説明

濃縮装置の継手構造

【課題】 複数の試料容器と真空排気用のチューブとを確実に接続できるとともに、部品の分解、組立が容易で部品の洗浄を確実に行うことができ、また、容器個別の着脱開閉も可能で、コンタミネーションも防止できる濃縮装置の継手構造を提供する。
【解決手段】 容器口部20の内周に挿入されて装着されるガラス製で筒状の栓体22と、前記雄ねじ部20aに螺合して前記栓体22を容器口部20に固定するための筒状のキャップ23と、前記栓体22と前記チューブ18とを連結するガラス製の連結管24と、該連結管24の下部を前記栓体22の上部に固定するための筒状の雌ねじ部材25、雄ねじ部材26及び締結具である密着コイルバネ27からなる固定部材と、キャップ23と容器口部20との間に装着されるクッション材28と、キャップ23の上部に装着されるC字状クリップ29とで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮装置の継手構造に関し、詳しくは、濃縮対象となる試料を投入した容器の口部と、容器内を真空引きするための配管とを接続する濃縮装置の継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ダイオキシンや環境ホルモン等の環境試料を分析する必要性が増加しており、これらの試料の分析に濃縮装置が用いられている。濃縮装置は、試料を投入した容器を振盪させるとともに加熱しながら真空引きすることによって試料の濃縮を行うものであって、複数の容器を使用する濃縮装置では、各容器の口部と真空排気装置に接続する配管とを、板状体の内部に連通孔を設けたマニフォールドを介して接続することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−536652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のマニフォールドの構造では、容器個別の開閉が困難であり、また、マニフォールド内の連通孔を経由した容器相互のコンタミネーションが発生しやすいという問題がある。さらに、準備段階でマニフォールドを閉じるまで容器が開口した状態となっているため、先に準備した容器内にゴミが混入する可能性が高いという問題もある。なお、試料を濃縮する機器として、ロータリーエバポレータも知られているが、試料の乾固を防ぐには常に監視しているする必要があり、また、1台で1試料しか濃縮できないため、複数の試料を濃縮する用途には適当ではない。
【0004】
そこで本発明は、複数の試料容器と真空排気用のチューブとを確実に接続できるとともに、部品の分解、組立が容易で部品の洗浄を確実に行うことができ、また、容器個別の着脱開閉も可能で、コンタミネーションも防止できる濃縮装置の継手構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の濃縮装置の継手構造は、試料容器の上部に開口した容器口部と真空排気用のチューブとを接続するための継手構造であって、前記容器口部に装着される筒状の栓体と、該栓体を容器口部に固定するための筒状のキャップと、前記栓体と前記チューブとを連結する連結管と、該連結管の下部を前記栓体の上部に固定するための筒状の固定部材とを有し、前記試料容器は容器口部の外周に雄ねじ部が設けられ、前記栓体は、容器口部に密封状態で装着される大径部と、該大径部の上方に連設した中径部と、該中径部の上部外周に設けられた前記大径部より小径の第1フランジ部と、該第1フランジ部の上方に連設した小径部と、該小径部の上部外周に設けられた前記第1フランジ部より小径の第2フランジ部とを有し、前記キャップは、前記容器口部の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部と、該雌ねじ部の上部内周に設けられて内径が前記栓体の第1フランジ部より大径で、かつ、前記容器口部の外径より小径な環状突部とを有し、前記連結管は、前記栓体の小径部に挿入される挿入管部と、該挿入管部の上部に設けられたフランジ部と、該フランジ部の上部に連設したチューブ連結部とを有し、前記固定部材は、前記連結管を挿通可能な内径を有する筒状に形成されて互いに螺合可能な一対の雄ねじ部材及び雌ねじ部材を有し、雄ねじ部材の内周には前記連結管のフランジ部上面に係合する係合段部が設けられ、雌ねじ部材の内周下部には、内径が前記栓体の前記第2フランジ部より僅かに大きな環状突部と、該環状突部の上部に隣接して配置された締結具ガイド溝と、該ガイド溝内に締結具を挿入するための挿入口とが設けられており、前記栓体を容器口部に装着した状態で、フランジ部の下方に環状シール材を装着した前記連結管の下部を栓体の小径部内に挿入するとともに前記雌ねじ部材の環状突部内に栓体上部の小径部を挿通させた状態で、前記挿入口から密着コイルバネからなる締結具をガイド溝内に挿入し、連結管の上部から雄ねじ部材を雌ねじ部材に螺合して雌ねじ部材を上方に移動させることにより、容器口部の第2フランジ部下面と雌ねじ部材の環状突部とを前記締結具を介して係合させ、同時に、雄ねじ部材の係合段部でフランジ部上面を下方に押圧してフランジ部下面と栓体の第2フランジ部上面とを前記環状シール材を介して密着させることを特徴としている。
【0006】
さらに、本発明の縮装置の継手構造は、前記栓体をゴム製シールリングを介して容器口部に装着した状態で、前記キャップを容器口部の雄ねじ部に螺着することにより、該キャップの環状突部が栓体の大径部と中径部との間の段部を容器口部方向に押圧して容器口部と栓体とを密着状態に保つことを特徴とし、また、前記キャップの上面に、栓体の前記中径部を挿通可能な切欠部を有し、かつ、前記第1フランジ部の外径より小さな内径を有するC字状クリップを装着したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の濃縮装置の継手構造によれば、容器口部に真空排気用のチューブを確実に接続することができる。また、各容器毎に独立した状態で真空排気用のチューブを接続するので、容器個別の開閉が可能で、しかも、コンタミネーションの発生を防止できる。さらに、準備段階で試料を投入した容器を順次接続することによって容器内へのゴミの侵入も防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明の一形態例を示す濃縮装置の継手構造の説明図、図2は容器口部に継手を装着した状態を示す断面図、図3はC字状クリップの斜視図、図4は濃縮装置の正面図、図5は同じく平面図、図6は同じく側面図である。
【0009】
まず、図4乃至図6に示すように、濃縮装置は、濃縮装置本体11の上部に、複数のガラス製の試料容器12を保持して振盪させる振盪部13及び試料容器12を加熱するための加熱部14を有するとともに、本体11の後部にマニフォールド管15を上下位置調節動可能に支持するための一対の支柱16を有するものであって、マニフォールド管15の一端は図示しない真空排気装置に接続されている。マニフォールド管15の前面側には開閉機構を内蔵した複数の分岐継手17が設けられており、この分岐継手17と各試料容器12の容器口部20とが真空排気用のチューブ18を介してそれぞれ独立した状態で接続されている。
【0010】
各試料容器12内に投入した液体試料の濃縮操作は、振盪部13を作動させて試料容器12を振盪させるとともに、加熱部14に内蔵されたヒーターを制御して各試料容器12を所定の温度に加熱した状態で真空排気装置を作動させ、各試料容器12内の蒸気をチューブ18、分岐継手17、マニフォールド管15を介して真空排気することにより行われる。濃縮が進行すると試料容器12内の液量が次第に減少し、最終的には、試料容器12の底部に設けられた窪み19に1ml程度残った状態となる。この段階でタイマーによって振盪、加熱及び真空排気を停止すれば、窪み19に残った液はそれ以上蒸発しないので、窪み19内の液が次の分析工程等に送られて所定の操作が行われる。
【0011】
このように、複数の試料容器12を同時に使用して濃縮操作を行う濃縮装置において、各試料容器12の上部に開口した容器口部20と前記チューブ18との接続は、図1,図2に示す構造を有する容器継手21によって行われる。まず、試料容器12の容器口部20は、内周面が僅かに上方に拡開した円錐面となっており、外周面には雄ねじ部20aが設けられている。容器継手21は、容器口部20の内周に挿入されて装着されるガラス製で筒状の栓体22と、前記雄ねじ部20aに螺合して前記栓体22を容器口部20に固定するための筒状のキャップ23と、前記栓体22と前記チューブ18とを連結するガラス製の連結管24と、該連結管24の下部を前記栓体22の上部に固定するための筒状の雌ねじ部材25、雄ねじ部材26及び締結具である密着コイルバネ27からなる固定部材と、キャップ23と容器口部20との間に装着されるクッション材28と、キャップ23の上部に装着されるC字状クリップ29とで構成されている。
【0012】
栓体22は、容器口部20の内周面に対応した円錐面を有する大径部22aと、該大径部22aの上方に連設した中径部22bと、該中径部22bの上部外周に設けられた前記大径部22aより小径の第1フランジ部22cと、該第1フランジ部22cの上方に連設した小径部22dと、該小径部22dの上部外周に設けられた前記第1フランジ部22cより小径の第2フランジ部22eとを有している。
【0013】
前記キャップ23は、容器口部20の雄ねじ部20aに螺合する雌ねじ部23aと、該雌ねじ部23aの上部内周に設けられて内径が前記栓体22の第1フランジ部22cより大径で、かつ、前記容器口部20の外径より小径の環状突部23bとを有しており、外周面には滑り止め加工23cが施されている。
【0014】
前記連結管24は、前記栓体22の小径部22d内に挿入される挿入管部24aと、該挿入管部24aの上部に設けられたフランジ部24bと、該フランジ部24bの上部に連設したチューブ連結部24cとを有しており、チューブ連結部24cの先端部外周にはチューブ抜止用の複数の環状突起24dが設けられ、フランジ部24b下部の挿入管部24aには、環状シール材24eが取り付けられている。
【0015】
前記固定部材を構成する雌ねじ部材25及び雄ねじ部材26は、連結管24を挿通可能な内径を有する筒状にそれぞれ形成されており、連結管24のフランジ部24bを挟むようにして連結管24に装着される。雌ねじ部材25の内周下部には、内径が前記栓体22の前記第2フランジ部22eより僅かに大きな環状突部25aと、該環状突部25aの上部に隣接して配置された締結具ガイド溝25bと、該締結具ガイド溝25bの上部に設けられた雌ねじ部25cとが設けられており、締結具ガイド溝25bに対応する部分には、締結具ガイド溝25b内に密着コイルバネ27を挿入するための挿入口25dが設けられている。
【0016】
締結具ガイド溝25bは、栓体22の小径部22d外周面との間に密着コイルバネ27を挿入可能な内径を有するとともに、締結具ガイド溝25b内に密着コイルバネ27を挿入したときに、密着コイルバネ27の内周側が締結具ガイド溝25bから内方に突出し、突出した密着コイルバネ27の上部が栓体22の第2フランジ部22e下面に係合するように形成されている。
【0017】
一方の雄ねじ部材26の内周には、連結管24のフランジ部24bを収納可能な下部大径部26aと、連結管24の環状突起24dを挿通可能でフランジ部24bより小径の上部小径部26bとが設けられ、下部大径部26aと上部小径部26bとの間に連結管24のフランジ部24b上面に係合する係合段部26cが形成されている。
【0018】
密着コイルバネ27は、金属細線をコイル状に密に巻回し、栓体22の小径部22dの円周より十分に長く形成したものであって、締結具ガイド溝25bに沿って屈曲可能で、かつ、第2フランジ部22e下面に係合することによって雌ねじ部材25が上方に外れることを防止できる強度を有している。また、クッション材28は、キャップ23の環状突部23b下面と容器口部20端面との間に装着されるリング状のものであって、その外径はキャップ23の内径より小さく、かつ、環状突部23bの内径より大きく形成され、内径は栓体22の大径部22aより小さく、かつ、第1フランジ部22cより大きく形成されている。
【0019】
C字状クリップ29は、硬質合成樹脂等によって形成されるものであって、内径が中径部22bより大きく、外径が環状突部23bより小さく形成されるとともに、両面には環状突部23b内に嵌合する厚肉段部29aが設けられている。さらに、図3に示すように、一部に栓体22の中径部22bの外径より僅かに幅狭で、クリップ本体の弾性変形によって中径部22bを挿通可能な切欠部29bを有している。装着状態にけるC字状クリップ29の上面と第1フランジ部22cの下面との距離は、雄ねじ部20aと雌ねじ部23aとの螺合長より短くなるように各寸法が設定されている。
【0020】
このような構成を有する容器継手21を容器口部20に装着する手順を、試料容器12側から順に説明する。まず、前記栓体22の大径部22aを容器口部20内に挿入する。この容器口部20と栓体22とは、一般的なガラス器具に多く用いられている、いわゆるテーパーズリによって密閉状態とされ、別にシール材を使用せずに所定の密閉状態が得られるようになっている。次に、クッション材28を介して容器口部20の雄ねじ部20aにキャップ23の雌ねじ部23aを螺合し、キャップ23を容器口部20に取り付け、キャップ23の上部に突出した中径部22bにC字状クリップ29を側方から嵌め込む。
【0021】
さらに、栓体22の上部に雌ねじ部材25を配置し、密着コイルバネ27を挿入口25dから締結具ガイド溝25b内に挿入する。このとき、密着コイルバネ27の挿入側は、栓体22の小径部22dを一周した状態となり、基部側は挿入口25dから手で摘める程度に突出した状態となる。
【0022】
次に、フランジ部24bの下方に環状シール材24eを装着した連結管24の挿入管部24aを栓体22の小径部22d内に挿入するとともに、チューブ連結部24c側から雄ねじ部材26を取り付け、雄ねじ部材26と雌ねじ部23aとを螺合させて締め付けていく。これにより、雌ねじ部材25は上方に移動して環状突部25aが密着コイルバネ27を介して第2フランジ部22eの下面に係合した状態となり、雄ねじ部材26は下方に移動して係合段部26cが連結管24のフランジ部24bの上面に係合して連結管24を下方に押圧し、フランジ部24bの下面と第2フランジ部22eの上面とが、環状シール材24eを介して密着させた状態となる。最後に、連結管24のチューブ連結部24cにチューブ18を接続することにより、試料容器12が濃縮装置にセットされた状態となる。
【0023】
この状態で、各試料容器12は、容器継手21及びチューブ18によって独立した状態でマニフォールド管15に接続されることになるので、容器相互のコンタミネーションが発生することはなく、試料を投入した試料容器12を順次接続することにより、試料容器12内にゴミが混入することもなくなる。
【0024】
なお、上述の接続手順は一例であって、この接続手順に限るものではない。例えば、雌ねじ部材25と雄ねじ部材26とを軽く螺合させた仮組みした状態としておき、これに連結管24の挿入管部24aを挿通するとともに、これらを栓体22の小径部22dに装着し、挿入口25dから密着コイルバネ27を挿入した後に、雌ねじ部材25と雄ねじ部材26とを締め付けるようにしてもよい。また、容器継手21をあらかじめ組み立てた状態としておき、容器口部20への栓体22の挿入、キャップ23の螺合を最後に行うこともできる。
【0025】
容器口部20からの容器継手21の取り外しは、上記手順を逆にすることによって行うことができる。このとき、栓体22の大径部22aと容器口部20とが固着して抜けにくくなっているときがあるが、キャップ23を容器口部20からねじって外すときに、キャップ23の上面に取り付けたC字状クリップ29の上面が第1フランジ部22cの下面に当接し、キャップ23をねじって外す際の上昇力によってC字状クリップ29が栓体22を容器口部20から引き離すので、栓体22を容器口部20から容易に抜き取ることができる。
【0026】
また、雌ねじ部材25と雄ねじ部材26とを緩めて密着コイルバネ27を抜き取ることにより、チューブ18を接続したままの状態の連結管24を、雌ねじ部材25及び雄ねじ部材26と共に栓体22から取り外すことができる。したがって、試料を投入した試料容器12に栓体22及びキャップ23をあらかじめ装着することにより、濃縮装置への試料容器12の着脱を容易に、かつ、迅速に行うことができる。さらに、各部材を分解することにより、それぞれ単純な形状となっているので、各部材の洗浄も容易かつ確実に行うことができる。
【0027】
図7は、容器継手における栓体の他の形状例を示す断面図である。なお、前記形態例における構成要素と同一の構成要素には、それぞれ同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
本形態例に示す栓体31は、容器口部20の内周にテーパーズリが設けられていない試料容器12にも適用可能なものであって、容器口部20の端面に当接する外径を有する大径部31aと、該大径部31aの上方に連設した中径部31bと、該中径部31bの上部外周に設けられた前記大径部31aより小径の第1フランジ部31cと、該第1フランジ部31cの上方に連設した小径部31dと、該小径部31dの上部外周に設けられた前記第1フランジ部31cより小径の第2フランジ部31eとを有している。また、大径部31aの下面には容器口部20の内径より僅かに小さな外径を有する環状ガイド31fが突設され、該環状ガイド31fの外周にゴム製シールリング32が装着されている。
【0029】
この栓体31は、環状ガイド31fを容器口部20に挿入し、容器口部20の端面と大径部31aの下面との間にゴム製シールリング32を挟んだ状態で容器口部20の端面上に載置され、この状態で容器口部20の雄ねじ部20aにキャップ23の雌ねじ部23aを螺合し、環状突部23bで栓体31の大径部31aと中径部31bとの間の段部31gを容器口部20の方向に押圧することにより、容器口部20と栓体31とをゴム製シールリング32を介して密着状態とする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一形態例を示す濃縮装置の継手構造の説明図である。
【図2】容器口部に継手を装着した状態を示す断面図である。
【図3】C字状クリップの斜視図である。
【図4】濃縮装置の正面図である。
【図5】同じく平面図である。
【図6】同じく側面図である。
【図7】容器継手における栓体の他の形状例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0031】
11…濃縮装置本体、12…試料容器、13…振盪部、14…加熱部、15…マニフォールド管、16…支柱、17…分岐継手、18…チューブ、19…窪み、20…容器口部、20a…雄ねじ部、21…容器継手、22…栓体、22a…大径部、22b…中径部、22c…第1フランジ部、22d…小径部、22e…第2フランジ部、23…キャップ、23a…雌ねじ部、23b…環状突部、23c…滑り止め加工、24…連結管、24a…挿入管部、24b…フランジ部、24c…チューブ連結部、24d…環状突起、24e…環状シール材、25…雌ねじ部材、25a…環状突部、25b…締結具ガイド溝、25c…雌ねじ部、25d…挿入口、26…雄ねじ部材、26a…下部大径部、26b…上部小径部、26c…係合段部、27…密着コイルバネ、28…クッション材、29…C字状クリップ、29a…厚肉段部、29b…切欠部、31…栓体、31a…大径部、31b…中径部、31c…第1フランジ部、31d…小径部、31e…第2フランジ部、31f…環状ガイド、32…ゴム製シールリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料容器の上部に開口した容器口部と真空排気用のチューブとを接続するための継手構造であって、前記容器口部に装着される筒状の栓体と、該栓体を容器口部に固定するための筒状のキャップと、前記栓体と前記チューブとを連結する連結管と、該連結管の下部を前記栓体の上部に固定するための筒状の固定部材とを有し、前記試料容器は容器口部の外周に雄ねじ部が設けられ、前記栓体は、容器口部に密封状態で装着される大径部と、該大径部の上方に連設した中径部と、該中径部の上部外周に設けられた前記大径部より小径の第1フランジ部と、該第1フランジ部の上方に連設した小径部と、該小径部の上部外周に設けられた前記第1フランジ部より小径の第2フランジ部とを有し、前記キャップは、前記容器口部の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部と、該雌ねじ部の上部内周に設けられて内径が前記栓体の第1フランジ部より大径で、かつ、前記容器口部の外径より小径な環状突部とを有し、前記連結管は、前記栓体の小径部に挿入される挿入管部と、該挿入管部の上部に設けられたフランジ部と、該フランジ部の上部に連設したチューブ連結部とを有し、前記固定部材は、前記連結管を挿通可能な内径を有する筒状に形成されて互いに螺合可能な一対の雄ねじ部材及び雌ねじ部材を有し、雄ねじ部材の内周には前記連結管のフランジ部上面に係合する係合段部が設けられ、雌ねじ部材の内周下部には、内径が前記栓体の前記第2フランジ部より僅かに大きな環状突部と、該環状突部の上部に隣接して配置された締結具ガイド溝と、該ガイド溝内に締結具を挿入するための挿入口とが設けられており、前記栓体を容器口部に装着した状態で、フランジ部の下方に環状シール材を装着した前記連結管の下部を栓体の小径部内に挿入するとともに前記雌ねじ部材の環状突部内に栓体上部の小径部を挿通させた状態で、前記挿入口から密着コイルバネからなる締結具をガイド溝内に挿入し、連結管の上部から雄ねじ部材を雌ねじ部材に螺合して雌ねじ部材を上方に移動させることにより、容器口部の第2フランジ部下面と雌ねじ部材の環状突部とを前記締結具を介して係合させ、同時に、雄ねじ部材の係合段部でフランジ部上面を下方に押圧してフランジ部下面と栓体の第2フランジ部上面とを前記環状シール材を介して密着させることを特徴とする濃縮装置の継手構造。
【請求項2】
前記栓体をゴム製シールリングを介して容器口部に装着した状態で、前記キャップを容器口部の雄ねじ部に螺着することにより、該キャップの環状突部が栓体の大径部と中径部との間の段部を容器口部方向に押圧して容器口部と栓体とを密着状態に保つことを特徴とする請求項1記載の濃縮装置の継手構造。
【請求項3】
前記キャップの上面に、栓体の前記中径部を挿通可能な切欠部を有し、かつ、前記第1フランジ部の外径より小さな内径を有するC字状クリップを装着したことを特徴とする請求項1又は2記載の濃縮装置の継手構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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