説明

濾過装置

【課題】洗浄水中にラベル等の大型ゴミが多数あっても頻繁にメンテナンス管理を行なわなくても長期間に亘って安定した濾過機能を確保する。
【解決手段】メインタンク本体3と、そのメインタンク本体3の上部においてエンドレスに回動自在に支持されると共に、上位側を濾過領域、下位側を戻り領域に形成された濾過部材15と、その濾過部材15に付着したゴミ等を前記下位側となる戻り領域において噴射圧により前記メインタンク本体3の外へ剥離し取除く噴射ノズル31とで構成し、前記濾過部材15に、車幅方向に連続する山と谷を交互に作り、回動X方向へ洗浄水が走るのを阻止するストッパ壁としての機能と、少なくとも上位側となる濾過領域を中央部から両サイドに向かって上昇する断面U字形状とし、洗浄水が外(Y方向)へ溢れ出るのを阻止する機能とを備えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄水を循環させて繰返し使用する時に、洗浄完了後にでる比較的大きなゴミ等を取除くのに適する濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄水を循環させて繰返し使用する時に、洗浄完了後にでるゴミ等は濾過装置によって取除かれる。
【0003】
濾過装置の概要は、ゴミ等を取除く濾過手段にフイルタが用いられ、フイルタは取付け、取外しが可能となっていて定期的に交換して使用するようになっている。
【特許文献1】特開2000−246206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フイルタは、目詰まりが起きてくると濾過機能が極端に低下するところから頻繁なメンテナンス管理が求められることと、フイルタの交換は維持費につながりランニングコストの面でも望ましくない。
【0005】
特に、洗浄完了後の洗浄水中に剥がしたラベル等大型のゴミが多数ある場合にはすぐに目詰まりする恐れがあり、フイルタの頻繁な交換が要求される不具合があった。
【0006】
そこで、本発明にあっては洗浄水中にラベル等の大型のゴミが多数あっても頻繁にメンテナンス管理を行なわなくても長期間に亘って安定した濾過機能が得られる濾過装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明にあっては、メインタンク本体と、そのメインタンク本体の上部においてエンドレスに回動自在に支持されると共に、上位側を濾過領域、下位側を戻り領域に形成された濾過部材と、その濾過部材に付着したゴミ等を前記下位側となる戻り領域において噴射圧により前記メインタンク本体の外へ剥離し取除く噴射ノズルとから成り、前記濾過部材は、車幅方向に連続する山と谷が交互に作られた所定の幅を有し、少なくとも上位側となる濾過領域を中央部から両サイドに向かって上昇する断面U字形状としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、洗浄完了後の洗浄水をエンドレスに回動する濾過部材の上位側となる濾過領域の上に送り込むことで、ラベル等を含むゴミは濾過部材の上面に残る。濾過部材を通過した洗浄水は濾過水としてメインタンク本体内へ落下し、再び洗浄水として再利用できる。濾過部材の上面に残ったラベル等は、戻り領域において噴射ノズルによりメインタンク本体の外へ吹き飛ばされて剥離し、きれいに取除くことができる。
【0009】
ゴミ等が取除かれた濾過部材は再び上位側となる濾過領域へ向かって回動するため、頻繁なメンテナンスが不要になると共に長期間にわたって安定した濾過状態を得ることができる。
【0010】
一方、濾過部材の上位側となる濾過領域に洗浄完了後の洗浄水を送り込んだ時、回動方向には山、谷、山、谷の凹凸がストッパ壁として作用する一方、幅方向には断面U字状の形状によって外へこぼれ出ることなく確実に濾過することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明にあっては、前記メインタンク本体に、前記濾過部材の下位側となる戻り領域が通り抜けるトンネル部を設け、濾過部材の戻り領域がメインタンク本体内を直接通過するのをなくして、取りきれずに残る小さいゴミ等が洗浄水中に戻るのを阻止する。
【実施例】
【0012】
以下、図1乃至図7の図面を参照しながら本発明の実施形態について具体的に説明する。
【0013】
図1は本発明にかかる濾過装置全体の概要平面図、図2はその概要正面図、図3はメインタンク本体とトンネル部と第1、第2のサブタンクの関係を示した概要斜視図をそれぞれ示している。
【0014】
濾過装置1のメインタンク本体3は前後(図3左右)に長い形状に作られていてその前方には第1のサブタンク5が、後方には第2のサブタンク7がそれぞれ設けられ、支脚9により支持されている。
【0015】
メインタンク本体3及び第1、第2のサブタンク5、7は仕切壁11、11によりそれぞれ独立した部屋に作られていて上方が開放している。
【0016】
メインタンク本体3には、トンネル部13と洗浄水取出口14がそれぞれ設けられ、洗浄水取出口14は図外の洗浄装置と接続連通している。
【0017】
トンネル部13は、一方が第1のサブタンク5内と、他方は第2のサブタンク7内とそれぞれ開口連通している。メインタンク本体3には、その上部から前記トンネル部13を通って再び上部へ戻る濾過部材15がエンドレスに配置セットされている。
【0018】
濾過部材15は合成樹脂等の材質によりシート状に形成され、ミリ単位以上のものは通過を阻止するメッシュに作られている。濾過部材15の前方(図1左側)及び後方(図1右側)は、メインタンク本体3から前記第1、第2のサブタンク5、7まで延長された状態で搬送支持体17にエンドレスに掛け回されている。
【0019】
搬送支持体17は、第1のサブタンク5の上部に臨む一対の駆動スプロケット19と第2のサブタンク7の上部に臨む一対の従動スプロケット21とに図4に示すようにチエーン23がそれぞれ掛け回され、チエーン23とチエーン23の間に支持アーム25が所定の間隔で渡架された構造となっている。駆動スプロケット19は、駆動モータMによって回転力が与えられると共に、搬送支持体17の上位側は、第2のサブタンク7、メインタンク本体3、第1のサブタンク5に臨むようになっている。戻り側となる下位側は、第1のサブタンク5から中間プーリ27を介してトンネル部13、第2のサブタンク7に臨むレイアウト構造となっていて前記駆動モータMによりゆっくりとエンドレスに回動可能となっている。
【0020】
支持アーム25は、図5、図6、図7に示すように中央部から両サイドへ向けて上昇傾斜するU字状に形成され、その両端は前記チエーン23に設けられた取付けブラケット29に固定支持されている。
【0021】
支持アーム25と支持アーム25の間は所定の間隔で配置することは前記した通りであるが、U字状に形成された中央部位までの高さHは、一つ置きに高い、低い、高い、低い関係にそれぞれ設定され、その上に前記濾過部材15が固定支持されている。
【0022】
これにより、濾過部材15は高い位置の支持アーム25に固定支持された所では幅方向に沿って山となる凸部となる。低い位置の支持アーム25に固定支持された所では幅方向に沿って谷となる凹部となり回動方向(図6矢印)に沿って山、谷、山、谷となる凹凸の形状が作られるようになっている。したがって、洗浄水がその上に送り込まれた時に山となる凸部は回動方向Xへ洗浄水が走るのを阻止するストッパ壁として作用し、外へこぼれ出るのを阻止する。
【0023】
また、U字状に形成されることで、送り込まれた洗浄水が両サイドから外、Y方向へこぼれ出るのを阻止する作用が得られるようになっている。
【0024】
一方、トンネル部13の前方で第1のサブタンク5内には、噴射ノズル31が幅方向に沿って配置されている。
【0025】
噴射ノズル31は、各ノズルから噴射する噴射圧によって濾過部材15の上面に残ったラベル等のゴミを第1のサブタンク5内へ剥離させ取除くためのものであって、噴射手段としては空気圧、蒸気圧、水圧いずれの手段であってもよい。
【0026】
この場合、図3に示すように第1のサブタンク5の底部に出し入れ可能な回収ゴミ受けボックス33を設けるようにすることが望ましい。また、噴射位置としては、トンネル部13に入る前段で、戻り領域となる内側から噴射することが望ましい。なお、噴射は内側、外側の組合せとしてもよく、また、第2のサブタンク7側に配置する組合せとすることも可能である。
【0027】
このように構成された濾過装置1によれば、上位側となる濾過部材15の上面に洗浄完了後の洗浄水を送り込むと、ラベル等の大型のゴミ等は上面に残ると共に、洗浄水は下方へ通過しメインタンク本体3内へ濾過水として落下し、洗浄水として再利用が可能となる。この濾過作業時において、濾過領域の上面に作られた山となる凸部は、上から送り込まれる洗浄水のストッパ壁として作用し、回動(X方向)へ洗浄水が走るのを阻止し、第1、第2のサブタンク5、7へ流れ落ちるのを阻止する。また、U字状の形状によって両サイドから外(Y方向)へ溢れでるのを阻止する。
【0028】
一方、濾過部材15上面に残ったラベル等のゴミは、噴射ノズル31からの噴射圧によって第1のサブタンク5内へ剥離され、取除かれるようになる。きれいになった戻り領域の濾過部材15はトンネル部13を通って再び上位側へ向かう回動となるため、上位側の濾過領域は常にゴミ等が取除かれた状態となるため、従来のようにフイルタ等の交換が不要となり、長期間に亘って安定した濾過状態が得られるようになる。
【0029】
一方、下位側となる戻り領域はトンネル部13を通って上位側へ戻る回動となるため、メインタンク本体3内を直接通過することがなくなり、噴射ノズル31によって小さいゴミ等が取りきれずに残ったとしても、洗浄水中に戻るのを確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る濾過装置の概要平面図。
【図2】濾過装置の概要正面図。
【図3】メインタンク本体とトンネル部と第1、第2のサブタンクの関係を示した概要斜視図。
【図4】搬送支持体の一部分を示した概要平面図。
【図5】図4のA−A線断面図。
【図6】図5のB−B線断面図。
【図7】図5のC−C線断面図。
【符号の説明】
【0031】
1 濾過装置
3 メインタンク本体
5 第1のサブタンク
7 第2のサブタンク
13 トンネル部
15 濾過部材
17 搬送支持体
25 支持アーム
31 噴射ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインタンク本体と、そのメインタンク本体の上部においてエンドレスに回動自在に支持されると共に、上位側を濾過領域、下位側を戻り領域に形成された濾過部材と、その濾過部材に付着したゴミ等を前記下位側となる戻り領域において噴射圧により前記メインタンク本体の外へ剥離し取除く噴射ノズルとから成り、前記濾過部材は、車幅方向に連続する山と谷が交互に作られた所定の幅を有し、少なくとも上位側となる濾過領域を中央部から両サイドに向かって上昇する断面U字形状としたことを特徴とする濾過装置。
【請求項2】
前記メインタンク本体には、前記濾過部材の下位側となる戻り領域が通り抜けるトンネル部を備えていることを特徴とする請求項1記載の濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−263669(P2006−263669A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−89202(P2005−89202)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(396013329)株式会社クレオ (12)
【出願人】(591002289)株式会社明治テクノサービス (4)
【Fターム(参考)】