説明

濾過装置

【課題】逆洗時に傾斜板よりも上方に巻き上げられた濾材が濾層へ戻り易い濾過装置を提供する。
【解決手段】濾過工程にあっては、原水供給管23を介して主管20の下端へ原水を供給する。主管20を上昇した原水はトラフ19の内部に入り、トラフ19の両側から塔内に溢出し、流路24を経て濾層12中を通過して濾過され、給排管16及びそれに接続された処理水取出管28を介して流出する。空気逆洗工程及び気水併用逆洗工程において、気泡の多くは側部流路30を流れる。一部の気泡は給排水流路24を通過するがその量は少ない。そのため、傾斜板22の上面を伝わってきた濾材は給排水流路24を通って下方へ落下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過塔内に充填した濾層に原水を下向流で通水して濾過処理すると共に、空気及び洗浄水を濾層に上向流で流通させ、濾層を展開して洗浄する、下向流濾過、上向流洗浄方式の濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下向流濾過、上向流洗浄(逆洗)を行う濾過装置として、空気を併用した逆洗の際に濾層を構成する濾材の一部が洗浄排水に混ざって塔外に排出されるのを防止するため、濾過塔内の濾層の上方空間の水中に、傾斜体と、この傾斜体の上方に立設され、上端部が水面と同じレベルに位置した垂直バッフル板とからなる固液分離装置を設け、逆洗によって傾斜体上に巻き上げられた濾材の一部が傾斜体の該上面を伝り、その下端と塔内壁面との間の流路から濾層上に落下して戻るようにした濾過装置が特開平8-318107に記載されている。
【特許文献1】特開平8-318107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した固液分離装置によれば、逆洗の際に濾材の一部が洗浄排水に混ざって排出されるのを防止できるが、この特開平8-318107では、傾斜体の下面側が、前記流路へ向って上り勾配となっている。従って、逆洗時に該傾斜体の下面に当った空気が該傾斜体の縁から大量に前記流路に流れ込む。この結果、該流路を通過する上昇流速が大きくなり、過剰に膨張展開された濾材が傾斜体上に巻き上げられやすくなり、また、一旦巻き上げられてしまうと、傾斜体の上面を伝わり落ちてきた濾材が該流路から下方へ落下できず、傾斜体の上方空間の水中に滞留するか、または傾斜体の上面に溜まってしまうおそれがあった。
【0004】
本発明は上記従来の問題点を解決し、逆洗時に傾斜板よりも上方に濾材が巻き上げられにくく、傾斜板よりも上方に巻き上げられても、巻き上げられた濾材が濾層へ戻り易い濾過装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(請求項1)の濾過装置は、濾過塔内に充填した濾層に原水を下向流で通水して濾過処理すると共に、空気及び洗浄水を濾層に上向流で通水し、濾層を展開して洗浄する濾過装置であって、該濾層の上側に傾斜板が、該傾斜板の下端と塔内壁面との間に給排水流路をあけて設けられ、該傾斜板の上側に、洗浄排水溢出用のトラフが設けられている濾過装置において、該傾斜板の傾斜方向に延在した少なくとも一方の側辺と塔内壁面との間に側部流路を設けると共に、該側部流路に臨む傾斜板の側辺から上方に立ち上がる仕切板を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2の濾過装置は、請求項1において、前記傾斜板の上側かつ該給排水流路と該トラフとの間に、該傾斜板から離隔して第1バッフル及び第2バッフルが設けられており、該第1バッフルは第2バッフルと前記給排水流路との間に位置しており、第1バッフルの上端は洗浄時にトラフが規制する塔内の水面より下に位置し、第2バッフルの上端は洗浄時にトラフの上面が規制する塔内の水面より上に突出しているか、または、該水面と同じレベルに位置していることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3の濾過装置は、請求項1又は2において、前記トラフは、塔の中央部を横断方向に延設されており、前記傾斜板として、該トラフに連なり、トラフから離反する一方向へ下り勾配にて延在する第1傾斜板と、該トラフに連なり、他方向へ下り勾配にて延在する第2傾斜板とが設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4の濾過装置は、請求項1又は2において、前記トラフは塔上部の塔内壁面の一部に沿って延在しており、前記傾斜板は、該トラフに連なり、トラフとは反対側の塔内壁面へ向って下り勾配にて延在していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の濾過装置にあっては、傾斜板の少なくとも一方の側辺に沿って側部流路が設けられているので、逆洗時に傾斜板の下面に当った空気が傾斜板の側方へ脱出し易くなる。この結果、傾斜板下端と塔内壁面との間の給排水流路に流れ込む空気量の大部分が無くなり、逆洗時における傾斜板流路の上昇流速が小さくなる。このため、傾斜板よりも上方に濾材が巻き上げられにくく、傾斜板上面を伝わって落ちてきた濾材が該傾斜板末端からスムーズに下方へ落下する。その結果、傾斜板の上方空間の水中での濾材の滞留および傾斜板上面での濾材の堆積が減り、洗浄時の濾材の流出量を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0011】
[第1の実施の形態]
第1図は第1の実施の形態に係る濾過装置の縦断面図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図は第2図のIII方向から見た濾過装置上部の透視斜視図である。なお、第3図では塔体を透視状態としている。また、第3図では、図面を明瞭とするために第1及び第2バッフルの図示を省略している。
【0012】
筒状の濾過塔10内の下部に透水性の通水支持板11が水平に設置されている。この通水支持板11上に、砂利13を支持層とし、その上に砂の濾材層14、更にその上にアンスラサイトの濾材層15を重ねてなる濾層12が設けられている。砂利13よりなる支持層中には、処理水の流出管と逆洗用の洗浄水の導入管を兼ねた給排管16と、逆洗用の空気の送気管17が設置されている。給排管16には、処理水の取出用の配管28と洗浄水供給用の配管29とが接続されている。これらの配管28,29にはそれぞれ開閉弁が設けられている。また、配管29には逆洗水の送水用のポンプPが設けられている。
【0013】
濾過塔内の濾層12の上方にトラフ19が設けられている。このトラフ19は、上面が開放した長函状容器よりなり、円筒状の濾過塔10の中央部に直径方向に延設されている。このトラフ19には、原水の供給と、洗浄排水の排出を兼ねた主管20が接続されている。この主管20は、濾過塔10の中央部を上下方向に延在している。この主管20の下部には、原水供給管23と逆洗排水の排出管21とが接続されている。
【0014】
濾過工程時に原水供給管23から主管20を経てトラフ19内に供給された原水は、トラフ19の上縁をオーバーフローして該トラフ19から流出する。また、逆洗工程時に濾層12中を上向流にて流れた洗浄排水はトラフ19の上縁をオーバーフローしてトラフ19内に流入し、次いで主管20及び排出管21を経て塔外に排出される。空気抜き配管33に設けられた開閉弁34を閉じて、原水を送るポンプ(図示略)により圧力をかけて濾過を行う圧力式濾過の濾過工程においては、濾過塔10内の水面Wはトラフ19の上縁よりも高いレベルまで上がる。開閉弁34を開放するかまたは大気圧下にて重力により濾過を行う重力式濾過の濾過工程においては、濾過塔10内の水面Wはトラフ19に規制されてその上縁と同じレベルである。洗浄工程においては、開閉弁34は開放され、濾過塔10内の水面Wはトラフ19に規制されてその上縁と同じレベルである。
【0015】
上記トラフ19の下の水面下に位置して傾斜板22が設けられている。この傾斜板22は、トラフ19から両方向に離反するように、かつトラフ19から離れるほど下位となるように傾斜している。この傾斜板22の傾斜方向は、トラフ19の長手方向と直交方向である。
【0016】
この傾斜板22の傾斜方向の下端と塔内壁面との間には上下方向に開放した給排水流路(下部流路)24が形成されている。トラフ19から溢出して下向きに流れる原水は、給排水流路24を通過し、圧力式濾過の場合には給排水流路24および側部流路30を通過して、濾層12の上面に達し、濾層12中を下向流にて流れて濾過される。また、濾層12中を上向流にて流れた洗浄排水は、給排水流路24を上昇して水面Wに達し、トラフ19に溢入する。
【0017】
空気を併用して逆洗を行う場合に、空気が傾斜板22の下面下に溜るのを防ぐため、傾斜板22の両側辺と塔内壁面との間に側部流路30が設けられている。即ち、傾斜板22の傾斜方向に延在する両側辺は、塔内壁面から離隔しており、この側辺と塔内壁面との間が側部流路30となっている。この傾斜板22の両側辺からは、洗浄工程時の水面Wよりも高い位置まで達する仕切板31が立設されている。
【0018】
傾斜板22の上側の水中には、流路24の近くに第1バッフル26が設けられると共に、この第1バッフル26とトラフ19との間に第2バッフル27が設けられている。これらのバッフル26,27は、板面を略鉛直とした、トラフ19と平行方向に延在する平板よりなる。両バッフル26,27の下端は傾斜板22の上面から上に少し離れている。第1バッフル26の上端は水面下にあり、第2バッフル27の上端は洗浄工程時の水面Wと同レベルかまたはそれよりも高いレベルに位置する。
給排水流路24の下方には、塔内壁面から空気返し板50が突設されている。この空気返し板50は、給排水流路24よりも若干大きい水平投影面積を有しているものを用いると給排水流路24に気泡が流れ込むことが一層防止される。
【0019】
このように構成された濾過装置の作動を次に説明する。
【0020】
[濾過工程]
濾過工程にあっては、原水供給管23を介して主管20の下端へ原水を供給する。主管20を上昇した原水はトラフ19の内部に入り、トラフ19の両側から塔内に溢出し、重力式濾過の場合は給排水流路24を経て、圧力式濾過の場合には、給排水流路24および側部流路30を通過し、濾層12中を通過して濾過され、給排管16及びそれに接続された処理水取出管28を介して流出する。
【0021】
[逆洗工程]
逆洗工程は、通常は、(1)空気のみで濾層をほぐす空気逆洗工程、(2)空気と洗浄水を併用して濾層を展開させ、濾材に付着したSSを剥離する気水併用逆洗工程、(3)流速を上げて洗浄水のみで濾材に付着したSSを剥離すると共に、剥離したSSを排出する水逆洗工程とからなる。
【0022】
(1)空気逆洗工程
(1)の空気逆洗工程を行うには、送気管17にコンプレッサからの圧縮空気を供給し、気泡で濾層12をほぐし、濾材に付着したSSを濾材から剥離すると共に、剥離したSSを濾層の上部に押し上げる。濾層12を通過した気泡は、主として、傾斜板22の下面を伝わり側部流路30に向かって移動し、該側部流路30から水面Wに浮上し、塔頂に接続された空気抜き配管33から外に放出される。
【0023】
(2)気水併用逆洗工程
この空気逆洗工程の後、空気の供給を続けたままで、洗浄水の供給用配管29に接続した逆洗ポンプPを運転し、空気と洗浄水を濾層12中に供給し、濾材に付着したSSを剥離すると共に剥離したSSを洗浄排水と一緒に給排水流路24を上昇させてトラフ19に溢入させ、主管20及び排出管21を介して排出する。
【0024】
この場合、給排水流路24を上昇した洗浄排水は、上端が水面下にある第1バッフル26の上を通りトラフ19に向かって流れるが、上端が洗浄工程での水面と同レベルかまたはそれよりも高い位置にある第2バッフル27にぶつかる。したがって、流れaは第1バッフル26と第2バッフル27との間を下降し、傾斜板22に沿い、第2バッフル27の下を潜ってトラフ19に向かう流れbと、第1バッフル26の下を潜って流路24に向かう流れcとに別れる。SSは流れbに乗ってトラフ19に溢入し、主管20を経て排出管21から排出される。
【0025】
また、給排水流路24から傾斜板22の上に巻き上げられた濾材は、第1バッフル26と第2バッフル27との間で下降する間に重力で傾斜板22上に落ち、流れcに乗り、傾斜板22の上を転がって給排水流路24に達し、そこから濾層12に落下する。洗浄水と併用された空気は主として側部流路30を通過して水面Wに浮上し、空気抜き配管33から外に放出される。
【0026】
なお、一部の気泡は給排水流路24を通過するがその量は少ない。そのため、傾斜板22よりも上方に濾材が巻き上げられにくく、また、一旦巻き上げられたとしても傾斜板22の上面を伝わってきた濾材は、傾斜板22上に滞留することなく、速やかに給排水流路24を通って下方へ落下する。
【0027】
(3)水逆洗工程
(3)の水逆洗工程では、送気管27への空気供給を停止し、洗浄水のみを配管29、給排管16を介して供給し、濾層12を展開させ、濾材に付着したSSを剥離すると共に、剥離したSSをトラフ19に排出する。この(3)の工程では、比重が異なる濾材層13,14の各濾材が分級される。
【0028】
上記のように、この実施の形態によると、上端が洗浄時の水面Wと同レベルかまたはそれよりも高い位置にある第2バッフル27は、給排水流路24を上昇してきた比較的強い流れを緩和し、該バッフル27の下を潜らせ傾斜板22に沿ってトラフ19に向かわせる際に、巻き上げられた濾材を流れaから剥離し、濾材が該傾斜板22の上面を上昇する流れbに乗ってトラフ側へ流入するのを阻止する役目を有する。また、全体が水面下にある第1バッフル26は、該第1バッフル26の上端と水面との間にSSをトラフ側へ排出するための流れaを形成するとともに濾材を給排水流路24方向へ導いて下方へ落下させるために適した流れcを形成する役目を有する。これらの第一バッフル26と第二バッフル27によりSSの排出と、濾材の回収が効果的に行われる。
【0029】
なお、逆洗は1日に1〜2回程度で十分である。
【0030】
図示の実施の形態では、濾層12に比重が大小に異なる複数の濾材層を、比重の小さいもの程、上にして積層した多層濾層を使用したが、これに限らず濾層は一種の濾材で構成したものでもよい。また、トラフ19に原水を供給する主管20は濾過塔の底を貫通し、塔内の中心に沿って立ち、上端部をトラフ19の底を貫通した構成としたが、濾過塔の側壁を貫通して直接トラフに接続するものでもよい。また、主管20は原水供給と、洗浄排水の排出を兼ねるものとしたが、トラフ19に直に排出管21を接続し、原水供給用の主管20と、洗浄排水排出用の排出管21とを別個としてもよい。
【0031】
[第2の実施の形態]
第4図は第2の実施の形態に係る濾過装置の水平断面図、第5図は濾過塔を第4図のV方向から見た透視斜視図である。
【0032】
なお、第4図は第2図に相当する部分の断面を示しており、塔体を透視状態としている。第5図は第3図に相当する斜視図である。第5図では第3図と同様に第1及び第2バッフルの図示を省略している。
【0033】
この実施の形態では、傾斜板22Aの一方の側辺に沿ってのみ側部流路30が設けられており、傾斜板22Aの他方の側辺は塔内壁面に到達するように延設されている。トラフ19Aもその長手方向の一端が傾斜板22Aと共に塔内壁面に到達するように延設されている。従って、側部流路30の水平面積は第1の実施の形態の側部流路30,30の合計に対し1/2となっている。
【0034】
第4図及び第5図の実施の形態のその他の構成は、第1図〜第3図の実施の形態と同一であり、同一符号は同一部分を示している。この第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の作用効果が奏される。
【0035】
[第3の実施の形態]
第8図は第4の実施の形態に係る濾過装置の水平断面図、第7図は濾過塔を第6図のIX方向から見た透視斜視図、第8図は第7図のVIII−VIII線断面図である。
【0036】
なお、第6図は第2,4に相当する部分の断面を示しており、塔体を透視状態としている。第7図は第3,5に相当する斜視図である。第7図では、第3,5と同様に第1及び第2バッフルの図示を省略している。この実施の形態では、トラフ19Cが塔内壁面の一部に沿って延在している。傾斜板22Cは、このトラフ19Cから反対側の塔内壁面に向って延在している。
【0037】
傾斜板22Cの傾斜方向最上位部分がトラフ19Cに連結されている。傾斜板22Cの最下位部分は塔内壁面から離隔しており、この傾斜板22Cの最下位部分と塔内壁面との間が給排水流路24Cとなっている。
【0038】
この給排水流路24Cの下方には、塔内壁面から空気返し板50が突設されている。この空気返し板50は、給排水流路24Cよりも若干大きい水平投影面積を有しており、給排水流路24Cに気泡が直に流れ込むことが、該空気返し板50によって防止されている。
【0039】
傾斜板22Cの上側には、第1バッフル26Cと第2バッフル27Cとが配置されている。これらのバッフル26C,27Cは、板面を略鉛直方向とした平板状のものであり、トラフ19Cと平行方向に延在している。バッフル26Cは、バッフル27Cよりも給排水流路24Cの近くに位置している。バッフル26,27と傾斜板22との関係と同様に、バッフル26C、27Cの下端は傾斜板22Cから離反している。バッフル26,27と同様に、バッフル26Cの上端は洗浄時の水面Wから若干下位に位置しており、バッフル27Cの上端は洗浄時の水面Wと同レベルとなっている。この水面Wは洗浄時でのトラフ19Cの溢流レベルである。
【0040】
傾斜板22Cの傾斜方向に沿う双方の側辺と塔内壁面との間がそれぞれ側部流路30C,30Cとなっている。傾斜板22Cのこれらの側辺からは、水面Wにまで仕切板31C,31Cが立設されている。
【0041】
この実施の形態は、このように、給排水流路24Cが1個だけ設けられている点を除き、第1の実施の形態と同様であり、濾過処理工程及び逆洗工程における水や空気の流れ、傾斜板22C、バッフル26C,27Cの機能はいずれも第1の実施の形態と同じである。従って、この実施の形態によっても前記各実施の形態と同様の作用効果が奏される。
【0042】
上記実施の形態においては、傾斜板22,22Cの水平面に対する傾斜角は30°〜60°であることが好ましく、第1バッフル26,26C、第2バッフル27,27Cは傾斜板22,22Cに対してほぼ垂直方向に設けると傾斜板22,22C上での流れがスムーズとなり、好ましい。
【0043】
上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。また、上記実施の形態において、側部流路30,30B,30Cは人間が通り抜けられる程度の大きさにすれば、濾過塔内のメンテナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1の実施の形態に係る濾過装置の縦断面図である。
【図2】第1図のII−II線断面図である。
【図3】第2図のIII方向から見た濾過装置上部の透視斜視図である。
【図4】第2の実施の形態に係る濾過装置の水平断面図である。
【図5】第4図のV方向から見た透視斜視図である。
【図6】第3の実施の形態に係る濾過装置の水平断面図である。
【図7】第6図のIX方向から見た透視斜視図である。
【図8】第7図のVIII-VIII線断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 濾過塔
12 濾過槽
19,19A,19B,19C トラフ
22,22B,22C 傾斜板
24,24C 給排水流路
30,30B,30C 側部流路
31,31C 仕切板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過塔内に充填した濾層に原水を下向流で通水して濾過処理すると共に、空気及び洗浄水を濾層に上向流で通水し、濾層を展開して洗浄する濾過装置であって、
該濾層の上側に傾斜板が、該傾斜板の下端と塔内壁面との間に給排水流路をあけて設けられ、
該傾斜板の上側に、洗浄排水溢出用のトラフが設けられている濾過装置において、
該傾斜板の傾斜方向に延在した少なくとも一方の側辺と塔内壁面との間に側部流路を設けると共に、
該側部流路に臨む傾斜板の側辺から上方に立ち上がる仕切板を設けたことを特徴とする濾過装置。
【請求項2】
請求項1において、前記傾斜板の上側かつ該給排水流路と該トラフとの間に、該傾斜板から離隔して第1バッフル及び第2バッフルが設けられており、
該第1バッフルは第2バッフルと前記給排水流路との間に位置しており、
第1バッフルの上端は洗浄時にトラフが規制する塔内の水面より下に位置し、第2バッフルの上端は洗浄時にトラフの上面が規制する塔内の水面より上に突出しているか、または、該水面と同じレベルに位置していることを特徴とする濾過装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記トラフは、塔の中央部を横断方向に延設されており、
前記傾斜板として、該トラフに連なり、トラフから離反する一方向へ下り勾配にて延在する第1傾斜板と、該トラフに連なり、他方向へ下り勾配にて延在する第2傾斜板とが設けられていることを特徴とする濾過装置。
【請求項4】
請求項1又は2において、前記トラフは塔上部の塔内壁面の一部に沿って延在しており、
前記傾斜板は、該トラフに連なり、トラフとは反対側の塔内壁面へ向って下り勾配にて延在していることを特徴とする濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−272733(P2008−272733A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294541(P2007−294541)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】