説明

濃縮された界面活性剤の直接組み込みを用いる洗浄組成物の製造方法

本出願の提案されている方法は、ラメラ相中の濃縮された界面活性剤を高せん断装置に通過させ、かかる界面活性剤を高粘性の中相を形成させずに等方相に希釈する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮された界面活性剤の直接組み込みを用いる洗浄組成物の製造方法を記載する。
【背景技術】
【0002】
洗浄組成物中で使用される多くの一般的な界面活性剤は、濃縮形態での取り扱いが困難である。特に、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートなどのいくつかの界面活性剤は、約30重量%〜60重量%の範囲の界面活性剤の水中濃度では、許容し得ないほど粘稠なゲル相又は「中相」を呈する一方で、ある程度より高い濃度では、粘性は高いものの流動可能であるラメラ相を呈することが周知である。
【0003】
運輸及び貯蔵コストを抑えるために、濃縮形態でこれらの物質を取り扱うことが好ましい。しかしながら、ラメラ相を等方相に希釈するためには、中相又は中間相の生成を回避すべく注意を払わなければならない。いったん中相が形成されると、混合動態が緩慢であることに更に起因し、この高粘稠相を希釈するのに数時間〜数日かかることから、工業規模での、単純なインペラ混合によるラメラ相の希釈を非実践的なものにしてしまう。多くの場合、高エネルギー装置が用いられて、中間体組成物の局所域をこれらが破壊困難な中相を形成してしまう前に破壊するが、成分添加において中相に組成物が位置するのを避けるべく注意を払わなければならない。
【0004】
ラメラ界面活性剤に第二の物質を添加して中相を抑制するためのいくつかのアプローチが当該技術分野において開示されており、通常は米国特許第5,635,466号にて議論されているものなどのヒドロトロープであるが、米国特許第5,958,868号にて議論されているものなどの他の界面活性剤及び特開第2002−038200A号広報などの微細化空気もまたいくつかの限られた用途で有効であると開示されている。
【0005】
別の物質を添加して望ましくない中相を抑制する場合のほとんどにおいて、通常の解決法は、Seifen,Oele,Fette,Wachse(1977),103(16),465−6 CODEN:SOFWAF:ISSN 0173−5500に開示されているようなBran−Luebbeなどの特殊な希釈剤を用いてラメラ相を水に非常に注意深く希釈することである。この操作では、特殊なポンプで水及びラメラ界面活性剤を精確な流量比にて高せん断装置の中に供給して、固定された濃度、典型的には約25%に界面活性剤を希釈する。水への高せん断希釈についてのこのアプローチは、米国特許出願公開第2008/0139434(A1)号に議論されているようなラメラ界面活性剤配合物に拡張することができるが、この配合物を使用することは必ずしも、全ての製品に対して、配合された界面活性剤の組成比を特定の値にて行うことに固定するものではない。低粘度の水相、高粘度の界面活性剤相、並びに、相図の中相の組成物を生じる流量比を厳格に避ける必要に起因して、非常に特殊なポンプが必要とされる。実際、いくつかの状況では、特殊な希釈システムへの必要性が、高活性形態の界面活性剤を洗浄製品製造施設に輸送するコストを上回り、そのため、界面活性剤は希釈形態でのみ製造される。
【0006】
興味深いことに、当該技術分野において開示されている全ての界面活性剤希釈方法において希釈媒質は主に水であるが、これはおそらく、水相中に存在する他の成分が、予測できないやり方で化学相及び混合動態を変えることができるからである。低い最終界面活性剤濃度にて組成物を製造するときは特に、希釈工程の分離は、操作の不確実性を低減させるための論理的選択である。しかしながら、界面活性剤希釈時に水相中に他の成分が大量にあることが実際に好ましい状況は存在する。
【0007】
驚くことに、希釈操作時に流量比の制御のために注意が払われるならば、洗浄組成物の一般的な成分の多くが、濃縮されたラメラ界面活性剤の希釈の成功にとって実際には障壁ではないことが判明した。実際、これらの水性成分の粘性構築態様は、中間相形成を避けることが重要である流量比の制御を改善することができる。本発明において実行するための鍵となる打開策は、界面活性剤相挙動における、ただの水よりも多くを含む水相の影響の理解、並びに、したがって、混合装置を出る洗浄組成物に対する許容可能な洗浄組成物又は基剤をもたらす流量比の範囲の理解である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,635,466号
【特許文献2】米国特許第5,958,868号
【特許文献3】米国特開第2002−038200A号
【特許文献4】米国特許出願公開第2008/0139434(A1)号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Seifen,Oele,Fette,Wachse(1977),103(16),465−6 CODEN:SOFWAF:ISSN 0173−5500に開示されているようなBran−Luebbe
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、別個の希釈操作の必要をなくし、洗浄組成物中の様々な成分の、相対的組成における最大限の柔軟性を可能にする。当業者であれば、本明細書に記載の方法が、ラメラ相の希釈に対して通常は厳格に使用される水の、ポリマー水和などの他の目的での使用を、あるいは、洗浄組成物中への他の成分のより容易な混合を、可能にすることを理解するであろう。いくつかの状況では、本方法はまた、低温加工で最終洗浄組成物を得るのを可能にし得る。更に、高濃度の界面活性剤が最終洗浄組成物において所望される場合、本方法は、他の成分をより高濃度で洗浄組成物に包含させ、及び、これらの成分を遅れて添加することにより、現行技術に対する改善を示し、これにより、より広範囲の、見込まれる処方と、及び製造施設における操作ロジスティクスとを可能とする。方法で成分をより後工程で添加することは、せん断感応性成分に対して、並びに、互いにほんのわずかに異なる複数の製品を製造する際の操作ロジスティクスの改善に対して、役立つものであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本出願は、水と、アニオン性界面活性剤、共界面活性剤、コンディショニングポリマー、沈着ポリマーから選択される少なくとも1つの他の成分と、を含む水相を供給する工程、ラメラ相中に界面活性剤を供給する工程であって、ラメラ相がラメラ相中に約50%〜約80%の活性界面活性剤を含む工程、並びに、前記水相と前記ラメラ相の流量比にて、高せん断装置において前記水相を前記ラメラ相と組み合わせて前記液体洗浄組成物を生成する工程であって、前記液体洗浄組成物が1mmの長さスケールにて均質であり、かつ1/secのせん断速度にて100Pa−s未満の粘度を有する工程、を含む、液体洗浄組成物の製造方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】29%のラウリル硫酸ナトリウム及び(ラメラの)70%のラウレス−1硫酸ナトリウムについての相図。
【図2】相図内での理論的な動きが既知の方法並びに本明細書で記載及び請求されている方法について示されている、図1の相図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願の提案されている方法は、ラメラ相中の濃縮された界面活性剤を高せん断装置に通過させ、かかる界面活性剤を高粘性の中相を形成させずに等方相に希釈する。
【0014】
更に、提案されている方法においては、注意深く水相とラメラ相の流量比を制御すれば、ラメラ相を、高エネルギー混合を介して洗浄組成物に直接希釈することが、すなわち、ラメラ相流中の濃縮された界面活性剤を、水以外の成分を既に含有する水相流と組み合わせることが可能であることが判明した。実際、水相中の水ではない成分の存在は、水相のポンプ能力を改善し、重要な希釈操作を行うことができる装置の範囲を広げ、その結果、希釈工程は、他のより定常的な工場操作と共有の装置で実行することができる。
【0015】
希釈の成功につながる流量比に対し、これらの水ではない水相成分が持つ影響を定量することが、本発明において重要である。これは、好ましくは、製品製造を目的とする実際の装置を用いて、あるいは、研究実験施設において一般に見られるような縮小型の製造設備で、定量される。本アプローチでは、下記の実施例において示すように、提案される水相及びラメラ界面活性剤を、水相対ラメラ相の異なる流量比にて高せん断混合装置内に送る。ミキサーを出た組成物は次に回収され、分析されて、検討中の各流量比についての希釈実験の成功を判定される。
【0016】
希釈の成功とは、水相流と濃縮された界面活性剤のラメラ相流との組み合わせから生じる流れが1mmの長さスケールにて均質であり、下流の加工操作のために十分に流動可能であるように1/secのせん断速度にて100Pa−s未満の粘度を呈することを意味する。所望の均質性を達成するのに最小限のエネルギーが必要とされ、当業者であれば、この最小限のエネルギーは、使用される高エネルギーミキサー並びに調査される組成物によって決まることを理解するであろう。粘度が測定される温度は、製造時の生産ラインにおける希釈操作の温度にて最良に評価される。1つの構成相(例えば、高融点成分)の流動性を促進するなどのために、流入する2つの流れの温度が異なる場合には、組み合わされた組成物の温度が適切な温度である。例えば、室温にて行われる方法であれば、粘度は25℃にて測定されることになる。加工温度が高ければ、粘度は25℃よりも高い温度、例えば、40℃にて測定されることになる。
【0017】
当業者であれば理解するであろうが、本発明はある範囲の流量比にわたって機能することができるが、多くの場合、特により多く濃縮された洗浄組成物については、流量比をできるだけ低く維持して希釈方法に必要とされる水相の量を最小化することが望ましい。したがって、「最小限の流量比」(MFR)は、先行する段落に記載の粘度閾値にちょうど一致する比として定義される。
【0018】
一実施形態では、流量比は、高濃度(組成物の重量の20重量%超)の界面活性剤を含む洗浄処方について測定することができる。図1は、添加時ベースで出した、70%のラウレス−1硫酸ナトリウム(SLE1S)と29%のラウリル硫酸ナトリウムと水との混合物についての相挙動を示す。
【0019】
図1の、水と29%のラウリル硫酸ナトリウムと(ラメラの)70%のラウレス−1硫酸ナトリウムとの三部混合物の表示から、ある範囲の組成物にゲル相が生じるのを理解することができる。この「中相」(1)は、高粘稠であり、溶解しにくく、この相が生成された場合には製造方法において過剰なエネルギー及び時間の消費が必要とされることになる。他の相は、ラメラ(2)及び等方(3)相を含む。本明細書に記載の方法の一実施形態では、SLE1Sは、「中相」を避けるようなやり方で水相混合物に導入される。
【0020】
高せん断装置内の界面活性剤の活性濃度は、等方相と中間相との間の境界よりも低くなければならず、また、この境界は、一部の水相成分の濃度に強く依存し得る。逆に、流量比が界面活性剤を過度に希釈するものである(水が多い)場合、最終製品において界面活性剤の所望の活性を達成することはできない。典型的には、高せん断装置への流量比は、検討中の組成物について1.0〜3.0のMFRである。
【0021】
図2においては、本方法が界面活性剤の希釈における先行方法とどのように比較されるか、並びに、本明細書に記載の方法が、最初にラメラ界面活性剤を希釈する従来方法を用いる場合には不可能であるいくつかの高濃度界面活性剤組成物(組成物の重量の20重量%超)(4)をどのように可能にするのかに留意されたい。
【0022】
本明細書で使用するとき、「高せん断装置」は、混合物が装置を通過する際に、混合物に最小限(例えば3kJ/kg)のエネルギー密度を付与するものである。回転装置(例えば、IKAローター−ステーターミル)については、これは、質量流量でパワードローを除算することにより概算することができる。静的装置(例えば、静的ミキサー又はSONOLATOR(登録商標))については、エネルギー値は、装置にわたる圧力損失を物質密度で除算することで計算することができる。一実施形態では、高せん断装置は、ローター/ステーターミル又は同様の動的ミキサーであり、流体は約0.1mm〜約20mmのギャップを通過し、回転の先端速度は1秒当たり約5〜約50メートルで設定され得る。別の実施形態では、高せん断装置は、静的ミキサーとして選択される。「静的ミキサー」とは、そのエネルギー散逸が物質の流れから装置を通じて自然に生じる混合装置を意味し、装置を通じて付与されるエネルギー密度は10〜10,000J/kgである。
【0023】
一実施形態では、記載の方法は、混合装置を1回通過させて行う。別の実施形態では、ラメラ界面活性剤を再循環ラインに添加し、再循環ラインで高せん断装置から出たものを回収し、追加のラメラ活性剤との制御された流量比で高せん断装置内に再循環させる。別の実施形態では、ラメラ界面活性剤は、再循環ラインで添加される。別の実施形態では、水相は再循環ラインに少なくとも部分的に添加される。別の実施形態では、水相は高せん断装置を少なくとも部分的に通過し、高せん断装置の後に液体洗浄組成物に少なくとも部分的に添加される。
【0024】
本明細書に記載の方法から生じる洗浄組成物は、濃縮された洗浄組成物として価値を有する。本明細書で使用するとき、「濃縮された」は、本方法で得られる洗浄組成物が、1/2〜1/3の使用レベルにて、同様の性質の従来の洗浄組成物以上の性能を提供することを意味する。
【0025】
好適な洗浄組成物としては、シャンプーなどの毛髪洗浄組成物、身体洗浄組成物及び手洗い石鹸組成物が挙げられる。
【0026】
本発明は、ヒドロトロープが中相を抑制する必要を低減させる又は取り除くことができるが、当業者であれば、本発明がいずれかの相中に存在するか又は後に添加されて最終製品の粘度を制御するヒドロトロープと共に使用できることを理解するであろう。相図におけるヒドロトロープ及びMFRの影響は、上記と同じ技術で評価することができる。本発明で使用する場合、用語「有機溶媒」及び「ヒドロトロープ」は、当該技術分野において有機溶媒又はヒドロトロープとして認識されているような物質を包含する。有機溶媒の例としては、クレンジング用途にて使用されるようなものが挙げられ、かつアルコール、グリコール、エーテル、エーテルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。典型的なヒドロトロープとしては、クメン、キシレン及びトルエンスルホネート、及びこれらの混合物を挙げることができる。溶媒及びヒドロトロープ両方の例は一般に、McCutcheon’s,Detergents and Emulsifiers,North American edition(1986),published by Allured Publishing Corporation;and in McCutcheon’s Functional Materials,North American Edition(1992)に記載されている。
【0027】
ラメラ相中の濃縮された界面活性剤
本明細書での使用に好適なラメラ相中の濃縮された界面活性剤は、式ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mのアルキル及びアルキルエーテルサルフェートが挙げられ、式中、Rは約8〜約18個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは1〜10であり、Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリエタノールアミンカチオンなどの水溶性カチオン又は2つのアニオン性界面活性剤アニオンを備えた二価のマグネシウムイオンの塩である。
【0028】
アルキルエーテル硫酸塩は、エチレンオキシド及び約8〜約18個の炭素原子を有する一価アルコールの縮合生成物として調製されてよい。アルコールは、例えばココヤシ油、パーム油、パーム核油、若しくはタローなどの脂肪から誘導され得るか、又は合成であり得る。
【0029】
本明細書において使用に好適である追加のアニオン性界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸塩モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸塩ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、トリデセス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
一実施形態では、ラウレス硫酸アンモニウム又はラウレス硫酸ナトリウムが用いられ、エチレンオキシドの縮合生成物は、平均で1分子当たり0.7〜3モルのエトキシ部分を生じる。一実施形態では、平均で1分子当たり1モルのエトキシ部分を有するラウレス硫酸アンモニウム又はラウレス硫酸ナトリウムが選択される。
【0031】
水相組成物
水に加えて、水相は、追加のアニオン性界面活性剤、コンディショニングポリマー、沈着ポリマー、共界面活性剤、コンディショニング剤、構造剤、乳白剤、芳香剤又は他の任意成分などの洗浄組成物中の他の成分を含む。
【0032】
一実施形態では、本組成物は、組成物の重量の約3重量%〜約40重量%の、又は約5重量%〜約25重量%の、又は約10重量%〜約20重量%の、又は約3重量%〜約15重量%の、又は約3重量%〜約10重量%の、アニオン性界面活性剤を(ラメラ相中の濃縮された界面活性剤の他に)含む。
【0033】
アニオン性界面活性剤としては、エトキシル化若しくは非エトキシル化のいずれかである、分枝鎖及び非分枝鎖型のデシル及びウンデシルアルキルサルフェート;デシルアルコール変性ラウリルサルフェート;Clariant Companyにより販売されているC13〜C17の範囲の鎖長を有するパラフィンスルホネート;エトキシル化若しくは非エトキシル化状態の、LIAL(登録商標)及びNEODOL(登録商標)アルキル又はアルコールサルフェートとして通常知られている炭素鎖長C12〜C17を有する、直鎖及び分枝鎖アルコールサルフェートの混合物;ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテルサルフェートの、又は、ヒドロキシエチル−2−デシルエーテルサルフェートの、ナトリウム塩(株式会社日本触媒製、いずれか又は両方が、本明細書で「NSKKエトキシサルフェート」と称される);モノエトキシル化ラウリルアルキルサルフェート;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
コンディショニングポリマー
本明細書で水相に好適なコンディショニングポリマーは、カチオン性ポリマーを含有し得る。好適なカチオン性ポリマーは、洗浄組成物の目的用途でのpHにて、少なくとも約0.3meq/g、典型的には少なくとも約0.5meq/g、通常は少なくとも約0.7meq/gであるが、また、一般には約7meq/g未満、典型的には約5meq/g未満である、カチオン電荷密度を有する。組成物の目的用途のpHは一般に、pH約3〜pH約9、典型的にはpH約4〜pH約8の範囲である。好適なカチオン性ポリマーは一般に、約1,000〜約10,000,000、典型的には約10,000〜約5,000,000、通常は約20,000〜約2,000,000の範囲の平均分子量を有する。特に指示のない限り、本明細書で使用するとき、全ての分子量は、グラム/モルで表される重量平均分子量である。
【0035】
重量平均分子量は、以下の条件でゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)を使用して測定することができる。Alliance HPLC(Waters 2695分離モジュール)を使用し、2本のヒドロゲルカラム(Waters Ultrahydrogel Linear 6〜13μm、7.8×300nm GPCカラム、部品番号011545)を直列につなぎ、カラム温度30℃、流速0.9mL/分で、Viscotekモデル300 TDA(トリプル検出器システム)、光散乱検出器(単一角度、90°)、粘度検出器、及び屈折率検出器を使用し(検出器温度は全て30℃)、注入量25〜100μL、dn/dc=0.147で、American Polymer Standards CorporationのプルランナロースタンダードP−800(Mw=788,000)を使用して作った方法を用いる。GPC法による重量平均分子量の測定に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2003/0154883(A1)号に記載されている。
【0036】
本明細書で使用するとき、「電荷密度」という用語は、ポリマーが構成されるモノマー単位における正の電荷数と上記モノマー単位の分子量の比を指す。ポリマー分子量により乗じた電荷密度は、所与のポリマー鎖における正に荷電した部位の数を決定する。
【0037】
好適なカチオン性ポリマーは、第四級アンモニウムのようなカチオン性窒素含有部分又はカチオン性プロトン化アミノ部分を含有し得る。カチオン性プロトン化アミンは、組成物の特定の化学種及び選択したpHに応じて、第一級、第二級又は第三級アミン(典型的には、第二級又は第三級)であり得る。カチオン性ポリマーに関連して、いかなるアニオン性対イオンを使用することもできるが、そのポリマーが、水、洗浄組成物、又は洗浄組成物のコアセルベート相に可溶なままであること、また、その対イオンが、洗浄組成物の成分と物理的及び化学的に適合性があり、そうでなければ製品の性能、安定性又は審美性を過度に損なわないことを条件とする。そのような対イオンの非限定例には、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、サルフェート、及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0038】
このようなポリマーの非限定例は、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary,3rd edition(Estrin,Crosley,and Haynes,The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.,Washington,D.C.1982)に記載されている。適したカチオン性ポリマーの非限定例には、カチオン性プロトン化アミン又は第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、又はビニルピロリドンのような水溶性のスペーサーモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0039】
本明細書の組成物のカチオン性ポリマーに包含される適したカチオン性プロトン化アミノ及び第四級アンモニウムモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル第四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、及びピリジニウム、イミダゾリウム、及び例えばアルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩のような第四級ピロリドンのような環状カチオン性窒素含有環を有するビニル第四級アンモニウムモノマーが挙げられる。
【0040】
本組成物に用いる他の好適なカチオン性ポリマーとしては、1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物塩)のコポリマー(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association(「CTFA」)により、産業界で、ポリクオタニウム−16と呼ばれている)、1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム−11と呼ばれている)、カチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(産業界で、CTFAにより、それぞれポリクオタニウム−6及びポリクオタニウム−7と呼ばれている)、アクリル酸の両性コポリマー、例えば、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム−22と呼ばれている)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びアクリルアミドとのターポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム−39と呼ばれている)、並びにアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びメチルアクリレートとのターポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム−47と呼ばれている)が挙げられる。好適なカチオン性置換モノマーは、カチオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、及びこれらの組み合わせである。これらの好適なモノマーは次式(III)に従う:
【0041】
【化1】

式中、式(III)のR1は水素、メチル又はエチルであり、式(III)のR2、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素、又は約1〜約8個の炭素原子、典型的には約1〜約5個の炭素原子、一般的には約1〜約2個の炭素原子を有する短鎖アルキルであり、式(III)のnは約1〜約8、典型的には約1〜約4の値を有する整数であり、式(III)のXはハロゲン化物などの水溶性対イオンである。式(III)のR2、R3及びR4に結合する窒素はプロトン化アミン(第一級、第二級又は第三級)であってもよいが、典型的には第四級アンモニウムであり、式(III)の各R2、R3及びR4はアルキル基であり、その非限定例はポリメタクリルアミドプロピル(polymethyacrylamidopropyl)トリモニウムクロリドであり、Rhone−Poulenc(Cranberry,N.J.,U.S.A.)から商品名POLYCARE(登録商標)133で入手可能である。
【0042】
組成物に用いられるその他の好適なカチオン性ポリマーには、カチオン性セルロース誘導体及びカチオン性デンプン誘導体のような多糖ポリマーが挙げられる。好適なカチオン性多糖ポリマーには、式(IV)に従うものが挙げられる:
【0043】
【化2】

式中、式(IV)のAは、スターチ又はセルロース無水グルコース残基のような無水グルコース残基であり、式(IV)のRは、アルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、又はヒドロキシアルキレン基、又はそれらの組み合わせであり、式(IV)のR1、R2、及びR3は、独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各基は、最大で約18個の炭素原子を含有し、各カチオン部分の炭素原子の合計数(すなわち、式(IV)のR1、R2、及びR3中の炭素原子の合計数)は、典型的には約20以下であり、式(IV)のXは、ハロゲン化物などのアニオン性対イオンである。
【0044】
一般に、このようなセルロース又はグアーカチオン性沈着ポリマーは、得られる洗浄組成物の重量の約0.05〜約5重量%の濃度で存在してよい。好適なセルロース性又はグアー性カチオン沈着ポリマーの分子量は約5,000超である。更に、このようなセルロース又はグアー沈着ポリマーの電荷密度は、パーソナルケア組成物の目的用途のpHにて約0.5meq/g〜約4.0meq/gであり、このpHは一般にpH約3〜pH約9、好ましくはpH約4〜pH約8の範囲である。組成物のpHは、希釈せず測定される。
【0045】
一実施形態では、カチオン性ポリマーはヒドロキシプロピルグアーの誘導体であり、その例としては、INCI命名法によりグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドとして既知のポリマー、例えば、トーホー社により名称CATINAL CG−100、CATINAL CG−200で、Cognis社によりCOSMEDIA GUAR C−261N、COSMEDIA GUAR C−261N、COSMEDIA GUAR C−261Nで、Freedom Chemical Diamalt社によりDIAGUM P 5070で、Hercules/Aqualon社によりN−HANCE Cationic Guarで、Rhodia社によりHI−CARE 1000、JAGUAR C−17、JAGUAR C−2000、JAGUAR C−13S、JAGUAR C−14S、JAGUAR EXCELで、日澱化学社によりKIPROGUM CW、KIPROGUM NGKで、販売されている製品が挙げられる。好適なカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、産業界(CTFA)でポリクオタニウム10と呼ばれ、これらのポリマーLR、JR及びKGシリーズのポリマーでAmerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)から入手可能である。カチオン性セルロースのその他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマーの第四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、Amerchol Corp.から商品名ポリマーLM−200で入手可能である。
【0046】
他の好適なカチオン性ポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのようなカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体例としては、Rhone−Poulenc Incorporatedから市販されているJaguarシリーズ、及びHercules,Inc.のAqualon Divisionから市販されているN−Hanceシリーズが挙げられる。
【0047】
他の好適なカチオン性ポリマーとしては、四級窒素含有セルロースエーテルが挙げられ、そのいくつかの例が、米国特許第3,962,418号に記載されている。他の好適なカチオン性ポリマーには、エーテル化セルロース、グアー及びデンプンのコポリマーが挙げられ、そのいくつかの例が、米国特許第3,958,581号に記載されている。
【0048】
使用される場合、本明細書におけるカチオン性ポリマーは、組成物に可溶であるか、又はそのカチオン性ポリマーと、前述した洗浄性界面活性剤構成成分とにより形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶である。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートはまた、組成物中の他の荷電物質により形成することもできる。
【0049】
沈着ポリマー
水相に本明細書で有用な沈着ポリマーとしては、米国特許出願公開第2007/0207109(A1)号及び同第2008/0206185(A1)号で議論されているもの、例えば、本明細書に記載のパーソナルケア組成物のコンディショニング活性成分の沈着を効果的に強化するための、十分に高い分子量の合成コポリマーが挙げられる。また、カチオン性ポリマーの組み合わせが利用されてもよい。一般に合成コポリマーの平均分子量は、約10,000〜約10,000,000、好ましくは約100,000〜約3,000,000、更により好ましくは約200,000〜約2,000,000である。
【0050】
更なる実施形態では、合成コポリマーは、洗浄組成物の目的用途のpHにて、約0.1meq/gm〜約6.0meq/gm、より好ましくは約0.5meq/gm〜約3.0meq/gmの質量電荷密度を有する。一般にpHは、pH約3〜pH約9、より好ましくはpH約4〜pH約8の範囲であろう。
【0051】
更に別の実施形態では、合成コポリマーは、少なくとも約2meq/A〜約500meq/A、より好ましくは約20meq/A〜約200meq/A、最も好ましくは約25meq/A〜約100meq/Aの線状電荷密度を有する。
【0052】
カチオン性ポリマーは、コポリマー又はホモポリマーであってもよい。一実施形態では、本組成物中でホモポリマーが利用される。別の実施形態では、本組成物中でコポリマーが利用される。別の実施形態では、本組成物中でホモポリマーとコポリマーとの混合物が利用される。別の実施形態では、本明細書で論じられるセルロース又はグアーポリマーなどの、天然由来のホモポリマーが、以下に論じられるものなどの合成ホモポリマー又はコポリマーと組み合わせられる。
【0053】
ホモポリマー−3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、[(3−メチルアクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムクロリド(QVI);[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、及び[2−(アクリロイルオキシ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリドのモノマーの非架橋カチオン性ホモポリマーもまた、本明細書において有用である。
【0054】
コポリマー−コポリマーは、2個のカチオン性モノマー、又は非イオン性及びカチオン性モノマーを含んでもよい。
【0055】
非イオン性モノマー単位
本明細書において使用に好適なコポリマーは、以下の式Vによって表される非イオン性モノマー単位を含む:
I.
【0056】
【化3】

式中、式(V)のRは、H又はC1〜4アルキルであり、式(V)のR1及びR2は、H、C1〜4アルキル、CH2OCH3、CH2OCH2CH(CH32、及びフェニルからなる群から独立して選択され、あるいは共に、C3〜6シクロアルキルである。
【0057】
一実施形態では、非イオン性モノマー単位は、アクリルアミド(AM)であり、すなわち、式(V)のR、R1、及びR2は、次式(VI)に示されるように、Hである:
【0058】
【化4】

式中、mは1に等しい。
【0059】
別の好ましい非イオン性モノマー単位は、メタクリルアミド(MethAM)であり、すなわち、式(V)のRはC1アルキルであり、式(V)のR1及びR2はそれぞれHである:
【0060】
【化5】

式中、mは1に等しい。
【0061】
しかし、上に述べた式の範囲内の他のアクリルアミド誘導体も、好適であることも意図しており、ポリアクリルアミド及びアクリルアミドモノマーを使用するコポリマーが有用である。
【0062】
コポリマーの非イオン性モノマー部分は、コポリマー全体の約50重量%〜約99.5重量%の量で存在してもよい。好ましくは、この量は、コポリマーの約70重量%〜約99重量%、更により好ましくは約80重量%〜約99重量%である。
【0063】
カチオン性モノマー単位
また、コポリマーは、式(VIII)によって表されるカチオン性モノマー単位を含んでもよい:
【0064】
【化6】

式中、式(VIII)のkは1であり、式(VIII)のv、v’及びv”は独立して1〜6の整数であり、式(VIII)のwはゼロ又は1〜10の整数であり、式(VIII)のX-は、ハロゲン化物などの水溶性アニオンである。
【0065】
一実施形態では、上記式(VIII)に従ってk=1、v=3及びw=0であり、X-がCl-である構造が存在して、以下の構造を形成する:
【0066】
【化7】

【0067】
上の構造は、ジクワット(diquat)と称されてもよい。
【0068】
更に別の実施形態では、式(VIII)に従って、k=1、v及びv”は、それぞれ3であり、v’=1、w=1、及びX-がCl-であるように形成された構造により、達成される。例えば:
【0069】
【化8】

【0070】
上記の構造は、トリクワット(Triquat)と称されてもよい。
【0071】
好適なカチオン性モノマーは、例えば、米国特許出願公開第2004/0010106(A1)号に記載される方法により作製され得る。
【0072】
高分子増粘剤
本発明によれば、液体洗浄組成物は、会合性ポリマー、多糖、非会合性ポリカルボン酸ポリマー及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのポリマーを含む高分子増粘剤を含み得る。
【0073】
当業者は、高分子増粘系が通常、鎖のもつれ、ネットワークの形成又はマイクロゲルの膨潤によって増粘を提供することを理解するであろう。これらの系は通常、ゲル状の外観と手触りを有し、したがって非常に好ましい。
【0074】
本明細書に用いるのに好ましい会合性高分子増粘剤は、不飽和カルボン酸又はその誘導体である少なくとも1つの親水性単位、及びC8〜C30アルキルエステル又は不飽和カルボン酸のオキシエチレン化C8〜C30アルキルエステルである少なくとも1つの疎水性単位を含む。不飽和カルボン酸は、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸又はイタコン酸である。実施例は、Rohm & Haas社によって商品名Aculy−22で販売されている物質、Noveon社によって商品名Permulen TR1、CARBOPOL 2020、CARBOPOL ULTREZ−21で販売されている物質、並びにNational Starch社によって商品名Structure 2001及びStructure 3001で販売されている物質から調製することができる。本発明の高分子増粘系に用いるための別の好ましい会合性ポリマーとしては、ポリエーテルポリウレタン、例えばRohm & Haas社によって商品名ACULYN−44及びACULYN−46で販売されている物質が挙げられる。本明細書に用いるのに好ましい別の会合性ポリマーは、少なくとも1つのC8〜C30脂肪鎖を含む基で変性されたセルロース、例えばAqualon社により販売されている製品NATROSOL PLUS GRADE 330 CSである。
【0075】
本明細書で使用するための非会合性架橋ポリカルボン酸ポリマーは、例えば、以下のものから選択することができる:
(i)架橋アクリル酸ホモポリマー、
(ii)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸と、C1〜C6アルキルアクリレート又は(メタ)アクリレートとのコポリマー。
【0076】
好ましいポリマーは、Noveon社によって名称CARBOPOL 980、981、954、2984、5984で販売されている製品、又は3V Sigma社によって名称SYNTHALEN M、SYNTHALEN L及びSYNTHALEN Kで販売されている製品、又はRohm & Haas社によって名称ACULYN−33で販売されている製品である。
【0077】
本明細書で使用される多糖は、例えばグルカン、変性又は非変性デンプン(例えば、シリアル(例えば、小麦、トウモロコシ又は米)、野菜(例えば、黄色のエンドウ豆)及び塊茎(例えば、ジャガイモ又はキャッサバ)から由来するようなもの)、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース及びその誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース)、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸及びペクチン、アルギン酸及びアルギン酸塩、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、グリコサミノグルカン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ガティゴム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、例えば、グアーゴム、及びこれらの非イオン性誘導体(ヒドロキシプロピルグアー)並びにバイオ多糖、例えば、キサンタンゴム、ジェランゴム、ウェランゴム、スクレログルカン、サクシノグリカン及びこれらの混合物から選択される。
【0078】
例えば、好適な多糖は、「Encyclopedia of Chemical Technology」,Kirk−Othmer,Third Edition,1982,volume 3,pp.896〜900及びvolume 15,pp.439〜458、「Polymers in Nature」(E.A.MacGregor and C.T.Greenwood,John Wiley & Sons,Chapter 6,pp.240〜328,1980)及び「Industrial Gums−Polysaccharides and their Derivatives」(Roy L.Whistler,Second Edition,Academic Press Inc.)に記載されている。
【0079】
多糖は、好ましくはバイオ多糖、特に好ましくはキサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカン又はサクシノグリカン、例えばKelco社によって名称KELTROL(登録商標)Tで販売されている物質及びRhodia Chimie社によって名称RHEOZAN(登録商標)で販売されている物質から選択されるバイオ多糖である。
【0080】
別の好ましい多糖は、ヒドロキシプロピルデンプン誘導体であり、特に好ましいのはヒドロキシプロピルデンプンホスフェート、例えば、National Starch社によって名称STRUCTURE XL(登録商標)で販売されている物質である。
【0081】
共界面活性剤
共界面活性剤は、水相に好適な物質であり、起泡容積を向上させるように、及び/又は、洗浄組成物の泡の質感を改質するように、選択される。典型的には、これらの物質は、限定されないが、両性、双極性、カチオン性、及び非イオン性を含む構造の様々な群から選択され得る。
【0082】
本明細書の方法から生じる洗浄組成物は、組成物の約0.5重量%〜約10重量%、又は約0.5重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約3重量%の少なくとも1つの好適な共界面活性剤を含み得る。
【0083】
本明細書において使用に好適な両性界面活性剤には、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であり得、脂肪族置換基の1つの置換基が約8〜約18個の炭素原子を含み、1つは例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネート等のアニオン水溶性基を含む、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。例としては、3−ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるものなどのN−アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って製造されるものなどのN−高級アルキルアスパラギン酸、並びに米国特許第2,528,378号に記載されている生成物、並びにこれらの混合物が挙げられる。アルカノイルアンホアセテートを生成するためのクロロ酢酸ナトリウムのアミドアミンとの反応から誘導されるアンホアセテート群、例えばラウリルアンホアセテートなどは、特に効果的である。
【0084】
本明細書において使用に好適である双極性界面活性剤としては、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられるが、これらに限定されず、脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であり得、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含み、1つの置換基は、アニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含む。本明細書において使用に好適な他の双極性界面活性剤としては、高級アルキルベタインを包含するベタイン、例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルαカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタイン、及びこれらの混合物が挙げられる。スルホベタインとしては、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、及びこれらの混合物を挙げてもよい。また、好適な双極性界面活性剤としては、RCONH(CH23ラジカル(式中、Rは、C11〜C17アルキルである)がベタインの窒素原子に結合する、アミドベタイン及びアミドスルホベタインが挙げられ、本出願においてやはり有用である。
【0085】
起泡容積又は質感を向上させるために洗浄組成物中で典型的に使用される非イオン性共界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ココジメチルアミンオキシド、ココアミドプロピルアミンオキシド、ラウリルアミドプロピルアミンオキシドなど、又はラウレス−4〜ラウレス−7などのアルキルポリエトキシレートのような水溶性物質、ココモノエタノールアミド、ココジエタノールアミド、ラウロイルモノエタノールアミド、アルカノイルイソプロパノールアミド、並びにセチルアルコール及びオレイルアルコールのような脂肪アルコール、並びに2−ヒドロキシアルキルメチルエーテルなどのような非水溶性成分が挙げられる。
【0086】
本明細書において共界面活性剤として更に好適な物質には、1,2−アルキルエポキシド、1,2−アルカンジオール、分枝鎖又は直鎖アルキルグリセリルエーテル(例えば欧州特許第EP1696023(A1)号に記載される)、1,2−アルキル環状カーボネート、及び1,2−アルキル環状サルファイトであって、特にアルキル基が直鎖又は分枝鎖構成にある6〜14個の炭素原子を含有するものが含まれる。他の例には、米国特許第5,741,948号、同第5,994,595号、同第6,346,509号、及び同第6,417,408号の教示に従って作製され得る、C10又はC12 αオレフィンをエチレングリコール(例えばヒドロキシエチル−2−デシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテル)と反応させることにより誘導されるアルキルエーテルアルコールが含まれる。
【0087】
その他の好ましい非イオン性界面活性剤は、グルコースアミド、アルキルポリグルコシド、スクロースココエート、ラウリル硫酸スクロース、アルカノールアミド、エトキシル化アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。一実施形態では、非イオン性界面活性剤は、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、イソステアレス−2、トリデセス−3、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸PEG−2、モノステアリン酸ソルビタン、ラウリン酸グリセリル、ラウレス−2、コカミドモノエタノールアミン、ラウリルアミドモノエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0088】
特定の実施形態では、共界面活性剤は、ココモノエタノールアミド、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルアミンオキシド、ラウリルアンホ酢酸ナトリウム;アルキルグリセリルエーテル、アルキル−ジ−グリセリルエーテル、1,2−アルキル環状サルファイト、1,2−アルキル環状カーボネート、1,2−アルキル−エポキシド、アルキルグリシジルエーテル、及びアルキル−1,3−ジオキソラン(アルキル基は、直鎖又は分枝鎖構成の6〜14個の炭素原子を含有する);1,2−アルカンジオール(総炭素含有量は、直鎖又は分枝鎖の6〜14個の炭素原子である)、メチル−2−ヒドロキシ−デシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−デシルエーテル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0089】
カチオン性界面活性剤は、製剤のpHでプロトン化されたアミンから誘導されてもよく、例えばビス−ヒドロキシエチルラウリルアミン、ラウリルジメチルアミン、ラウロイルジメチルアミドプロピルアミン、ココイルアミドプロピルアミン及びこれらに類するものである。また、カチオン性界面活性剤は、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド及びラウロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの脂肪族四級アンモニウム塩から誘導されてもよい。
【0090】
コンディショニング剤
水相は、コンディショニング剤を含んでもよく、一部の実施形態では洗浄組成物の少なくとも約0.05重量%のコンディショニング剤を含み得る。特定の実施形態では、洗浄組成物は、洗浄組成物の重量の約0.05重量%〜約10重量%のコンディショニング剤、他の実施形態では洗浄組成物の重量の約0.05重量%〜約2重量%、代替的実施形態では洗浄組成物の重量の約0.5重量%〜約10重量%のコンディショニング剤、更に他の実施形態では洗浄組成物の重量の約0.5重量%〜約6重量%のコンディショニング剤を含む。
【0091】
コンディショニング剤としては、例えば、大粒子及び小粒子シリコーン(例えば、0.1マイクロメートル未満の小粒子シリコーン)、並びに油を挙げることができる。
【0092】
シリコーン
洗浄組成物のコンディショニング剤は典型的には、不溶性の不揮発性シリコーンコンディショニング剤である。シリコーンコンディショニング剤粒子は揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。シリコーンコンディショニング剤粒子は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでもよく、またシリコーン流体の付着効率を改善するためにシリコーン樹脂などの他の成分を含んでもよい。当業者であれば、シリコーン(約0.005μm〜約50μmの粒子サイズ直径)の粒径又は最終組成物中の他の水混和性液体の液滴径は、流量比の変更を介して本発明の高せん断装置に入るエネルギーを変えることにより、又は代替的に、ラメラ界面活性剤の希釈完了後の混合エネルギーの制御により、制御され得る。
【0093】
好適なシリコーンコンディショニング剤の非限定例、及びシリコーンのための任意の懸濁剤は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び同第5,106,609号に記載されている。本出願の組成物での使用のためのシリコーンコンディショニング剤は、一般に粘性を有し、25℃で測定したとき、約20〜約2,000,000センチストーク(「csk」)、より好ましくは約1,000〜約1,800,000csk、通常は約50,000〜約1,500,000csk、より好ましくは約100,000〜約1,500,000cskである。
【0094】
任意成分
抗ふけ活性物質−水相はまた抗ふけ剤を含有してもよい。好適な抗ふけ粒子の非限定例としては、ピリジンチオン塩、亜鉛含有層状物質、アゾール(ケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオールなど)、硫化セレン、粒子状硫黄、サリチル酸、及びこれらの混合物が挙げられる。典型的な抗ふけ粒子は、ピリジンチオン塩である。このような抗ふけ粒子は、物理的及び化学的に組成物の構成成分と適合すべきであり、過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。
【0095】
追加の抗微生物活性物質が水相中に存在してもよく、メラルーカ(ティーツリー)及び炭の抽出物を含んでもよい。本出願はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでもよい。このような組み合わせとして、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、エルビオールとジンクピリチオンとの組み合わせ、エルビオールとサリチル酸との組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾール(climbasole)との組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0096】
更に、水相中に存在し得る追加の成分としては、糖アミン(例えばN−アセチルグルコサミン)、ビタミンB3化合物、デヒドロ酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸及びその塩、フィトステロール、大豆誘導体(例えばエクオル及び他のイソフラボン)、ナイアシンアミド、フィタントリオール、ファルネソール、ビサボロール、サリチル酸化合物、ヘキサミジン、ジアルカノイルヒドロキシプロリン化合物、N−アシルアミノ酸化合物、レチノイド(例えばプロピオン酸レチニル)、水溶性ビタミン、アスコルベート(例えばビタミンC、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム)、粒子状物質、日焼け止め活性物質、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、これらの誘導体、並びにこれらの組み合わせ、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、発泡増進剤、シラミ駆除剤、pH調整剤、香料、粒子(例えば有機、無機)、保存料、キレート物質、キレート剤、タンパク質、UV吸収剤、顔料、他のアミノ酸、並びに他のビタミンを挙げてもよい。
【0097】
例えば、本出願の水相は、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン及びこれらの誘導体などの水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、グルタミン酸及びこれらの塩などの水溶性アミノ酸、ビタミンA、D、E及びこれらの誘導体などの非水溶性ビタミン、チロシン、トリプトファン、及びこれらの塩などの非水溶性アミノ酸といった1つ以上のビタミン及び/又はアミノ酸を含んでもよい。
【0098】
更に、組成物は、米国特許第6,492,326号(2002年12月10日、Robinson et al.に発行)に開示されているものなどの他のペプチド類(例えば、Lys−Thr−Thr−Lys−Serなどのペンタペプチド、及びこれらの誘導体)を含むことができる。好適なペンタペプチド誘導体としては、フランスのSedermaから入手可能なパルミトイル−Lys−Thr−Thr−Lys−Serが挙げられる。本明細書において組成物に使用することができる別の任意のジペプチドは、カルノシンである。本明細書で使用するとき、用語「ペプチド」とは、1つ以上のペプチド、1つ以上のペプチド誘導体、及びこれらの組み合わせを含むのに十分に広義である。
【0099】
また、所与の製品型に従来使用される成分のような、あらゆる他の好適な任意成分も、本出願のパーソナルケア組成物に含むことができる。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Tenth Edition(the Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.,Washington,D.C.)(2004)(以後、「CTFA」)は、本明細書における組成物に添加することができる多種多様な非限定物質を記載している。
【実施例】
【0100】
以下の実施例により、本発明を示す。所望の洗浄組成物は以下の通りである:
【0101】
【表1】

*一部のポリマー、特に高カチオン性のもの、は好ましくは界面活性剤との接触前に水中で水和される。本実施例について、ポリマーは組成物への添加前に予め水和しておく必要はないと慎重に推測される。
1 Stepan Matamoros(MX)製
2 Stepan Matamoros(MX)製
3 Rhodia Vernon(TX)製
【0102】
【表2】

*一部のポリマー、特に高カチオン性のもの、は好ましくは界面活性剤との接触前に水中で水和される。本実施例について、ポリマーは組成物への添加前に予め水和しておく必要はないと慎重に推測される。
1 Stepan Matamoros(MX)製
2 Stepan Matamoros(MX)製
3 Rhodia Vernon(TX)製
【0103】
従来の加工では、ラウレス−1硫酸ナトリウム(SLE1S)は、予め希釈された25%活性物質として添加されるか又は他の成分の添加に先立ってその場で約25%活性物質に希釈されるかのいずれかである(SLE3S又はSLE1S/SLE3S配合物がSLE1S物質よりも高い活性形態で使用される場合も、分析は同様である)。しかしながら、上記表1から、このアプローチが製造後に処方から水(8.11重量%)を除去することを必要とすることが明らかであり、これは工業規模では明らかに望ましくない。更には、重合性及び防腐性固体の好ましい前分散に利用可能な水は全く存在しない。一方、本方法が使用される場合、利用可能な水が豊富に存在(23.78%)し、ラメラの70%のSLE1Sの導入に先立って、低粘性環境にて複数の添加を迅速に行うことができる。
【0104】
上記システムに対するMFRは、70%のSLE1Sの25%への希釈については、1.8の単純な比ではない。例示の目的で、70%のSLE1Sと芳香剤を除く全成分は、導入に先立つ相の一部として考えられ、芳香剤は好ましい操作ロジスティクスのために、より後工程で添加するものとして取り分けておく。適切な比/量の、グアーヒドロキシプロピルトリモニウム、EDTA二ナトリウム、安息香酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン及びSLE3Sを、単純な上部取り付けミキサーを有する100kgタンク内の水に順次添加した。周囲温度(20〜25℃)での混合の30分後、この水相を、Moyno FB漸進キャビティ型ポンプで11.2kg/分にて、18素子、直径15mmのSMX静的ミキサー(Sulzer Chemtech(Switzerland))のティー上流の中に送った。SMXのティー上流の中に向かう第二の相は70%のSLE1Sであり、これも周囲温度(20〜25℃)にて、高せん断装置内部の流量比を変えるために、様々な流速にてWaukesha 015U2回転ローブポンプから送った。得られた組成物(下表を参照されたい)はミキサーを出ると、1日置いておかれ、次に、25℃にてTA InstrumentsのAR2000で40mmの2度円錐/平板システムを用いて、レオロジーについて測定された。1/secのせん断速度を2分にわたって適用し、最後の20秒にわたっての平均粘度を最終粘度として記録する。
【0105】
【表3】

【0106】
この表から、この組成物についてのMFRは2.8〜3.4であり、一方、所望の組成物は、組成物が本方法で製造できる場合には最大比4.67を指すことが明らかである。表3の行2の組成物を、高せん断装置のタンク下流において1%の芳香剤を用いて仕上げて、最終製品を作製した。
【0107】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0108】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0109】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗浄組成物の製造方法であって、
−水と、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、コンディショニングポリマー、沈着ポリマー及び増粘ポリマーから選択される少なくとも1つの他の成分と、を含む水相を供給する工程、
−ラメラ相中に界面活性剤を供給する工程であって、前記ラメラ相が前記ラメラ相中に約50%〜約80%の活性界面活性剤を含む工程、並びに、
−前記水相と前記ラメラ相の流量比にて、高せん断装置において前記水相を前記ラメラ相と組み合わせて前記液体洗浄組成物を生成する工程であって、前記液体洗浄組成物が1mmの長さスケールにて均質であり、かつ1/secのせん断速度にて100Pa−s未満の粘度を有する工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記高せん断装置の中に入る前記水相の粘度が、1/secのせん断速度にて0.004〜40Pa−sである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液体洗浄組成物の粘度が、1/secのせん断速度及び25℃の温度にて、約2〜約100Pa−sである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ラメラ相中の前記界面活性剤が、1分子当たり0.7〜3.0のエトキシ部分を有する、ラウレス硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸アンモニウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水相が水及びコンディショニングポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が1回の通過にて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記高せん断装置が動的(回転)ミキサーであり、前記ミキサー内部に1つ以上の高せん断領域を含有し、少なくとも1つの領域において最少寸法が約0.1mm〜約20mmである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記動的ミキサーが、1秒当たり5〜50メートルの先端速度を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記高せん断装置は、エネルギー散逸が装置への物質の流れから自然に生じる混合装置を意味する静的ミキサーである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記装置を通過する流体の単位当たりに付与される前記エネルギーが、10〜10,000J/kgである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、前記液体洗浄組成物基剤に少なくとも1つのせん断感応性添加剤を添加する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−528241(P2012−528241A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513365(P2012−513365)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/037704
【国際公開番号】WO2010/144397
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】