説明

溶液中のビニルアルコールポリマーを回収する方法

本発明は、溶剤に溶解したビニルアルコールポリマーを回収する方法であって、a) ポリマー溶液をゲルに変換する、b) 得られたゲルに水を添加する、c) ゲルを機械的に破砕して、水及び溶剤を含む液体中に懸濁したポリマーの粒子を形成する、ことにより回収する方法に関する。本発明は更に、前記方法により得られる粒子及び前記方法により製造されるEVOHをバリヤー層中に含む多層燃料タンクに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液中のビニルアルコールポリマーを回収する方法、及びこの方法により得られるビニルアルコールポリマーの粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
ビニルアルコールポリマーは、その優れた耐溶剤性及び耐脂性、及びその接着及びバリヤー特性が認められている繊維、接着剤、包装、製紙等の業界で豊富に使用されている。しかしながら、これらのポリマーは水に可溶性であるという特徴を有するので、(特に湿気の存在下における)多くの用途においては欠点であるが、溶剤による再循環の見地からは有利である。というのは、この目的にはやや汚染しにくい、又は汚染しない水溶液が使用されうるからである。これらのポリマーは、一般的にはメタノールを用いた鹸化により酢酸ビニルから製造される。この鹸化後、一般的にはポリマー溶液又はポリマーゲルが得られ、次いでそれからポリマー粒子を製造するのに適する手段により処理される。実際には、特にEVOH(加水分解されたエチレン−酢酸ビニルコポリマー)の特別な場合には、ゲルの形成を回避するのが好ましい。というのは、標準的な実施方法(押出、塗布等)に適する顆粒又はその他の粒子をそれから製造するのに使用される方法をゲルが困難にするからである。
従って、特許願第EP 1179547号には、ゲルの形成を回避し、適するデバイス中でアルコールの一部を水で置換するアルコール性EVOH溶液の処理方法が開示されている。このようにして、圧伸成形(水/アルコール混合物を含む浴中における圧伸棒材の押出)により加工するのにより容易であるEVOHの水/アルコール混合物溶液が得られる。しかしながら、この方法の最終工程には相変わらず問題があり(浴の組成が一定に保持される必要がある)、得られる生成物は長い乾燥時間を必要とする。更にこの方法は、一般的には再生される必要のある液体を多量に含む。
従って本出願人は、EVOHの共沸蒸留(Solvayによる特許願第EP 945481号に記載されている)による水/エタノール混合物溶液中のEVOHの単純な回収を試みた。しかしながら、減圧下で作業しても、系は固化する。微粒化(Solvayによる係属中の特許願第FR 0116070号に記載されている)によるポリマーの回収はまったく問題の解決にはならず、均一の粒度分布の粒子というよりポリマーのクラストが得られた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って本発明の目的は、迅速かつ簡単ではあるが、標準的な実施方法に適する粒度分布の粒子が得られる溶液中のビニルアルコールポリマーを回収する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このため、本発明は、溶剤溶液中のビニルアルコールポリマーを回収する方法であって、
(a) ポリマー溶液をゲルに変換する、
(b) 得られたゲルに水を添加する、
(c) ゲルを機械的に破砕してポリマー粒子が溶剤及び水を含む液体中に懸濁した懸濁液を形成する、
(d) ポリマー粒子を回収する、
方法に関する。
その回収が本発明の方法により標的とされるビニルアルコールポリマーは、定義によれば、ビニルアルコールタイプのモノマー単位を含むポリマーである。一般的には、酢酸ビニルタイプのモノマー単位を含むポリマーの部分的又は実質的に完全な加水分解(鹸化)により得られる(コ)ポリマーの場合である。これらのポリマー(及び加水分解されたその同族体)は、ビニルアルコール及び/又は酢酸ビニルモノマー単独からなる(ポリビニルアルコール(PVA)自体又は部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル(PVA)の場合)か、例えばエチレンのような別のモノマーを含みうる。これらのポリマー、その性質及びそれらを得る方法の十分な記載は、特にKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, John Wiley & Sons,におけるそれぞれ“酢酸ビニルポリマー”及び“ビニルアルコールポリマー”の章に示されている。一般的には、-OH基を多く含みすぎないポリマーが好ましい。そうでなければポリマーが水溶性となり、本発明による方法の適用が一層難しくなるからである。本発明による方法は、EVOH樹脂の特別な場合に良好な結果が得られた。この場合には、ポリマーが水溶性でないためには、エチレン含量は好ましくは20%以上であり、25%でもよい。特に、本発明による方法は、エチレン含量が27乃至44モル%の市販の樹脂を用いた場合に良好な結果が得られる。本発明による方法はまた溶液中の前述のようなポリマー混合物(PVA、少なくとも部分的に加水分解されたPVA、EVOH)にも適用される。
【0005】
ビニルアルコールポリマーが溶解している溶剤は、一般的には、ポリマーの溶解パラメーターに近い溶解パラメーター(“Properties of Polymers”, D. W. Van Krevelen, 1990 edition, pp. 200-202 及び“Polymers Handbook”, J. Brandrup and E. H. Immergut, John Wiley & Sons Editors, Second Edition, p. IV-337 to IV-359に記載されている定義及び実験値)を有する液体、及び/又はポリマーのアルコール官能基と水素結合を形成しうる官能基を含む液体(主として、アルコール、“Polymers Handbook”, J. Brandrup and E. H. Immergut, J. Wiley & Sons Editors, Fourth Edition, p. VII-683, Table 1;Strongly hydrogen bonded solventsを参照されたい)である。“溶剤”という用語は、単一の物質又は物質の混合物のいずれかを意味すると理解される。溶剤は、好ましくはアルコール、特に溶解パラメーターが約20のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等)を含む。特に、エタノールの場合には、更に特にポリマーがEVOHの場合には良好な結果が得られる。特に約20の溶解パラメーターを有する場合に、水/アルコール混合物が一般的には好ましい。水/エタノール混合物はしばしば良好な結果を提供し(特にEVOHの場合)、特に毒性の理由でしばしば使用される。エタノール含量が30乃至70質量%の水/エタノール混合物中にEVOHを溶解させた場合に良好な結果が得られる。しかしながら、エタノール含量が約50乃至60%の場合には更に速い。
本発明による方法は、室温より高い温度、例えば60℃に加熱されたビニルアルコールポリマー溶液に有利に適用される。この温度においては、溶液の総質量に対して5質量%以上、あるいは10質量%の濃度でもよい。しかしながら、濃度は30質量%を超えない、あるいは20質量%さえも超えないのが有利であろう。
【0006】
本発明による方法においては、ポリマー溶液をゲル、即ちポリマー分子が連結点で網目を構成する弾性固体に変換する。架橋ポリマーの場合とは異なり、これらの連結点は化学的というより物理的結合であるから、単に比較的高いポリマー濃度の領域である。結晶化現象(従って発芽段階及び成長段階を含む)になぞらえるゲルの形成は、温度の低下及び/又は非溶剤の添加により引き起こされうる。温度の低下の場合には良好な結果が得られる。しかしながら、一般的には、得られるゲルの弾性が強すぎて機械的に破砕できないので、0℃以下にするのは回避されるであろう。ゲルの形成前又はその最中にシード剤(seeding agent)を溶液に添加するとその形成速度が増大するとともに、経済的な理由からしばしば望ましくない過度の冷却が回避されうる。シード剤の例には、ポリマー粉末(例えば、回収されるものと同種のもの)、沈殿した炭酸カルシウム等が含まれる。当業者は、所望の粒子モルホロジー及び工程所要時間を得るためにゲル硬化温度及び発芽(シード剤)の種類を注意深く最適化するであろう。
本発明による方法においては、工程(b)において得られたゲルに水を添加する。次いで工程(c)においては、ミル又は攪拌器のようないずれかの手段及び/又はいずれかの適するデバイスにより機械的に破砕して、ポリマー粒子の懸濁液に変換する。特に、適する速度で攪拌するのに適するモルホロジーの (これらの因子は当業者により用意に決定されうる) 撹拌器を使用すると良好な結果が得られる。
【0007】
工程(c)の後、混合物は、溶剤及び水を含む液体中にポリマー粒子を分散させた形である。次いで、ポリマー粒子を適する手段(蒸発、遠心分離等)により混合物から分離してもよい。しかしながら、溶剤のないポリマー粒子を回収するためには、可能であれば混合物が実質的に溶剤を含まなくなるまで、水/溶剤混合物の蒸留(好ましくは共沸蒸留)を実施してもよい。水/アルコール混合物の場合、特に水/エタノール混合物の場合にはそのような方法が適する。従って、本発明による方法の有利な態様によれば、工程(c)の後、液体は、共沸蒸留によりアルコールが除去される水/アルコール混合物である。熱分解及び/又はポリマーの固体への硬化を限定するためには、場合によっては(例えばEVOHのような場合)その温度を低下させうるためにこの蒸留を減圧下(即ち、大気圧より低い圧力、あるいは300hPa(300ミリバール)以下)において注意深く実施するであろう。EVOHの場合には、固体への硬化は67℃以上において特に観察される。従って、実際には、温度が65℃以下であることを注意深く確保するであろう。圧力に関しては、250hPa(250ミリバール)以下であるのが有利であろう。このようにして水中に懸濁したEVOH粒子が回収される。次いでこれらの粒子及び水を適する手段(遠心分離及び/又は乾燥等)により分離してもよい。あるいは、例えば塗料の用途においては分散液をその存在する形で使用しうる。
前述の共沸蒸留においては、工程は、好ましくは攪拌しながら所望の粒子寸法に適する剪断速度で実施される。この理由は、本出願人が、攪拌を伴う作業がたぶん基礎的な粒子間の凝集を抑制することにより粒子寸法を低下させうるということを見いだしたからである。
【0008】
本発明による方法は、溶液からのビニルアルコールポリマーの回収を含むいずれかの方法に利用されうる。特に、そのようなポリマーを再循環する方法の一部を構成しうる。
従って、好ましい態様の一によれば、本発明による方法は、1種以上のビニルアルコールポリマー(例えばEVOH)を含む1種以上の製品を平均寸法が1乃至50cmの破片に破砕することにより得られるポリマー溶液、これらの寸法を超える場合には、製品の破片を、ポリマーを溶解しうるが製品のその他の成分を溶解しない溶剤と接触させることにより得られるポリマー溶液に適用される。水/アルコール混合物、特に水/エタノール混合物の場合に良好な結果が得られる。本発明のこの態様によれば、ポリマー溶液から、必要であれば最初に、ゲルに変換する前に(例えば濾過手段により)これ以外の成分を除去する。
そのような再循環方法は連続式でも不連続式(バッチ式)でもよい。好ましくは連続式である。
本発明のこの態様による方法の重要な利点の一は、多くの場合、廃棄物を生み出すことなく閉じた回路中で作業しうるということである。特に、ポリマー粒子の回収中に回収される水/溶剤混合物は、流れを最適化する手段によりポリマー溶解工程及び/又はゲル破砕工程に再循環されうる。
【0009】
本発明による方法が適用されうる有利な場合は、EVOH層を有するHDPE(高密度ポリエチレン)製の燃料タンクの再循環、更に特に、同時押出ブロー成形によるそのような燃料タンクの製品から誘導される廃棄物の場合である。特に、この廃棄物(又は“フラッシュ”)は、現在ではタンクの層の一中に存在する形で再使用されるか、摩擦電気による予備処理、EVOHに富むフラクションの除去を受ける。しかしながら、このフラクションは約25%のEVOHを含むので、明らかに経済的理由から回収されるのが有利であろう。この回収は前述の方法を用いることにより、即ち、EVOHの選択的な溶解の実施及び前述の方法によるこの溶液の処理により実施されうる。従って、特に有利な一態様によれば、本発明による方法は、HDPE及びEVOHを含む燃料タンク廃棄物の再循環方法であって、
(a) 廃棄物を摩擦電気処理してEVOHが乏しいフラクション、及びEVOHに富むフラクションを得る、
(b) 工程(a)で得られた2つのフラクションを分離する、
(c) EVOHに富むフラクションを水/エタノール混合物と接触させ、EVOHの少なくとも一部をこの混合物に溶解させる、
(d) 溶液を濾過してHDPE及び存在するとすればEVOH及びその他の溶解していない成分を除去する、
(e) 溶液をゲルに変換する、
(f) 得られたゲルに水を添加する、
(g) ゲルを機械的に破砕して水/エタノール混合物中に懸濁したEVOH粒子を形成する、
(h) 減圧下で共沸蒸留することによりエタノールを蒸発させてEVOH粒子の水懸濁液を得る、
(i) EVOH粒子を回収する、
方法に関する。
【0010】
前述のある種の有利な態様は、好ましくはこの方法に適用されるであろう。従って、使用される溶剤が、エタノール含量が30乃至70質量%のエタノール/水混合物であるように注意深く確保してもよい。工程(h)において、65℃及び250ミリバールにおける共沸蒸留を実施することもできる。また、工程(i)において、EVOHの水懸濁液に遠心分離及びその後の乾燥を実施してもよい。
本発明による方法は、ビニルアルコールポリマー粒子から形成された非常に微細で均一な粉末を得ることができる。得られた粉末の粒度分布を特性決定し、粒子の形状の均一性を実証するためには、考慮中の粒子と同様に挙動する理論的な球が有する“等価直径”により粒子寸法をあらわす。これは“等価球”とも呼ばれる。この球の等価直径分布は理論則(例えば、正規分布即ちガウス分布則)に基づいて調整される。微粉度は、位置決めパラメーター(例えば、メジアン直径又は平均直径)及び分散パラメーター(例えば、“スパン”又は標準偏差)による粒度分析の不均一性により特性決定される。
スパンは、等価直径分布曲線から以下のように定義される。
スパン=[D(0.9)−D(0.1)]/D(0.5)
式中、D(0.9)=試料の90%がこの直径以下である試料の直径
D(0.1)=試料の10%がこの直径以下である試料の直径
D(0.5)=分布の中央値に対応する直径
スパン式中の分子は、“百分位数間”として知られている。このパラメーターはまた等価直径分布の分散を特性決定するのにも使用されうる。
【0011】
本発明によれば、得られた粒子の最大直径は100μm以下、好ましくは70μm以下である。しかしながら、この寸法は、一般的には1μm以上、又は5μm以上である。“最大直径”という用語は、繊維状又は長楕円形の粒子の場合には長さを、実質的に球状の粒子の場合には最も幅広の直径を示すことを意味する。前述のように、粒子寸法は溶剤の蒸発(共沸蒸留)工程中の攪拌の存在により影響を受けうる。
前述の方法は、好ましくは100μm以下、特に70μm以下の等価直径を有する粒子を得ることを可能にする。
一般的には、前述の方法により得られるポリマー粒子はまた狭い粒度分布を有する。好ましくは、スパンは5未満、更に一層好ましくは3未満である。
そのような粒子は、塗料のようなある種の用途においては存在する形で使用しうる。あるいは、これらの粒子は押出機中で粒状にされてもよく、ポリマーの熱老化を回避するために焼結されるのが更に有利である。
本発明はまた、前述の方法により得られるEVOHをバリヤー層中に含む多層燃料タンクに関する。
本発明を以下の実施例及び反例により限定せずに本発明を説明する。
【実施例1】
【0012】
約25質量%のEVOH(Eval(登録商標)F 101A)及び75質量%のHDPE(Solvay製のEltex(登録商標)RSB 714)を含む燃料タンク製品廃棄物を、約10質量%のEVOHを含む溶液が得られるまで、即ち45分間60℃において70/30(質量)エタノール/水混合物と接触させた。この溶液を90分間5℃に冷却してゲルを形成させた。このゲルに120gの水を添加し、次いで300回/分の速度で攪拌する反櫂型攪拌器を用いこれを機械的に破砕した。得られた粒子懸濁液を60℃にして、エタノールの蒸発が完了するまで250hPa(250ミリバール)の圧力下で蒸発させ、EVOH粒子の水懸濁液とした。この懸濁液を遠心分離し、回収された実質的に球状の粒子を減圧下60℃において24時間オーブン中で乾燥させた。粒度分布に関する測定されたスパンは1.45で、この値はメジアン直径53μm、百分位数間77μmに対応した。
【実施例2】
【0013】
実施例1を繰り返したが、エタノール蒸発条件を変化させた。即ち、150ミリバール55℃において、900回/分の速度で回転する攪拌器を用いて実施した。粒子(塊)が得られ、超音波を作用させた。超音波の適用前、第一の分布は2.64のスパン(メジアン直径=15.07μm;百分位数間=39.75μm)に対応した。超音波の適用後、第二の分布は1.97のスパン(メジアン直径=5.29μm;百分位数間=10.43μm)に対応した。粒度分散の低下が観察される。
【0014】
〔比較例3〕
実施例1のようにしてEVOHのエタノール/水混合物溶液を得た。しかしながら、前述のようにそれをゲルに変換させる代わりに直接エタノールを蒸発させた。エタノールが蒸発するに従って溶液の固体への硬化が徐々に観察され、溶剤に満ちたEVOHのブロックが形成された。
〔比較例4〕
実施例1と同一の手順に従って、70/30エタノール/水混合物中に5%のEVOHを含む溶液を調製し、約65℃の温度及び約250ミリバールの圧力下で微粉砕した。このためには、微粉砕室の上部に微粉砕機を経て熱い溶液を注入し、底部に水蒸気を注入した。粘着性のEVOHのクラストが回収された。種々のそれより低い圧力及び温度を試験し、種々の水蒸気流速、溶剤組成及びEVOH濃度についても試験したが、回収されたEVOHのモルホロジーに有意な影響はなかった。
〔比較例5〕
実施例1と同一の手順に従って、70/30エタノール/水混合物中に30%のEVOHを含む溶液を調製し、水を含む浴中で圧伸成形して4℃の温度にした。直径2.5mmの糸が得られたが、これは弾性が強すぎて粒状にできなかった。従って、減圧下60℃で24時間乾燥させたが、もろすぎて粒状にできなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶剤に溶解した1種以上のビニルアルコールポリマーを回収する方法であって、
(a) 前記溶液をゲルに変換する工程、
(b) 得られたゲルに水を添加する工程、
(c) 前記ゲルを機械的に破砕して、前記溶剤及び水を含む液体中に懸濁したポリマー粒子を形成する工程、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記溶剤が、水/アルコール混合物である請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマーが、EVOHであり、前記アルコールが、エタノールである請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ゲルの形成が、温度の低下により引き起こされる請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ゲルの形成前又は間にシード剤を前記溶液に添加する請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
工程(c)の後、前記液体が、共沸蒸留によりアルコールが除去される水/アルコール混合物である請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記共沸蒸留が、攪拌しながら実施される請求項7記載の方法。
【請求項8】
ポリマー溶液に適用され、前記ポリマー溶液が、1種以上のビニルアルコールポリマーを含む1種以上の製品を、それが、平均寸法1乃至50cmを超える場合には、その平均寸法の破片に破砕し、かつその製品の破片を、ポリマーを溶解しうるが製品のその他の成分を溶解しない溶剤と接触させることにより得られる、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
HDPE及びEVOHを含む燃料タンク廃棄物の再循環に適用され、
(a) 前記廃棄物を摩擦電気処理して、EVOHが乏しいフラクション、及びEVOHに富むフラクションを得る工程、
(b) 工程(a)で得られた2つのフラクションを分離する工程、
(c) EVOHに富むフラクションを水/エタノール混合物と接触させて、EVOHの少なくとも一部をこの混合物に溶解させる工程、
(d) 得られた溶液を濾過して、HDPE及び存在するEVOH及びその他の溶解していない成分を除去する工程、
(e) 溶液をゲルに変換する工程、
(f) 得られたゲルに水を添加する工程、
(g) ゲルを機械的に破砕して水/エタノール混合物中に懸濁したEVOH粒子を形成する工程、
(h) 減圧下で共沸蒸留することによりエタノールを蒸発させてEVOH粒子の水懸濁液を得る工程、
(i) EVOH粒子を回収する工程、
を有する請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の方法により得られる、その最大寸法が100μm以下であるビニルアルコールポリマーの粒子。
【請求項11】
スパンが、3未満である請求項10記載の粒子。
【請求項12】
請求項1乃至9のいずれかに記載の方法により得られる、その等価直径が、100μm以下であるビニルアルコールポリマーの粒子。
【請求項13】
請求項1乃至9のいずれかに記載の方法により得られるEVOHをバリヤー層中に含む多層燃料タンク。

【公表番号】特表2006−520415(P2006−520415A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504682(P2006−504682)
【出願日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002634
【国際公開番号】WO2004/081094
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(502294138)イネルジー オートモーティヴ システムズ リサーチ (41)
【Fターム(参考)】