説明

潤滑組成物

【課題】潤滑組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、
−多量の基油;および
−有機モリブデン化合物
を含み、基油が、ポリアルキレングリコール(PAG)およびネオペンチルポリオールエステルまたはこれらの組合せ剤からなる群から選択される潤滑組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、本発明による潤滑組成物で潤滑することを含む、摩擦低減特性を向上させる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受および冷凍システムにおける特定の使用のための、ポリアルキレングリコール(PAG)および/またはネオペンチルポリオールエステルに基づいた潤滑組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
実際、様々な潤滑組成物が、軸受および冷凍システムにおいて使用されていることが知られている。一例として、米国特許出願公開第2005/0127320号明細書は、冷媒として二酸化炭素を用いて作動する冷凍機、空気調節装置、ヒートポンプおよび関連装置を潤滑するのに適当なポリアルキレングリコールに基づいた作動剤の使用を開示している。
【0003】
上記米国特許出願公開第2005/0127320号明細書において認められている通り、実践的経験は、ポリアルキレングリコールが優れた摩擦特性を所有していることを示している。これは、ポリアルキレングリコールの極性によってもたらされると言われている。高い表面活性および低い粘度圧力依存の結果として、低い摩擦係数が達成され得る。
【0004】
一部の例において、ポリアルキレングリコールによって得られる通りの摩擦係数はそれ自体満足できるが、他の例においては、摩擦特性をさらに向上させる必要があると思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0127320号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、向上した摩擦低減特性を持つ潤滑組成物を提供することは、本発明の一目的である。
【0007】
別の目的は、代替の潤滑組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記または他の目的物の1つまたは複数は、
−多量の基油;および
−有機モリブデン化合物
を含み、基油が、ポリアルキレングリコール(PAG)およびネオペンチルポリオールエステルまたはこれらの組合せからなる群から選択される潤滑組成物を提供することによって、本発明により得られる。
【0009】
驚くべきことに、本発明による潤滑組成物は、向上した摩擦低減特性を呈する一方、耐磨耗特性が望ましい水準のままである。いかなる特定の理論にも拘束されることは望まないが、ポリアルキレングリコール基油と有機モリブデンとの両方が、潤滑される金属表面上で相互に作用すると考えられるので、これは驚くべきことである。
【0010】
有機モリブデン化合物は、ジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン、モリブデンアミン錯体等など、広範囲の化合物から選択してよい。これらの有機モリブデン化合物はそれ自体知られているので、本明細書において詳細にさらに考察することはない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい実施形態によると、有機モリブデン化合物は、一般式(I)
【0012】
【化1】

[式中、各R−Rは、独立に、水素、および1個から30個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基からなる群から選択され;各X−Xは、独立に、SおよびOから選択される。]
を有するジチオリン酸モリブデン(「MoDTP」)である。
【0013】
一般式(I)を有する化合物は当技術分野でよく知られており広く市販されているので、これらの調製は、本明細書においてさらに考察することはない。
【0014】
本発明によると、各R−Rは独立に、水素、および2個から20個の炭素原子、好ましくは2個から12個、より好ましくは2個から10個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基からなる群から選択されることが好ましい。各R−Rは独立に、水素、および2個から20個の炭素原子、好ましくは2個から12個、より好ましくは2個から10個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基からなる群から選択されることがより一層好ましい。
【0015】
−Rの少なくとも1つ、好ましくは2つは、2個から20個の炭素原子、好ましくは2個から12個、より好ましくは2個から10個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基である。また、R−Rの3つまたは4つは、こうしたアルキル基であり得る。
【0016】
−R基の1つ、2つまたは3つは水素であってよい。R−R基の2つが水素である場合、好ましくは、R/Rの1つおよびR/Rの1つが水素である。
【0017】
−Xの少なくとも1つが酸素原子(O)であり、これらの少なくとも1つが硫黄原子(S)であることが好ましい。好ましくは、X−Xの2つがOであり、他の2つがSである。さらに、XおよびXが両方ともSであり、XおよびXが両方ともOであることが好ましい。
【0018】
特に好ましい実施形態によると、有機モリブデン化合物は2−エチルヘキシル−MoDTPである。この実施形態において、XおよびXは両方ともSであり、XおよびXは両方ともOであり、R−Rの1つ、2つ、3つまたは(好ましくは)4つは、2−エチルヘキシルである。
【0019】
本発明による潤滑組成物は、ポリアルキレングリコール(PAG)およびネオペンチルポリオールエステルまたはこれらの組合せからなる群から選択される多量の基油を含む。
【0020】
この明細書の目的において、「基油」という用語は、グリース基油も含めると意味される。また、「多量」は、潤滑組成物の全重量に対して少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%を意味する。
【0021】
本発明による潤滑組成物において使用されるポリアルキレングリコール基油に関して特定の制限はなく、様々な従来のポリアルキレングリコールを都合よく使用することができる。
【0022】
本発明に従って使用されるポリアルキレングリコール(PAG)は、モノマー単位として1個から6個の炭素原子を持つアルキレンオキシド単位(−R−O−)を呈することができる。
【0023】
ポリアルキレングリコールは、水素末端基、アルキル末端基、アリール末端基、アルキルアリール末端基、アリールオキシ末端基、アルコキシ末端基、アルキルアルコキシ(alkylaruloxy)末端基および/またはヒドロキシ末端基を呈することができる。アルキルアリールオキシ基はアリールアルキル(レエン)オキシ基を意味し、アルキルアリール基はアリールアルキル(レエン)基(例えば、アリールCHCH−)を意味することも理解されるべきである。アルコキシ型を含めるアルキル型の末端基、またはアルキルアリール型、アリールオキシ型およびアルキルアリールオキシ型を含めるアリール型の末端基は、アリール型では6個から24個の炭素原子、特に好ましくは6個から18個の炭素原子を、およびアルキル型では好ましくは1個から12個の炭素原子を呈するのが好ましい。
【0024】
本発明によるポリアルキレングリコールは、ホモポリマー、すなわちポリプロピレングリコール(および/またはポリプロピレンオキシド)、またはコポリマー、ターポリマー等のいずれかであってよい。後者の場合、モノマー単位は、ランダム分布またはブロック構造を呈してよい。ポリアルキレングリコールがホモポリマーでない場合、総モノマー単位の少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%は、ポリプロピレンオキシド(PO)から生成できるのが好ましく、また、これらのポリアルキレングリコールの総モノマー単位の少なくとも20%は、エチレンオキシド(EO)(PO/EOコポリマー)を使用することにより生成できるのが好ましい。さらなる実施形態によると、総モノマー単位の少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%は、ブチレンオキシド(BO)から得られるのが好ましく、さらに、これらのポリアルキレングリコールの総モノマー単位の少なくとも20%は、エチレンオキシド(BO/EOコポリマー)を使用することにより得られるのが好ましい。
【0025】
(ポリ)アルコールが使用される場合、出発化合物は該ポリマーに組み込まれ、本発明の意味によると、ポリマー鎖の末端基とも称される。適当な出発基は、例えば、n−ブタノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ペンタエリスリトールなどのネオペンチルグリコール、エチレンジアミン、フェノール、クレゾールまたは他の(C1からC16(モノ、ジまたはトリ)アルキル)芳香族化合物、(ヒドロキシアルキル)芳香族化合物、ハイドロキノン、アミノエタノールアミン、トリエチレンテトラアミン、ポリアミン、ソルビトールまたは他の糖類など、活性水素を含む化合物からなる。カルボン酸またはカルボン酸無水物などの他のC−H酸性化合物も、出発化合物として使用することができる。
【0026】
好ましくは、ポリアルキレングリコールは、例えば、側基または末端基としてポリマー鎖中に挿入されるアリール基または対応する複素環式芳香族基を含み;該基は、必要であれば、線状または分枝のアルキル基またはアルキレン基で置換され、該アルキル基またはアルキレン基は全体として好ましくは1個から18個の炭素原子を呈することができる。
【0027】
ヒドロキシフルフリルまたはヒドロキシテトラヒドロフランなどの環状エーテルアルコール、窒素複素環または硫黄複素環も、出発基として使用することができる。こうしたポリアルキレングリコールは国際公開第01/57164号パンフレットに開示されており、この教示を参照により本明細書に組み込む。
【0028】
好ましくは、本発明によるポリアルキレングリコールは、200g/モルから3000g/モル、特に好ましくは400g/モルから2000g/モルの平均分子量(数平均)を有する。ポリアルキレングリコールの動粘度は、DIN51562に従って40℃で測定した10mm/sから400mm/s(cSt)が好ましい。
【0029】
本発明に従って使用されるポリアルキレングリコールは、出発化合物としてポリアルコールを含めるアルコールを、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドなどのオキシランと反応させることにより生成することができる。該反応後、これらは、末端基として遊離ヒドロキシ基を1つだけ所有する。ヒドロキシ基を1つだけ持つポリアルキレングリコールは、遊離ヒドロキシ基を2つ持つポリアルキレングリコールより好ましい。例えばさらなるエーテル化ステップ後の、もはや遊離ヒドロキシ基を含まないポリアルキレングリコールは、安定性、吸湿性および相溶性に関して特に好ましい。末端ヒドロキシル基のアルキル化は、熱安定性における増加をもたらす。したがって、本発明による特に好ましい実施形態において、PAG基油は、末端封鎖PAG、すなわち、遊離ヒドロキシル基が存在しないPAGを含む。
【0030】
下記ポリアルキレングリコールと一緒にまたは代わりに、ネオペンチルポリオールエステルを使用することも可能である。
【0031】
ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトールおよびトリメチロールプロパンなどのネオペンチルポリオールと、例えば、対応するジカルボン酸の添加による、線状または分枝のCからC12のモノカルボン酸とのエステルは、適当なネオペンチルポリオールエステルである。通常、ペンタエリスリトールは、モノペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールおよびトリペンタエリスリトールの混合物である工業銘柄のペンタエリスリトールとして得ることが可能である。しかし、ジペンタエリスリトールおよび/またはトリペンタエリスリトールなど、これらの縮合生成物もアルコール成分として適当である。
【0032】
ペンタエリスリトール、またはジペンタエリスリトールおよび/またはトリペンタエリスリトールとの混合物、好ましくはジペンタエリスリトールを主に含む混合物は、特に適当である。
【0033】
複合エステルは、多価アルコールと、CからC12のジカルボン酸など、一価および二価の酸との均斉のとれた(proportional)エステル化により生成することができる。このようにして、二量体およびオリゴマーが形成される。アルコール基としてネオペンチルグリコールおよび/またはトリメチロールプロパンを使用する場合、複合エステルが好ましい。
【0034】
好ましくは、潤滑組成物は、潤滑組成物の全重量に対して、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも70重量%のPAG基油を含む。基油として、(1種または複数の)PAG基油だけを使用することがより一層好ましい。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によると、PAG基油は、(ASTM D445に従って)40℃での動粘度が、22mm/sから680mm/s、好ましくは32mm/sから220mm/s、より好ましくは46mm/sから150mm/sである。
【0036】
潤滑組成物は、潤滑組成物の全重量に対して、0.05重量%から20重量%、好ましくは0.1重量%から10重量%、より好ましくは0.5重量%から5重量%の量の有機モリブデン化合物を含むのが好ましい。
【0037】
本発明の好ましい実施形態において、潤滑組成物は、酸化防止剤、耐磨耗剤、分散剤、洗浄剤、摩擦改質剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、腐食抑制剤、解乳化剤、消泡剤、およびシール固定剤またはシール適合剤等など、1つまたは複数の添加剤をさらに含む。
【0038】
当業者は上記および他の添加剤に精通しているので、本明細書においてこれらをさらに考察することはない。
【0039】
前記添加剤は、通常、潤滑組成物の全重量に対して、0.01重量%から12.5重量%の範囲の量で、潤滑組成物の全重量に対して、好ましくは0.05重量%から10.0重量%、より好ましくは1.0重量%から9.0重量%の範囲の量で、最も好ましくは2.0重量%から5.0重量%の範囲で存在する。
【0040】
潤滑組成物はグリースの形態であってもよいので、潤滑組成物中に含有される基油は、金属石鹸、有機物または無機物、例えば、リチウム石鹸、リチウム錯体石鹸、ナトリウムテレフタレート、尿素/ウレタン化合物など、1つまたは複数の増粘剤を含んでよく、またはそれらと混合してよい。
【0041】
本発明の潤滑組成物は、1つまたは複数の基油、および場合によって、例えば本明細書において上記したように、潤滑組成物に通常基油とともに存在する1つまたは複数の添加剤を混合することにより都合よく調製できる。
【0042】
別の態様において、本発明は、好ましくは軸受または冷凍システムにおける摩擦低減特性を向上させる方法を提供し、該方法は、本発明による潤滑組成物を用いて潤滑することを含む。
【0043】
また、本発明は、摩擦低減特性を向上させるため、本発明による潤滑組成物の使用も提供する。
【0044】
当業者は、軸受または冷凍システム以外、摩擦低減特性が役割を果たす用途、例えば、自動変速機液、タービン油、ギヤ油、圧縮機油、金属加工油剤、油圧油、エンジン油等においても潤滑組成物が適切に使用され得ることを容易に理解されよう。
【0045】
別の態様において、本発明は、冷凍システムにおいて使用する作動剤を提供し、作動剤は
−冷媒;および
−本発明による潤滑組成物
を含む。
【0046】
作動剤は、冷凍機、(特に車両中の)空気調節装置、ヒートポンプおよび関連装置において使用されることがある。二酸化炭素(CO)が好ましい冷媒であるが、フッ素化炭化水素など、他の冷媒も使用することができる。
【0047】
(「処理組成物」としても知られている)作動剤のさらなる情報に関して、米国特許出願公開第2005/01273720号明細書および欧州特許第0980416号明細書を参照とし、この教示を参照により本明細書に組み込む。
【0048】
本発明は、以下実施例を参照して下記に記載されるが、本発明の範囲を限定することを決して意図するものではない。
【実施例】
【0049】
潤滑組成物
表1は、試験した潤滑組成物の組成物ならびに一部の特性を示し、各成分の量は、完全に配合された配合物の全重量に対する重量%で表す。
【0050】
表1の配合物において使用されたポリアルキレングリコール基油「PAG1」および「PAG2」は、市販のPAG基油を含んでいた。
【0051】
実施例1および比較例1において使用された「PAG1」は、酸化防止剤2.4重量%と組み合わせた、「Dow Synalox 100−50B」の商品名でDow Chemical Companyから入手可能な標準PAG ISO68基油であった。
【0052】
実施例2および比較例2において使用された「PAG2」は、「(Cognis)RFL46−X」の商品名でCognis、Germanyから入手可能な末端封鎖PAG ISO46基油であった。
【0053】
実施例1および実施例2において使用された有機モリブデン化合物(「Mo化合物」)は、「Additin RC3580」の商品名でRheinChemie Rheinau GmbHから入手可能な2−エチルヘキシル−MoDTPであった。
【0054】
実施例1−2および比較例1−2の組成物は、各成分を単に混合することにより得られた。
【0055】
【表1】

【0056】
摩擦係数および耐磨耗試験
本発明の摩擦特性および磨耗特性を実証するため、摩擦係数の測定は、標準試験ASTM D6425に従って、Optimol Instruments Pruftechnik GmbHから入手可能なSRV(登録商標)試験機上で行った。
【0057】
以下の試験条件を用いた:
荷重:200N
周波数:50Hz(50Hz/1mm=0.1m/S滑り速度)
振幅:1mm
温度:60℃または100℃
継続時間:90分
上部試験片:鋼球、17.5mm(開始時のヘルツ圧縮:1700N/mm
下部試験片:鋼板
慣らし運転:50N/30秒(1300N/mm)。
【0058】
60℃および100℃で測定した磨耗係数および摩擦係数は、下記表2および表3においてそれぞれ示す。
【0059】
【表2】

min、fmaxの表示は、測定した最小値および最大値を示し、f15、f30およびf90は、15分、30分および90分の摩擦係数を示す。
【0060】
【表3】

【0061】
考察
表2および表3から分かるように、実施例1−2の摩擦係数は、比較例1および比較例2と比較して、特に100℃で有意に低減した。
【0062】
摩擦係数における低減は、実施例2(比較例2と比較して)で最も明白であった。したがって、末端封鎖PAO基油が好ましい。
【0063】
さらに、有機モリブデン化合物の使用は、磨耗性能に有意に影響することはなかった。
【0064】
したがって、本発明に従って使用された有機モリブデン化合物は、驚くべきことに、PAGベースの潤滑配合物のエネルギー効率を最適化するために使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多量の基油;および
有機モリブデン化合物
を含み、上記基油は、ポリアルキレングリコール(PAG)およびネオペンチルポリオールエステルまたはこれらの組合せからなる群から選択される潤滑組成物。
【請求項2】
有機モリブデン化合物が、一般式(I)
【化2】

[式中、各R−Rは、独立に、水素、および1個から30個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基からなる群から選択され;各X−Xは、独立に、SおよびOから選択される。]
を有するジチオリン酸モリブデン(MoDTP)である、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項3】
各R−Rが、独立に、水素、および2個から20個の炭素原子、好ましくは2個から12個、より好ましくは2個から10個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基からなる群から選択される、請求項2に記載の潤滑組成物。
【請求項4】
各R−Rが、独立に、水素、および2個から20個の炭素原子、好ましくは2個から12個、より好ましくは2個から10個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基からなる群から選択される、請求項3に記載の潤滑組成物。
【請求項5】
−R基の2つが水素である、請求項2から4のいずれか一項に記載の潤滑組成物。
【請求項6】
およびXがSであり、XおよびXがOである、請求項2から5のいずれか一項に記載の潤滑組成物。
【請求項7】
有機モリブデン化合物が2−エチルヘキシル−MoDTPである、請求項6に記載の潤滑組成物。
【請求項8】
潤滑組成物の全重量に対して、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも70重量%のPAG基油を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の潤滑組成物。
【請求項9】
0.05重量%から20重量%、好ましくは0.1重量%から10重量%、より好ましくは0.5重量%から5重量%の量の有機モリブデン化合物を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の潤滑組成物。
【請求項10】
グリースの形態であり、増粘剤をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の潤滑組成物。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の潤滑組成物を用いて潤滑することを含む、摩擦低減特性を向上させる方法。
【請求項12】
特に冷凍システムまたは軸受における摩擦低減特性を向上させるための、請求項1から10のいずれか一項に記載の潤滑組成物の使用。
【請求項13】
冷媒;および
請求項1から10のいずれか一項に記載の潤滑組成物
を含む、冷凍システムにおける使用のための作動剤。

【公開番号】特開2009−215552(P2009−215552A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−48878(P2009−48878)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(590002105)シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー (301)
【Fターム(参考)】