説明

溜池の堤体における複合型底樋

【課題】取水の確実化と、溜池の保守管理の確実化を達成し得る、溜池の堤体における複合型底樋を提供する。
【解決手段】溜池2の堤体3の下端部分に、下端部分を水平に横切るように設けられた複合型底樋である。堤体の遮水性ゾーン7で構築された剛管路構造物10に、可撓性連結部を介して、本体ゾーン9で構築された柔管路構造物12を連結する。剛管路構造物10は、その内端部が取水構造物22に連結されており、その長さ方向の中間部位に遮水壁部17が設けられている。取水構造物22に設けられた排泥用開口部25が扉体23により開閉可能となされており、取水構造物の上部分には、取水用の樋体27が連結されている。柔管路構造物12は、可撓性の樹脂管223,223相互を可撓性継手部225を介して連結してなり、その外端は排出口41とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溜池の堤体における複合型底樋に関するものであり、より詳しくは、剛構造の管路構造物と柔構造の管路構造物とを連結して構築されることを基本として、長期間に亘って安定構造を維持し、漏水を抑制して取水を確実に行うことのできる溜池の堤体における複合型底樋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溜池の堤体における底樋は、該堤体の構造的な安定性を長期間に亘って確保させると共に、該堤体における漏水を抑制して溜池における取水を確実に行わせ、然も、溜池の底部に堆積した泥状物の排除を容易且つ確実に行わせる上で、非常に重要な構造物と言える。ここに溜池aの堤体bは、図28に示すように、全体が土構造物であって断面外形が台形状を呈しており、溜池側(内側部分)をなす、溜池の水が漏水するのを防止するように構成された透水性の低い遮水性ゾーンcと、該遮水性ゾーンcの外側部分をなす、現地で産出される土を盛土してなる本体ゾーンdとから構成されている。
【0003】
そして、かかる底樋としては従来、主として図28に示すような、全体を剛構造の剛管路構造物eを用いて構築した剛構造の底樋fと、図30に示すような、全体を柔構造の柔管路構造物gを用いて構築した柔構造の底樋hの2つのタイプがあった。
【0004】
該剛構造の底樋fは、図28に示すように、構築せんとする堤体bの下端部分を水平に横切るようにヒューム管を接続状態に敷設して後、その周囲を取り囲むように鉄筋を組立て、その後、現場打ちコンクリートを打設して全体を一体化して剛管路構造物eを構築してなるものであり、該剛管路構造物eは、その延長方向に略20mの間隔を置いて2〜3箇所、可撓性目地部kが設けられていた。そして該剛管路構造物eの、堤体bの溜池側をなす前記遮水性ゾーンcに存する部分で、その外面mに密着した状態で該剛管路構造物eを周方向に取り囲むようにコンクリート製の止水壁部nが設けられており、該止水壁部nは、該底樋に沿った水の流れを遮水する機能を有していた。
【0005】
又、前記剛管路構造物eの溜池側の内端部pは取水構造物qに連結されており、該取水構造物qには、図29に示すように、溜池aで開放され且つ、上下動する扉体sにより開閉可能となされた排泥用開口部tが設けられてなり、該扉体sが開放されることによって、溜池aの底部に堆積した泥状物を排除できるようになされていた。又、該取水構造物qの上部分uには、前記堤体bの内側部分において傾斜状態で配設された取水用の斜樋vの下端樋部wが連結されており、該斜樋vに設けられた取水バルブyを操作軸zの回転操作により開くことによって該斜樋v内に貯留水を流入させ、これを前記下端樋部wから前記取水構造部q内に流入させることにより、溜池aの貯留水を前記剛管路構造物eを通してその外端の排出口a1で堤体外に排出させ得るように構成されていた。
【0006】
一方前記柔構造の底樋hは、図30に示すように、構築せんとする堤体bの下端部分を水平に横切るように、鋳鉄管や樹脂管(4〜5m程度の長さを有するもの)を、例えばソケット継手等の凹凸の嵌め合わせ構造からなる可撓性継手部a2を介して順次接続して配設することにより柔管路構造物gを構築してなるものであった。
【0007】
そして該柔管路構造物gの、堤体bの溜池側をなす前記遮水性ゾーンcに存する部分で、その外面a3に密着した状態で該柔管路構造物gを周方向に取り囲むようにコンクリート製の止水壁部a4が設けられており、該止水壁部a4は、該底樋に沿った水の流れを遮水する機能を有していた。
【0008】
又、前記柔管路構造物gの溜池側の内端部a5は取水構造物a6に連結されている。該取水構造物a6には、図31に示すように、溜池aで開放され且つ、上下動する扉体a7により開閉可能となされた排泥用開口部a8が設けられてなり、該扉体a7が開放されることによって、溜池aの底部に堆積した泥状物を排除できるようになされていた。又、該取水構造物a6の上部分a9には、前記堤体aの内側部分において傾斜状態で配設された取水用の斜樋a10の下端樋部a11が連結されており、該斜樋a10に設けられた取水バルブa12を操作軸a13の回転操作により開くことによって該斜樋a10内に貯留水を流入させ、これを前記下端樋部a11から前記取水構造物a6内に流入させることにより、溜池aの貯留水を前記柔管路構造物gを通してその外端の排出口a14で堤体外に排出させ得るように構成されていた。
【0009】
しかしながら、かかる従来の剛構造の底樋fや柔構造の底樋hによるときには次のような問題点があった。
【0010】
〔1〕剛構造の底樋の問題点
前記堤体bは、前記のように全体が土構造物であって、溜池側としての内側部分をなす遮水性ゾーンcと、該遮水性ゾーンcの外側部分をなす本体ゾーンdとから構成されており、該遮水性ゾーンcを構成する土と該本体ゾーンdを構成する土は、圧縮による沈下等の性状が異なる。そのため、施工現場でコンクリートを打設して構築してなる前記剛管路構造物eを用いる剛構造の底樋fによるときは、前記遮水性ゾーンcと前記本体ゾーンdとの境界部分でせん断力が作用して該剛管路構造物eが破損する問題が発生した。又、該遮水性ゾーンcと該本体ゾーンdにおける沈下の度合いによって該剛管路構造物eの周辺に隙間が生じ、この隙間を通して溜池の貯留水が漏水する現象が発生した。
【0011】
なお前記のように、該剛管路構造物eには、その延長方向に略20mの間隔を置いて2〜3箇所、可撓性目地部kが設けられてはいるが、前記沈下に追従し難い場合が生じ、該剛管路構造物eの破損や漏水現象を防止できない問題があった。
【0012】
又、前記堤体bの形状からする剛管路構造物eの破損の問題もあった。即ち、該堤体bは断面外形が台形状を呈するため、土構造物である該堤体の沈下が不均一に発生することになり、従って、剛管路構造物eに堤体の土から作用する荷重が異なり、一体化した長い剛管路構造物eの一部分に集中荷重が作用して剛管路構造物の破損を招き、該剛管路構造物がその機能が果たせなくなる問題も発生した。かかる集中荷重の作用によって剛管路構造物が破損しないまでも、その周辺に隙間が発生し、この隙間を通して溜池の貯留水が漏水する現象が発生することにもなった。
【0013】
〔2〕柔構造の底樋の問題点
前記した柔管路構造物gを具える柔構造の底樋hにあっては、土構造物である前記堤体の沈下に追従して該柔管路構造物gが下方に向けて緩やかに湾曲変形できるため、前記した剛管路構造物eにおけるように破損したり、管路構造物の周囲に隙間が生じて漏水しやすいという問題は発生しにくい。
【0014】
しかしながら、前記鋳鉄管を、凹凸の嵌め合わせ構造からなる可撓性継手部a2を介して順次接続することによって柔管路構造物を構築してなる場合にあっては、鋳鉄管そのものは可撓性を有さず、継手部だけが可撓性を有するため、土の沈下に追従して柔管路構造物gが下方に向けて緩やかに撓み変形するということができず、4〜5m毎の可撓性継手部a2で屈曲して追従することになる。そのため、該鋳鉄管の周辺に間隙が生じやすく、この間隙を通して溜池の貯留水が漏水する問題があった。又、該鋳鉄管は外形形状が円形であるために、該鋳鉄管の底部側への土の充填が難しくこの下側の充填部分に隙間が生じやすく、この隙間を通して漏水しやすい問題もあった。
【0015】
一方、前記樹脂管を、凹凸の嵌め合わせ構造からなる可撓性継手部a2を介して順次接続することによって柔管路構造物gを構築してなる場合は、継手部が可撓性を有することに加えて該樹脂管自体が可撓性を有するため、該柔管路構造物gの全体が土の沈下に緩やかに追従できる。かかることから、該柔管路構造物gの周辺に隙間が生じにくい。しかしながらこの場合は、該柔管路構造物gがその全体に亘って緩やかに湾曲変形するために、その溜池側に設けられている前記止水壁部a4が該柔管路構造物gの湾曲変形に引きずられて、垂直面内で回転方向に変形して該止水壁部a4の周辺に隙間が生じ、この隙間を通して溜池の貯留水が漏水する問題があった。
【0016】
更には、該柔管路構造物gの湾曲変形に伴って前記取水構造部a6が傾く場合も生じ、該取水構造部a6に対する前記斜樋の下端接続部分a15が破壊されて、該取水構造部a6への貯留水の流入が不可能の事態を招いたり、該取水構造物が傾くことに伴い前記扉体の上下動作が阻害され、該扉体の開閉が円滑に行い難くなったり、該扉体が前記排泥用開口部を閉じた状態における止水性能が悪化する問題を招来した。
【0017】
加えて、樹脂管は円形管で軽量であるため、構築された柔管路構造物gの周囲に土を充填して底樋を土中に埋設する際、該柔管路構造物gの底部側への土の充填が難しく、その周辺に隙間が生じやすく該隙間を通して漏水する問題があった。前記のように遮水性ゾーンcは、溜池の貯留水が漏水するのを確実に防止できる安定性を要求されるのであるが、該遮水性ゾーンcでかかる隙間が生じて漏水しやすいことは、堤体の底樋として重大な欠陥であった。
【0018】
【特許文献1】特開2007−231531号公報(図1、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、長期間に亘って安定構造を維持し、漏水を抑制して取水を確実に行うことができ、又、溜池の保守管理を確実に行うことを可能とする、溜池の堤体における複合型底樋の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る溜池の堤体における複合型底樋(以下複合型底樋という)は、溜池の堤体の下端部分に該下端部分を水平に横切るように設けられて溜池の貯留水を排出可能とする、溜池の堤体における複合型底樋であって、前記堤体の溜池側としての内側部分をなす、溜池の貯留水が漏水するのを防止する遮水性ゾーンで構築された剛構造の剛管路構造物に、可撓性連結部を介して、堤体の前記遮水性ゾーンの外側部分をなす本体ゾーンで構築された柔構造の柔管路構造物を連結してなる。そして前記剛管路構造物は、下面が平坦であり且つ軸線方向に水路が設けられたコンクリート製の暗渠であり、又、該管路構造物の長さ方向の中間部位に、該中間部位を周方向に取り囲むように該中間部位の外面で突設されたコンクリート製の遮水鍔部を有する遮水壁部が設けられてなり、該剛管路構造物の、前記溜池側の内端部は取水構造物に連結されている。該取水構造物には、前記溜池で開放され且つ扉体により開閉可能となされた排泥用開口部が設けられてなり、又、該取水構造物の上部分には、前記堤体の内側部分において配設された、前記貯留水を取水するための樋体の下端樋部が連結されている。又、前記柔管路構造物は、可撓性を有する樹脂管相互を可撓性継手部を介して順次連結することにより構成されており、該柔管路構造物の内端部は前記可撓性連結部を介して前記剛管路構造物に連結されると共にその外端は、堤体外に前記貯留水を排出するための排出口とされていることを特徴とするものである。
【0021】
前記複合型底樋において、前記剛管路構造物を、プレキャストコンクリート製であり且つ軸線方向に水路が設けられた暗渠ブロックの複数個を水密に接合一体化して構築されたものとし、該暗渠ブロックが、プレキャストコンクリート製の支持板で支持されると共に、隣り合う支持板間に、ベントナイト又は、ベントナイトが混合された混合充填材が充填されたものとして構成するのがよい。
【0022】
前記各複合型底樋において、前記遮水壁部は、前記剛管路構造物の延長方向で見て前後に分割された、プレキャストコンクリート製の前壁部材と後壁部材との間で、前記暗渠ブロックの連結部に介在された遮水シートを挾持したものとし、該遮水シートは、前記剛管路構造物の水路に連通する連通孔を有したものとし、該連通孔の周縁部分は、前記暗渠ブロック間で挾持された状態にあり、又、前記前壁部材と前記後壁部材とは連結一体化されたものとして構成するのがよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る複合型底樋は、漏水しにくい遮水性ゾーンで、下面が平坦な剛管路構造物を構築し、該鋼管路構造物に、可撓性連結部を介して、本体ゾーンで構築される柔管路構造物を連結した構成を有している。従って本発明によるときは、長期間に亘って安定構造を維持し、漏水を抑制して止水を確実に行うことができ、然も、溜池の底部に堆積した泥状物の排除を容易且つ確実に行わせることができる。以下、これをより具体的に説明する。
【0024】
(a) 上記構成を有する本発明によるときは、柔管路構造物が撓み変形したとしてもその変形が可撓性連結部で吸収されること、剛管路構造物は元々、漏水しにくい前記遮水性ゾーンに配設されていること、剛管路構造物の下面が平坦に形成されているため、該剛管路構造物の下部に密実に土を充填することができること、柔管路構造物が湾曲変形してもその変形の影響が前記剛管路構造物に及ばないことによって、堤体における漏水を効果的に抑制できることになる。
【0025】
(b) 前記のように、剛管路構造物は、全体が剛構造であって撓み変形せず、又、該剛管路構造物は沈下しにくい遮水性ゾーンで構築されていて沈下しにくい。しかも、前記柔管路構造物の湾曲変形によって、その前端が沈下したり傾いたりする等の変形を生じても、この変形は前記可撓性連結部で吸収され、該剛管路構造物の構造的な安定性が長期間に亘って維持される。
【0026】
かかることから、前記遮水性ゾーンと前記本体ゾーンとの境界部分で剪断力が作用して底樋破損を招いて漏水を生じさせたり、該鋼管路構造物に接続される取水構造物に対する取水用の樋体の連結部の破損を招いて取水不良を生じさせたりすることがない。又、該剛管路構造物が垂直面内で回転方向に変形することがないため、これが接続される取水構造物の排泥用開口部を開閉する扉体の上下動作が阻害されることなく、排泥用開口部の開閉操作を長期間に亘って円滑に行うことができる。これによって、溜池の維持管理のために、溜池の底部に堆積した泥状物の排除を長期間に亘って容易且つ確実に行い得ることとなる。
【0027】
(2) 本発明に係る剛管路構造物を、プレキャストコンクリート製であり且つ軸線方向に水路が設けられた暗渠ブロックの複数個を水密に接合一体化して構築すると共に、該暗渠ブロックの下面をプレキャストコンクリート製の支持板で支持させ、隣り合う支持板間にベントナイト又は、ベントナイトが混合された混合充填材を充填させるときは、該充填されたベントナイトが水分を吸収して膨張することにより該膨張したベントナイトの上面を剛管路構造物の下面に密着状態となし得る。これにより、該下面と該上面との間で水が流れるのを阻止でき、該剛管路構造物の下面側における間隙(水みち)の発生を抑制でき、該剛管路構造物の下面側における遮水効果を向上させ得ることとなる。
【0028】
(3) 前記剛管路構造物に付設する遮水壁部を、前後に分割された前壁部材と後壁部材とにより構成し、該前壁部材と後壁部材との間で、暗渠ブロックの接合部に介在された止水シートを挾持する如くなし、該止水シートには、該剛管路構造物の水路に連通する連通孔を設けたものとし、該連通孔の周辺部分を暗渠ブロック間で挾持された状態にすると共に該前壁部材と該後壁部材とを連結一体化する構成を採用するときは、前記止水壁部を、プレキャストコンクリート製の部材を用いて能率良く確実に構築し得る利点がある。
【実施例1】
【0029】
図1において本発明に係る複合型底樋1は、溜池2の堤体3の下端部分5に、該下端部分5を水平に横切るように配設されており、溜池2の貯留水6を排出させるものである。そして該堤体3は、全体が土構造物であって断面外形が台形状を呈しており、透水性の低い遮水性ゾーン7と、その外側部分をなす本体ゾーン9とから構成されている。該遮水性ゾーン7は、溜池2側(内側部分)をなし、溜池の貯留水6が漏水するのを防止するゾーンであり、砂利と粘土の混合物からなる盛土材を盛土して構築されている。又、前記本体ゾーン9は、前記遮水性ゾーン7の外側部分をなすものであり、現地で産出される土を盛土して構築されている。
【0030】
該複合型底樋1の基本的な構成を図1に基づいて説明すれば、前記遮水性ゾーン7で構築された剛構造の剛管路構造物10に、可撓性連結部11を介して、前記本体ゾーン9で構築された柔構造の柔管路構造物12を連結してなるものである。
【0031】
該剛管路構造物10は、図2〜3に示すように、下面13が平坦であり、本実施例においては水平面に形成されており、且つ軸線方向に水路15(図3)が設けられたコンクリート製の暗渠であり、その長さ方向の中間部位16に遮水壁部17が設けられている。該遮水壁部17は、該中間部位16を周方向に取り囲み且つ該中間部位16の外面19で突設されたコンクリート製の遮水鍔部20を有している。そして該剛管路構造物10の前記溜池2側の前端部21は取水構造物22に連結されている。該取水構造物22には、前記溜池2で開放され且つ扉体23により開閉可能となされた排泥用開口部25(図3)が設けられている。又、該取水構造物22の上部分(頂部)26には、図2に示すように、前記貯留水を取水するための樋体27の下端樋部(本実施例においては、堤体の内側傾斜面に沿って傾斜状態で配設された取水用の斜樋29の下端部分)30が連結されている。
【0032】
一方、前記柔管路構造物12は、図1、図4に示すように、樹脂管31,31相互を可撓性継手部32を介して順次接続することにより構成されており、軸線方向に水路33が設けられている。そして、該柔管路構造物12の内端部(前端部)40は前記可撓性連結部11を介して前記剛管路構造物10に連結されると共に、その外端(後端)は、図1、図5に示すように、堤体外に前記貯留水6を排出するための排出口41とされている。
【0033】
以下、これをより具体的に説明する。
前記取水構造物22は図2〜3、図6〜7に示すように、ボックス状に構成されており、施工箇所の基礎面(本実施例においては、後述する支持板82の上面83)42上で、軸線方向を前記複合型底樋1の延長方向に合わせてプレキャストコンクリート製の箱型取水部材43を配設すると共に、その前後の開放端45,46をプレキャストコンクリート製の前の端面板47とプレキャストコンクリート製の後の端面板49で、ブチルゴム等の弾性止水材50を介して閉塞してなる。該箱型取水部材43と該前後の端面板47,49とを一体化するには、例えば図6〜7に示すように、該箱型取水部材43の四隅部において、PC鋼材からなる連結棒51を挿通させ、該連結棒51を緊張して行うことができる。
【0034】
該箱型取水部材43は、図8に示すように、角筒状を呈しており、前記連結棒51を挿通させるための挿通孔52が四隅部に貫設されている。そしてその頂板53には、その側方に稍変位した状態で円形状の流入開口55が貫設されている。
【0035】
又、前記前の端面板47は図8に示すように、上下に稍長い矩形板状を呈し、その上端56には、前方(溜池側)に向けて突出する張出支持板57が突設されている。そして、下側の中央部分には前記排泥用開口部25が設けられており、該排泥用開口部25の四隅部には、前記箱型取水部材43の四隅部に設けた前記挿通孔52に連通せしめられ且つ前記連結棒51を挿通させるための挿通孔59,59,59,59が設けられている。該挿通孔59の前側部分は、拡大した連結用凹部60とされている。
【0036】
そして、かかる構成を有する前の端面板45が前記箱型取水部材43の前の開放端45を弾性止水材50(図7)を介して閉塞した状態で、その上側部分62が、該箱型取水部材43の上面61の上方に突出状態となる。又、該前の端面板47の中央部の上側部位には水抜き孔63(図6)が設けられており、該水抜き孔63は、該前の端面板47が前記取水構造物22を構築した状態で、該前の端面板47の後側に溜まった水を前側に排水させる。
【0037】
前記後の端面板49は、図8に示すように矩形板状を呈し、その四隅部には、前記箱型取水部材43の四隅部に設けた前記挿通孔52に連通せしめられ且つ前記連結棒51を挿通させるための外挿通孔65が設けられると共に、該外挿通孔65の後側部分は、拡大した連結用凹部66とされている。又、該後の端面板49の中央部分には、図8、図3に示すように、前記剛管路構造物10の水路15に連通する円形状の流出口67が設けられており、その四隅部には、前記剛管路構造物10の前記前端部21を連結するための、PC鋼材からなる連結軸69(図15)を挿通させる内挿通孔70が貫設されている。該内挿通孔65の前側部分は、拡大した連結用凹部68とされている。
【0038】
然して、前記箱型取水部材43の前後の開放端47,49を、周方向に連続する弾性止水材50,50(図7)を介して前の端面板47と後の端面板49で閉塞し、この状態で、図7に示すように、四隅部の夫々において連通状態にある前記挿通孔59,前記挿通孔52,前記外挿通孔65に前記連結棒51を挿通すると共に、前記両端の連結用凹部60,66において、該連結棒51の両端部分をなす雄ネジ部71,71に、座金72を介してナット73を螺合し締め付けることにより全体を一体化でき、これにより、図2〜3、図6に示すようなボックス状の前記取水構造物22を構成できる。なお該連結用凹部60,66は、ナット73を締め付けた後にモルタル75(図7(A)を充填する。
【0039】
該取水構造物の前記排泥用開口部25の下面78は、本実施例においては、図3、図1に示すように、その前方に延長する水平な洗掘防止のためのコンクリート製の水平保護面76に略面一に連なり、この水平保護面76は、溜池2の底面77に面一状態に連なっている。
【0040】
又本実施例において該取水構造物22は、図6に示すように、その下面79の左右部分80,80が、施工箇所の設置面81に敷設されたコンクリート製の支持板(例えば100mm程度の厚さを有する)82,82の上面(前記基礎面42)83,83に設置され、該支持板82,82間にベントナイト85が密に充填されている。このように充填されたベントナイト85は、水分吸収に伴って膨張するため、前記取水構造物22の下面79に、膨張したベントナイト85の上面87が密着状態となり、これにより、該下面86と該上面87との間で水が流れるのが阻止され、前記取水構造物22の下面側における止水効果が向上されている。
【0041】
又、前記前の端面板47に設けられている前記排泥用開口部25の両側部位には、図9〜10に示すように、上下方向に延長するガイド部89、89が設けられており、前記扉体23は、その両側部分91,91が該左右のガイド部89、89でガイドされて昇降可能となされている。そして該扉体23は、図2、図9(A)、図10(A)に示すように、最下降状態で該排泥用開口部25を閉じる一方、図9(B)、図10(B)に示すように、最上昇状態で該排泥用開口部25を開放するようになされている。
【0042】
該扉体23の昇降操作は、図9〜10に示すような昇降装置92を用いて行われる。該昇降装置92は、前記張出支持板57の上面に設置された支持台93のラック駆動装置に設けられたハンドル95を正逆回転操作することによって上下動するラック棒96の下端に、前記扉体23がピンで連結されており、該ラック棒96の上下動によって該扉体23が前記のように昇降できる。そして、図示しない階段を降りて前記昇降装置92のハンドル95を回転操作して前記扉体23を昇降操作する。
【0043】
又、前記箱型取水部材43の前記頂板53に設けられている前記流入開口55には、図11、図2に示すように、前記取水用の樋体27の下端樋部30が連結されている。該下端樋部30は、垂直筒体103の上端に、前記溜池2の内側部分の法面105に向けて突出する傾斜筒体106が屈曲形成されてなり、該垂直筒体103の下端部分107が前記流入開口55に挿入されてモルタル109で固定されている。そして、該傾斜筒体106の上端が開放されて、前記溜池2の貯留水6を取水するための下端の取水口110が形成されている。又、該傾斜筒体106の側面部には、図11〜12に示すように、前記溜池2の内側部分において傾斜状態(前記法面105に沿って傾斜しており、且つ、該法面105に直交する矢視F方向で見て傾斜した状態)で配設された斜樋112の下端113が連結されている。本実施例においては、該斜樋112と前記下端樋部30、傾斜筒体106とで前記取水用の樋体27が構成されている。
【0044】
そして、該斜樋112の上端と長さ方向の中間部位には、前記溜池2の貯留水6を取水するための上端の取水口115と中間の取水口116が設けられている。これらの取水口110,116,115は、共に、前記法面105の傾斜方向で上下スライドし得る開閉板117で開閉可能とされており、該開閉板117は、該法面105に沿って配設された操作ロッド119の下端120に連結されている。該操作ロッド119は、その軸線方向で適宜、軸受121で支持され、その上端部分は、前記堤体3の頂上部分に配設された軸受台125で軸支されてなり、該操作ロッド119の上端に取り付けられたハンドル122を正逆回転操作することによって前記開閉板117を上下スライド可能となされている。
【0045】
然して、溜池2の水深に応じて所要高さの取水口を開くことにより該斜樋112内に貯留水6を流入させることができ、これを、前記下端樋部30を介して前記取水構造物22内に流入させることにより、該貯留水を、前記剛管路構造物10と前記柔管路構造物12を通して流すことができ、該柔管路構造物12の外端の排出口41で堤体外に排出させ得る。
【0046】
前記剛管路構造物10は、本実施例においては図2〜3、図13〜14に示すように、プレキャストコンクリート製であり且つ軸線方向に水路15が設けられた暗渠ブロック123の複数個を水密に接合一体化して構築されている。該暗渠ブロック123としては、長さの長い第1の暗渠ブロック123aと、長さの短い第2の暗渠ブロック123bの2種類を用いる。
【0047】
該第1の暗渠ブロック123aは図8に示すように、下面125と上面126が水平面に形成されると共に左右の外側面127,127が傾斜面に形成された、横断面外形が台形状を呈し、且つ、軸線方向に円形の水路(内径は、例えば600mm)15が設けられており、全長は例えば1500mmに設定されている。又、左右の側面部127,127の上下には夫々、PC鋼材からなる連結軸69(図14〜15)を挿通させるための挿通孔130が、該第1の暗渠ブロック123aの左右の側面部127,127の上下位置で貫設されている。そして、該第1の暗渠ブロック123aの左右の側面部127,127には、図8、図15に示すように、各挿通孔130をその長さ方向の中央部分で途切れ状態とするように、前記外側面127,127を凹ませて連結用凹部131が設けられている。又、該第1の暗渠ブロック123aの前端面132には、図8、図16(C)に示すように、前記水路15の前端133を取り囲むようにシール材嵌着溝135が設けられ、該シール材嵌着溝135に環状の弾性シール材136を嵌め入れて接着されており、該弾性シール材135が該前端面132から突出状態とされている。
【0048】
又、前記第2の暗渠ブロック123bは、図8、図13〜14に示すように、前記第1の暗渠ブロック123aと同様の構成を有してはいるが長さは短く形成された(例えば1000mmに形成されている)ブロック本体137の円形の水路15の後端154に、可撓性樹脂管139を用いてなる前記可撓性連結部11が突設されている。
【0049】
該可撓性樹脂管139は本実施例においては図13、図17〜18、図24に示すように、全長が例えば800mmの長さを有し、例えばポリエチレン製の円筒管141の外周面に螺旋状のリブ142が巻回されてなる、軸線方向に通水用円形孔143が設けられたリブ付き耐圧円筒管であり、その後端側の部分139aは、後述する樹脂管223のソケット部237に嵌め入れられる。そして、該後端側の部分139aの外周面146に周設された嵌着溝147に、リング状を呈するブチルゴム等のゴム製シール部材149の基端部150が嵌着されており、その先端部151が該外周面146から突出している。かかる構成を有する可撓性樹脂管139は、その前側部分152が、その通水用円形孔143の内面153を前記水路15の内面155と合致させた状態で前記ブロック本体137に埋設されている。これにより、前記可撓性樹脂管139の後側部分が前記ブロック本体137の後端154に、例えば500mm程度突出状態となって前記可撓性連結部11が形成されている。
【0050】
然して、該第1の暗渠ブロック123aと該第2の暗渠ブロック123bとを用いて剛管路構造物10を構築するに際しては、先ず図13〜15に示すように、1番目の第1の暗渠ブロック123a1の前端面132を、その水路15の前端133を前記取水構造物22の前記流出口67に連通させると共に前記挿通孔130を前記内挿通孔70に連通させて、前記後の端面板49の後面156に当接させる。この状態で、該第1の暗渠ブロック123a1の四隅部の夫々において連通状態にある前記挿通孔130と前記内挿通孔70に前記連結軸69を挿通すると共に、図15、図16(A)(B)に示すように、該連結軸69の両端部分をなす雄ネジ部157,157を前記連結用凹部68,131に突出状態とし、該連結用凹部68,131において、該雄ネジ部157,157に、座金159を介してナット160を螺合し締め付け、該第1の暗渠ブロック123a1を前記弾性シール材136を圧縮状態にして前記取水構造物22に連結する。
【0051】
その後、図13〜15に示すように、2番目の第1の暗渠ブロック123a2の前端面132を、その水路15の前端133を前記1番目の第1の暗渠ブロック123a1の前記水路15の後端161に連通させると共に挿通孔130,130相互を連通させて、該1番目の第1の暗渠ブロック123a1の後端面162に当接させ、該第1の暗渠ブロック123a1,123a2の四隅部の夫々において連通状態にある前記挿通孔130,130に前記連結軸69を挿通すると共に、図15、図6(B)に示すように、該連結軸69の両端部分をなす雄ネジ部157,157を前記連結用凹部131,131に突出状態とし、前記連結用凹部131,131において、該雄ネジ部157,157に、座金159を介してナット160を螺合し締め付け、該第1の暗渠ブロック123a1,123a2相互を、前記弾性シール材136を圧縮状態にして連結する。
【0052】
その後、図13〜15に示すように、3番目の第1の暗渠ブロック123a3を前記2番目の第1の暗渠ブロック123a2の後端に、連結軸69を用いて同様に連結すると共に、4番目の第1の暗渠ブロック123a4を該3番目の第1の暗渠ブロック123a3の後端に、連結軸69を用いて同様に連結する。然る後、前記第2の暗渠ブロック123bを、該4番目の第1の暗渠ブロック123a4の後端に、連結軸69を用いて同様に連結する。これにより、可撓性連結部11が後端に設けられた剛管路構造物10が構築されることになる。なお、前記各連結用凹部131には、ナット160を締め付けた後にモルタルを充填する。
【0053】
なお本実施例においては図2、図13に示すように、1番目の第1の暗渠ブロック123a1の前側部分165の下面166と、1番目の第1の暗渠ブロック123a1と2番目の暗渠ブロック123a2相互の連結部分167の下面169,170と、該2番目の第1の暗渠ブロック123a2と3番目の暗渠ブロック123a3相互の連結部分171の下面172,173と、4番目の第1の暗渠ブロック123a4と前記第2の暗渠ブロック123bの連結部分175の下面176,177と、該第2の暗渠ブロック123bの後側部分179の下面180が、夫々、その全幅に亘って、施工箇所の設置面81に敷設されたコンクリート製の支持板(例えば100mm程度の厚さを有する)181の上面182に載設され、隣り合う支持板181,181間にベントナイト183が密に充填されている。この密な充填は、例えば、敷設した隣り合う支持板181,181間にベントナイト183を盛り上がる状態に収容して後、該支持板181,181上に暗渠ブロック123を載置することにより、容易に達成できる。
【0054】
このように充填されたベントナイト183は、水分吸収に伴って膨張するため、図19に示すように、前記剛管路構造物10の下面185に、膨張したベントナイト183の上面186が密着状態となる。これにより、該下面185と該上面186との間で水が流れるのが阻止され、前記剛管路構造物10の下面側における隙間(水みち)の発生が防止され、該剛管路構造物10の下面側における遮水効果が向上されている。なお本実施例においては図2、図13に示すように、3番目の暗渠ブロック123a3と4番目の暗渠ブロック123a4の連結部分に前記遮水壁部17が設けられているため、該遮水壁部17によって、前記支持板181,181間のベントナイト183が分断された状態となっている。
【0055】
前記遮水壁部17は、本実施例においては図3、図13、図20に示すように、前記剛管路構造物10の延長方向で見て前後に分割された前壁部材185と後壁部材186との間で、前記3番目と4番目の暗渠ブロック123a3,123a4の連結部に介在された遮水シート187を挾持してなる。該遮水シート187は、該暗渠ブロック123a3,123a4の各水路15,15に連通する円形の連通孔189を有しており、該連通孔189の周縁部分190は、該暗渠ブロック123a3,123a4間で挾持された状態にあり且つ、前記前壁部材185と後壁部材186とが連結一体化されてなるものである。
【0056】
前記遮水シート187は本実施例においてはゴム製のものであり、前記連通孔189の周縁部分190が前記暗渠ブロック123a3,123a4間で弾性圧縮状態に挾持されることにより、両暗渠ブロックの連結部191を止水でき、剛管路構造物10内を流れる水の漏水を防止する。
【0057】
前記前壁部材185と前記後壁部材186は、安定性や耐久性に乏しい前記遮水シート187を挾持して該遮水シート187による止水効果を持続させると共に、前記剛管路構造物10の外面19で突設された遮水鍔部20を形成し、該剛管路構造物10に沿った水の流れを遮水するものである。
【0058】
該前壁部材185は、図20に示すように、略正方形板状を呈するプレキャストコンクリート製であり、その後面192は垂直面に形成されると共に、その前面193は、上方に向けて後方に傾斜する傾斜面に形成されている。そして中央部分には、前記3番目の第1の暗渠ブロック123a3の後端部分195を密接に嵌め入れることのできる嵌入孔196が設けられている。又前記後壁部材186は、略正方形板状を呈するプレキャストコンクリート製であり、その前面197は垂直面に形成されると共に、その後面199は、上方に向けて後方に傾斜する傾斜面に形成されている。そして中央部分には、前記4番目の第1の暗渠ブロック123a4の前端部分200を密接に嵌め入れることのできる嵌入孔201が設けられている。
【0059】
本実施例においては前記前壁部材185と後壁部材186は夫々、図21に示すように、同様の構成で四分割されており、左右方向に長い矩形板状を呈し、前記暗渠ブロック123a3,123a4の下面202,203の下方に突出する状態で配設される下段ブロック片205a,205bと、前記暗渠ブロック123a3,123a4の左右に位置して該下段ブロック205a,205b上に載置される左右の中段ブロック片206a,206a、206b,206bと、左右方向に長い矩形板状を呈しており、前記暗渠ブロック123a3,123a4の上面207,208の上方に突出する状態で前記左右の中間ブロック片206a,206a、206b,206b上に載置される上段ブロック片209a,209bとから構成されている。
【0060】
そして前記前壁部材185は、図20に示すように、前記下段ブロック片205aと中段ブロック片206aとを、中段ブロック206aと上段ブロック209aとを、夫々、ブロックの前面193において連結プレート211で連結し、全体を一体化して構成されている。又前記後壁部材186は、前記下段ブロック片205bと中段ブロック片206bとを、中段ブロック206bと上段ブロック209bとを、夫々、ブロックの後面199において連結プレート211で連結し、全体を一体化して構成されている。
【0061】
そして、このように構成された前壁部材185と後壁部材186とは、図22に示すように、その左右の側面213,215の内端側に向き合う状態で凹設された凹所218,218の内端に形成されて前後に重ね合わせられてなる連結片部216,217相互をボルト219で連結することにより一体化されている。
【0062】
図23は、かかる構成を有する遮水壁部17を前記下段ブロック片205a,205b、中段ブロック片206a,206a、206b,206b、上端ブロック片209a,209aとを用いて前記遮水壁部17を構築する施工工程の一例を示すものである。先ず図23(A)に示すように、施工箇所の設置面81に敷設されたコンクリート製の基礎板220上に、前記前後の下段ブロック片205a,205bを前記遮水シート187を挾持するように載置し、該前後の下段ブロック片205a,205bを、前記のようにボルト219で連結することによって一体化し、該遮水シート187を圧縮状態とする。
【0063】
その後、図23(B)に示すように、該下段ブロック片205a,205bの左右方向の中央部分において、前記3番目の第1の暗渠ブロック123a3の後端部分195を載置すると共に、前記4番目の第1の暗渠ブロック123a4の前端部分200を載置する。このとき、両ブロックの各水路15,15を前記連結孔189に連通させる。その後、該後端部分195の左右に、前記中段のブロック片206a,206a、206b,206bを、前記遮水シート187を挾持するように、該後端部分195に当接させて載置する。その後、該中段ブロック片206a,206aを前記後端部分195に固定すると共に、該中段ブロック片206b,206bを前記前端部分200に固定する。
【0064】
又、前後の中段ブロック片206a、206bを、前記のようにボルト219で連結することによって一体化し、該遮水シート187を圧縮状態とする。この状態で、中段ブロック片206a,206aの上面、中段ブロック片206b,206bの上面、前記3番目の第1暗渠ブロック123a3の上面、前記4番目の第1暗渠ブロック123a4の上面は、同一の水平面208に存する。
【0065】
その後、図23(C)に示すように、該水平面208上の前後に、図示しない緩衝材を介在させて、前記上段ブロック片209a、209bを、前記遮水シート187を挾持するように載置する。そして、該上段ブロック片209a、209bを、前記のようにボルト219で連結することによって一体化し、該遮水シート187を圧縮状態とする。
【0066】
そして、かかる施工過程において前記下段ブロック片205a,205bと中段ブロック片206a,206bとを、中段ブロック片206a,206bと上段ブロック片209a,209bとを、夫々、ブロックの前面193とブロックの後面199において、前記のように連結プレート211で連結し、全体を一体化する。
【0067】
このようにして構成された遮水壁部17は、その前後の面211,222(図2〜3)が傾斜しており側面視で台形状を呈するため、これを土中に埋設する際に密実に土を充填することができ、その周辺に隙間を生じさせにくい。
【0068】
前記柔管路構造物12は図24〜25に示すように、例えば5000mm長さの、可撓性を有する樹脂管223,223相互を、図25に示すように、可撓性継手部225を介して順次連結することにより構成されている。該樹脂管223は例えば、軸線方向に円形の水路(内径は、例えば600mm)226が設けられたポリエチレン製の円筒管の外周面227にリブ229が螺旋状に巻回され該外周面227に固定されてなる、耐圧性と可撓性を有する樹脂管本体230を具える。そして、該樹脂管本体230の後端231に、連結筒部232が一連に設けられており、図25に示すように、該連結筒部232の外周面の前端側に周設された嵌着溝233にリング状を呈するブチルゴム等のゴム製シール部材235が嵌着されている。又、該樹脂管本体230の前端236には、隣り合う樹脂管223の前記連結筒部232を嵌め入れることのできるソケット部237が設けられており、該ソケット部237に該連結筒部232を嵌め入れることにより、該ゴム製シール部材235が適宜弾性圧縮状態となって弾性的に屈曲し得る前記可撓性継手部225を介して、樹脂管223,223相互が連結される。
【0069】
樹脂管223,223相互を該可撓性継手部225を介して順次連結して構成された柔管路構造物12は、該樹脂管223そのものが可撓性を有すると共に、該可撓性継手部225が、その軸線方向に多少伸長できしかも回転変形できる可撓性を有するため、該柔管路構造物12は全体として可撓性を有する。そして該可撓性継手部225においては、前記ゴム製シール部材235が弾性圧縮状態となるために継手部の止水が確保される。
【0070】
かかる構成を有する柔管路構造物12の、その後端のソケット部237に前記可撓性樹脂管139の後端側部分139aが、図18に示すように嵌め込まれることにより、該柔管路構造物12が前記可撓性連結部11を介して前記剛管路構造物10に連結されてなる前記複合型底樋1(図1)が構築されることになる。該可撓性連結部11は、図18に示すように、該ソケット部237に前記後端側の部分139aが差し込まれることによって、前記ゴム製シール部材149が適宜弾性圧縮状態となるため、連結部がその軸線方向に多少伸長できしかも回転変形できる可撓性を有しており、又、該可撓性連結部11においては、前記ゴム製シール部材149が弾性圧縮状態となるために連結部の止水が確保されている。
【0071】
そして、かかる構成を有する柔管路構造物12の後端(前記外端)としての前記排出口41は、図5に示すように、枡部239の側壁部240に設けた孔部241に連結され、該枡部239内に排出された溜池の貯留水を水路部材242を介して水田等に供給可能となされている。
【0072】
このようにして構築された前記取水構造物22上、前記剛管路構造物10上、前記遮水壁部17上、及び、前記柔管路構造物12上に所要に盛土されて前記堤体3(図1)が構築される。その際、前記剛管路構造物10は、図26に示すように、下面243が平坦(本実施例では水平)であるため、このように盛土する際、該剛管路構造物10の下部244に密実に土を充填することができ、その周辺に隙間を生じさせにくい。
【0073】
次に、かかる構成を有する複合型底樋1の作用を説明する。該扉体23は、図9(A)、図10(A)に示すように、常時は最下降状態とし、前記排泥用開口部25を閉じた状態にしておく。そして、溜池2の貯留水6を堤体外に排出するに際しては、前記斜樋112(図12)に設けられている取水口115,116,110の所要のものを、前記ハンドル122で前記操作ロッド119を回転操作して開放する。これにより、図11に示すように、溜池2の貯留水6を、前記下端樋部30を介して前記取水構造物22に流入させることができ、該貯留水を、前記剛管路構造物10と前記柔管路構造物12を通して流し、該柔管路構造物12の前記排出口41で前記枡部239内に排出させることができる。
【0074】
そして、溜池2の底部に堆積した泥状物を排除するに際しては、前記昇降装置92をハンドル95の回転操作によって作動させ、前記扉体23を上昇させて前記排泥用開口部25を開放させる。これにより、溜池2内に残留している貯留水が該排泥用開口部25を通して複合型底樋1内に一気に流入するが、これと同時に泥状物も流入するため、この泥状物を前記枡部239内に順次排出させることができる。
【0075】
ところで前記溜池の堤体3は全体が土構造物であり、図1に示すように、溜池側としての内側部分をなす遮水性ゾーン7と、該遮水性ゾーン7の外側部分をなす本体ゾーン9とから構成されているため、該遮水性ゾーン7を構成する土と該本体ゾーン9を構成する土とは、圧縮による沈下等の性状が異なる。又、堤体3の断面外形が台形状を呈するために、土構造物である該堤体3の沈下が不均一に発生することになる。
【0076】
このように堤体3は、その構造上から、土の沈下を回避し難いのであるが、溜池の堤体における底樋には、かかる沈下に極力影響されないで、該堤体3における漏水を抑制して溜池における取水を確実に行わせると共に、前記のように、溜池2の底部に堆積した泥状物の排除を容易且つ確実に行わせることが要求される。取り分け重要なことは、溜池2の貯留水の漏水を防止するための遮水壁部17を有すると共に、取水用の樋体の下端樋部30が連結されており、然も、排泥用開口部25を開閉する扉体23が付設されてなる剛管路構造物10を、長期間に亘って安定的に維持させることである。
【0077】
本発明はかかる要求に応じ得るのであるが、これを以下具体的に説明する。
(1) 堤体における漏水抑制について
前記のように構成された複合型底樋1は、図1に示すように、前記剛管路構造物10に、可撓性連結部11を介して、柔管路構造物12が連結されている。然して、かかる構成を有する複合型底樋1によるときは、前記柔管路構造物12の有する前記可撓性によって、前記本体ゾーン9の沈下に追従して該柔管路構造物12が下方に向けて緩やかに無理なく湾曲変形できる。該柔管路構造物12がこのように湾曲変形したことに伴いその前端部分245が沈下したり傾いたりする等の変形を生ずるが、この変形は前記可撓性連結部11で吸収される。
【0078】
そして、該剛管路構造物10は前記したように、コンクリート製で重量が大であり、且つ全体が剛構造物であって撓み変形せず、又、該剛管路構造物10は、沈下しにくい遮水性ゾーン7で構築されていることから沈下することもない。
【0079】
かかることから、柔管路構造物12が撓み変形したとしても剛管路構造物10はそれに影響されて沈下したり、垂直面内で回転方向に変形したりせず、それ故、該剛管路構造物10の周辺に隙間が生じにくい。このような独特の作用効果に加え、該剛管路構造物10は元々、漏水しにくい前記遮水性ゾーン7に配設されている。かかることから、溜池の貯留水が該剛管路構造物10に沿って漏水する恐れが少ない。そして、該剛管路構造物10の下面243が平坦に形成されているため(図26)、前記のように盛土する際、該剛管路構造物10の下部244に密実に土を充填することができ、該剛管路構造物10の周辺に隙間を生じさせにくい。然も、本実施例においては前記のように、該剛管路構造物10の下面側にベントナイト183が充填されており、これが水分を吸収して膨張し硬化することから、該剛管路構造物10の下面側に隙間が生じにくい。そのため、このような漏水をより確実に防止できることになる。そして、経年変化や施工不良等によって多少の漏水が生じたとしても、前記のように、剛管路構造物10の長さ方向の中間部位に遮水壁部17が設けられているため、該遮水壁部17によって該剛管路構造物10に沿った水の流れを遮水できることになる。
【0080】
遮水壁部17による該遮水作用について更に説明すれば、前記のように、柔管路構造物12が湾曲変形してもその変形の影響が前記剛管路構造物10に及ばないことから、該遮水壁部17が、垂直面内で回転方向に変形して該遮水壁部17の周辺に隙間を生じさせるといった問題を生じさせない。従って、この隙間を通して溜池の貯留水が漏水するといった従来の問題点が解消されることになり、該遮水作用を長期間に亘って定期的に維持させ得ることになる。
【0081】
(2) 取水の確実化と溜池の保守管理の確実化について
前記のように剛管路構造物10は、全体が剛構造であって撓み変形せず、又、該剛管路構造物10は沈下しにくい遮水性ゾーン7で構築されていて沈下しにくい。しかも、前記柔管路構造物12の湾曲変形によって、その前端が沈下したり傾いたりする等の変形を生じても、この変形は前記可撓性連結部11で吸収され、該剛管路構造物10の構造的な安定性が長期間に亘って維持される。
【0082】
かかることから、従来のように、前記遮水性ゾーン7と前記本体ゾーン9との境界部分で剪断力が作用して底樋破損を招いて漏水を生じさせたり、前記下端樋部30の前記取水構造物22に対する連結部246(図11)が破損されて取水不良を生じさせたりすることがない。又該剛管路構造物10が、垂直面内で回転方向に変形することがないため、これが接続される取水構造物22の排泥用開口部25を開閉する扉体23の上下動作が阻害されることなく、排泥用開口部25の開閉操作を長期間に亘って円滑に行うことができる。これによって、溜池2の維持管理のために、溜池2の底部に堆積した泥状物の排除を長期間に亘って容易且つ確実に行い得ることとなる。
【実施例2】
【0083】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0084】
(1) 前記剛管路構造物10は、現場打ち施工によって構築されることもある。
【0085】
(2) 前記剛管路構造物10と前記柔管路構造物12とを連結する前記可撓性連結部11は、該剛管路構造物10と該柔管路構造物12の夫々の連結側の端面に端部分がフランジ等を介してボルト連結された、例えばゴム製円筒状を呈する可撓性連結部等であってもよい。
【0086】
(3) 前記暗渠ブロック123を前記支持板181で支持する場合、隣り合う支持板間にベントナイトだけ充填することの他、ベントナイトに砂や土を混合してなる混合充填材を充填することもある。
【0087】
(4) 前記剛管路構造物10は、その下面側にベントナイトが充填されないこともある。
【0088】
(5) 前記剛管路構造物10を、施工箇所の設置面に敷設した支持板181上に載置する場合、該支持板181は、図13に示すように該剛管路構造物10の下面243の幅方向全長に亘ものではなく、幅方向の左右部分にのみ配設されることもある。
【0089】
(6) 前記遮水壁部17は、現場打ち施工よって構築されてもよい。又、該遮水壁部17を、プレキャストコンクリート製の部材を接合一体化して構築する場合、施工現場における施工性を考慮して、前後や左右、上下に所要に分割された分割ブロック片を連結一体化して構築できる。
【0090】
(7) 図27においては、前記剛管路構造物10の下面13が傾斜状態の平坦な面として形成された場合の一実施例を示すものであり、前記後の端面板49の後面の中央部分に、前記第1の暗渠ブロック123の前端部分200を、その軸線が下方に若干傾斜した状態で嵌め入れるための傾斜調整凹部247が設けられている。該傾斜調整凹部247は、その底面249が下方に向けて前方に傾斜することにより、下方に向けて順次深くなるように構成されており、その傾斜角度は、前記複合型底樋1が所要水勾配を有するように、例えば1度に設定される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係る複合型底樋が配設された溜池の堤体を示す断面図である。
【図2】その溜池側の部分を示す拡大図である。
【図3】剛管路構造物と、それが連結される取水構造物と、柔管路構造物の前側部分を示す断面部である。
【図4】剛管路構造物に可撓性連結部を介して柔管路構造物を連結した状態を示す断面図である。
【図5】柔管路構造物の外端を枡部に連結した状態を示す断面図である。
【図6】取水構造物を示す斜視図である。
【図7】取水構造物を構成する部材相互の連結状態を示す断面図である。
【図8】取水構造物と剛管路構造物を構成する部材を示す斜視図である。
【図9】取水構造物の排泥用開口部を扉体で開閉する作用を説明する正面図である。
【図10】その断面図である。
【図11】取水構造物に対する止水用の樋体の連結状態を説明する断面図である。
【図12】取水構造物に連結される斜樋と、該斜樋に設けた取水口を開閉する開閉装置を示す説明図である。
【図13】剛管路構造物に、取水構造物と遮水壁部と柔管路構造物が連結された状態を示す斜視図である。
【図14】その断面図である。
【図15】取水構造物と第1の暗渠ブロックとの連結状態及び、第1の暗渠ブロック相互の連結状態を示す断面図である。
【図16】この連結に用いる連結棒をナットで締め付けた状態と、暗渠ブロックの端面に弾性シール材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図17】剛管路構造物に柔管路構造物を可撓性連結部を介して連結した状態を示す断面図である。
【図18】その連結部分の拡大図である。
【図19】剛管路構造物を支持する支持板間にベントナイトを充填した状態を示す断面図である。
【図20】遮水壁部を構成する前壁部材と後壁部材を、遮水シートと共に示す斜視図である。
【図21】前壁部材と後壁部材の分解斜視図である。
【図22】前壁部材と後壁部材をボルト連結した状態を示す側面図である。
【図23】遮水壁部を構築する施工工程を説明する説明図である。
【図24】可撓性連結部が突設された剛管路構造物と、柔管路構造物を構成する樹脂管を示す斜視図である。
【図25】樹脂管相互を可撓性継手部を介して連結した状態を示す断面図である。
【図26】剛管路構造物の横断面図である。
【図27】下面が傾斜状態の平坦な面として形成された剛管路構造物を示す断面図と、該剛管路構造物の前端部分を嵌め入れる傾斜調整凹部を具えた止水構造物の後側部分を示す斜視図である。
【図28】従来における溜池の堤体の底樋構造を説明する断面図である。
【図29】その溜池側を示す拡大図である。
【図30】従来における溜池の堤体の底樋構造の他の態様を示す断面図である。
【図31】その溜池側を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0092】
1 複合型底樋
2 溜池
3 堤体
6 貯留水
7 遮水性ゾーン
9 本体ゾーン
10 剛管路構造物
12 柔管路構造物
13 下面
15 水路
17 遮水壁部
20 遮水鍔部
22 取水構造物
23 扉体
25 排泥用開口部
27 取水用の樋体
29 斜樋
30 下端樋部
31 樹脂管
32 可撓性継手部
33 水路
41 排出口
51 連結棒
69 連結軸
73 ナット
85 ベントナイト
92 昇降装置
123 暗渠ブロック
181 支持板
223 樹脂管
225 可撓性継手部
237 ソケット部
243 剛管路構造物の下面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溜池の堤体の下端部分に該下端部分を水平に横切るように設けられて溜池の貯留水を排出可能とする、溜池の堤体における複合型底樋であって、
前記堤体の溜池側としての内側部分をなす、溜池の貯留水が漏水するのを防止する遮水性ゾーンで構築された剛構造の剛管路構造物に、可撓性連結部を介して、堤体の前記遮水性ゾーンの外側部分をなす本体ゾーンで構築された柔構造の柔管路構造物を連結してなり、
前記剛管路構造物は、下面が平坦であり且つ軸線方向に水路が設けられたコンクリート製の暗渠であり、又、該管路構造物の長さ方向の中間部位に、該中間部位を周方向に取り囲むように該中間部位の外面で突設されたコンクリート製の遮水鍔部を有する遮水壁部が設けられてなり、該剛管路構造物の、前記溜池側の内端部は取水構造物に連結されており、該取水構造物には、前記溜池で開放され且つ扉体により開閉可能となされた排泥用開口部が設けられてなり、又、該取水構造物の上部分には、前記堤体の内側部分において配設された、前記貯留水を取水するための樋体の下端樋部が連結されており、
又、前記柔管路構造物は、可撓性を有する樹脂管相互を可撓性継手部を介して順次連結することにより構成されており、該柔管路構造物の内端部は前記可撓性連結部を介して前記剛管路構造物に連結されると共にその外端は、堤体外に前記貯留水を排出するための排出口とされていることを特徴とする溜池の堤体における複合型底樋。
【請求項2】
前記剛管路構造物は、プレキャストコンクリート製であり且つ軸線方向に水路が設けられた暗渠ブロックの複数個を水密に接合一体化して構築されており、該暗渠ブロックが、プレキャストコンクリート製の支持板で支持されると共に、隣り合う支持板間に、ベントナイト又は、ベントナイトが混合された混合充填材が充填されてなることを特徴とする請求項1記載の溜池の堤体における複合型底樋。
【請求項3】
前記遮水壁部は、前記剛管路構造物の延長方向で見て前後に分割された、プレキャストコンクリート製の前壁部材と後壁部材との間で、前記暗渠ブロックの連結部に介在された遮水シートを挾持してなり、該遮水シートは、前記剛管路構造物の水路に連通する連通孔を有し、該連通孔の周縁部分は、前記暗渠ブロック間で挾持された状態にあり、又、前記前壁部材と前記後壁部材とは連結一体化されていることを特徴とする請求項1又は2記載の溜池の堤体における複合型底樋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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