説明

漫画作成支援装置、漫画作成支援方法及びプログラム

【課題】本発明の目的は、3次元空間上に配置されるオブジェクトの重要度に応じて、各オブジェクトを強調させるのに適切な強調情報を自動で決定することができる漫画作成支援装置、作成支援方法及びプログラムを提供することである。
【解決手段】
各キャラクターに設定された感情情報と、気性情報とに基づいて、重要度が決定される。重要度は、漫画の1コマにおけるキャラクターの重要さを示す。重要度が高いキャラクターには、集中線、吹き出し情報、フォントサイズに代表される強調情報が付加される。強調情報が付加されることで、読書にキャラクターの注目を引き付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漫画の作成支援方法に関する。詳細には、3次元空間上に配置されるオブジェクトの重要度に応じて、各オブジェクトを強調させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2004−152082号公報には、CG(Computer Graphics)により3次元空間上に生成されるオブジェクトにより、漫画の一コマを作成する技術が開示されている。具体的には、所定のデータベースには、予め記憶されたオブジェクト、または、ユーザにより手動で生成されたオブジェクトが記憶されている。ユーザは、データベースの中から、所望のオブジェクトを選択する。ユーザにより選択されたオブジェクトが組み合わされることで、漫画の一コマが生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】2004−152082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2004−152082号公報に開示される技術を用いて、漫画に登場するオブジェクトが強調される場合がある。この場合、漫画の作成知識及び漫画作成の経験が豊富なユーザは、強調させるために適切なオブジェクトを、時間や試行錯誤の必要がなく選択することができる。一方、漫画の作成知識及び漫画作成の経験が乏しいユーザは、適切なオブジェクトを選択するために試行錯誤が必要なため長時間を要する。このため、知識及び経験が乏しいユーザは、ユーザ自身が意図する強調情報を選択するために長時間を要し、強調させるために適切なオブジェクトを選択することが困難だった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、3次元空間上に配置されるオブジェクトの重要度に応じて、各オブジェクトを強調させるのに適切な強調情報を自動で決定することができる漫画作成支援装置、作成支援方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、少なくとも一コマ以上のコマを含む漫画の生成を支援する漫画生成支援装置であって、表示部に表示させる所定の一コマに登場させるオブジェクトを設定する第1設定部と、前記一コマ内で、前記第1設定部により設定されたオブジェクトの重要性を表す重要度を決定する決定部と、前記決定部により決定された重要度が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記設定部により設定されたオブジェクトに、前記オブジェクトを強調させる強調情報を付加する付加部と、を備えることを特徴とする漫画作成支援装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明によれば、前記第1設定部は、所定の一コマに登場させるオブジェクトとして、感情を表す感情情報が付与可能なキャラクターを設定し、前記決定部は、前記感情情報に基づいて前記重要度を決定し、前記判定部は、前記決定部により決定された重要度が所定の閾値上であるか否かを判定し、前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上であると判定されたとき、前記付加部は、前記キャラクターの感情を強調させる前記強調情報を付加することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明によれば、前記第1設定部は、前記感情情報と、前記オブジェクトの感情の起伏を示す気性を表す気性情報とが付与可能なキャラクターを設定し、前記決定部は、前記感情情報と前記気性情報とに基づいて前記重要度を決定し、前記判定部は、前記決定部により決定された重要度が所定の閾値上であるか否かを判定し、前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上であると判定されたとき、前記付加部は、前記キャラクターの感情を強調させる前記強調情報を付加することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明によれば、前記第1設定部は、所定の一コマに登場させるオブジェクトとして、感情が付与可能な複数の異なるキャラクターを設定し、前記決定部は、前記第1設定部より設定された各キャラクターの前記重要度を決定し、前記判定部は、前記複数のキャラクターに設定された前記重要度の中で、所定の閾値以上の重要度であるキャラクターがあるか否かを判定し、前記判定部により前記複数のキャラクターに設定された前記重要度の中で、所定の閾値以上の重要度であるキャラクターがあると判定されたとき、前記付与部は、前記所定の閾値以上の重要度であるキャラクターの感情を強調させる前記強調情報を付与することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明によれば、前記第1設定部により設定されたキャラクターに、前記キャラクターの感情を表す複数の感情情報の中から所定の感情情報を設定する第2設定部を備え、前記決定部は、前記第2設定部により設定された感情情報に応じて前記重要度を決定することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明によれば、前記第2設定部は、前記複数の感情情報として、怒りまたは驚きを表す第1感情情報を含む前記感情情報を、前記第1設定部により設定されたキャラクターに設定し、前記第2設定部により設定された感情情報が前記第1感情情報のとき、前記第2決定部は、前記第1感情情報とは異なる感情情報に対応する感情強度よりも、前記第1感情情報に対応する感情強度を高く決定することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明によれば、前記第1設定部は、前記オブジェクトと、前記オブジェクトが会話している内容を含んで表示部に表示される吹き出し情報とを設定し、前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記付加部は、前記吹き出し情報に基づいて前記表示部に表示される吹き出しの周辺を、所定の前記強調情報を付加することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明によれば、前記付加部は、前記表示部に表示される吹き出しの周辺を、前記吹き出しの内側から外側に向かった尖部を複数有する前記強調情報を付加することを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明によれば、前記第1設定部は、前記オブジェクトと、前記オブジェクトが設定される一コマ内において前記オブジェクトの動作に関する文字表す文字情報とを設定し、前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記付加部は、前記強調情報として、前記表示部に表示される前記文字情報の大きさを大きくすることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明によれば、 前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記付加部は、前記オブジェクトが表示部に表示される表示位置に、前記オブジェクトを強調する集中線を表す集中線情報を、前記強調情報として付加することを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明によれば、少なくとも一コマ以上のコマを含む漫画の生成を支援する漫画生成支援方法であって、表示部に表示させる所定の一コマに登場させるオブジェクトを設定する第1設定ステップと、前記一コマ内で、前記第1設定ステップにより設定されたオブジェクトの重要性を表す重要度を決定する決定ステップと、前記決定ステップにより決定された重要度が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記設定ステップにより設定されたオブジェクトに、前記オブジェクトを強調させる強調情報を付加する付加ステップと、を含む漫画作成支援方法である。
【0017】
請求項12に記載の発明によれば、少なくとも一コマ以上のコマを含む漫画の生成を支援する漫画生成支援装置のコンピュータに、表示部に表示させる所定の一コマに登場させるオブジェクトを設定する第1設定ステップと、前記一コマ内で、前記第1設定ステップにより設定されたオブジェクトの重要性を表す重要度を決定する決定ステップと、前記決定ステップにより決定された重要度が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記設定ステップにより設定されたオブジェクトに、前記オブジェクトを強調させる強調情報を付加する付加ステップと、を実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、付加部は、判定部により重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、設定部により設定されたオブジェクトに、オブジェクトを強調させる強調情報を付加する。従って、オブジェクトに設定された重要度に基づいて、強調情報を自動で決定することができる。この結果、漫画作成の知識及び経験が乏しいユーザであっても、試行錯誤が必要なく、オブジェクトを強調させるための情報を容易に設定することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、判定部により重要度が所定の閾値以上であると判定されたとき、付加部は、キャラクターの感情を強調させる強調情報を付加する。従って、キャラクターに設定された感情の強さに基づいて、強調情報を自動で決定することができる。この結果、漫画作成の知識及び経験が乏しいユーザであっても、試行錯誤が必要なく、キャラクターの感情を強調させるための情報を容易に設定することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、第1設定部は、感情情報と、キャラクターの感情の起伏を示す気性を表す気性情報とが付与可能なキャラクターを設定する。決定部は、感情情報と気性情報に基づいて重要度を決定する。従って、キャラクターの気性と感情とを考慮して、重要度を決定することができる。この結果、感情だけで重要度を決定するときよりも、正確にキャラクターの重要度を決定することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、判定部により複数のキャラクターに設定された重要度の中で、所定の閾値以上の重要度であるキャラクターがあると判定されたとき、付与部は、前記所定の閾値以上の重要度であるキャラクターの感情を強調させる強調情報を付与する。従って、複数のキャラクターに設定された重要度に基づいて、強調情報を自動で決定することができる。この結果、複数のキャラクターが一コマに登場する場合であっても、試行錯誤が必要なく、キャラクターの感情を強調させるための情報を容易に設定することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、決定部は、第2設定部により設定された感情情報に応じて重要度を決定する。従って、キャラクターの感情を設定するだけで、強調情報を自動で決定することができる。この結果、漫画作成の知識及び経験が乏しいユーザであっても、キャラクターの感情を設定するだけで、キャラクターの感情を強調させるための情報を容易に設定することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、第2設定部は、複数の感情情報として、怒りまたは驚きを表す第1感情情報を含む前記感情情報を、第1設定部により設定されたオブジェクトに設定する。第2設定部により設定された感情情報が第1感情情報のとき、第2決定部は、第1感情情報とは異なる感情情報に対応する重要度よりも、第1感情情報に対応する重要度を高く決定する。従って、怒りまたは驚きまたは絶望に代表される第1感情情報により、キャラクターの感情が強く表現される場合、他の感情とよりも重要度が高く設定される。この結果、キャラクターの感情が強く表現される感情がキャラクターに設定されるだけで、キャラクターの感情を強調させるための情報を容易に設定することができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、判定部により前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、付加部は、吹き出し情報に基づいて表示部に表示される吹き出しの周辺を強調する強調情報を付加する。従って、オブジェクトに設定された重要度に基づいて、吹き出しの周辺を強調する強調情報を自動で決定することができる。この結果、読者にオブジェクトの表現と会話とを自動で強調させることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、付加部は、表示部に表示される吹き出しの周辺を、吹き出しの内側から外側に向かった尖部を複数有する強調情報を付加する。この結果、オブジェクトの表現と会話とを強調させるための尖部を有する吹き出しを自動で設定することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、第1設定部は、オブジェクトと、オブジェクトが設定される一コマ内においてオブジェクトの動作に関する文字表す文字情報とを設定する。判定部により重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、付加部は、強調情報として、表示部に表示される文字情報の大きさを大きくすることを特徴とする。従って、オブジェクトに設定された重要度に基づいて、オブジェクトの動作に関する文字の大きさを自動で決定することができる。この結果、オブジェクトの動作を表す文字を強調させるため文字の大きさを自動で設定することができる。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、判定部により重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、付加部は、オブジェクトが表示部に表示される表示位置に、オブジェクトを強調する集中線を表す集中線情報を強調情報として付加する。この結果、オブジェクトに設定された重要度に基づいて、オブジェクトを強調する集中線を自動で設定することができる。
【0028】
請求項11または請求項12に記載の発明によれば、付加ステップは、判定ステップにより重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、設定ステップにより設定されたオブジェクトに、オブジェクトを強調させる強調情報を付加する。従って、オブジェクトに設定された重要度に基づいて、強調情報を自動で決定することができる。この結果、漫画作成の知識及び経験が乏しいユーザであっても、試行錯誤が必要なく、オブジェクトを強調させるための情報を容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】漫画作成支援装置の表示部に表示される操作画面である。
【図2】本実施形態で用いられる運動映像情報の詳細を説明する説明図である。
【図3】図3(a)は、図2に示すフィギュアAが表す人の各身体部位の座標位置を示す概念図である。図3(b)は、フィギュアAを表示するために図3(a)の各身体部位を表しているP1〜P17の座標位置を示す説明図である。
【図4】本実施形態における2次元画像の方法を説明する説明図である。
【図5】集中線の描画方法の一例を示す説明図である。
【図6】本実施形態における吹き出しの配置方法を説明する説明図である。
【図7】本実施形態の漫画作成支援装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】感情情報記憶領域7に感情情報が記憶される記憶状態を示す概念図である。
【図9】気性情報記憶領域77に気性情報が記憶される記憶状態を示す概念図である。
【図10】第1気性情報の具体例を表す概念図である。
【図11】第2気性情報の具体例を表す概念図である。
【図12】吹き出し情報が吹き出し情報記憶領域75に記憶される記憶状態を示す概念図である。
【図13】フォント情報がフォント情報記憶領域76に記憶される記憶状態を示す概念図である。
【図14】漫画作成支援装置1におけるメイン動作の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[最良の実施形態]
以下、本発明の最良の形態について、図面を参照して説明する。最良の実施形態として、パーソナルコンピュータに漫画作成支援プログラムがインストールされた例を用いる。本実施形態では、漫画作成支援プログラムがインストールされたパーソナルコンピュータが、漫画作成支援装置の一例である。
【0031】
<漫画作成支援装置の外観図>
図1は、漫画作成支援装置の表示部に表示される操作画面である。操作画面20は、漫画作成支援プログラムが起動されると、表示部に表示される。ユーザは、操作画面20を見ながら、漫画作成のためのデータ入力をキーボードやマウスを用いて行う。
【0032】
図1に示すように、操作画面20は、コマ表示領域21とキャラクター設定領域31との2つの表示領域を含む。コマ表示領域21は、漫画作成支援装置で使用される漫画のコマを表示する。一方、キャラクター設定領域31は、コマ表示領域21に表示されるコマに表示されるキャラクターの各種設定条件を表示する。各種設定条件の詳細については後述する。
【0033】
コマ表示領域21は、コマ画像表示領域22と、場面選択リスト23と、候補選択ボタン24と、新規コマ作成ボタン25と、コマ番号26とを備える。
【0034】
コマ画像表示領域22には、後述する図2に示す3次元仮想空間60内の画像が表示される。具体的には、3次元仮想空間60内が仮想カメラにより映し出される。仮想カメラで映し出された画像が、漫画の1コマとして用いられる。
【0035】
場面選択リスト23は、コマの画像として優先的に使用する場面を設定するリストボックスである。ユーザが、リストボックスの右隅にある逆三角形のマークをマウス11のカーソルでクリックして押下すると、場面の選択候補が表示される。本実施の形態では、優先場面として、「近写場面」と、「遠写場面」との各場面のいずれかを選択することができる。近写場面は、コマ画像として、キャラクターの顔を含む画像を優先して用いる場面をいう。具体的には、近写場面は、キャラクターを近写して、主にキャラクターの顔、または、胸部を含む画像を、コマとして用いる場面である。遠写場面は、コマ画像として、キャラクターが配置された背景の画像を優先して用いる場面をいう。言い換えれば、遠写場面は、キャラクターを遠目から見た画像である。コマ画像表示領域22に表示される画像は、場面選択リスト23で選択された優先場面に応じて変更される。
【0036】
候補選択ボタン24は、コマ画像表示領域22に表示された画像とは異なる画像をコマ画像の候補として表示させるボタンである。具体的には、候補選択ボタン24は、コマ画像表示領域22に出力する画像を映し出す仮想カメラとは異なる仮想カメラで映しだした画像を候補として、表示部に提示する。
【0037】
新規コマ作成ボタン25は、新たなコマを作成する場合に操作するボタンである。コマ番号26は、コマ画像表示領域22に表意されたコマの識別番号である。識別番号は、生成されたコマ画像が出力される順番を示す。新規コマ作成ボタン25が操作された場合、新たなコマ画像表示領域22と、場面選択リスト23と、候補選択ボタン24とが、新たなコマ番号26とともに、既に表示されているコマ表示領域21等の下部に追加で表示される。なお、コマ数が増えた場合には、スクロールバー27でコマ表示領域21を上下にスクロールさせることができる。
【0038】
キャラクター設定領域31は、セリフ入力ボックス32と、感情選択リスト33と、新規キャラクター作成ボタン35と、キャラクター選択リスト36と気性選択リスト39とを含む。
【0039】
キャラクター選択リスト36は、3次元仮想空間60内に配置するキャラクターの容姿(Computer Graphics:CG)を選択するためのリストボックスである。あらかじめインストールされた複数のキャラクターから任意のキャラクターが、リストボックスにより指定される。具体的には、複数のキャラクターには、名称が対応付けられる。名称は、例えば後述するフィギュアA、フィギュアBなどである。キャラクター選択リスト36には選択されたキャラクターの名称が表示される。
【0040】
セリフ入力ボックス32は、図2に示す3次元仮想空間60内に配置するキャラクターのセリフを入力可能なテキストボックスである。セリフの入力がなければ、コマ画像にセリフは表示されない。セリフ入力ボックス32に入力されたテクストデータは、コマ画像表示領域22に表示される。具体的には、コマ画像表示領域22に配置された吹き出しの内部に表示される。吹き出しの詳細は、後述する。
【0041】
感情選択リスト33は、キャラクターに喜怒哀楽などの感情を設定するリストボックスである。ユーザが、リストボックスの右隅にある逆三角形のマークをマウスのカーソルでクリックして押下すると、キャラクターの感情の選択候補が表示される。本実施の形態では、「喜」、「怒」、「哀」、「楽」など感情を選択することができる。各感情には、あらかじめ、感情ポイントとして、感情の度合いに応じた数値が設定されている。感情ポイントにより、キャラクターの感情の高まり具合を数値の大小として比較できるようになる。コマ画像表示領域22に表示されるキャラクターの姿勢や態度、表情などは、感情選択リスト33で選択された感情を表現する技法で描かれたものに変更される。なお、感情の種類は、上記の喜怒哀楽に限定するものではない。本実施形態で用いられる感情の詳細は、後述する。
【0042】
気性選択リスト39は、キャラクターの気性を設定するリストボックスである。気性は、キャラクターの感情の起伏を示す。ユーザが、リストボックスの右隅にある逆三角形のマークをマウスのカーソルでクリックして押下すると、キャラクターの気性の選択候補が表示される。本実施の形態では、「おだやか」、「内気」、「感情的」、「怒りっぽい」など気性を選択することができる。言い換えれば、気性は、キャラクターの性格を表す。例えば、あるキャラクターに「おだやか」が設定されたとする。この場合、「おだやか」が設定されたキャラクターについての感情ポイントは、通常のキャラクターよりも低く設定される。また、あるキャラクターに「感情的」が設定されたとする。この場合、「感情的」が設定されたキャラクターについての感情ポイントは、通常のキャラクターよりも高く設定される。また、あるキャラクターに「内気」が設定されたとする。この場合、「内気」が設定されたキャラクターについての感情ポイントは、「おだやか」が設定されたキャラクターよりも低く設定される。また、あるキャラクターに「怒りっぽい」が設定されたとする。気性「怒りっぽい」は、所定の感情に特化した気性である。具体的には、気性「怒りっぽい」は、感情の「怒り」に特化した気性である。この場合、「怒りっぽい」が設定されたキャラクターについての感情ポイントは、通常のキャラクターよりも、「怒り」に関する感情ポイントが高く設定される。気性の詳細については、後述する。
【0043】
新規キャラクター作成ボタン35は3次元仮想空間60(図3参照)内に新たなキャラクターを配置する場合に操作されるボタンである。新規キャラクター作成ボタン35が操作された場合には、キャラクター設定領域31に、新たなキャラクター用の項目が表示される。例えば、コマ画像表示領域22にフィギュアAが最初に配置されていたとする。この場合、フィギュアAに対応するキャラクター設定領域31が表示される。ことのき、新規キャラクター作成ボタン35の操作により、新たにフィギュアBがコマ画像表示領域22に配置されたとする。このとき、フィギュアBに対応するセリフ入力ボックス42と、感情選択リスト43と、キャラクター選択リスト46と、気性選択リスト49とが表示部に表示される。フィギュアBに対応する項目が、フィギュアAのセリフ入力ボックス32等の下部に追加される。図1の状態がこの状態である。なお、上記同様、キャラクター数が増えた場合には、スクロールバー37でキャラクター設定領域31を上下にスクロールさせることができる。上記のメニューの選択結果やテキストボックスに入力された情報は、指定されたRAMの所定の記憶エリアに記憶される。
【0044】
<漫画作成支援装置の3次元CGキャラクタの概要>
次に、図2は、本実施形態で用いられる運動映像情報の詳細を説明する説明図である。まず、3次元CGによりフィギュアAを表示させるためには、3次元仮想空間60が、プログラムに従ってCPU6によりRAM8の所定の記憶領域に確保される。本実施形態の3次元仮想空間60は、XYZ座標軸65に基づく座標データとして定義される。具体的には、3次元仮想空間60に配置されるフィギュアA等は、XYZ座標軸65に基づく座標データとして定義される。
【0045】
また、3次元仮想空間60に設置された各種「●」(図中の黒丸)は、フィギュアAをディスプレイ4またはコマ画像表示領域22に映し出す視点である。各視点は、図2に示す24カ所の定位置に配置される。各視点には、仮想カメラが配置される。この仮想カメラにより撮影された映像が、ディスプレイ4またはコマ画像表示領域22に映し出されることで、フィギュアAが表示される。仮想カメラには、あらかじめ決められた撮影方向62(視線方向)および画角(垂直画角θ1、水平画角θ2)が設定される。なお、3次元仮想空間60内に配置する視点数は一例である。視点数は、任意に増減可能である。本実施形態では、図2に示す所定の視点に配置された仮想カメラ61から、撮影された映像がディスプレイ4またはコマ画像表示領域22に表示されるものとする。
【0046】
図3(a)は、図2に示すフィギュアAが表す人の各身体部位の座標位置を示す概念図である。図3(a)に示す各身体部位の座標位置に基づいて、フィギュアAは生成される。図3(a)のP1〜P17は、フィギュアAの各身体部位を表している。図3(b)は、フィギュアAを表示するために図3(a)の各身体部位を表しているP1〜P17の座標位置を示す説明図である。図3(b)に示す座標位置を表す映像が、ディスプレイ4またはコマ画像表示領域22に表示されることで、フィギュアAが表示される。
【0047】
ここで、仮想カメラで3次元仮想空間60内を撮影し、2次元の画像を生成する過程について、簡単に説明する。本実施の形態において、3次元仮想空間60内に配置したフィギュアAを2次元の画像に変換する処理は、アフィン変換に基づく一連の座標変換処理によって行われる。アフィン変換とは、2次元の座標変換に使用され、拡大、縮小、反転などの線形変換と平行移動が結合された変換方法である。アフィン変換を用いることで、3次元仮想空間60内に配置した個々のオブジェクトごとに設定された座標(例えば、ローカル座標)を、ワールド座標、ビュー座標、スクリーン座標、デバイス座標に順に変換して二次元の座標とすることができる。これにより、視点からオブジェクトを見た画像を生成することができる。このアフィン変換による座標変換の具体的な処理については公知である。以下では、3次元仮想空間60内に配置したフィギュアAの座標がデバイス座標に変換されるまでの一連の過程の概要を説明する。
【0048】
図4に示すように、フィギュアAは、頭、胸、右手、左手、各種脚部等など、要所となる身体部位(図中黒丸で示す。)が、それぞれ、XYZ座標軸65に基づく座標データとして定義されている。これらの各身体部位の座標は、XYZ座標軸65で、それぞれ定義されている。なお、身体の細部については、さらにこれらの各身体部位を基準にした座標データで定義され、公知のテクスチャマッピング等によって表現される、テクスチャマッピングの技術は、公知技術であるため、ここでは説明の簡略化のため、細部についての説明は省略する。
【0049】
3次元仮想空間60を定義したXYZ座標軸65(ワールド座標系)の座標を、仮想カメラ61の視点位置の位置座標を原点とするビュー座標系66の座標に変換する。そして、ビュー座標系66の座標として定義された3次元仮想空間60内に、平面状の仮想スクリーン68を定義する。そして、仮想カメラ61から仮想スクリーン68を透過させてフィギュアAを見た画像が、仮想スクリーン68上に形成される。具体的に、ビュー座標系66において、フィギュアAの各身体部位の座標を、仮想カメラ61とフィギュアAの各身体部位とを結ぶ仮想線(図中一点鎖線で示す。)が仮想スクリーン68と交わる点の座標(スクリーン座標)に変換する。
【0050】
こうして仮想スクリーン68上の座標に変換されたフィギュアAの各身体部位の座標は、この時点ではまだビュー座標系66において3次元の座標として定義されているので、次にこれを二次元平面の座標に変換する。ビュー座標系66で示される仮想スクリーン68上の座標(スクリーン座標)を、上記したディスプレイ4に表示する大きさの、デバイス座標系67で示される2次元の仮想画面69上の座標(デバイス座標)に変換する。
【0051】
以上のアフィン変換により、3次元仮想空間60内に配置された視点から見た、仮想スクリーン68上にフィギュアAを映しだした画像を得ることができる。アフィン変換により取得された画像が、コマ画像表示領域22に表示される。
【0052】
<強調情報の付加方法>
また、図4及び図5を用いて、本実施形態の集中線の描画方法について説明する。本実施形態では、重要度が所定値以上のキャラクターについて、集中線が出力される。図4に示すフィギュアAが、重要度が所定以上であった例を用いて、以下説明する。
【0053】
本実施形態では、重要度が所定値以上のキャラクターについては、集中線が出力される。集中線は、漫画を描画する際に使用される技術の1つである。漫画を閲覧するユーザに、所定のキャラクターに注目を集めさせる漫画作成方法である。具体的には、注目を集めたいキャラクターに向けて多数の線が描画されることで、キャラクターへの注目を集める方法である。図5は、集中線の描画方法の一例を示す説明図である。図4の方法と同様に、XYZ座標軸65におけるフィギュアAの座標位置が、2次元の仮想画面69の座標に変換される。
【0054】
変換後、図5に示す仮想スクリーン68の外枠の座標位置(2次元の仮想画面69の座標系)から、フィギュアAの座標位置(2次元の仮想画面69の座標系)向けて、多数の集中線が描画される。図5の仮想画面69のように、仮想スクリーン68の外枠の座標位置からフィギュアAに向けて、多数の集中線70が描画される。本実施形態では、2次元の仮想画面69の座標系に変換されてから集中線70が描画されたが、これに限定されるものではない。XYZ座標軸65の座標系において、集中線70が描画されても良い。この場合、XYZ座標軸65の座標系における仮想スクリーン68の外枠から、フィギュアAの座標位置に向けて、集中線70が描画される。集中線が描画されたフィギュアAが、アフィン変換より、2次元の仮想画面69に変換されて、コマ画像表示領域22に表示されても良い。また、図5では、重要度が所定値以上であったキャラクターが1体の場合について説明した。本実施形態では、重要度が所定値以上であるキャラクターが複数体あっても良い。この場合、図5に示す方法と同様に、図5に示す仮想スクリーン68の外枠の座標位置(2次元の仮想画面69の座標系)から、複数体のキャラクターの座標位置(2次元の仮想画面69の座標系)向けて、多数の集中線が描画される。なお、本実施形態では、後述する重要度に基づいて、集中線の太さ、または、集中線の数が決定されても良い。重要度が所定値以上の場合、集中線が太くなる、または、集中線の数が多くなっても良い。重要度が所定値以下の場合、集中線が細くなる、または、集中線の数が少なくなっても良い。
【0055】
また、図6は、本実施形態における吹き出しの配置方法を説明する説明図である。吹き出しの集中線の描画方法の場合と同様に、図4の方法と同様に、XYZ座標軸65におけるフィギュアAの座標位置が、2次元の仮想画面69の座標に変換される。
【0056】
このとき、2次元の仮想画面69におけるフィギュアAの身体部位の座標位置が決定される。具体的には、図3(a)及び図3(b)に示すXYZ座標軸65の位置座標が、2次元の仮想画面69の位置座標に変換される。変換された位置座標に基づいて、2次元の仮想画面69における図3(b)のP1(頭)の座標が決定される。決定されたP1(頭)の座標に基づいて、P1(頭)の座標から所定距離はなれた位置に、吹き出しが描画される。2次元の仮想画面69のフィギュアAのP1(頭)の位置座標から所定距離はなれた位置に、図6に示す吹き出し80が配置される。なお、本実施形態では、フィギュアAの重要度に応じて、吹き出し80の形状が決定される。吹き出し80の形状の決定方法は後述する。さらに、本実施形態では、フィギュアAの重要度に応じて、吹き出し80に表示される文字のフォントが変更される。フォントの変更方法の詳細については、後述する。本実施形態の集中線、吹き出し情報、フォントサイズは、本発明の強調情報の一例である。
【0057】
<漫画作成支援装置1の電気的構成>
図7は、本実施形態の漫画作成支援装置1の電気的構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態の漫画作成支援装置1には、漫画作成支援装置1を制御するCPU6が備えられている。CPU6には、ディスプレイ4と、情報入力部5と、HDD7と、RAM8と、ネットワーク接続部9とがそれぞれ電気的に接続されている。CPU6は、HDD7、RAM8などの記憶手段と共に、漫画作成支援装置1の動作を制御処理するコンピュータを構成している。ネットワーク接続部9は、インターネットを介して外部サーバ等と情報を通信する。
【0058】
HDD7は、プログラム情報記憶領域71と、感情情報記憶領域73と、気性情報記憶領域74と、強調情報記憶領域75とを含む。プログラム情報記憶領域71は、メイン動作プログラム情報記憶領域72を含む。メイン動作プログラム情報記憶領域72は、漫画作成支援装置1を制御するためのメイン動作プログラム情報を記憶する。メイン動作プログラム情報は、漫画作成支援装置1を動作させるメイン動作プログラムである。なお、上記プログラムは、例えば、ネットワーク上の所定のサーバからダウンロードされるようにしても良いし、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されてこの記録媒体を介して読み込まれるようにしても良い。
【0059】
感情情報記憶領域73は、感情情報を記憶する。感情情報は、上述した感情を表す。感情情報記憶領域73に記憶される感情情報に基づいて、感情選択リスト33は、所定の感情を選択させる。具体的には、ユーザが、感情選択リスト33のリストボックスの逆三角形のマークをマウスのカーソルでクリックして押下すると、感情情報記憶領域73に記憶された感情情報の中から選択候補が表示される。図8は、感情情報記憶領域73に感情情報が記憶される記憶状態を示す概念図である。
【0060】
図8に示すように、感情情報として、「喜び」、「感激」、「怒り」・・・等の感情を表す情報が、感情情報記憶領域73に記憶される。感情情報記憶領域73に記憶される感情情報が表す感情が、感情選択リスト33により選択される。本実施形態では、図8に示す感情情報と、感情種類情報とが対応付けられて記憶されている。感情種類情報は、感情情報の種類を表す情報である。言い換えれば、感情種類情報は、各感情情報が表す感情を分類する情報である。具体的には、感情種類情報は、少なくとも喜怒哀楽の夫々の感情を分類する情報を含む。本実施形態では、喜怒哀楽の感情の分類に加え、「驚く」、「怖い」、「その他」が、感情種類情報として、感情情報記憶領域73に記憶される。感情種類情報「その他」は、感情種類情報「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「驚く」、「怖い」のいずれにも分類されない感情情報が対応付けられる。例えば、「照れる」、「呆れる」、「誇る」である。
【0061】
図8に示すように、感情種類情報「喜」には、感情情報「喜び」と、感情情報「感激」とが対応付けられている。「感激」は、「喜び」よりもキャラクターの喜び度合いが大きい感情である。また、感情種類情報「怒」には、感情情報「怒り」と「激怒」とが対応付けられている。「激怒」は、「怒り」よりもキャラクターの怒り度合いが大きい感情である。このように、本実施形態では、感情種類情報「その他」以外の感情種類情報には、各感情種類情報について、感情の度合いが大きい感情情報と、小さく感情情報とが対応付けられている。
【0062】
さらに、各感情情報には、感情ポイントが対応付けられて感情情報記憶領域73に記憶される。感情ポイントは、感情ポイントが対応付けられる感情情報が表す感情の激しさ度合いを表す値である。つまり、感情ポイントの値が大きいほど、感情の激しさの度合いが大きいことを示す。上述の説明であったように、本実施形態では、感情種類情報「その他」以外の感情種類情報には、各感情種類情報について、感情の度合いが大きい感情情報と、小さい感情情報とが対応付けられている。この感情の度合いを表す情報として、感情ポイントが用いられる。例えば、感情種類情報「喜」には、感情情報「喜び」と、感情情報「感激」とが対応付けられている。「感激」は、「喜び」よりもキャラクターの喜び度合いが大きい感情である。従って、「喜ぶ」の感情ポイントは「2」が対応付けられ、一方、「感激」の感情ポイントは、「3」が対応付けられる。このように、感情ポイントの値の大きさにより、各感情情報の激しさを数値化し、表現することができる。本実施形態では特に、感情種類情報「怒」と感情種類情報「驚く」とは、激しい感情として、他の感情種類情報と比べると、感情ポイントが高く設定されている。具体的には、感情種類情報「怒」に対応する感情情報「怒り」と、感情種類情報「驚く」に対応する「驚き」とに対応する感情ポイントは、「3」となっている。これは、感情種類情報「喜」の感情情報「喜び」、または、感情種類情報「哀」の感情情報「悲しみ」、または、感情種類情報「楽」の感情情報「楽しい」、感情種類情報「怖い」の感情情報「怖い」に対応する感情ポイント「2」よりも大きな値となっている。また、感情種類情報「怒」に対応する感情情報「激怒」と、感情種類情報「驚く」に対応する「驚愕」とに対応する感情ポイントは、「4」となっている。これは、感情種類情報「喜」の感情情報「感激」、または、感情種類情報「哀」の感情情報「悲嘆」、または、感情種類情報「楽」の感情情報「超楽しい」、感情種類情報「怖い」の感情情報「恐怖」に対応する感情ポイント「3」よりも大きな値となっている。
【0063】
気性情報記憶領域74は、気性情報を記憶する。気性情報は、上述した気性を表す。気性情報は、キャラクターの感情の起伏を示す。具体的には、気性情報によって、本実施形態の感情ポイントの値が変更される。気性情報記憶領域74に記憶される気性情報に基づいて、気性選択リスト39は、所定の気性を選択させる。具体的には、ユーザが、気性選択リスト39のリストボックスの逆三角形のマークをマウスのカーソルでクリックして押下すると、気性情報記憶領域74に記憶された気性情報の中から選択候補が表示される。図9は、気性情報記憶領域74に気性情報が記憶される記憶状態を示す概念図である。図9に示すように、気性情報として、「おだやか」、「内気」、「感情的」、「冷静」、「喜び易い」・・・等が、気性情報記憶領域74に記憶される。
【0064】
気性情報は、大別すると、感情情報全体に関係する第1気性情報と、一部の感情情報に関係する第2気性情報とから構成される。第1気性情報(図9)は、例えば、「おだやか」、「内気」、「感情的」、「冷静」である。これら第1気性情報は、感情種類情報「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「驚く」、「怖い」、「その他」に対応する全ての感情情報の感情ポイントを変化させる。一方、第2気性情報(図11)は、例えば、「喜び易い」、「怒りっぽい」、「悲しみ易い」、「楽しみ易い」、「驚き屋」、「怖がり」である。これら第2気性情報は、感情種類情報「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「驚く」、「怖い」に対応する一部の感情種類情報に対応する感情情報の感情ポイントを変化させる。本実施形態では、特に、第2気性情報は、感情種類情報「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「驚く」、「怖い」のいずれか1つの感情種類情報に対応する。例えば、第2気性情報「喜び易い」は、感情種類情報「喜」に対応する気性情報である。第2気性情報「怒りっぽい」は、感情種類情報「怒」に対応する気性情報である。第2気性情報「悲しみ易い」は、感情種類情報「哀」に対応する気性情報である。第2気性情報「楽しみ易い」は、感情種類情報「楽」に対応する気性情報である。第2気性情報「驚き屋」は、感情種類情報「驚く」に対応する気性情報である。第2気性情報「怖がり」は、感情種類情報「怖い」に対応する気性情報である。感情種類情報「その他」に対応する第2気性情報が設定されても良い。
【0065】
図10は、第1気性情報の具体例を表す概念図である。図10に示すように、気性情報記憶領域74には、第1気性情報と対応付けられて感情種類情報と、感情情報と、補正値とが記憶される。補正値は、気性情報に応じて、図8に示す感情ポイントの値を変更させる値である。第1気性情報は、感情情報全体に関係する気性情報である。さらに、各感情情報には、補正値が対応付けられている。この補正値は、補正値に対応付けられている感情情報の感情ポイントを補正する値である。図10の例では、第1気性情報「おだやか」に対応する感情情報「喜び」の補正値は「0.5」であり、感情情報「感激」の補正値は「2.0」である。また、第1気性情報「内気」に対応する感情情報「怒り」の補正値は、「0.5」であり、感情情報「激怒」の補正値も「2.0」である。図8に示す感情ポイントと、図10に示す補正値とにより、本実施形態の重要度が決定される。なお、操作画面20により、感情情報が選択されなかった場合、そのキャラクターの重要度は、1.0として決定される。また、操作画面20により、気性情報が選択されない場合も考えられる。このときは、補正値は「1.0」として決定され、感情ポイントが決定される。
【0066】
本実施形態では、図1に示す操作画面20により、キャラクターの気性と感情とが入力される。決定された気性と感情とにより、重要度が決定される。例えば、操作画面20により、第1気性情報「おだやか」と、感情情報「怒り」とが入力されたとする。このとき、図10より、第1気性情報「おだやか」の感情情報「怒り」に対応する補正値は、「0.5」である。また、図8より、感情情報「怒り」に対応する感情ポイントは「3」である。従って、重要度は、補正値「0.5」と感情ポイント「3」との積を取り、重要度が「1.5」と決定される。本実施形態では、このよう操作画面20により入力された気性と感情とに基づいて、図8に示す感情ポイントと、図10に示す補正値とが参照されて、重要度が決定される。重要度の決定方法は、上述した方法に限定されない。例えば、感情ポイントと、補正値との積を取らずに、図10に示す補正値の欄に、直接重要度が設定されていても良い。また、気性情報と感情情報とに基づいて、重要度が決定されるテーブルが用いられても良い。決定された重要度に応じて、本実施形態の強調情報を付加するかが決定される。強調情報を付加する判定方法は、フローチャートで説明する。
【0067】
第1気性情報に基づいて、図10に示す補正値は夫々決定される。例えば、第1気性情報「おだやか」の場合を例に挙げる。第1気性情報「おだやか」は、キャラクターの感情の変化が緩やかであることを表す。そのため、第1気性情報「おだやか」に対応する感情情報の補正値は、基本的には、「0.5」と低い値になっている。一方で、感情の激しさの度合いが高い「感激」、「激怒」、「悲嘆」、「超楽しい」、「驚愕」、「恐怖」という感情情報の補正値は、「2.0」と、他の感情情報の補正値が「0.5」であるのに対し、高い値となっている。これは、気性が「おだやか」なキャラクターでも、感情の激しさの度合いが高い感情に設定されたときは、キャラクターの重要度を大きくするためである。また、気性情報「内気」に対しては、気性情報が「おだやか」よりも補正値が「0.3」と低い値になっている。これは、内気なキャラクターは、表立って感情を表現しないためである。また、気性情報「おだやか」と同様に、気性情報「内気」についても、感情の激しさの度合いが高い「感激」、「激怒」、「悲嘆」、「超楽しい」、「驚愕」、「恐怖」という感情情報の補正値は、「1.5」と、他の感情情報の補正値が「0.3」であるのに対し、高い値となっている。これは、気性が「内気」なキャラクターでも、感情の激しさの度合いが高い感情に設定されたときは、キャラクターの重要度を大きくするためである。
【0068】
第1気性情報「感情的」は、キャラクターの感情の変化が激しいことを表す。そのため、第1気性情報「感情的」に対応する補正値は、全て「1.5」と高い値になっている。また、第1気性情報「冷静」は、キャラクターが、激しい感情をめったに表さないことを表す。そのため、感情の激しさの度合いが高い「感激」、「激怒」、「悲嘆」、「超楽しい」、「驚愕」、「恐怖」という感情情報の補正値は、「0.8」と、他の感情情報の補正値が「1.0」であるのに対し、低い値となっている。このように、気性情報が表す気性の性質に応じて、各補正値が設定されることで、各キャラクターの気性に応じて、正確に重要度が決定することができる。このため、正確に決定された重要度に応じて、強調情報を付加することができる。
【0069】
図11は、第2気性情報の具体例を表す概念図である。図11に示すように、気性情報記憶領域74には、第2気性情報と対応付けられて感情種類情報と、補正値とが記憶される。第2気性情報は、一部の感情情報に関係する気性情報である。 言い換えれば、第2気性情報は、感情種類情報「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「驚く」、「怖い」、「その他」に対応する一部の感情種類情報に対応する感情情報の感情ポイントを変化させる。本実施形態では、特に、第2気性情報は、感情種類情報「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「驚く」、「怖い」、「その他」のいずれか1つの感情種類情報に対応する。本実施形態では、図11に示す第2気性情報は、1つの感情種類情報と対応付けられている。例えば、第2気性情報「喜び易い」は、感情種類情報「喜」に対応付けられている。他の第2気性情報についても同様に、第2気性情報「怒りっぽい」は、感情種類情報「怒」に対応付けられている。さらに、各感情種類情報には、補正値が対応付けられている。この補正値は、補正値に対応付けられている感情種類情報が含む感情情報の感情ポイントを補正する値である。図11の例では、第2気性情報「喜び易い」に対応する感情種類情報「喜」の補正値は「2.0」である。これは、操作画面20により入力された気性情報が「喜び易い」であるときに、感情情報「喜び」または「感激」のいずれか一方が入力されたとき、感情情報「喜び」または「感激」に対応する感情ポイントが、補正値に基づいて変化されることを表す。具体的には、操作画面20により入力された気性情報が「喜び易い」であるときに、感情情報「喜び」が入力されたとき、重要度は、補正値「2.0」と、「喜び」の感情ポイント「2」との積を取り、重要度が「4.0」と決定される。一方で、操作画面20により入力された気性情報が「喜び易い」であるときに、感情情報「喜び」または「感激」以外の感情情報が選択されたときは、補正値が「1.0」として用いられる。
【0070】
強調情報記憶領域75は、吹き出し情報記憶領域76と、フォント情報記憶領域77とを備える。吹き出し情報記憶領域は、吹き出し情報を記憶する。
【0071】
図12は、吹き出し情報が吹き出し情報記憶領域76に記憶される記憶状態を示す概念図である。図12に示すように、吹き出し情報記憶領域76には、重要度と、吹き出し情報とが対応付けられて記憶されている。決定された重要度に応じて、表示部に出力される吹き出し情報が変更される。漫画作成において、一般的に吹き出しは、図12に示す重要度0.0以上、2.0以下の値に対応する吹き出しの外枠の形状が円弧状である吹き出しが用いられる。一方、漫画の読者の注目を引くために、強調させたい吹き出しについては、吹き出しの外枠の形状が、円弧状から変えられる。例えば、漫画の読者の注目を引くために、吹き出しの外枠の形状の一部が、吹き出しの内側から外側に向かって伸びる伸部を複数有する場合がある。特に、吹き出しの外枠の形状の一部が、吹き出しの内側から外側に向かって伸びる尖部を複数有する形状が用いられる。図12に示すように、キャラクターの重要度が、0.0以上、2.0以下の場合、そのキャラクターは、比較的重要度が低いキャラクターと決定される。従って、吹き出しの外枠が円弧状である吹き出しが、重要度0.0以上、2.0以下の値と対応付けられて吹き出し情報記憶領域75に記憶される。また、重要度2.0より大きく、4.0より小さい場合、重要度が、0.0以上、2.0以下のキャラクターと比較すると、重要度が高いキャラクターと決定される。このため、吹き出しの外枠形状に伸部または尖部を複数有する形状の噴出しが、重要度2.0より大きく、4.0より小さい値と対応付けられて記憶される。また、重要度4.0以上の場合、重要度2.0より大きく、4.0より小さいキャラクターと比較すると、重要度が高いキャラクターと決定される。吹き出しの外枠形状に伸部または尖部を複数有する形状の噴出しが、重要度4.0以上の値と対応付けられて記憶される。なお、重要度4.0以上の値と対応付けられて記憶される吹き出し情報は、重要度2.0より大きく、4.0より小さい値と対応付けられて記憶される吹き出し情報に比べ、伸部または尖部の数が多い吹き出しとなっている。また、伸部または尖部の面積が大きい吹き出しとなっている。伸部または尖部の数が多い、または、伸部または尖部の面積が大きいことで、より注目を読者 に引かせることができる。
【0072】
フォント情報記憶領域77は、フォント情報を記憶する。図13は、フォント情報がフォント情報記憶領域77に記憶される記憶状態を示す概念図である。図13に示すように、フォント情報記憶領域77には、重要度と、フォントサイズとが対応付けられて記憶されている。決定された重要度に応じて、表示部に出力されるフォントサイズが変更される。図13に示す重要度0.0以上、2.0以下の値に対応するフォントサイズは、8ポイントである。また、重要度2.0より大きく、4.0より小さい値に対応するフォントサイズは、12ポイントである。重要度4.0以上の値に対応するフォントサイズは、16ポイントであり、且つ、ボールド体である。このようにキャラクターの重要度が大きくなるに従って、フォントサイズが大きくされる、または、文字が太字にされることで、そのキャラクターが、読者に注目させることができる。また、重要度に応じて、フォントの種類が変更されても良い。
【0073】
RAM8は、重要度一時記憶領域81を含む。重要度一時記憶領域81は、重要度を一時記憶する。操作画面20により、気性情報と感情情報が選択されることで、重要度が決定される。決定された重要度が、各キャラクターを識別する識別情報と対応付けられて、重要度一時記憶領域81に記憶される。
【0074】
<本実施形態の漫画作成支援装置1の動作の説明>
以上説明した構成からなる本実施形態の漫画作成支援装置1の動作及び作用について、添付図面を参照して説明する。図14は、漫画作成支援装置1におけるメイン動作の処理手順を示すフローチャートである。メイン動作は、電源またはコンセントを介して商用電源などの外部電源と運動支援装置1とが接続されたことにおり、CPU6がメイン動作プログラムを実行することにより、遂行される。以下に示す処理は、CPU6により処理される。
【0075】
漫画作成支援装置1では、最初にステップS101で本装置の電源スイッチ(不図示)がユーザによりONされたかが判定される。電源スイッチがONにされたと判定されるまで、ステップS101が繰り返される。電源スイッチはハードウェアスイッチであっても、ソフトウェアにより動作される電源スイッチであっても良い。電源スイッチがONにされたとき、ステップS102が実行される。
【0076】
ステップS102では、配置設定処理が実行される。具体的には、XYZ座標65の座標系において、背景やキャラクターなどのオブジェクトが、3次元仮想空間60内に配置される位置が決定される。また、3次元仮想空間60内の視点等の配置位置の座標も設定される。各視点には、それぞれ仮想カメラ61が配置される。そして、仮想カメラ61ごとに、視線方向(撮影方向62)や画角(垂直画角θ1、水平画角θ2)が設定される。なお、本実施の形態では、視点ごとの仮想カメラ61の視線方向および画角は、あらかじめ定められているものとする。キャラクター配置の初期設定では、3次元仮想空間60内に1体のキャラクターが配置される。新規キャラクター作成ボタン35の操作によって、2体目のキャラクターが追加されても良い。3次元仮想空間60内に任意の数のキャラクターが配置されてもよい。キャラクターが、3次元仮想空間60内に配置され、上記したアフィン変換に基づき、キャラクターの座標が変換される。そして、テクスチャデータが付与される。これにより、図2に示すように、3次元仮想空間60内に、キャラクター(フィギュアA)が、仮想的に配置された状態となる。2体目以降のキャラクターについての配置についても同様である。配置されたキャラクターの数が、RAM8の所定の記憶領域に一時記憶される。本実施形態のコンピュータとステップS102とは、本発明の第1設定部の一例である。また、本実施形態のステップS102は、本発明の第1設定ステップの一例である。
【0077】
ステップS103では、キャラクター設定処理が行われる。ステップS103でが、3次元仮想空間60に配置されたキャラクターのセリフが設定される。設定されたすべてのキャラクターについて、セリフが操作画面20のセリフ入力ボックス32に入力される。セリフ入力ボックス32に入力されたセリフは、各キャラクターを識別する識別情報と対応付けられてRAM8の所定の記憶領域に一時記憶される。
【0078】
ステップS104では、感情設定処理が行われる。感情設定処理は、各キャラクターに感情情報記憶領域73に記憶される感情情報を付与する処理である。感情選択リスト33により、各キャラクターの感情情報が選択される。各キャラクターについて選択された感情情報は、各キャラクターを識別する識別情報と対応付けられてRAM8の所定の記憶領域に一時記憶される。本実施形態のコンピュータとステップS104とは、本発明の第2設定部の一例である。また、本実施形態のステップS104は、本発明の第2設定ステップの一例である。
【0079】
ステップS105では、気性設定処理が行われる。気性設定処理は、各キャラクターに気性情報記憶領域73に記憶される気性情報を付与する処理である。気性選択リスト39により、各キャラクターの気性情報が選択される。各キャラクターについて選択された気性情報は、各キャラクターを識別する識別情報と対応付けられてRAM8の所定の記憶領域に一時記憶される。
【0080】
ステップS106では、ユーザにより、強調情報の付加指示があったか否かが判定される。具体的には、マウス等の情報入力部5により、強調情報の付加を指示する入力が行われたか否かが判定される。強調情報の付加指示があったと判定されたとき(ステップS106:YES)、ステップS107が実行される。強調情報の付加指示があったと判定されなかったとき(ステップS106:NO)、ステップS117が実行される。
【0081】
ステップS107では、操作画面20により設定されたキャラクターが1人であるか否かが判定される。具体的には、操作画面20で、キャラクターが配置されるたびに、RAM8の所定の記憶領域に、配置されたキャラクターの数が一時記憶される。RAM8に一時記憶されたキャラクターの数に基づいて、配置されたキャラクターが1人であるか否かが判定される。配置されたキャラクターの数が1人であると判定されたとき(ステップS107:YES)、ステップS108が実行される。配置されたキャラクターの数が1人であると判定されなかったとき(ステップS107:NO)、ステップS112が実行される。
【0082】
ステップS108では、キャラクターの重要度が決定される。ステップS108では、操作画面20により設定されたキャラクターは1人であるため、配置されたキャラクターの重要度が決定される。RAM8の所定の記憶領域に記憶されたキャラクターの感情情報と、気性情報とに基づいて、重要度が決定される。決定された重要度は、重要度一時記憶領域81に一時記憶される。本実施形態のコンピュータとステップS108とは、本発明の決定部の一例である。また、本実施形態のステップS108は、本発明の決定ステップの一例である。
【0083】
ステップS109では、ステップS108で決定されたキャラクターの重要度が、所定値以上であるか否かが判定される。重要度一時記憶領域81に一時記憶された重要度が、所定値以上であると判定されたとき(ステップS109:YES)、ステップS110が実行される。重要度一時記憶領域81に一時記憶された重要度が、所定値以上であると判定されなかったとき(ステップS109:NO)、ステップS111が実行される。本実施形態のコンピュータとステップS109とは、本発明の判定部の一例である。また、本実施形態のステップS109は、本発明の判定ステップの一例である。
【0084】
ステップS110では、配置されているキャラクターに、集中線が付加される。重要度が所定値以上のキャラクターの位置座標が取得されて、図5に示すように、集中線が付加される。本実施形態のコンピュータとステップS110とは、本発明の付加部の一例である。また、本実施形態のステップS110は、本発明の付加ステップの一例である。
【0085】
ステップS111では、ステップS108で決定された重要度に応じて、吹き出しが付加される。具体的には、吹き出し情報記憶領域76に記憶された吹き出し情報に基づいて、キャラクターに吹き出しが付与される。重要度一時記憶領域81に記憶された重要度の大きさに対応する吹き出し情報が、吹き出し情報記憶領域76の中から決定される。決定された吹き出し情報に基づいて、キャラクターに吹き出しが付与される。また、吹き出しに出力するセリフを表示するフォントサイズが、フォント情報記憶領域77に記憶される情報の中から、重要度に応じて決定される。決定されたフォントサイズに基づいて、吹き出し内にセリフが表示される。本実施形態のコンピュータとステップS111とは、本発明の決定部の一例である。また、本実施形態のステップS111は、本発明の決定ステップの一例である。
【0086】
ステップS112では、操作画面20により設定されたキャラクターが複数であるか否かが判定される。具体的には、操作画面20で、キャラクターが配置されるたびに、RAM8の所定の記憶領域に、配置されたキャラクターの数が一時記憶される。RAM8に一時記憶されたキャラクターの数に基づいて、配置されたキャラクターが複数であるか否かが判定される。配置されたキャラクターの数が複数であると判定されたとき(ステップS112:YES)、ステップS113が実行される。配置されたキャラクターの数が複数であると判定されなかったとき(ステップS112:NO)、ステップS117が実行される。
【0087】
ステップS113では、各キャラクターの重要度が決定される。ステップS113では、操作画面20により設定されたキャラクターは複数であるため、配置された各キャラクターの重要度が決定される。RAM8の所定の記憶領域に記憶された各キャラクターの感情情報と、気性情報とに基づいて、各キャラクターの重要度が決定される。決定された各キャラクターの重要度は、各キャラクターを識別する識別情報と対応付けられて重要度一時記憶領域81に一時記憶される。
【0088】
ステップS114では、ステップS113で決定された重要度に基づいて、1番目に大きい値を示す重要度と、2番目に大きい重要度との差が、所定値以上であるか否かが判定される。重要度一時記憶領域81に一時記憶された重要度の中で、1番目に大きい値を示す重要度と、2番目に大きい重要度との差が、所定値以上であると判定されたとき(ステップS114:YES)、ステップS115が実行される。重要度一時記憶領域81に一時記憶された重要度の中で、1番目に大きい値を示す重要度と、2番目に大きい重要度との差が、所定値以上であると判定されなかったとき(ステップS114:NO)、ステップS116が実行される。本実施形態のコンピュータとステップS114とは、本発明の判定部の一例である。また、本実施形態のステップS114は、本発明の判定ステップの一例である。
【0089】
ステップS115では、重要度一時記憶領域81に記憶されている重要度の中で、重要度が一番大きいキャラクターに、集中線が付加される。重要度が一番大きいキャラクターの位置座標が取得されて、集中線が付加される。本実施形態のコンピュータとステップS115とは、本発明の付加部の一例である。また、本実施形態のステップS115は、本発明の付加ステップの一例である。
【0090】
ステップS116では、ステップS113で決定された重要度に応じて、吹き出しが付加される。具体的には、吹き出し情報記憶領域76に記憶された吹き出し情報に基づいて、各キャラクターに吹き出しが付与される。各キャラクターごとに、重要度一時記憶領域81に記憶された重要度の大きさに対応する吹き出し情報が、吹き出し情報記憶領域76の中から決定される。決定された吹き出し情報に基づいて、各キャラクターに吹き出しが付与される。また、各キャラクターの吹き出しに出力するセリフを表示するフォントサイズが、フォント情報記憶領域77に記憶される情報の中から、重要度に応じて決定される。決定されたフォントサイズに基づいて、各キャラクターの吹き出し内にセリフが表示される。本実施形態のコンピュータとステップS116とは、本発明の付加部の一例である。また、本実施形態のステップS116は、本発明の付加ステップの一例である。
【0091】
ステップS117では、ユーザにより、コマ設定完了の指示があったか否かが判定される。具体的には、マウス等の情報入力部5により、コマ設定の完了を指示する入力が行われたか否かが判定される。コマ設定完了の指示があったと判定されたとき(ステップS117:YES)、ステップS118が実行される。コマ設定完了の指示があったと判定されなかったとき(ステップS117:NO)、ステップS102が実行される。
【0092】
ステップS118では、ステップS102からステップS116の処理で生成された画像が、漫画の1コマの画像として、HDD7の所定の記憶領域に記憶される。
【0093】
ステップS119では、ユーザにより、新規コマの作成指示があったか否かが判定される。具体的には、マウス等の情報入力部5により、操作画面20内の、新規コマ作成ボタン25が指示されたか否かが判定される。新規コマの作成指示があったと判定されたとき(ステップS119:YES)、ステップS120が実行される。コマ設定完了の指示があったと判定されなかったとき(ステップS119:NO)、ステップS121が実行される。
【0094】
ステップS120では、操作画面20内に、新規コマを作成するための操作画面が生成される。
【0095】
ステップS121では、ユーザにより電源スイッチがOFFにされたかが判定される。電源スイッチがOFFにされなかった場合は(ステップS121:NO)、再度ステップS119が実行される。電源スイッチがOFFにされた場合は(ステップS121:YES)、ステップS101へ戻り再びステップS101が実行される。
【0096】
本実施形態では、強調情報として、集中線と吹き出し情報とフォントサイズとが用いられた。強調情報として、集中線と吹き出し情報とフォントサイズとの中から、いずれか1つが用いられても良い。また、本実施形態では、ステップS109及びステップS110で重要度が所定値以上のオブジェクトについてのみ集中線を付加し、ステップS111で重要度に応じて、吹き出し情報とフォントサイズとを切り替えていた。ステップS109で重要度が所定値以上であるか否かの判定が行われ、重要度が所定値以上のキャラクターについてのみ、集中線と付与と、重要度に応じた吹き出し情報とフォントサイズとの切り替えとが行われても良い。重要度が所定値以上のキャラクターについてのみ、重要度に応じた吹き出し情報とフォントサイズとの切り替えとが行われても良い。
【0097】
また、本実施形態では、ステップS114で、重要度が一番大きいキャラクターと、重要度が2番目に大きいキャラクターとの重要度の差が所定値以上であるか否かが判定されている。変形例として、重要度が大きいキャラクターから上位数体のキャラクターが選択されて、強調情報が付与されても良い。また、重要度が所定値以上のキャラクター全てに強調情報が付与されても良い。
【0098】
また、本実施形態では、重要度を決定するために気性情報が用いられた。変形例として、気性情報が用いられてなくても良い。気性情報を用いず、感情情報により重要度が決定されても良い。また、重要度は、感情情報を用いず、単にキャラクターが重要であるか否かが判定されても良い。キャラクターが重要であるか否かを、感情情報以外のパラメータを用いて決定されても良い。
【符号の説明】
【0099】
1 漫画作成支援装置1
4 ディスプレイ
5 情報入力部
6 CPU
7 HDD
8 RAM
9 ネットワーク接続部
20 操作画面
21 コマ表示領域
22 コマ画像表示領域
23 場面選択リスト
24 候補選択ボタン
25 新規コマ作成ボタン
26 コマ番号
31 キャラクター設定領域
32 セリフ入力ボックス
33 感情選択リスト
35 新規キャラクター作成ボタン
36 キャラクター選択リスト
39 気性選択リスト
42 セリフ入力ボックス
43 感情選択リスト
46 キャラクター選択リスト
49 気性選択リスト
60 3次元仮想空間
61 仮想カメラ
62 撮影方向
65 XYZ座標軸
66 ビュー座標系
68 仮想スクリーン
69 2次元の仮想画面
70 集中線
71 プログラム情報記憶領域
72 メイン動作プログラム情報記憶領域
73 感情情報記憶領域
74 気性情報記憶領域
75 強調情報記憶領域
76 吹き出し情報記憶領域
77 フォント情報記憶領域
80 吹き出し

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一コマ以上のコマを含む漫画の生成を支援する漫画生成支援装置であって、
表示部に表示させる所定の一コマに登場させるオブジェクトを設定する第1設定部と、
前記一コマ内で、前記第1設定部により設定されたオブジェクトの重要性を表す重要度を決定する決定部と、
前記決定部により決定された重要度が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記設定部により設定されたオブジェクトに、前記オブジェクトを強調させる強調情報を付加する付加部と、
を備えることを特徴とする漫画作成支援装置。
【請求項2】
前記第1設定部は、所定の一コマに登場させるオブジェクトとして、感情を表す感情情報が付与可能なキャラクターを設定し、
前記決定部は、前記感情情報に基づいて前記重要度を決定し、
前記判定部は、前記決定部により決定された重要度が所定の閾値上であるか否かを判定し、
前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上であると判定されたとき、前記付加部は、前記キャラクターの感情の表現を強調させる前記強調情報を付加することを特徴とする請求項1に記載の漫画作成支援装置。
【請求項3】
前記第1設定部は、前記感情情報と、前記オブジェクトの感情の起伏を示す気性を表す気性情報とが付与可能なキャラクターを設定し、
前記決定部は、前記感情情報と前記気性情報に基づいて前記重要度を決定し、
前記判定部は、前記決定部により決定された重要度が所定の閾値上であるか否かを判定し、
前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上であると判定されたとき、前記付加部は、前記キャラクターの感情を強調させる前記強調情報を付加することを特徴とする請求項2に記載の漫画作成支援装置。
【請求項4】
前記第1設定部は、所定の一コマに登場させるオブジェクトとして、感情が付与可能な複数の異なるキャラクターを設定し、
前記決定部は、前記第1設定部より設定された各キャラクターの前記重要度を決定し、
前記判定部は、前記複数のキャラクターに設定された前記重要度の中で、所定の閾値以上の重要度であるキャラクターがあるか否かを判定し、
前記判定部により前記複数のキャラクターに設定された前記重要度の中で、所定の閾値以上の重要度であるキャラクターがあると判定されたとき、前記付与部は、前記所定の閾値以上の重要度であるキャラクターの感情を強調させる前記強調情報を付与することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の漫画作成支援装置。
【請求項5】
前記第1設定部により設定されたキャラクターに、前記キャラクターの感情を表す複数の感情情報の中から所定の感情情報を設定する第2設定部を備え、
前記決定部は、前記第2設定部により設定された感情情報に応じて前記重要度を決定することを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の漫画作成支援装置。
【請求項6】
前記第2設定部は、前記複数の感情情報として、怒りまたは驚きを表す第1感情情報を含む前記感情情報を、前記第1設定部により設定されたキャラクターに設定し、
前記第2設定部により設定された感情情報が前記第1感情情報のとき、前記第2決定部は、前記第1感情情報とは異なる感情情報に対応する感情強度よりも、前記第1感情情報に対応する感情強度を高く決定することを特徴とする請求項5に記載の漫画作成支援装置。
【請求項7】
前記第1設定部は、前記オブジェクトと、前記オブジェクトが会話している内容を含んで表示部に表示される吹き出し情報とを設定し、
前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記付加部は、前記吹き出し情報に基づいて前記表示部に表示される吹き出しの周辺を、所定の前記強調情報を付加することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の漫画作成支援装置。
【請求項8】
前記付加部は、前記表示部に表示される吹き出しの周辺を、前記吹き出しの内側から外側に向かった尖部を複数有する前記強調情報を付加することを特徴とする請求項7に記載の漫画作成支援装置。
【請求項9】
前記第1設定部は、前記オブジェクトと、前記オブジェクトが設定される一コマ内において前記オブジェクトの動作に関する文字表す文字情報とを設定し、
前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記付加部は、前記強調情報として、前記表示部に表示される前記文字情報の大きさを大きくすることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の漫画作成支援装置。
【請求項10】
前記判定部により前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記付加部は、前記オブジェクトが表示部に表示される表示位置に、前記オブジェクトを強調する集中線を表す集中線情報を、前記強調情報として付加することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の漫画作成支援装置。
【請求項11】
少なくとも一コマ以上のコマを含む漫画の生成を支援する漫画生成支援方法であって、
表示部に表示させる所定の一コマに登場させるオブジェクトを設定する第1設定ステップと、
前記一コマ内で、前記第1設定ステップにより設定されたオブジェクトの重要性を表す重要度を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにより決定された重要度が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記設定ステップにより設定されたオブジェクトに、前記オブジェクトを強調させる強調情報を付加する付加ステップと、
を含む漫画作成支援方法。
【請求項12】
少なくとも一コマ以上のコマを含む漫画の生成を支援する漫画生成支援装置のコンピュータに、
表示部に表示させる所定の一コマに登場させるオブジェクトを設定する第1設定ステップと、
前記一コマ内で、前記第1設定ステップにより設定されたオブジェクトの重要性を表す重要度を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにより決定された重要度が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記重要度が所定の閾値以上と判定されたとき、前記設定ステップにより設定されたオブジェクトに、前記オブジェクトを強調させる強調情報を付加する付加ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−215709(P2011−215709A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80782(P2010−80782)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】