説明

溶接ワイヤ収納容器及び容器入り溶接ワイヤ

【課題】 絡み及びもつれを生じることなく、最下層まで円滑に溶接用ワイヤを巻き解くことができる溶接ワイヤ収納容器及び容器入り溶接ワイヤを提供する。
【解決手段】 円筒状の外筒の下端部をかしめて底板が固定されており、この底板上に内筒が固定されている。そして、外筒と内筒との間の底板上に溶接ワイヤコイルが収納される。そして、このコイル上に押さえ治具2が載置される。この押さえ治具2は、溶接ワイヤ上のリング状の平板部3と、この平板部3の全周においてその外縁から上方に立ち上がる垂直部4とがオレフィン系樹脂により一体成形された形状を有する。そして、垂直部4は下方の部分4aが上方の部分4bより小径となるように段付き形状を有し、垂直部4の下方部分4aは外筒のかしめ部内に入り込む大きさを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接ワイヤのコイルを収納する溶接ワイヤ収納容器及び容器入り溶接ワイヤに関し、特に、ソリッドワイヤ等の剛性が高い溶接ワイヤにも適用可能な溶接ワイヤ収納容器及び容器入り溶接ワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ソリッドワイヤ及びフラックス入りワイヤ等の溶接ワイヤを収納する容器としては、一般に、有底筒状のペイル容器が使用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。図8(a)は従来の容器入り溶接ワイヤを模式的に示す斜視図であり、図8(b)はその断面図である。また、図9は従来の溶接ワイヤ収納容器の押さえ板を示す斜視図である。図8(a)及び(b)に示すように、従来の容器入り溶接ワイヤは、外筒101の内部に底部を形成する底板105が保持されている容器内に、溶接ワイヤ100aが円軌跡に沿って中心軸を移動変位しながら巻回されて収納されている。なお、従来の溶接ワイヤ収納容器においては、外筒101よりも小径の内筒106が外筒101と同軸的に設けられていることもある。
【0003】
通常、容器入り溶接ワイヤは、容器に収納された状態で巻き解かれる。このため、巻き解きの際に、溶接ワイヤ100aが絡んだり、もつれたりすることがある。そこで、従来の容器入り溶接ワイヤにおいては、溶接ワイヤコイル100上に、図9に示すように、環状の押さえ板112を載置し、外筒101と押さえ板112との隙間から溶接ワイヤ100aが飛び出さないように、押さえ板112の外周部の外側に突出する断面L字形の複数個の羽根体112aを等間隔で設けたものがある。この羽根体112aは発泡ウレタンスポンジからなり、接着剤により押さえ板112の表面に接着されている。なお、押さえ板112は上下方向に移動可能であるため、溶接ワイヤ100aが巻き解かれることによって、溶接ワイヤコイル100の高さが変化しても、常に溶接ワイヤコイル100の上に載置されている。また、押さえ板112の羽根体112a間の位置には、使用中の溶接ワイヤの残量を目視にて確認できるように、直径が30乃至60mmの孔からなる窓112bが設けられている。
【0004】
一方、巻き解き時の絡み防止のため、帯板状の縦壁部に複数の弾性内向片が設けられた押さえ板も提案されている(特許文献3参照)。この押さえ板は、円環状に丸められ、縦壁部が外筒の内面に、弾性内向片が溶接ワイヤ上面に夫々接するようにして溶接ワイヤコイル上に載置される。そして、溶接ワイヤは押さえ板の弾性内向片の縁部に接触しながら上方に引き出される。
【0005】
しかしながら、従来の溶接ワイヤ収納用容器においては、図8(b)に示すように、外筒101の下端部をかしめることにより、底板105が固定されているため、下部に他の部分より内径が小さいかしめ部が形成されている。このかしめ部は、底板105を外筒101に挿入する際の位置決めを容易にし、底板105を固定するためのカール加工時にガイドを当てて補助するためのものであるが、溶接ワイヤコイル100aを巻き解く際に、押さえ板102がかしめ部で保持されてしまい、かしめ部より下にある溶接ワイヤコイル100を押さえることができず、かしめ部と底板105との間にあるワイヤが跳ね上がり、絡み及びばらけが発生するという問題点がある。
【0006】
そこで、底板105の上に板等を積層して、容器の底を嵩上げする方法が検討されている。図10は底が嵩上げされた溶接ワイヤ収納容器を示す断面図である。この溶接ワイヤ収納容器は、外径がかしめ部に挿入可能な大きさで、厚さがかしめ部の高さと同等である円盤109が、底板105上に接着剤等により接合されている。これにより、容器の底が嵩上げされ、最下層の溶接ワイヤの上面がかしめ部よりも上になるため、押さえ板102により最下層の溶接ワイヤまで押さえることができる。
【0007】
また、内径が内筒の外径よりも大きく外径が外筒の最小内径よりも小さい環状平板に、複数の短冊状の羽根材をその内側及び外側に突出するように取り付けた押さえ板を備えた溶接ワイヤ収納容器も検討されている(特許文献4参照。)。図11はこの溶接ワイヤ収納容器の押さえ板を示す平面図である。この押さえ板120は、環状平板121により溶接ワイヤコイルを下方に押圧し、羽根材122により外筒側及び内筒側の溶接ワイヤが飛び出すことを防止するものである。この押さえ板120は、外径がかしめ部分の内径よりも小さくかしめ部にも入り込むことができるため、最下層の溶接ワイヤまで押さえることができる。
【0008】
【特許文献1】特公昭59−8474号公報 (第1−2頁、第1−4図)
【特許文献2】特公平3−34424号公報 (第2−3、第1図)
【特許文献3】特開平10−218493号公報 (第3−4、第1−3図)
【特許文献4】特開平2−147566号公報 (第3−5頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述の従来の技術には以下に示す問題点がある。先ず、従来の図9(b)に示す押さえ治具は、ABS、PP、PS等のオレフィン系樹脂の単一素材のリング状成形板からなる押さえ板112と、発泡ウレタンスポンジからなる複数個の羽根体112aとから構成されているため、以下に示す問題点がある。即ち、発泡ウレタンスポンジからなる羽根体112aが経時変化によりペイル容器外筒101の内面に当接する応力が弱くなり、引き出される直前の溶接ワイヤが羽根体112aを乗り越えてしまうと、溶接ワイヤが羽根体を巻き込んで縺れ、容易には元の状態、即ち押さえ板112の下方には戻らず、ワイヤの送給停止が生じてしまう。また、押さえ板112と羽根体112aとの間の接合部の近傍から切れ目が発生しやすく、この切れ目に溶接ワイヤが入り込むと、同様にワイヤ送給停止という事態になる。
【0010】
また、図10に示す従来の底が嵩上げされた溶接ワイヤ収納容器は、押さえ板102により溶接ワイヤコイル10の最下層まで押さえることができるようにはなるが、円盤109と外筒101の内面との間に隙間が生じ、この隙間にワイヤが挟まって送給が停止するという問題点がある。複数の容器入り溶接ワイヤを連続して使用する場合、容器内に収納されている全ての溶接ワイヤが円滑に引き出されなければ、次の容器に移行することができないので、このように溶接ワイヤコイルの残量が少なくなった底部付近でトラブルが発生すると、複数の容器入り溶接ワイヤを連続して使用することができない。また、円盤109の厚さをより厚くして、容器の底をかしめ部よりも上方に設定することにより円盤109と外筒1の内面との隙間をなくすことは可能であるが、底の嵩上げ量が多くなると、容器に収納できるワイヤの量が少なくなり使用時の作業性が低下すると共に、製造コストが増加するため好ましくない。
【0011】
更に、図11に示す押さえ板120を備えた従来の溶接ワイヤ収納容器は、溶接ワイヤコイルの押さえ板120と外筒との間の部分が羽根材122により数カ所押さえられているだけであるため、外筒側の溶接ワイヤが飛び出す虞がある。また、この押さえ板120は、内側に突出した羽根材122が内筒の外面に接触し、外側に突出した羽根材122が外筒の内面に接触しながら下方に移動するため、斜め傾きやすく、ワイヤの絡み及びもつれが発生しやすいという問題点がある。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、絡み及びもつれを生じることなく、最下層まで円滑に溶接ワイヤを巻き解くことができる溶接ワイヤ収納容器及び容器入り溶接ワイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る溶接ワイヤ収納容器は、溶接ワイヤのコイルを収納する溶接ワイヤ収納容器において、外筒と、前記外筒をかしめることにより前記外筒の内部に保持され底部を形成する底板と、前記溶接ワイヤコイル上に載置される押さえ治具と、を有し、前記押さえ治具は、前記溶接ワイヤ上のリング状の平板部と、この平板部の全周においてその外縁から上方に立ち上がる堰部とが一体成形された形状を有し、前記堰部は下方の部分が上方の部分より小径となるような形状を有し、前記堰部の下方部分は前記外筒のかしめ部の内径より小さい外径を有し、前記堰部の上方部分は前記外筒の内面の直径より小さく前記かしめ部の内径より大きな外径を有することを特徴とする。前記堰部の形状は、下方の部分が上方の部分より小径となる段付き形状にすることができる。また、堰部の形状は、段付き形状ではなく、滑らかに変化する形状とすることもできる。
【0014】
本発明においては、溶接ワイヤコイルの上に載置される押さえ治具が、前記外筒の内面に沿う堰部を有するので、溶接ワイヤのコイルを巻き解く際に、ワイヤがこの押さえ治具と外筒内面との間からはみ出て、コイルの巻き状態が乱れてしまうことを防止できる。また、この押さえ治具の堰部の下部は、外筒における底板を固定するためのかしめ部の内径より小さいので、この堰部下部は、かしめ部内に嵌合することが可能である。従って、溶接ワイヤコイルの残量が少なくなっても、押さえ治具は溶接ワイヤコイルの上面を確実に押さえることができる。これにより、従来の溶接ワイヤ収納容器のように底の嵩上げ等を行わなくても、最下層の溶接ワイヤまで絡み及びもつれを生じることなく、円滑に巻き解くことができる。
【0015】
また、本発明においては、前記堰部の上部に外方に突出する複数個の突起が設けられていることが好ましい。この場合に、前記突起は3個以上、堰部の周方向に等間隔に設けられていることが好ましい。更に、平面視で、前記複数個の突起の先端の包絡円は、前記外筒の内面より大きいことが好ましい。更にまた、前記突起は少なくとも上面が外方に向けて下方に傾斜して突出していることが好ましい。
【0016】
本発明に係る溶接ワイヤ収納容器は、前記外筒と同軸的に配置され前記溶接ワイヤコイルが嵌合される内筒を有することが好ましい。そして、前記押さえ治具は、オレフィン系樹脂により一体成形されたものであることが好ましい。
【0017】
更に、前記押さえ治具の上に、前記押さえ治具の中心を中心とする等配の位置に配置された複数個の錘が設けられていることが好ましく、この場合に、前記錘は、例えば、夫々、厚さが3乃至25mm、幅が9乃至50mm、長さが50乃至200mmの鋼板であり、質量が合計で200乃至800gである。又は、前記押さえ治具の上に、リング状の鋼製錘又は直径が0.8乃至5.5mmの巻線をコイル状に束ねた鋼製錘が設けられており、前記鋼製錘のリング外径又はコイル外径は前記外筒の内径より20乃至100mm小さいことが好ましい。この場合、鋼製錘の質量は200乃至800gである。
【0018】
更にまた、前記押さえ治具の平板部には、下方の溶接ワイヤを視認するための1又は複数個の孔が前記押さえ治具の中心を中心とする等配の位置に設けられていることが好ましい。この孔は、例えば、幅が2乃至20mm、長さが10乃至50mmである。
【0019】
前記押さえ治具は、板厚が0.5乃至5mmであり、前記堰部の上方部分の外径が前記外筒の内径より0.5乃至位5mm小さく、前記平板部の内径は前記内筒の外径より20乃至30mm大きく、前記堰部の上方部分の高さは40乃至60mmであることが好ましい。
【0020】
また、本発明に係る容器入り溶接ワイヤは、前述の溶接ワイヤ収納容器内に溶接ワイヤのコイルが収納されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、押さえ治具が、その平板部の外周から立ち上がる堰部がリング状をなして外筒の内面にほぼ接触しているので、この押さえ治具と外筒との間の隙間から溶接ワイヤが飛び出してしまうことが防止される。そして、この堰部は平板部の全周の周縁から立ち上がるように平板部と一体成形されており、羽根体を局部的に設けた場合と異なり、形状的な要因による剛性を有しているため、外筒内面と押さえ治具との間の隙間から溶接ワイヤが跳ね上がろうとしても、この跳ね上がりを堰部が確実に阻止することができ、また経時変化により前記堰部が外筒内面を押圧する応力が低下することがなく、溶接ワイヤの飛び出しを確実に防止することができる。また、仮に、溶接ワイヤがこの堰部の上縁よりも上方に飛び出たとしても、堰部は平板部の全周に亘って平板部の外縁に設けられているので、飛び出たワイヤは容易に元の状態、即ち、押さえ治具の下方に戻ることができる。更に、堰部は平板部の全周に亘って形成されているので、羽根体を局部的に設けた従来の場合と異なり、暴れる溶接ワイヤにより切れ目が生じてしまうということもない。
【0022】
また、請求項8のように、この堰部及び平板部が一体成形された押さえ治具をオレフィン系樹脂により一体成形されたものとすることにより、従来のように、発泡ウレタンスポンジからなる羽根体を設けた場合よりも更に一層経時変化による外筒内面への押圧力の劣化を防止することができる。
【0023】
更に、本発明においては、堰部が段付き形状等のように、下方部分が上方部分よりも小径となっており、この下方部分が外筒のかしめ部に囲まれた空間内に入り込むことができる。このため、容器内のワイヤの残量が少なくなっても、押さえ治具は確実に溶接ワイヤコイルを押さえることができ、最下層の溶接ワイヤまで絡み及びもつれを生じることなく、円滑に巻き解くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る溶接ワイヤ容器について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本実施形態の溶接ワイヤ収納容器を示す断面図である。本実施形態の溶接ワイヤ収納容器は、円筒状の外筒1の下端部がかしめられて、円板状の底板5が固定されており、これにより、外筒1の下端部に底板5が保持された容器が構成されている。よって、外筒1の内面はその下端部のかしめ部1aにおいて、その内径が小さくなっている。底板5と外筒1は、外筒1のかしめ部1aと底板5の底面を包み込む金属補強帯(図示せず)により、相互に補強的に固定されている。一般的に、溶接ワイヤ収納容器には、200乃至500kgの溶接ワイヤが収納されるため、運搬時及び吊り下げ移送時に安全強固な構造が要求される。このため、軽量化及び電気絶縁性の観点から、本実施形態の溶接ワイヤ収納容器における外筒1は、厚さが厚い紙等で形成されている。
【0025】
本実施形態の溶接ワイヤ収納容器においては、外筒1の内部に外筒1よりも直径が小さい円筒状の内筒6が外筒1と同軸的に配置されており、この内筒6の下端部は底板5上に固定されている。そして、この底板5上には、その外筒1と内筒6との間に、溶接ワイヤコイル10が載置されるようになっている。この溶接ワイヤコイル10は、溶接ワイヤ10aを内筒6と外筒1との間の空間に、ループ状に1回巻あたり略360°の捻りを付与して、落とし込むようにして充填することにより、収納される。
【0026】
本実施形態の溶接ワイヤ収納容器においては、溶接ワイヤコイル10の上に、押さえ治具2が載置されている。図2はこの押さえ治具2を示す斜視図、図3は同じく押さえ治具2の断面図である。押さえ治具2は、リング状の平板部3と、この平板部3の外縁から立ち上がる筒状の堰部4とから構成されている。そして、堰部4はその下方部分4aの直径が上方部分4bの直径よりも小さく、下方部分4aと上方部分4bとの間に段差4cが形成されている。なお、堰部4の下方部分4a及び上方部分4bは、平板部3に対して必ずしも垂直ではなく、いずれも、より上方部分が大径となっており、外側に向けて傾斜している。
【0027】
そして、平板部3には、鋼製リング状の錘7aが平板部3の中心を中心として同軸的になるように、載置されている。そして、平板部3には、更に、2個のスリット状の孔8がその長手方向をリング状平板部3の半径方向に向けて等間隔の位置に形成されている。
【0028】
次に、上述の如く構成された溶接ワイヤ収納容器の押さえ治具2の好ましい材質及び好ましい形状寸法について説明する。押さえ治具2は、平板部3と、堰部4(下方部分4a、上方部分4b及び段差部4c)とがオレフィン系樹脂により一体成形されたものであり、板厚(a)が0.5乃至5mmの薄肉状をなしている。この押さえ治具2の外径(d)は、外筒1の内径よりも0.5乃至5.0mm小さく、押さえ治具2の内径(b)は、内筒6の外径よりも20乃至30mm大きい。また、平板部3の外径(c)は、外筒1のかしめ部1aの内径(外筒1の最小内径)よりも小さいものであり、この平板部3の外縁から立ち上がる下方部分4aが外筒1のかしめ部1aの内側に嵌合する大きさを有している。つまり、段差部4cより下方の部分4aがかしめ部1a内に嵌合されるので、段差部4cの平板部3からの高さ(f)は、かしめ部1aの底板5からの高さにより決まる。また、堰部4の高さ(e)、つまり、堰部4の上端の平板部3からの高さは、40乃至60mmである。これは、溶接ワイヤが堰部4と外筒1の内面との間の隙間から飛びでないようにするために、40mm以上の高さにした方が好ましいことと、高さが60mmを超えると、容器の上端部に蓋をして溶接ワイヤコイルを収納するときに、押さえ治具2が大きすぎて、収納できる溶接ワイヤの質量が少なくなる。よって、押さえ治具2の堰部4の高さは40乃至60mmにすることが好ましい。また、オレフィン系樹脂としては、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、PP(Polypropylene;ポリプロピレン)樹脂、PS(Poly- Styrene;ポリスチレン)樹脂等があり、これを、射出成形等により成形することにより、押さえ治具2を得ることができる。
【0029】
錘7aは直径が5.5乃至20mmの鋼棒をリング状に湾曲させたものであり、押さえ治具2が溶接ワイヤの暴れにより浮き上がることを防止するようになっている。また、孔8は、幅が2乃至20mm、長さが10乃至50mmの大きさを有するスリット状又は長方形状をなし、この孔8により、押さえ治具2の下方の溶接ワイヤ10aの残量を視認することができるようになっている。なお、図2において、孔8はスリット状又は長方形状をなしているが、孔8の形状はこれに限定されるものではない。
【0030】
なお、上記材質及び形状寸法は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、図2に示す実施形態では、孔8は2個形成されているが、本発明は、これに限らず、1又は複数個設けることができる。孔8は5個以上設けることもできるが、孔8が4個以下でも下方の溶接ワイヤを十分に確認することができ、孔8の数が増えると、押さえ治具2の平板部3の強度が低下すると共に、この孔8を介して下方の溶接ワイヤ10aが錆びやすくなる。いずれにしても、孔8の配置は、等間隔になるようにすることが好ましい。
【0031】
次に、上述の如く構成された溶接ワイヤ収納容器の動作について説明する。外筒1と内筒6との間の底板5上に、ソリッドワイヤ又はフラックス入りワイヤ等の溶接ワイヤ10aを落とし込んで、溶接ワイヤコイル10を収納する。この溶接ワイヤコイル10は例えば質量が200乃至500kgの大きさを有する。そして、図1に示すように、押さえ治具2をコイル10の上に載置し、溶接ワイヤ10aを押さえ治具2と内筒6との間の隙間から上方に引き出す。
【0032】
そうすると、溶接ワイヤ10aが引き出されたトーチに送給されることにより、コイル10の高さが徐々に低下していき、それに伴い、コイル10上の押さえ治具2も下降していく。この場合に、押さえ治具2の堰部4の上方部分4bは外筒1との間に0.5乃至5.0mmの間隙しかないので、ほぼ外筒1の内面に摺動して下降する。これにより、溶接ワイヤ10aが引き出されるときの溶接ワイヤ10aの暴れにより、溶接ワイヤ10aが押さえ治具2と外筒1との間の隙間から押さえ治具2の上方に飛び出ることを防止することができる。この場合に、平板部3と平板部3の外周から立ち上がる堰部4がリング状をなして外筒の内面にほぼ接触しているので、この押さえ治具と外筒との間の隙間から溶接ワイヤが飛び出してしまうことが防止される。
【0033】
そして、この堰部4は平板部3の全周の外縁から立ち上がるように平板部3と一体成形されているため、従来の羽根体の場合に比して、剛性が高く、このため、外筒内面と押さえ治具2との間の隙間から溶接ワイヤが跳ね上がろうとしても、この跳ね上がりを堰部4が確実に阻止することができる。また、経時変化により堰部4が外筒1内面を押圧する応力が低下することがなく、溶接ワイヤの飛び出しを確実に防止することができる。また、仮に、溶接ワイヤがこの堰部4の上縁よりも上方に飛び出たとしても、堰部4は平板部3の全周に亘って平板部3の外縁に設けられているので、飛び出たワイヤ10aは容易に元の状態、即ち、押さえ治具2の下方に容易に戻ることができる。更に、堰部4は平板部3の全周に亘って形成されているので、従来のように羽根体を局部的に設けた場合と異なり、暴れる溶接ワイヤにより切れ目が生じてしまうということもない。
【0034】
また、押さえ治具2は、堰部4及び平板部3がオレフィン系樹脂により一体成形されたものであるので、従来のように、発泡ウレタンスポンジからなる羽根体を設けた場合に比して、材質又は剛性等の特性の経時変化が生じにくく、更に一層外筒内面への押圧力の劣化を防止することができる。
【0035】
更に、溶接ワイヤの残量が少なくなり、溶接ワイヤコイル10の高さが外筒1のかしめ部1aより低くなっても、押さえ治具2の下方部分4aがかしめ部1aに囲まれた部分に入り込むので、かしめ部1a内の溶接ワイヤコイル10の上面を依然として押さえ治具2が押さえることができる。このため、容器内のワイヤの残量が少なくなっても、押さえ治具2は確実に溶接ワイヤコイル10を押さえることができ、最下層の溶接ワイヤまで絡み及びもつれを生じることなく、円滑に巻き解くことができる。
【0036】
溶接ワイヤの使用状況に応じて、途中で溶接が中断し、溶接対象物を補修しなければならなくなる場合がある。このため、区切りの良い溶接が行えるように、収納容器の溶接ワイヤ残量を確認するために、押さえ治具には、溶接ワイヤ残量を視認するための窓が設けられている。従来の押さえ治具の場合は、この視認用の窓が極めて大きなものであったので、溶接ワイヤ収納容器が外気温度の変化を受けて結露が生じやすい環境下におかれた場合、押さえ治具の視認用窓を介して露出している溶接ワイヤが錆びることがある。しかし、本発明においては、この視認用窓が、幅が5乃至10mmの孔8であるので、下方の溶接ワイヤは、結露の影響を受けにくく、従って、溶接ワイヤの変色及び錆びの発生を抑制することができる。
【0037】
また、従来の押さえ板の羽根体112a(図9(b))は発泡ウレタンスポンジ製であるので、この羽根体112aと直接接触する溶接ワイヤが変色したり、錆びたりしやすい。また、羽根体112aを構成する発泡ウレタンスポンジは、塩素を含有するため、押さえ板を廃棄する際に、焼却処分しようとすると、ダイオキシンの発生源となるため、廃棄が困難である。
【0038】
しかし、本発明においては、堰部4が平板部3と同一のオレフィン系樹脂材料により一体成形されているので、溶接ワイヤと接触しても、変色及び錆びが発生することがない。また、押さえ治具2はオレフィン系樹脂により成形されており、また、錘7aがリング状の鋼棒であるので、スクラップ処理が容易であり、押さえ治具2を焼却処分してもダイオキシンが発生することがなく、容易に廃棄処分することができる。
【0039】
図4は本発明の他の実施形態に係る溶接ワイヤ収納容器の押さえ治具2aを示す斜視図、図5はその溶接ワイヤ収納容器を示す模式的斜視図である。この押さえ治具2aは、その平板部3上に、4個の鋼板錘7bを設けたものである。この錘7bは、例えば、厚さが3乃至25mm、幅が9乃至50mm、長さが50乃至200mmの鋼板であり、両面接着テープにより、平板部3上の等間隔の位置に接合されている。なお、この錘7bの数は、4個に限らず、複数個設けることができる。また、この錘7bは平板部3の表面に突部を成形し、この突部上に接着しても良い。但し、溶接ワイヤコイルに対して均等に荷重を印加するため、錘7bの間隔は均一にすることが好ましい。また、本実施形態は、図5に示すように内筒を有しないものであるが、上記鋼板錘7bは内筒を有する場合にも使用できる。
【0040】
このように、錘は、リング状に限らず、複数個の個片状のものを等間隔に配置したものでも、同様の効果を奏する。また、内筒は必ずしも設ける必要がない。しかし、この場合に、押さえ治具2の平板部3に引き出し孔を設け、溶接ワイヤ10aをこの引き出し孔を挿通させて引き出すことが好ましい。
【0041】
また、上述の方法で巻回されて収納された容器入り溶接ワイヤを運搬及び保管する際は、外筒1の上端部に蓋(図示せず)が被せられる。その際、押さえ治具2と蓋との間には、紙製等のスペーサ(図示せず)を配置することが好ましい。これにより、運搬中に、振動により溶接ワイヤコイルがほどけてしまい、絡み及びもつれが生じることを防止することができる。
【0042】
更に、本実施形態の溶接ワイヤ収納容器においては、押さえ治具2により溶接ワイヤコイル10の上面の大部分を覆っているため、溶接ワイヤコイル10の内部に湿気が入りにくく、溶接ワイヤの防錆効果が優れている。
【0043】
図6(a)は本発明の更に他の実施形態に係る溶接ワイヤ収納容器の押さえ治具2bをその突起を明示するために上下逆にして示す平面図、図6(b)は同じく一部断面図である。各図において、一点鎖線で示す部分は突起20を拡大して示す図である。押さえ治具2bは、図3と同様に、リング状の平板部3と、堰部4とが一体成形されたものである。堰部4は、下方部分4aと上方部分4bとがその間に段差部4cを設けて開口側に向けて広がるように傾斜して成形されている。つまり、押さえ治具2bはその上方が広がるような形状を有し(図示は上下逆)、この上端縁が外筒の内面に接触又は摺動するようになっている。そして、この堰部4の上方部分4bの上端部には、堰部4の周方向の3等配の位置に夫々突起20が形成されている。つまり、押さえ治具2bの中心の周りにおける中心角120°をなす位置に、突起20が設けられている。この突起20の先端を結ぶ包絡円は押さえ治具2bの堰部4の上端縁より直径が大きく、従って、突起20は押さえ治具2bの堰部4よりも外方に突出している。
【0044】
次に、上述の如く構成された本実施形態の押さえ治具の動作について説明する。ワイヤの跳ね上がり挙動は、ワイヤの直径を超える隙間が、外筒内面と押さえ治具との間に、押さえ治具の半円周以上の長さにわたって存在するときに発生しやすい。一方、外筒の内面の直径は、設計値から0〜+5mmの範囲でばらつくことがある。そうすると、押さえ治具2bの外縁が真円であり、その直径が外筒の内面の直径の設計値どおりの寸法であると、外筒内面直径が最大値で振れると、その外筒と押さえ治具との間の隙間から、ワイヤが上方に通過しやすい。これに対し、本発明においては、堰部4の上部(上方部分4bの上部)に外方に突出する突起20を設けたので、堰部4と外筒1(図1)との間から、溶接ワイヤが押さえ治具2bの上方に飛び出ること(跳ね上がり)が確実に防止される。そして、この突起20が3箇所以上、堰部4の周方向に等間隔に設けられているので、周方向に均一にワイヤの通過を防止できるので、より確実にワイヤの跳ね上がりを防止できる。このとき、平面視で、複数個の突起の先端の包絡円が、前記外筒の内面より大きくなるようにすると、外筒の製造寸法の精度が低くて設計値よりも大きすぎ、外筒と押さえ治具堰部4との間に比較的大きな隙間が生じた場合にも、突起20の先端の包絡円が外筒1の設計値よりも大きいので、突起20の先端が外筒内面に確実に接触して、ワイヤの通過を確実に防止できる。また、外筒の大きさが設計値どおりであった場合は、押させ治具2bの堰部4の突起20が外筒1の内面に押されて、堰部4が若干内側にたわむことでこれを吸収できる。この場合に、堰部4の上端縁自体が外筒の内面より大きくなっているのではなく、複数個の突起20の包絡円が外筒内面より大きいだけであるので、突起20の先端が外筒内面からの反力を受けて外筒内面に摺動するだけであり、押さえ治具2bの降下を阻止する大きな摩擦力が作用することはない。
【0045】
更に、図7に示すように、突起20の下面が外方に向けて(外筒1に向けて)下方に傾斜している場合は、ワイヤ送給時、即ち巻き解き時に、ワイヤが堰部4と外筒1との間を上方に移動しようとした場合に、ワイヤは、外方に向けて下方に突出する突起20の下面に係止されて突起20の根元に案内されやすい。このため、押さえ治具20と外筒1との間を、ワイヤが上方に通過することを更に確実に防止することができる。この効果は、必ずしも突起の下面が下方に傾斜している場合に限らず、水平又は若干上方に向いていても同様に得られる。即ち、突起20の下面と外筒内面との角度βが75度以上あればワイヤのとび出しを防止できる。また、仮にワイヤが上方に通過してしまった場合、突起20上面が外筒1内面に向けて下方に傾斜しているので、ワイヤの送給時にワイヤが内筒側に引っ張られて、ワイヤの押さえ治具上の部分に下方への力が作用すれば、ワイヤのこの部分はこの突起20の外方に向けて下方に傾斜する上面に案内されて、突起20を押しのけ、押さえ治具2bの下方に戻ることができる。この突起20の上面と外筒内面とがなす角度αは60度以下であることが好ましい。なお、本実施例は突起20が3個の場合であるが、突起は2個以上あれば特にその個数は限定されない。
【0046】
押さえ治具2bの突起20の包絡円の直径は、ワイヤ収納容器の内面直径と同等又はそれより大きく設計されており、押さえ治具を収納容器内に設置する際には、押さえ治具2bの堰部4の変形により、突起20の包絡円の直径を小さくする必要がある。同時に、押さえ治具2bを収納容器内に設置した状態では、突起20は収納容器外筒内面に対し、堰部4の弾性変形に起因する押しつけ力を維持し、跳ね上がりを防止することができる。この突起20により押しつけ力は、収納容器内部に設置された状態で、1000g以下であることが好ましい。1000gを超えると、押さえ治具2bの重量が軽い場合に、収納容器の外筒1の内面に突起20が引っかかり、ワイヤの送給に伴いワイヤ高さが低下することに押さえ治具2bが追従できず、有効なワイヤ押さえ力が得られない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態の溶接ワイヤ収納容器を示す断面図である。
【図2】本実施形態の押さえ治具2を示す斜視図である。
【図3】同じく本実施形態の押さえ治具2を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態の溶接ワイヤ収納容器の押さえ治具2aを示す斜視図である。
【図5】本実施形態の溶接ワイヤ収納容器を示す模式的斜視図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態の溶接ワイヤ収納容器の押さえ治具2bを示す平面図(a)及び一部側面図(b)である。
【図7】その変形例を示す模式図である。
【図8】(a)は従来の容器入り溶接ワイヤを模式的に示す斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図9】従来の溶接ワイヤ収納容器の押さえ板を示す斜視図である。
【図10】底が嵩上げされた従来の溶接ワイヤ収納容器の一部を示す断面図である。
【図11】特許文献5に記載の溶接ワイヤ収納容器の押さえ板を示す平面図である。
【符号の説明】
【0048】
1、101;外筒
2、2a、2b;押さえ治具
12、102、112、120;押さえ板
121;環状平板
3;平板部
4;堰部
4a;下方部分
4b;上方部分
4c;段差部
5;底板
6、106;内筒
7a、7b;錘
8;孔
10、100;溶接ワイヤコイル
10a、100a;溶接ワイヤ
103;リング
108;ひも
109;円盤
107;クランプ
102,112;押さえ板
112a;羽根体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接ワイヤのコイルを収納する溶接ワイヤ収納容器において、外筒と、前記外筒をかしめることにより前記外筒の内部に保持され底部を形成する底板と、前記溶接ワイヤコイル上に載置される押さえ治具と、を有し、前記押さえ治具は、前記溶接ワイヤ上のリング状の平板部と、この平板部の全周においてその外縁から上方に立ち上がる堰部とが一体成形された形状を有し、前記堰部は下方の部分が上方の部分より小径となるような形状を有し、前記堰部の下方部分は前記外筒のかしめ部の内径より小さい外径を有し、前記堰部の上方部分は前記外筒の内面の直径より小さく前記かしめ部の内径より大きな外径を有することを特徴とする溶接ワイヤ収納容器。
【請求項2】
前記堰部は下方の部分が上方の部分より小径となる段付き形状を有することを特徴とする請求項1に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項3】
前記堰部の上部に外方に突出する複数個の突起が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項4】
前記突起は3個以上、堰部の周方向に等間隔に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項5】
平面視で、前記複数個の突起の先端の包絡円は、前記外筒の内面より大きいことを特徴とする請求項3又は4に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項6】
前記突起は少なくとも上面が外方に向けて下方に傾斜して突出していることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項7】
前記外筒と同軸的に配置された内筒を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項8】
前記押さえ治具は、オレフィン系樹脂により一体成形されたものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項9】
前記押さえ治具の上に、前記押さえ治具の中心を中心とする等配の位置に配置された複数個の錘が設けられており、前記錘は、夫々、厚さが3乃至25mm、幅が9乃至50mm、長さが50乃至200mmの鋼板であり、質量が合計で200乃至800gであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項10】
前記押さえ治具の上に、リング状の鋼製錘又は直径が0.8乃至5.5mmの巻線をコイル状に束ねた鋼製錘が設けられており、前記鋼製錘のリング外径又はコイル外径は前記外筒の内径より20乃至100mm小さく、質量が合計で200乃至800gであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項11】
前記押さえ治具の平板部には、下方の溶接ワイヤを視認するための1又は複数個の孔が前記押さえ治具の中心を中心とする等配の位置に設けられており、前記孔は幅が2乃至20mm、長さが10乃至50mmであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項12】
前記押さえ治具は、板厚が0.5乃至5mmであり、前記堰部の上方部分の外径が前記外筒の内径より0.5乃至位5mm小さく、前記平板部の内径は前記内筒の外径より20乃至30mm大きく、前記堰部の上方部分の高さは40乃至60mmであることを特徴とする請求項7に記載の溶接ワイヤ収納容器。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ収納容器内に溶接ワイヤのコイルが収納されたものであることを特徴とする容器入り溶接ワイヤ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−927(P2007−927A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−297779(P2005−297779)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】