説明

潮汐応答バリア

潮汐の変化に応じて選択的に展開される潮汐バリアを提供する。潮汐バリアは、上端及び下端を有する張力構造を有するネットを備える。下端は、水域の下で海底に下端を固定するために、複数のアンカー点を有する。潮汐のバリアは、更に、上端に固定されて、ブラダを選択的に膨張収縮させるバルブを有したブラダを備える。ブラダは、ガスで膨張されたとき、水域の水面へ上端が浮上するだけの十分な容積を有している。ポンプは、張力構造近傍に配設され、ブラダのバルブと配管接続されている。ポンプは、ポンプを用いてブラダをガスにより選択的に膨張収縮させる制御装置を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潮汐の高潮又は高レベルの洪水と関連してしばしば起こる高水位に対して内陸運河に沿った海岸線又は都市化エリアを保護する装置及び方法に関する。より詳しくは、本発明は、海又は川の底に固定された折り畳み式高強度の張力構造を有し、張力構造の上端にブラダが設けられ、ブラダが張力構造の先端部を(例えば潮汐の変化に応答して)海や川の水面に浮上させるため選択的に膨張され、張力構造が海や川の底から水面や構造物であるパイロンに固定された水際に亘って伸張される潮汐応答バリアに関する。
【背景技術】
【0002】
来世紀における洪水の主な脅威は、海面自体の上昇だけではなく、比較的短期間で既設の洪水防御施設を決壊する高潮や嵐の間の極限状態の増加によってももたらされる。耐久性のある堤防、埠頭、又は、防砂堤は、以前、海岸線を保護するために用いられ、高潮や嵐のしばしば起こる極限状態から防御してきている。しかしながら、これらの施設は、一般的に、コンクリートブロック、砕石、又は、その他の重く強化された材料で成形され、海上船舶が通過できない永久構造物となっており、自然な海洋生態系を弱らせ、また、海岸地域で楽しみにくくするものであり、更に、建造や展開に費用が嵩む。
【0003】
1つの先行技術となる海岸線を保護するために海底に固定される浮動性のメッシュネットを利用する防砂堤構造が米国公開番号US2005/0036839号公報に記載されている。この先行技術の防砂堤構造は、海底と底潮位36との間でメッシュネットを伸張するため、空気が充填されたブラダ、ポリエチレンフロート、若しくはその他の浮上支持体を使用する。満潮レベルで、防砂堤構造のメッシュネットは、完全に水に浸漬され、もはや、海岸線を浸水させるしばしば起こる極めて大きい潮汐変化や高潮を効果的に抑制することができない。更に、開示された先行技術の防砂堤構造は、永続的に、展開されることが開示され、防砂堤構造が展開されて海岸線の地域において海上船舶の通過が出来ず、海洋生物が生存しにくく、楽しみづらくするといった類似の問題がある。
【0004】
しかるに、潮汐バリアは、上述のような問題を解決し、周期的な高潮から水辺に沿った海岸線や都市化エリアを保護するため高レベルの洪水や高潮に関連したしばしば起こる高水位に対応する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明に係るシステム及び方法は、潮汐の高潮又は高レベルの洪水と関連してしばしば起こる高水位に対して内陸運河に接した都市化エリアを保護するように設計された軽量で環境に配慮したシステムとなる潮汐応答バリアを提供する。この潮汐応答バリアは、張力ネット構造と関連した浮力とういう有機的原理と構造効率を向上する。本発明に係る潮汐応答バリアは、これらの水域の生態環境や商業を危険に晒すことなく、耐久性のある堤防や局所的に洪水防御構造よりも実質的に低コストで局所的な運河に設置し使用することができる。
【0006】
本発明に係る装置は、潮汐の変化に応答する潮汐バリアである。この潮汐バリアは、張力構造を有しているネットを備えている。この張力構造は、上端及び下端を有する。下端は、水域の下で海底に下端を固定するために、複数のアンカー点を有する。また、潮汐バリアは、上端に固定されて、ブラダを選択的に膨張させ収縮させるためにバルブを有しているブラダを備えている。このブラダは、ガスによって膨張されたとき水域の水面に張力構造の上端を浮上させるだけの十分な容積を有する。また、潮汐バリアは、張力構造の近傍に配設され、上記ブラダのバルブと配管接続されたポンプを更に有する。このポンプは、張力構造の近傍に配設され、上記ブラダのバルブと配管接続される。このポンプは、ポンプによってガスでブラダを選択的に膨張させ収縮させる制御装置を有する。
【0007】
一実施例において、潮汐バリアネットは、更に、張力構造の上端と下端との間に伸展された複数のインナーケーブルを有する。インナーケーブルは、ブラダの容積が膨張し、対応して、張力構造の上端が水域の水面に浮上したとき張力構造の引張強さを補強する。
【0008】
潮汐バリアは、複数のパイロンを備えることもできる。パイロンは、水域が所定深さを有するとき、それぞれ海底に固定され互いに関係した構造で水域の水面上に所定高さで立設されている。この実施例において、潮汐バリアネットは、更に、上端に固定され張力構造の上端の長さを有するトップケーブルを備える。トップケーブルは、一端が一方の上記パイロンに付設され、他端が他方の上記パイロンに付設され、ブラダの容積が膨張し、対応して、張力構造の上端が水域の水面に浮上すると、張力構造の上端は、一方のパイロンから他方のパイロンに亘って水域の水流によって弧状をなして伸展する。
【0009】
他の実施例において、潮汐バリアは、更に、ポンプとブラダのバルブとの間に配管接続されるタンクを備えていても良い。この実施例において、ポンプは、保管のためタンクにブラダの容積を膨張させる気体量を供給する。このタンクは、入力に対応してブラダに、保管された気体量を供給する出力バルブを有する。
【0010】
更に、他の実施例において、ポンプは、ピストンが作動するとタンクに(ガスとして)空気を圧縮するピストンと、潮汐バリアが配設された水域に配設された浮上装置とを備えていても良い。この浮上装置は、ピストンを水域の水位の潮汐の変化に応じて作動する。
【0011】
他の実施例において、潮汐バリアは、ポンプに電力供給する電磁浮上発電装置を備えていても良い。この電磁浮上発電装置は、ポンプに電気的に接続された導電性コイルが設けられた内部チャンバと、水域の水面に浮かぶ浮上組立体が設けられた浮上システムと、電磁浮上発電装置が配置された水域の波作用に応じて上下に変動する浮上システムに接続された外部チャンバとを備えている。外部チャンバは、導電性コイルが設けられた内部チャンバの少なくとも一部を収納すると共に相対的に変位し、少なくとも導電性コイルの一部は、水域の波作用に応じて上下に変動する外部チャンバの永久磁石によって生成された磁界中で効果的に変位し、導電コイルに電流を生成する。
【0012】
他の実施例において、ポンプは、潮汐バリアの配設された水域の水面に又はその上に配設された太陽光発電装置又は風力タービンと電気的に接続され駆動されても良い。
【0013】
更に、他の実施例において、潮汐バリアは、海底床に沿って張力構造の下端を実質的に差し込み固定するための海底に沿って配設される連続的なコンクリート製基礎システムを備えていても良い。
【0014】
他の実施例において、潮汐バリアは、更に、高潮のレベルを監視するため、潮汐バリアのネットから所定距離離れた水面に浮かぶ測定ブイタンクを備えていても良い。この測定ブイタンクは、潮位の変化を検出し出力する検潮センサと、無線送信器と、検潮センサと上記無線送信器と接続された制御装置とを有する。この制御装置は、検潮センサからの潮位変化出力を受信し、潮位変化出力が所定の閾値を超えるかどうかを判定し、所定の閾値を超えるとき、警告信号を、無線送信器を介して送信する。この実施例において、ポンプは、無線送信機からの警告信号を受信し、対応警告信号をポンプ制御装置に出力する無線受信器を有する。ポンプ制御装置は、対応警告信号を受信すると、ブラダを膨張させるためポンプを起動する。このポンプには、艦船警報装置を含めることもでき、ポンプ制御装置は、無線受信器から対応警告信号を受信することに応じて、潮汐バリアを直ちに展開することを合図するため艦船警報装置を起動する。
【0015】
他の実施例において、ブラダは、複数のブラダを有しており、それぞれは、張力構造の上端に沿って固定される。各ブラダは、全体として、各ブラダの容積がガスで膨張されたとき、水域の水面に張力構造の上端を浮上させる容積を有する。この実施例において、潮汐バリアは、更に、マニホールドとストレージタンクとを備える。マニホールドは、一の入力と複数の出力とを有する。各マニホールドの出力は、複数のブラダのそれぞれ1つずつと配管接続され、例えば各可撓配管を経由して接続されている。タンクは、可撓配管等を用いた配管接続によって潮汐バリアとマニホールドの入力とを接続する。この実施例において、ポンプは、保管のためタンクに、各ブラダの容積を膨張させる気体量を供給し、タンクは、マニホールドを経由して、入力に応じてブラダに、保管された気体量を供給する出力バルブを有する。
【0016】
各実施例において、ブラダのバルブは、バルブを開放することを制御する制御入力を有し、ポンプ制御装置は、水域で潮汐の変化のおそれが過ぎたことを反映した入力信号に応じて上記ブラダを収縮させる上記バルブを開放する上記制御入力が供給される。ブラダは、張力構造の上端の一部を少なくとも収縮させたとき、海底に留まるために沈降する。
【0017】
本発明の他の装置、システム、方法、特長及び利点は、当業者であれば以下の図面と詳細な説明の記載から明らかであろう。更なる本発明の方法、システム、特長及び利点は、この説明の中に含まれ、また、発明の目的に含まれ、更に、従属請求項によって保護されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
添付図面は、明細書の一部に組み込まれ一部を構成し、本発明の実施例を例示したものであり、詳細な説明と共に、本発明の利点や原理を説明するために役立つものである。
【図1A】図1Aは、本発明を適用した潮汐バリアの斜視図であり、潮汐バリアが展開されていない状態である。
【図1B】図1Bは、図1で表される潮汐バリアの他の斜視図であり、高い引張強さを有する張力構造を有する図1の一部の潮汐バリアは、本発明に従って展開されておらず、潮汐バリアが設置された水域の海底に留まった状態を示す。
【図2】図2は、図1の潮汐バリアの側面図であり、潮汐バリアが展開されていない状態を示す。
【図3A】図3Aは、図1の潮汐バリアの側面図であり、潮汐バリアが展開された状態を示す。
【図3B】図3Bは、図1で表される潮汐バリアの他の斜視図であり、本発明に従って潮汐バリアの張力構造は展開され、海底と水域の水面との間に伸展された状態を示す。
【図4】図4は、図1の潮汐のバリアの側面図であり、潮汐のバリアが展開された状態を示す。
【図5】図5は図1の潮汐のバリアの機能ブロック図であり、本発明に従ってタンクと潮汐バリアのポンプとが配管接続された張力構造と一体化されたブラダを示す。
【図6A】図6Aは、図5に示す潮汐のバリアの張力構造の切断作用のある部分の拡大図であり、本発明に従って構成された張力構造の1つの典型的な構造及び材料組成を示す。
【図6B】図6Bは、図6Aに示す張力構造部の横断面図である。
【図6C】図6Cは、海底床に沿って図5に示す張力構造の下端を実質的に差し込み固定するため海底に沿って配設される連続的鉄筋コンクリート基礎の横断面図である。
【図6D】図6Dは、本発明に従って図5に示す張力構造に一体的に又は付設されるブラダシステムの一実施例のブロック図であり、ブラダシステムは、複数のブラダを同時に膨張させる潮汐バリアのストレージタンクと配管接続されたマニホールドと接続された複数のブラダを有する。
【図7】図7は、潮汐バリアを展開させるため張力構造に一体的に又は付設されるブラダを膨張収縮させるため空気又は他のガスを圧縮する潮汐バリアのポンプとして用いられる空気ピストンアクチュエータを示す。
【図8】図8は、潮汐バリアを展開させるため張力構造に一体的に又は付設されるブラダを膨張させるため空気又は他のガスを圧縮するポンプに電力を供給する装置として用いられる電磁浮上発電装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付した図面を参照して本発明の方法、システム及び製品の実施例を詳細に説明する。
【0020】
来世紀における洪水の主な脅威は、水面自体の上昇だけではなく、比較的短期間で既設の洪水防御施設を決壊させる高潮や嵐の間の極限状態の増加によってももたらされる。本発明の潮汐応答バリアは、海洋と内陸運河との間の自然の潮汐による海水交換の間、極度の潮汐事象のピークを有効に防止する。
【0021】
図1及び図2は、本発明の典型的な潮汐バリア100を示し、潮汐バリアが海底50に留まり潮汐バリア100が展開されていない状態を示す。図3及び図4は、展開された潮汐バリア100を示し、潮汐バリア100は、仮設ダムとして機能し、海岸線に沿った都市化エリアや海岸線を保護するための潮汐バリア100を超えて通過する高潮に関連した水位の上昇を抑制するため、潮汐による高潮の虞に応じて海底から浮上する。図5は、各海岸線や海岸線の潮汐の変化や高潮から構造物を保護するための張力構造104を有する潮汐バリアネット102を展開するために利用される潮汐のバリアの部品の機能ブロック図である。図1−図5は、海洋に面し、海洋の潮汐の変化に晒される内陸運河を横断する範囲に選択的に展開される潮汐バリア100を示している。しかし、本発明の潮汐バリア100は、例えば内陸の水辺や内陸の水辺に沿った構造物を保護するため河川を横断するように他の運河に沿って設置されても良い。
【0022】
図1−図5に示すように、潮汐バリア100は、張力構造104を有するネット102を備える。張力構造104は、ここで更に詳述される潮汐の変化や高潮からの抵抗力を提供するため270ksi(1865MPa)と同等若しくは大きい引張強さを有する材料で形成されている。この張力構造の材料としては、鋼線で強化されたリサイクルゴムや強化プラスチック、カーボンファイバ、高強度のテフロンコートされた織物(例えば、粘着を防ぐため、フッ素樹脂やテトラフルオロエチレン樹脂がコートされた織物)、ポリ塩化ビニルで被覆されたポリエチレンテレフタレート糸で織られた織物等が用いられる。張力構造は、高強度のステンレス鋼又は炭素繊維ケーブルで補強される。また、全ての張力構造は、防錆処理がされている。図6A及び図6Bで示す張力構造の実施例において、張力構造104は、ステンレス鋼線材404と共にリサイクルゴム又はプラスチックが注入又は織り交ぜられた固体シート又は織り糸402で構成されている。この実施例において、高強度ステンレス鋼ワイヤ406(個々のステンレス鋼線材404より大きな直径及び引張強さを有する)は、張力構造104を更に補強するため図6Bで示すリサイクルゴム又はプラスチックの固体シート又は織り糸402に埋め込まれる。ステンレス鋼線材404及び高強度ステンレス鋼ワイヤ406は、図6Aに示すように、張力構造104のゴム又はプラスチックの固体シート又は織り糸402の格子パターンに織り交ぜられるようにしても良い。格子パターンは、張力構造104の長さと幅(又は端に)を伸展する。
【0023】
張力構造104は、上端106及び下端108を有する。下端108は、水域52の下の海底50に下端108を固定するための複数のアンカー点110A−110Lを有する。アンカは、海底床、グラウトが注入された高強度ケーブル地中アンカ、重量コンクリート床等の杭基礎を含めても良い。図2及び図4に示す潮汐バリアの側面図において、ネット102の一部及びアンカー点110A,110B,110Cは、潮汐バリア100の備品を隠す水域52の中に示されている。
【0024】
ネット102は、張力構造104の下端108と上端106との間に伸展している複数のインナーケーブル112を含んでいても良い(張力構造104に埋め込まれるケーブル406に対応しても良いし、追加するものでも良い。)。インナーケーブル112は、潮汐バリアがここで述べるように展開されたとき、張力構造104を補強する。
【0025】
図6Cに示す他の実施例において、下端108を有する張力構造104は、連続的な鉄筋コンクリート基礎システム510によって海底に連続的に固定することもできる。鉄筋コンクリート基礎システム510は、海底50に沿った図5中有513で示す実線で形成される鉄筋コンクリート基礎512を備えている。実線513は、張力構造104の下端の位置を規定している。鉄筋コンクリート基礎システム510は、更に、鉄筋コンクリート基礎512の中に埋め込まれる複数の防錆のボールソケット形継手514を有している。各継手514の各ソケット515は、鉄筋コンクリート基礎512の開口部516の各所に取り付けられ、開口部は、全体として、鉄筋コンクリート基礎512の長さに沿って溝又は連続開口部516を形成する。各継手514のソケット515に保持されたボール517は、張力構造104のインナーケーブル112の一又は複数の下端に固定され、張力構造104の下端108は、溝又は連続開口部516の中に配置される。張力構造104の下端108は、実質的に、鉄筋コンクリート基礎512に差し込まれ、張力構造104の下端108を水が通過しないようにしている。連続溝又は連続開口部516と協働するボールソケット形継手514は、インナーケーブル112と張力構造104のあらゆる方向の動きに対して有効である。剪断スタッド518は、鉄筋コンクリート基礎512のコンクリート材の中でソケット515(そして、各ボールソケット形継手514)の固定を更に補強するために各ソケット515に固定される。杭基礎519は、連続的な鉄筋コンクリート基礎512を海底50に支持し固定するために用いることができる。
【0026】
図2、図3A、図3B、図4、図5及び図6に示すように、ネット102は、更に、張力構造104の上端106に固定されるブラダ114を有している。図1Bにおいて、潮汐バリア100は、上端106が展開していない状態であり、収縮したブラダ114は、海底から浮上した張力構造104によって視界から隠れている。ブラダ114は、空気若しくはガスの所定の体積によって膨張されるゴム、ポリエチレン又は他の材料で形成されている。ブラダ114は、ブラダ114を選択的に膨張収縮させるための図5及び図6Dに502で示すバルブを有している。ブラダ114は、ブラダ114の容積が空気又はガスで膨張されるとき、水域52の水面54に張力構造の上端106を浮上させるだけの十分な容積を有している。
【0027】
張力構造104を展開するために、潮汐バリア100は、図5に示すように、張力構造104の近傍に配設されたポンプ116を有し、ブラダ114のバルブ502と配管接続されている。ポンプ116は、ストレージタンクを通じて直接又は間接的にブラダ114を膨張収縮する。ポンプ116は、ブラダ114を膨張するため空気又は他のガスを圧縮するピストン122を作動するポンプ制御装置120を設けても良い。ポンプは、水域52に配設され、ピストン122に接続された浮上装置504を有していても良い。浮上装置504は、水域52の水位において毎日の潮汐の変化に応じてピストン122を作動する。
【0028】
図5に示すように、測定ブイタンク530は、海上に配設することができ、高い潮位の変化を監視するため、海上の所定エリアに浮揚状態で配設されていても良い。測定ブイタンク530は、水面上昇又は潮位の変化を検出し出力する検潮バロメータ又はセンサ532を設けることができる。測定ブイタンク530は、更に、無線送信器534とセンサ532及び無線送信器534に接続された制御装置536を有していても良い。制御装置536は、ソフトウェア(例えば制御装置のメモリ素子に記憶されたプログラムを実行するCPU等)やハードウェア論理回路(例えば市販の特定用途向け回路(ASIC)装置やプログラマブル論理回路(PAL)等)によって次のようにプログラムされる。
(1)センサ532から水面上昇又は潮位の変化出力を受信する。
(2)出力が所定の閾値を超えたかを判定する。
(3)所定の閾値を超えたとき、無線送信器534を介して警告信号538を送信する。
この実施例において、ポンプ116は、無線送信器534からの警告信号538を受信し、対応警告信号をポンプ制御装置120に出力する無線受信器539を有している。ポンプ制御装置120は、対応警告信号を受信すると、潮汐バリア100を展開するためポンプ116を起動し、また、潮汐バリア100を直ちに展開することを合図する艦船警報装置を起動する。
【0029】
ブラダ114のバルブ502は、バルブ502の開口部を制御するための制御入力を有していても良い。ポンプ制御装置120は、上記水域で潮汐の変化のおそれが過ぎたことを反映した入力信号に応じてブラダ114を収縮させるバルブを開放する制御入力506が供給される。ブラダは、張力構造の上端の一部を少なくとも収縮させたとき、図1及び図2に示すように、海底に留まるために沈降する。
【0030】
ストレージタンク118を潮汐バリア100で使用するとき、ストレージタンク118は、図5で示すように、ストレージタンク118がポンプ116とブラダ114のバルブ502の間で配管接続されるように配置されている。この実施例において、ポンプ116は、保管のためストレージタンクにブラダ114を膨張させるため空気又はガスの気体量を供給する。タンクは、ポンプ制御装置120又は手動レバー(図示せず)からの入力に応じてタンクの中の保管された気体量をブラダ114に供給する出力バルブ119を有し、ブラダ114の容積は、空気がポンプ116に供給されたとき、より速く満たされる。例えば、ブラダ114を最大に満たす量の圧縮空気を保管したストレージタンクは、バルブが開かれると、殆ど即座にブラダ114を満たすためタンクの圧縮空気を全て供給し、張力構造104の上端106を(例えば10分足らずで)その後速やかに水域52の水面54に浮上させる出力バルブ119を有している。しかるに、本発明の潮汐バリア100は、水域52で潮汐の変化又は高潮の脅威に応じて素早く展開させることに適している。
【0031】
一実施例において、ブラダ114は、張力構造104の上端の中に又は沿って埋め込まれる。この実施例において、図5に示すように、張力構造104は、ブラダ114のバルブ502とブラダ114を膨張収縮させるためのストレージタンク又はポンプ116との間においてガス流路又は可撓配管508を画定する。
【0032】
図に示すように、ブラダ114は、複数のブラダを有していても良く、それぞれは、張力構造104の上端106に沿って固定される。各ブラダ114は、それぞれポンプ116又はストレージタンクに接続された可撓配管508又は可撓配管を経由して直列に接続されたバルブ502を有していても良い。各ブラダ114の容積がポンプ116及び/又はストレージタンクを介して空気又はガスによって膨張されたとき、各ブラダ114は、全体として、張力構造104の上端106を、水域52の水面54に浮上させる。この実施例において、ポンプ制御装置120は、各ブラダ114を空気又は他のガスで膨張収縮させるためピストン122を作動させる。
【0033】
図6Dで示す他の実施例において、各ブラダ114の各バルブ502は、別々の配管又は可撓配管508を経由してポンプ116及び/又はストレージタンクと並列に接続されていても良い。この実施例において、各ブラダ114は、ポンプ116及び/又はストレージタンクに直列に接続されたときより速く膨張収縮させることができる。図6Dに示す実施例において、マニホールド550は、全体としてブラダシステム552を有する各ブラダ114に空気又は他のガスを効果的に供給することを通じて、潮汐バリア100の張力構造104の展開を速くするため、潮汐バリア100に使用することができる。マニホールド550は、各ブラダ114に接続された個々の可撓配管508A−508Cの流路によってブラダ114に直接、空気又はガスを分配する一の可撓配管508によってストレージタンク118に接続されている。この実施例において、ストレージタンク118に保管された空気又は他のガスは、効果的に、同時に、ブラダ114にマニホールド550を経由してブラダ114の膨張するため分配され、続いて、潮汐バリア100を展開する。
【0034】
ポンプ116は、太陽光発電装置520、風力タービン522、太陽光発電装置520や風力タービン522等の再生可能エネルギ源に電気的に接続され、電力を供給するようにしても良い。このような再生可能エネルギ源は、潮汐バリア100が展開された水域の水面に又は水上に配設される。
【0035】
図7に示す空気ピストンアクチュエータ602は、潮汐バリアを展開させるため張力構造104の中に又は付設されたブラダ114を膨張させるため空気又は他のガスを圧縮する潮汐バリア100のポンプ116として使用することができる。この空気ピストンアクチュエータ602は、空気ピストンアクチュエータ602が配設される水域52の波作用に応じて上下に変動する浮上システム606に接続されている。浮上システム606は、水面に浮かぶ浮上組立体618と、耐久性のある浮上組立体618を、空気又は他のガスを圧縮する空気ピストン604に直接接続する防錆鉄骨構造614とを有している。静止している防錆鋼シリンダ610は、空気ピストン604の上部605を収納し、浮上組立体618を介して空気ピストン604の動作がもたらすシリンダの内部611で圧縮された空気又は他のガスを収容する空気ピストンアクチュエータ602に用いられる。シリンダ610は、基礎杭等を含む耐久性のある基礎システム612によって海底に固定される。数字616は、ここで更に説明するブラダ114に圧縮された空気又はガスを分配するための潮汐バリア100に用いられるストレージタンク118に接続するパイプ608に、シリンダ610の内部を接続する。図7で示すように、浮上組立体618は、シリンダ610の一面を囲むように又は一面に配設され、シリンダ610の一端から延出する空気ピストン604のシャフト620に接続される。この実施例において、水域52で波作用が起こると、浮上組立体618は、シリンダ610内で空気又はガスを圧縮するため空気ピストン604を動作する(空気又はガスは、シャフトが延出したシリンダの導入孔より周辺の大気からシリンダに取り入れられる)。圧縮された空気やガスは、バルブ616及びパイプ608を通じてストレージタンク118に排出される。
【0036】
図8に示す電磁浮上発電装置800は、張力構造104の中に又は付設されたブラダ114を膨張させるため空気又は他のガスを圧縮する潮汐バリア100のポンプ116に電力を供給するために用いることができる。電磁浮上発電装置800は、ポンプ116に電力を供給する場合を説明しているが、潮汐バリア100の他の電機部品や他の装置に電力を供給するために用いても良い。この電磁浮上発電装置800は、ステンレス鋼といった防錆材料で形成された内部チャンバ802を有し、銅又は鋼等の金属又は金属合金で形成された導電コイル803を収容している。ケーブル又はワイヤ804は、導電コイル803を電源又はポンプ116の入力に電気的に接続する。
【0037】
内部チャンバ802の一端805は、ここで説明する電磁浮上発電装置800のためのハウジング構造にコンクリート杭又は付属装置を介して海底50に固定される。
【0038】
更に、電磁浮上発電装置800は、浮上システム806と、浮上システム806と接続された外部チャンバ808とを有する。浮上システム806は、外部チャンバ808を電磁浮上発電装置800が配設された水域52の波作用に応じて上下に変動させる。外部チャンバ808は、鋼又は他の防錆材料により形成されている。浮上システム806は、水域52の水面54に浮かぶ浮上組立体810と、外部チャンバ808に浮上組立体810を直接接続する防錆材料により形成された構造812とを有する。浮上組立体810は、外部チャンバ808の一面を囲むように又は一面に配設しても良い。
【0039】
図8で示すように、一又は複数の永久磁石814は、外部チャンバ808の一又は複数の内壁816に配設されている。外部チャンバ808は、少なくとも導電コイル803が設けられた内部チャンバ802が挿入され又は収納している。永久磁石814は、導電コイル803に対して周期的に相対して位置される。
【0040】
磁界の中又は内外での導電コイル803の動きは、対応するAC電流を導電コイル803に生成し、ポンプを駆動するための電気をケーブル804に供給する。図8に導電コイル803の一端に接続されたケーブル804を示す。ケーブル804内の一のワイヤは、導電コイル803の一端に接続され、ケーブル804内の他のワイヤは、導電コイル803の他端に接続することができ、ケーブル内の両方のワイヤは、交流電源回路を構成するため電源又はポンプ116の入力に電気的に接続される。
【0041】
一実施例において、電磁浮上発電装置800は、ステンレス鋼又は他の防錆材料から形成されたハウジング818を有する。ハウジング818は、内部チャンバ802、外部チャンバ808及び浮上システム806を収納する。ハウジング818の一端820は、ケーシング824に充填されているコンクリート826で海底50に埋め込まれるケーシング824を有する耐久性のある基礎システム822を介して海底50に固定され、更に、海底50に電磁浮上発電装置800を固定している。この実施例において、内部チャンバ802の一端805は、ハウジング818又はケーシング824に固定されている。ハウジング818は、ハウジング内に水が流れ込むようにする一又は複数の開口部828を形成し、ハウジング内の水位は、浮上システム806の上下動がもたらす波作用によって変化し、図8の矢印832によって示される波作用によってもたらされる浮上システム806及び内部チャンバ802の中心軸830に沿った永久磁石814が設けられた外部チャンバ808の上下動によって変化する。ハウジング818は、潮汐バリア100のより大きなパイロンのエンドアンカー124A,124Bに組み込み又は一部とすることができる。複数の電磁浮上発電装置800やスチール基礎ケーシング824は、各パイロン124A,124Bで使用することができる。ハウジング818を固定するのに用いる各ハウジング818及び基礎ケーシング824は、十分な厚みを有する鋼鉄又が他の高強度材料により構築される。そして、電磁浮上発電装置800は、浅海域52の電磁浮上発電装置800において横方向からの波作用や波力に耐性を有する。
【0042】
図1−図5に戻り、潮汐バリア100は、海底50に関連して固定された複数のパイロン124A,124Bを有していても良く、パイロン124A,124Bは、図2に示すように、水域が所定の深さ(d)を有するとき、水域52の水面上に所定の高さ(h)に立設される。例えば、所定の深さ(d)は、歴史的に見た平均深さに基づき、所定の高さ(h)は、以前の又は予測された潮汐変化や高潮に基づく水域52の深さの平均的増加に基づくものである。
【0043】
図1−図5に示す実施例において、2つのパイロン124A,124Bは、水際又は海岸線の近くの水域52の向かい合う両岸で使用され配置される。この実施例において、ネット102は、図3−図4に最も良く示されているように、張力構造104の上端106の長さに沿って付設され延在されるトップケーブル126を有する。トップケーブル126は、一端128を一方のパイロン124Aに付設又は固定し、他端130を他方のパイロン124Bに付設又は固定し、一又は複数のブラダ114が膨張し、張力構造104の上端が水域の水面に浮上すると、張力構造の上端は、(例えば潮汐の変化や高潮に関連した)一方のパイロンから他方のパイロンに亘って水域の潮流によって弧状をなして伸展する。ここで詳述されるように、潮汐バリアは、展開され図3及び図4に示すように潮流でネット102の一方の側の水域の水位が上昇したとき、張力構造104の上端106は、対応して張力構造104を浮上させ、潮流の方向(図4中矢印136参照)に懸垂線のような弧状をなし、水位の上昇によって潮流がネット102の一方の側132を超えて他方の側134に通過することを抑制する。潮汐の変化又は高潮が起こった場合、ピークに、パイロン124A,124Bの所定の高さ(h)を超える深さ(d)の水位に上昇すると、潮汐バリア100の展開された張力構造104は、内陸運河においてネット102の他方の側134のピークを「削り落とす」。
【0044】
張力構造104の主な力は、ネット102及び張力構造104が展開した間、(例えば海側から)受ける潮汐の変化や高潮からネット102の一方の側132と潮汐の変化や高潮から保護する潮汐バリア100を支える内陸運河の水域と関連した他方の側134との間での(図4に良く示すような)異なる水位に基づく流体静力学的不均衡と同様な抵抗をもたらす。結果として生じる懸垂線の円弧(図3−図5に示す)は、これらの加わった力に対する直接の反応である。ネット102や張力構造104の湾曲は、潮汐の変化や高潮をネット102やパイロン124A,124Bの位置で受けたとき、内陸運河入口深さ(d)に基づく。浚渫は、潮汐の変化又は高潮に対する抵抗となるネット102や張力構造104の最適なドレープを提供する。結果として、ネット102や張力構造104で要求される最小の構造材を用いて最大の抵抗をもたらす。
【0045】
図示しないが、センサは、警戒レベルの高潮の接近を示したとき、潮汐バリア100は、一又は複数のブラダ114が(ポンプ116又はストレージタンク118を介して)膨張され、続いて、張力構造104の上端106が水域52の水面54に浮上し、張力構造104が水際(例えばパイロン124A,124Bの間)から海底52に亘って懸垂線のような弧状をなすように伸張されることで、展開される。潮汐の変化又は高潮がおさまり、潮汐バリア100がもはや必要なくなったとき、ブラダ114は、(例えばポンプ制御装置120によって)収縮され、そして、張力構造104(又は少なくとも中央部分)が沈降し、海底50に留まる。
【0046】
以上、本発明の様々な実施例を説明したが、当業者であれば、より多くの実施の形態や実施が本発明の主旨に含まれることは明らかであろう。ゆえに、本発明は、添付された請求項とその均等物を考慮すること以外は限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端と下端とを有し、下端に水域の海底に該下端を固定する複数のアンカー点が設けられている張力構造を有するネットと、
上記上端に固定され、ガスによって膨張されたとき上記水域の水面に上記張力構造の上端を浮上させるだけの十分な容積を有し、選択的に膨張収縮させるバルブが設けられたブラダと、
上記張力構造の近傍に配設され、上記ブラダのバルブと配管接続されたポンプと
を備える潮汐バリア
【請求項2】
上記張力構造は、270ksi(1865MPa)と同等若しくは大きい引張強さ有する材料で形成されている請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項3】
当該潮汐バリアは、鋼線で強化されたゴム、鋼線で強化されたプラスチック、カーボンファイバ、若しくは、ポリ塩化ビニルで被覆されたポリエチレンテレフタレート糸で織られた織物である請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項4】
上記ネットは、更に、上記張力構造の上端と下端との間に伸展された複数のインナーケーブルを有し、
上記インナーケーブルは、上記ブラダの容積が膨張し、対応して、上記張力構造の上端が上記水域の水面に浮上したとき上記張力構造の引張強さを補強する請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項5】
上記ブラダは、上記上端に沿って上記張力構造と一体化されている請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項6】
上記張力構造は、上記ブラダのバルブと上記ポンプとの間のガス流路を画定する請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項7】
上記ブラダは、複数のブラダを有しており、上記張力構造の上端に沿って固定され、各ブラダが選択的に膨張収縮するためのバルブを有し、
上記各ブラダは、全体として、上記各ブラダの容積がガスで膨張されたとき上記水域の水面に上記張力構造の上端を浮上させる容積を有する請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項8】
上記ポンプは、上記ブラダのバルブと配管接続されており、
上記ポンプは、上記各ブラダを選択的に膨張収縮させる制御装置を有している請求項7記載の潮汐バリア。
【請求項9】
更に、上記水域が所定深さを有するとき、それぞれ海底に固定され互いに関係した構造で上記水域の水面上に所定高さに立設された複数のパイロンを備え、
上記ネットは、更に、上記上端に固定され上記張力構造の上端の長さを有するトップケーブルを備え、
上記トップケーブルは、一端が一方の上記パイロンに付設され、他端が他方の上記パイロンに付設され、
上記ブラダの容積が膨張し、対応して、上記張力構造の上端が上記水域の水面に浮上すると、上記張力構造の上端は、一方のパイロンから他方のパイロンに亘って上記水域の水流によって弧状をなして伸展する請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項10】
上記ネットの一方の側において上記水域の水位が水流によって上昇したとき、上記張力構造の上端は、対応して、上記張力構造を浮上させて、上記水流の方向に懸垂線のような弧状をなし、水位の上昇によって水流が上記ネットの一方の側へ超えて通過することを抑制する請求項9記載の潮汐バリア。
【請求項11】
更に、上記ポンプと上記ブラダのバルブとの間に配管接続されるタンクを備え、
上記ポンプは、保管のため上記タンクにブラダの容積を膨張させる気体量を供給し、
上記タンクは、入力に対応して上記ブラダに、保管された気体量を供給する出力バルブを有する請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項12】
上記ポンプは、該ピストンが作動すると上記タンクにガスとしての空気を圧縮するピストンと、
上記ピストンと接続され、上記水域に配設される浮上装置とを有し、
上記浮上装置は、上記ピストンを上記水域の水位の潮汐の変化に応じて作動する請求項11記載の潮汐バリア。
【請求項13】
上記ブラダのバルブは、上記バルブを開放することを制御する制御入力を有し、
ポンプ制御装置は、上記水域で潮汐の変化のおそれが過ぎたことを反映した入力信号に応じて上記ブラダを収縮させる上記バルブを開放する上記制御入力が供給される請求項11記載の潮汐バリア。
【請求項14】
上記ブラダは、上記張力構造の上端の一部を少なくとも収縮させたとき、上記海底に留まるために沈降する請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項15】
上記ブラダは、複数のブラダを有しており、それぞれが上記張力構造の上端に沿って固定され、各ブラダが選択的に膨張収縮ためのバルブを有し、
上記各ブラダは、全体として、上記各ブラダの容積がガスで膨張されたとき上記水域の水面に上記張力構造の上端を浮上させる容積を有し、
当該潮汐バリアは、更に、
一の入力と複数の出力とを有し、各出力が上記複数のブラダのそれぞれと配管接続されたマニホールドと、
上記ポンプと上記マニホールドの入力とを配管接続し、上記ポンプが、保管のため上記タンクにブラダの容積を膨張させる気体量を供給し、上記マニホールドを経由して、入力に応じて上記ブラダに、保管された気体量を供給する出力バルブを有するタンクと
を備える請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項16】
更に、潮汐バリアのネットから所定距離離れた水面に浮かぶ測定ブイタンクを備え、
上記測定ブイタンクは、潮位の変化を検出し出力する検潮センサと、
無線送信器と、
上記検潮センサと上記無線送信器とに接続され、上記検潮センサからの潮位変化出力を受信するようにプログラムされ、上記潮位変化出力が所定の閾値を超えるかどうかを判定し、所定の閾値を超えるとき、警告信号を上記無線送信器を介して送信する制御装置と
を有する請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項17】
上記ポンプは、上記無線送信機からの上記警告信号を受信し、対応警告信号を上記ポンプ制御装置に出力する無線受信器を有し、
上記ポンプ制御装置は、上記対応警告信号を受信すると、上記ブラダを膨張させるためポンプを駆動する請求項15記載の潮汐バリア。
【請求項18】
更に、上記海底に沿って配設される連続的なコンクリート製基礎システムを備え、
上記連続的なコンクリート製基礎システムは、上記張力構造の下端を上記海底に実質的に差し込み固定している請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項19】
上記ネットは、更に、上記張力構造の上端と下端との間に伸展された複数のインナーケーブルを有し、
上記インナーケーブルは、上記ブラダの容積が膨張し、対応して、上記張力構造の上端が上記水域の水面に浮上したとき上記張力構造の引張強さを補強し、
上記コンクリート基礎システムは、上記海底に沿って成形されたコンクリート基礎と、
上記コンクリート基礎に埋設されたボールソケット形継手とを有し、
上記各ボールソケット形継手の各ソケットは、上記コンクリート基礎の長さに沿った連続開口部の各部に設けられ、
上記各ボールソケット形継手のソケットの保持されるボールは、上記張力構造の下端が上記コンクリート基礎の連続開口部に配設されるように、上記各インナーケーブルの下端に固定される請求項18記載の潮汐バリア。
【請求項20】
更に、上記ポンプを駆動するため上記ポンプに電気的に接続された太陽光発電装置と風力タービンの一つを有する請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項21】
更に、上記ポンプに電力供給する電磁浮上発電装置を備え、
上記電磁浮上発電装置は、一端に上記ポンプに電気的に接続された導電性コイルが設けられ、一端が上記海底に固定された内部チャンバと、
上記水域の水面に浮かぶ浮上組立体が設けられた浮上システムと、
上記電磁浮上発電装置が配置された上記水域の波作用に応じて上下に変動する上記浮上システムに接続された外部チャンバと、
上記外部チャンバの内壁に設けられる永久磁石とを備え、
上記外部チャンバは、上記導電性コイルが設けられた内部チャンバの少なくとも一部を収納すると共に相対的に変位し、少なくとも上記導電性コイルの一部は、上記水域の波作用に応じて上下に変動する上記外部チャンバの上記永久磁石によって生成された磁界中で効果的に変位し、上記導電コイルに電流を生成する請求項1記載の潮汐バリア。
【請求項22】
更に、上記内部チャンバと上記外部チャンバと上記浮上システムとを収納するハウジングを備え、
上記ハウジングは、一端が上記海底に固定され、該ハウジング内に水が流入するようにする一又は複数の開口部が形成され、上記ハウジング内での水域の高さは、波作用によってもたらされる上記浮上システム及び内部チャンバの中心軸に沿った上記永久磁石が設けられた上記外部チャンバの上下動によって変化する請求項21記載の潮汐バリア。
【請求項23】
上端と下端とを有し、下端に水域の海底に該下端を固定する複数のアンカー点が設けられている張力構造を有するネットと、
上記上端に固定され、ガスによって膨張されたとき上記水域の水面に上記張力構造の上端を浮上させるだけの十分な容積を有する該ブラダを選択的に膨張収縮させるバルブが設けられたブラダと、
上記張力構造近傍に配設され、上記ブラダのバルブと配管接続されたポンプと、
上記ポンプと上記ブラダのバルブとの間に配管接続されるタンクとを備え、
上記ポンプは、保管のため上記タンクにブラダの容積を膨張させる気体量を供給し、
上記タンクは、入力に対応してブラダに、保管された気体量を供給する出力バルブを有する潮汐バリア。
【請求項24】
水域に配設されたブラダを膨張させるポンプにおいて、
上記ポンプは、ピストンと、
上記水域に配設され上記ピストンと接続され、上記水域での潮汐の変化に対応させて上記ピストンを作動する浮上システムと
を備えるポンプ。
【請求項25】
上記ピストンの一端に設けられ、上記浮上システムを介して上記ピストンを作動させる圧縮空気を収容するシリンダを備え、
上記シリンダは、上記ブラダに圧縮空気を分配するバルブを有し、
上記浮上システムは、上記水域の水面に浮かぶ浮上組立体を有すると共に、上記ピストンに上記浮上組立体を直接接続する構造を有する請求項24記載のポンプ。
【請求項26】
ブラダを膨張させるポンプに電力供給する電磁浮上発電装置において、
上記電磁浮上発電装置は、一端に上記ポンプに電気的に接続された導電性コイルが設けられ、一端が海底に固定された内部チャンバと、
上記水域の水面に浮かぶ浮上組立体が設けられた浮上システムと、
上記電磁浮上発電装置が配置された上記水域の波作用に応じて上下に変動する上記浮上システムに接続された外部チャンバと、
上記外部チャンバの内壁に設けられる永久磁石とを備え、
上記外部チャンバは、上記導電性コイルが設けられた内部チャンバの少なくとも一部を収納すると共に相対的に変位し、少なくとも上記導電性コイルの一部は、上記水域の波作用に応じて上下に変動する外部チャンバの上記永久磁石によって生成された磁界中で効果的に変位し、上記導電コイルに電流を生成する電磁浮上発電装置。
【請求項27】
更に、上記内部チャンバと上記外部チャンバと上記浮上システムとを収納するハウジングを備え、
上記ハウジングは、一端が上記海底に固定され、該ハウジング内に水が流入するようにする一又は複数の開口部が形成され、上記ハウジング内での水域の高さは、波作用によってもたらされる上記浮上システム及び内部チャンバの中心軸に沿った上記永久磁石が設けられた上記外部チャンバの上下動によって変化する請求項26記載の電磁浮上発電装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−501866(P2013−501866A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524859(P2012−524859)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/045268
【国際公開番号】WO2011/019873
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(509311850)スキッドモア オーウィングス アンド メリル リミテッド ライアビリティ パートナーシップ (8)
【Fターム(参考)】