説明

溶接トーチ

【課題】着脱構造を簡単化し、トーチ本体を簡単な操作により交換することができる溶接トーチを提供する。
【解決手段】溶接トーチには、その元部のトーチ用パイプのインナーパイプに接続されるコネクタ部材5とコネクタケース7が設けられ、コネクタ部材5には先端にコーン嵌合穴5aが設けられる。トーチ本体2には、末端にコーン嵌合部29を有したチップボディ20が設けられる。トーチ本体2は、その末端のコーン嵌合部29をコネクタ部材5のコーン嵌合穴5aに嵌入した状態で、ロック部材9を摺動させ、ロック開口部9aの小径孔9cをチップボディ20のロック溝28に嵌合させ、コーン嵌合部29とコーン嵌合穴5aの嵌合状態をロックする。ロック部材9を上記と逆方向に摺動させるとそのロックが解除され、トーチ本体2はコネクタ部材5から離脱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接トーチのコンタクトチップ、チップボディを含むトーチ本体を、簡単な構造の着脱機構を用いて、容易に交換可能とした溶接トーチに関する。
【背景技術】
【0002】
先端部にコンタクトチップを取り付けたチップボディを有し、チップボディ及びコンタクトチップを覆うように先端ノズルを、インシュレータを介して装着した構造の溶接トーチが、炭酸ガス溶接用等の溶接トーチとして使用されている。
【0003】
この種の溶接トーチは、その内部を貫通する貫通孔を通して溶接ワイヤ(消耗電極)及びシールドガスをコンタクトチップに供給しながら、溶接を行なうものであるが、溶接ロボットなどによりある程度継続して溶接を行なうと、溶接により発生したスパッタが先端ノズル内に付着し、或いはシールドガスが噴出する噴出孔が異物の混入等により詰まりやすく、その後、適正な溶接ができなくなる。
【0004】
このため、継続して溶接作業を行う場合、所定時間毎に溶接トーチを分解して、先端ノズル、チップボディ、コンタクトチップ、インシュレータなどの部品を外し、溶接トーチ内部をクリーニングし、或いは損傷した部品を交換した後、再び部品を組み付ける必要があり、分解・組付け作業にはかなりの工数、作業時間がかかる。
【0005】
そこで、従来、下記特許文献1などにおいて、溶接トーチの先端部を比較的容易に交換可能とした溶接トーチが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−145272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この種の従来の溶接トーチは、その先端部を取り外して交換することはできるものの、溶接トーチの先端部を取り外す場合、先端部がスリーブにより締付固定されているため、スリーブを回して緩め、スリーブの内部を交換した後、それらの部品を再び組み付け、再びスリーブを回して締め付ける必要がある。また、締付部材を締付ボルトにより締め付ける構造のものでは、締付工具を使用して締付ナットを緩め、交換後にはそれを回して締め付ける必要がある。
【0008】
一方、溶接ロボットに溶接トーチを取り付けて溶接を行なう場合、溶接トーチの交換作業も自動化することが望ましいが、スリーブや締付ボルトの回動操作を伴う交換作業は、自動化した場合、自動交換装置の構造が非常に複雑化し、また、交換時間も長くかかるという課題があった。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、着脱構造を簡単化し、トーチ本体を簡単な操作により交換することができる溶接トーチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る溶接トーチは、
トーチ本体の先端部にコンタクトチップを取り付けたチップボディが設けられ、溶接ワイヤ及びシールドガスを該トーチ本体のチップボディに供給して溶接を行なう溶接トーチにおいて、
軸方向に貫通孔を設けたコネクタ部材がトーチ用パイプの先端に締付部材により締付固定され、該コネクタ部材の先端の軸芯位置にコーン嵌合穴が設けられ、該コネクタ部材の先端部外周にコネクタケースが軸方向に移動可能に嵌合され、該コネクタケースには該コネクタ部材のコーン嵌合穴側の縁部位置に、板状のスリット孔が軸と直角方向に貫通して形成され、
該スリット孔には板状のロック部材が摺動可能に挿入され、該ロック部材には大径部と小径部からなるロック開口部が設けられ、該コネクタケース内で該コネクタ部材の先端を該ロック部材に押し付けるように付勢するばね部材が配設され、
前記トーチ本体の該チップボディの末端部には前記コネクタ部材のコーン嵌合穴に嵌合されるコーン嵌合部が設けられ、該コーン嵌合部の元部外周に該ロック部材のロック開口部が嵌合する環状のロック溝が形成され、
該トーチ本体は、該コーン嵌合部を該コネクタ部材のコーン嵌合穴に嵌入した状態で、該ロック部材を摺動させて該ロック開口部の小径孔を該ロック溝に嵌合させたとき、該チップボディの該コーン嵌合部が該コーン嵌合穴内にロックされ、該ロック部材を摺動させて該ロック開口部の大径孔を該ロック溝側に摺動させたとき、該トーチ本体は該チップボディのコーン嵌合部のロックを解除して該コネクタ部材から離脱することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、溶接トーチのトーチ本体を交換する場合、ロック部材を開放側に押して摺動させると、ロック開口部の大径孔がロック溝側に摺動し、ロック部材によるロックが解除され、チップボディのコーン嵌合部が、コネクタ部材のコーン嵌合穴から分離され、トーチ本体が溶接トーチの元部から外れる。新たなトーチ本体を取り付ける場合、コネクタ部材のコーン嵌合穴を、新たなトーチ本体のチップボディのコーン嵌合部に嵌め込み、ロック部材をロック側に押して摺動させると、ロック部材のロック開口部の小径孔がロック溝に嵌合し、チップボディのコーン嵌合部がコーン嵌合穴内にロックされ、トーチ本体が交換される。
【0012】
したがって、ロック部材を押して摺動させるだけの簡単な操作でトーチ本体を着脱することができるので、例えば溶接ロボットのロボットアームに溶接トーチが取り付けられて使用される場合、その溶接ロボットの動作または交換機構の動作によりロック部材を押してトーチ本体を外し、清浄なトーチ本体と交換することができる。
【0013】
ここで、上記チップボディにおけるロック溝の先端側に把持用小径部を設けることが好ましい。この発明によれば、トーチ本体を交換する際、交換するトーチ本体のチップボディの把持用小径部を自動交換装置などに確実に把持させて、交換作業を容易に行なうことができる。
【0014】
また、上記ロック部材にガイド孔を設け、上記コネクタケースの対応位置にガイドピンをガイド孔に係合して設け、ガイド孔とガイドピンによりロック部材の摺動をガイドすることが好ましい。この発明によれば、ロック部材をガタツキなく安定して摺動操作することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の溶接トーチによれば、自動交換装置などの簡単な交換機構により、簡単にトーチ本体を交換することができ、また、溶接トーチの着脱機構は部品点数が少なく、簡単な構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を示す溶接トーチの右側面図である。
【図2】同溶接トーチの拡大右側面図である。
【図3】同溶接トーチのトーチ本体を取り外した状態の拡大右側面図である。
【図4】(a)はチップボディの右側面図、(b)はそのb−b断面図、(c)はそのc−c断面図である。
【図5】(a)はコネクタケースの右側面図、(b)は同コネクタケースの背面図、(c)はそのc−c断面図、(d)はそのd−d断面図である。
【図6】(a)はロック部材の正面図、(b)はそのb−b断面図である。
【図7】(a)は締付部材の右側面図、(b)はそのb−b断面図である。
【図8】(a)はコネクタ部材の右側面図、(b)同コネクタ部材の背面図、(c)は同コネクタ部材の正面図である。
【図9】コネクタ部材をコネクタケース内に組み付けた状態の断面図である。
【図10】(a)はコネクタ部材とチップボディを結合しロック部材によりロックした状態の断面図、(b)はそのロックを解除した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、溶接トーチ1は、その元部が、絶縁被膜で覆われたトーチ用パイプ3、トーチ用パイプ3内に挿通された導電性のインナーパイプ4、インナーパイプ4の先端部に締付部材6によって接続され締付固定されたコネクタ部材5、コネクタ部材5の先端部を覆って取り付けられたコネクタケース7、及び該コネクタケース7に設けたスリット孔7bに摺動可能に挿入された板状のロック部材9を備えて構成される。
【0018】
溶接トーチ1の元部には、図3に示すように、トーチ本体2が着脱交換可能に取り付けられる。トーチ本体2の取着は、トーチ本体2の末端に設けたチップボディ20のコーン嵌合部29を、コネクタ部材5のコーン嵌合穴5aに嵌合し、ロック部材9の押し込みによりロックして行ない、トーチ本体2の離脱は、ロック部材9の逆方向の押し込みにより、ロックを解除して行なう。
【0019】
溶接トーチ1の元部に設けられるコネクタ部材5は、図8に示すように、導電金属により外径を段状に変化させた管状に形成され、その先端部軸方向に円錐台形状のコーン嵌合穴5aが形成され、軸芯位置には軸孔5bが貫通して形成されている。コネクタ部材5の外周部は、先端側から大径部5c、中径部5d、小径部5eと、段差を付けて形成され、小径部5eは、締付部材6の内側に嵌入され、共に締付部材6内に嵌入されたインナーパイプ4の端部に接続された状態で、締付固定される。
【0020】
締付部材6は、図7に示すように、内部に円筒空間6aを軸方向に貫通して形成し、円筒空間6aから1本のスリット6bを軸線に沿って且つ外周方向に形成し、スリット6bの両側に、2本の締付ボルト用のねじ孔を形成して構成される。インナーパイプ4の先端にコネクタ部材5を取り付ける場合、締付部材6の円筒空間6a内にインナーパイプ4及びコネクタ部材5を突き合わせて挿入し、その状態で、2本の締付ボルト11を締付部材6のねじ孔にねじ込み、締付部材6によりインナーパイプ4及びコネクタ部材5の端部を締め付けて連結固定する。導電性のインナーパイプ4の内部はコネクタ部材5の軸孔5bに連通し、その内部を溶接ワイヤ及びシールドガスが通過するようになっている。
【0021】
上記コネクタ部材5の大径部5c及び中径部5dには、その外周部を外側から覆うようにコネクタケース7が軸方向に摺動可能に被せられている。コネクタケース7は、図5に示すように、金属円筒の先端部に大径部7aを設けた筒状に形成され、その大径部7aには、円筒の軸方向に対し垂直方向(コネクタケース7の垂直横断方向)に、板状のスリット孔7bが貫通形成されている。スリット孔7bには、図6に示すロック部材9が摺動可能に挿入され、コネクタ部材5のコーン嵌合穴5aに嵌合されるチップボディ20のコーン嵌合部29を、そのロック部材9によりロックする構造となっている。
【0022】
コネクタケース7内には、図9のように、コイルばね12がコネクタ部材5の中径部5dに外嵌される形態で配設され、コイルばね12の適度なばね力によりコネクタ部材5の先端をロック部材9に押し付けるように付勢する。コネクタケース7の正面は図5、図9に示すように円形に大きく開口し、その正面開口にはコネクタ部材5の大径部5cの端面つまりコーン嵌合穴5aが露出することとなる。
【0023】
ロック部材9は、図6に示すように、板状部材に略達磨形状のロック開口部9aを設けて形成され、ロック開口部9aには、コーン嵌合部29のロックを解除するための大径孔9bと、コーン嵌合部29をロックするための小径孔9cが連続して設けられ、ロック部材9をコネクタケース7の軸と直角方向に移動させることにより、ロックとロック解除を行なう構造である。
【0024】
すなわち、図10に示すように、ロック部材9のロック開口部9aの小径孔9cの内径は、チップボディ20のロック溝28が密に嵌合可能な大きさに形成され、ロック開口部9aの大径孔9bの内径は、チップボディ20のコーン嵌合部29の元部が緩く挿通可能な大きさに形成されている。これにより、図10(b)の如く、ロック部材9の端部を押して摺動させ、その大径孔9bを軸芯位置に合わせた状態では、チップボディ20のコーン嵌合部29を、ロック部材9のロック開口部9aを通して、コネクタ部材5のコーン嵌合穴5aに嵌入可能である。また、この状態で、チップボディ20のコーン嵌合部29を、コンタクトケース7内のコネクタ部材5のコーン嵌合穴5aに嵌合させた状態であれば、トーチ本体2は溶接トーチの元部から離脱する。
【0025】
一方、図10(a)の如く、チップボディ20のコーン嵌合部29を、コネクタケース7内のコネクタ部材5のコーン嵌合穴5aに嵌合させた状態で、ロック部材9の端部を上記と逆方向に押して摺動させ、その小径孔9cを軸芯位置に合わせると、チップボディ20のロック溝28に、ロック部材9のロック開口部9aの小径孔9cの周縁部が係止され、チップボディ20がコネクタ部材5にロックされることとなる。
【0026】
ロック部材9には、その長手方向と平行に2本のガイド孔9dが形成され、ロック部材9をコネクタケース7のスリット孔7bに挿入した状態で、コネクタケース7の先端側から2本のガイドピン13を軸方向に打ち込み、ガイドピン13を図10のようにガイド孔9dに挿通させている。このようなガイドピン13とガイド孔9dの係合により、ロック部材9を図10の如くコネクタケース7のスリット孔7b内で摺動させたとき、所定の範囲で安定して移動するようにしている。
【0027】
トーチ本体2のチップボディ20は、図4に示すように、軸芯位置に軸孔31を有した、大径部20aと小径部20bとからなる導電金属製の管体から形成され、先端にコンタクトチップ21を螺着するためのチップ取付孔24が設けられる。さらに、チップボディ20の末端に円錐台形状のコーン嵌合部29が形成され、そのコーン嵌合部29に隣接してロック溝28が環状溝として上記ロック部材9を嵌合させるように形成されている。
【0028】
チップボディ20の先端側は小径部20bとして形成されるが、チップボディ20の中間部の末端寄りには大径部20aが設けられ、大径部20aの末端にコーン嵌合部29が後方に突出して設けられている。その大径部20aには把持用小径部26が段差を付けて形成され、把持用小径部26の末端側でロック溝28との間にはフランジ部27が形成されている。把持用小径部26は、トーチ本体2を交換する際、交換装置などの保持アームがトーチ本体2を持つために把持する部分である。
【0029】
図4に示すように、チップボディ20の小径部20bにはおねじ部25が形成され、インシュレータ23の内側に設けためねじ部がこのおねじ部25に螺合し、インシュレータ23がチップボディ20の小径部20bの大径部20a寄りに螺着される。また、この小径部20bには、シールドガス用の噴出孔32がラジアル方向に複数個形成され、チップボディ20の外側に覆うように装着される先端ノズル22との間の空間に、噴出孔32を通してシールドガスを流すようになっている。さらに、チップボディ20の先端部にチップ取付孔24がめねじを付けて設けられ、図2に示すように、コンタクトチップ21がチップボディ20の先端のチップ取付孔24にねじ込まれ、取り付けられる。
【0030】
先端ノズル22は円筒状に形成され、その末端部近傍の内側にめねじ部が設けられる。一方、インシュレータ23の外周部にはそのめねじ部に螺合するおねじ部が形成されている。先端ノズル22は、インシュレータ23のおねじ部にそのめねじ部を螺合してチップボディ20の先端部にねじ込まれ、コンタクトチップ21を覆うように取り付けられる。
【0031】
上記構成の溶接トーチ1は、そのトーチ用パイプ3の末端を溶接ロボットのロボットアームなどに取り付けて使用される。溶接トーチ1による溶接作業が長時間、或いは予め決められた所定時間行われ、トーチ本体2のチップボディ20、コンタクトチップ21などにスパッタが付着し、或いはシールドガスの噴出孔32に異物が付着してシールドガスの噴出不良が生じたたような場合、トーチ本体2を交換する。なお、トーチ本体2が溶接トーチ1に固定された状態では、図10(a)に示すように、ロック部材9の小径孔9cがロック溝28に押し込められ、チップボディ20の末端はコネクタ部材5にロックされている。
【0032】
交換作業に入ると、溶接トーチ1は図示しない交換装置に挿入され、交換装置の押圧部材(エアーシリンダ等)によりロック部材9の先端部を図10(b)のように開放側に押して摺動させる。トーチ本体2の交換を作業者が手作業で行なう場合、ロック部材9の先端部を同方向に押して摺動させることとなる。
【0033】
このとき、図10(b)の如く、ロック部材9のロック開口部9aの大径孔9bがチップボディ20のロック溝28側に摺動し、ロック部材9によるロックが解除される。これにより、チップボディ20のコーン嵌合部29が、コネクタ部材5のコーン嵌合穴5aから分離され、トーチ本体2が溶接トーチ1の元部から外れる。このとき、交換装置などに設けられた図示しない把持アームに、トーチ本体2の把持用小径部26を把持させ、その状態で溶接トーチ1の元部を交換装置から引き出させば、溶接トーチ1の元部からトーチ本体2を確実に離脱することができる。
【0034】
その後、溶接トーチ1の元部を動かして、コネクタ部材5のコーン嵌合穴5aを、交換する新たなトーチ本体2のチップボディ20の末端のコーン嵌合部29に嵌め込む。このとき、トーチ本体2のチップボディ20の軸線とコネクタ部材5の軸線が多少ずれていても、円錐台形状のコーン嵌合部29をコーン嵌合穴5aに嵌入するため、ラフな操作でも両方の部材の軸線位置が修正され、容易にチップボディ20とコネクタ部材5を嵌合連結することができる。
【0035】
そして、この状態で、ロック部材9を図10(a)のようにロック側に押して摺動させる。これにより、ロック部材9のロック開口部9aの小径部9cがチップボディ20のロック溝28に嵌合し、チップボディ20のコーン嵌合部29がコネクタ部材5のコーン嵌合穴5a内に嵌合してロックされ、トーチ本体2が溶接トーチの元部に固定され、交換が完了する。
【0036】
このように、ロック部材9を押して摺動させるだけの簡単な操作でトーチ本体2を着脱交換することができるので、例えば溶接ロボットのロボットアームに溶接トーチが取り付けられて使用される場合であっても、その溶接ロボットの動作または交換機構の動作により、ロック部材9を押してトーチ本体2を外し、清浄なトーチ本体2と交換することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 溶接トーチ
2 トーチ本体
3 トーチ用パイプ
4 インナーパイプ
5 コネクタ部材
5a コーン嵌合穴
5b 軸孔
5c 大径部
5d 中径部
5e 小径部
6 締付部材
6a 円筒空間
6b スリット
7 コネクタケース
7a 大径部
7b スリット孔
9 ロック部材
9a ロック開口部
9b 大径孔
9c 小径孔
9d ガイド孔
11 締付ボルト
13 ガイドピン
20 チップボディ
20a 大径部
20b 小径部
21 コンタクトチップ
22 先端ノズル
23 インシュレータ
24 チップ取付孔
25 ねじ部
26 把持用小径部
27 フランジ部
28 ロック溝
29 コーン嵌合部
32 噴出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トーチ本体の先端部にコンタクトチップを取り付けたチップボディが設けられ、溶接ワイヤ及びシールドガスを該トーチ本体のチップボディに供給して溶接を行なう溶接トーチにおいて、
軸方向に貫通孔を設けたコネクタ部材がトーチ用パイプの先端に締付部材により締付固定され、該コネクタ部材の先端の軸芯位置にコーン嵌合穴が設けられ、該コネクタ部材の先端部外周にコネクタケースが軸方向に移動可能に嵌合され、該コネクタケースには該コネクタ部材のコーン嵌合穴側の縁部位置に、板状のスリット孔が軸と直角方向に貫通して形成され、
該スリット孔には板状のロック部材が摺動可能に挿入され、該ロック部材には大径孔と小径孔からなるロック開口部が設けられ、該コネクタケース内で該コネクタ部材の先端を該ロック部材に押し付けるように付勢するばね部材が配設され、
前記トーチ本体の該チップボディの末端部に、前記コネクタ部材のコーン嵌合穴に嵌合されるコーン嵌合部が設けられ、該コーン嵌合部の元部外周に該ロック部材のロック開口部が嵌合する環状のロック溝が形成され、
該トーチ本体は、該コーン嵌合部を該コネクタ部材の該コーン嵌合穴に嵌入した状態で、該ロック部材を摺動させて該ロック開口部の該小径孔を該ロック溝に嵌合させたとき、該チップボディの該コーン嵌合部が該コーン嵌合穴内にロックされ、該ロック部材を摺動させて該ロック開口部の大径孔を該ロック溝側に摺動させたとき、該トーチ本体は該チップボディのコーン嵌合部のロックを解除して該コネクタ部材から離脱することを特徴とする溶接トーチ。
【請求項2】
前記チップボディにおける前記ロック溝の先端側に把持用小径部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の溶接トーチ。
【請求項3】
前記ロック部材にはガイド孔が設けられる一方、前記コネクタケースの対応位置にガイドピンが該ガイド孔に係合して設けられ、該ガイド孔と該ガイドピンにより該ロック部材の摺動がガイドされることを特徴とする請求項1記載の溶接トーチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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