説明

滑り防止垂直梯子

【課題】踏桟の滑り防止機能を長期間維持できるとともに、握り棒としての良好な使用感や安全性も備えた滑り防止垂直梯子を提供すること。
【解決手段】梯子の踏桟の表面の少なくとも靴の踏み面6に、セラミックス、金属、あるいはセラミックスと金属の混合粉末を含む微小凹凸層7を形成し、さらにその表面に撥水性・撥油性を有する樹脂8を塗布し、その塗布後の表面粗度をRz30〜100μmとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直の壁面等に設置されて使用される垂直梯子に関し、とくに梯子の踏桟に滑り防止の処理を施した滑り防止垂直梯子に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直梯子の踏桟は通常25cm以上35cm以下の間隔で、かつ、等間隔で設けられ、その形状は通常約φ20mmの鋼製やアルミニウム製、ステンレス製の丸棒や丸パイプ等からなる。この垂直梯子を昇降するとき踏桟と靴底の滑りによる滑落の可能性がある外、踏桟は昇降時には握り棒の役割もあり、使用感と安全対策が種々提案されている。
【0003】
例えば、冷凍艙内に設けられる垂直梯子として、踏桟に角鋼を用い、その角鋼の角の部分を上下として角鋼の外周とほぼ等しい内径を有する表面がゴム製のホースの一箇所を直線に切り、その切口を下にして角鋼に被せたものが特許文献1に開示されている。
【0004】
また、作業者の梯子からの落下を防止するために、梯子の2本の縦部材に掛け渡されるリング状に形成され、昇降中の作業者の背部を支承する着脱可能かつ可倒式の補助具を設けるとともに、その補助具本体を複数の溝を備えたビニールホースで被覆したものが特許文献2に開示されている。
【0005】
さらに、梯子の縦部材に設けたブラケットを上下方向にスライド可能に取り付けて、構造物の壁面に設けた梯子の取付金具の位置に対する微調整を可能とするとともに、梯子の踏桟全面を被覆する熱収縮性ゴムチューブからなる滑り止め部材を被覆形成し、さらに、リング状の落下防止用安全ガードを梯子の縦部材に掛け渡したものが特許文献3に開示されている。
【0006】
またさらに、縦部材である金属パイプに、所定の間隔を有してその外径を変化させることなく複数の窪みを直線状に二列又は外周全面に形成するとともに、ケイ酸カルシウム及びリン酸亜鉛の少なくとも一つが添加されたアルカリ金属シリケートにコレマナイト及びウレキサイトの少なくとも一つが配合され、さらに抗菌性金属粉が配合された抗菌性無機塗料を塗装したものが特許文献4に開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1〜特許文献3に開示された技術におけるゴム製のホースやビニールホース等を踏桟に被せるものは、長年の使用で剥がれたり、掌や手袋あるいは靴底に付着した油汚れ等を吸着したりして、その滑り防止等の機能が低下するという問題がある。
【0008】
加えて、特許文献1に開示された技術では、角鋼の平面部とこれに被せたゴム製のホースとの間に空間部が形成されることで、握り棒としての機能は向上するにしても、踏桟としては空間部が変形することで、滑りの原因となり得る。また、踏桟表面が平滑のため表面に水等の液体が存在するとき、あるいは靴底が液体で濡れているときに、垂直梯子を昇降中に踏桟と靴底の間に滑りが生じて墜落の危険がある。
【0009】
一方、特許文献4に開示された技術は、踏桟にゴム製等の被覆を施すものでないので、その劣化の問題は生じないが、単に窪みを形成するだけでは滑り防止手段としては不十分である。また、窪みの形成にあたっては、外径を維持するために、金属パイプ内に流動性のある微細粒子体を密に充填したうえで下型に保持してプレス加工を行って、窪みを形成するようにしており、多くの加工工程が必要という問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実公平07−54073号公報
【特許文献2】特開2001−098866号公報
【特許文献3】実用新案登録第3083355号公報
【特許文献4】特開2002−004533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、踏桟の滑り防止機能を長期間維持できるとともに、握り棒としての良好な使用感や安全性も備えた滑り防止垂直梯子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の滑り防止垂直梯子は、梯子の踏桟の表面の少なくとも靴の踏み面に、セラミックス、金属、あるいはセラミックスと金属の混合物を含む微小凹凸層を形成し、さらにその表面に撥水性・撥油性を有する樹脂を塗布し、その塗布後の表面粗度をRz30〜100μm(JIS
B0601−1982で測定)としたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明において微小凹凸層は、セラミックス、金属、あるいはセラミックスと金属の混合物を溶射して形成された溶射層、又はセラミックス粉末、金属粉末、あるいはセラミックスと金属の混合粉末を混合した樹脂ビヒクルを塗布して形成された塗布層とすることができる。
【0014】
また、樹脂ビヒクルとしては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、又は有機材料と無機材料を組み合わせた有機−無機ハイブリッド樹脂を使用することができ、撥水性・撥油性を有する樹脂としては、シリコーン系樹脂又はシリケート系樹脂を使用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、踏桟の表面粗度をRz30〜100μmとしたことで、踏桟の滑り防止機能と握り棒としての使用感及び安全性を両立できる。また、踏桟に形成する微小凹凸層は、セラミックス、金属、あるいはセラミックスと金属の混合物を含むので、滑り防止機能を長期間に渡って維持できる。さらに、微小凹凸層を溶射層又は塗布層によって形成すれば、踏桟との密着性も向上するので、滑り防止機能をより長期間に渡って維持できるとともに、溶射装置又は塗布装置により効率よく微小凹凸層を形成できる。また、塗布層の場合、刷毛や塗装用スプレーを用いての施工ができるので、既設の垂直梯子の補修を容易に行うことができる。
【0016】
加えて、本発明では、微小凹凸層の表面に撥水性・撥油性を有する樹脂を塗布するので、踏桟の汚れを防止でき、汚れによる滑り防止機能の低下も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の滑り防止垂直梯子の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の滑り防止垂直梯子において踏桟の表面を覆う半割りの丸パイプの表面の模式図である。
【図3】表面粗度RzとBPN値との相関関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明の滑り防止垂直梯子の一例を示す斜視図、図2は図1の滑り防止垂直梯子において踏桟の表面を覆う半割りの丸パイプの表面の模式図である。垂直梯子1の踏桟3の表面を覆うことが可能な半割りの丸パイプ6表面に、セラミックス粉末を溶射して微小凹凸構造を有する溶射層(微小凹凸層)7(図2参照)を形成し、さらにその溶射層7の表面に撥水性・撥油性を有する低表面エネルギー性樹脂であるシリコーン樹脂を、その溶射層7の微小凹凸構造が完全に消失しない厚みに塗布して撥水性・撥油性皮膜8(図2参照)を形成する。なお、溶射層7は、金属粉末、あるいはセラミックスと金属の混合粉末を用いて形成しても良い。また、撥水性・撥油性皮膜8は、無機系シリケート樹脂を用いて形成しても良い。
【0020】
次に、前記の表面処理された半割りの丸パイプ6を踏桟3の表面を覆って、垂直梯子1の主脚2及び踏桟3の両方に溶接等の手段で固定し、新たな踏桟を形成する。なお、図1中符号5で示すものは垂直梯子1を壁面等と固定するための支持金具である。符号4で示すものは踏桟3と主脚2との固定部であり、ネジやハトメ、あるいは溶接等周知の手段により踏桟3の回り止めを施した固定部である。
【0021】
このようにして得られた垂直梯子1の踏桟となる半割りの丸パイプ6の表面(撥水性・撥油性皮膜8を形成後の表面)は、表面粗度Rz(10点平均粗さ)が30〜100μmであり、かつBPN値(British Pendulum Number)は40〜100のグリップ力を有し、さらに、汚れ防止性を有する。ここで、グリップ力はすべり抵抗値で表すことができ、このすべり抵抗値の測定には一般的に英国式の耐滑り性試験機(Portable Skid Resistance Tester)が採用されており、この方法で測定された値であるBPN値が大きいほどグリップ力が大きいとされている。例えば、舗装材のすべり抵抗性に関してBPN値で40以上(湿潤状態)が望ましいという目標値が提示されており、本発明においては、この数字以上のBPN値を維持する条件をグリップ力維持の条件とした。
【0022】
前記の踏桟3を覆う半割りの丸パイプ6は、約φ20mmの鋼製丸棒を覆うことができるようにφ25mm〜φ50mmのパイプを半割りにしたものである。上限をφ50mmとした理由は、垂直梯子1を昇降するとき、標準サイズの人の手で踏桟を掴むことができるようにするためである。下限をφ25mmとした理由は、踏桟として通常使用されている約φ20mmの鋼製丸棒を覆うことができるようにするためである。
【0023】
また、半割りの丸パイプ6の表面粗度は上述のとおりRz30μm〜100μmとするが、下限をRz30μmとした理由は、Rz30μm未満では凹凸の中に堆積する汚れのために早期にグリップ力が低下するためである。また、上限をRz100μmとした理由は、Rz100μmより大きい表面粗度では、人の手で踏桟を握るときに手にキズを付ける可能性があるためである。表面粗度はRz50〜100μmが最適である。
【0024】
溶射層7の形成に用いる材料としては、安価で強度も保有する材料として、セラミックスでは、グレイアルミナ等を多く含んだセラミックス、酸化クロム、酸化鉄等、金属では、アルミニウム、亜鉛、ニッケル−クロム、ステンレス、銅等を用いることができ、また、WC系、CrC系のセラミックスと金属の混合物も用いることができる。
【0025】
以上のとおり、本実施の形態では、踏桟の表面をRz30〜100μmの微小凹凸構造としているので、人が握る握り棒としての良好な使用感や安全性も備えつつ、靴底とのグリップ力を高めることができる。さらに、踏桟の表面は、撥水性・撥油性皮膜8で覆われているので、水、油、金属・有機物・無機物の単一あるいは複合した乾粉・スラリー等の付着を軽減あるいは防止することができ、汚れ防止を図ることができる。
【0026】
ここで、既設の垂直梯子の滑り防止対策としては、前記表面処理された半割りの丸パイプ6を踏桟3の表面を覆うようにして主脚及び踏桟3の両方に固定することができる。また、新規に垂直梯子を製作する場合には、グリップ力を高めた踏桟としてφ25〜φ50mm鋼製の前記表面処理された半割りの丸パイプを垂直梯子の主脚に、溶接等の手段で固定して使用することができる。
【0027】
以上説明した実施の形態では、垂直梯子の踏桟の表面に形成する微小凹凸層を溶射層により形成したが、塗布層により形成することもできる。
【0028】
この場合、踏桟3の表面を覆う鋼製の半割りの丸パイプ6としては前記溶射の場合と同じものを用いて、その表面にセラミックス粉末を混合した樹脂ビヒクルを塗布して微小凹凸構造を有する塗布層を形成する。そして、この塗布層の表面に、前記溶射の場合と同様にして撥水性・撥油性を有する低表面エネルギー性樹脂を、その塗布層の微小凹凸構造が完全に消失しない厚みに塗布して撥水性・撥油性皮膜を形成する。なお、樹脂ビヒクルに混合する粉末としては、金属粉末、あるいはセラミックスと金属の混合粉末を用いても良い。
【0029】
このようにして形成した半割りの丸パイプ6の表面粗度も前記溶射の場合と同様にRz30〜100μmとする。この表面粗度を得るため、樹脂ビヒクルに混合する粉末の平均粒径は40〜200μm程度とする。
【0030】
樹脂ビヒクルとしては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、又は有機材料と無機材料を組み合わせた有機−無機ハイブリッド樹脂を用いることができる。前記有機材料としてはポリマーとしてウレタン、アミド、イミド、カーボネートなどが挙げられ、前記無機材料としてはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどが挙げられる。
【0031】
以上説明した本発明の実施の形態では、垂直梯子の踏桟となる部分の表面全面に微小凹凸層を形成したが、踏桟は、素手(掌)又は手袋で安定して掴めるとともに作業靴やゴム靴などの底面と確実にグリップ力を保持して安全に昇降できるようにする部材であるので、微小凹凸層の形成にあたっては、靴の踏み面に対応する、踏桟の上面から壁面側へ45度、昇降者が昇り降りする表側へ90度程度の周面範囲に形成することでその目的を達成し得るので、この範囲に限定して微小凹凸層を形成するようにすれば、微小凹凸層を形成するコストを低減できるとともに施工効率を向上させることができる。なお、半割りの丸パイプについても同様の範囲にのみ配置固定するようにしても良い。
【実施例】
【0032】
垂直梯子の踏桟のグリップ性(グリップ力と同義)を、BPN値と表面粗度の両者の値を用いて評価した。その結果を表1に示す。なお、BPN値の測定には被測定材としてある程度の平面部の大きさが必要であり、水で濡らせて湿潤状態を維持するために300mm×300mmの大きさの板材を使用した。また、前記測定に用いた板材の上を人間が歩いてグリップ性を体感し、実際の間隔としてもグリップ性を評価した。当該板材以外の形状のものについても同様である。
【0033】
【表1】

【0034】
以下、表1に示す実施例及び比較例について説明する。
【0035】
[実施例1]
300mm×300mm×3mmの普通鋼に、表面をブラスト処理した後、SUS420Jを溶射して約150μm厚の溶射層を形成した。この溶射した時点でのその表面粗度は、Rz100μmであった。次に溶射層にシリコーン樹脂を塗布して封孔した。その塗布後の表面粗度はRz80μmであった。この表面のBPN値は80であり、水で濡らした前記表面につき底面が凹凸ゴム製の靴を履いてグリップ性を体感したところ、滑らずグリップ力が確保されていた。この体感評価は作業靴やゴム靴などの凹凸の溝付きの靴底が泥塗れや水濡れ状態にあることを想定して行ったものである。以下も同様である。
【0036】
[比較例1]
300mm×300mm×3mmの普通鋼をそのまま評価した。その表面粗度はRz6μm、BPN値は20であり、水で濡らした前記普通鋼表面につき底面が凹凸ゴム製の靴を履いてグリップ性を体感したところ、滑って危険な状態であった。
【0037】
[比較例2]
実施例1と同じ方法で形成した溶射層の表面に、封孔のためのエポキシ樹脂皮膜を形成後、少なめのエポキシ樹脂に粘土粉末を混合したものを付着させ溶射層の凹凸を埋め、表面を乾燥させた。その表面粗度はRz18μm、BPN値は30であり、水で濡らした前記表面につき底面が凹凸ゴム製の靴を履いてグリップ性を体感した結果は実施例1に比べ大きく劣った。
【0038】
[実施例2]
300mm×300mm×3mmの普通鋼の表面に、平均粒径44μmのグレイアルミナのセラミックス粒子と樹脂ビヒクルとして市販のエポキシ樹脂塗料(商品名;エポニックス10)とを質量比で50:50に調合したものを塗布して微小凹凸層を形成した。さらにその表面にシリコーン樹脂を約10μmの厚さで塗布した。その塗布面の表面粗度はRz30μm、BPN値は41であり、水で濡らした前記表面につき底面が凹凸ゴム製の靴を履いてグリップ性を体感したところ、滑らずグリップ力が確保されていた。
【0039】
[実施例3]
φ40の鋼製パイプを半割にし、表面をブラスト処理後、実施例1と同じ方法で溶射層を形成し、さらにシリコーン樹脂を塗布して封孔した。その表面粗度はRz85μmであった。水で濡らした前記表面につき底面が凹凸ゴム製の靴を履いてグリップ性を体感したところ、滑らずグリップ力が確保されていた。
【0040】
なお、この実施例3は、実際の梯子の踏桟に見立てたφ40の半割りした鋼製パイプを用いたものである。前記したようにBPN値の測定には被測定材としてある程度の平面部の大きさが必要であるが、実施例3では半割りの鋼製パイプのためBPN値は測定不可であったため、体感によるグリップ性により滑り性を判断した。
【0041】
[実施例4]
実施例3と同じφ40の半割りした鋼製パイプを用いて、実施例2と同じ方法で粗面を形成した。その表面粗度はRz30μmであり、水で濡らした前記表面につき底面が凹凸ゴム製の靴を履いてグリップ性を体感したところ、滑らずグリップ力が確保されていた。
【0042】
この実施例4でも実施例3同様に、BPN値は測定不可であったため、体感によるグリップ性により滑り性を判断した。
【0043】
[比較例3]
50mm幅の普通鋼の角パイプを半切りにして50mm幅面の滑り性を評価した。表面粗度はRz10μmと比較例1と同レベルであり、水で濡らした前記角パイプ表面につき底面が凹凸ゴム製の靴を履いてグリップ性を体感したところ、滑って危険な状態であった。
【0044】
この比較例3では、角パイプではあったが幅面が50mmでBPN値は測定不可であったので、体感によるグリップ性により滑り性を判断した。
【0045】
さらに、表面粗度RzとBPN値との関係を明らかにするため、実施例1と同じ300mm×300mm×3mmの普通鋼を用いて、実施例1と同様にブラスト処理後、種々の溶射条件により溶射層を形成することで、表面粗度Rzを変化させ、BPN値を測定した(実施例5〜11)。なお、実施例5〜11のいずれも表面粗度Rzは45μm以上、BPN値は50以上で、濡らしたそれぞれの表面につき底面が凹凸ゴム製の靴を履いてグリップ性を体感したところ、滑らずグリップ力が確保されていた。
【0046】
これらの実施例5〜11と、このほかにBPN値を測定した実施例1、2及び比較例1、2の測定データをグラフ化して表面粗度RzとBPN値の相関関係を求めた。その結果を図3に示す。図3より、表面粗度Rz30μm以上で、BPN値40以上という目標を達成でき、良好なグリップ力が得られることがわかる。
【符号の説明】
【0047】
1 垂直梯子
2 主脚
3 踏桟
4 固定部
5 支持金具
6 半割りの丸パイプ
7 溶射層(微小凹凸層)
8 撥水性・撥油性皮膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
梯子の踏桟の表面の少なくとも靴の踏み面に、セラミックス、金属、あるいはセラミックスと金属の混合物を含む微小凹凸層を形成し、さらにその表面に撥水性・撥油性を有する樹脂を塗布し、その塗布後の表面粗度をRz30〜100μmとしたことを特徴とする滑り防止垂直梯子。
【請求項2】
前記微小凹凸層が、セラミックス、金属、あるいはセラミックスと金属の混合物を溶射して形成された溶射層である請求項1に記載の滑り防止垂直梯子。
【請求項3】
前記微小凹凸層が、セラミックス粉末、金属粉末、あるいはセラミックスと金属の混合粉末を混合した樹脂ビヒクルを塗布して形成された塗布層である請求項1に記載の滑り防止垂直梯子。
【請求項4】
樹脂ビヒクルが、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、又は有機材料と無機材料を組み合わせた有機−無機ハイブリッド樹脂である請求項3に記載の滑り防止垂直梯子。
【請求項5】
撥水性・撥油性を有する樹脂が、シリコーン系樹脂又はシリケート系樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の滑り防止垂直梯子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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