説明

溶接管理システム、装置、方法、及び溶接機の溶接制御装置

【課題】 各溶接打点の欠損を確実にチェックすることができ、欠損があった場合に欠損箇所を特定しうるようにする。
【解決手段】 ロボット制御装置101と溶接制御装置200は、ワークの仕様ごとに予め設定された溶接打点位置及び溶接打点番号を含む溶接教示データに従って溶接電流値及びその通電時間を制御する溶接制御部201と、車体管理番号取得部202と、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び当該車体に付与された管理番号を含む溶接データを送信する送信部203とを具備する。一方、溶接管理装置400は、車体ごとの溶接打点番号リストを保持する溶接打点番号リスト保持部402と、各溶接制御装置200から受信した溶接データに含まれる車体管理番号に基づいて車体を特定するとともに、その溶接データに含まれる溶接打点番号と当該車体の溶接打点番号リストとを照合して、溶接打点の欠損の有無を判定する欠損判定部404とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のスポット溶接を行う場合に利用して好適な溶接管理システム、装置、方法、及び溶接機の溶接制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車の車体を溶接組み立てする製造ラインにおいては、複数のスポット溶接ロボットが配備される。各スポット溶接ロボットにはそれぞれ専用のロボット制御装置と溶接制御装置(タイマ)が接続し、これら制御装置により機械的な諸動作や溶接電流値及びその通電時間が制御される。スポット溶接ロボットの溶接分担は、装備する溶接ガンの形状や作業効率等を考慮して配分される。
【0003】
【特許文献1】特開2000−94149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動車の車体であれば1台につき2000点を超えるような多数のスポット溶接が行われる。そのため、例えば新機種の立ち上げ時や溶接打点の振り替え時等での溶接ロボットの制御プログラムのプログラミングミスにより、スポット溶接の打点の欠損が生じるおそれがある。スポット溶接の打点の欠損は重大な品質問題となるため、スポット溶接の各打点の欠損をチェックし、欠損車両の流出を防止することが強く要求される。
【0005】
特許文献1には、溶接機を制御する各溶接タイマから打点数を収集する溶接管理装置が開示されている。しかしながら、各溶接タイマからは溶接する度に打点カウンタが出力されるだけなので、同じ打点で溶接機に2回通電した場合、その見分けがつかず、溶接打点に欠損が生じるおそれがある。また、各溶接機毎の溶接打点位置と打点数とを車種毎に記憶する基礎データベースを備えるが、各溶接タイマからは溶接機No.、打点カウンタ、溶接データ(電流値や通電時間等)が出力されるだけなので、いま溶接タイマから出力されたデータがどの溶接打点位置のものなのかを特定することができず、上述したように同じ打点で溶接機に2回通電した場合にはずれが生じるおそれがある。さらに、溶接打点の振り替え時には基礎データベースをメンテナンスすることが不可欠となり、もしメンテナンスが不充分な場合、溶接管理そのものがまったく精度のないものとなってしまう。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、各溶接打点の欠損を確実にチェックすることができ、欠損があった場合、その欠損箇所を特定しうるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の溶接管理システムは、ワークの製造ラインに配備される溶接機を制御する溶接制御装置と、前記製造ラインの各溶接制御装置と通信可能な溶接管理装置とを有する溶接管理システムであって、前記溶接制御装置は、ワークの仕様ごとに予め設定された溶接打点位置及び溶接打点番号を含む溶接教示データに従って前記溶接機を制御する制御手段と、ワークごとに付与される管理番号を取得する管理番号取得手段と、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び当該ワークに付与された管理番号を含む溶接データを送信する送信手段とを具備し、前記溶接管理装置は、前記溶接制御装置から送信される溶接データを受信する受信手段と、ワークごとの溶接打点番号リストを保持する溶接打点番号リスト保持手段と、前記受信手段により受信した溶接データに含まれる管理番号に基づいてワークを特定するとともに、その溶接データに含まれる溶接打点番号と前記溶接打点番号リスト保持手段により保持された当該ワークの溶接打点番号リストとを照合して、溶接打点の欠損の有無を判定する欠損判定手段とを具備する点に特徴を有する。
本発明の溶接機の溶接制御装置は、ワークの製造ラインに配備される溶接機を制御する溶接制御装置であって、ワークの仕様ごとに予め設定された溶接打点位置及び溶接打点番号を含む溶接教示データに従って前記溶接機を制御する制御手段と、ワークごとに付与される管理番号を取得する管理番号取得手段と、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び当該ワークに付与された管理番号を含む溶接データを出力する出力手段とを具備する点に特徴を有する。
本発明の溶接管理装置は、ワークの製造ラインに配備される溶接機を制御する各溶接制御装置と通信可能な溶接管理装置であって、前記各溶接制御装置から送信される、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び当該ワークに付与された管理番号を含む溶接データを受信する受信手段と、ワークごとの溶接打点番号リストを保持する溶接打点番号リスト保持手段と、前記受信手段により受信した溶接データに含まれる管理番号に基づいてワークを特定するとともに、その溶接データに含まれる溶接打点番号と前記溶接打点番号リスト保持手段により保持された当該ワークの溶接打点番号リストとを照合して、溶接打点の欠損の有無を判定する欠損判定手段とを具備する点に特徴を有する。
本発明の溶接管理方法は、ワークの製造ラインに配備される溶接機を制御する溶接制御装置と、前記製造ラインの各溶接制御装置と通信可能な溶接管理装置とにより溶接管理を行う溶接管理方法であって、前記溶接制御装置が、ワークの仕様ごとに予め設定された溶接打点位置及び溶接打点番号を含む溶接教示データに従って前記溶接機を制御する手順と、前記溶接制御装置が、ワークごとに付与される管理番号を取得する手順と、前記溶接制御装置が、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び当該ワークに付与された管理番号を含む溶接データを送信する手順と、前記溶接管理装置が、前記溶接制御装置から送信される溶接データを受信して、その溶接データに含まれる管理番号に基づいてワークを特定するとともに、その溶接データに含まれる溶接打点番号と予め保持する当該ワークの溶接打点番号リストとを照合して、溶接打点の欠損の有無を判定する手順とを有する点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及びワークに付与された管理番号を含む溶接データが各溶接制御装置から溶接管理装置に送信されるので、各溶接打点の欠損を確実にチェックすることができ、欠損があった場合、その欠損箇所を特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本発明による好適な実施形態を説明する。図1には本発明を適用した溶接管理システムの構成を示す。同図に示すように、自動車の車体の製造ラインに配備されるスポット溶接ロボット100の溶接電流値及びその通電時間を制御する溶接制御装置(タイマ)200と、当該製造ラインの各溶接制御装置200と通信可能な溶接管理装置400とがネットワーク800を介して接続する。
【0010】
図1では1つの製造ラインしか図示しないが、複数の製造ラインがある場合、溶接管理装置400は製造ラインごとに設置されるラインホストコンピュータ300を介して溶接データを収集する。ラインホストコンピュータ300は、自機が管理する製造ラインの各溶接制御装置200から後述するように出力されるデータを一時的に保管し、溶接管理装置400からの要請に応じてデータを出力する。
【0011】
スポット溶接ロボット100の一例を説明すると、図2に示すように、スポット溶接ロボット100(ロボット制御装置101を含む)はそれぞれ専用の溶接制御装置200が接続し、スポット溶接ガンを備え、ガンアーム111の先端に一対の電極チップ112を有する。スポット溶接ロボット本体113はアクチュエータにより駆動される複数の関節を持ち、ロボット制御装置101の指令に基づいてガンアーム111の先端の電極チップ112を3次元空間内で自在に移動し、位置決めし得るようになっている。図示したスポット溶接ロボット100では、ガンアーム111間に車体を形成する鋼板Wを挟み、溶接制御装置200の指令に基づいて電極チップ112間に通電することで溶着する。このようなスポット溶接ロボット100が自動車の車体を溶接組み立てする製造ラインの側近に必要な数だけ配備される。
【0012】
図1に説明を戻すと、溶接制御装置200において、201は溶接制御部であり、車体の仕様ごとに予め設定された溶接打点位置及び溶接打点番号を含む溶接教示データに従って電極チップ112間に通電する電流値及びその通電時間を制御する。
【0013】
202は車体管理番号取得部であり、製造ラインにある車体に付与された車体管理番号を取得する。例えば、図1では図示しないが、製造ラインの全体を管理する生産管理システムが車体ごとに車体管理番号を付与する車体管理番号付与部を具備し、そこから車体管理番号を取得するようにすればよい。車体管理番号としては、車体を特定することができるものであればよく、例えば製造日とその製造日に当該製造ラインで製造された車体の流動順番の通し番号でよい。また、製造ラインが複数ある場合には、当該製造ラインを特定することのできる記号等を組み合わせるようにすればよい。
【0014】
205は溶接打点番号取得部であり、例えばロボット制御装置101が溶接打点ごとに溶接打点番号を付与する溶接打点番号付与部を具備し、そこから溶接打点番号を取得する。
【0015】
203は送信部であり、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び当該車体に付与された車体管理番号を含む溶接データを送信する。
【0016】
204は溶接品質判定部であり、各溶接打点位置での溶接品質を判定する。溶接品質判定情報は溶接打点番号及び車体管理番号に加えて溶接データに含めて送信される。スポット溶接では、電極チップ112間の抵抗値が通電時間とともに変化し、その抵抗値変化はスポット溶接の良否と密接に関係することが分かっているので、抵抗値変化の挙動を示す情報、例えば抵抗値変化の波形や電流値変化の波形等を取得して、溶接品質を判定すればよい。
【0017】
溶接管理装置400において、401は受信部であり、溶接制御装置200から送信される溶接データを受信する。
【0018】
402は溶接打点番号リスト保持部であり、車体ごとの溶接打点番号リストを予め保持する。
【0019】
403は記憶部であり、受信部401により受信した溶接データを車体管理番号ごとに記憶する。
【0020】
404は欠損判定部であり、記憶部403に記憶された溶接データに含まれる車体管理番号に基づいて車体を特定するとともに、その溶接データに含まれる溶接打点番号と溶接打点番号リスト保持部402により保持された当該車体の溶接打点番号リストとを照合して、溶接打点の欠損の有無を判定する。具体的には、車体の仕上げ工程に移ったならば(この時点ですべてのスポット溶接は終了している)、溶接打点番号リストを参照しながら、溶接データに含まれる溶接打点番号がすべて揃っているか否かをチェックし、溶接データに含まれる溶接打点番号に抜けがあった場合、その溶接打点が欠損していると判定する。
【0021】
406は通知部であり、欠損判定部404により溶接打点の欠損があると判定した場合に、溶接打点の欠損があったことを警告すると共に、例えば画面表示により欠損箇所を通知する。
【0022】
407は製造ライン停止部であり、欠損判定部404により溶接打点の欠損があると判定した場合に、溶接打点の欠損のあった車体が仕上げ工程にきた時点で製造ラインを停止する。
【0023】
図3には、本発明を適用した溶接管理システムの具体的構成例を示す。製造ラインAに配備される複数のスポット溶接ロボット100(ロボット制御装置101を含む)と、溶接電流値及びその通電時間をそれぞれ制御する複数の溶接制御装置200と、各溶接制御装置200と通信可能なラインホストコンピュータ300とがイーサネット(登録商標)800aを介して接続する。スポット溶接ロボット100同士もインタロック盤104を介して相互に連絡可能になっている。
【0024】
また、製造ラインAの全体を管理する生産管理システム500がライン制御盤501を介してイーサネット(登録商標)800aに接続する。例えば各ロボット制御装置101は、生産管理システム500から車体の仕様ごとに予め設定されている溶接打点位置及び溶接打点番号を含む溶接教示データを取得して、それに従ってスポット溶接ロボット100を制御し、溶接制御装置200はロボット制御装置101の要請で電極チップ112間に通電する電流値及び通電時間を制御する。
【0025】
また、溶接管理装置(メインホストコンピュータ)400は、生産管理システム500から車体ごとの溶接打点番号リストを取得して、それを保持する。
【0026】
製造ラインBについても、製造ラインAと同様の構成となっている。
【0027】
製造ラインA、Bごとに設置されたラインホストコンピュータ300は、イーサネット(登録商標)800bを介して溶接管理装置(メインホストコンピュータ)400に接続する。これにより、溶接管理装置(メインホストコンピュータ)400は、各製造ラインA、Bのラインホストコンピュータ300から溶接データを収集してデータベース化することができる。
【0028】
溶接管理装置(メインホストコンピュータ)400にはイーサネット(登録商標)800cを介してパーソナルコンピュータ600からアクセスすることができ、データベース化された各製造ラインA、Bの溶接データを閲覧することができる。
【0029】
また、溶接管理装置(メインホストコンピュータ)400にはルータ900a及びインターネット900bを介して遠隔地のパーソナルコンピュータ700からアクセスすることもでき、データベース化された各製造ラインA、Bの溶接データを閲覧することができる。これにより、例えば溶接管理装置(メインホストコンピュータ)400を各工場に設置するとともに、本社のパーソナルコンピュータ700から各工場の製造ラインの溶接データを閲覧することもでき、溶接データの一元管理を行うことができる。
【0030】
以下、図4、5のフローチャートを参照して、溶接管理システムでの処理動作について説明する。図4には各溶接制御装置200での処理動作を、図5には溶接管理装置400での処理動作を示す。
【0031】
図4に示すように、ある車体の溶接組み立てを開始する場合、ロボット制御装置101及び溶接制御装置200は、生産管理システム500から当該車体についての溶接打点位置及び溶接打点番号を含む溶接教示データを取得する(ステップS201)。
【0032】
また、溶接制御装置200は、当該車体に付与された車体管理番号を取得する(ステップS202)。車体管理番号としては、上述したように、例えば製造日とその製造日に当該製造ラインで製造された車体の流動順番の通し番号が用いられる。
【0033】
その後、ロボット制御装置101及び溶接制御装置200は、溶接教示データに従ってスポット溶接ロボット100と溶接電流値及びその通電時間を制御する(ステップS203)。その際、ある溶接打点位置での溶接を行うときに、溶接品質情報として例えば抵抗値変化の波形を取得して溶接品質を判定する(ステップS204)。そして、当該溶接打点位置での溶接が完了したならば、その溶接打点番号及び車体管理番号に溶接品質情報を加えたものを溶接データとして溶接管理装置400に送信する(ステップS205、S206)。なお、ここでは、1つの溶接打点位置での溶接が完了するたびに溶接データ送信するようにしたが、複数の溶接打点位置での溶接が完了したならば、それら各溶接打点位置での溶接データを送信するようにしてもよい。
【0034】
次に、当該車体のすべての溶接が完了したか否かを判断し(ステップS207)、完了したならば、当該車体が仕上げ工程に移ったことを溶接管理装置400に通知する(ステップS208)。例えば仕上げ工程に移ったことを通知する信号として、車体管理番号だけを溶接管理装置400に送信するようにすればよい。
【0035】
一方、図5に示すように、溶接管理装置400は、各溶接制御装置200から溶接データ(溶接打点番号及び車体管理番号に溶接品質情報を加えたもの)を順次受信して、それら溶接データを車体管理番号ごとに記憶部403に記憶する(ステップS301)。
【0036】
溶接制御装置200から車体管理番号だけを受信した場合、当該車体管理番号で特定される車体が仕上げ工程に移ったと判断し(ステップS302)、記憶部403から当該車体管理番号の溶接データを読み出す。そして、溶接打点番号リストを参照しながら、溶接データに含まれる溶接打点番号がすべて揃っているか否かをチェックすることにより、溶接打点の欠損の有無を判定する(ステップS303)。
【0037】
照合の結果、溶接打点の欠損がなければ(ステップS304)、その旨を通知する(ステップS305)。それに対して、溶接打点の欠損があった場合(ステップS304)、溶接打点の欠損があったことを警告すると共に、例えば画面表示により欠損箇所を通知する(ステップS306)。更に製造ラインを停止する(ステップS307)ことにより、欠損車両の流出を確実に防止することができる。
【0038】
以上述べたように、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び車体に付与された管理番号を含む溶接データが各溶接制御装置200から溶接管理装置400に送信されるようにしたので、どの車体のどの溶接打点位置における溶接データかを特定することができる。したがって、各溶接打点の欠損を確実にチェックすることができ、欠損があった場合、その欠損箇所(どの車両のどの溶接打点位置か)を特定することができる。
【0039】
(その他の実施形態)
上述した実施形態の機能は、コンピュータがコンピュータプログラムを実行することによっても実現される。また、コンピュータプログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。上記のコンピュータプログラム、記録媒体、伝送媒体及びコンピュータプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリ、ROM等を用いることができる。
【0040】
以上、本発明を種々の実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を適用した溶接管理システムの構成を示す図である。
【図2】スポット溶接ロボットの概略構成を示す図であり、(a)が斜視図、(b)が電極チップまわりの断面図である。
【図3】本発明を適用した溶接管理システムの具体的構成例を示す図である。
【図4】溶接制御装置での処理動作を示すフローチャートである。
【図5】溶接管理装置での処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
100 スポット溶接ロボット
101 ロボット制御装置
200 溶接制御装置(タイマ)
201 溶接制御部
202 車体管理番号取得部
203 送信部
204 溶接品質判定部
205 溶接打点番号取得部
300 ラインホストコンピュータ
400 溶接管理装置(メインホストコンピュータ)
401 受信部
402 溶接打点番号リスト保持部
403 記憶部
404 欠損判定部
406 通知部
407 製造ライン停止部
408 送信部
500 生産管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの製造ラインに配備される溶接機を制御する溶接制御装置と、前記製造ラインの各溶接制御装置と通信可能な溶接管理装置とを有する溶接管理システムであって、
前記溶接制御装置は、ワークの仕様ごとに予め設定された溶接打点位置及び溶接打点番号を含む溶接教示データに従って前記溶接機を制御する制御手段と、ワークごとに付与される管理番号を取得する管理番号取得手段と、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び当該ワークに付与された管理番号を含む溶接データを送信する送信手段とを具備し、
前記溶接管理装置は、前記溶接制御装置から送信される溶接データを受信する受信手段と、ワークごとの溶接打点番号リストを保持する溶接打点番号リスト保持手段と、前記受信手段により受信した溶接データに含まれる管理番号に基づいてワークを特定するとともに、その溶接データに含まれる溶接打点番号と前記溶接打点番号リスト保持手段により保持された当該ワークの溶接打点番号リストとを照合して、溶接打点の欠損の有無を判定する欠損判定手段とを具備することを特徴とする溶接管理システム。
【請求項2】
前記溶接管理装置は、前記判定手段により溶接打点の欠損があると判定した場合に、溶接打点の欠損があったことを警告すると共に欠損箇所を通知する通知手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の溶接管理システム。
【請求項3】
前記溶接管理装置は、前記判定手段により溶接打点の欠損があると判定した場合に、製造ラインを停止する製造ライン停止手段を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接管理システム。
【請求項4】
前記溶接制御装置は、各溶接打点位置での溶接品質判定手段を備え、前記送信手段は、溶接打点番号及び管理番号に加えて、前記溶接品質判定手段により取得される溶接品質判定情報を溶接データに含めて送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接管理システム。
【請求項5】
製造ラインごとに設置されたラインホストコンピュータを有し、前記ラインホストコンピュータは自機が管理する製造ラインの各溶接制御装置から溶接データを収集して前記溶接管理装置に送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶接管理システム。
【請求項6】
前記ワークは自動車の車体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶接管理システム。
【請求項7】
ワークの製造ラインに配備される溶接機を制御する溶接制御装置であって、
ワークの仕様ごとに予め設定された溶接打点位置及び溶接打点番号を含む溶接教示データに従って前記溶接機を制御する制御手段と、
ワークごとに付与される管理番号を取得する管理番号取得手段と、
溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び当該ワークに付与された管理番号を含む溶接データを出力する出力手段とを具備することを特徴とする溶接機の溶接制御装置。
【請求項8】
ワークの製造ラインに配備される溶接機を制御する各溶接制御装置と通信可能な溶接管理装置であって、
前記各溶接制御装置から送信される、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び当該ワークに付与された管理番号を含む溶接データを受信する受信手段と、
ワークごとの溶接打点番号リストを保持する溶接打点番号リスト保持手段と、
前記受信手段により受信した溶接データに含まれる管理番号に基づいてワークを特定するとともに、その溶接データに含まれる溶接打点番号と前記溶接打点番号リスト保持手段により保持された当該ワークの溶接打点番号リストとを照合して、溶接打点の欠損の有無を判定する欠損判定手段とを具備することを特徴とする溶接管理装置。
【請求項9】
ワークの製造ラインに配備される溶接機を制御する溶接制御装置と、前記製造ラインの各溶接制御装置と通信可能な溶接管理装置とにより溶接管理を行う溶接管理方法であって、
前記溶接制御装置が、ワークの仕様ごとに予め設定された溶接打点位置及び溶接打点番号を含む溶接教示データに従って前記溶接機を制御する手順と、
前記溶接制御装置が、ワークごとに付与される管理番号を取得する手順と、
前記溶接制御装置が、溶接が完了した溶接打点位置の溶接打点番号及び当該ワークに付与された管理番号を含む溶接データを送信する手順と、
前記溶接管理装置が、前記溶接制御装置から送信される溶接データを受信して、その溶接データに含まれる管理番号に基づいてワークを特定するとともに、その溶接データに含まれる溶接打点番号と予め保持する当該ワークの溶接打点番号リストとを照合して、溶接打点の欠損の有無を判定する手順とを有することを特徴とする溶接管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−95542(P2006−95542A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282028(P2004−282028)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】