説明

湿度制御用製品

凝固湿潤剤組成物を用いて環境内の相対湿度を制御する製品。凝固湿潤剤組成物は湿潤剤塩、水、及び担体から作製される。凝固湿潤剤は結合剤により錠剤へと成形してもよいし、熱成形フェルト材料、サシェ、又は水透過性キャニスター内に含有させてもよい。好ましい態様では、サシェは微細に穿孔されたポリエステル/紙/ポリエチレン材料で作製される。好ましい湿潤剤塩には、CaCl2、K2CO3、LiCl2、NaCl、K2SO4、及びそれらの組み合わせが含まれる。本発明の好ましい態様には、1又はそれを超える抗菌剤、活性炭、揮発性有機物・水分吸収剤、及び酸素吸収剤を、凝固湿潤剤塩と組み合わせて用いることが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湿度の制御に関し、より詳細には、画定された環境において湿度を所望のレベルに維持するために用いることができる湿度制御用製品に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的に、閉鎖環境において相対湿度を低下させるために、潮解化合物、通常は塩、が用いられる。異なる化合物が水分に対して異なる親和性を有することはよく知られている。例えば、各々の潮解化合物は、水和したとき、特徴的な水分吸収能と特徴的な平衡相対湿度(equilibrium relative humidity, ERH)を有する。
【0003】
乾燥剤は、全ての水蒸気を閉鎖系の空気から完全に(又はほぼ完全に)除去するために用いられる湿度制御剤として考えられる。十分な量の有効な乾燥剤は、パッケージ内の空気から水蒸気を吸収し、凝縮がこれ以上起こらない点まで、又は密封パッケージもしくは密封系内の平衡相対湿度(ERH)がこれらパッケージ又は系が曝露される条件下で閾値を超えない点まで、ERHを低下させるだろう。閉鎖系の相対湿度と乾燥剤の現行の水和度合でのERHとが釣り合う露点よりも十分に低い温度で、より多量の乾燥剤は閉鎖系内の水蒸気を減少させるだろう。
【0004】
しかし、用途によっては乾燥剤が最良の選択ではない(例えば、食品、医薬、分析、医療診断)。そのようなケースでは、製品のERHは0近くというよりも特定の中間レベルに維持されなければならない。湿潤環境下で湿度を制御するよくある経済的な方法は、湿潤剤化合物を使用することである。多くの潮解又は水和可能化合物を適切な系内で用いることができるが、無機塩が最も有効であり、最もよく用いられる。これら化合物は水に対する親和性を有し、閉鎖容器又は閉鎖室内の大気中の水蒸気圧を制御する。本質的に、そのような化合物はそれらが完全に溶解するまで水分を吸収するだろう。このため、固体塩と塩溶液の混合物が共存するだろう。この溶液は飽和し、用いられる特定の塩又は化合物のERH特徴を有するだろう。
【0005】
そのようなケースにおける具体的な湿潤剤は、望まれる平衡相対湿度(ERH)に基づいて選択される。塩化リチウムのように、塩は自然界において単独であってもよい。2つの塩の混合物を用いてもよい。例えば、炭酸カリウム溶液は約43%の相対湿度を有する。故に、過剰な炭酸カリウムの未溶解結晶を有する炭酸カリウム溶液は、約43%の一定の相対湿度を維持するだろう。相対湿度が43%を超えて上昇し始めると、この塩溶液は周囲から水分を集めて、相対湿度を43%近くまで低下させるだろう。逆に、相対湿度が43%未満に低下すると、この溶液は周囲環境が約43%に到達するまで水分を放出するだろう。異なる塩飽和水溶液についてのERH値は、11%から98%まで変動し得る。
【0006】
湿度制御用製品の他の発明として、織物内又はポリマー製不織パウチ内に入れられた粘性溶液が記載される。そのようなケースの粘性溶液は、水、塩を含んでおり、そして増粘材料(アルギネート又はキサンタンガム等)を有することができる。これら塩溶液は液体であり、それらを入れたパッケージ又は容器からこぼれたり漏れたりする可能性があるので、実務上取り扱いが難しかった。機能するためには水蒸気を通す孔が必要であり、安定化された塩溶液であってもパッケージから染み出したり漏れ出したりする可能性がある。湿潤剤が周囲環境から水分を引き付けてより流動化し始めるにつれて染み出す傾向が大きくなり始めることがこの問題を悪化させる。フィルム又はパウチの水分透過率が大きすぎれば、又は表面エネルギー若しくは「湿潤性」が高すぎれば、濃厚な流体ですら、パッケージを通じて染み出す可能性がある。これは製品保護という所望の目的に対して明らかに逆効果であろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の概要
本発明は密封又は限定された環境における相対湿度制御用製品を含む。本発明は、湿潤剤塩、水、及び担体を含んでなる、凝固した湿潤剤組成物(solidified humectant composition)を含む。好ましい態様は錠剤形態の組成物を有し、担体とは異なり得る結合剤の使用を含んでいてもよい。好ましい錠剤形態態様は耐久性のために被覆された錠剤を有する。適切な被覆には、ポリエチレン又は他の熱可塑性樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルピロリドン、及びセルロースエーテルが含まれる。
【0008】
本発明は、安定化され又は凝固された湿潤剤組成物を収納する水蒸気透過性の容器を含んでなる、閉鎖環境又は製品パッケージ内の相対湿度制御用製品も提供する。この凝固湿潤剤組成物は、湿潤剤塩、水、及び担体を含んでなる。好ましい容器材料には、熱成形されたフェルト材料、サシェ(sachet)、水蒸気透過性キャニスター、又は、「通気」孔以外は密封されているプラスチック体もしくは通気可能なフィルム又は膜で閉鎖されているプラスチック体が含まれる。好ましい態様において、サシェは微細に穿孔されたポリエステル/紙/ポリエチレン材料を含んでなる。好ましい湿潤剤塩には、CaCl2、LiCl2、K2CO3、NaCl、K2SO4及びこれらの組み合わせが含まれる。本発明の好ましい態様には容器内に抗菌剤を使用することが含まれる。
【0009】
上記の好ましい態様は、製品を多機能化する、組成物への特定の要素の追加も含む。例えば、揮発性物質制御のための活性炭及び/又は酸素吸収剤を含む。
【0010】
本発明の詳細な説明
本発明は、湿潤剤の漏れ、こぼれ、又は染み出しの可能性を除去して、湿潤剤により保護されることが意図された製品又は材料へのダメージを除去するための、一般的に固体形態にある湿潤剤を提供する。本発明は、パッケージ内に収納された製品又は材料が保護され、如何なる手段においても退化せず、変性せず、又は汚損しないようにされている、閉鎖系内の相対湿度を制御するための、自立性の又は蒸気透過性容器内の、安定な固体形態材料を提供する。
【0011】
本発明は、飽和した湿潤剤を安定化又は凝固させ、水、溶液、又は湿潤剤自体が染み出さないようにパッケージされた湿度制御用製品を提供することにより達成される。固体湿潤剤化合物の使用は、閉鎖環境を所望の湿度で露点未満で制御し、並びに凝縮の可能性を回避する。
【0012】
本発明の別の側面は、この固体状態の水分調節系に追加の機能を付与することである。例えば、塩基性塩は湿潤剤として機能でき、またパッケージ内に存在するか若しくはパッケージ内の製品から排出され得る揮発性酸を中和する機能も有する。塩は系内の水分を調節するように機能すると同時に系を緩衝化し、又は閉鎖系から酸素を捕獲する還元環境を提供する。
【0013】
本発明の例示態様において、湿潤剤塩を含有する凝固形態は、湿潤剤パッケージ内の微生物の成長を制御する抗菌保存剤を含んでもよい。さらに、多少の揮発性を有し、容器、器、チャンバー、又はパッケージと、その内容物とに適合性である抗菌剤を選択することにより、完全閉鎖系を微生物による減成から保護することができる。
【0014】
本発明の湿潤剤化合物又は塩溶液は、好ましくは、一定の撹拌を行いながら、蒸留水を特定の塩にゆっくりと入れることにより、所定の溶液温度で調製される。溶液は視覚的に「半解けの雪」のようでなければならず、これは未溶解の過剰な塩結晶の存在を示す。期待され望まれる湿度レベルを正確に達成するためには、塩溶液の注意深い調製が必要である。
【0015】
または、真溶液を調製して、凝固させるか又は固体担体相に含浸させて、次いで、過剰な塩を有する飽和溶液から過剰塩が析出すると期待される過飽和点まで、一部乾燥させてもよい。飽和溶液に対する過剰塩の割合は、機能し得る湿度範囲において、所与の系内で吸収されるか又は放出され得る水分量を決定するだろう。与えられた環境は湿潤剤のERHよりも高い湿度であることが期待されており、吸収能力を最大にするために含浸又は凝固された湿潤剤を完全に乾燥することが望ましい。
【0016】
本発明の好ましい態様は、容器内に抗菌剤を含む。好ましくは、抗菌剤は湿潤剤塩溶液に添加される。微生物成長、最もよくあるのはカビ、が多くの水分パッケージ製品の減成の一因となり得るので、これは好ましい態様である。
【0017】
上記の通り、本発明の湿潤剤塩は、飽和溶液の形態で存在する。この溶液は次いで担体媒質に添加されることにより凝固(安定化)される。担体は、セルロース、シリカゲル、クレー、炭素、炭水化物又はタンパク質ゲル化剤、カラギーナン又はアルギナートのような親水コロイド、コンニャク(konjac)のようなゴム、アクリレート又はポリビニルアルコールのような親水性ポリマー、若しくは固体状態の湿潤剤を安定化させるか凝固させるか包むか又は吸収する他のいずれの材料であってもよい。この固体形態の湿潤剤は次いで本発明に従って適切な容器中に密封され、パッケージの内容物への危険なしに、パッケージ中で用いられる。
【0018】
本発明の好ましい態様において、パッケージされた親水コロイド凝固化湿潤剤を、フェルト製の包み中に含有させて、この組み合わせを水分感受性の分析試薬を収納する閉鎖環境内に置く。硫酸カリウム溶液は(20℃未満の温度で)約98%のERHを付与することができるので、好ましい単一塩は硫酸カリウムである。この場合、湿潤剤は密封チャンバー内の非凝縮性雰囲気を維持し、水分源として機能する。水/アクリレート混合物のフェルト内へのパッケージも同様に一定の水分源となり得る。しかし、後者のケースでは、内包物を収納するパッケージの露点未満に相対湿度を維持する塩がないので、温度が変化するにつれて凝縮が起こりやすい。
【0019】
上記の通り、凝固した湿潤剤は、湿度制御が望まれる密封系パッケージに適合するように設計された蒸気透過性容器内に含有させてもよい。容器内面は、凝固湿潤剤及び生成物と、パッケージ内の環境中との間で、十分に水分を透過性させなければならず、一方で凝固湿潤剤を安定に含有しなければならない。典型的な容器は熱成形フェルト材料、キャニスター、若しくは穿孔された硬質又は準硬質の容器、若しくは微細に穿孔されたポリエステル/紙/ポリエチレン構造のサシェ、若しくは織布又は不織布材料の形態をとることができる。
【0020】
本発明の他の好ましい態様において、凝固湿潤剤は、適切な結合剤をその組成中に含むことにより、錠剤へと形成することができる。結合剤は、上記の担体に加えて、別の要素であってもよい。例えば、担体はシリカゲルであってもよく、結合剤はポリビニルピロリドン、セルロースエーテル樹脂、熱可塑性ポリマー又はワックスのような公知の数ある結合剤のいずれであってもよい。また、結合剤は、湿潤剤塩を安定化させ凝固させるのに十分な量存在する場合には、担体としても機能することができる。
【0021】
錠剤化された湿潤剤は、さらなる包装をすることなく用いることができ、又は包装してもよい。上記の通り包装してもよく、(錠剤化された湿潤剤をただ使用するのに比べて)追加の耐久性を与えるために蒸気透過性被覆で被覆してもよい。被覆が望まれるような場合には、錠剤を適切な水蒸気透過性被覆で被覆してもよい。そのような適切な被覆には、ポリエチレン又はポリテトラフルオロエチレンのようなポリマー粉末を乾燥状態又は懸濁状態で被覆して熱硬化させることが含まれる。また、錠剤化された湿潤剤を、ポリビニルピロリドン又はセルロースエーテルのような樹脂で被覆して次いで再び乾燥工程、硬化工程を行ってもよい。
【0022】
錠剤化された湿潤剤は湿度制御のみのために設計されてもよいし、以下の実施例6の、湿潤剤塩に加えて活性炭及びシリカゲルの両者を含む揮発酸吸収錠剤のように、多機能となるように設計されてもよい。例えば、塩がシリカゲル及び活性炭とともに全て結合剤中に存在すると、湿潤剤塩は環境中に存在する有害な酸を中和することができ、次いで中和された酸は活性炭に吸着されるだろう。
【0023】
湿度制御のための湿潤剤塩とともに、炭化水素又は他の揮発性有機化合物(volatile organic compounds, VOC's)吸収のために炭素を単独で含有する態様を例示する別の例を実施例7に示す。
【0024】
多機能化は、凝固した組成物中に含まれる酸素吸収剤の導入によっても達成される。そのようなケースにおいて、湿潤剤/水/担体/結合剤の組み合わせは、鉄又はアスコルビン酸又は他の還元性化合物を含んでもよい。この開示の利益を有する当業者は、これら材料の選択を、過度の実験なしに行うことができる。
【実施例】
【0025】
実施例1
一定の撹拌下で、100gの蒸留水を20gの硫酸カリウムに添加することにより、凝固湿潤剤組成物を調製した。この混合物を15gのカラギーナンと組み合わせた。この混合物は98%のERHを有することが確認された。
【0026】
実施例2
0.1gのProClin 300抗菌剤を100gの蒸留水に添加することにより凝固湿潤剤組成物を調製した(ProClinは、生物学用試薬、化学用試薬、診断用試薬、及び実験用試薬の製造に用いられる保存剤についてのRohm and Haas Companyの登録商標である)。次に、この溶液を一定の撹拌下で20gの硫酸カリウムへと入れた。この混合物を15gのカラギーナンと組み合わせた。この混合物は最終的に98%のERHを有することが確認された。この混合物は、ポリエステル製フェルト中に包まれ、密封された、硬質ゲルとなった。得られた構造物は手で押すことにより変形したが、手でどのように取り扱っても漏れを生じなかった。
【0027】
実施例3
最初に0.4gのナトリウムプロピオネートを50gの蒸留水に添加することにより、凝固湿潤剤を含む入れ物を調製した。次にこの溶液を一定の撹拌下で58gの炭酸カリウムへと入れた。この混合物を次いで、広い孔径のシリカゲルと、75:25(ゲルの質量%:溶液の質量%)の割合で組み合わせた。得られた顆粒状の固体湿潤剤を不織HDPEサシェ中にパッケージした。この混合物は最終的に約44%のERHを有することが確認された。
【0028】
この湿潤剤を含む入れ物は湿潤環境下でその質量の25%の水分を吸収し、乾燥環境下でその質量の10%の水分を供給するだろう。これらの制限内で、閉鎖環境内の相対湿度は44%近くに維持される。
【0029】
実施例4
50%(w/w)CaCl2溶液1部と50%(w/w)K2CO3溶液1部とを2質量部のシリカゲル(U.S.P.グレード)に別々に添加することにより、凝固湿潤剤を含む入れ物を調製した。この溶液を24時間以内に完全に吸収させて、次いで約2%の水分まで乾燥させた。この完全に乾燥された顆粒状湿潤剤を、溶接された不織サシェ中にパッケージした。
【0030】
この湿潤剤を含む入れ物は、ERHが18.1%であり、29% 相対湿度下での水分吸収力が5.5%であり、そして酸吸収力が少なくとも0.5meq/gであることが確認された。
【0031】
この製品は、12ヶ月を超える貯蔵期間にわたり、化学ルミネッセンス医薬診断用物を保護し、活性を維持するのに有効であった。
【0032】
実施例5
飽和NaCl溶液を、これと等しい量の広い孔サイズを有するシリカゲル中に含浸させた。固体アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムを、各々凝固湿潤剤の質量の3分の1の量添加した。次いで、湿潤剤の総量と等しい量の鉄粉と固体酸及び塩を加えて、微細に穿孔されたサシェ中にこの組み合わされた顆粒状及び粉末状混合物をパッケージした。
【0033】
この凝固湿潤剤のERHは56%であった。この相対湿度は、酸素が医薬用パッケージから除去されている間維持された。得られた環境により、活性医薬錠剤の安定性が延長された。
【0034】
実施例6
炭酸カリウム溶液を、顆粒状シリカゲルと混合された顆粒状活性炭に、乾燥基準で2.5%炭酸カリウムとなるように添加した。ポリビニルピロリドンの結合剤樹脂を添加し、この混合物を約16%である最適な水分値まで一部乾燥させた後に、この混合物を錠剤形態へと圧縮した。この錠剤を熱硬化させて、約25%のERHまで再び水和させておいた。閉鎖された囲いの中にある、被覆されておらず包まれていない錠剤(uncoated, uncontained tablet)は、囲い内のERHを44%未満に維持する間、水分吸収能力を有していた。錠剤は揮発性酸も吸収及び中和し、それにより囲い内に共に含まれる壊れやすい電子部品を保護した。この例では、錠剤に被覆を塗布しなかった。
【0035】
実施例7
LiCl2溶液を含浸した炭素で錠剤を作製し、次いで水分吸収と低湿度性能とを高めるために乾燥させた。この錠剤は強度を必要としたのでPE結合剤を用い、これは良好な強度を与えた。
【0036】
この錠剤を作製する工程は
1.142.6gのLiCl2を440gのH2Oと1時間混合、
2.1960gの乾燥した低活性炭と490gの高活性炭とを“V”ブレンダー内に添加、
3.炭素を“V”ブレンダー内の塩溶液で4.0分間含浸、
4.炉内で110℃で16時間炭素を乾燥、
5.炭素を“V”ブレンダー内に入れ、457.5gのPEを添加し、4分間混合、
6.錠剤プレスを行い、110℃で1時間、部分的に硬化、
7.錠剤組成:
低活性炭 = 64.2%
高活性炭 = 16.1%
LiCl2塩 = 4.7% (炭素基準で5.5%)
PE結合剤 = 15.0%。
【0037】
結果:
90%RH及び29℃の湿度室において錠剤の性能を評価した。錠剤は錠剤の総質量に基づいて40%のH2Oを吸収し、炭素質量に基づいて47%の吸収を示した。
【0038】
本発明は具体的な態様を参照して本明細書中で例示され説明されているが、本発明はこの示された詳細に限定されることを意図していない。むしろ、特許請求の範囲及び均等の範囲で本発明から逸脱しない範囲内で多様な変形がなされてもよい。数ある変形、変更、及び置換は、本発明の精神から逸脱することなく、当業者によって行われるだろう。したがって、添付した特許請求の範囲は、本発明の精神及び範囲内に含まれる全てのそのような変形を含むことが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿潤剤塩、
水、及び
担体
を含んでなる凝固した湿潤剤組成物を含む、環境内の相対湿度を制御する製品。
【請求項2】
凝固した湿潤剤組成物が前記担体とは異なる結合剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
製品が錠剤形態である、請求項2に記載の製品。
【請求項4】
錠剤が水蒸気透過性被覆で被覆されている、請求項3に記載の製品。
【請求項5】
被覆がポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルピロリドン、及びセルロースエーテルからなる群から選択される、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
湿潤剤塩がCaCl2、K2CO3、NaCl、K2SO4、LiCl2及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項7】
凝固した湿潤剤組成物が抗菌剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項8】
担体がセルロース、シリカゲル、クレー、炭水化物又はタンパク質ゲル化剤、親水コロイドゴム、及び親水性ポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項9】
凝固した湿潤剤組成物が活性炭をさらに含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項10】
凝固した湿潤剤組成物が酸素吸収剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項11】
結合剤がポリビニルピロリドン、熱可塑性樹脂、ワックス、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の製品。
【請求項12】
水蒸気透過性容器と、
該容器内に含まれる凝固した湿潤剤組成物とを含んでなり、
該凝固した湿潤剤組成物が
湿潤剤塩、
水、及び
担体
を含んでなる、環境内の相対湿度を制御する製品。
【請求項13】
容器が熱成形されたフェルト材料から構成されている、請求項12に記載の製品。
【請求項14】
容器がサシェの形態である、請求項12に記載の製品。
【請求項15】
容器がキャニスターの形態である、請求項12に記載の製品。
【請求項16】
サシェが微細に穿孔されたポリエステル/紙/ポリエチレン材料から構成されている、請求項14に記載の製品。
【請求項17】
キャニスターが穿孔されているか、又は、部分的にあるいは完全に焼結された微細孔を有する材料から作製される、請求項15に記載の製品。
【請求項18】
湿潤剤塩がCaCl2、K2CO3、LiCl2、NaCl、K2SO4、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の製品。
【請求項19】
容器内に抗菌剤をさらに含んでなる、請求項12に記載の製品。
【請求項20】
担体がセルロース、シリカゲル、クレー、炭水化物又はタンパク質ゲル化剤、親水コロイドゴム、及び親水性ポリマーからなる群から選択される、請求項12に記載の製品。
【請求項21】
凝固した湿潤剤組成物が活性炭をさらに含んでなる、請求項12に記載の製品。
【請求項22】
凝固した湿潤剤組成物が酸素吸収剤をさらに含んでなる、請求項12に記載の製品。

【公表番号】特表2008−519890(P2008−519890A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541259(P2007−541259)
【出願日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/039999
【国際公開番号】WO2006/052748
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(503264031)マルチソーブ テクノロジーズ インコーポレイティド (12)
【Fターム(参考)】