説明

湾曲毛細管エーロゾル発生器

エーロゾルを発生させるための装置は、少なくとも1つの湾曲部を有する毛細管(20)と、流体入口(20a、b)と、流体入口と少なくとも1つの湾曲部との間に配置された壁厚が減少した領域と、少なくとも1つの湾曲部に沿った出口(20c)とを含む。毛細管は、揮発流体が出口から排出されてエーロゾルを形成するように、毛細管の流体を揮発させるのに十分な温度まで加熱される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている2006年12月29日出願の米国特許仮出願第60/877、650号から優先権を請求する。
【背景技術】
【0002】
エーロゾルは、広範囲の用途で有用である。例えば、肺の中に吸い込まれる細かく分割した液体及び/又は固体の粒子、例えば粉体、医薬品などのエーロゾル噴霧で又はその手段によって薬剤を送達することで呼吸疾患を治療することが多くの場合に望ましい。エーロゾルはまた、部屋に望ましい香気を供給し、殺虫剤を分布させ、塗料及び潤滑剤を送出するような目的で使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/877、650号
【特許文献2】米国特許第6、491、233号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
提供するのは、毛細管の形態をしたエーロゾル発生器である。毛細管は、少なくとも1つの湾曲部と、流体入口と、流体入口と湾曲部の間に配置された壁厚が減少した領域と、湾曲部に沿った出口とを含む。揮発流体が、出口から外へ膨張して外気と混合し、エーロゾルを形成する。電気抵抗は、好ましくは、壁厚が減少した領域で増加する。流体入口は、毛細管の両端に配置することができる。毛細管は、1つよりも多くの湾曲部、例えば、同一平面に複数の湾曲部を含むことができ、又は管は、コイル状とすることができる。エーロゾル発生器は、流体入口と流体連通している液体供給源を含むことができる。毛細管は、長さを5ミリメートルから40ミリメートル、好ましくは、10ミリメートルから25ミリメートルとすることができ、かつ0.1ミリメートルから0.5ミリメートル、好ましくは、0.1ミリメートルから0.2ミリメートルの内径を有する。毛細管は、約0.1ミリメートルの壁厚を有することができ、壁厚が減少した領域は、約0.01ミリメートルから0.09ミリメートル、好ましくは、約0.04ミリメートルの壁厚を有することができる。
【0005】
同じく提供するのは、毛細管を有するエーロゾル発生器である。毛細管は、少なくとも1つの湾曲部と、流体入口と、流体入口と少なくとも1つの湾曲部との間に配置された壁厚が減少した領域と、少なくとも1つの湾曲部に沿った出口と、毛細管の流体を揮発させるのに十分な温度まで毛細管を加熱するための加熱機構とを含む。毛細管は、ステンレス鋼のような電気抵抗性加熱材料で作ることができ、電気抵抗は、好ましくは、壁厚が減少した領域で増加し、加熱機構は、少なくとも湾曲部に沿って電流を流して毛細管の流体を揮発させるのに十分な温度まで毛細管を加熱するリード線が毛細管に取り付けられた電源とすることができる。好ましくは、壁厚が減少した領域は、リード線と湾曲部の間に配置される。エーロゾル発生器は、マウスピース及び/又は流体供給源を更に含むことができる。
【0006】
更に提供するのは、エーロゾルを発生させる方法である。本方法は、少なくとも1つの湾曲部と、第1及び第2の流体入口と、流体入口と湾曲部の間に配置された壁厚が減少した領域と、湾曲部に沿った出口とを含む毛細管を有するエーロゾル発生器に流体を供給する段階と、揮発流体が毛細管の出口から外へ膨張し、揮発流体が周囲大気と混合してエーロゾルを形成するように、流体が揮発して揮発流体を形成するのに十分な温度まで流体を加熱するために毛細管を加熱する段階とを含む。壁厚が減少した領域は、例えば、電気研磨、心なし研削、標準的機械加工、化学エッチング、又はその組合せによって形成することができる。出口は、好ましくは、第1及び第2の流体入口から等距離である。流体は、同一又は異なる流速で第1及び第2の流体入口に供給することができる。液体とすることができる同一又は異なる流体は、第1及び第2の流体入口に供給することができる。液体は、第1の流体入口、かつ気体は、第2の流体入口に供給することができる。毛細管に供給される流体は、タバコ抽出物、医薬品、燃料、水、香味料、及び/又は担体を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】流体気化装置の図である。
【図2】図1に示す装置の湾曲毛細管部分の概略図である。
【図3a】湾曲毛細管の拡大図を提供する正面図である。
【図3b】湾曲毛細管の拡大図を提供する上面図である。
【図3c】毛細管の出口の拡大図である。
【図4a】コントローラを備えた電子ドライバプリント回路カードに接続され、かつそれを通って延びる湾曲毛細管の斜視図を提供する上面図である。
【図4b】コントローラを備えた電子ドライバプリント回路カードに接続され、かつそれを通って延びる湾曲毛細管の斜視図を提供する正面図である。
【図4c】コントローラを備えた電子ドライバプリント回路カードに接続され、かつそれを通って延びる湾曲毛細管の斜視図を提供する端面図である。
【図5】湾曲毛細管が複数の湾曲部を含む湾曲毛細管の付加的な実施形態を示す図である。
【図6】湾曲毛細管が複数の湾曲部を有するコイル状管を含む湾曲毛細管の付加的な実施形態を示す図である。
【図7】毛細管の流体入口と湾曲部の間に配置された壁厚が減少した領域を有する湾曲毛細管の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
提供するのは、エーロゾル発生器を含む用途に有用な流体気化装置である。装置は、湾曲した(又は弓形の)毛細管又は通路を含み、毛細管又は通路は、そこを通過する電流によって加熱され、それによって流れる流体が少なくとも部分的に気化し、必要に応じてエーロゾルを発生させる。好ましくは、湾曲毛管通路は、弓形通路部分と弓形通路に沿った位置に出口とを含む。管を加熱するために、管の1つの入口端において第1の電極によって供給された電流が、管に沿って管の別の入口端における第2の電極まで流れる。同一又は異なる供給源からの流体は、入口において加圧液体として供給することができ、入口端から管を通って出口に向けて流体が流れる時に、管に沿った電気の流れから抵抗式加熱によって生成された熱の投入によって少なくとも部分的に蒸気に変えられる。医薬品又は香味物質をエーロゾル化するための手持ち式吸入器のような吸入器のエーロゾル発生器として使用される場合、蒸気が毛細管の出口において管から出る時に蒸気が周囲の大気に入るので、エーロゾルが生成される。
【0009】
好ましい実施形態では、湾曲毛細管は、180度の湾曲のような少なくとも1つの湾曲部(湾曲又は弓形部分)を含む。毛細管の出口は、管の入口端が管の出口から等距離になるように湾曲部に配置される。従って、湾曲毛細管が、管の入口端から出口まで流体がそこを通って移動する1つよりも多い経路(例えば、2つの脚)を有するので、湾曲毛細管は、入口から出口まで流体が移動する単一経路を有する直線状毛細管を含むエーロゾル発生器と比較して非常にコンパクトな構造を提供する。更に、入口から出口まで流体が移動する単一経路を有する毛細管を含むエーロゾル発生器と比較して、湾曲毛細管の2つの脚を通して流体を移動させるために必要とされる圧力は、より低い目標流速で達成される。その反対に、エーロゾルの目標流速に対して、管の各脚を通って移動する流体の流速はより遅い。管の2つの脚を通って移動する流体の流速がより遅い結果、管から流体により効率的に熱が移送され、管を通って流れる液体を気化させるためにより少ないエネルギしか必要とされず、かつ管の配置面積を低減することができる。
【0010】
湾曲毛細管が1つよりも多い入口を有するので、1つよりも多い流体を含むエーロゾルを形成することができる。より具体的には、十分に混ざらない異なる液体を管の対応する入口端に供給することができる。代替的に、例えば管の一方の入口端に液体を、かつ例えば管の他方の入口端に気体を供給することにより、液体及び気体を含むエーロゾルを形成することができる。更に、タバコ抽出物又はタバコ香味成分を含有する担体溶液は、エーロゾルを形成するのに使用することができ、得られるエーロゾルは、燃焼なしに発生するタバコ煙の風味特性を有する。
【0011】
好ましくは、管及び流体の温度は、出口において最も高く、出口は、管内の湾曲部の中心にある(例えば、各電極から等距離であるばかりでなく、管の各入口端から等距離である)。好ましくは、出口は、湾曲毛細管の内径とほぼ等しい直径を有する。しかし、エーロゾル発生を最適化するために、管の各入口端に異なる流体が供給される場合、出口は、管の各入口端から等距離になく又は各電極から等距離になく、及び/又は電極は、管の入口端から出口までのそれぞれ対応する経路上の同一位置に配置されないことが好ましい場合がある。更に、エーロゾル発生を最適化するために、管の各入口端に異なる流体が供給される場合、異なる流体が異なる流速で供給されることが好ましい場合がある。
【0012】
毛細管は、管の長さ方向に電圧が印加された時に、管を通って流れる電流によって管が加熱されて管を通過する流体が蒸発するように、ステンレス鋼のような導電材料で全体的に作ることができる。代替的に、管は、管加熱のためのプラチナのような抵抗加熱材料のコーティング又は層を備えたガラス又はシリコンのような非導電性又は半導電性材料で作ることができるであろう。具体的には、管は、抵抗性コーティングで形成した加熱要素を備えた石英ガラスとすることができると考えられる。
【0013】
好ましい実施形態では、湾曲毛細管は、3つの領域、すなわち、蒸気だけが存在する管の領域、少なくとも一部の液体が存在する管の領域、及び液体が蒸発する遷移領域(出口と入口の間に配置された)を有するものということができる。管の出口は、好ましくは、望ましいエーロゾルを生成するために十分な蒸気が存在する管の領域に配置される。好ましくは、液体が管に入る管の領域は、減少した壁厚を有し、異なる壁厚を有する管の領域間のインタフェースは、蒸気及び液体の両方が存在する遷移領域に見出すことができる。しかし、エーロゾルが生成される化合物に応じて、異なる壁厚を有する管の領域間のインタフェースは、出口のより近くに配置することができる。
【0014】
壁厚が減少した領域の長さは、望ましい加熱プロフィールを達成するように選択することができる。一例として、1つの湾曲部を有して導線から導線の長さが18mmから20mmの毛細管の場合、毛細管の各区画の長さ(毛細管の出口から各導線まで)は、9mmから10mmであり、この長さの範囲内で、壁厚が減少した領域は、それぞれ5mmから7mmとすることができる。
選択領域内の毛細管の壁厚が減少すると、毛細管から流体に移送される熱エネルギの量が増加する。更に、所定領域内の毛細管の壁厚を低減することにより、毛細管の長さにわたる温度勾配を管理することができる。従って、エーロゾルを迅速に形成すると同時に、少ない液体しか存在しない管の領域で毛細管が所定温度限界を超えないことを保証するために、熱エネルギをエーロゾル形成に送出することができる。更に、所定領域の毛細管の壁厚を低減することにより、大気温度から作動温度まで毛細管の温度を上げるために必要とされる電気エネルギの量は、大幅に低減することができる。
【0015】
壁厚を低減することにより、電気抵抗は増加する。従って、管を作動温度まで加熱するために必要とされるエネルギ及び時間がより少なくなる。毛細管の外径を実質的に低減するためのいずれか適切な製造技術を利用することができる。そのような技術は、例えば、電気研磨、心なし研削、標準機械加工、化学エッチング、又はその組合せを含む。より具体的には、30ゲージステンレス鋼毛細管(外径約0.3ミリメートル、内径約0.1ミリメートル、壁厚約0.1ミリメートル)の場合、毛細管外径の選択領域は、壁厚を約0.04ミリメートルのままにして、電気研磨によって外径を約0.2ミリメートルまで低減することができる。
【0016】
毛細管がエーロゾル発生器の作動温度まで加熱されて管を通って液体が流れ始めると、液体からエーロゾルを形成するために所定量のエネルギを必要とする液体が存在して流れる毛細管の領域では、毛細管の内壁から液体にかなりの量の熱エネルギが移送される。しかし、毛細管の内壁から湾曲部内の液体に移送される熱エネルギの量は、エーロゾルを形成する液体によって吸収されるエネルギ量によって制限され、あらゆる過剰な熱は、毛細管の湾曲部内に残っている。従って、壁厚が減少した領域を湾曲部の前に配置することにより、これら領域内の加熱を増すことができ、壁厚が減少した領域と比較して湾曲部の比較的厚い壁が湾曲部内の電気抵抗を低減し、毛細管にわたってより均一な温度勾配を提供する。
【0017】
図1は、手持ち式吸入器として使用するためのエーロゾル発生器10の形態をした流体気化装置の実施形態を示している。図示のように、エーロゾル発生器10は、流体の供給源12、バルブ14、湾曲毛細管20を含む加熱器構成、マウスピース18、任意的なセンサ15、及びコントローラ16を含んでいる。コントローラ16は、コントローラと協働してバルブ14、センサ15を操作して湾曲毛細管20を加熱するために電気を供給するバッテリのような適切な電気接続及び補助機器を含んでいる。作動中に、バルブ14は、エーロゾル発生器10に対する人間の吸煙(吸引)に起因するマウスピース内の圧力降下のセンサ15による検出の前又は後に供給源12から湾曲毛細管20に所望量の流体が入るように開くことができる。流体が毛細管20に供給される時に、コントローラ16は、湾曲毛細管20内の流体を揮発させるために毛細管を十分に加熱するのに供給される電力の量を制御し、すなわち、コントローラ16は、流体を揮発させる適切な温度まで加熱するために毛細管を通過する電流の量を制御する。揮発流体は、湾曲毛細管20の出口に存在し、揮発流体は、エーロゾルを形成し、それをマウスピース18上で吸煙する人間によって吸入することができる。
【0018】
図1に示すエーロゾル発生器は、異なる流体供給構成を利用するように修正することができる。例えば、流体供給源は、湾曲毛細管20に所定量の流体を送り出す送出バルブを含むことができ、及び/又は湾曲毛細管20は、吸入サイクル中に揮発する所定量の流体を収容する1つ又はそれよりも多くの計量チャンバを含むことができる。湾曲毛細管20がある一定の量の流体を収容するために1つ又はそれよりも多くの計量チャンバを含む場合、装置は、流体がその充填中にチャンバを超えて流れるのを阻止するためにチャンバの下流に1つ又は複数のバルブを含むことができる。必要に応じて、チャンバは、蒸気の泡が膨張して残っている液体をチャンバから湾曲毛細管20に追い込むために、チャンバ内の流体を加熱するように構成された予熱器を含むことができる。この予熱器構成の詳細は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、本出願人所有の米国特許第6、491、233号に見出すことができる。代替的に、チャンバ内の流体は、蒸気の泡が形成される温度よりも低い設定温度に予熱することができるであろう。必要に応じて、バルブは省略することができると考えられ、流体供給源12が所定量の流体を直接湾曲毛細管20に供給する1つ又はそれよりも多くの手動注射器ポンプのような送出構成を含むことができる。湾曲管がステンレス鋼のような導電材料で作られる場合、加熱器構成は、湾曲毛細管20を形成して湾曲毛細管20内の液体を揮発させるように構成された毛細管の一部分とすることができる。センサ15は、エーロゾル発生器10が機械式スイッチ、電気式スイッチ、又は他の適切な技術によって手動で操作される場合、省略又はバイパスすることができる。図1に示すエーロゾル発生器10は、薬剤又は香味料含有エーロゾルのような吸入可能なエーロゾルのエーロゾル化のために有用であるが、湾曲毛細管はまた、例えば、臭気剤のような他の流体を気化させるために使用することができる。
【0019】
湾曲毛細管エーロゾル発生器は、単一の流体供給源から流体の流れを受け取ることができる。一般的に加圧された液体の形態をした流体、及び/又は同じか又は別々の流体供給源から来た所定量の流体は、毛細管の入口を通って入り、管の脚を通り、管の出口に向って流れる。毛細管の各入口端には別々の電極が設けられる。電極間の毛細管の部分は、電極間の毛細管の部分を通って電流が流れる結果として加熱され、入口端に入ってくる液体は、管内で加熱されて蒸気を形成する。蒸気が毛細管の出口から出て周囲の大気と接触する時に、蒸気がエーロゾルを形成する。液体が懸濁液の場合、エーロゾルは、懸濁液内の固体から形成することができる。液体が凝縮性液体の溶液の場合、エーロゾルは、凝縮した蒸気の液滴から形成することができる。出口の断面が毛細管の内径よりも小さい場合、エーロゾルは、気化液体によって出口を通して追い込まれた噴霧液体から形成することができる。
【0020】
図2に示すように、流体気化装置は、毛細管20を含み、流体供給源22からの流体は、毛細管20を通過する。流体は、第1の入口端20a及び第2の入口端20bにおいて毛細管20に入り、毛細管20の出口20cから蒸気として出ていく。第1の電極23aが毛細管20の入口端20aの近くに接続され、第2の電極23bが入口端20bの近くに接続される。毛細管20の入口20a及び入口20bに入ってくる液体は、それが毛細管20を通過する時に加熱される。管を通過する液体に十分な熱が投入され、流体の少なくとも一部をそれが毛細管の出口20cから出る時に気化させる。ここでもまた、図示していないが、上述のようにエーロゾル発生器は、湾曲毛細管の各入口に対して1つよりも多くの流体供給源を含むことができる。
【0021】
図3a−bは、湾曲毛細管30の拡大図である。図3aは、流体が毛細管30の第1の入口端30a及び第2の入口端30bで入り、半円形湾曲部の出口30cから蒸気として出ていく湾曲毛細管30の正面図を提供する。第1の電極33aが毛細管30の入口端30aの近くに接続され、第2の電極33bが入口端30bの近くに接続される。図3bは、湾曲毛細管の平面図、図3cは、毛細管の出口の拡大図である。
【0022】
図4a−cは、湾曲毛細管の概略図である。より詳細には、図4aは、コントローラ46を備えた電子式ドライバプリント回路カード49に接続されて回路カードを通って延びる湾曲毛細管の平面図を提供し、図4bは、電子式ドライバプリント回路カード及びコントローラに接続した湾曲毛細管の正面図を提供し、図4cは、電子式ドライバプリント回路カード及びコントローラに接続した湾曲毛細管の端面図を提供する。湾曲毛細管の脚は、好ましくは、例えば、半田又は導電性エポキシのような導電性接着剤によって電子式ドライバプリント回路カードに接続され、電子式ドライバプリント回路カードは、湾曲毛細管を加熱するために湾曲毛細管の脚に電気を供給することを可能にする。
【0023】
湾曲毛細管の付加的な実施形態が図5及び6に関連して概略示されている。図5の湾曲毛細管は、好ましくは、真ん中の湾曲部51bに沿って単一の出口を有する複数の湾曲部51a、51b、51cを含んでいる。図6の湾曲毛細管は、好ましくは、真ん中の湾曲部61cに単一の出口を有する複数の湾曲部61a、61b、61c、61d、61eを有するコイル状管を含んでいる。
湾曲毛細管構成は、毛細管を通る広範な流体の流速に対応するように設計され、エネルギ効率が高くかつコンパクトな構成を提供する。吸入器用途では、毛細管の加熱区間は、長さ5から40ミリメートル、又はより好ましくは、長さ10から25ミリメートルとすることができ、管内径は、0.01から0.5ミリメートル、より好ましくは、0.1から0.2ミリメートルとすることができる。毛管加熱器を吸入器に実施する場合、湾曲毛細管構成は、好ましくは、絶縁され、及び/又は大気及び毛細管から放出される蒸気から隔離される。例えば、絶縁材料の本体を使用して、毛細管に存在する蒸気が毛細管外面と接触しないように湾曲毛管をマウスピース内に支持することができると考えられる。
毛細管から排出される方向は、毛管部分の端部から離れる毛管全体平面内の方向に向くように図3に開示されている。代替的に、排出は、代わりに毛管部分の端部に向う毛管の全体平面内の方向、又は毛管によって形成された全体平面に直交する方向のような毛管によって形成された全体平面の外側方向とすることができる。
【0024】
図7に示すように、流体気化装置は、好ましくは、毛細管を含み、流体供給源からの流体は、第1の入口端70a及び第2の入口端70bで毛細管に入り、毛細管湾曲部の出口70cから蒸気として出ていく。第1の電力リード線73aは、毛細管の入口端70aの近くに接続され、第2の電力リード線73bは、毛細管の入口端70bの近くに接続される。毛細管の流体領域75では、毛細管の壁厚は、好ましくは、毛細管の湾曲領域76と比較して領域75で減少する。この構成を用いて、より少ない流体しか存在しない領域76の電気抵抗加熱と比較して、領域75の電気抵抗加熱を増すことが可能である。
様々な実施形態を説明したが、当業者には明らかなように変形及び修正に訴えることができるのは理解されるものとする。そのような変形及び修正は、本明細書に付けた特許請求の範囲及び要項に入ると考えるものとする
【符号の説明】
【0025】
20 毛細管
20a、b 流体入口
20c 出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛細管の形態をしたエーロゾル発生器であって、
毛細管が、
少なくとも1つの湾曲部と、
流体入口と、
前記流体入口と前記湾曲部の間に配置された壁厚が減少した領域と、
前記湾曲部に沿った出口と、
を含み、
揮発した流体が、前記出口から排出されてエーロゾルを形成する、
ことを特徴とする発生器。
【請求項2】
電気抵抗が、前記壁厚が減少した領域で増加することを特徴とする請求項1に記載のエーロゾル発生器。
【請求項3】
前記流体入口は、前記毛細管の端部に配置されることを特徴とする請求項1に記載のエーロゾル発生器。
【請求項4】
前記毛細管は、少なくとも1つの湾曲部を含む該毛細管の第1の端部に配置された第1の流体入口と第2の端部に配置された第2の流体入口とを有することを特徴とする請求項1に記載のエーロゾル発生器。
【請求項5】
前記毛細管は、1つよりも多い湾曲部を含み、
前記毛細管は、5から40ミリメートルの長さであり、0.1から0.5ミリメートルの内径を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のエーロゾル発生器。
【請求項6】
前記流体入口と流体連通した液体の供給源を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のエーロゾル発生器。
【請求項7】
前記毛細管は、10ミリメートルから25ミリメートルの長さであり、0.1ミリメートルから0.2ミリメートルの内径を有し、
前記毛細管は、約0.1ミリメートルの壁厚を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のエーロゾル発生器。
【請求項8】
前記壁厚が減少した領域は、約0.01ミリメートルから0.09ミリメートルの壁厚を有することを特徴とする請求項1に記載のエーロゾル発生器。
【請求項9】
前記壁厚が減少した領域は、約0.04ミリメートルの壁厚を有し、
前記壁厚が減少した領域は、長さが約5.0ミリメートルから約7.0ミリメートルである、
ことを特徴とする請求項1に記載のエーロゾル発生器。
【請求項10】
前記毛細管は、2つの壁厚が減少した領域を有することを特徴とする請求項1に記載のエーロゾル発生器。
【請求項11】
少なくとも1つの湾曲部と、流体入口と、該流体入口と該湾曲部の間に配置された壁厚が減少した領域と、該湾曲部に沿った出口とを含む毛細管、及び
前記毛細管を該毛細管の流体を揮発させるのに十分な温度まで加熱する加熱機構、
を含むことを特徴とするエーロゾル発生器。
【請求項12】
前記毛細管は、電気抵抗性加熱材料で作られ、電気抵抗が、前記壁厚が減少した領域で増加し、前記加熱機構は、電流が前記湾曲部に沿って流れ、該毛細管の流体を揮発させるのに十分な温度まで該毛細管を加熱するように、電源と該毛細管に取り付けられたリード線とを含むことを特徴とする請求項11に記載のエーロゾル発生器
【請求項13】
前記壁厚が減少した領域は、前記リード線と前記湾曲部の間に配置されることを特徴とする請求項12に記載のエーロゾル発生器。
【請求項14】
マウスピース及び/又は流体の供給源を更に含むことを特徴とする請求項11に記載のエーロゾル発生器。
【請求項15】
エーロゾルを発生させる方法であって、
少なくとも1つの湾曲部と、第1及び第2の流体入口と、該流体入口と該湾曲部の間に配置された壁厚が減少した領域と、該湾曲部に沿った出口とを含む毛管を含むエーロゾル発生器に流体を供給する段階と、
揮発した流体が前記毛管の前記出口から排出されてエーロゾルを形成するように、該毛管を加熱して、前記流体を揮発させて揮発流体を形成するのに十分な温度まで該流体を加熱する段階と、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B−3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−516300(P2010−516300A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543550(P2009−543550)
【出願日】平成19年12月24日(2007.12.24)
【国際出願番号】PCT/IB2007/004497
【国際公開番号】WO2008/081344
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【Fターム(参考)】