説明

湿式画像形成装置

【課題】簡易な方式で、現像装置において、残留した液体現像剤の効率的な除去を実行することが可能な湿式画像形成装置を提供する。
【解決手段】クリーニングブレード132は、供給ローラ130に付着している残留した液体現像剤をスクイズし、スクイズされた液体現像剤は回収槽133で回収される。回収槽133で回収された供給ローラ130のクリーニングブレード132から除去した液体現像剤は、ポンプ165により、クリーニング液給液部122に搬送される。現像装置115は、供給ローラ130のクリーニングブレード132から除去した液体現像剤をクリーニング液給液部122においてクリーニング液として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関し、キャリア液中にトナーを分散させてなる液体現像剤を用いて画像形成を行なう湿式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体上に形成された静電潜像がトナーにより現像されてそのトナー像が記録用紙に転写されて、画像が形成される。また、中間転写体を備えている場合は、トナー像が、一旦感光体から中間転写体へ一次転写されて、さらに中間転写体から記録用紙へ二次転写されて、画像が形成されることになる。このような画像形成装置の転写プロセスでは、一般に静電転写方式が採用されている。
【0003】
たとえば、感光体上のトナー像を被転写体である中間転写体へ一次転写する場合は、感光体と対向するように配置された中間転写体に電圧を印加し、感光体と中間転写体との間に電界を形成してこの電界によりトナー像を中間転写体に静電吸着させている。
【0004】
また、中間転写体のトナー像を被転写体である用紙へ転写する場合は、中間転写体と対向するように配置された用紙の裏面から転写ローラ等により電圧を印加し、中間転写体と用紙との間に電界を形成してこの電界によりトナー像を用紙に静電吸着させている。
【0005】
このような転写プロセスにおいて、電界に乱れが生じたり、トナーの感光体あるいは中間転写体への付着力が強過ぎたりすると一部のトナーが転写されずに感光体あるいは中間転写体上に残留し、転写効率が低下することになる。
【0006】
したがって、残留したトナー像を転写の都度、充分にクリーニングする必要がある。
このためのクリーニング手段としては、従来から種々のものが提案されており、例えば、特開2001−337572号公報においては、クリーニング液を給液して、中間転写体に残留したトナー像をクリーニング部材を用いて掻き取る一般的な構成が開示されている。
【0007】
また、特開2002−202669号公報および特開平10−177304号公報においては、感光体あるいは中間転写体で用いたクリーニング液を回収して、回収したクリーニング液を再利用する方式も開示されている。
【特許文献1】特開2001−337572号公報
【特許文献2】特開2002−202669号公報
【特許文献3】特開平10−177304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、湿式画像形成装置の転写プロセス前の現像プロセスにおいて、現像ローラは感光体に加圧接触されて、所定の接触幅(ニップ幅)を形成する。そして、現像ローラに付着している液体現像剤に分散されたトナーを感光体に移動させ、感光体に形成された静電潜像にトナーを付着させ、感光体の静電潜像を顕在化させている。
【0009】
この点で湿式画像形成装置では、現像ローラ表面の液体現像剤の薄層厚みを非常に薄く、しかも均一な厚みにする必要がある。液体現像剤の薄層厚みを均一にすることにより、細線の再現性が高まるという利点がある。一方、厚みが均一でない場合には、出力画像の濃度むらとなり良好な画像品質を維持することができないという問題がある。
【0010】
したがって、現像プロセスにおいても、現像ローラ等に残留した液体現像剤の除去は、感光体あるいは中間転写体における転写プロセスのみならず重要であるがこの点については、上記の特許文献には何ら開示されていない。
【0011】
現像ローラに対しても同様に、上記特開2001−337572号公報で示されているようにクリーニング液を給液して、クリーニング部材で残留した液体現像剤を掻き取る構成とするとともに、クリーニング液として、特開2002−202669号公報および特開平10−177304号公報に示されるように感光体あるいは中間転写体で用いたクリーニング液を再利用する構成が考えられる。
【0012】
しかしながら、現像プロセスが実行される現像装置内のクリーニングによる回収された液体現像剤は、トナー濃度(トナー/キャリア液比)が再調整されて、再び、現像槽で用いられる構成が一般的である。
【0013】
したがって、現像ローラに対して、クリーニング液を多量にかけてしまうと、現像槽においてトナー濃度が下がり過ぎてしまうことになり、トナー濃度を再調整するために大量のコンク液(高濃度現像液)が必要となり、クリーニング液の量を規制する必要がある。
【0014】
それゆえ、現像ローラに対して、クリーニング液を用いる場合、過剰供給とならないように複雑な制御をする必要がある。
【0015】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、簡易な方式で、現像装置において、残留した液体現像剤の効率的な除去を実行することが可能な湿式画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る湿式画像形成装置は、キャリア液にトナーが分散された液体現像剤を用いて像担持体上にトナー像を形成する湿式画像形成装置であって、像担持体にトナー像を形成するために液体現像剤を担持する現像部材と、像担持体へのトナー像形成後に現像部材に残留したトナーをクリーニングするための第1のクリーニング装置と、液体現像剤が蓄積された現像槽と、現像槽に蓄積された液体現像剤を現像部材に供給する供給装置と、現像部材への液体現像剤への供給に残留した液体現像剤を供給装置から取り除く第2のクリーニング装置と、第2のクリーニング装置により取り除かれた残留した液体現像剤を第1のクリーニング装置に搬送する搬送機構とを備える。第1のクリーニング装置は、搬送機構により搬送された残留した液体現像剤をクリーニング液として現像部材に給液する給液部材を含む。
【0017】
好ましくは、第1のクリーニング装置は、トナー像形成後に残留した液体現像剤を現像部材から取り除く第1のクリーニング部材を含む。第1のクリーニング部材により取り除かれた液体現像剤を再利用するために回収する回収装置をさらに備える。
【0018】
好ましくは、給液部材および第2のクリーニング装置は、自重方向に沿って、上方および下方にそれぞれ位置する。搬送機構は、第2のクリーニング装置により取り除かれた残留した液体現像剤を給液部材に搬送するポンプに相当する。
【0019】
好ましくは、供給装置は、現像槽から液体現像剤を汲み上げる汲み上げ部材と、汲み上げ部材で汲み上げられた液体現像剤を現像部材に供給する供給部材とを含む。
【0020】
特に、ポンプは、汲み上げ部材、供給部材あるいは現像部材の回転に従って回転する第1の回転駆動部材と、第1の回転駆動部材と歯車列を有する歯同士が噛み合う第2の回転駆動部材と、第2の回転駆動部材と連結され、第2の回転駆動部材の回転に従う回転力により第2のクリーニング装置により取り除かれた残留した液体現像剤を上方に搬送する回転羽とで構成される。
【0021】
好ましくは、給液部材および第2のクリーニング装置は、自重方向に沿って、下方および上方にそれぞれ位置する。搬送機構は、第2のクリーニング装置により取り除かれた残留した液体現像剤の自重により給液部材に搬送する搬送管に相当する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る湿式画像形成装置は、液体現像剤が蓄積された現像槽と、現像槽に蓄積された液体現像剤を現像部材に供給する供給装置と、現像部材への液体現像剤への供給に残留した液体現像剤を供給装置から取り除く第2のクリーニング装置と、第2のクリーニング装置により取り除かれた残留した液体現像剤を第1のクリーニング装置に搬送する搬送機構とを備える。第1のクリーニング装置は、搬送機構により搬送された残留した液体現像剤をクリーニング液として現像部材に給液する給液部材を含む。
【0023】
当該構成により、現像槽から供給する液体現像剤の一部を用いてクリーニング液として供給することにより、クリーニング液が過剰供給とならないように複雑な制御をする必要が無く、簡易な方式で、クリーニング液を給液することが可能であり、残留した液体現像剤の効率的な除去を実行することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明においては同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。
【0026】
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置には、ドラム状の像担持体である感光体110が設けられ、感光体110の周辺には矢印で示す回転方向の順に現像装置115、中間転写ローラ103、帯電装置105および露光装置106がそれぞれ配設される。
【0027】
感光体110の表面は、帯電装置105により所定の表面電位に一様に帯電される。そして、その後、露光装置106により画像情報の露光を行ない、感光体110の表面に静電潜像を形成する。次いで、感光体110上の静電潜像は、現像装置115によりトナーおよびキャリア液を含む液体現像剤で現像され、感光体110の表面にトナー像が形成される。このとき、トナーだけでなくキャリア液も感光体110の表面に付着する。
【0028】
そして、感光体110の表面に形成されたトナー像は、中間転写ローラ103に転写される。中間転写ローラ103に転写されたトナー像は、加圧ローラ102との間で記録用紙へ二次転写されて、画像が形成されることになる。そして、定着ローラ対104を用いて画像が記録用紙に定着される。
【0029】
ここで、液体現像剤は、キャリア液である絶縁性液体と、静電潜像を現像するトナーと、トナーを分散させる分散剤とを主要成分としている。
【0030】
キャリア液としては、一般に電子写真用液体現像剤に用いるものであれば特に制限することなく使用することができるが、中でも不揮発性の液体は好ましい。不揮発性液体としてはたとえば、シリコンオイル、ミネラルオイル、パラフィンオイル、鉱物油等を挙げることができる。
【0031】
トナーとしては、一般に電子写真用液体現像剤に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができる。トナー用結着樹脂としては、たとえばポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。またこれらの樹脂を複数、混合して用いることも可能である。また、トナーの着色に用いられる顔料および染料も一般に市販されているものを用いることができる。たとえば、顔料としては、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、シリカ、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ベンジジンイエロー、レーキレッドD等を用いることができる。染料としてはソルベントレッド27やアシッドブルー9等を用いることができる。
【0032】
液体現像剤の調製方法としては、一般に用いられる技法に基づいて調製することができる。たとえば、結着剤樹脂と顔料とを所定の配合比で、加圧ニーダ、ローラミルなどを用いて溶融混練して均一に分散させ、得られた分散体をたとえばジェットミルによって微粉砕する。得られた微粉末をたとえば風力分級機などにより分級することで、所望の粒径の着色トナーを得ることができる。そして、得られたトナーをキャリア液としての絶縁性液体と所定の配合比で混合する。この混合物をボールミル等の分散手段により均一に分散させ、液体現像剤を得ることができる。
【0033】
次に、本発明の実施の形態に従う現像装置115について説明する。
本発明の実施の形態に従う現像装置115は、感光体110と加圧接触される現像ローラ120と、トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤を貯蔵した現像槽145と、現像槽145から液体現像剤を汲み上げる汲み上げローラ140と、汲み上げローラ140により汲み上げられた液体現像剤を計量する規制ブレード141と、汲み上げローラ140により汲み上げられた液体現像剤を現像ローラ120に供給する供給ローラ130とを含む。互いに隣接しているローラは接触領域において同一方向に回転するものとする
現像ローラ120の周辺には矢印で示す回転方向の順に、帯電装置121、クリーニング液給液部122、およびクリーニングブレード123が配設される。そして、現像ローラ120には、一定量の液体現像剤が供給され、帯電装置121により現像ローラ120上の液体現像剤中に含まれるトナーに電荷が与えられる。その後、現像ローラ120により感光体110に搬送された荷電されたトナーは感光体110上において画像部を現像する。
【0034】
クリーニング液給液部122は、現像ローラ120に残留している液体現像剤を取り除くためにクリーニング液を給液する。
【0035】
クリーニングブレード123は、クリーニング液で給液された後の現像ローラ120に残留した液体現像剤を取り除き、取り除いた残留した液体現像剤は、再利用されるために回収槽124で回収される。そして、回収槽124で回収された液体現像剤は、濃度調整部180においてトナー濃度が調整されて現像槽145に排出される。
【0036】
なお、ここでは、クリーニング液給液部122、クリーニングブレード123および回収槽124とでクリーニング装置が構成される。
【0037】
供給ローラ130の周辺には、矢印で示す回転方向の順に帯電装置131およびクリーニングブレード132が配設される。
【0038】
汲み上げローラ140から供給ローラ130に対して一定量の液体現像剤が供給され、帯電装置131により供給ローラ130上の液体現像剤中に含まれるトナーに正の電荷が与えられる。現像ローラ120と供給ローラ130との間には正の電荷のトナーが現像ローラ120に移動するように電圧印加装置150により電圧が印加されている。
【0039】
クリーニングブレード132は、供給ローラ130に付着している残留した液体現像剤をスクイズし、スクイズされた液体現像剤は回収槽133で回収される。
【0040】
回収槽133で回収された供給ローラ130のクリーニングブレード132から除去した液体現像剤は、ポンプ165により、配管160を介してクリーニング液給液部122に搬送される。
【0041】
本発明の実施の形態に従う現像装置115は、供給ローラ130のクリーニングブレード132から除去した液体現像剤をクリーニング液給液部122においてクリーニング液として使用する。
【0042】
上述したようにクリーニング液を別に設ける場合には、クリーニングにより回収された液体現像剤のトナー濃度を再調整するためにクリーニング液が過剰供給とならないように複雑な制御をする必要があるが、本発明の実施の形態に従う構成においては、供給ローラ130に設けられたクリーニングブレード132により、供給ローラ130に付着している液体現像剤をスクイズし、スクイズされた液体現像剤をクリーニング液として用いる。
【0043】
供給ローラ130でスクイズする液体現像剤は、印字比率等によらず、常に一定量である。したがって、クリーニング液給液部122から給液されるクリーニング液を一定量とすることが可能である。
【0044】
また、現像槽145から汲み上げた液体現像剤の一部を用いてクリーニング液として供給することにより、汲み上げた液体現像剤以上の量の液体現像剤を現像槽145に排出することが無く、過剰なクリーニング液が供給されることは無い。すなわち、クリーニング液が過剰供給とならないように複雑な制御をする必要が無く、簡易な方式で、現像装置145において、現像ローラ120にクリーニング液を給液することが可能であり、残留した液体現像剤の効率的な除去を実行することが可能である。
【0045】
また、本例においては、供給ローラ130のクリーニングブレード132から除去した液体現像剤を回収する回収槽133と、クリーニング液給液部122との位置関係は、自重方向に沿って、クリーニング液給液部122の方が、回収槽133よりも上方に配置されているものとする。
【0046】
そして、ポンプ165を用いて回収槽133において回収された液体現像剤をクリーニング液給液部122に搬送するものとする。
【0047】
ポンプ165としては、液体現像剤を搬送可能な搬送機構であれば特にその種類等に限定されない。
【0048】
図2は、本発明の実施の形態に従うポンプの一例を説明する図である。
図2(a)を参照して、ここでは、配管内に回転軸215が設けられ、回転軸215と連結された回転羽216が示されている。
【0049】
当該回転羽216が回転軸215とともに回転することにより、配管内の液体現像剤が上方に搬送される。
【0050】
図2(b)は、回転軸215と連結された回転歯車210と、回転歯車210と歯が噛み合うように設けられた回転歯車205とが示されている。
【0051】
この回転歯車205は、回転軸200と連結され、回転軸200の回転に伴って、回転歯車205が回転する。
【0052】
回転軸は、本例においては、一例として汲み上げローラ140と連結されているものとする。
【0053】
汲み上げローラ140が回転することにより、回転軸200が回転する。そして、回転歯車205の回転に伴い、回転歯車210が回転する。これに伴い、配管内の回転羽216が回転して液体現像剤が上方のクリーニング液給液部122に搬送される。
【0054】
したがって、当該構成、すなわち、汲み上げローラ140の回転力を回転羽の回転力に変換する構成であるため、回転羽を回転させるモータ等を別途設ける必要が無く、簡易かつコスト的にも有利な搬送機構を構成することが可能である。
【0055】
なお、本例においては、一例として、汲み上げローラ140の回転力を回転羽の回転力に変換する構成について説明したが、これに限られず、例えば、供給ローラ130あるいは現像ローラ120の回転力を用いた構成とすることも可能である。
【0056】
図3は、本発明の実施の形態の変形例に従う湿式画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。
【0057】
図3を参照して、本発明の実施の形態の変形例に従う湿式画像形成装置は、図1で説明した湿式画像形成装置と比較して、現像装置115を現像装置115#に置換した点が異なる。その他の点については、図1で説明したのと同様である。
【0058】
現像装置115#は、現像装置115と比較して、供給ローラ130と、現像ローラ120との配置が異なる。また、これに伴い、供給ローラ130に設けられたクリーニングブレード132および回収槽133と、現像ローラ120に設けられたクリーニング液給液部122との配置が異なる。
【0059】
具体的には、供給ローラ130は、現像ローラ120よりも自重方向に沿って上方に設けられる。また、供給ローラ130に設けられたクリーニングブレード132および回収槽133は、現像ローラ120に設けられたクリーニング液給液部122よりも自重方向に沿って上方に設けられる。
【0060】
そして、本発明の実施の形態の変形例に従う湿式画像形成装置は、回収槽133からクリーニング液給液部122に対して、液体現像剤の自重により搬送される配管160#を設ける。
【0061】
当該構成により、ポンプ165を設ける必要が無く、さらに、簡易かつ、コスト的にも有利な搬送機構を構成することが可能である。
【0062】
また、本発明の実施の形態に従う構成においては、供給ローラ130で除去した液体現像剤をクリーニング液として使用して、再び、現像槽145に戻す構成である。すなわち、現像槽145から汲み上げた液体現像剤の一部が再び、現像槽145に戻ってくる構成である。液体現像剤は、上述したようにキャリア液である絶縁性液体と、静電潜像を現像するトナーと、トナーを分散させる分散剤とを主要成分としている。供給ローラ130で液体現像剤を除去することにより、その中に含まれている分散剤も除去されることになる。液体現像剤のこの分散剤等の成分が変化すると、液体現像剤の物性も変化することになる。供給ローラ130で除去した液体現像剤を廃棄する構成の場合には、分散剤が減少し、液体現像剤の物性も変化し易いが、本願発明の如く、供給ローラ130で除去した液体現像剤を再び現像槽145に戻すことにより、分散剤の減少を抑制し、液体現像剤の物性の変化を抑制することが可能となる。
【0063】
また、本発明の実施の形態に従う構成においては、汲み上げローラ140と、供給ローラ130とを設けることにより、現像槽145から液体現像剤を現像ローラ120に供給する構成について説明したが、当該構成に限られず、現像槽145から汲み上げる液体現像剤を計量し、所定量を現像ローラ120に供給する1つの供給ローラを設ける構成とすることも可能である。その他の点については、上記したのと同様である。
【0064】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うポンプの一例を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態の変形例に従う湿式画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。
【符号の説明】
【0066】
102 加圧ローラ、103 中間転写体、104 定着ローラ対、105,121,131 帯電装置、106 露光装置、110 感光体、115,115# 現像装置、120 現像ローラ、122 クリーニング液給液部、123,132 クリーニングブレード、124,133 回収槽、130 供給ローラ、140 汲み上げローラ、141 規制ブレード、145 現像槽、165 ポンプ、180 濃度調整部、200,215 回転軸、205,210 回転歯車、216 回転羽。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア液にトナーが分散された液体現像剤を用いて像担持体上にトナー像を形成する湿式画像形成装置であって、
前記像担持体にトナー像を形成するために前記液体現像剤を担持する現像部材と、
前記像担持体へのトナー像形成後に前記現像部材に残留したトナーをクリーニングするための第1のクリーニング装置と、
前記液体現像剤が蓄積された現像槽と、
前記現像槽に蓄積された前記液体現像剤を前記現像部材に供給する供給装置と、
前記現像部材への前記液体現像剤への供給に残留した液体現像剤を前記供給装置から取り除く第2のクリーニング装置と、
前記第2のクリーニング装置により取り除かれた残留した液体現像剤を前記第1のクリーニング装置に搬送する搬送機構とを備え、
前記第1のクリーニング装置は、前記搬送機構により搬送された残留した液体現像剤をクリーニング液として前記現像部材に給液する給液部材を含む、湿式画像形成装置。
【請求項2】
前記第1のクリーニング装置は、トナー像形成後に残留した液体現像剤を前記現像部材から取り除く第1のクリーニング部材を含み、
前記第1のクリーニング部材により取り除かれた液体現像剤を再利用するために回収する回収装置をさらに備える、請求項1記載の湿式画像形成装置。
【請求項3】
前記給液部材および第2のクリーニング装置は、自重方向に沿って、上方および下方にそれぞれ位置し、
前記搬送機構は、前記第2のクリーニング装置により取り除かれた残留した液体現像剤を前記給液部材に搬送するポンプに相当する、請求項1記載の湿式画像形成装置。
【請求項4】
前記供給装置は、
前記現像槽から前記液体現像剤を汲み上げる汲み上げ部材と、
前記汲み上げ部材で汲み上げられた前記液体現像剤を前記現像部材に供給する供給部材とを含む、請求項1記載の湿式画像形成装置。
【請求項5】
前記ポンプは、
前記汲み上げ部材、前記供給部材あるいは前記現像部材の回転に従って回転する第1の回転駆動部材と、
前記第1の回転駆動部材と歯車列を有する歯同士が噛み合う第2の回転駆動部材と、
前記第2の回転駆動部材と連結され、前記第2の回転駆動部材の回転に従う回転力により前記第2のクリーニング装置により取り除かれた残留した液体現像剤を上方に搬送する回転羽とで構成される、請求項4記載の湿式画像形成装置。
【請求項6】
前記給液部材および第2のクリーニング装置は、自重方向に沿って、下方および上方にそれぞれ位置し、
前記搬送機構は、前記第2のクリーニング装置により取り除かれた残留した液体現像剤の自重により前記給液部材に搬送する搬送管に相当する、請求項1記載の湿式画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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