の周波数帯スキャン処理の結果に基づいて、アクセスポイントが発見されなかったチャネルがあるかどうかを判定する。
【0061】
アクセスポイントが発見されなかったチャネルがあると判定された場合(ステップS504:YES)、本測位装置100は、該アクセスポイントが発見されなかったチャネルをサーチの対象から除外する(ステップS506)。例えば、チャネル除外部1064は、アクセスポイントが発見されなかったチャネルがあると判定した場合、該アクセスポイントが発見されなかったチャネルをサーチの対象から除外する。
【0062】
一方、アクセスポイントが発見されなかったチャネルがないと判定された場合(ステップS504:NO)、本測位装置100は、スキャンの対象からチャネルを除外しない。
【0063】
本測位装置100は、複数のアクセスポイントが発見されたチャネルがあるかどうかを判定する(ステップS508)。例えば、サーチ対象チャネル優先度設定部1066は、複数のアクセスポイントが発見されたチャネルがあるかどうかを判定する。
【0064】
複数のアクセスポイントが発見されたチャネルがあると判定された場合(ステップS508:YES)、本測位装置100は、該複数のアクセスポイントが発見されたチャネルの周波数帯スキャンにおける優先度を上げる(ステップS510)。例えば、サーチ対象チャネル優先度設定部1066は、該複数のアクセスポイントが発見されたチャネルの周波数帯測定における優先度を上げる。
【0065】
一方、複数のアクセスポイントが発見されたチャネルがないと判定された場合(ステップS508:NO)、本測位装置100は、周波数帯測定における優先度を上げる処理は行わない。
【0066】
本測位装置100は、アクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルがあるかどうかを判定する(ステップS512)。例えば、スキャン方法設定部1068は、アクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルがあるかどうかを判定する。
【0067】
アクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルがあると判定された場合(ステップS512:YES)、該アクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルにおけるスキャン方法をアクティブスキャンに設定する(ステップS514)。例えば、スキャン方法設定部1068は、アクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルがあると判定した場合、該アクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルにおけるスキャン方法をアクティブスキャンに設定する。アクティブスキャンに設定されたチャネル以外は、パッシブスキャンに設定される。アクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルのサーチをアクティブスキャンに設定することにより、サーチ時間を短縮できる。
【0068】
一方、アクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルがないと判定された場合(ステップS512:NO)、アクティブスキャンに設定するチャネルはないとする。例えば、スキャン方法設定部1068は、アクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルがないと判定した場合、チャネルにおけるスキャン方法をパッシブスキャンに設定する。
【0069】
本測位装置100は、周波数帯のスキャンを実施する(ステップS518)。例えば、サーチ制御部1070は、ステップS502により一定時間内にスキャンが実施されないと判定された場合には(ステップS502:NO)、全チャネルを対象として周波数帯のスキャンを実施するように制御する。また、例えば、サーチ制御部1070は、前回の周波数帯測定により測定されたチャネルのうち、ステップS506により除外されたチャネル以外のチャネルについて、周波数帯のスキャンを実施するように制御する。
【0070】
ステップS502−S514の処理は、測位装置100に搭載された中央演算処理装置106がプログラムに従って処理を行うことにより実行される。中央演算処理装置106を測位装置100として機能させるためのプログラムは、例えば、通信網を介してダウンロードされる。また、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供されてもよい。プログラムが記録媒体により提供される場合には、該記録媒体を測位装置100の補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。中央演算処理装置106は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、測位装置100のコンピュータ(中央演算処理装置106)に、図5のステップS502−S514を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0071】
図5において、ステップS504−S506、S508−S510、及びS512−S514の処理の順番は上述した例に限られず、適宜変更可能である。
【0072】
<周波数帯のスキャン処理の結果の例>
図6は、周波数帯のスキャンの結果の一例を示す。
【0073】
例えば、図4に示される例では、当該測位装置100にアクセスポイントの識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見された「10ch」が1番目にサーチされる。パッシブスキャンに比べて、アクティブスキャンの方が、サーチ時間が短いためである。該サーチの結果、SSIDが(B)であるアクセスポイントが発見される。
【0074】
周波数帯スキャン処理の結果複数のアクセスポイントが発見された「2ch」が2番目にサーチされる。該サーチの結果、SSIDが(A)であるアクセスポイントと、ステルス機能がオンにされているアクセスポイントが発見される。
【0075】
周波数帯スキャン処理の結果アクセスポイントが発見された「1ch」が3番目にサーチされる。該サーチの結果、ステルス機能がオンにされているアクセスポイントが発見される。
【0076】
以上により、4台のアクセスポイントが発見されたことになるため、本測位装置100は、チャネルのサーチを中止する。本測位装置100は、該4台のアクセスポイントの位置と、該アクセスポイントからの無線信号の受信強度に基づいて、当該測位装置100と各アクセスポイントとの間の距離を求める。本測位装置100は、該距離に基づいて、当該測位装置100の位置を求める。
【0077】
識別子が設定されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルと、複数のアクセスポイントが発見されたチャネルのどちらを優先するかどうかについては、適宜変更可能である。複数のアクセスポイントが発見されたチャネルを優先するようにしてもよい。
【0078】
上述した実施例において、前回の測位位置からの移動距離に応じて、サーチすべきチャネルを設定するようにしてもよい。具体的には、前回の測位位置からの移動距離が所定の閾値以上であると判定される場合にサーチすべきチャネルを全チャネルとし、閾値未満であると判定される場合に前回の周波数帯スキャン処理の結果に基づいてサーチすべきチャネルを設定するようにしてもよい。前回の測位位置からの移動距離が短い場合には、電波状況の変化も小さいと想定されるため、前回の周波数帯スキャン処理の結果を利用できると判定されるためである。
【0079】
例えば、前回の測位位置からの移動距離を推定する方法として、歩数計が用いられてもよい。また、前回の測位位置からの移動距離を推定する方法として、当該測位装置100を搭載する携帯端末装置と通信を行う基地局が変更されたかどうか、例えばハンドオーバが行われたかどうかにより推定されてもよい。
【0080】
本測位装置によれば、アクセスポイントが発見される確率が高いと想定されるチャネルからサーチされるため、周波数帯のスキャン(測定)時間を短縮できる。周波数帯のスキャン時間を短縮できるため、測位時間も短縮できる。
【0081】
また、アクセスポイントが発見される確率が高いと想定されるチャネルからサーチされるため、アクセスポイントが発見されないチャネルをサーチすることが少なくなるため、消費電力を低減できる。
【0082】
本実施例によれば、アクセスポイントとの間の距離に基づいて、測位演算を行う測位装置が提供される。
【0083】
該測位装置は、
アクセスポイントを検出するサーチ制御部としてのアクセスポイント検出部と、
該アクセスポイント検出部により検出されたアクセスポイントを、チャネル毎に記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶されたアクセスポイントに基づいて、スキャンすべきチャネルを設定するサーチ対象チャネル設定部としてのチャネル設定部と、
前記アクセスポイント検出部により検出されたアクセスポイントとの間の距離に基づいて測位を行う測位演算部と
を有し、
前記アクセスポイント検出部は、前記チャネル設定部により設定されたチャネルに基づいて、アクセスポイントを検出する。
【0084】
前回の周波数帯スキャン処理の結果に基づいてサーチすべきチャネルを設定するため、サーチすべきチャネルを制限できる。サーチすべきチャネルを制限できるため周波数帯のスキャン(測定)時間を短縮できる。周波数帯のスキャン時間を短縮できるため、測位時間も短縮できる。
【0085】
さらに、
サーチ対象チャネル優先度設定部としての前記チャネル設定部は、前記記憶部に記憶されたアクセスポイントに基づいて、検出されたアクセスポイントの数が多いチャネルから優先的にスキャンするように設定する。
【0086】
検出されたアクセスポイントの数が多いチャネルから順にスキャンすることにより、アクセスポイントが発見される確率が高いと想定されるチャネルからサーチできるため、周波数帯のスキャン(測定)時間を短縮できる。周波数帯のスキャン時間を短縮できるため、測位時間も短縮できる。
【0087】
さらに、
前記チャネル設定部により設定されたチャネルに、前記アクセスポイント検出部により当該測位装置に設定されるべきアクセスポイントの識別子を用いて検出されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルが含まれる場合に、前記識別子を用いてアクセスポイントを検出するように設定するスキャン方法設定部
を有し、
前記チャネル設定部は、前記スキャン方法設定部により前記識別子を用いてアクセスポイントを検出するように設定されたチャネルから優先的にスキャンするように設定し、
前記アクセスポイント検出部は、前記スキャン方法設定部により設定された識別子を用いてアクセスポイントを検出する。
【0088】
当該測位装置に設定されるべきアクセスポイントの識別子を用いて検出されたアクセスポイントのみであるチャネルが含まれる場合に、前記識別子を用いてアクセスポイントを検出するように設定することにより、サーチ時間を更に短縮できる。
【0089】
さらに、
チャネル除外部としての前記チャネル設定部は、前記記憶部に記憶されたアクセスポイントに基づいて、スキャンすべきチャネルとして、検出されたアクセスポイントがあるチャネルを設定する。
【0090】
アクセスポイントが発見される確率が高いと想定されるチャネルからサーチできるため、周波数帯のスキャン(測定)時間を短縮できる。周波数帯のスキャン時間を短縮できるため、測位時間も短縮できる。
【0091】
本実施例によれば、アクセスポイントとの間の距離に基づいて、測位演算を行う測位装置における測位方法が提供される。
【0092】
該測位方法は、
アクセスポイントを検出するアクセスポイント検出ステップと、
該アクセスポイント検出ステップにより検出されたアクセスポイントを、チャネル毎に記憶する記憶ステップと、
該記憶ステップにより記憶されたアクセスポイントに基づいて、スキャンすべきチャネルを設定するチャネル設定ステップと、
前記アクセスポイント検出ステップにより検出されたアクセスポイントとの間の距離に基づいて測位を行う測位演算ステップと
を有し、
前記アクセスポイント検出ステップは、前記チャネル設定ステップにより設定されたチャネルに基づいて、アクセスポイントを検出する。
【0093】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0094】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0095】
100 測位装置
102 無線部
104 記憶部
106 中央演算処理装置(Central Processing Unit)
1062 サーチ対象チャネル設定部
1064 チャネル除外部
1066 サーチ対象チャネル優先度設定部
1068 スキャン方法設定部
1070 サーチ制御部
1072 測位演算部
108 出力部
110 通信制御部
200(nは、n>0の整数) アクセスポイント(Access Point)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントとの間の距離に基づいて、測位演算を行う測位装置であって、
アクセスポイントを検出するアクセスポイント検出部と、
該アクセスポイント検出部により検出されたアクセスポイントを、チャネル毎に記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶されたアクセスポイントに基づいて、スキャンすべきチャネルを設定するチャネル設定部と、
前記アクセスポイント検出部により検出されたアクセスポイントとの間の距離に基づいて測位を行う測位演算部と
を有し、
前記アクセスポイント検出部は、前記チャネル設定部により設定されたチャネルに基づいて、アクセスポイントを検出する測位装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測位装置において、
前記チャネル設定部は、前記記憶部に記憶されたアクセスポイントに基づいて、検出されたアクセスポイントの数が多いチャネルから優先的にスキャンするように設定する測位装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の測位装置において、
前記アクセスポイント検出部により当該測位装置に設定されるべきアクセスポイントの識別子を用いて検出されたアクセスポイントのみが発見されたチャネルが含まれる場合に、前記識別子を用いてアクセスポイントを検出するように設定するスキャン方法設定部
を有し、
前記チャネル設定部は、前記スキャン方法設定部により前記識別子を用いてアクセスポイントを検出するように設定されたチャネルから優先的にスキャンするように設定し、
前記アクセスポイント検出部は、前記スキャン方法設定部により設定された識別子を用いてアクセスポイントを検出する測位装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の測位方法において、
前記チャネル設定部は、前記記憶部に記憶されたアクセスポイントに基づいて、スキャンすべきチャネルとして、検出されたアクセスポイントがあるチャネルを設定する測位装置。
【請求項5】
アクセスポイントとの間の距離に基づいて、測位演算を行う測位装置における測位方法であって、
アクセスポイントを検出するアクセスポイント検出ステップと、
該アクセスポイント検出ステップにより検出されたアクセスポイントを、チャネル毎に記憶する記憶ステップと、
該記憶ステップにより記憶されたアクセスポイントに基づいて、スキャンすべきチャネルを設定するチャネル設定ステップと、
前記アクセスポイント検出ステップにより検出されたアクセスポイントとの間の距離に基づいて測位を行う測位演算ステップと
を有し、
前記アクセスポイント検出ステップは、前記チャネル設定ステップにより設定されたチャネルに基づいて、アクセスポイントを検出する測位方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−226929(P2011−226929A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97259(P2010−97259)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】