説明

滑り弁

【課題】高温媒体を制御するための滑り弁を提供する。
【解決手段】滑り弁は管状部分10およびその中に配置されたダイアフラム11を含み、動作中に媒体流が通る入口12aおよび出口12bを含む。また、前記弁は、触媒流を制御するために出口12bと相互作用して開口位置Iまたは閉鎖位置IIに変位することのできる滑りプレート13を含む。滑りプレート13は、管側およびプレート側に配置され、互いに嵌合した案内要素14、15によって変位可能に搭載される。管側案内要素14がL形状断面を備え、前記滑りプレート13に配置された案内要素15が逆L形状断面であり、前記管側案内要素14は一体構造で、水平リム14aが垂直リム14bより短く、前記水平リム14aは前記出口12bに対して径方向外方向に展延する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触媒などの高温媒体の流れを制御するための滑り弁に関する。
【背景技術】
【0002】
この種類の滑り弁は一般的にFCC(流動式接触分解)ユニットに用いられ、ユニットの出力の制御に用いられ、触媒(アルミナ、Al23)の流れは滑り弁の適切な開口または閉鎖位置によって調節される。
【0003】
工業に用いられるそれらの滑り弁の例は、図14の左側部分に示される。この滑り弁は管部分Aを有し、その中に、ユニットの動作中に温度約720℃で高速(10m/秒)の触媒の流れが通過する制御孔Cを有する制御部Bが配置される。図14に示すように、制御孔は、流れの横断方向に動くことができるように搭載された滑りプレートDによって閉じられる。滑り弁を開くためには、滑りプレートDが図14に示した閉鎖位置から開口位置に動き、制御孔Cは部分的または完全に閉鎖が解除される。
【0004】
滑りプレートDを変位させるために、制御孔Cの側部に搭載された、管に付属する案内レールEが設けられる。これらの管付属案内レールEは滑りプレートD上に設けられた補完状の案内レールと嵌合する。管付属案内レールEは管部分Aの流れ断面に突出するように配置される。管部分Aの流れ断面中に突出する管付属案内レールEは、滑りプレートDが開口位置にあるとき制御孔Cを通過する媒体の流れに露出する。触媒の流れは高速および高温である結果、極めて高い摩耗性作用を有する。摩耗性作用は、触媒流の乱れの結果、制御孔Cの領域で管付属案内レールEに重大な損傷を招く結果になる。したがって、それらの案内レールEは通常3年間の運転期間の後交換する必要がある。
【0005】
独国特許第720599号はガスライン、詳細にはブラスト炉プラントの炉ガスラインを遮断するためのプレート滑り弁を開示する。特許明細書は特にプレート滑り弁の封止の問題に関する。この目的のために、プレート滑り弁は2つの平行プレートから形成された滑りプレートを有し、その間に2つの寸法的に弾力性のある中空封止リングが配置される。これらの中空封止リングは圧力ラインに接続され、圧力を受けると滑りプレートの2つの面平行プレートが互いに押圧されて離れるように作動することができる。結果として、プレート滑り弁の封止が改善される。特許明細書は滑りプレートの側部案内手段がどのようにして作られるかを示唆しない。
【0006】
独国特許第1031596号は、熱汚泥混合物運転用材料の冷却された熱ガス滑り弁について記載する。この特許明細書も主として取り付け具の封止に関する。滑りプレート周辺に均一に分配された接触圧力を得るために、環状金属メンブレンが提供され、弁封止プレートは函体上に弾性的に支持される。この特許明細書は滑りプレートの側部案内手段、詳細には函体付属の側部案内手段がどのように作られるかを示唆しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許第720599号
【特許文献2】独国特許第1031596号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、滑り弁において管付属案内要素の摩耗を低減するように改善することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題は本発明の請求項1による滑り弁によって解決される。本発明による滑り弁の構造的な詳細およびさらなる改善は従属請求項に定義される。
【0010】
本発明の重要な態様は、詳細には触媒などの高温媒体の流れを制御するために配置された滑り弁を提供することであり、管部分およびその中に配置されて動作中に流れが起きる入口開口部と出口開口部を有する制御部を有し、出口開口部と協働して媒体の流れを制御し、開口位置と閉鎖位置に動くことのできる滑りプレートを有する。滑りプレートは管上に配置された複数の案内要素によって変位が可能なように搭載され、この案内要素は互いに嵌合する。管に配置された案内要素である、管付属案内要素は開口位置Iにおいて媒体の流れによる衝突から保護される。この目的のために案内要素は媒体の外に配置することができる。
【0011】
案内要素のうち、管付属案内要素は流れ方向に出口開口部の前に配置することができる。
【0012】
出口開口部前の管付属案内要素の配置は、案内要素が、発生する乱流の結果少なくとも特に摩耗性の高い媒体の流れ領域から外れる効果を有する。その配置のおかげで、制御孔領域中の管付属案内要素を覆うために滑りプレートを長くする必要がない。したがって、取り付け具を非常に小型化することができる。
【0013】
制御部は流れ方向に前面および背面を有する制御プレートを有し、出口開口部は制御プレートの背面に提供されるのが好ましい。出口開口部の位置は制御プレートの前面と背面の間隔に影響を受ける。前面と背面の間に適切な間隔を設定することによって、すなわち、適切な厚さの制御プレートを有することによって、出口開口部の前の領域に管付属案内要素の配置のための十分な空間が形成される。
【0014】
さらに他の例示的実施形態において、少なくとも1つの管付属案内要素は制御プレートの中または上に配置することができる。その結果、案内要素のベアリングが制御プレート中に組み込まれるので、滑り弁は製造が簡単である。
【0015】
この構成において、少なくとも1つの管付属案内要素は制御プレートの側縁部領域に配置することができる。制御プレートの側縁部は媒体の流れ方向に背面より上流に配置されるので、この配置は出口開口部前の領域に管付属案体要素を提供することを簡単にする。
【0016】
少なくとも1つの管付属案内要素はL形状の断面とすることができる。それらの案内要素は製造が簡単であり信頼性の高い案内動作が保証され、L形状の案内要素の水平リムは出口開口部に対して径方向外方向に展延することが可能である。この案内要素の配置は製造が特に簡単である。
【0017】
替わりに、L形状案内要素の水平リムは出口開口部に対して径方向内方向に展延することが可能である。案内要素のうち滑りプレートに付属する案内要素である、プレート付属案内要素を受容するための窪みが制御プレートに形成され、この窪みは管付属案内要素のL形状案内要素によって径方向外方向が画定される。これは第1に、管付属案内要素の位置が径方向にわずかに外方向に変位されるので、出口開口部からの距離が増加し管付属案内要素の摩耗が減少する結果を有する。加えて、窪みの両側でプレート付属案内要素が横方向に案内されるので、滑りプレートの特に信頼性の高い案内が得られる。
【0018】
プレート付属案内要素は付属する管付属案内要素を補完するように、特に管付属案内要素のL形状断面と逆に作ることができ、滑りプレートの信頼性の高い案内が簡単に保証される。
【0019】
さらに他の実施形態において、少なくとも1つの管付属案内要素は制御プレートの背面に提供される。これは出口面と管付属案内要素が制御プレートの同じ側、すなわち、流れの方向の背面領域に提供されることを意味し、管付属案内要素は流れ方向に出口開口部の上流に配置される。制御プレート中の管付属案内要素の配置によって、案内要素は制御プレート中の窪みに収まり、したがって、媒体の流れから特に良好に保護される。さらに、その一体化構造の結果、滑りプレートの側部に案内要素が設けられないので、滑りプレートの幅は短く作られる。
【0020】
この配置において、管付属案内要素はアリ継ぎ案内手段またはT溝案内手段を含むことができ、その各々は制御プレートの背面に簡単に加工することができる。
【0021】
管付属案内要素は制御プレートに取り外し可能に結合され、またはプレート付属案内要素は滑りプレートに取り外し可能に結合される。したがって、それぞれの案内要素は容易に搭載および交換することができる。
【0022】
他の実施形態において、管付属案内要素が管付属案内レールであり、プレート付属案内要素がプレート付属案内レールの場合、滑りプレートの開口位置で覆われる。この目的のために、プレート付属案内レールの軸状長手の大きさは、プレート付属案内レールが少なくとも滑りプレートの開口位置で管付属案内レールを実質的に完全に覆う大きさである。
【0023】
プレート付属案内レールは滑りプレートを横方向に案内する機能を有するだけでなく、滑りプレートが開口位置にあるときプレート付属案内レールは管付属案内レールを実質的に完全に、すなわち、特に制御開口部の領域で覆うので、管付属案内レールの保護カバーまたは遮蔽としての働きをする。管付属案内レールが制御孔の領域で被覆されるので、管付属案内レールは媒体の摩耗性流れに露出されるのが防止され、管付属案内レールの摩耗は顕著に低減される。したがって、本発明による滑り弁は、少なくとも案内レールの保守間隔を延長することを可能にする。
【0024】
滑り弁は、例えば、上記明細書を参照して説明したように極めて広範囲のさまざまな形態が知られるが、多くの滑り弁において、側部案内手段は管函体の側壁に一体化され、滑り弁の流れ断面中に突出せず、上述の摩耗問題は発生しない。独国特許第1031596号に知られる熱ガス滑り弁において、プレート付属側部案内突起は、特に滑りプレートの通路開口部領域において非常に短いので、上記明細書に記載されない函体付属案内手段は完全に被覆されないものと考えるべきである。
【0025】
滑り弁はFCCユニットに使用するために構成されるのが好ましい。これは、滑り弁が約720℃の温度および約10m/秒の高速の触媒の流れに耐えるように構成または設計された耐火ライニングを有することを意味する。保護として提供されたプレート付属案内レールの軸状長手の大きさは、プレート付属案内レールが滑りプレートの少なくとも開口位置IIで管付属案内レールを実質的に完全に被覆する大きさである。
【0026】
滑りプレートは閉鎖位置において制御孔を遮断する閉鎖部材、ならびに開口位置において制御孔の遮断を解除する通路開口部を有する開口部材を有し、プレート付属案内レールは、少なくとも通路開口部の長手の大きさで閉鎖部材の領域と開口部材の領域の両方に提供されることが好ましい。したがって、開口部材の領域におけるプレート付属案内レールの長さは、少なくとも滑りプレートの動き方向に制御孔の大きさに一致する。図1、2に示した既知の滑り弁とは異なり、この例示的実施形態による滑り弁は、閉鎖部材だけでなく、開口部材を有する滑りプレートを有し、プレート付属案内レールは閉鎖部材の領域と開口部材の領域の両方に提供される。制御孔の領域の流れ断面に突出する管付属案内レールの完全な被覆は、この例示的実施形態において、開口部材の領域のプレート付属案内レールの長さが、滑りプレートの動き方向に少なくとも制御孔の大きさに一致することの結果として達成される。開口位置において、媒体の流れは、制御孔および一致して配置された滑りプレートの通路開口部を通過し、開口部材の領域に提供されたプレート付属案内レールは対応する管付属案内レールに嵌合し、管付属案内レールは制御孔の領域が被覆され、従って媒体の摩耗性流れへの接触から保護される。
【0027】
さらに他の例示的実施形態において、管付属案内レールは制御孔の領域外で、滑りプレートの動き方向に少なくとも制御孔の大きさに一致して展延する。その結果、案内手段の安定性が向上する。案内手段の安定性のさらに他の改善は、管付属案内レールが制御孔の領域外で、制御孔の両側に展延し、滑りプレートの動き方向に少なくとも制御孔の大きさに一致して展延することにより達成される。すなわち、滑りプレートが開口または閉鎖位置のいずれに動くかにかかわらず、滑りプレート全体が横方向の任意の位置に案内されることを意味する。
【0028】
制御部は制御孔が形成される制御プレートを有し、制御プレートは制御孔の領域外で、滑りプレートの動き方向に少なくとも制御孔の大きさに対応して制御孔の両側に展延することが好ましい。このようにして、滑り弁の開口位置および閉鎖位置の両方の場合において、滑りプレート、特に滑りプレートの閉鎖部材ならびに開口部材が制御プレートに接触することが保証される。
【0029】
プレート付属案内レールがL形状の断面を有するとき、案内システムの簡単な構造が達成される。プレート付属案内レールが、流れの方向に頂部および底部でそれぞれの管付属案内レールを取り囲むU形状の断面輪郭を有するとき、摩耗保護が向上する。その結果、対象の管付属案内レールはL形状断面輪郭の場合に流れ方向に上部からだけでなく下部からも保護されるので、その領域においても、例えば、乱流によって生じる摩耗現象が最小になる。
【0030】
管付属案内レールが複数部品構造、特に2つの部品または3つの部品構造であるとき、それらは保守のために容易に取り外すことができ、必要であれば、管付属案内レールの個々の部品、すなわち完全な案内レールではなくても、交換することが可能である。
【0031】
管付属案内レールはU形状断面とすることができ、したがって、弁の開口または閉鎖のために滑りプレートの信頼性の高い動きを保証することができる。
【0032】
管付属案内レールは、水平リム、垂直中間部品、およびさらに他の水平リムを含むことができ、これらはU形状に配置され取り外し可能に互いに結合される。その結果、U形状断面の3部品案内レールが形成され、これは特に保守が容易であり動作状信頼性が高い。
【0033】
ここで、例えば、異なる実施形態のU形状とL形状構造の案内レールを組み合わせ、案内レールの1つがU形状であり、他がL形状とできることを指摘すべきである。
【0034】
管付属案内レールの取り外しと搭載は、外側から固定が可能であるので、管付属案内レールを側部で滑り弁の函体に固定することによって達成することができる。
【0035】
管付属案内レールの隣の側部に、制御プレートが支持される保持手段を配置することが可能である。側部に配置された保持手段は、側部領域の摩耗に対する追加の保護を管付属案内レールに提供する。
【0036】
さらに他の可能な固定方法において接続プレートを備え、接続プレートは管付属案内レールを接続プレートに結合するための固定手段を受容する窪みを有する。
【0037】
他の例示的実施形態において、滑りプレートは閉鎖部材を有し、閉鎖部材の領域に提供されたプレート付属案内レールは、制御孔の領域で、プレート付属案内レールが管付属案内レールを実質的に完全に被覆するように軸状長手方向に閉鎖部材を超えて突出する。この実施形態において、開口部材が省略されるので、閉鎖部材を超えて軸状に突出する案内レールの間に自由空間が形成される。滑りプレートの開口位置において、自由空間は制御孔の下部に位置し、媒体が自由空間を流れ、突出するプレート付属案内レールは制御孔の領域の管付属案内レールを被覆し、媒体の流れからそれらを保護する。この実施形態は特に経済的であり、さらに、既存の滑り弁を改装するのに適している。この目的のために、既知の閉鎖部材を滑りプレートの動き方向に閉鎖部材を超えて突出するプレート付属案内レールに結合することだけを必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による例示的実施形態による閉鎖位置IIにある滑り弁の横断方向断面図である。
【図2】滑り弁が部分的に制御部の領域の一部であり、滑り弁の滑りロッドを省略した図1による矢印Aの方向の前面図である。
【図3】図2によるプレート付属案内要素の代替の固定が提供される図である。
【図4】図1および図2による線I−Iに沿う図1による滑り弁の断面図である。
【図5】開口位置Iにおける図1による滑り弁を示す図である。
【図6】図2による滑り弁が開口位置Iにある図である。
【図7】開口位置における図3による滑り弁を示す図である。
【図8】開口位置における図4による滑り弁を示す図である。
【図9】図2による滑り弁の案内構成の詳細を示す図である。
【図10】図9による滑り弁の類似の案内構成の詳細を示す図である。
【図11】内部水平案内リムを備える代替の案内構成を示す図である。
【図12】アリ継ぎ案内手段を備える案内構成を示す図である。
【図13】T溝案内手段を備える案内構成を示す図である。
【図14】従来技術による滑り弁(左側部分)と本発明による例示的実施形態による滑り弁(右側部分)の比較である。
【図15】閉鎖位置における本発明のさらに他の例示的実施形態による滑り弁の断面図である。
【図16】図15による線A−Aに沿う断面図である。
【図17】開口位置における図15による滑り弁の断面図である。
【図18】図17による線A−Aに沿う断面図である。
【図19】図15による管付属案内レールの側面および平面を示す図である。
【図20】図15による滑りプレートの断面および平面を示す図である。
【図21】図17による制御部の断面および平面を示す図である。
【図22】図15による滑りプレート/制御部構成の断面および平面を示す図である。
【図23】閉鎖および開口位置ならびに2つの異なる案内レールを備える、図15および図17による滑りプレート/制御部構成の詳細を示す図である。
【図24】3部品管付属案内レールを有する軌道構成の断面図である。
【図25】修正された固定手段を有する3部品管付属案内レールの断面図である。
【図26】1部品のU形状案内レールの断面図である。
【図27】制御プレートのための保持手段を有する例示的実施形態の断面図である。
【図28】管付属案内レールの側部固定を有する例示的実施形態の断面図である。
【図29】窪みが接続プレートに設けられる例示的実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は概略の図面を参照する例示的実施形態に基づいて以下により詳細に説明される。
【0040】
図1は、高温の流れ、特にブラスト炉プラントにおける触媒の流れを制御するために用いられる滑り弁の断面を示す。
【0041】
滑り弁の閉鎖位置IIが図1〜4に示され、開口位置は図5〜8に示される。
【0042】
固定具は、耐火材料20でライニングされフランジ接続によって対応するプラント部品に接続された管部分10を含む。流れSの方向に見られる管部分10の上部部分に、耐火材料20はテーパーを作り漏斗を形成する。漏斗の端部に、流れSの直交方向に管部分10内を展延する制御部11が設けられる。漏斗の出口開口部は制御部11に設けられた制御孔12中に開口し、この制御孔12は制御プレート19中に設けられる。制御プレート19は管部分10の壁に結合された接続プレート21にネジ止めされる。また、制御孔12は接続プレート21を通って展延し、耐摩耗性材料22でライニングされる。滑りプレート13は制御部11の流れS方向の下流に配置され、滑りプレート13は流れS方向に直交して閉鎖位置Iおよび開口位置IIに可動である。図3において、滑りプレート13は閉鎖位置Iにある。滑りプレート13を駆動するために、滑りプレート13はロッド23に結合され、これは滑り弁の内部から外へ展延して駆動手段(図示されない)に連結される。ロッド23のベアリングには注入接続部24が設けられ、それによって窒素および白グラファイト粉を乾燥潤滑剤として導入することができる。
【0043】
制御孔12は入口開口部12aおよび出口開口部12bを有し、その間に制御孔12の通路18が形成される。出口開口部12bは一般に媒体の流れが制御部11を離れる、すなわち、そこから放出される領域として定義される。特に、図1によるこの例示的実施形態において、出口開口部12bは、流れの方向に見られる制御孔12の下部縁部によって、すなわち、制御孔12がライニングされる耐摩耗性材料22によって画定される(図9、10)。それに制限されることなく、出口開口部12bは実質的に流れS方向に垂直に配置された面中に提供され、その面には流れ方向に制御プレート19の背面19bも配置され、耐摩耗性材料22の水平部分および背面19bがわずかに互い違いに配置されることは無視できる。
【0044】
出口開口部12bは必ずしも流れS方向に垂直に配置する必要はない。また、出口開口部12bが流れSの方向に対して傾斜する他の配置も可能である。
【0045】
入口開口部12aは一般に媒体の流れが制御部IIに入る面または領域として定義され1る。この場合、入口開口部12aおよび出口開口部12bは2つの平行な面であり、これらの面を通って媒体流が動作し、また、開口位置Iに流れる。
【0046】
図1に示した閉鎖位置IIにおいて、滑りプレート13は出口開口部12bを完全に閉じるように出口開口部12bと協働する。
【0047】
閉鎖位置IIは図4中に特に明瞭に見ることができる。出口開口部12bが滑りプレート13によって被覆されるように、滑りプレート13が制御部11の領域中に動く。また、図4には、制御プレート19が図4に示した閉鎖位置IIおよび図8に示した開口位置Iの両方において滑りプレート13の案内を保証するために十分長いことが示される。滑りプレート13の案内のために、出口開口部12bの側部に配置されて制御プレート19の長手方向、すなわち、滑りプレート13の動き方向に展延する案内要素14が提供される。管付属案内要素14、すなわち、制御プレート19の上またはその中の固定位置に提供された案内要素14は、プレート付属案内要素15、すなわち、滑りプレート13上に配置された案内要素15に嵌合する。
【0048】
案内要素14、15は各々滑り軌道の形とすることができるが、他の種類の直線状案内手段も可能である。
【0049】
図4に示したように、制御プレート19は出口開口部12bから離れた端部に2つの台形リム16、17によって側部が画定された台形窪みを有する。2つの台形リム16、17は出口開口部12bからの距離が増加するにつれて先細となる。管付属案内要素14は、図4に示すように、2つの台形リム16、17の領域に部分的に配置され搭載される。
【0050】
制御プレート19のこの構造のおかげで、第1にプレートの重量が低減される。同時に、案内要素14の十分安定した搭載が保証される。
【0051】
図2、3、および図14による比較において、2つの管付属案内要素14が流れ方向に出口開口部12bの前に配置されるのを見ることができる。また、流れ方向に出口開口部の前に管付属案内要素を1つだけ配置することが可能である。他の管付属案内要素はいくつかの他の方法によって媒体の流れに対して保護することができる。
【0052】
案内要素14が出口開口部12bに対して上流に配置されることは、開口位置Iにおいて、制御部11を通って流れる媒体の流れが制御部11から現れる前に最初に管付属案内要素14を通ることを意味し、管付属案内要素14は制御通路18から側部方向に間隔をおいて離れて配置され、媒体の流れに接触せず、または少なくとも媒体流の乱流領域に接触しない。案内要素14の上流配置は、摩耗性の少ない条件が生じる滑り弁のデッドスペースに配置されることを意味する。言い換えれば、出口開口部12bは管付属案内要素14の流れ方向の後に提供される。
【0053】
出口開口部12b前の管付属案内要素14の配置は様々な方法で行うことができる。
【0054】
一般に、案内要素14は出口開口部12bの側部領域に設けられる。案内要素は、制御プレート19の中または上に設けられるのが好ましい。管付属案内要素14の他の配置または固定が可能である。例えば、案内要素14は、制御プレート19に固定される替わりに、固定具のライニングの耐火材料20中に組み込むことができるが、案内要素は出口開口部12bより流れS方向上流に位置するよう配置されることが必要である。
【0055】
図2、3、および図9〜11および14に示した例示的実施形態において、管付属案内要素14は制御プレート19の側縁部19cの領域に設けられる。
【0056】
図9、10による例示的実施形態において、制御プレート19の側縁部19cはL形状の断面であり、したがって、補完用のプレート付属案内要素15と嵌合する肩を有する。特に、側縁部19cはL形状の案内要素14として、水平に配置されたリム14aと垂直に配置されたリム14bを有する。水平リム14aは出口開口部12bに対して径方向外方向に展延する。図9、10に示した閉鎖位置IIにおいて、プレート付属案内要素15は付属の水平リム14aに嵌合し、したがって、プレート付属案内要素15は固定された管付属案内要素14上に滑り可能に搭載される。
【0057】
図9、10による例示的実施形態は耐火ライニング20の配置において本質的に異なる。
【0058】
プレート付属案内要素15の滑りプレート13への固定は、異なる方法で行うことができる。
【0059】
図2に示したように、逆L形状の断面であるプレート付属案内要素15は、滑りプレート13の流れS方向前面にネジ止めすることができる。特に、逆L形状断面の案内要素15の垂直リム中にめくら孔ネジ山を形成することができ、このネジ山は滑りプレート13の側縁部領域に配置された貫通孔に整列される。プレート付属案内要素15はこのようにして滑りプレート13に縦に配置されたネジによって下からネジ止めすることができる。
【0060】
この代替として、プレート付属案内要素15の垂直リムは、延長されたリムが滑りプレート13の厚さを超えて展延するように、図3に示すように延長することができる。次いで、プレート付属案内要素15の延長されたリムは、水平に配置されたネジによって滑りプレート13に側部方向にネジ止めされる。案内要素15を位置決めするために、案内要素15の縦リムから離れた垂直リムの端部に、滑りプレート13の対応する窪みに嵌合する突起が設けられる。
【0061】
案内要素15は滑りプレート13と一体部品で作ることも可能である。
【0062】
図11による例示的実施形態において、管付属案内要素14は同様に制御プレート19の側縁部19cの領域に設けられる。図10による例示的実施形態とは異なり、L形状案内要素14の水平リム14aは出口開口部12bに対して径方向内方向に展延する。さらに、窪み19dが制御プレート19中に設けられ、この窪みは制御プレート19の縦縁部によって径方向内方向が画定される。窪み19dはL形状案内要素14の垂直リム14bによって径方向外方向が画定される。垂直リム14bは制御プレート19の垂直縁部に平行に配置される。制御プレート19の垂直縁部と案内要素14の水平リム14aの間に、窪み19d中に開口する間隙が存在する。動作中に、プレート付属案内要素15は窪み19dに配置され、案内要素15は、管付属案内要素14を補完するように逆L形状の案内要素の形に作られる。2つの案内要素14、15は、各々制御プレート19および滑りプレート13にそれぞれネジ止めされる。
【0063】
上述の例示的実施形態に共通の特徴は、案内要素14、15が制御プレートの側縁部の領域に配置されることである。側縁部19cは出口開口部12bの上流に配置されるので、この配置は、案内要素14、15、特に管付属案内要素14が出口開口部12bの前に配置される効果を有する。
【0064】
側縁部19cの領域における案内要素14、15の配置の替わりに、図12、13に示すように、制御プレート19の背面19bに案内要素14、15を提供することも可能である。図12によれば、管付属案内要素14は制御プレート19中に、さらに詳細には、アリ継ぎ案内手段の形(図12)またはT溝案内手段の形(図13)で組み込まれる。付属するプレート付属案内要素は各々適切に補完構造をしている。案内要素15は滑りプレート13にネジ止めされ、またはいくつかの他の方法でそれに結合される。
【0065】
図12、13による2つの例示的実施形態は、全ての案内要素が制御プレート19の窪み中に置かれるので、特に良好な耐摩耗性をもたらす。さらに、制御プレート19の背面19b中の管付属案内要素14のおかげで、配置の幅が低減され、特に小型構造が可能な結果となる。
【0066】
制御プレート19の背面19b中の管付属案内要素14の構造は、背面19bから出発する案内要素14が制御プレート19中に展延することを意味し、管付属案内要素14が出口開口部12bの前に配置される結果になる。
【0067】
耐火材料22を有する通路18のライニングを考慮するとき、出口開口部12bは、流れSの方向にますます制御プレート19の背面19bから離れて間隔をおく。耐火材料22によるライニングが制御プレート19の背面19bに及ぶ場合(通路開口部18の領域など)、同様に案内要素14は出口開口部12bの上流に配置される。
【0068】
流れS方向に制御プレート19の前面19aは、図12、13に示すように、接続プレート21に着座する。制御プレート19は接続プレート21(図1)にネジ止めされる。制御プレート19のいくつかの他の構造も可能である。例えば、接続プレート21と制御プレート19は1部品構造とすることができる。制御プレート19の厚さ、すなわち、前面19aと背面19bの間の距離は、出口開口部の配置を左右し、出口開口部12b前の管付属案内要素14の配置可能な空間を決定する。したがって、制御プレート19の厚さは案内要素14のサイズによって選択されるべきである。例えば、図12のアリ継ぎ案内手段を背面19b中に組み込む場合は、図11による内部に配置された水平リム14aを有するL形状断面の案内要素14の場合よりも比較的薄い制御プレート19を用いることができる。
【0069】
したがって、管付属案内要素14の配置可能な空間に関しては、管付属案内要素14を入口開口部12aと出口開口部12bの間に配置することができるように、制御プレート19の入口開口部12aと出口開口部12bの間に十分な距離を提供するのが一般的である。この目的のために制御プレート19をこのように作ることができるのは有利である。また、入口開口部12aと出口開口部12bの間の距離が、管付属案内要素14を流れS方向に出口開口部12bの前に配置できるならば、接続プレート21と制御プレート19を1つの部品に作ること、またはいくつかの他の制御部11の構造を選択することが可能である。
【0070】
図14の右側部分の本発明による例示的実施形態と従来技術の比較は本発明によって達成される利点を明瞭に示す。管付属案内要素14を制御プレート19の側縁部19cの領域に配置することによって、管付属案内要素14を制御孔12の出口開口部12bまたは出口面12bの前、流れS方向の上流に配置することができる。これとは対照的に、従来技術において、管付属案内要素Eは出口開口部12bの下流に配置される。制御プレートの側縁部19c領域の管付属案内要素14の配置、すなわち、出口開口部12bの前の配置は、案内要素14を媒体の流れの領域から移動させる効果を有するので、滑り弁の開口位置においてそれらは媒体の流れに露出されず、または少なくともそれらに少ししか露出されない。その結果、管付属案内要素14の摩耗は顕著に低減される。図14の右側部分による例示的実施形態において、制御プレート19は、側縁部19の領域に配置された案内要素14を収容するために、従来技術よりも厚く作られる。したがって、出口開口部12bは従来技術と比べて流れS方向の下方向に変位する。従来技術において用いられない制御プレート19の側部空間は、図14の右側部分による本発明の例示的実施形態において案内要素14の配置のために用いられる。
【0071】
案内要素14、15の滑り面は適切な低摩擦材料でコーティングされる。さらに、案内要素14、15は各々取り外し可能に制御プレート19および滑りプレート13にそれぞれ結合されるので、案内要素14、15は保守または搭載のために容易に交換または取り付けることができる。案内要素14、15は、滑り軌道またはレールの形をしている。他の案内システムも可能である。
【0072】
本発明は、精製装置、特にFCCユニットに用いるのに特に適しているが、これに制限されない。摩耗性または腐食性媒体を制御すべき他の可能な用途も可能である。
【0073】
図15は、高温度の流れ、特にブラスト炉プラントの触媒の流れを制御するために用いられる滑り弁の断面を示す。固定具は耐火材料20でライニングされフランジ接続によって対応するプラント部品に接続された管部分10を含む。流れS方向に見える管部分10の上部部分は、耐火材料20にテーパーが付き、漏斗を形成する。漏斗の端部に制御部11が設けられ、管部分10の内部を流れSの横断方向に展延する。漏斗の出口開口部は制御部11中に設けられた制御孔12中に開口し、この制御孔12は制御プレート19に設けられる。制御プレート19は管部分10の壁に結合された接続プレート21にネジ止めされる。また、制御孔12は接続プレート21を通って展延し、耐摩耗性材料22でライニングされる。滑りプレート13は制御部11の流れS方向の下流に配置され、この滑りプレート13は、流れSの横断方向に閉鎖位置Iおよび開口位置IIへ可動である。
【0074】
図15において、滑りプレート13は閉鎖位置Iにある。滑りプレート13を駆動するために、滑りプレートは滑り弁の外側へ展延して駆動手段(図示されない)に連結されたロッド23に結合される。ロッド23のベアリングには注入接続24が設けられ、それによって窒素および白グラファイト粉を乾燥潤滑剤として導入することができる。
【0075】
図15に示すように、また、図16により明瞭に示すように、滑りプレート13は制御孔12の側部に配置され制御プレート19にネジ止めされた管付属案内レール14によって搭載され、管付属案内レール14は管部分10の流れ断面中に突出する。滑りプレート13の2つの軸状長手側部上に適切な案内レール15が配置され、これは管付属案内レール14と一緒に軌道システムを形成し、これによって滑りプレート13が滑り可能に搭載される。また、案内レール14、15の替わりに、例えば、ローラーを有する他の案内手段を用いることも原理的に可能であるが、案内レール14、15はその堅牢性を考慮すればこの用途に特に適している。
【0076】
この例示的実施形態において、摩耗保護は、滑りプレートがFCCユニットに知られる滑りプレートと比較してより延長されることによって達成される。滑りプレート13は既知の滑りプレートと比べて、閉鎖部材16だけでなくロッド23の他の側に配置された開口部材17も提供されるように特に修正される。開口部材17は滑りの開口位置IIにおいて制御孔12に対応する(図17、18)通路開口部18(図12、20)を有する。プレート付属案内レール15は、図20に示すように、閉鎖部材16の領域および開口部材17の領域の両方に展延するので、プレート付属案内レール15は、滑りプレート13が開口位置IIに動いたとき制御孔の領域の管付属案内レール14を覆う。これは、プレート付属案内レール15の軸状長手の大きさが、滑りプレート13の開口位置IIにおいてプレート付属案内レール15が実質的に完全に管付属案内レール14を覆い、したがって、それらが触媒の摩耗性流れに接触するのを保護する大きさであることを意味する。これは図17、18、および22に特に明瞭に見ることができる。
【0077】
したがって、管付属案内レール14は、案内レール14が過剰に速く摩耗する危険性なしに管部分の流れ断面中に突出して配置される。
【0078】
図20に示すように、滑りプレート13は耐摩耗性材料25で作られ、流れ方向の頂部に位置する側に、制御プレート19と協働する封止面を形成する。また、図21の断面に示すように、制御プレート19にもそれらの耐摩耗性材料が設けられる。
【0079】
管付属案内レール14の長さは、図15および17に見ることができるように、滑りプレート13の動き方向に制御孔12の領域を超えて(領域外で)両側に展延する長さであ
る。制御孔12を超えて展延する管付属案内レール14部分の長さは、滑りプレート13の動き方向に少なくとも制御孔12の大きさに相当する。したがって、滑りプレート13が開口位置IIおよび閉鎖位置Iに動くとき、滑りプレート13はその軸状長手の大きさ全体にわたって確実に側部方向に案内される。同様に、制御プレート19も、滑りプレート13の動き方向に制御孔12を超える両側に、滑りプレート13の動き方向に少なくとも制御孔12の大きさに相当して展延する(図21)。同じことは流れ方向において制御プレート19の底に搭載される耐摩耗性材料26にも適用され、滑りプレート13の耐摩耗性材料25と一緒に封止面を形成する。図23の両方の位置I、IIについて示すように、制御プレート19の下側の耐摩耗性材料26は対応する滑りプレート13の耐摩耗性材料25に十分接触するので、特に、滑りプレート13の動き方向の制御プレート19の長手の大きさは制御プレート19の下側の耐摩耗性材料26の長手の大きさよりもいくらか大きい。
【0080】
図23の左側において、案内レール14、15は互いに嵌合するL形状輪郭として形成され、プレート付属案内レール15の短い水平リムは管付属案内レール14に着座し、腐食性媒体との接触から保護する。さらに、プレート付属案内レールの長い方の縦リムは管の内部に面する管付属案内レール14の端部面を覆うので、この場合も摩耗性媒体との接触から保護される。
【0081】
図23の右側に同様に示すように、プレート付属案内レール15がU形状であるとき、ユニットの摩耗抵抗性の向上が達成される。さらに、管付属案内レール14の輪郭はL形状であり、管付属案内レール14のL形状輪郭の水平リムはプレート付属U形状輪郭の2つの水平リムの間に配置される。したがって、管付属案内レール14は流れ方向下部からの触媒の流れから保護される。
【0082】
プレート付属案内レール15は、一般に流れS方向に管付属案内レール14の下部縁部を超えて十分突出し、したがって、摩耗保護の顕著な向上がこれにより達成される。しかし、プレート付属案内レール15の下部縁部は、少なくとも管付属案内レール14の下部縁部のレベルとすべきであるが、プレート付属案内レール15の下部縁部が流れS方向に管付属案内レール14の下部縁部のわずか上に配置される配置も許容することができる。2つの案内レール14、15間の実際の重なり合う領域は2つの案内レール14、15の下部縁部が実質的に同じレベルの配置から始まる。プレート付属案内レール15が管付属案内レール14を超えて流れS方向に管付属案内レール14の長さの流れ方向に約2倍突出するとき、領域は終る。より高い重なり率も技術的に可能である。
【0083】
さらに、摩耗抵抗性に関するさらに良好な結果は、管付属案内レール14が、例えば、流れに面する側と流れから離れる側の両側でプレート形状案内レール15のU形状輪郭によって覆われるときに達成される。
【0084】
管付属案内レール14を1部品または2つの部品の構造とすることができることを図23に見ることができる。図23の右側に示される変形(選択肢2)において、L形状案内レール14は縦リム14bの上方向に面する端部面で制御部11にネジ止めされる。この目的のために、縦リム14b、および水平リム14aには、案内レール14を制御部11にネジ止めすることができるように、制御部11中のネジ付き孔に対応して整列された貫通孔が設けられる。
【0085】
案内レール14は分離した水平および縦リム14a、14bによる2部品構造または1部品構造とすることができる。
【0086】
また、管付属案内レール14は2部品構造とすることができ、これは図23の左側に示される(選択肢1)。この目的のために、案内レール14の水平リム14aは、水平リム14aと垂直中間部品14cがL形状案内レール14の垂直リム14bを形成するように、垂直の中間部品14cに搭載される。水平リム14aおよび中間部品14cは下部から、すなわち、水平リム14aによって互いにネジ止めされる。2部品案内レール14の制御部11への接続は別に上部から、すなわち流れS方向に行われ、制御部11には中間部品14cのネジ付き孔または案内レール14の垂直リム14bに整列された貫通孔が設けられる。この例示的実施形態は保守のために案内レール全体を交換する必要がない利点を有する。替わりに、水平リム14aを取り外して交換するだけで十分である。
【0087】
2部品構造の替わりに、図23による2つの案内レールは単一段構造とすることができる。
【0088】
図24〜29に示した例示的実施形態は、管付属およびプレート付属案内レール14、15を含む軌道システムのさらに他の可能な構造に関する。管付属案内レール14は1部品構造または複数部品構造、特に長手方向に2部品または3部品構造とすることができる。
【0089】
図24、25による例示的実施形態は3部品構造の案内レール14に関し、管付属案内レール14は図23によるプレート付属案内レール15に類似のU形状断面である(選択肢2)。U形状案内レール14は水平リム14a、垂直中間部品14c、さらに他の水平リム14dから構成され、2つの水平リム14a、14dは垂直中間部品14cによって間隔を置いて離れる。図24、25に示すように、3部品案内レール14はU形状断面である。プレート付属案内レール15は実質的に管付属案内レール14の補完となる形状を有し、プレート付属案内レール15は、両側、すなわち流れ方向の頂部および底部が水平リム14aと14dによって取り囲まれる。その結果、滑りの特に確実な案内が達成される。図24に示した滑りプレート13の閉鎖部材16は、両側、すなわち、流れS方向の頂部と底部が耐摩耗性材料25によって保護される。したがって、流れS方向に底部に向かって得られる滑りプレート13の総厚さは、プレート付属案内レール15がほとんど完全に管付属案内レール14を覆うものとなる。図25による例示的実施形態には、耐摩耗性材料15による保護は示されていない。
【0090】
図25による閉鎖部材16の領域における滑りプレート13の比較的狭い構造は、図25に示した閉鎖位置において滑り弁を通る流れがないので、有害ではない。替わりに、開口部材17の領域において、管付属案内レール14のための被覆はプレート付属案内レール15によって提供される。
【0091】
上記に限らず、案内レール14、15はその全体長さにわたって図25を除く図24〜29による断面と同じように作られる。
【0092】
図24、25による2つの例示的実施形態は、特に管付属案内レール14の固定において互いに異なる。図24による例示的実施形態において、管付属案内レール14は流れS方向上部から、すなわち、制御プレート19から出発して固定される。この目的のために、整列された貫通孔が、制御プレート19、上部(流れS方向に)水平リム14dおよび垂直中間部品14c中に提供される。同様に整列されたネジ溝付き孔は、管付属案内レール14の3つの個別の部品14a、14c、14dが制御プレート19にネジ止めできるように下部(流れS方向に)水平リム14a中に形成される。
【0093】
図25による例示的実施形態において、管付属案内レール14は、下部、すなわち、流れS方向の反対から制御プレート19および接続プレート21にネジ止めされる。この目的のために、貫通孔が2つの水平リム14a、14d、ならびに中間部品14bおよび制御プレート19に形成され、これらの孔は接続プレート21のネジ溝付き孔に整列する。その結果、管付属案内レール14cの個別の部品は制御プレート19および接続プレート21に下部からネジ止めすることができる。本実施形態は管付属案内レール14の個別部品が必要に応じて簡単に交換できる利点を有する。
【0094】
複数部品、特に3部品の管付属案内レール14の替わりに、図14に示す1部品の管付属案内レール14を用いることができる。U形状断面の1部品案内レール14は、上部から、すなわち制御プレート19によって固定される。
【0095】
図27に示すように、制御プレート19は管付属案内レール14の側部に配置された保持手段26aによって搭載することができる。保持手段26aは耐火ライニング20上に着座し、函体に熔接される。また、図27に見ることができるように、制御プレート19は保持手段26aの前縁部の領域に形成された窪み31に着座する。保持手段26aの前縁部は案内レール14に面する保持手段26aの自由端部に相当する。
【0096】
図27による例示的実施形態において、管付属案内レール14はL形状断面である。また、U形状の案内レール14も可能である。
【0097】
図28による例示的実施形態において、管付属案内レール14は滑り弁の函体側部に固定、詳細にはネジ止めされる。この目的のために、スペーサー27が案内レール14と函体の壁の間に配置され、このスペーサーは案内レール14を正しい位置にする。函体外側で案内レール14が側部に固定されるネジはカバー28によって覆われる。また、案内レール14の流れS方向下部に、函体の壁に結合された支持体29が提供される。この例示的実施形態において、管付属案内レール14と制御プレート19の間の接続は省略される。図28による例示的実施形態は、図28に示したL形状断面の案内レールとU形状断面の案内レール14の両方に適している。
【0098】
図29に示した例示的実施形態は、管付属案内レール14の垂直固定用に提供され、接続プレート21には、固定手段30、特に管付属案内レール14を接続プレート21に結合するためのネジを受容するように配置された窪み25aが設けられる。管付属案内レール14および制御プレート19中には貫通孔が形成され、ナットが下部からネジにネジ止めされ、このナットは水平リム14a中にサラ穴埋めされる。
【0099】
さらに他の例示的実施形態(図示されない)において、プレート付属案内レールはプレート付属案内レールが軸状長手方向に閉鎖部材を超えて突出するようにロッド23から離れた閉鎖部材の側に搭載される。プレート付属案内案内レールの突出領域の長さは、実質的に制御孔の領域の管付属案内レールの長さに相当し、その結果、プレート付属案内案内レールの突出領域は、滑りプレートが開口位置に動いたとき、制御孔の領域の管付属案内レールを覆う。したがって、この例示的実施形態において、通路開口部を有する開口部材は省略され、したがって、特に実施の簡単な解決策を生む。
【0100】
例示的実施形態に開示された全ての特徴は、それらが新規である限り単独または組み合わせて特許請求される。
【符号の説明】
【0101】
10 管部分
11 制御部
12 制御孔
12a 入口開口部
12b 出口開口部
13 滑りプレート
14 管付属案内要素(管付属案内レール)
14a 水平リム
14b 垂直リム
15 プレート付属案内要素(プレート付属案内レール)
16 台形リム
17 台形リム
18 通路開口部
19 制御プレート
19a 前面
19b 背面
19d 側縁部
20 耐火材料
21 接続プレート
22、25、26 耐摩耗性材料
23 ロッド
25a 窪み
26a 保持手段
27 スペーサー
28 カバー
29 支持体
30 固定手段
31 窪み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒等の高温媒体の流れを制御するための滑り弁であって、
管部分(10)と、
前記管部分中に配置される制御部(11)であって、前記制御部(11)は動作中に中を通って流れが発生する制御孔(12)を有し、
前記制御孔(12)は入口開口部(12a)と出口開口部(12b)とを有し、
前記出口開口部(12b)と協働して媒体の流れを制御し、開口位置Iおよび閉鎖位置IIに可動である滑りプレート(13)と、を備え、
前記滑りプレート(13)が、前記管部分(10)に配置された案内要素(14)および前記滑りプレート(13)に配置された案内要素(15)によって変位可能であるように搭載され、
前記管部分(10)に配置された案内要素(14)および前記滑りプレート(13)に配置された案内要素(15)が互いに嵌合し、
前記管部分(10)に配置された案内要素(14)は前記開口位置Iにおいて媒体の流れによる衝突から保護され、
少なくとも1つの前記管部分(10)に配置された案内要素(14)がL形状断面であり、
少なくとも1つの前記滑りプレート(13)に配置された案内要素(15)が逆L形状断面であり、付属する少なくとも1つの前記管付属案内要素(14)の補完であるように作られ、
前記管部分(10)に配置された案内要素(14)は一体構造で、水平リム(14a)が垂直リム(14b)より短く、前記水平リム(14a)は前記出口開口部(12b)に対して径方向外方向に展延することを特徴とする、滑り弁。
【請求項2】
前記管付属案内要素(14)が前記媒体の流れの外側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の滑り弁。
【請求項3】
前記管付属案内要素(14)が、前記媒体の流れ方向に前記出口開口部(12b)の前に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の滑り弁。
【請求項4】
前記制御部(11)は、前記媒体の流れ方向に前面(19a)および背面(19b)を有する制御プレート(19)を有し、前記出口開口部(12b)が前記制御プレート(19)の背面(19b)に提供されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の滑り弁。
【請求項5】
前記滑りプレート(13)に配置される案内要素(15)がプレート付属案内要素(15)であり、前記管付属案内要素(14)が前記制御プレート(19)に取り外し可能に結合され、または前記プレート付属案内要素(15)が前記滑りプレート(13)に取り外し可能に結合されることを特徴とする請求項4に記載の滑り弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−11357(P2013−11357A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−208268(P2012−208268)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【分割の表示】特願2008−553659(P2008−553659)の分割
【原出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(504231911)ツェット ウント ヨット テクノロジーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (4)
【氏名又は名称原語表記】Z&J Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Bahnstrasse 52 Duren D−52355 Germany
【Fターム(参考)】