説明

潤滑油用基油および潤滑油組成物

【課題】 水溶性と潤滑性に優れた潤滑油用基油を提供することを目的とする。
【解決手段】 下記一般式(1)で表され、HLBが7.0〜11.0であり、かつ数平均分子量が1,000〜6,000である多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(A)を含有することを特徴とする潤滑油用基油;およびこの潤滑油用基油と水を必須成分として含む潤滑油組成物である。
【化1】


[式、Zは3〜6価アルコールからf個の水酸基を除いた残基を表す。A1Oはオキシブチレン基、A2Oはオキシエチレン基、A3Oはオキシプロピレン基を表す。mはブチレンオキサイドまたはテトラヒドロフランの平均付加モル数で8〜58の数、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数で4〜70の数、kはプロピレンオキサイドの平均付加モル数で0〜30の数である。オキシブチレン基(A1O)とオキシエチレン基(A2O)とはランダムに結合していてもブロック状に結合してもよい。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエーテル系潤滑油用基油に関する。さらに詳しくは、潤滑性に優れ、かつ水で希釈しても完全に溶解する水溶性にも優れたポリエーテル系潤滑油用基油、および含水潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、含水系の切削油、摺動面潤滑油、圧延油、引き抜き油、プレス油、鍛造油、アルミディスクおよびシリコンウエハの研磨、切断などの加工に用いる金属加工油、並びに水−グリコール系作動油等の水系潤滑油に用いられる基油は、水溶性と潤滑性が要求されており、このような水系潤滑油の基油としては、ポリエーテル系基油が用いられてきた。
しかしながら、水溶性が良好とされる多くのポリエーテル系基油として1〜8価の脂肪族アルコールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物の末端の水酸基をアルキル基で封鎖したポリエーテル(例えば特許文献1)が知られているが、潤滑性が不足している。
【0003】
一方で、潤滑性に優れる基油は水溶性が不足するため、基油が金属表面に残りやすく作業性が悪化するといった課題がある。すなわち、優れた水溶性と潤滑性を両立できるものは困難であった。
優れた水溶性と潤滑性を両立できるものとしては、HLBが8.5以上の親水性で、1〜3価のアルコールにアルキレンオキサイドとテトラヒドロフラン(THF)を付加した後に末端をアルキル基で封鎖したポリエーテルを潤滑油用基油として提案されている(特許文献2)。
また、潤滑性に優れる潤滑油用基油は使用時に泡立ちやすく、形成された泡が消えにくいことで潤滑性の低下や切削油の劣化を促進するといった課題がある。そのため、水溶性や潤滑性と併せて抑泡性の高いものが求められている
しかし、含水潤滑油の高性能化に伴い、従来の基油よりさらに高い潤滑性を求められるようになってきたため、高い水溶性や抑泡性を維持することは困難となってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−224897号公報
【特許文献2】特開2002−69470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明では水溶性と抑泡性とさらなる潤滑性に優れた潤滑油用基油を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表され、HLBが7.0〜11.0であり、かつ数平均分子量が1,000〜6,000である3〜6価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(A)を必須成分として含有することを特徴とする潤滑油用基油;およびこの潤滑油用基油と水を必須成分として含む潤滑油組成物である。
【0007】
【化1】

【0008】
[式(1)中、Zは3〜6価アルコールからf個の水酸基を除いた残基を表し、fは3〜6の数である。A1Oはオキシブチレン基、A2Oはオキシエチレン基、A3Oはオキシプロピレン基を表す。mはブチレンオキサイドまたはテトラヒドロフランの平均付加モル数で8〜58の数、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数で4〜70の数、kはプロピレンオキサイドの平均付加モル数で0〜30の数である。オキシブチレン基(A1O)とオキシエチレン基(A2O)とはランダムに結合していてもブロック状に結合してもよい。オキシプロピレン基(A3O)は末端にブロック状に付加してもよい。]
【発明の効果】
【0009】
本発明の潤滑油用基油と水を含有する潤滑油組成物は、低荷重下、高荷重下のいずれの場合でも非常に潤滑性に優れる。また水溶性にも優れるため、例えば有効濃度が2%の高希釈品であっても分離を起こすことがなく抑泡性にも優れるため酸化されにくく、潤滑性の低下や潤滑油の劣化を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の潤滑油用基油は、下記一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(A)を必須成分として含有することを特徴とする。そして、このアルキレンオキサイド付加物(A)のHLBは7.0〜11.0であり、かつ数平均分子量が1,000〜6,000である。
【0011】
【化2】

【0012】
[式(1)中、Zは3〜6価アルコールからf個の水酸基を除いた残基を表し、fは3〜6の数である。A1Oはオキシブチレン基、A2Oはオキシエチレン基、A3Oはオキシプロピレン基を表す。mはブチレンオキサイドまたはテトラヒドロフランの平均付加モル数で8〜58の数、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数で4〜70の数、kはプロピレンオキサイドの平均付加モル数で0〜30の数である。オキシブチレン基(A1O)とオキシエチレン基(A2O)とはランダムに結合していてもブロック状に結合してもよい。オキシプロピレン基(A3O)は末端にブロック状に付加してもよい。]
【0013】
上記の一般式(1)におけるZは炭素数3〜10の3〜6価アルコールからf個の水酸基を除いた残基であり、fは3〜6の数のものが挙げられる。
このような3〜6価の多価アルコールとしては、例えば3価のものとして、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、ペンタメチルグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
4価のものとして、1,2,3,4−ブタンテトラオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、リボース、アラビノース、キシロース、リキソースなどが挙げられる。
5価のものとして、アラビトール、キシリトール、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、アロース、グロース、イドース、タロースなどが挙げられる。
6価のものとして、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ガラクチトール、マンニトール、アリトール、イジトール、タリトール、イノシトール、クエルシトールなどが挙げられる。
油膜強度、抑泡性および潤滑性向上の観点から、多価アルコールのうち、3〜6価アルコールが本発明の潤滑油用基油として好適に用いられる。
【0014】
一般式(1)におけるA1Oはオキシブチレン基、A2Oはオキシエチレン基、A3Oはオキシプロピレン基を表す。
オキシブチレン基としては1,2−、2,3−、1,3−、1,4−、およびイソブチレン基が挙げられる。1,4−ブチレン基であることが好ましい。
【0015】
一般式(1)におけるmはブチレンオキサイドまたはテトラヒドロフランの平均付加モル数を表し、通常8〜58、好ましくは9〜50、さらに好ましくは10〜40の数である。
nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を表し、通常4〜70、好ましくは6〜60、さらに好ましくは8〜40の数である。
【0016】
kは末端に付加させたプロピレンオキサイドの平均付加モル数を表し、通常0〜30の数である。水を含有した潤滑油は一般に泡立ちが作業上の問題となるので、抑泡性の観点からは、kは3〜27が好ましく、6〜24がさらに好ましい。
【0017】
一般式(1)における鎖中のオキシブチレン基(A1O)とオキシエチレン基(A2O)とはランダムに結合していてもブロック状に結合してもよい。
一方、末端には、抑泡性の観点から、オキシプロピレン基(A3O)をブロック状に付加してもよい。
【0018】
アルキレンオキサイド付加物(A)中のポリオキシアルキレン基中のポリオキシブチレン基(A1O)の含有比、すなわち式(1)中のm/(m+n+k)は、通常0.3〜0.7、好ましくは0.35〜0.65、さらに好ましくは0.4〜0.6である。
0.3未満では潤滑性が悪くなり、0.7を超えると水溶性が悪くなる。
【0019】
本発明におけるアルキレンオキサイド付加物(A)のHLB値は、7.0〜11.0であり、好ましくは7.5〜10.5であり、特に好ましくは8.0〜10.0である。HLBが7.0未満では水溶性が悪くなり、11.0を超えると潤滑性が悪くなる。
【0020】
ここでの「HLB」とは、親水性と親油性のバランスを示す指標であって、例えば「界面活性剤入門」〔2007年三洋化成工業株式会社発行、藤本武彦著〕212頁に記載されている小田法による計算値として知られているものであり、グリフィン法による計算値ではない。
HLB値は有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB=10×無機性/有機性
HLBを導き出すための有機性の値及び無機性の値については前記「界面活性剤入門」213頁に記載の表の値を用いて算出できる。
【0021】
アルキレンオキサイド付加物(A)の数平均分子量は1,000〜6,000であり、好ましくは1,200〜5,000、さらに好ましくは1,500〜4,000である。数平均分子量が1,000未満では潤滑性が不足し、6,000を超えると動粘度が高くなるため、発生した泡が消えにくくなるといった問題がある。
なお、本発明におけるアルキレンオキサイド付加物(A)の数平均分子量は、水酸基価から計算により算出される値である。
【0022】
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油用基油と水を必須成分として含む。
含水潤滑油組成物中のアルキレンオキサイド付加物(A)の濃度は特に限定されないが、実際の使用時のアルキレンオキサイド付加物(A)の濃度は、潤滑油組成物に基づいて、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%である。
【実施例】
【0023】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
【0024】
製造例1 <アルキレンオキサイド付加物(A−1)の製造>
SUS製オートクレーブにペンタエリスリトール40.8部(0.3モル)とテトラヒドロフラン(以下、THFと略称する。)473部(6.6モル)およびBF3・THF錯体4.9部仕込み、耐圧滴下ロートからエチレンオキサイド(以下、EOと略称する。)243部(5.5モル)を45〜55℃で5時間かけて滴下した。その後、50℃で1時間反応させ、冷却した。さらに、NaOH水溶液を加えて中和し、減圧下で80℃まで昇温し、未反応THFを回収した。さらに、副成した塩を濾別し、本発明のペンタエリスリトールのTHF20モル/EO18モルのランダム付加物710部(A−1)を得た。水酸基価換算による数平均分子量は2400、計算によるHLBは9.0であった。
【0025】
製造例2 <アルキレンオキサイド付加物(A−2)の製造>
製造例1において、ペンタエリスリトールをグリセリン23部(0.25モル)に、THF仕込み量を432部(6.0モル)に、EO仕込み量を297部(6.8モル)に変える以外は製造例1と同様の操作を行い、本発明のアルキレンオキサイド付加物グリセリンのTHF20モル/EO27モルのランダム付加物680部(A−2)を製造した。水酸基価換算による数平均分子量は2700、計算によるHLBは10.1であった。
【0026】
製造例3 <アルキレンオキサイド付加物(A−3)の製造>
SUS製オートクレーブにグリセリン18部(0.2モル)とTHF389部(5.4モル)およびBF3・THF錯体4.9部仕込み、耐圧滴下ロートからEO282部(6.4モル)をまず45〜55℃で滴下した。次にプロピレンオキサイド(以下、POと略称する。)70部(1.2モル)を滴下し、その後、50℃で1時間反応させ、冷却した。さらに、製造例1と同様にして、中和し、未反応THFの回収、副成塩の処理を行い、本発明のグリセリンのTHF24モル/EO32モルランダム付加物のPO6モルブロック付加物710部(A−3)を得た。水酸基価換算による数平均分子量は3,580、計算によるHLBは9.3であった。
【0027】
比較製造例1 <アルキレンオキサイド付加物(A’−1)の製造>
製造例1において、ペンタエリスリトールを1,4−ブタンジオール23部(0.25モル)に、THF仕込み量を504部(7.0モル)に、EO仕込み量を286部(6.5モル)に変える以外は製造例1と同様の操作を行い、比較のための1,4−ブタンジオールのTHF24モル/EO26モルランダム付加物720部(A’−1)を得た。数平均分子量は2,900、HLBは8.7であった。
【0028】
比較製造例2 <アルキレンオキサイド付加物(A’−2)の製造>
製造例1において、ペンタエリスリトールの仕込み量を45部(0.33モル)に、THF仕込み量を295部(4.1モル)に、EO仕込み量を409部(9.3モル)に変える以外は製造例1と同様の操作を行い、比較のためのグリセリンのTHF12モル/EO28モルランダム付加物710部(A’−2)を得た。水酸基価換算による数平均分子量は2,200、計算によるHLBは12.7であった。
【0029】
比較製造例3 <アルキレンオキサイド付加物(A’−3)の製造>
SUS製オートクレーブにグリセリン23部(0.25モル)と水酸化カリウムを0.4部(0.007モル)仕込み、130℃で0.5時間脱水を行った後、耐圧滴下ロートからEO220部(5.0モル)を150℃で6時間かけて滴下し、その後耐圧滴下ロートからPO435部(7.5モル)を150℃で6時間かけて滴下した。さらに150℃で1時間反応させ、冷却し、90%燐酸水溶液で中和を行い、未反応物や低分子量体の回収、副成塩の処理を行い、比較のためのグリセリンのEO20モル/PO30モルブロック付加物650部(A’−3)を得た。数平均分子量は2,700、HLBは10.2であった。
【0030】
比較製造例4 <アルキレンオキサイド付加物(A’−4)の製造>
製造例1においてペンタエリスリトールをグリセリン64部(0.7モル)に、THF仕込み量を518部(7.2モル)に、EO仕込み量を154部(3.5モル)に変える以外は製造例1と同様の操作を行い、比較のためのグリセリンのTHF7モル/EO5モルランダム付加物550部(A’−4)を得た。水酸基価換算による数平均分子量は900、計算によるHLBは10.9であった。
【0031】
比較製造例5 <アルキレンオキサイド付加物(A’−5)の製造>
製造例3においてグリセリン仕込み量を9.2部(0.1モル)に、THF仕込み量を555部(7.7モル)に、EO仕込み量を167部(3.8モル)に、PO仕込み量を87部(1.5モル)に変える以外は製造例3と同様の操作を行い、比較のためのグリセリンのTHF54モル/EO38モルランダム付加物のPO15モルブロック付加物650部(A’−5)を得た。水酸基価換算による数平均分子量は6,530、計算によるHLBは6.8であった。
【0032】
実施例1〜3および比較例1〜5
上記で製造した(A−1)〜(A−3)、(A’−1)〜(A’−5)を表1に記載した重量部の水で希釈して潤滑油組成物を調整した。
【0033】
【表1】

【0034】
以下に示す方法で、水溶性、抑泡性、潤滑性を評価した。
(1)水溶性
配合直後の潤滑油組成物の外観を目視で観察し、水溶性を判定した。
○:均一透明
×:濁りあり
【0035】
(2)抑泡性
配合した潤滑油組成物100gにカプリル酸0.25g、トリエタノールアミン0.25gを加えて抑泡性の試験液を作成した。100mL栓付メスシリンダーにこれを50ml入れて約2回/秒の速度で30秒間の間上下に振った後、静置させて5分後の泡高さを測定し、抑泡性を判定した。
○:泡高さ1cm未満
×:泡高さ1cm以上
【0036】
(3)潤滑性
潤滑性はボール・オン・ディスクタイプの摩擦摩耗試験機(レスカ社製 フリクションプレーヤーFPR−2000)を用い、鋼球(材質:SUJ−2製)とディスク(材質:SPCC製)との点接触(荷重1kg)における摩擦係数を測定した。なお、潤滑油の近年の高性能化に伴い、摩擦係数は0.11以下のものが要望される。
【0037】
測定条件を下記に示す。
回転数:50rpm
回転半径:10mm
温度:25℃
時間:2分間
【0038】
実施例1〜3の本発明の潤滑油組成物は基油の2%水溶液で水溶性に問題がなく、摩擦係数が非常に低く潤滑性に優れている。
一方、2価のアルコールのアルキレンオキサイド付加物を基油に用いた比較例1、および高分子量でHLBが低い3価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を基油に用いた比較例5の潤滑油組成物は、基油の曇点が室温より低いため、配合直後でも濁り、静置すると分離するほど水溶性と、抑泡性に問題がある。また、HLBが11を超えるアルキレンオキサイド付加物の比較例2、およびブチレンオキサイドを含まないアルキレンオキサイド付加物の比較例3、数平均分子量が1,000未満のアルキレンオキサイド付加物の比較例4の潤滑油組成物は、いずれも摩擦係数が0.11を超え、潤滑性が不足する。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のアルキレンオキサイド付加物は、水溶性と潤滑性が優れているため、含水系の切削油、摺動面潤滑油、圧延油、引き抜き油、プレス油、鍛造油、アルミディスクおよびシリコンウエハの研磨、切断などの加工に用いる金属加工油、並びに水−グリコール系作動油等の水系潤滑油に用いられる基油として極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表され、HLBが7.0〜11.0であり、かつ数平均分子量が1,000〜6,000である3〜6価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(A)を必須成分として含有することを特徴とする潤滑油用基油。
【化1】

[式(1)中、Zは3〜6価アルコールからf個の水酸基を除いた残基を表し、fは3〜6の数である。A1Oはオキシブチレン基、A2Oはオキシエチレン基、A3Oはオキシプロピレン基を表す。mはブチレンオキサイドまたはテトラヒドロフランの平均付加モル数で8〜58の数、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数で4〜70の数、kはプロピレンオキサイドの平均付加モル数で0〜30の数である。オキシブチレン基(A1O)とオキシエチレン基(A2O)とはランダムに結合していてもブロック状に結合してもよい。オキシプロピレン基(A3O)は末端にブロック状に付加してもよい。]
【請求項2】
該アルキレンオキサイド付加物(A)の式(1)中のm/(m+n+k)が0.3〜0.7である請求項1記載の潤滑油用基油。
【請求項3】
請求項1または2記載の潤滑油用基油と水を必須成分として含む潤滑油組成物。

【公開番号】特開2012−214706(P2012−214706A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−42250(P2012−42250)
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】