説明

溶剤供給装置、溶剤供給方法、エナメル線焼付け装置及びエナメル線焼付け方法

【課題】少量の溶剤を安定して供給することができ、安価で故障に強くメンテナンスも容易であり、安定した品質のワニスを導体線に塗布可能なエナメル線焼付け装置を提供する。
【解決手段】エナメル線焼付け装置は、塗布されるワニスを供給するワニス供給部と、このワニス供給部に溶剤を補給する溶剤補給部と、を備える。溶剤補給部はワニス供給部より高い位置に設置される。溶剤補給経路部15は、溶剤が自然にワニス供給部に向かって流れるように上下方向に設置されている。三方弁10は、溶剤補給部に接続される上流管6、ワニス供給部に接続される下流管7、及び定量貯留部9に接続されている。三方弁10が上流管6と定量貯留部9とを連通するように開くと、溶剤補給部から定量貯留部9に溶剤が補給される。三方弁10が定量貯留部9と下流管7とを連通するように開くと、定量貯留部9に保持された溶剤8が下流管7を通してワニス供給部に補給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主要には、エナメル線焼付け装置及びエナメル線焼付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エナメル被覆電線の製造時に、ワニスの溶剤が揮発することでワニスの粘度が変わってしまうのを回避するため、ワニスに適宜溶剤を補給する構成を開示する。また、その際、定量ポンプで溶剤を汲み上げるとともに、流量制御弁を用いることで、溶剤補給量が一定になるようにしている。
【特許文献1】特開平10−161753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の構成では、溶剤の汲上げを行うため、定量ポンプが必須の構成となってしまっていた。また、この定量ポンプや前記流量制御弁はそれ自体非常に高価であるとともに、機構が複雑なために故障の際のメンテナンスが非常に面倒であるという問題があった。
【0004】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、安価な構成で少量の溶剤を安定して供給することができ、故障に強くメンテナンスも容易であり、安定した品質のワニスを導体線に塗布することのできるエナメル線焼付け装置及びエナメル線焼付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0006】
本発明の第1の観点によれば、溶剤被供給部に対して、前記溶剤被供給部の上流に位置する溶剤供給部から溶剤を供給するための溶剤供給装置であって、以下の構成の溶剤供給装置が提供される。即ち、前記溶剤供給部に接続可能な上流管と、前記溶剤被供給部に接続可能な下流管と、所定量の溶剤を貯留可能に構成された定量貯留部と、前記上流管、前記下流管及び前記定量貯留部に接続される流路切替弁と、を備える。前記上流管及び前記下流管は、溶剤が前記溶剤供給部から前記溶剤被供給部に向かって流れるように設置されている。そして、前記流路切替弁が前記上流管と前記定量貯留部とを連通するように開いた第1の状態をとることで、前記溶剤供給部から前記上流管を通して前記定量貯留部に溶剤が供給される。また、前記流路切替弁が前記定量貯留部と前記下流管とを連通するように開いた第2の状態をとることで、前記定量貯留部に供給された溶剤が前記下流管を通して前記溶剤被供給部に補給される。
【0007】
これにより、定量ポンプなどを用いることなく少量の溶剤を安定して供給することができ、安価で故障が少なくメンテナンスも容易である。
【0008】
前記の溶剤供給装置においては、前記定量貯留部は、前記流路切替弁に対して着脱可能であることが好ましい。
【0009】
これにより、異なる容量の定量貯留部に容易に変更できるので、溶剤の供給量を適宜変更することが可能となる。
【0010】
本発明の第2の観点によれば、前記の溶剤供給装置によって溶剤を供給する、以下の溶剤供給方法が提供される。即ち、所定時間ごとに前記流路切替弁を前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えることで前記溶剤供給部から前記溶剤被供給部に溶剤を補給し、前記第1の状態に戻す。
【0011】
これにより、定量ポンプなどを用いることなく少量の溶剤を安定して供給することができる。
【0012】
本発明の第3の観点によれば、ワニス塗布部と焼付け炉とを有するエナメル線焼付け装置における以下の構成が提供される。即ち、このエナメル線焼付け装置は、前記ワニス塗布部に供給されるワニスの温度を所定の温度範囲内で保持可能に構成された前記溶剤被供給部としてのワニス供給部と、前記ワニス供給部より高い位置に設置された前記溶剤供給部としての溶剤補給部と、前記溶剤補給部と前記ワニス供給部とを接続する溶剤補給経路部と、を備える。そして、前記溶剤補給経路部に前記の溶剤供給装置が備えられている。
【0013】
これによれば、少量の溶剤を安定して供給することができ、安価で故障が少なくメンテナンスも容易であり、安定した品質のワニスを導体線に塗布することができる。この結果、高品質のエナメル線を製造することができる。
【0014】
本発明の第4の観点によれば、前記のエナメル線焼付け装置によって導体線にエナメルを焼き付けるエナメル線焼付け方法であって、以下のような方法が提供される。即ち、前記導体線を前記ワニス塗布部に挿通させてワニスを塗布し、前記ワニスが塗布された前記導体線を前記焼付け炉に挿通させて当該導体線にエナメルを焼き付ける。そして、所定時間ごとに前記流路切替弁を前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えることで前記溶剤補給部から前記ワニス供給部に溶剤を補給し、前記第1の状態に戻す。
【0015】
これによれば、安価に少量の溶剤を安定して供給することができ、故障に強くメンテナンスも容易であり、安定した品質のワニスを導体線に塗布することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るエナメル線焼付け装置1の概略図である。図2は、図1中に示された溶剤補給経路部15を拡大した側面図である。
【0017】
図1に示すように、エナメル線焼付け装置1は、ワニス塗布部2と、焼付け炉3と、ワニス供給部4(溶剤被供給部)と、溶剤補給部5(溶剤供給部)と、溶剤補給経路部15(溶剤供給装置)と、を備えている。
【0018】
ワニス供給部4は、適宜の量のワニス14を貯留できるように構成されている。ワニス供給部4とワニス塗布部2とを接続する経路にはポンプ17が配置され、ワニス塗布部2へのワニスの供給はこのポンプ17によって行われる。
【0019】
溶剤補給部5は、適宜の量の溶剤8を貯留できるように構成されている。図2(a)及び図2(b)に示すように、溶剤補給経路部15は、溶剤補給部5に接続された上流管6と、ワニス供給部4に接続された下流管7と、所定量の溶剤を貯留可能に構成された定量貯留部9と、流路切替弁の一例となる三方弁10と、停止部13と、を備えている。
【0020】
前記溶剤補給部5はワニス供給部4の上方(ワニス供給部4よりも高い位置)に設置されている。溶剤補給経路部15(上流管6及び下流管7)は、溶剤補給部5の溶剤8が自然にワニス供給部4に向かって流れるように、また経路内の空気が途中に溜まらないように、上下方向に向けられている。
【0021】
三方弁10は、上流管6、下流管7及び定量貯留部9に接続されており、図2(a)に示す第1の状態と、図2(b)に示す第2の状態と、に切り換えることができる。
【0022】
第1の状態では、図2(a)に示すように上流管6と定量貯留部9とが連通し、これによって、溶剤補給部5の溶剤8が定量貯留部9に供給される。
【0023】
第2の状態では、図2(b)に示すように定量貯留部9と下流管7が連通し、これによって、定量貯留部9に保持されていた溶剤8が下流管7を通してワニス供給部4に補給される。
【0024】
前記三方弁10は、T字状に接続する3本の流体路を有する弁体を備えている。第1の状態と第2の状態において、三方弁10の前記流体路は1つ余ることになるが、その余った流体路の端部を塞ぐように停止部13が設けられており、溶剤が漏れないように封止されている。
【0025】
前記定量貯留部9は、一定の量の溶剤を貯留できるように構成されている。この定量貯留部9は、例えば一方側が前記三方弁10と接続され、他方側が封止された金属管として構成することができる。この定量貯留部9の容量は、例えば数十cc程度とすることができる。
【0026】
ワニス供給部4は、図1に示すように、内部にワニス14を貯留する金属製のボックス形状の部材として構成されている。このワニス供給部4の周囲には、ワニス14の温度調節のためのウォータージャケット12が配置されている。
【0027】
次に、以上のように構成されたエナメル線焼付け装置1におけるエナメル線の焼付け方法について説明する。即ち、最初にワニス塗布部2及び焼付け炉3に導体線11が線通しされ、図1において下方から上方に向かって走行させる。そして、前記ワニス塗布部2において、ワニス供給部4からポンプ17を用いて供給されたワニス14が導体線11に塗布される。前記焼付け炉3は高温に保持されており、ワニス14中のエナメルが導体線11に焼き付けられ、エナメル線16が製造される。
【0028】
そして、前記ワニス塗布部2に対してワニス14を供給するワニス供給部4では、ウォータージャケット12により温度が一定の範囲内(例えば30〜60℃程度の間の±5℃程度の範囲内)に保たれている。
【0029】
また、ワニス供給部4では溶剤8が揮発するので、ワニス14の粘度を一定に保つため、溶剤8が溶剤補給部5から適宜の時間間隔で定期的に供給される。溶剤8が供給される間隔は、例えば数十分に一度とすることができる。
【0030】
この溶剤供給は、三方弁10を回転させて図2(a)に示す第1の状態から、図2(b)に示す第2の状態に変更し、若干の時間が経過した後に図2(a)に示す第1の状態に戻すことで行われる。
【0031】
即ち、図2(a)に示すように、三方弁10を上流管6と定量貯留部9が連通するように開くと、溶剤補給部5がワニス供給部4より上方に設置され、その間の溶剤8の供給経路(上流管6)において溶剤8が自重によりワニス供給部4に向かって流れるように設置されているので、溶剤補給部5から定量貯留部9に溶剤8が自然に供給されることになる。次に三方弁10を回転させて、図2(b)に示すように、三方弁10を定量貯留部9と下流管7が連通するように開くと、定量貯留部9に貯留されていた一定量の溶剤8が下流管7を通してワニス供給部4に自然に補給される。このとき、下流管7側から定量貯留部9には空気が代わりに入ってくる。
【0032】
定量貯留部9内の全量の溶剤がワニス供給部4側へ流れるのに十分な時間が経過した後、定量貯留部9に溶剤8を再び貯留するために三方弁10が回転され、図2(a)に示す状態に戻される。すると、下流管7側から定量貯留部9に送られていた空気が上流管6に抜けるとともに、溶剤8が定量貯留部9内に入ってくる。この空気は溶剤補給部5を通過して外に抜けていく。
【0033】
以上のような本実施形態のエナメル線焼付け装置1及びエナメル線の焼付け方法によれば、ウォータージャケット12によりワニス供給部4の温度がある程度一定に保たれることで、ワニス14の粘度をある程度一定に保つことができ、ワニス14からの溶剤8の揮発量を安定させることができる。そして、上記のように揮発した分だけ、溶剤補給部5から溶剤8を三方弁10及び定量貯留部9を用いて補給することで、ワニス14の粘度を一定に保つことができる。よって、ワニス塗布部2でワニス14を導体線11に均一に塗布することができ、エナメル線の品質を安定化することができる。
【0034】
また上述のように、溶剤補給部5がワニス供給部4より高い位置に設置されるとともに、溶剤補給部5からワニス供給部4への溶剤補給経路部15(上流管6及び下流管7)が、溶剤8が自然にワニス供給部4に向かって流れるよう設置されているので、ポンプ等が無くても溶剤8をワニス供給部4に補給することができ、簡素な構成が実現される。また、三方弁10や、金属管からなる定量貯留部9を用いることで、安価に装置を構成することができ、また、故障に一層強くメンテナンスも容易な装置とすることができる。
【0035】
また、定量貯留部9は溶剤を金属管に貯留する構成となっているので、溶剤の貯留量を少なくとも定量化し易く、金属管の長さや径を異ならせることで貯留量の変更も容易である。また、定量貯留部9は三方弁10に対して着脱可能に取り付けられているので、定量貯留部9を取り外して容量の異なる定量貯留部を取り付けることにより、溶剤貯留量(言い換えれば、1回の溶剤供給量)の変更を行うことが容易になる。
【0036】
溶剤補給部5からワニス供給部4に溶剤8を補給する頻度、即ち上述のように三方弁10を切り換える頻度は、溶剤8の種類や温度条件等によって異なるが、何度か試験を行うことで経験的に定めることができる。
【0037】
なお溶剤補給経路部15の上流管6と下流管7は、溶剤8が自然にワニス供給部4に向かって流れ、また経路内の空気が途中で滞留しないように、上下方向に配向された構成となっている。しかしながら、図3に示すように、ワニス供給部4側が低くなるように水平方向から角度θだけ傾いた勾配を形成するように配置しても同等の効果を得ることができる。この角度θは2〜8度程度の傾斜角でも十分である。
【0038】
以上に説明したように、本実施形態のエナメル線焼付け装置1は、ワニス塗布部2と、焼付け炉3と、を有する。また、このエナメル線焼付け装置1は、溶剤被供給部としてのワニス供給部4と、溶剤供給部としての溶剤補給部5と、溶剤供給装置としての溶剤補給経路部15と、を備える。ワニス供給部4は、ワニス塗布部2に供給されるワニス14の温度を所定の温度範囲内で保持可能に構成されている。溶剤補給部5はワニス供給部4より高い位置に設置される。溶剤補給経路部15は、溶剤補給部5とワニス供給部4とを接続する。溶剤補給経路部15は、上流管6と、下流管7と、定量貯留部9と、三方弁10と、を備える。上流管6は、溶剤補給部5に接続される。下流管7は、ワニス供給部4に接続される。定量貯留部9は、所定量の溶剤を貯留可能に構成された金属管を有する。上流管6及び下流管7は、溶剤8が溶剤補給部5からワニス供給部4に向かって流れるように、上下方向に配置されている。三方弁10は、上流管6、下流管7及び定量貯留部9に接続される。そして、三方弁10が上流管6と定量貯留部9とを連通するように開いた第1の状態をとることで、溶剤補給部5から上流管6を通して定量貯留部9に溶剤が供給される。また、前記三方弁10が定量貯留部9と下流管7とを連通するように開いた第2の状態をとることで、定量貯留部9に補給された溶剤が下流管7を通してワニス供給部4に補給される。
【0039】
これにより、安価で故障に強くメンテナンスも容易であり、少量の溶剤を安定して供給することができ、安定した品質のワニス14を導体線11に塗布可能なエナメル線焼付け装置を提供することができる。
【0040】
また、本実施形態のエナメル線焼付け装置1において、前記定量貯留部9は、三方弁10に対して着脱可能である。
【0041】
これにより、異なる容量の定量貯留部9に容易に変更できるので、溶剤の供給量を適宜変更することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態では、前記エナメル線焼付け装置1によって、以下のように導体線11にエナメルを焼き付けている。即ち、導体線11を前記ワニス塗布部2に挿通させてワニスを塗布し、前記ワニスが塗布された導体線11を焼付け炉3に挿通させて導体線11にエナメルを焼き付ける。そして、所定時間ごとに前記三方弁10を前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えて前記溶剤補給部5から前記ワニス供給部4に溶剤を補給し、前記第1の状態に戻す。
【0043】
これにより、安価で故障に強くメンテナンスも容易であり、少量の溶剤を安定して供給することができ、安定した品質のワニス14を導体線11に塗布することができる。
【0044】
次に本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、流路切替弁の一例としてT字状の弁体を有する三方弁10を用いた例を説明したが、これに代えて例えば図4に示すように、流路切替弁としてL字路弁18を用いることができる。なお、この第2実施形態において前記第1実施形態と同一及び類似する構成については、図面に同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
上記第1実施形態の三方弁のようにT字状の弁体を用いると、図2(a)のように上流管6と定量貯留部9とが連通する状態から図2(b)に示すように定量貯留部9と下流管7とが連通する状態に切り替える際に、上流管6と下流管7とが一瞬連通する状態が発生してしまう。この第2実施形態の溶剤補給経路部15では、L字状のL字路弁18を用いるため、図4(a)の状態から図4(b)に示す状態に切り替える際、上流管6と下流管7とが一瞬連通してしまう状態が回避される。これによって、より正確な量の溶剤を供給することができるようになるので、更に好ましい。
【0046】
またこの第2実施形態では、前記第1実施形態の三方弁10の場合とは異なり、停止部13側への流路がないL字路弁18を用いることで、図4に示すように停止部13が不要になる。このため装置が簡素になり、更に好ましい。
【0047】
以上に本発明の好適な複数の実施形態について説明したが、上記の構成は本発明の主旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエナメル線焼付け装置の全体構成を側面から示す概略図である。
【図2】図1中に示された溶剤補給経路部を拡大した側面図である。
【図3】図2の溶剤補給経路部の変形例を示す側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るエナメル線焼付け装置の溶剤補給経路部を拡大した側面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 エナメル線焼付け装置
2 ワニス塗布部
3 焼付け炉
4 ワニス供給部(溶剤被供給部)
5 溶剤補給部(溶剤供給部)
6 上流管
7 下流管
8 溶剤
9 定量貯留部
10 三方弁(流路切替弁)
11 導体線
12 ウォータージャケット
13 停止部
14 ワニス
15 溶剤補給経路部(溶剤供給装置)
16 エナメル線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶剤被供給部に対して、前記溶剤被供給部の上流に位置する溶剤供給部から溶剤を供給するための溶剤供給装置であって、
前記溶剤供給部に接続可能な上流管と、
前記溶剤被供給部に接続可能な下流管と、
所定量の溶剤を貯留可能に構成された定量貯留部と、
前記上流管、前記下流管及び前記定量貯留部に接続される流路切替弁と、
を備え、
前記上流管及び前記下流管は、溶剤が前記溶剤供給部から前記溶剤被供給部に向かって流れるように設置されており、
前記流路切替弁が前記上流管と前記定量貯留部とを連通するように開いた第1の状態をとることで、前記溶剤供給部から前記上流管を通して前記定量貯留部に溶剤が供給されるとともに、
前記流路切替弁が前記定量貯留部と前記下流管とを連通するように開いた第2の状態をとることで、前記定量貯留部に供給された溶剤が前記下流管を通して前記溶剤被供給部に補給されることを特徴とする溶剤供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の溶剤供給装置であって、
前記定量貯留部は、前記流路切替弁に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする溶剤供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の溶剤供給装置によって溶剤を供給する溶剤供給方法であって、
所定時間ごとに前記流路切替弁を前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えることで前記溶剤供給部から前記溶剤被供給部に溶剤を補給し、前記第1の状態に戻すことを特徴とする溶剤供給方法。
【請求項4】
ワニス塗布部と焼付け炉とを有するエナメル線焼付け装置であって、
前記ワニス塗布部に供給されるワニスの温度を所定の温度範囲内で保持可能に構成された前記溶剤被供給部としてのワニス供給部と、
前記ワニス供給部より高い位置に設置された前記溶剤供給部としての溶剤補給部と、
前記溶剤補給部と前記ワニス供給部とを接続する溶剤補給経路部と、
を備え、
前記溶剤補給経路部に請求項1又は2に記載の溶剤供給装置が備えられていることを特徴とするエナメル線焼付け装置。
【請求項5】
請求項4に記載のエナメル線焼付け装置によって導体線にエナメルを焼き付けるエナメル線焼付け方法であって、
前記導体線を前記ワニス塗布部に挿通させてワニスを塗布し、
前記ワニスが塗布された前記導体線を前記焼付け炉に挿通させて当該導体線にエナメルを焼き付けるとともに、
所定時間ごとに前記流路切替弁を前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えることで前記溶剤補給部から前記ワニス供給部に溶剤を補給し、前記第1の状態に戻すことを特徴とするエナメル線焼付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−208008(P2009−208008A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53931(P2008−53931)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】