説明

湾曲合板、その製造方法および合板

【課題】特別な成形治具を用いることなく湾曲形状の木材に対して窓開け加工等の加工を施すことができ、プラスチック材料にも十分代替可能な湾曲合板とその製造方法を提供する。
【解決手段】湾曲合板6は、三枚以上の木材板(単板)からなる合板がさらに湾曲状に形成されてなるものであって、その両外側の木材板2Fおよび2Rは木目方向が同じ方向(順方向)であり、内部に挟まれた木材板のうち少なくとも一枚3Aはその木目方向が両外側の木目方向と交差する方向(交差方向)であるように積層されて合板が形成され、さらに最終的に湾曲状に形成されてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湾曲合板、その製造方法および合板に係り、特に、湾曲形状やこれに窓枠等を有した家庭電化製品(家電)のプラスチック部分を木材と置き換えることのできる、湾曲合板、その製造方法および合板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン受像機などの家電における湾曲部分は通常、プラスチック製である。つまりプラスチック材料によれば、最終形態を直接成形することが可能であり、製造コストの点で有利であるだけではなく、強度や耐久性、軽量性など種々の特性にも優れており、これらの利点を備えた家電その他の製品を提供できるからである。
【0003】
しかし一方でプラスチック材料は、石油等将来的に枯渇が懸念される化石燃料を原料とするものであり、燃焼によって環境に対しても人身に対しても有毒なガスを発生し得るものであり、また生分解性が低く廃棄物処理が困難なため、環境を汚染している。つまり、耐久性がむしろ環境に対する負荷ともなっている。
【0004】
他方、地球温暖化防止のためには森林の健全な育成・維持も重要であり、林業および木材加工業の再生・振興は、かかる森林の健全育成・維持における必須の構成要素である。つまり、持続可能な社会の形成と生態系・環境保護の観点からも、木材の利用・用途拡大は現在、重要な技術課題であるといえる。
【0005】
かかる状況下、家電の湾曲部分など、従来であればプラスチック材料により製造されていた成形品や部材などを、木材により代替しようとする技術的取り組みもなされ始めている。たとえば後掲非特許文献に開示されている技術は、湾曲形状の成形合板を加工するに際して、特別な成形治具を作製し、かつ加工条件を調整して、湾曲形状の成形合板を加工するというものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】栃木県工業技術センター研究報告、Vol.1996 Page.67-71 (1997.06) 常盤茂、斎藤吉法「成形材料の精密切削加工法に関する研究(第2報)成形材料の吸着固定治具の試作」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし木材の加工は一般的に、加工困難な部位も少なくなく、また手作りの要素が強いため、コスト高になる問題がある。また、当該文献に開示されている技術は、特別に成形治具を準備してこれを用いることが必要である。より簡易な方法によって、湾曲形状の木材に対する加工を行うことのできる技術が求められている。
【0008】
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点を踏まえ、特別な成形治具を用いることなく湾曲形状の木材に対して窓開け加工等の加工を施すことができ、プラスチック材料にも十分代替可能な湾曲合板とその製造方法、および湾曲合板形成用の合板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者は上記課題について鋭意取り組みを行った結果、木材の木目方向に内在する加工時の特性に着目し、合板における単板の積層方向を種々検討することに基づいて課題解決が可能であることに想到し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
【0010】
〔1〕 三枚以上の木材板からなる湾曲合板であって、その両外側の木材板は木目方向が同じ方向(以下、「順方向」)であり、内部に挟まれた木材板のうち少なくとも一枚はその木目方向が両外側の木目方向と交差する方向(以下、「交差方向」)である、湾曲合板。
〔2〕 前記順方向に略直交する方向(以下、「直交方向」)に湾曲が形成されていることを特徴とする、〔1〕に記載の湾曲合板。
〔3〕 前記木材板の木目方向が交互に順方向−交差方向となるように該木材板が積層されていることを特徴とする、〔2〕に記載の湾曲合板。
【0011】
〔4〕 前記交差方向は、前記順方向に対して略直交する方向であることを特徴とする、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の湾曲合板。
〔5〕 NC加工用であることを特徴とする、〔1〕ないし〔4〕のいずれかに記載の湾曲合板。
〔6〕 NC加工済みであることを特徴とする、〔1〕ないし〔4〕のいずれかに記載の湾曲合板。
〔7〕 前記NC加工は窓開加工であることを特徴とする、〔6〕に記載の湾曲合板。
〔8〕 三枚以上の木材板からなる合板から湾曲合板を製造する方法であって、該合板は、その両外側の木材板は木目方向が同じ方向(以下、「順方向」)であってかつ内部に挟まれた木材板のうち少なくとも一枚はその木目方向が両外側の木目方向と交差する方向(以下、「交差方向」)であるものとし、該順方向に直交する方向(以下、「直交方向」)に湾曲が形成されるよう該合板に対して湾曲形成手段による加圧処理を行って湾曲合板を得る、湾曲合板製造方法。
【0012】
〔9〕 前記合板において前記交差方向は前記順方向に対して略直交する方向とし、NC加工用の湾曲合板を製造可能であることを特徴とする、〔8〕に記載の湾曲合板製造方法。
〔10〕 〔1〕ないし〔5〕のいずれかに記載の湾曲合板を用い、該湾曲合板をNC加工装置の吸引手段を用いた吸引処理により湾曲状態から平らな状態とし、その状態にてNC加工処理を施し、該吸引処理を解除することにより該湾曲合板を再び湾曲状態とする、NC加工済み湾曲合板製造方法。
〔11〕 三枚以上の木材板からなる合板であって、その両外側の木材板は木目方向が同じ方向(以下、「順方向」)であり、内部に挟まれた木材板のうち少なくとも一枚はその木目方向が両外側の木目方向と交差する方向(以下、「交差方向」)であり、湾曲合板製造用であることを特徴とする、合板。
【0013】
つまり本発明は、木材の木目方向に内在する加工時の特性に着目して得られた、新規かつ特殊な積層構成によって特性のコントロールされた合板を、基礎とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の湾曲合板とその製造方法、および合板は上述のように構成されるため、これによれば、特別な成形治具を用いることなく、湾曲形状の木材(合板)に対して、その弾力性を利用して、NCルーター等による窓開け加工等の加工を施すことができ、プラスチック材料にも十分に代替することができる。したがって本発明によれば、木材の新しい用途を開拓することができ、ひいては、林業および木材加工業の振興にも貢献することができる。そして、持続可能な社会の形成や、生態系・環境保護の方向性にも合致するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本発明湾曲合板の基本的構成を示す説明図であり、合板の構成を示す。
【図1B】本発明湾曲合板の基本的構成を示す説明図であり、湾曲合板としての最終形態の構成を示す。
【図2】本発明の湾曲合板の構成例を示す説明図である。
【図3】本発明の湾曲合板の別の構成例を示す説明図である。
【図3−2】単板の組合せ方による特性の相違を表にまとめた説明図である。
【図4】本発明の加工済み湾曲合板の例を示す説明図である。
【図5】本発明湾曲合板製造方法を示すフロー図である。
【図6】本発明NC加工済み湾曲合板製造方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1Aおよび図1Bは、本発明湾曲合板の基本的構成を示す説明図であり、図1Aは合板の構成、図1Bは湾曲合板としての最終形態の構成を示す。これらに示すように本湾曲合板6は、三枚以上の木材板(単板)からなる合板5がさらに湾曲状に形成されてなるものであって、その両外側の木材板2Fおよび2Rは木目方向が同じ方向(以下、「順方向」)であり、内部に挟まれた木材板のうち少なくとも一枚、図では3Aはその木目方向が両外側の木目方向と交差する方向(以下、「交差方向」)であるように積層されて合板5が形成され、さらに最終的に湾曲状に形成されてなるものであることを主たる構成とする。
【0017】
湾曲形状の形成は、プレス装置を用いたプレス加工によって行うことができる。プレス条件は適宜の条件を用いることができ、本発明はこれに限定されない。また各図では、3枚の単板2F、3A、2Rが積層されてなる合板5、湾曲合板6の例を示すが、図2以降も含め、積層される単板の枚数はこれに限定されない。
【0018】
そして湾曲合板6においては特に、両外側の単板2Fおよび2Rにおける木目方向であるところの順方向に対し、これに略直交する方向(以下、「直交方向」)に湾曲が形成されている構成とすることができる。
【0019】
かかる構成により本湾曲合板6においては、最終的に、合板5に対して直交方向に湾曲が形成される際、両外側の単板2Fおよび2Rの木目方向が、湾曲対して逆らわない方向、すなわち順方向であるため、湾曲は円滑に無理なく形成される。さらに合板5の内側には、少なくとも一枚以上の交差方向の木目を有する単板3A等が挟まれて設けられるが、この単板3A等には、両外側の単板2Fおよび2Rに施される湾曲形状を安定化する作用がある。
【0020】
つまり、合板5を構成する単板が全て同じ木目方向であると、一旦形成される湾曲形状に対し、当初の平板形状を回復しようとする力がより大きくなり、湾曲形状の安定維持性(以下、「曲率安定性」ともいう。)が低下する。そうすると、最終的に形状の安定した湾曲合板6を、形成することができない。
【0021】
しかし本発明に係る合板5によれば、上述の理由によって良好な曲率安定性を備えるため、最終的に形状の安定した湾曲合板6を得ることができる。つまり図示した合板5は、湾曲合板製造用として十分に用いることのできる合板構成を備えているものである。また、かかる構成の本湾曲合板6によれば、後述する湾曲合板の加工の際にも、良好な結果を得られる。
【0022】
なお本発明において、湾曲形成の方向は必ずしも上記直交方向に限定されないが、曲率安定性や加工の際の加工性を考慮すると、略直交する方向(直交方向)であることが大いに望ましい。ここで「略直交」とは、厳密に90°の角度による直交ではなくても、実際の湾曲形状の付与において直交と同等に把握できる範囲をいう。
【0023】
なおまた、湾曲合板6を構成するための木材板(単板)の樹種は、木目のあるものである限り一切限定されず、あらゆるものを用いることができる。たとえば、スギ、アカマツ、クロマツ、ヒバ、カラマツ、エゾマツ、サワラ、イチイ、コウヤマキ、イヌマキ、ヒノキ、ツガ、ヒメコマツ、モミ、トドマツ、ネズコ、カヤ、イチョウ、トガサワラ等の国産針葉樹、ブナ、ミズナラ、ケヤキ、サクラ、カツラ、クスノキ、トチノキ、クリ、キリ、ハンノキ、シラカバ等の国産広葉樹、ベイツガ、ベイマツ、チークその他の外国産樹種を、特に限定されずに使用することができる。
【0024】
また、合板を製造する際の使用接着剤、接着方法その他具体的な製造条件は、本発明においては特に限定されず、本発明の要件に合致する限り、従来公知のいかなる方法であっても用いることができる。
【0025】
図2は、本発明の湾曲合板の構成例を示す説明図である。図示するように湾曲合板26において、内部に挟まれた単板は、単板23A、23Bのようにいずれも交差方向のものを用いてもよい。またこの例に限られず、単板を積層する際の木目の方向性の揃え方は、図1Aおよび図1Bにて説明した要件が備わっている限り、適宜、自由である。しかしながらこの後、図3により説明する積層方法を用いることが、より望ましい。
【0026】
図3は、本発明の湾曲合板の別の構成例を示す説明図である。また、
図3−2は、単板の組合せ方による特性の相違を表にまとめた説明図である。図3に示すように本湾曲合板36は、木材板32F、32A、32B、32C、・・・、32Fの木目方向が、交互に順方向−交差方向−順方向−・・・となるように、木材板32F等が積層されていることを、特徴的な構成とする。なお、図においては、単板の組合せ方(積層状態)を示し、その下に、それに対する湾曲の形成の方法を、弧により描いている。
【0027】
かかる構成により、湾曲合板36の曲率安定性を最適なものとすることができる。順方向に対する交差方向に係る交差角度は、それによって一定の曲率安定性を得られるものである限り、特に限定されるものではない。しかしながら前出各図および図3に示すように、その交差角度は略直角とし、すなわち交差方向は順方向に対して略直交する方向とすることが、より望ましい。かかる角度とすることにより、曲率安定性を最大のものとできるとともに、後述する湾曲合板の加工の際にも、最適な結果を得られるからである。
【0028】
ここで、図3−2を用いて本発明湾曲合板の備える特性について説明する。図は、3枚の単板を組合せ、積層して合板とした場合に、積層方法による特性の相違を示すものである。図の上段に示す例は、単板を全て順方向に積層して合板とし、湾曲は直交方向にて形成する、というものである。この方法で得られる湾曲合板は、全ての単板の木目方向が同じであるから、全体として木目が揃っており、そのために弾力性は備えている。したがって、後述するNC加工における吸引処理の際、良好に吸引されて平板形状となるので、加工には適しているといえる。
【0029】
しかしこの湾曲合板は、全体として木目が揃っているために、プレス処理によって一旦形成した湾曲形状の安定的な維持の点では劣る。すなわち、NC加工における吸引処理時の弾力性は良好であるものの、曲率安定性に欠ける。
【0030】
図の中段に示す例は、両外側の単板に対して内側の単板を交差方向とする積層方法にて合板を形成し、湾曲は直交方向ではなく順方向にて形成する、というものである。この方法で得られる湾曲合板は、内側に挟まれる単板が交差方向であるため、プレス処理による曲率安定性は良好である。しかし、構造上、弾力性が低いため、NC加工における吸引処理時の安定性がなく、加工に適していない。
【0031】
図の下段に示す例が本発明である。形成された合板をプレス処理によって湾曲合板とした際の曲率安定性も良好であり、かつNC加工における吸引処理での弾力性も十分なものである。したがって本発明の湾曲合板は、安定した形状を備え、かつNC加工用としても適している。
【0032】
以上述べた本発明の湾曲合板にNC加工を施した、NC加工済みの湾曲合板もまた、本発明の範囲内である。たとえば図4に示す加工済み湾曲合板47は、NC加工により窓開加工されて窓部40が設けられた例である。
【0033】
図5は、本発明湾曲合板製造方法を示すフロー図である。図示するように本製造方法は、三枚以上の木材板(単板)からなる合板55から湾曲合板56を製造するための方法である。上述したように合板55としては、その両外側の木材板が順方向であって、かつ内部に挟まれた木材板のうち少なくとも一枚はその木目方向が交差方向であるところの、本発明の湾曲合板製造用合板を用いる。そして合板55に対し、湾曲形成手段58および59による加圧処理(プレス処理)が施される。この加圧処理により、合板55の直交方向に湾曲が形成され、湾曲合板56が得られる。
【0034】
上述のとおり、合板55における交差方向は、順方向に対して略直交する方向とすることが大いに望ましい。これにより、良好なNC加工用の湾曲合板を得ることができる。なお、湾曲形成手段58および59としては、従来公知のプレス装置を、特に限定なく用いることができる。
【0035】
図6は、本発明NC加工済み湾曲合板製造方法を示すフロー図である。図示するように本フローは、湾曲合板66を用いて、これを、NCルーター等のNC加工装置の吸引手段61Vを用いた吸引処理により湾曲状態から平らな状態<平板状態、66H>とし、その状態を維持したままでドリル等の加工具61DによるNC加工処理を施し、吸引手段61Vによる吸引処理を解除することによって湾曲合板66の平らな状態<66H>を再び湾曲状態に戻し、NC加工済み湾曲合板67を完成する、というものである。
【0036】
湾曲合板66は上述のとおり、NC加工での吸引処理において十分な加工を施すことのできる平板状態66Hに変形可能な程度以上の、弾力性を備えている。したがって、窓開け加工その他のNC加工を問題なく実施することができ、良好なNC加工済み湾曲合板67を得ることができる。
【実施例】
【0037】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
実施例 空気清浄機の排気孔部
厚さ1.6mm、450mm角のヒバ材に酢酸ビニルエマルジョン接着剤を片面塗布して3枚を積層し、積層したものを湾曲させながら24時間プレスすることで接着し、湾曲合板とした。次にNCルーターを用いて、これに吸引機構によって湾曲合板の板面を吸引して湾曲面をフラットな状態にした。その状態を保持したままで、湾曲合板を430×420mmの寸法により、設計通りに全体形状を整えた。
【0038】
それと同時に、表面に排気孔とするための穴開け加工を施した。さらに裏返して、裏面からも穴あけ加工を施し、設計通りに排気孔部の形状を整えた。これで加工を完了し、仕上げとして排気孔部全体に、柿渋による塗装を行った。以上の工程は、湾曲合板を製造するための湾曲加工も、その後のNC加工も円滑に行うことができ、製造された空気清浄機の排気孔部は、湾曲形状が堅固に固定され安定したものだった。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の湾曲合板とその製造方法等によれば、特別な成形治具を用いることなく、湾曲形状の木材(合板)に対してNC加工等の加工を施すことができ、プラスチック材料にも十分に代替することができる。たとえば、湾曲形状で窓枠等を有した家電のプラスチック部分を木材と置き換えることができる。さらに本発明は、間伐材などの未利用資源の有効活用にもつながり、木材の新しい用途開拓にもつながり、ひいては林業および木材加工業の振興にも貢献できる。したがって、林業、木材加工業を始め、それらの関連産業分野においても、産業上利用性が高い発明である。
【符号の説明】
【0040】
2F、2R、22F、22R、32F、32R…両外側の木材板(単板)
3A、23A、23B、33A、33B、33C…内部に挟まれた木材板(単板)
5、55…合板
6、26、36、56、66…湾曲合板
40、60…窓部
47…加工済み湾曲合板
58、59…湾曲形成手段
61D…加工具
61V…吸引手段
66H…平板状態
67…NC加工済み湾曲合板







【特許請求の範囲】
【請求項1】
三枚以上の木材板からなる湾曲合板であって、その両外側の木材板は木目方向が同じ方向(以下、「順方向」)であり、内部に挟まれた木材板のうち少なくとも一枚はその木目方向が両外側の木目方向と交差する方向(以下、「交差方向」)である、湾曲合板。
【請求項2】
前記順方向に略直交する方向(以下、「直交方向」)に湾曲が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の湾曲合板。
【請求項3】
前記木材板の木目方向が交互に順方向−交差方向となるように該木材板が積層されていることを特徴とする、請求項2に記載の湾曲合板。
【請求項4】
前記交差方向は、前記順方向に対して略直交する方向であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の湾曲合板。
【請求項5】
NC加工用であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の湾曲合板。
【請求項6】
NC加工済みであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の湾曲合板。
【請求項7】
前記NC加工は窓開加工であることを特徴とする、請求項6に記載の湾曲合板。
【請求項8】
三枚以上の木材板からなる合板から湾曲合板を製造する方法であって、該合板は、その両外側の木材板は木目方向が同じ方向(以下、「順方向」)であってかつ内部に挟まれた木材板のうち少なくとも一枚はその木目方向が両外側の木目方向と交差する方向(以下、「交差方向」)であるものとし、該順方向に直交する方向(以下、「直交方向」)に湾曲が形成されるよう該合板に対して湾曲形成手段による加圧処理を行って湾曲合板を得る、湾曲合板製造方法。
【請求項9】
前記合板において前記交差方向は前記順方向に対して略直交する方向とし、NC加工用の湾曲合板を製造可能であることを特徴とする、請求項8に記載の湾曲合板製造方法。
【請求項10】
請求項1ないし5のいずれかに記載の湾曲合板を用い、該湾曲合板をNC加工装置の吸引手段を用いた吸引処理により湾曲状態から平らな状態とし、その状態にてNC加工処理を施し、該吸引処理を解除することにより該湾曲合板を再び湾曲状態とする、NC加工済み湾曲合板製造方法。
【請求項11】
三枚以上の木材板からなる合板であって、その両外側の木材板は木目方向が同じ方向(以下、「順方向」)であり、内部に挟まれた木材板のうち少なくとも一枚はその木目方向が両外側の木目方向と交差する方向(以下、「交差方向」)であり、湾曲合板製造用であることを特徴とする、合板。







【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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