説明

測定データ記録装置および判定方法

【課題】測定データの消失事故を回避する。
【解決手段】外部メモリ(記録媒体)にメモリチェック用データ(判定処理用データ)を記録させた後にファイル管理情報が正常との条件を満たしているかを判定する第1判定処理を実行し(ステップ51〜53)、条件を満たしているときにメモリから読み出したチェック用データと記憶部に記憶されているチェック用データとを比較して両データが一致するとの条件を満たしているかを判定する第2判定処理を実行し(ステップ55〜57)、条件を満たしているときにメモリからチェック用データを削除した後にファイル管理情報が正常との条件を満たしているかを判定する第3判定処理を実行し(ステップ58〜60)、いずれかの条件を満たしていないときにメモリを使用不能と判定して報知すると共に(ステップ54)、すべての条件を満たしているときにメモリを使用可能と判定して報知する(ステップ61)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱可能な記録媒体に測定データを記録させる測定データ記録装置、および記録媒体が使用可能か否かを測定装置において判定する判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開平10−239111号公報には、ICメモリカード(以下、「メモリカード」ともいう)に測定対象物の物理量(以下、「測定データ」ともいう)を記録させるデータ記録装置が開示されている。このデータ記録装置では、計測信号をディジタルデータに変換した状態で測定値メモリに一時的に保存すると共に、CPUが、測定値メモリに保存されている計測信号から測定対象物の物理量を演算して演算結果(測定データ)を2つのメモリカードのいずれかに記憶させる構成が採用されている。この場合、このデータ記録装置では、上記のメモリカードとして、汎用のメモリカードを装着して測定データを記録することができるように構成されている。これにより、測定データを記録させたメモリカードをデータ記録装置から取り外してパーソナルコンピュータに装着し、記録されている測定データをパーソナルコンピュータによって読み出してデータ解析することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−239111号公報(第2−5頁、第1−5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のデータ記録装置には、以下の問題点が存在する。すなわち、従来のデータ記録装置では、汎用のメモリカードを装着して測定データを記録することができる構成を採用している。この場合、上記のメモリカード等の記録媒体(リムーバブルメディア)は、一般的には、統一規格に準じて製造されているため、製造メーカ、型式および製造時期等が相違したとしても、同一の規格に準じて製造されている記録媒体であれば、その規格に対応する各種電子機器において使用することが可能となっている。しかしながら、実際には、記録速度や読み出し速度の向上等を目的として各製造メーカが独自に取り入れている技術が導入された製品や、製造コストを低減すべく製品検査が簡略化された製品等が存在することに起因して、規格に準じて製造されている記録媒体でありながら、データの記録や読み出しができない記録媒体が数多く存在する。したがって、この種のデータ記録装置の製造メーカでは、自社製造のデータ記録装置においてデータの記録や読み出しが正常に実行できる記録媒体を特定し、特定した記録媒体を「動作保証媒体」として公表している。
【0005】
具体的には、データ記録装置の製造メーカでは、利用者による使用が想定される各種の記録媒体を入手し、入手した各記録媒体について、データの記録が正常に行えるかの検査、データの読み出しが正常に行えるかの検査、およびデータの削除を正常に行えるかの検査を個別に実施している。しかしながら、記録媒体の種類(製造メーカ、型式および製造時期等の相違)が無数に存在するため、利用者によって使用される可能性のある全ての記録媒体を検査するのは事実上不可能となっている。また、多くの利用者が使用すると考えられる有名メーカ製の記録媒体だけを検査する場合であっても、記録速度の向上や記録可能容量の拡大を目的として非常に短いサイクルで新型の記録媒体が登場する今日では、これら全ての記録媒体を発売直後に遅延なく検査するのは非常に困難となっている。このため、従来のデータ記録装置には、データ記録装置の製造メーカによる検査が行われていない記録媒体(「動作保証媒体」ではない記録媒体)が使用されて、測定データが不完全な記録状態となったり、記録した測定データが読み出し不能となったりする(測定データを消失する事故が発生する)ことがあるという問題点が存在する。
【0006】
また、「動作保証媒体」として公表されている記録媒体であっても、その製造時に初期不良が生じたり、繰り返して使用されたことで劣化や破損が生じたりすることがある。このため、従来のデータ記録装置には、「動作保証媒体」として公表されている記録媒体を使用したとしても、その記録媒体に初期不良、劣化および破損等が生じていることに起因して、測定データが不完全な記録状態となったり、記録した測定データが読み出し不能となったりする(測定データを消失する事故が発生する)ことがあるという問題点が存在する。
【0007】
本発明は、かかる解決すべき課題に鑑みてなされたものであり、測定データの消失事故を回避し得る測定データ記録装置、および記録媒体が使用可能か否かを測定装置において判定する判定方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、請求項1記載の測定データ記録装置は、入力信号の電気的パラメータを測定して測定データを出力する測定部と、着脱自在な記録媒体を装着可能な媒体装着部と、当該媒体装着部に装着された前記記録媒体に前記測定データを記録させる制御部とを備えた測定データ記録装置であって、判定処理用データを記憶する記憶部を備え、前記制御部が、規定された開始条件が満たされたときに、前記媒体装着部に装着されている前記記録媒体に前記判定処理用データを記録させた後に当該記録媒体からファイル管理情報を読み出して当該ファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第1判定処理を実行し、当該第1判定所定時において前記条件を満たしていると判定したときに前記記録媒体から前記判定処理用データを読み出した後に当該読み出した判定処理用データと前記記憶部に記憶されている前記判定処理用データとを比較して当該両判定処理用データが一致するとの条件を満たしているか否かを判定する第2判定処理を実行し、当該第2判定処理時において前記条件を満たしていると判定したときに前記記録媒体から前記判定処理用データを削除した後に当該記録媒体から前記ファイル管理情報を読み出して当該ファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第3判定処理を実行し、前記各判定処理のいずれかにおいて前記条件を満たしていないと判定したときに前記記録媒体を使用不能と判定して判定結果を報知すると共に、当該各判定処理のすべてにおいて前記条件を満たしていると判定したときに当該記録媒体を使用可能と判定して判定結果を報知する。
【0009】
請求項2記載の測定データ記録装置は、請求項1記載の測定データ記録装置において、前記制御部が、前記記録媒体を初期化する媒体初期化処理を前記第1判定処理の開始に先立って実行する。
【0010】
請求項3記載の測定データ記録装置は、請求項1または2記載の測定データ記録装置において、前記制御部が、前記記録媒体に所定のデータが記録されているときに当該所定のデータを当該記録媒体から読み出して前記記憶部に記憶させるデータバックアップ処理を前記第1判定処理の開始に先立って実行する。
【0011】
請求項4記載の測定データ記録装置は、請求項1から3のいずれかに記載の測定データ記録装置において、複数の操作スイッチを有する操作部を備え、前記制御部が、予め規定されたスイッチ操作が行われたときに前記開始条件が満たされたと判定する。
【0012】
請求項5記載の判定方法は、入力信号の電気的パラメータを測定した測定データを着脱自在な記録媒体に対して記録可能に構成された測定装置において当該記録媒体が使用可能か否かを判定する判定方法であって、規定された開始条件が満たされたときに、記憶部から判定処理用データを読み出して前記記録媒体に記録させた後に当該記録媒体からファイル管理情報を読み出して当該ファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第1判定処理を実行し、当該第1判定所定時において前記条件を満たしていると判定したときに前記記録媒体から前記判定処理用データを読み出した後に当該読み出した判定処理用データと前記記憶部に記憶されている前記判定処理用データとを比較して当該両判定処理用データが一致するとの条件を満たしているか否かを判定する第2判定処理を実行し、当該第2判定処理時において前記条件を満たしていると判定したときに前記記録媒体から前記判定処理用データを削除した後に当該記録媒体から前記ファイル管理情報を読み出して当該ファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第3判定処理を実行し、前記各判定処理のいずれかにおいて前記条件を満たしていないと判定したときに前記記録媒体を使用不能と判定して判定結果を報知すると共に、当該各判定処理のすべてにおいて前記条件を満たしていると判定したときに当該記録媒体を使用可能と判定して判定結果を報知する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の測定データ記録装置、および請求項5記載の判定方法では、規定された開始条件が満たされたときに、記憶部から読み出した判定処理用データを記録媒体に記録させた後に記録媒体からファイル管理情報を読み出してファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第1判定処理を実行し、条件を満たしていると判定したときに記録媒体から判定処理用データを読み出した後に読み出した判定処理用データと記憶部に記憶されている判定処理用データとを比較して両判定処理用データが一致するとの条件を満たしているか否かを判定する第2判定処理を実行し、条件を満たしていると判定したときに記録媒体から判定処理用データを削除した後に記録媒体からファイル管理情報を読み出してファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第3判定処理を実行し、各判定処理のいずれかにおいて条件を満たしていないと判定したときに記録媒体を使用不能と判定して判定結果を報知すると共に、各判定処理のすべてにおいて条件を満たしていると判定したときに記録媒体を使用可能と判定して判定結果を報知する。
【0014】
したがって、請求項1記載の測定データ記録装置、および請求項5記載の判定方法によれば、製造メーカによる事前検査が困難な各種記録媒体(最新型の外部メモリ、無名メーカ製の外部メモリ、および利用者によって繰り返して使用されて劣化や破損が生じている可能性がある外部メモリ等)を測定データ記録装置において使用する場合であっても、それらの外部メモリを対象として測定データ記録装置によって測定データ等の記録、読み出しおよび削除が正常に実行できるかを事前に確実かつ容易に検査することができる。このため、この測定データ記録装置および判定方法によれば、各種の記録媒体が使用される可能性がある測定データ記録装置において、測定データの消失事故(記録媒体に対する測定データの記録エラーや記録媒体からの測定データの読み出しエラー等)が発生する事態を確実に回避することができる。また、この測定データ記録装置および判定方法によれば、無数に存在する各種記録媒体のすべてに対する測定データ記録装置の製造メーカによる事前検査の必要性をなくすことができるため、測定データ記録装置の製造コストを十分に低減することができる。
【0015】
また、請求項2記載の測定データ記録装置によれば、制御部が、記録媒体を初期化する媒体初期化処理を第1判定処理の開始に先立って実行することにより、測定データ記録装置が対応していない初期化形式(フォーマット形式)で記録媒体が初期化(フォーマット)されていたり、使用可否の判定処理の実行以前に記録媒体に何らかのデータが不完全な状態で記録されていたりすることに起因して、本来は測定データ記録装置によって使用可能な記録媒体が誤って使用不能と判定される事態を回避することができる。
【0016】
さらに、請求項3記載の測定データ記録装置によれば、制御部が、記録媒体に所定のデータが記録されているときに所定のデータを記録媒体から読み出して記憶部に記憶させるデータバックアップ処理を第1判定処理の開始に先立って実行することにより、記録媒体に何らかのデータが記録されている場合に、使用可否の判定処理を実行してこのデータが破損したとしても、バックアップデータを復元することで、破損したデータの消失を回避することができる。
【0017】
また、請求項4記載の測定データ記録装置によれば、制御部が、予め規定されたスイッチ操作が行われたときに開始条件が満たされたと判定することにより、例えば記録媒体に何らかのデータが記録されている場合に、利用者の意図に反して使用可否の判定処理が実行されて記録媒体に記録されているデータが破損する事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】測定データ記録装置1のブロック図である。
【図2】使用可否判定処理10のフローチャートである。
【図3】使用可否判定処理10におけるデータ記録時処理20のフローチャートである。
【図4】使用可否判定処理10におけるデータ未記録時処理40のフローチャートである。
【図5】使用可否判定処理10におけるメモリチェック処理50のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る測定データ記録装置および判定方法の実施の形態について説明する。
【0020】
最初に、測定データ記録装置1の構成について説明する。
【0021】
図1に示す測定データ記録装置1は、「測定データ記録装置」の一例であって、測定部2、操作部3、表示部4、内部メモリ5,6、外部メモリ装着部7および制御部8を備え、後述するようにして、外部メモリ装着部7に装着した外部メモリ9に測定データD2を記録可能に構成されている。この場合、外部メモリ9は、「着脱自在な記録媒体」に相当し、一例として、USB規格に準じて製造されている。一方、測定部2は、入力信号Siについての電流値や電圧値など(電気的パラメータの一例:以下、これらを総称して「測定値」ともいう)をA/D変換して測定データD1を出力する。操作部3は、測定データ記録装置1の動作条件を設定操作するための操作スイッチ、測定データ記録装置1による測定データの記録処理を開始/停止させるための操作スイッチ、および後述する使用可否判定処理10(図2参照)の開始を指示する操作スイッチ等の各種操作スイッチが配列され、スイッチ操作に応じた操作信号を制御部8に出力する。表示部4は、制御部8の制御に従い、測定データ記録装置1の動作条件を設定する設定画面や、使用可否判定処理10における制御部8の判定結果等を表示する。
【0022】
内部メモリ5は、内部メモリ6と相俟って「記憶部」を構成する。内部メモリ5は、制御部8から順次出力される測定データD2をリングバッファ形式(一例として、FIFO)で記憶する。内部メモリ6は、「判定処理用データ」に相当するメモリチェック用データD0、および制御部8の動作プログラムや演算結果などを記憶する。この場合、メモリチェック用データD0は、一例として、「0123456789ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWZ」の文字列を複数回に亘って繰り返して記述されたテキストデータで構成され、そのデータサイズが100Kbyte程度となっている。外部メモリ装着部7は、「媒体装着部」に相当し、USB規格に準じて製造された各種のリムーバブルメディア(上記の外部メモリ9等)を装着可能に構成されている。この外部メモリ装着部7は、USB規格に準じた接続コネクタと、接続コネクタに接続された外部メモリ9等からの各種データの読み出しや書き込み(記録)を行うインターフェース部(共に図示せず)とを備えて構成されている。
【0023】
制御部8は、「制御部」の一例であって、測定データ記録装置1を総括的に制御する。具体的には、制御部8は、測定部2を制御して入力信号Siについての測定処理を実行させて測定データD1を出力させると共に、測定データD1に基づいて測定データD2を生成して内部メモリ5に記憶させる。また、制御部8は、後述するようにして、図2に示す使用可否判定処理10を実行して、外部メモリ装着部7に装着された外部メモリ9等の使用可否を判定し、その判定結果を表示部4に表示させる。
【0024】
次に、測定データ記録装置1の使用方法について、添付図面を参照して説明する。
【0025】
この測定データ記録装置1では、利用者が実際に使用しようとしている(測定データD2を記録させようとしている)外部メモリ9が、測定データ記録装置1によって使用可能であるか否かを事前に検査する(判定する)ことができるように構成されている。具体的には、外部メモリ9(所定のUSBメモリ)を外部メモリ装着部7に装着した状態において、操作部3の操作スイッチを操作して(「予め規定されたスイッチ操作」の一例)、メモリの使用可否を判定する判定処理を実行させる。この際に、制御部8は、スイッチ操作によって判定処理の開始を指示されたときに(「開始条件」が満たされたときの一例)、図2に示す使用可否判定処理10を開始する。この使用可否判定処理10では、制御部8は、まず、外部メモリ装着部7に外部メモリ9が装着されているか否かを判別する(ステップ11)。この際に、外部メモリ9が装着されていないときには、制御部8は、一例として「メモリが装着されていません。検査すべきメモリを装着して下さい。」とのエラーメッセージを表示部4に表示させ(ステップ12)、外部メモリ装着部7に外部メモリ9が装着されたか否かを監視する(ステップ11)。
【0026】
一方、外部メモリ装着部7に外部メモリ9が装着されていたとき、または、上記のエラーメッセージの表示の後に外部メモリ装着部7に対する外部メモリ9が装着されたときには、制御部8は、外部メモリ装着部7を介して外部メモリ9からファイル管理情報を読み出す(ステップ13)。次いで、制御部8は、読み出したファイル管理情報に基づき、外部メモリ装着部7に装着されている外部メモリ9にデータが記録されているか否か(外部メモリ9が未記録状態か否か)を判別する(ステップ14)。この際に、外部メモリ装着部7に装着されている外部メモリ9にデータが記録されていると判定したときには、制御部8は、図3に示すデータ記録時処理20を開始する。このデータ記録時処理20では、制御部8は、まず、読み出したファイル管理情報に基づいて外部メモリ9に記録されているデータの総データ量を取得すると共に、その時点における内部メモリ5の記憶可能容量を取得した後に、取得した総データ量と記憶可能容量とに基づき、外部メモリ9に記録されているデータを内部メモリ5にバックアップすることができるか否かを判別する(ステップ21)。
【0027】
この場合、外部メモリ9にデータが記録されている状態においては、以下に説明する各処理の実行時(第1〜第3の判定処理時)において、外部メモリ9内のデータが読み出しが不能となったり、消去されたりするおそれがある。したがって、この測定データ記録装置1では、上記の総データ量が内部メモリ5の記憶可能容量よりも大きいとき(外部メモリ9に記録されているデータを内部メモリ5にバックアップすることが可能な記憶可能容量が存在しないとき)に、制御部8が、一例として「装着されたメモリに記録されているデータをバックアップすることができません。判定処理を継続した場合には、メモリ内のデータが破損するおそれがあります。判定処理を継続しますか?」とのメッセージを表示して、処理継続の可否を利用者に問い合わせる(ステップ22)。
【0028】
この際に、メッセージを見た利用者が、データの破損を回避するために、操作部3のキャンセルスイッチ(図示せず)を操作したときには、制御部8は、操作部3からの操作信号に基づき、処理中断を指示されたと判定し(ステップ23)、一例として「ユーザによって判定処理がキャンセルされました。」とのメッセージを表示部4に表示させ(ステップ24)、この使用可否判定処理10(データ記録時処理20)を終了する。また、バックアップ不能とのメッセージを見た利用者が、データ破損の可能性を承知のうえで操作部3のOKスイッチ(図示せず)を操作したときには、制御部8は、操作部3からの操作信号に基づき、処理継続を指示されたと判定する(ステップ23)。この際に、制御部8は、一例として「装着されているメモリをフォーマットします。宜しいですか?」とのメッセージを表示部4に表示させて、外部メモリ9のフォーマットの可否を利用者に問い合わせる(ステップ25)。
【0029】
一方、上記の総データ量が内部メモリ5の記憶可能容量よりも小さいとき(外部メモリ9に記録されているデータを内部メモリ5にバックアップすることができる記録容量が存在するとき)には、制御部8は、予め規定された手順に従って外部メモリ9に記録されているデータ(一例として、測定データD2)をバックアップする(ステップ26)。具体的には、制御部8は、外部メモリ9に記録されている測定データD2を読み出して、内部メモリ5に記憶させ、前述したファイル管理情報に基づいて特定したすべての測定データD2を内部メモリ5に記憶させたときに、バックアップ処理を完了する。この際に、ファイル管理情報に基づいて特定したすべての測定データD2を内部メモリ5に記憶させることができなかったとき(例えば、外部メモリ9から測定データD2を読み出すことができなかったとき)に、制御部8は、前述したように、バックアップ処理を正常に完了することができなかったと判定する(ステップ27)。
【0030】
この際には、一例として「装着されたメモリに記録されているデータをバックアップすることができません。判定処理を継続した場合には、メモリ内のデータが破損するおそれがあります。判定処理を継続しますか?」とのメッセージを表示して、処理継続の可否を利用者に問い合わせる(ステップ22)。この際に、処理中断を指示されたときには(ステップ23)、前述したようにメッセージを表示させ(ステップ24)、この使用可否判定処理10(データ記録時処理20)を終了する。一方、バックアップ正常に完了することができなかった場合において、処理続行を指示されたとき(ステップ23)、または、ファイル管理情報に基づいて特定したすべての測定データD2を内部メモリ5に記憶させることができたとき(ステップ27)には、制御部8は、「装着されているメモリをフォーマットします。宜しいですか?」とのメッセージを表示部4に表示させて、外部メモリ9のフォーマットの可否を利用者に問い合わせる(ステップ25)。
【0031】
この際に、利用者がフォーマットの実行を許容せずにキャンセルスイッチを操作したときには、制御部8は、操作部3からの操作信号に基づき、フォーマットを実行しないとの指示が行われたと判定し(ステップ28)、後述するメモリチェック処理50(図5参照)を開始する。一方、利用者がフォーマットの実行を許容してOKスイッチを操作したときには、制御部8は、操作部3からの操作信号に基づいて、フォーマットの実行を指示されたと判定し(ステップ28)、外部メモリ9をいずれのフォーマット形式でフォーマットするか(一例として、FATおよびFAT32のいずれの形式でフォーマットするか)を選択させるメッセージを表示部4に表示させる(ステップ29)。また、操作部3の操作によってフォーマット形式が選択されたときに、制御部8は、選択されたフォーマット形式で外部メモリ9をフォーマットした後に(「媒体初期化処理」:ステップ30)、後述するメモリチェック処理50(図5参照)を開始する。
【0032】
一方、前述したように、使用可否判定処理10の開始直後に外部メモリ9から読み出したファイル管理情報に基づき、外部メモリ装着部7に装着されている外部メモリ9にデータが記録されていないと判定したときには(ステップ14)、制御部8は、図4に示すデータ未記録時処理40を開始する。この場合、上記のようにファイル管理情報に基づいて外部メモリ9にデータが記録されていないと判定されるケースとしては、外部メモリ9が実際に未記録状態のケースだけでなく、実際には外部メモリ9にデータが記録されているにも拘わらず、ファイル管理情報が破損していたり、測定データ記録装置1によって外部メモリ9からファイル管理情報を正常に読み出せないことに起因してデータが存在しないと誤って判定されたりするケースも存在する。また、実際には外部メモリ9にデータが記録されている状態において制御部8によってデータが記録されていないと判定されたときには、以下に説明する各処理の実行時(第1〜第3の判定処理時)において、外部メモリ9内のデータが読み出しが不能となったり、消去されたりするおそれがある。
【0033】
したがって、この測定データ記録装置1では、外部メモリ9にデータが記録されていないと判定したときに、制御部8は、一例として「装着されているメモリに記録データが存在しないと認識しました。データが存在する場合には、判定処理を継続することでデータが消失する可能性があります。判定処理を継続しますか?」とのメッセージを表示して、処理継続の可否を利用者に問い合わせる(ステップ41)。この際に、メッセージを見た利用者が、操作部3のキャンセルスイッチ(図示せず)を操作したときには、制御部8は、操作部3からの操作信号に基づき、処理中断を指示されたと判定し(ステップ42)、一例として「ユーザによって判定処理がキャンセルされました。」とのメッセージを表示部4に表示させ(ステップ43)、この使用可否判定処理10(データ未記録時処理40)を終了する。
【0034】
また、未記録と認識された旨のメッセージを見た利用者が、操作部3のOKスイッチ(図示せず)を操作したときには、制御部8は、操作部3からの操作信号に基づき、処理継続を指示されたと判定する(ステップ42)。この際に、制御部8は、一例として「装着されているメモリをフォーマットします。宜しいですか?」とのメッセージを表示部4に表示させて、外部メモリ9のフォーマットの可否を利用者に問い合わせる(ステップ44)。この際に、利用者がキャンセルスイッチを操作したときには、制御部8は、操作部3からの操作信号に基づき、フォーマットを実行しないとの指示が行われたと判定し(ステップ45)、後述するメモリチェック処理50(図5参照)を開始する。一方、利用者がOKスイッチを操作したときには、制御部8は、操作部3からの操作信号に基づいて、フォーマットの実行を指示されたと判定し、外部メモリ9をいずれのフォーマット形式でフォーマットするかを選択させるメッセージを表示部4に表示させる(ステップ46)。また、操作部3の操作によってフォーマット形式が選択されたときに、制御部8は、選択されたフォーマット形式で外部メモリ9をフォーマットした後に(「媒体処理化処理」:ステップ47)、メモリチェック処理50(図5参照)を開始する。
【0035】
上記したように、データ記録時処理20およびデータ未記録時処理40のいずれかの実行時において、利用者によって判定処理の中断が指示されなかったときには、制御部8が、図5に示すメモリチェック処理50を開始する。このメモリチェック処理50では、制御部8は、まず、内部メモリ6からメモリチェック用データD0を読み出すと共に、読み出したメモリチェック用データD0を外部メモリ9に記録させる(ステップ51)。次いで、制御部8は、外部メモリ9からファイル管理情報を読み出し(ステップ52)、読み出したファイル管理情報(メモリチェック用データD0についての情報が記録されているべきファイル管理情報)が正常か否かを判定する(ステップ53)。具体的には、メモリチェック用データD0を記録したクラスタのリンク情報が正常であるか否か、およびメモリチェック用データD0が記録されているクラスタの合計サイズが正常であるか否かをチェックする。なお、この使用可否判定処理10(メモリチェック処理50)では、上記のステップ51〜53の一連の処理が「第1判定処理」に相当する。
【0036】
この際に、ファイル管理情報が正常ではないとき(「正常である」との条件を満たしていないと判定したとき:一例として、メモリチェック用データD0を記録したクラスタのリンクが切れているとき)には、この測定データ記録装置1によって外部メモリ9にメモリチェック用データD0を記録することができなかった(メモリチェック用データD0の記録時にファイル管理情報を正常に記録することができなかった)こととなる。したがって、制御部8は、一例として「装着されているメモリにデータを正常に記録することができませんので、このメモリは使用できません。」とのメッセージを表示部4に表示させ(「判定結果の報知」の一例:ステップ54)、この使用可否判定処理10(メモリチェック処理50)を終了する。
【0037】
また、ファイル管理情報が正常であるとき(「正常である」との条件を満たしたと判定したとき)には、この測定データ記録装置1によって外部メモリ9にメモリチェック用データD0を記録することができた(メモリチェック用データD0の記録時にファイル管理情報を正常に記録することができた)と考えられる。したがって、制御部8は、外部メモリ9からメモリチェック用データD0を読み出すと共に(ステップ55)、読み出したメモリチェック用データD0と、内部メモリ6に記憶されているメモリチェック用データD0とを比較して(ステップ56)、両メモリチェック用データD0が一致しているか否か(「両メモリチェック用データD0が一致する」との条件を満たしているか否か)を判定する(ステップ57)。なお、この使用可否判定処理10(メモリチェック処理50)では、上記のステップ55〜57の一連の処理が「第2判定処理」に相当する。
【0038】
この際に、両メモリチェック用データD0が不一致のとき(上記の条件を満たしていないと判定したとき)には、外部メモリ9に対するメモリチェック用データD0の記録が正常に行われなかったか、正常に記録されたメモリチェック用データD0を外部メモリ9から正常に読み出すことができなかったかのいずれかのエラーが生じていると考えられる。したがって、制御部8は、一例として「装着されているメモリに対するデータの記録および読み出しを正常に実行することができませんので、このメモリは使用できません。」とのメッセージを表示部4に表示させ(「判定結果の報知」の一例:ステップ54)、この使用可否判定処理10(メモリチェック処理50)を終了する。
【0039】
また、両メモリチェック用データD0が一致しているとき(上記の条件を満たしたと判定したとき)には、外部メモリ9に対するメモリチェック用データD0の記録および読み出しの両処理を正常に実行できたこととなる。したがって、制御部8は、外部メモリ9からメモリチェック用データD0を削除した後に(ステップ58)、外部メモリ9からファイル管理情報を読み出し(ステップ59)、読み出したファイル管理情報(メモリチェック用データD0についての情報が削除されているべきファイル管理情報)が正常か否かを判定する(ステップ60)。具体的には、メモリチェック用データD0についての情報が削除されているか否かをチェックする。なお、この使用可否判定処理10(メモリチェック処理50)では、上記のステップ58〜60の一連の処理が「第3判定処理」に相当する。
【0040】
この際に、ファイル管理情報が正常ではないとき(「正常である」との条件を満たしていないと判定したとき)には、外部メモリ9からメモリチェック用データD0を正常に削除することができなかった(メモリチェック用データD0の削除時にファイル管理情報を正常に記録する(メモリチェック用データD0についての情報を正常に削除する)ことができなかった)こととなる。したがって、制御部8は、一例として「装着されているメモリからデータを正常に削除することができませんので、このメモリは使用できません。」とのメッセージを表示部4に表示させ(「判定結果の報知」の一例:ステップ54)、この使用可否判定処理10(メモリチェック処理50)を終了する。
【0041】
また、ファイル管理情報が正常であるとき(「正常であるとの条件を満たしたと判定したとき」であって「各判定処理のすべてにおいて上記の各条件を満たしたと判定したとき」)には、外部メモリ9からメモリチェック用データD0を正常に削除できた(メモリチェック用データD0の削除時にファイル管理情報を正常に記録する(メモリチェック用データD0についての情報を正常に削除する)ことができた)こととなる。したがって、制御部8は、一例として「装着されているメモリに対するデータの記録、読み出しおよび削除を実行することができましたので、このメモリを使用することができます。」とのメッセージを表示部4に表示させる(「判定結果の報知」の一例:ステップ61)。
【0042】
次いで、制御部8は、内部メモリ5にバックアップデータ(外部メモリ9に記録されていたデータ)が存在するか否かを判別する(ステップ62)。この際に、制御部8は、バックアップデータが存在しないときには、この使用可否判定処理10(メモリチェック処理50)を終了する。また、バックアップデータが存在するときには、内部メモリ5からバックアップデータを読み出して外部メモリ9に記録させた後に(バックアップデータの復元:ステップ63)、この使用可否判定処理10(メモリチェック処理50)を終了する。以上により、外部メモリ装着部7に装着されている外部メモリ9を使用できるか否かの一連の判定処理が終了する。この状態において、操作部3の測定開始スイッチを操作することにより、測定部2による入力信号Siの測定処理が行われて測定部2から出力された測定データD1が制御部8の制御下で測定データD2として内部メモリ5に順次記録され、このうちの所定の記録条件を満たす測定データD2が外部メモリ装着部7を介して外部メモリ9に記録される。
【0043】
このように、この測定データ記録装置1、および測定データ記録装置1による判定方法では、メモリの使用可否を判定する処理を開始するスイッチ操作が行われたとき(「規定された開始条件が満たされたとき」の一例)に、制御部8が、内部メモリ6から読み出したメモリチェック用データD0を外部メモリ装着部7に装着されている外部メモリ9に記録させた後に外部メモリ9からファイル管理情報を読み出してファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第1判定処理を実行し(上記のメモリチェック処理50におけるステップ51〜53:「第1判定処理」)、条件を満たしていると判定したときに外部メモリ9からメモリチェック用データD0を読み出した後に読み出したメモリチェック用データD0と内部メモリ6に記憶されているメモリチェック用データD0とを比較して両メモリチェック用データD0が一致するとの条件を満たしているか否かを判定する第2判定処理を実行し(上記のメモリチェック処理50におけるステップ55〜57:「第2判定処理」)、条件を満たしていると判定したときに外部メモリ9からメモリチェック用データD0を削除した後に外部メモリ9からファイル管理情報を読み出してファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第3判定処理を実行し(上記のメモリチェック処理50におけるステップ58〜60:「第3判定処理」)、各判定処理のいずれか(ステップ53,57,60のいずれか)において条件を満たしていないと判定したときに外部メモリ9を使用不能と判定して判定結果を報知すると共に(ステップ54)、各判定処理のすべてにおいて条件を満たしていると判定したときに外部メモリ9を使用可能と判定して判定結果を報知する(ステップ61)。
【0044】
したがって、この測定データ記録装置1およびその判定方法によれば、製造メーカによる事前検査が困難な各種外部メモリ(最新型の外部メモリ、無名メーカ製の外部メモリ、および利用者によって繰り返して使用されて劣化や破損が生じている可能性がある外部メモリ等)を測定データ記録装置1において使用する場合であっても、それらの外部メモリを対象として測定データ記録装置1によって測定データD2等の記録、読み出しおよび削除が正常に実行できるかを事前に確実かつ容易に検査することができる。このため、この測定データ記録装置1およびその判定方法によれば、各種の外部メモリが使用される可能性がある測定データ記録装置1において、測定データD2の消失事故(外部メモリ9に対する測定データD2の記録エラーや外部メモリ9からの測定データD2の読み出しエラー等)が発生する事態を確実に回避することができる。また、この測定データ記録装置1およびその判定方法によれば、無数に存在する外部メモリのすべてに対する測定データ記録装置1の製造メーカによる事前検査の必要性をなくすことができるため、測定データ記録装置1の製造コストを十分に低減することができる。
【0045】
また、この測定データ記録装置1によれば、制御部8が、外部メモリ9を初期化する媒体初期化処理(上記のデータ記録時処理20におけるステップ30、および上記のデータ未記録時処理40におけるステップ47)を「第1判定処理」の開始に先立って実行することにより、測定データ記録装置1が対応していないフォーマット形式で外部メモリ9がフォーマットされていたり、使用可否判定処理10の実行以前に外部メモリ9に何らかのデータが不完全な状態で記録されていたりすることに起因して、本来は測定データ記録装置1によって使用可能な外部メモリ9が誤って使用不能と判定される事態を回避することができる。
【0046】
さらに、この測定データ記録装置1によれば、制御部8が、外部メモリ9に所定のデータが記録されているときに所定のデータを外部メモリ9から読み出して内部メモリ6に記憶させるデータバックアップ処理(上記のデータ記録時処理20におけるステップ26)を「第1判定処理(メモリチェック処理50におけるステップ51〜53)」の開始に先立って実行することにより、外部メモリ9に何らかのデータが記録されている場合に、使用可否判定処理10を実行してこのデータが破損したとしても、バックアップデータを復元することで、破損したデータの消失を回避することができる。
【0047】
また、この測定データ記録装置1によれば、制御部8が、予め規定されたスイッチ操作が行われたときに「開始条件」が満たされたと判定して使用可否判定処理10を開始することにより、例えば外部メモリ9に何らかのデータが記録されている場合に、利用者の意図に反して使用可否判定処理10が実行されて外部メモリ9に記録されているデータが破損する事態を回避することができる。
【0048】
なお、上記の測定データ記録装置1では、判定対象の外部メモリ9をフォーマットすると共に、判定対象の外部メモリ9にデータが記録されているときにデータ記録時処理20においてデータをバックアップする構成を採用しているが、「測定データ記録装置」の構成はこれに限定されず、「開始条件」が満たされたときに、上記のメモリチェック処理50を直ちに開始する構成を採用することもできる。このような構成を採用することにより、フォーマットやバックアップを実行する構成と比較して外部メモリ9の使用可否の判定に要する時間を十分に短縮することができる。また、上記の測定データ記録装置1では、操作部3の所定のスイッチ操作が行われたときに、「開始条件」が満たされたと判定して制御部8が使用可否判定処理10を開始する構成を採用しているが、「測定データ記録装置」の構成はこれに限定されず、例えば、外部メモリ装着部7に対する外部メモリ9の装着が検出されたときに「開始条件」が満たされたとして上記の使用可否判定処理10を開始する構成を採用することもできる。
【0049】
さらに、上記の測定データ記録装置1では、「判定結果の報知」として、各種のメッセージを表示部4に表示させる構成を採用しているが、音声による判定結果の報知や、インジケータの点灯、点滅および消灯等によって判定結果を報知する構成を採用することもできる。また、「記録媒体」の一例として、USB規格に準じて製造された外部メモリ9を例に挙げて説明したが、メモリカード、磁気ディスク、光磁気ディスクおよび光ディスク等の各種リムーバブルメディアが「記録媒体」に含まれる。さらに、内部メモリ5,6が相俟って「記憶部」を構成している測定データ記録装置1を例に挙げて説明したが、1つの記憶メディア(1つのメモリ、または1つのハードディスクドライブ等)によって「記憶部」を構成することもできる。
【符号の説明】
【0050】
1 測定データ記録装置
2 測定部
3 操作部
4 表示部
5,6 内部メモリ
7 外部メモリ装着部
8 制御部
9 外部メモリ
10 使用可否判定処理
20 データ記録時処理
40 データ未記録時処理
50 メモリチェック処理
D0 メモリチェック用データ
D1,D2 測定データ
Si 入力信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号の電気的パラメータを測定して測定データを出力する測定部と、着脱自在な記録媒体を装着可能な媒体装着部と、当該媒体装着部に装着された前記記録媒体に前記測定データを記録させる制御部とを備えた測定データ記録装置であって、
判定処理用データを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、規定された開始条件が満たされたときに、前記媒体装着部に装着されている前記記録媒体に前記判定処理用データを記録させた後に当該記録媒体からファイル管理情報を読み出して当該ファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第1判定処理を実行し、当該第1判定所定時において前記条件を満たしていると判定したときに前記記録媒体から前記判定処理用データを読み出した後に当該読み出した判定処理用データと前記記憶部に記憶されている前記判定処理用データとを比較して当該両判定処理用データが一致するとの条件を満たしているか否かを判定する第2判定処理を実行し、当該第2判定処理時において前記条件を満たしていると判定したときに前記記録媒体から前記判定処理用データを削除した後に当該記録媒体から前記ファイル管理情報を読み出して当該ファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第3判定処理を実行し、前記各判定処理のいずれかにおいて前記条件を満たしていないと判定したときに前記記録媒体を使用不能と判定して判定結果を報知すると共に、当該各判定処理のすべてにおいて前記条件を満たしていると判定したときに当該記録媒体を使用可能と判定して判定結果を報知する測定データ記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記記録媒体を初期化する媒体初期化処理を前記第1判定処理の開始に先立って実行する請求項1記載の測定データ記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記記録媒体に所定のデータが記録されているときに当該所定のデータを当該記録媒体から読み出して前記記憶部に記憶させるデータバックアップ処理を前記第1判定処理の開始に先立って実行する請求項1または2記載の測定データ記録装置。
【請求項4】
複数の操作スイッチを有する操作部を備え、
前記制御部は、予め規定されたスイッチ操作が行われたときに前記開始条件が満たされたと判定する請求項1から3のいずれかに記載の測定データ記録装置。
【請求項5】
入力信号の電気的パラメータを測定した測定データを着脱自在な記録媒体に対して記録可能に構成された測定装置において当該記録媒体が使用可能か否かを判定する判定方法であって、
規定された開始条件が満たされたときに、記憶部から判定処理用データを読み出して前記記録媒体に記録させた後に当該記録媒体からファイル管理情報を読み出して当該ファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第1判定処理を実行し、当該第1判定所定時において前記条件を満たしていると判定したときに前記記録媒体から前記判定処理用データを読み出した後に当該読み出した判定処理用データと前記記憶部に記憶されている前記判定処理用データとを比較して当該両判定処理用データが一致するとの条件を満たしているか否かを判定する第2判定処理を実行し、当該第2判定処理時において前記条件を満たしていると判定したときに前記記録媒体から前記判定処理用データを削除した後に当該記録媒体から前記ファイル管理情報を読み出して当該ファイル管理情報が正常であるとの条件を満たしているか否かを判定する第3判定処理を実行し、前記各判定処理のいずれかにおいて前記条件を満たしていないと判定したときに前記記録媒体を使用不能と判定して判定結果を報知すると共に、当該各判定処理のすべてにおいて前記条件を満たしていると判定したときに当該記録媒体を使用可能と判定して判定結果を報知する判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−8324(P2011−8324A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148495(P2009−148495)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】