説明

潤滑剤塗布装置、プロセスユニット及び画像形成装置

【課題】ケースから潤滑剤を容易に取り出して交換することが可能な潤滑剤塗布装置を提供する。
【解決手段】ケース22内に、少なくとも潤滑剤31とその潤滑剤31を像担持体8の表面に供給する潤滑剤供給部材32を収容した潤滑剤塗布装置30である。前記ケース22に、潤滑剤31を取出・収容するための開口部と、その開口部を開閉する蓋部材36を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑剤塗布装置、それを備えたプロセスユニット及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置において、像担持体としての感光体、帯電装置、現像装置等のプロセス手段を収容したケースを画像形成装置本体に対して着脱可能としたプロセスユニット方式が採用されている。
【0003】
図14に一般的なプロセスユニットの概略構成の一例を示す。このプロセスユニット100は、像担持体としての感光体200と、帯電ローラ300と、現像装置400と、クリーニングブレード500と、潤滑剤塗布装置600を備える。潤滑剤塗布装置600は、固形潤滑剤610と、潤滑剤供給ローラ620と、固形潤滑剤610を潤滑剤供給ローラ620側へ付勢するバネ630と、潤滑剤塗布ブレード640を有している。
【0004】
以下、上記プロセスユニットの動作を簡単に説明する。まず、感光体200を図14の矢印方向に回転させ、帯電ローラ300によって感光体200の表面を帯電させる。次に、図示しない光書込装置から感光体200の表面にレーザを照射し静電潜像を形成する。現像装置400によって感光体200の表面にトナーを供給し、感光体200上の静電潜像を可視画像化する。そして、感光体200の回転に伴って感光体200上の可視画像が図14の下部に到達したときに、図示しない記録紙や中間転写ベルトに可視画像が転写される。画像転写後、感光体200の表面に残留するトナーは、クリーニングブレード500によって除去される。その後、回転する潤滑剤供給ローラ620によって固形潤滑剤610が削り取られ、その削り取られた潤滑剤が感光体200の表面に供給される。感光体200に供給された潤滑剤は、潤滑剤塗布ブレード640によって均一に均される。このようにして、プロセスユニットの一連の動作が完了する。
【0005】
上記のように、感光体の表面に潤滑剤を塗布することによって、クリーニングブレードと感光体との間の摩擦を低減することができるため、クリーニングブレードへの負荷を軽減してクリーニングブレードを長寿命化することが可能である。また、潤滑剤塗布ブレードによって潤滑剤を均一に塗布することができるため、感光体の周囲に配設された帯電ローラ等の部品への潤滑剤の付着を防止することができ、これらの部品の長寿命化も図れる。
【0006】
一方、固形潤滑剤は削り取られて消耗するため、感光体や帯電ローラ等の部品に比べ交換時期が早く到来する。この場合、寿命を終えていない部品を残して、固形潤滑剤のみ交換することが好ましいが、プロセスユニットのケース(ケーシング)内に配設された固形潤滑剤を取り出すのは、非常に手間がかかるうえ困難であった。
【0007】
また、下記特許文献1には、帯電装置、ブラシローラ、固形潤滑剤、塗布ブレードをサブユニットとして交換可能に構成したプロセスユニットが提案されている。また、下記特許文献2には、ブラシローラと、固形潤滑剤と、バネ等をサブユニットとして交換可能に構成したプロセスユニットが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1又は2に記載の発明のように、サブユニットを構成することによって、高価で長寿命の感光体を交換することなく寿命になった部品を交換可能である。しがしながら、この場合も、固形潤滑剤をサブユニットのケース内から容易に取出可能には構成されていないため、固形潤滑剤の交換作業の困難性を解消するには至っていない。
【0009】
そこで、本発明は、斯かる事情に鑑み、ケースから潤滑剤を容易に取り出して交換することが可能な潤滑剤塗布装置、その潤滑剤塗布装置を備えたプロセスユニット及び画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、ケース内に、少なくとも潤滑剤とその潤滑剤を像担持体の表面に供給する潤滑剤供給部材を収容した潤滑剤塗布装置において、前記ケースに、前記潤滑剤を取出・収容するための開口部と、その開口部を開閉する蓋部材を設けたものである。
【0011】
蓋部材を開放することによって、開口部を通して潤滑剤を取出・収容することができるので、潤滑剤を容易に交換することが可能となる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤に係合部を一体的に設け、前記蓋部材に前記係合部と係合可能な係止部を設けたものである。
【0013】
蓋部材に設けた係止部を、潤滑剤に設けた係合部に係合させることによって、潤滑剤をケース内から容易に取り出すことができる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2に記載の潤滑剤塗布装置において、前記係合部を、前記蓋部材の開放動作における前記係止部の移動軌跡上に配設したものである。
【0015】
これにより、蓋部材の開放動作に連動させて係止部を係合部に係合させることができ、潤滑剤の取出作業を容易かつスムーズに行うことが可能となる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1に記載の潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤を加圧して前記潤滑剤供給部材に圧接させる潤滑剤加圧部材を、前記ケース内に収容した潤滑剤塗布装置であって、前記潤滑剤を加圧する加圧方向の反対方向に前記潤滑剤加圧部材を押圧して前記潤滑剤供給部材に対する前記潤滑剤の圧接を解除する圧接解除位置と、前記潤滑剤加圧部材を前記加圧方向の反対方向に押圧せず前記潤滑剤供給部材に対して前記潤滑剤を圧接させた非圧接解除位置とに移動可能な圧接解除部を備え、前記蓋部材の開放動作に連動させて前記圧接解除部を前記圧接解除位置に移動させると共に、前記蓋部材の閉塞動作に連動させて前記圧接解除部を前記非圧接解除位置に移動させるように構成したものである。
【0017】
蓋部材の開放動作に連動させて圧接解除部を圧接解除位置に移動させることによって、潤滑剤供給部材に対する潤滑剤の圧接が解除されるので、潤滑剤の取出・収容作業を容易かつスムーズに行うことが可能となる。また、蓋部材の開放動作・閉塞動作に連動させて、圧接解除部を圧接解除位置・非圧接解除位置に移動させることができるので、潤滑剤の圧接解除状態・圧接状態の切り換えも容易に行うことができ、操作性が向上する。
【0018】
請求項5の発明は、請求項4に記載の潤滑剤塗布装置において、前記圧接解除部を前記圧接解除位置に保持するストッパーを備えたものである。
【0019】
ストッパーによって圧接解除部を圧接解除位置に保持することにより、圧接解除部を潤滑剤加圧部材の加圧力に抗して抑えておかなくてもよくなるので、潤滑剤の取出・収容の交換作業が行いやすくなる。
【0020】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤を前記潤滑剤供給部材に圧接させる潤滑剤加圧部材を、前記ケース内に収容した潤滑剤塗布装置であって、前記潤滑剤加圧部材を、前記開口部から取出・収容可能に構成したものである。
【0021】
蓋部材を開放することによって、開口部を通して潤滑剤加圧部材を取出・収容することができるので、潤滑剤加圧部材を容易に交換することが可能となる。
【0022】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置において、前記開口部を、前記ケースの前記像担持体の軸方向に対応する長手方向の端部に設けたものである。
【0023】
開口部をケースの端部に設けることによって、その開口部から潤滑剤を取り出す際に、像担持体の周囲に配設されたその他の部品を取り出さなくてもよくなる。これにより、潤滑剤の交換作業を容易かつスムーズに行うことができる。
【0024】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤は少なくとも脂肪酸金属塩を含有するものである。
【0025】
潤滑剤が少なくとも脂肪酸金属塩を含有することによって、特に像担持体の経時的劣化の軽減効果やクリーニング不良低減効果が大きくなる。
【0026】
請求項9の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤は少なくとも無機潤滑剤を含有するものである。
【0027】
潤滑剤が少なくとも無機潤滑剤を含有することによって、特に像担持体の周囲に配設された部品の経時的劣化の軽減効果やクリーニング不良低減効果が大きくなる。
【0028】
請求項10の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤は少なくとも脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を含有するものである。
【0029】
潤滑剤が少なくとも脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を含有することによって、像担持体やそれの周囲に配設された部品の経時的劣化の軽減効果やクリーニング不良低減効果が大きくなる。
【0030】
請求項11の発明は、請求項8又は10に記載の潤滑剤塗布装置において、前記脂肪酸金属塩をステアリン酸亜鉛としたものである。
【0031】
脂肪酸金属塩をステアリン酸亜鉛とすることによって、上記像担持体の経時的劣化の軽減効果やクリーニング不良低減効果をより効果的に発揮することができる。
【0032】
請求項12の発明は、請求項9又は10に記載の潤滑剤塗布装置において、前記無機潤滑剤を窒化ホウ素としたものである。
【0033】
前記無機潤滑剤を窒化ホウ素とすることによって、像担持体の周囲に配設された上記部品の経時的劣化の軽減効果やクリーニング不良低減効果をより効果的に発揮することができる。
【0034】
請求項13の発明は、像担持体としての感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、前記感光体の表面に可視画像を形成する現像手段と、前記感光体をクリーニングするクリーニング手段の少なくとも1つと、請求項1から12のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を備え、画像形成装置本体に対して脱着可能に構成されたプロセスユニットである。
【0035】
本発明に係る潤滑剤塗布装置をプロセスユニットに搭載可能である。
【0036】
請求項14の発明は、請求項1から12のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を備えた画像形成装置である。
【0037】
本発明に係る潤滑剤塗布装置を画像形成装置に搭載可能である。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、消耗した潤滑剤を未だ寿命を終えていない潤滑剤供給部材等の部品と独立して交換することができる。これにより、潤滑剤の交換時に寿命を終えていない部品を交換する必要がないので、メンテナンス費用等のコストの軽減を図ることが可能である。また、潤滑剤をケース内から容易に取り出すことができるので、潤滑剤の交換作業を短時間で行うことができ、メンテナンス性が向上する。また、潤滑剤の交換作業が容易となったことにより、ユーザーの使用状況や使用環境などに応じて潤滑剤の種類を異ならせることも容易となるので、高画質、高信頼性、高耐久性等の効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のカラー画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】前記カラー画像形成装置の本体ケースに設けられている側面カバーを開放した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係るプロセスユニットの概略断面図である
【図4】前記プロセスユニットの斜視図である。
【図5】ケースから蓋部材を取り外した状態を示す図である。
【図6】本発明の実施例2に係るプロセスユニットの斜視図である。
【図7】ケースから蓋部材を取り外した状態を示す図である。
【図8】前記プロセスユニットの概略断面図である。
【図9】ケースから固形潤滑剤を取り出す動作を説明するための図である。
【図10】ケースから固形潤滑剤を取り出す動作を説明するための図である。
【図11】本発明の実施例3に係るプロセスユニットの概略断面図である。
【図12】ケースから固形潤滑剤を取り出す動作を説明するための図である。
【図13】ケースから固形潤滑剤を取り出す動作を説明するための図である。
【図14】一般的なプロセスユニットの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は本発明に係る画像形成装置であるカラープリンタの概略断面図である。カラープリンタ1の本体ケース2内には、プリンタエンジン3、光ビームを出射する光書込装置4、被転写体である記録媒体としての記録用紙Pを収納する記録媒体収納部である給紙カセット5、トナー画像が転写された記録用紙Pを定着処理する定着装置6、トナー画像を転写した後に発生した廃トナーを回収する廃トナー回収容器7等が設けられている。
【0041】
プリンタエンジン3は、トナー画像を形成し、形成したトナー画像を記録用紙Pに転写する部分であり、像担持体である4つの感光体8(8Y、8C、8M、8K)、各感光体8の周囲に配置された帯電手段としての帯電ローラ9、現像手段としての現像装置10、クリーニング手段としてのクリーニングブレード11、一次転写ローラ12、像担持体及び被転写体である中間転写ベルト13、転写装置である二次転写ローラ14、ベルトクリーニング装置15等により構成されている。ここで、本明細書及び図面の記載において、Y、C、M、Kの添え字は、各々イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの色を示しており、これらの添え字は必要に応じて割愛する。
【0042】
感光体8は、円筒状に形成されて駆動モータ(図示せず)が連結され、駆動モータからの駆動力により中心線回りに回転する。感光体8の外周面には静電潜像が形成される感光層が設けられている。
【0043】
帯電ローラ9は、感光体8の外周面に当接して配置され、又は、感光体8の外周面と微小な隙間をもって配置されている。この帯電ローラ9に対して電源部(図示せず)から電圧が印加されることにより、帯電ローラ9と感光体8との間でコロナ放電が発生し、感光体8の外周面が一様に帯電される。
【0044】
光書込装置4は、画像データに応じた光ビームを出射し、一様に帯電された感光体8の外周面を露光する。この露光により、感光体8の外周面に画像データに応じた静電潜像が形成される。
【0045】
現像装置10は、感光体8に対してトナーを供給する。供給されたトナーは感光体8の外周面に形成されている静電潜像に付着し、感光体8の外周面上の静電潜像がトナー画像として顕像化される。
【0046】
中間転写ベルト13は、樹脂フィルム又はゴムを基体として形成されたループ状のベルトであり、駆動ローラ16と入口ローラ17とテンションローラ18との回りに巻回され、駆動モータ(図示せず)に連結された駆動ローラ16が回転駆動されることにより矢印A方向に回転する。入口ローラ17とテンションローラ18とは、中間転写ベルト13が矢印A方向へ回転することにより中間転写ベルト13との摩擦力によって従動回転する。
【0047】
一次転写ローラ12は中間転写ベルト13の内周面側(ループの内側)に配置されており、これらの一次転写ローラ12に転写用電圧が印加されることによって各感光体8上のトナー画像が中間転写ベルト13上に転写される。各感光体8上に形成されたトナー画像は中間転写ベルト13上に順次転写されて重ね合わされ、中間転写ベルト13上にはカラーのトナー画像が形成される。
【0048】
クリーニングブレード11は、トナー画像が中間転写ベルト13に転写された後の感光体8の外周面をクリーニングする。このクリーニングによって、トナー画像が中間転写ベルト13に転写された後に感光体8の外周面上に残留しているトナーや紙粉等が除去される。また、この場合、クリーニングブレード11を感光体8の回転方向に対してカウンタ方向に配設することによって、クリーニング性を向上させている。
【0049】
中間転写ベルト13上に形成されたカラーのトナー画像は、中間転写ベルト13と二次転写ローラ14とが当接された転写位置に記録用紙Pが送り込まれたタイミングで二次転写ローラ14に転写用電圧が印加されることにより、記録用紙Pに転写される。記録用紙Pは、給紙カセット5内から給紙されて搬送ローラ19やレジストローラ20により搬送され、トナー画像を転写された後に定着装置6に送り込まれる。トナー画像が転写された記録媒体Pは定着装置6内で熱と圧力とを加えられて定着処理され、この定着処理により溶融したトナー画像が記録用紙Pに定着される。定着処理が終了した記録用紙Pは本体ケース2の上面部に形成されている排紙トレイ21上に排紙される。
【0050】
ベルトクリーニング装置15は、カラーのトナー画像が記録用紙Pに転写された後の中間転写ベルト13の外周面をクリーニングする。このクリーニングによって、トナー画像の転写後に中間転写ベルト13の外周面上に残留したトナーや紙粉等が廃トナーとして回収される。
【0051】
廃トナー回収容器7は、クリーニングブレード11及びベルトクリーニング装置15によって除去された廃トナーが投入され、投入された廃トナーを貯溜する部分である。廃トナー回収容器7は本体ケース2に対して着脱可能に取付けられており、廃トナー回収容器7内の廃トナーが満杯状態に近付いた場合に本体ケース2から取り外され、空の廃トナー回収容器7が取付けられる。
【0052】
プリンタエンジン3の構成部材である感光体8と、各感光体8の周囲に配置された帯電ローラ9と現像装置10とクリーニングブレード11とはユニット化してケース22(枠体)内に収容され、プロセスユニット23(23Y、23C、23M、23K)が形成されている。各プロセスユニット23は本体ケース2内に着脱可能に装着されている。感光体8と帯電ローラ9と現像装置10とクリーニングブレード11とがプロセスユニット23としてユニット化されることにより、交換やメンテナンスの作業が容易になり、また、各部材間の位置精度を高精度の維持することができ、形成される画像品質の向上を図ることができる。なお、本実施の形態では、感光体8と帯電ローラ9と現像装置10とクリーニングブレード11とはユニット化したプロセスユニット23を例に挙げて説明したが、プロセスユニットの構成としては様々のものがあり、例えば、帯電ローラ9、現像装置10、クリーニングブレード11の少なくとも一つと感光体8とをケース内に収納してユニット化したものが挙げられる。
【0053】
図2は、本体ケース2に設けられている側面カバー24を開放した状態を示す斜視図である。
側面カバー24を開放することにより、プリンタエンジン3と廃トナー回収容器7とが現われ、プロセスユニット23や中間転写ベルト13及び廃トナー回収容器7の交換等やその他のメンテナンスを行うことができる。中間転写ベルト13とローラ16、17、18とクリーニング装置15とは、ベルトケース13a内に収納されてユニット化されている。
【0054】
以下、本発明の特徴部分について説明する。
【実施例1】
【0055】
図3は、本発明の実施例1に係る上記プロセスユニット23の概略断面図である。なお、図3において、現像装置10は省略している。また、同図において、図1と同一の符号は同一の部材を示している。
図3に示すように、プロセスユニット23が有するケース22内には、上記感光体8、上記帯電ローラ9、この帯電ローラ9を感光体8側へ付勢する帯電ローラ押圧バネ25、帯電ローラ9の表面をクリーニングする帯電クリーナローラ26、この帯電クリーナローラ26を帯電ローラ9側へ付勢する帯電クリーナローラ押圧バネ27、上記クリーニングブレード11、クリーニングブレード11によって除去したトナー等の飛散を防止する飛散防止シート28、クリーニングブレード11によって除去したトナー等を図示しない廃トナー収容器7へ搬送する粉体搬送コイル29等が収容されている。さらに、ケース22内には、感光体8に潤滑剤を供給するための潤滑剤塗布装置30を収容している。
【0056】
潤滑剤塗布装置30は、潤滑剤としての固形潤滑剤31と、潤滑剤供給部材としての潤滑剤供給ローラ32と、潤滑剤ホルダ33と、潤滑剤加圧部材としてのバネ34(圧縮コイルバネ)と、潤滑剤塗布部材としての潤滑剤塗布ブレード35を備える。
【0057】
潤滑剤供給ローラ32は感光体8の表面に接触しており、図示しない駆動手段によって潤滑剤供給ローラ32は感光体8の回転方向に対してトレーリング方向(順方向)に回転駆動される。バネ34は、固形潤滑剤31を保持した潤滑剤ホルダ33を感光体8側へ加圧するものである。この加圧によって、固形潤滑剤31は潤滑剤供給ローラ32に対して圧接された状態で保持されている。潤滑剤供給ローラ32が回転駆動すると、回転する潤滑剤供給ローラ32によって固形潤滑剤31が削り取られ、その削り取られた潤滑剤がクリーニング後の感光体8の表面に供給されるようになっている。
【0058】
また、潤滑剤塗布ブレード35は感光体8の表面に所定の圧力で当接して配設されている。上記潤滑剤供給ローラ32によって感光体8に供給された潤滑剤は、この潤滑剤塗布ブレード35によって感光体8の表面上で圧着・伸展され均一に塗布される。また、潤滑剤塗布ブレード35は、感光体8の回転方向に対してカウンタ方向に当接されているので、潤滑剤の固まりの潤滑剤塗布ブレード35からのすり抜けを効果的に防止することができる。
【0059】
また、ケース22の固形潤滑剤31の近傍位置(図の下方位置)には、ケース22に対して着脱可能に構成された蓋部材36が配設されている。図3に示すように、蓋部材36がケース22に取り付けられた状態では、蓋部材36によってバネ34の一端が支持されている。
【0060】
図4は図3に示すプロセスユニット23を斜め下方から見た斜視図である。
図4に示すように、ケース22は感光体8の軸方向に長手状に延びて形成されており、上記蓋部材36はそのケース22の長手方向に渡って配設されている。
【0061】
図5は上記蓋部材36を取り外した状態を示す図である。
図5に示すように、蓋部材36をケース22から取り外すと、ケース22の蓋部材36を取り外した箇所において開口部37が形成されるようになっている。このように、ケース22に開口部37を形成することにより、その開口部37から、バネ34、固形潤滑剤31を順次取り出すことが可能となる。この場合、固形潤滑剤31と潤滑剤ホルダ33が一体に構成されているので、これらは一緒に取り出される。また、元の状態に戻す場合は、一体に構成された固形潤滑剤31及び潤滑剤ホルダ33、バネ34を、開口部37からケース22内へ順次収納し、開口部37を蓋部材36で閉塞すればよい。
【実施例2】
【0062】
図6は本発明の実施例2に係るプロセスユニット23の斜視図である。
この場合、ケース22の感光体8の軸方向に対応する長手方向の一端部に、蓋部材36が着脱可能に配設されている。
【0063】
図7は図6に示す蓋部材36を取り外した状態を示す斜視図である。
図7に示すように、蓋部材36を取り外すと、ケース22の一端部に開口部37が形成される。また、蓋部材36には、開口部37から固形潤滑剤31を外部(図の矢印の方向)へ取り出すための取出部材38が付設されている。
【0064】
詳しくは、上記プロセスユニット23の概略断面図である図8に示すように、蓋部材36を閉じた状態で、取出部材38は蓋部材36から内方に突出して配設されている。取出部材38の先端部には、爪状又はフック状等に形成された係止部38aが形成されている。一方、固形潤滑剤31を保持する潤滑剤ホルダ33の長手方向の端部には、係止部38aと係合するためのフック状等に形成された係合部33aが設けられている。この場合、潤滑剤ホルダ33のどちらの端部を前にしてケース22内に挿入しても係止部38aを係合部33aに係合できるように、係合部33aは潤滑剤ホルダ33の両端部にそれぞれ設けてある。
【0065】
また、図8に示すように、ケース22内には、固形潤滑剤31を潤滑剤供給ローラ32側へ加圧する潤滑剤加圧部材としての一対の潤滑剤加圧アーム39と、それら潤滑剤加圧アーム39を付勢する付勢手段としてのバネ40(引張コイルバネ)を収容している。各潤滑剤加圧アーム39は、潤滑剤ホルダ33の長手方向中心に対して対称位置に配設され、支軸41によってそれぞれ回動可能に支持されている。バネ40は、一対の潤滑剤加圧アーム39の間に伸ばされた状態で取り付けられている。このバネ40の引張力によって、各潤滑剤加圧アーム39は潤滑剤ホルダ33を潤滑剤供給ローラ32側へ加圧し、固形潤滑剤31を潤滑剤供給ローラ32に圧接させている。
【0066】
以下、図9と図10を参照して、実施例2における固形潤滑剤31の取出方法について説明する。なお、図9と図10において、図8と同一の符号は同一の部材を示している。
固形潤滑剤31をケース22内から取り出すには、まず、図9に示すように、蓋部材36を取り外すと共に、取出部材38の係止部38aを潤滑剤ホルダ33の係合部33aに係合させる。このとき、蓋部材36の下端部とケース22の開口縁との当接部を中心に蓋部材36を回転させるようにして取り外すことによって、係止部38aを係合部33aに係合させやすくなる。すなわち、蓋部材36の開放動作における係止部38aの移動軌跡X上に係合部33aを配設することによって、蓋部材36の開放動作と連動させて係止部38aを係合部33aに係合させることが可能である。また、蓋部材36を開放する度に係止部38aの移動軌跡Xが変化しないように、開放時に蓋部材36を案内するガイド機構を設けてもよい(図示省略)。このようなガイド機構を設けることにより、より確実に係止部38aを係合部33aに係合させることが可能となる。
【0067】
そして、図10に示すように、係止部38aを係合部33aに引っ掛けた状態で、蓋部材36を図の左斜め下に移動させ、一対の潤滑剤加圧アーム39の加圧力に抗して潤滑剤ホルダ33を各潤滑剤加圧アーム39に摺動させつつ開口部37から引き出す。これにより、潤滑剤ホルダ33と一緒に固形潤滑剤31を開口部37から取り出すことが可能である。
【0068】
しかも、本発明の実施例2では、蓋部材36を取り外す際、係止部38aを係合部33aに引っ掛けることによって、蓋部材36の開放動作と連動させて固形潤滑剤31を外部へ取り出すことができるので、固形潤滑剤31の取出作業を容易かつスムーズに行うことができる。これにより、固形潤滑剤31の交換作業に要する時間を短縮することが可能である。
【0069】
また、ケース22内から消耗した固形潤滑剤31を取り出した後、新しい固形潤滑剤31をケース22内に収容する場合は、新しい固形潤滑剤31を潤滑剤ホルダ33に取り付け、その潤滑剤ホルダ33を開口部37からケース22内に挿入すればよい。また、潤滑剤ホルダ33をケース22内に収容するとき、潤滑剤ホルダ33の係合部33aは一対の潤滑剤加圧アーム39と干渉しないように配設されていることが望ましい。そして、潤滑剤ホルダ33をケース22内の所定の位置に収容した後、蓋部材36をケース22に取り付け開口部37を閉塞する。
【実施例3】
【0070】
図11は本発明の実施例3に係るプロセスユニット23の断面図である。
本発明の実施例3は、上記本発明の実施例2と同様に、ケース22の長手方向の一端部には、開口部37と、その開口部37を開閉するための蓋部材36が設けてある。蓋部材36は、ケース22に設けた図示しないガイド機構等によって図の上下方向に移動可能に構成されている。つまり、図11において、蓋部材36を下方へ移動させると、開口部37が開放された状態(開放状態)となり、蓋部材36を上方へ移動させると、開口部37が閉塞された状態(閉塞状態)となる。
【0071】
また、ケース22内には、固形潤滑剤31を潤滑剤供給ローラ32側へ加圧する潤滑剤加圧部材としての潤滑剤加圧板42と、その潤滑剤加圧板42を付勢する付勢手段としての一対のバネ43(圧縮コイルバネ)を収容している。潤滑剤加圧板42は潤滑剤供給ローラ32の軸方向と平行を成すように配設され、潤滑剤加圧板42の上には固形潤滑剤31を保持した潤滑剤ホルダ33が載置されている。一対のバネ43は潤滑剤加圧板42の長手方向中心に対して対称位置に配設されている。これらバネ43の加圧力によって、潤滑剤加圧板42及び潤滑剤ホルダ33を潤滑剤供給ローラ32側へ加圧し、固形潤滑剤31を潤滑剤供給ローラ32に圧接させている。
【0072】
図11に示すように、潤滑剤加圧板42は、図の上下方向、すなわち潤滑剤供給ローラ32に対して接近離間する方向に移動可能となっている。また、蓋部材36の図の上部に、潤滑剤加圧板42の一端部42aに当接可能な当接部36aが一体的に設けられている。図11の二点鎖線に示すように、蓋部材36を図の下方に移動させると、蓋部材36の当接部36aが潤滑剤加圧板42を一端部42aに当接して、潤滑剤加圧板42を潤滑剤供給ローラ32に対して離間する方向に移動させるように構成されている。
【0073】
以下、図12と図13を参照して、固形潤滑剤31の取出方法について説明する。なお、図12と図13において、図11と同一の符号は同一の部材を示している。
固形潤滑剤31をケース22内から取り出すには、まず、図12に示すように、蓋部材36を図の下方へ移動させる。蓋部材36を図の下方へ移動させると、蓋部材36の当接部36aが潤滑剤加圧板42を一端部42aに当接する。そして、蓋部材36をさらに図の下方へ移動させ、一対のバネ43の付勢力に抗して潤滑剤加圧板42を潤滑剤供給ローラ32に対して離間する方向に移動させる。このように、蓋部材36を図の下方へ移動させることによって、開口部37を開放すると共に、潤滑剤加圧板42を潤滑剤供給ローラ32に対して離間する方向に移動させて、固形潤滑剤31を潤滑剤供給ローラ32から離間させる。これにより、潤滑剤供給ローラ32に対する固形潤滑剤31の圧接が解除される。すなわち、蓋部材36の当接部36aは、潤滑剤加圧板42を加圧方向の反対方向に押圧して潤滑剤供給ローラ32に対する固形潤滑剤31の圧接を解除する圧接解除部として機能する。
【0074】
そして、図13に示すように、蓋部材36を図の下方へ移動させて開口部27を開放した開放状態を保持した状態で、潤滑剤ホルダ33を潤滑剤加圧板42の上から持ち上げて開口部37から引き出す。これにより、潤滑剤ホルダ33と一緒に固形潤滑剤31を開口部37から取り出すことが可能である。
【0075】
また、ケース22内から消耗した固形潤滑剤31を取り出した後、新しい固形潤滑剤31をケース22内に収容する場合は、新しい固形潤滑剤31を潤滑剤ホルダ33に取り付け、その潤滑剤ホルダ33を開口部37からケース22内に挿入し潤滑剤加圧板42上に載置する。そして、蓋部材36を図の上方へ移動させ元の位置に戻すことによって、開口部37を閉塞すると共に、当接部36aによる潤滑剤加圧板42の押圧が解除される。その結果、潤滑剤加圧板42がバネ43の付勢力によって固形潤滑剤31を加圧し、固形潤滑剤31を潤滑剤供給ローラ32に圧接させた状態になる(図11参照)。このように、当接部36a(圧接解除部)は、蓋部材36の開閉動作に伴って、固形潤滑剤31の圧接を解除する圧接解除位置と、固形潤滑剤31の圧接を解除しない非圧接解除位置との間で移動可能に構成されている。
【0076】
以上のように、本発明の実施例3は、蓋部材36の開放した際、当接部36aを潤滑剤加圧板42に当接させて、潤滑剤供給ローラ32に対する固形潤滑剤31の圧接を解除することができるので、固形潤滑剤31の取出作業を容易かつスムーズに行うことができる。これにより、固形潤滑剤31の交換作業に要する時間を短縮することが可能である。しかも、蓋部材36の開放動作・閉塞動作に連動させて、当接部36a(圧接解除部)を圧接解除位置と非圧接解除位置とに移動させることができるので、固形潤滑剤31の圧接解除状態と圧接状態との切り換えも容易に行うことができ、操作性が向上する。
【0077】
なお、本発明の実施例3では、当接部36a(圧接解除部)を蓋部材36に一体的に構成しているが、当接部36aを蓋部材36と別部材で構成することも可能である。また、当接部36aを圧接解除位置に保持するストッパー(図示省略)を備えている場合は、蓋部材36を潤滑剤加圧板42の加圧力に抗して抑えておかなくても開放状態を維持することができるため、固形潤滑剤31の取出・収容の交換作業が行いやすくなる。
【0078】
また、本発明の実施例2又は3のように、開口部37をケース22の端部に設けることによって、その開口部37から固形潤滑剤31を取り出す際に、固形潤滑剤31を加圧する潤滑剤加圧部材や感光体8の周囲に配設されたその他の部品を取り出さなくてもよくなる。このため、固形潤滑剤31の交換作業を容易かつスムーズに行うことができる。また、本発明の実施例2又は3において、ケース22の両端部にそれぞれ開口部37を設け、いずれか一方の開口部37を通して固形潤滑剤31を取出・収納可能に構成することも可能である。
【0079】
なお、本発明の実施例2及び3に係るプロセスユニット23において、上記説明した構成以外は、本発明の実施例1に係るプロセスユニット23と同様に構成されているので説明を省略する。
【0080】
また、上記固形潤滑剤31としては、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の少なくとも一方を含有するものを適用することが好ましい。固形潤滑剤31が少なくとも脂肪酸金属塩を含有することによって、特に感光体8の経時的劣化の軽減効果やクリーニング不良低減効果が大きくなる。また、固形潤滑剤31が少なくとも無機潤滑剤を含有することによって、特にクリーニングブレード11・潤滑剤塗布ブレード35・帯電ローラ等の感光体8の周囲に配設された部品の経時的劣化の軽減効果やクリーニング不良低減効果を大きくすることができる。
【0081】
上記脂肪酸金属塩の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物があるが、これに限るものではない。また、これらを混合して使用してもよい。本発明においては、中でもステアリン酸亜鉛が特に感光体8への成膜性に優れることから、最も好ましく用いられる。
【0082】
上記無機潤滑剤とは、自身が劈開して潤滑する、あるいは内部滑りを起こす無機化合物のことを指す。具体的な物質例としては、タルク・マイカ・窒化ホウ素・二硫化モリブデン・二硫化タングステン・カオリン・スメクタイト・ハイドロタルサイト化合物・フッ化カルシウム・グラファイト・板状アルミナ・セリサイト・合成マイカなどがあるがこれに限るものではない。中でも窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから、本発明においては最も好ましく用いられる。なお、これらの無機潤滑剤は疎水性付与等の目的で、必要に応じて表面処理がなされていてもよい。
【0083】
以上のように、本発明によれば、消耗した固形潤滑剤を、未だ寿命を終えていない潤滑剤供給ローラ、潤滑剤塗布ブレード、帯電ローラ、クリーニングブレード等と独立(分離)してケース内から容易に取り出すことができる。これにより、本発明は、上述の特許文献1や2に示すようなサブユニット化したものと異なり、寿命を終えていない部品の交換を強いられることが無く低コスト化が可能である。しかも、本発明は、消耗した固形潤滑剤の交換作業を短時間で行うことができるため、メンテナンス性の向上も図ることが可能である。
【0084】
また、固形潤滑剤の交換は、消耗した固形潤滑剤の交換を目的とする場合に限らない。例えば、ユーザーの使用状況や使用環境などに応じて、異なる種類の固形潤滑剤に交換してもよい。さらに、固形潤滑剤以外に、固形潤滑剤を加圧する潤滑剤加圧部材(図5に示すバネ34等)もケースに対して取出・収容可能に構成することによって、ユーザーの使用状況や使用環境などに応じて、異なる加圧力の潤滑剤加圧部材に容易に交換することも可能である。これにより、高画質、高信頼性、高耐久性、抵抗スト化等の効果を期待することができる。
【0085】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記蓋部材はケースに対し取り外し可能となっているが、蓋部材をヒンジ機構等を介してケースに開閉可能に取り付けてもよい。
【0086】
また、上述の本発明の実施例に係る潤滑剤塗布装置は、像担持体としての感光体に潤滑剤を塗布する装置であるが、像担持体としての中間転写ベルトに潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置にも本発明の構成を適用可能である。また、本発明の構成は、ケース内に少なくとも固形潤滑剤と潤滑剤供給ローラを収容した潤滑剤塗布装置であれば適用可能である。また、本発明に係る潤滑剤塗布装置を、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等に搭載することも可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 カラープリンタ(画像形成装置)
8 感光体(像担持体)
9 帯電ローラ(帯電手段)
10 現像装置(現像手段)
11 クリーニングブレード(クリーニング手段)
23 プロセスユニット
30 潤滑剤塗布装置
31 固形潤滑剤
32 潤滑剤供給ローラ(潤滑剤供給部材)
33 潤滑剤ホルダ
33a 係合部
34 バネ(潤滑剤加圧部材)
36 蓋部材
36a 当接部(圧接解除部)
37 開口部
38a 係止部
39 潤滑剤加圧アーム(潤滑剤加圧部材)
42 潤滑剤加圧板(潤滑剤加圧部材)
X 移動軌跡
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特開2008−40012号公報
【特許文献2】特開2009−8814号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に、少なくとも潤滑剤とその潤滑剤を像担持体の表面に供給する潤滑剤供給部材を収容した潤滑剤塗布装置において、
前記ケースに、前記潤滑剤を取出・収容するための開口部と、その開口部を開閉する蓋部材を設けたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
【請求項2】
前記潤滑剤に係合部を一体的に設け、前記蓋部材に前記係合部と係合可能な係止部を設けた請求項1に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項3】
前記係合部を、前記蓋部材の開放動作における前記係止部の移動軌跡上に配設した請求項2に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項4】
前記潤滑剤を加圧して前記潤滑剤供給部材に圧接させる潤滑剤加圧部材を、前記ケース内に収容した潤滑剤塗布装置であって、
前記潤滑剤を加圧する加圧方向の反対方向に前記潤滑剤加圧部材を押圧して前記潤滑剤供給部材に対する前記潤滑剤の圧接を解除する圧接解除位置と、前記潤滑剤加圧部材を前記加圧方向の反対方向に押圧せず前記潤滑剤供給部材に対して前記潤滑剤を圧接させた非圧接解除位置とに移動可能な圧接解除部を備え、前記蓋部材の開放動作に連動させて前記圧接解除部を前記圧接解除位置に移動させると共に、前記蓋部材の閉塞動作に連動させて前記圧接解除部を前記非圧接解除位置に移動させるように構成した請求項1に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項5】
前記圧接解除部を前記圧接解除位置に保持するストッパーを備えた請求項4に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項6】
前記潤滑剤を前記潤滑剤供給部材に圧接させる潤滑剤加圧部材を、前記ケース内に収容した潤滑剤塗布装置であって、
前記潤滑剤加圧部材を、前記開口部から取出・収容可能に構成した請求項1から5のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項7】
前記開口部を、前記ケースの前記像担持体の軸方向に対応する長手方向の端部に設けた請求項1から6のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項8】
前記潤滑剤は少なくとも脂肪酸金属塩を含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項9】
前記潤滑剤は少なくとも無機潤滑剤を含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項10】
前記潤滑剤は少なくとも脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項11】
前記脂肪酸金属塩をステアリン酸亜鉛とした請求項8又は10に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項12】
前記無機潤滑剤を窒化ホウ素とした請求項9又は10に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項13】
像担持体としての感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、前記感光体の表面に可視画像を形成する現像手段と、前記感光体をクリーニングするクリーニング手段の少なくとも1つと、請求項1から12のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を備え、画像形成装置本体に対して脱着可能に構成されたことを特徴とするプロセスユニット。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−217304(P2010−217304A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61437(P2009−61437)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】