説明

灌水、液滴施用若しくは浸漬施用によって又は種子を処理することによって昆虫類及びハダニ類を防除するためのフェニルトリアゾール類の使用

本発明は、灌水により若しくは液滴により若しくは浸漬により土壌/成長基材を処理することによって、又は、種子を処理することによって、昆虫類及び/又はハダニ類及び/又は線虫類などの動物有害生物を防除するための、式(I)


〔式中、R及びRは、明細書中に与えられる意味を有する。〕の化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灌水、液滴施用(droplet application)若しくは浸漬(dip)〔浸漬(immersion)〕施用によって又は種子を処理することによって昆虫類及び/又はハダニ類及び/又は線虫類を防除するための、フェニルトリアゾール類の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フェニルトリアゾール類は、WO 1999/55668及びWO 2006/043635において既に記載されている。これらの文献においては、殺虫作用についても報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第1999/55668号
【特許文献2】国際公開第2006/043635号
【発明の概要】
【0004】
驚くべきことに、フェニルトリアゾール誘導体が、地表面への灌水(当業者には、「灌注(drenching)」として知られている)、地表面への液滴施用(当業者には、「滴下施用(drip application)」として知られている)若しくは浸漬施用によって又は種子を処理することによって昆虫類及びハダニ類を防除するのにも極めて適しているということが見いだされた。
【0005】
従って、本発明は、灌注によって、又は、灌漑システムにおける滴下施用として、又は、浸漬施用によって、昆虫類及び/又はハダニ類及び/又は線虫類を防除するためのフェニルトリアゾール類の使用、並びに、種子処理ためのフェニルトリアゾール類の使用に関する。本発明は、特に、屋外又は閉鎖系内(例えば、温室内又はクローシュ下)における、及び、一年生作物(例えば、野菜類、香辛料類、観賞植物)や、さらに、多年生作物(例えば、カンキツ類植物、針葉樹、観賞植物、灌木)における、土壌を用いない人工栽培基材〔例えば、ロックウール、グラスウール、ケイ砂、礫、発泡粘土(expanded clay)、バーミキュライト〕に対する、これらの施用形態に関する。
【0006】
保護対象の作物について概括的にのみ記載してきたが、以下において、詳細に且つ具体的に記載する。かくして、上記使用に関して、野菜類は、以下のものを意味するものと理解される:例えば、結果野菜類(fruiting vegetables)及び野菜としての花、例えば、ピーマン、トウガラシ、トマト、ナス、キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、ソラマメ、ベニバナインゲン、ツルナシインゲン、エンドウ、チョウセンアザミ、トウモロコシ;
さらに、葉菜類、例えば、ヘッドレタス、チコリー、エンダイブ、さまざまなタイプのコショウソウ、さまざまなタイプのハナダイコン、ラムズレタス、アイスバーグレタス、リーキ、ホウレンソウ、フダンソウ;
さらに、塊茎菜類、根菜類及び茎菜類、例えば、根用セロリ、赤ビートの根(red beetroot)、ニンジン、ラディッシュ、セイヨウワサビ、サルシフィー、アスパラガス、カブ、パームシュート(palm shoot)、タケノコ、さらに、ネギ属野菜類、例えば、タマネギ、リーキ、ウイキョウ、ニンニク;
さらに、アブラナ属(Brassica)野菜類、例えば、カリフラワー、ブロッコリー、コールラビ、赤キャベツ、白キャベツ、ケールキャベツ、サボイキャベツ、芽キャベツ、ハクサイ。
【0007】
上記使用に関して、多年生作物は、以下のものを意味するものと理解される:例えば、カンキツ類、例えば、オレンジ、グレープフルーツ、タンジェリン、レモン、ライム、ダイダイ、キンカン、ウンシュウミカン;
さらに、仁果類、例えば、リンゴ、ナシ及びマルメロ、並びに、核果類、例えば、モモ、ネクタリン、サクラの木、プラム、クエッチ(quetsch)、アンズ;
さらに、ブドウの木、ホップ、オリーブ、チャ、並びに、熱帯作物、例えば、マンゴー、パパイア、イチジク、パイナップル、ナツメヤシ、バナナ、ドリアン、カキ、ココナッツ、カカオ、コーヒー、アボカド、レイシ、マラクジャ、グアバ;
さらに、アーモンド類及びナッツ類、例えば、ヘイゼルナッツ、クルミ、ピスタチオ、カシューナッツ、パラナッツ、ペカンナッツ、バターナッツ、クリ、ヒッコリーナッツ、マカダミアナッツ、ラッカセイ;
さらに、小果樹、例えば、アカフサスグリ、グズベリー、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、イチゴ、ツルコケモモ(オオミノツルコケモモを包含する)、キウイフルーツ。
【0008】
上記使用に関して、観賞植物は、以下の一年生植物及び多年生植物を意味するものと理解される:例えば、切り花、例えば、バラ、カーネーション、ガーベラ、ユリ、マーガレット、キク、チューリップ、スイセン、アネモネ、ケシ、アマリリス、ダリア、アザレア、ゼニアオイ属植物;
さらに、例えば、花壇用植物、鉢植え植物及び多年生植物、例えば、バラ、マンジュギク、スミレ、ゼラニウム、フクシア、ハイビスカス、キク、インパチェンス、シクラメン、アフリカスミレ、ヒマワリ、ベゴニア;
さらに、例えば、灌木及び針葉樹、例えば、イチジク属植物、ツツジ属植物、モミ属植物、トウヒ属植物、マツ属植物(コウヤマキを包含する)、イチイ属植物、ビャクシン属植物、セイヨウキョウチクトウ。
【0009】
上記使用に関して、香辛料類は、以下の一年生植物及び多年生植物を意味するものと理解される:例えば、アニシード、トウガラシ、パプリカ、コショウ、バニラ、マヨラナ、タイム、クローブ、ジュニパーベリー、シナモン、タラゴン、コリアンダー、サフラン、ショウガ。
【0010】
殺虫的に及び/又は殺ダニ的に及び/又は殺線虫的に使用することが可能な本発明によるフェニルトリアゾール類の定義は、一般式(I)
【0011】
【化1】

〔式中、
は、H又はNHを表し;
は、CH又はFを表す〕
によって与えられる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
式(I)の化合物の好ましい亜群につて、以下に記載する。
【0013】
式(I)の化合物の特定の群においては、Rは、水素を表す。
【0014】
式(I)の化合物の特定のさらなる群においては、Rは、NHを表す。
【0015】
式(I)の化合物の特定のさらなる群においては、Rは、メチルを表す。
【0016】
式(I)の化合物の特定のさらなる群においては、Rは、フッ素を表す。
【0017】
式(I)の化合物の好ましい亜群は、式(I−1)
【0018】
【化2】

の化合物である。
【0019】
式(I)の化合物の好ましいさらなる亜群は、式(I−2)
【0020】
【化3】

の化合物である。
【0021】
式(I)の化合物の好ましいさらなる亜群は、式(I−3)
【0022】
【化4】

の化合物である。
【0023】
式(I)の化合物の好ましいさらなる亜群は、式(I−4)
【0024】
【化5】

の化合物である。
【0025】
一般式(I)の化合物は、キラルなスルホキシド基を有しており、その結果、別のキラル中心が存在していない場合には、当該硫黄においてR立体配置又はS立体配置を有している2種類のエナンチオマー:
【0026】
【化6】

〔ここで、R及びRは、上記で与えられている意味を有する〕
を形成する。
【0027】
アキラルな出発物質からの合成においては、ラセミ化合物が存在するように、2種類のエナンチオマーが等量で形成される。文献(cf. WO 1999/055668、及び、WO 2006/043635)により知られているラセミ化合物の個々のエナンチオマーへの分離は、キラル固定相における分取HPLCによって実施することができる。そのような分離は、例えば、移動相〔n−ヘプタン/エタノール/メタノール 60:20:20(v/v/V)〕、流量〔30mL/分〕及び紫外線検出〔220nm〕を用いるDaical Chiralpak AD−Hカラム(250mm×30mm)で実施し得る。次いで、当該2種類のエナンチオマーは、文献により知られている方法によって、例えば、X線構造解析によって、又は、旋光を測定することによって、特徴付けることができる。
【0028】
従って、本発明は、式(I)の化合物のR−エナンチオマー又はS−エナンチオマーを含んでいるフェニルトリアゾール類の使用も提供する。
【0029】
式(I)の化合物の特に好ましい亜群は、式(I−1A)、式(I−1B)、式(I−2A)、式(I−2B)、式(I−3A)、式(I−3B)、式(I−4A)、式(I−4B):
【0030】
【化7】


のそれぞれのR−エナンチオマー又はS−エナンチオマーである。
【0031】
本発明によるフェニルトリアゾール誘導体の使用は、農業において、園芸において、森林で及び庭園やレジャー施設において遭遇するさまざまな動物有害生物、特に、昆虫類、クモ形類動物、蠕虫類、線虫類及び軟体動物に対抗するものであり、通常の感受性種及び抵抗性種に対抗するものであり、並びに、全ての発育段階又は一部の発育段階に対抗するものである。上記有害生物としては、以下のものを挙げることができる:
シラミ目(Anoplura)(Phthiraptera)の、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.);
クモ綱(Arachnida)の、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イキソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニクス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニクス属種(tetranychus spp.)、バサテス・リコペルシシ(Vasates lycopersici);
ニマイガイ綱(Bivalva)の、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.);
キロポーダ目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、スクチゲラ属種(Scutigera spp.);
コウチュウ目(Coleoptera)の、例えば、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロホラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ジビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リキスス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シンフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.);
トビムシ目(Collembola)の、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus);
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、ホルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia);
ジプローダ目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus);
ハエ目(Diptera)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリホラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)、コルジオビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレキス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミイア属種(Hylemyia spp.)、ヒポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウォールファールチア属種(Wohlfahrtia spp.);
マキガイ綱(Gastropoda)の、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.);
ゼンチュウ綱(helminths)の、例えば、アンシロストマ・ズオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストマ・セイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アンシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マライ(Brugia malayi)、ブルギア・チモリ(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カベルチア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp)、ジクチオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ジフィロボトリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、ドラクンクルス・メジネンシス(Dracunculus medinensis)、エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファシオラ属種(Faciola spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒオストロングルス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa Loa)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、オエソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピストルキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、シストソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナタ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナチバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトビ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・プセウドプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリクリス・トリクリア(Trichuris trichuria)、ウケレリア・バンクロフチ(Wuchereria bancrofti)。
【0032】
さらにまた、エイメリア(Eimeria)などの原生動物も防除することができる。
【0033】
ヘテロプテラ目(Heteroptera)の、例えば、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)、アンテスチオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメキス属種(Cimex spp.)、クレオンチアデス・ジルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ジコノコリス・ヘウェチ(Diconocoris hewetti)、ジスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウシスツス属種(Euschistus spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エキスカバツス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス・セリアツス(Psallus seriatus)、プセウダシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノホラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニチス・ナシ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.);
ホモプテラ目(Homoptera)の、例えば、アシルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノセナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロデス属種(Aleurodes spp.)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロトリキスス属種(Aleurothrixus spp.)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルズイ(Anuraphis cardui)、アオニジエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスチグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリジア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピジエラ属種(Aspidiella spp.)、アスピジオツス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキカウズス・ヘリクリシイ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリジポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、セラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、セルコピダエ(Cercopidae)、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシホン・フラガエホリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキイ(Chlorita onukii)、クロマフィス・ジュグランジコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカズリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、コッコミチルス・ハリイ(Coccomytilus halli)、コックス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ジアレウロデス属種(Dialeurodes spp.)、ジアホリナ属種(Diaphorina spp.)、ジアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)、ジスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリトロネウラ属種(Erythroneura spp.)、エウセリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、ゲオコックス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロジスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、イセリア属種(Icerya spp.)、イジオセルス属種(Idiocerus spp.)、イジオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファキス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルバ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネホテッチキス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベムシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイジス(Peregrinus maidis)、フェナコックス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、ホロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フィロキセラ属種(Phylloxera spp.)、ピンナスピス・アスピジストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコックス属種(Planococcus spp.)、プロトプルビナリア・ピリホルミス(Protopulvinaria pyriformis)、プセウダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、プセウドコックス属種(Pseudococcus spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピジオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、クエサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコックス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセチア属種(Saissetia spp.)、スカホイデス・チタヌス(Scaphoides titanus)、シザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピズス・アルチクラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スチクトセファラ・フェスチナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マラエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カリアエホリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビチホリイ(Viteus vitifolii);
ハチ目(Hymenoptera)の、例えば、ジプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、及び、ベスパ属種(Vespa spp.);
ワラジムシ目(Isopoda)の、例えば、アルマジリジウム・ブルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、及び、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber);
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、及び、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.);
チョウ目(Lepidoptera)の、例えば、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブックラトリキス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロセルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエーニエラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクチス・クリソルホエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・プセウドスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファネ・アンテンナタ(Lithophane antennata)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、モシス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プセウダレチア属種(Pseudaletia spp.)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲンマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリキス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.);
バッタ目(Orthoptera)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria);
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)、及び、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis);
コムカデ目(Symphyla)の、例えば、スクチゲレラ・インマクラタ(Scutigerella immaculata);
アザミウマ目(Thysanoptera)の、例えば、バリオトリプス・ビホルミス(Baliothrips biformis)、エンネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコトリプス属種(Kakothrips spp.)、リピホロトリプス・クルエンタツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、シルトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、トリプス属種(Thrips spp.);
シミ目(Thysanura)の、例えば、レピスマ・サカリナ(Lepisma saccharina)。
【0034】
植物寄生性線虫としては、例えば、以下のものを挙げることができる:アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンクス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis)、ロチレンクス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、チレンコリンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)、チレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、キシフィネマ属種(Xiphinema spp.)。
【0035】
フェニルトリアゾール誘導体の本発明による使用は、それ単独であることができるか、又は、別の活性化合物との組合せであることも可能である。従って、本発明に従って使用される組成物には、少なくとも1種類のフェニルトリアゾール誘導体に加えて、さらなる浸透性殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、浸透性殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節物質、除草剤、薬害軽減剤、肥料又は情報化学物質などの別の活性物質も含ませることができる。
【0036】
本発明に従って使用される組成物には、さらに、協力剤も含ませることができる。協力剤は、当該活性化合物の効果を増大させる化合物であり、その際、加えられる協力剤自体は必ずしも活性を有する必要はない。
【0037】
本発明に従って使用される組成物には、さらに、抑制剤(inhibitor)も含ませることが可能であり、ここで、該抑制剤は、施用された後で該活性化合物の分解を低減させる。
【0038】
本発明に従って、全ての植物を処理することができる。好ましい実施形態では、野生の植物種及び植物品種、又は、交雑若しくはプロトプラスト融合のような慣習的な生物学的育種により得られた植物種及び植物品種、並びに、それらの部分を処理する。好ましいさらなる実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組合せた遺伝子工学により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)を処理する。
【0039】
特に好ましくは、いずれの場合も市販されているか又は使用されている植物品種の植物を、本発明によって処理する。植物品種は、慣習的な育種又は突然変異誘発又は組換えDNA技術によって得られた、新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものと理解されるべきである。それらは、品種、生物型又は遺伝子型であることができる。
【0040】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分)に応じて、本発明に従う処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)が生じることもあり得る。かくして、例えば、本発明による組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花の増大、収穫の容易性の向上、より早い成熟、収穫量の増加、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の向上、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、これらは、通常予期される効果を超えるものである。
【0041】
特に有利で有用な特質(「形質」)を植物に付与する遺伝物質を遺伝子修飾において受け取った全ての植物は、本発明に従って処理される好ましいトランスジェニック植物又は植物品種(即ち、遺伝子工学により得られたもの)に包含される。そのような特質の例は、植物の向上した生育、高温又は低温に対する向上した耐性、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する向上した耐性、増加した開花、向上した収穫の容易性、向上した成熟速度、増加した収穫量、収穫された生産物の向上した品質及び/又は向上した栄養価、収穫された生産物の向上した貯蔵安定性及び/又は向上した加工性である。そのような特質のさらに別の特に重要な例は、有害生物及び有害微生物に対する植物の向上した防御、例えば、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類及び/又はウイルス類に対する植物の向上した防御、並びに、特定の除草活性化合物に対する植物の向上した耐性である。挙げることができるトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば、穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、テンサイ、トマト、エンドウ及び他の野菜種、ワタ、タバコ、ナタネ、並びに、果実植物(果実のリンゴ、ナシ、カンキツ類果実及びグレープを有する果実植物)などであり、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びナタネは特に重要である。重要な形質は、特に、植物体内で形成された毒素による、昆虫類、クモ形類動物、線虫類並びにナメクジ類及びカタツムリ類に対する植物の向上した防御であり、特に、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)からの遺伝物質〔例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにそれらの組合せ〕により植物体内で形成された毒素による、昆虫類、クモ形類動物、線虫類並びにナメクジ類及びカタツムリ類に対する植物の向上した防御である(以下、「Bt植物」と称する)。同様に特に重要な形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン(systemin)、フィトアレキシン、誘導因子並びに抵抗性遺伝子及びそれにより発現されるタンパク質及び毒素による、菌類、細菌類及びウイルスに対する植物の向上した防御である。特に重要であるさらに別の形質は、特定の除草活性化合物、例えば、イミダゾリノン系、スルホニル尿素系、グリホセート又はホスフィノトリシンなどに対する植物の向上した耐性である(例えば、「PAT」遺伝子)。望まれる当該形質を付与する遺伝子は、トランスジェニック植物体内で、互いに組み合わせて存在させることも可能である。挙げることができる「Bt植物」の例は、YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)、及び、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、ワタ品種、ダイズ品種及びジャガイモ品種である。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、Roundup Ready(登録商標)(グリホセートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)、及び、STS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種である。挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)としては、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されている品種などがある。もちろん、ここで述べたことは、これらの遺伝形質又は今後開発される遺伝形質を有し、将来において開発及び/又は販売されるであろう植物品種にも適用される。
【0042】
フェニルトリアゾール誘導体の本発明による使用は、灌注によって、若しくは、灌漑システムにおける滴下施用として、若しくは、浸漬施用によって行うか、又は、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合は、さらに、1以上のコーティングを施すことによっても行う。
【0043】
本発明によって好ましいのは、種子の処理である。有害生物に起因する作物植物に対する被害の大部分は、早くも、貯蔵中に、並びに、種子が土壌中に導入された後に、並びに、植物が発芽している最中及び発芽の直後に、種子が侵襲されたとき起こる。この相は特に危険である。それは、成長している植物の根及び苗条は特に感受性が高く、少量の損傷であってもその植物全体が死に至り得るからである。従って、適切な組成物を用いて種子及び発芽中の植物を保護することに、特に大きな関心が持たれている。
【0044】
植物の種子を処理することによる有害生物の防除は、長い間知られており、継続的に改良が加えられている。しかしながら、種子を処理することには、必ずしも満足のいくように解決することができるわけではない一連の問題が伴っている。従って、播種後又は植物の出芽後に作物保護製品を追加で施用することを不要とするような、種子及び発芽中の植物を保護する方法を開発することは望ましい。さらに、使用する活性化合物によって植物自体に損傷を与えることなく、有害生物による攻撃から種子及び発芽中の植物が最適に保護されるように、使用する活性化合物の量を最適化することも望ましい。特に、種子を処理する方法では、最少量の作物保護製品を使用して種子及び発芽中の植物の最適な保護を達成するために、トランスジェニック植物の内因性の殺虫特性も考慮に入れるべきである。
【0045】
従って、本発明は、特に、有害生物による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護する方法にも関し、ここで、該方法は、当該種子を本発明の活性化合物で処理することによる。本発明は、さらに、種子及びその種子から生じた植物を有害生物から保護するために種子を処理するためのフェニルトリアゾール類の使用にも関する。さらに、本発明は、有害生物から保護されるように、本発明に従って処理された種子にも関する。
【0046】
本発明の有利な点の1つは、フェニルトリアゾール誘導体が有している際立った浸透移行特性によって、その活性化合物で種子を処理することにより、有害生物から、その種子自体が保護されるのみではなく、出芽後に生じる植物も保護されるということである。このようにして、播種時又は播種後間もなくの作物の即時的な処理を省くことができる。
【0047】
さらにまた、本発明に従って、フェニルトリアゾール類が、特に、トランスジェニック種子(ここで、その種子から生じた植物は、有害生物に対抗するタンパク質を発現することができる)においても使用可能であるということも、有利な点として見なされなければならない。そのような種子を処理することで、特定の有害生物は、例えば殺虫性タンパク質が単に発現することによって防除可能であり、そして、種子に対する損傷は、付加的に、本発明の化合物によって防止される。
【0048】
フェニルトリアゾール誘導体の本発明による使用は、農業において、温室内で、森林で又は園芸において使用される上記で既に挙げた全ての植物品種の種子を保護するのに適している。特に、それは、トウモロコシ、ラッカセイ、カノラ、ナタネ、ケシ、ダイズ、ワタ、ビート(例えば、テンサイ及び飼料用ビート)、イネ、アワ、コムギ、オオムギ、エンバク、ライムギ、ヒマワリ、タバコ、ジャガイモ又は野菜(例えば、トマト、キャベツ種)の種子である。本発明による活性化合物は、さらに、上記で既に挙げた果実植物の種子及び野菜類の種子を処理するのにも適している。トウモロコシ、ダイズ、ワタ、コムギ、イネ及びカノラ又はナタネの種子を処理することは、特に重要である。
【0049】
既に上記で述べたように、本発明の活性化合物によるトランスジェニック種子の処理も、特に重要である。当該種子は、特に殺虫特性を有するポリペプチドの発現を支配する少なくとも1種類の異種遺伝子を概して含んでいる植物の種子である。これに関連して、トランスジェニック種子内の異種遺伝子は、バシルス(Bacillus)、リゾビウム(Rhizobium)、シュードモナス(Pseudomonas)、セラチア(Serratia)、トリコデルマ(Trichoderma)、クラビバクテル(Clavibacter)、グロムス(Glomus)又はグリオクラジウム(Gliocladium)などの微生物に由来し得る。本発明は、その遺伝子産物がアワノメイガ(European corn borer)及び/又はコーンルートワーム(corn root worm)に対して活性を示す、バシルス属種(Bacillus sp.)に由来する少なくとも1種類の異種遺伝子を含んでいてるトランスジェニック種子を処理するのに特に適している。それは、特に好ましくは、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する異種遺伝子である。
【0050】
本発明に関連して、当該フェニルトリアゾール誘導体は、種子に対して、単独で施用するか、又は、適切な製剤に含ませて施用する。好ましくは、種子は、処理中の損傷を回避するのに充分なほど安定な状態で処理する。一般に、種子は、収穫と播種の間の任意の時点で処理することができる。通常使用する種子は、植物から分離されていて、穂軸、殻、葉柄、外皮、被毛又は果肉を伴っていない。
【0051】
種子を処理する場合、種子の発芽が悪影響を受けないように、又は、種子から生じた植物が損傷を受けないように、種子に施用するフェニルトリアゾール誘導体の量及び/又はさらなる添加剤の量を選択することに関して一般に注意しなくてはならない。
【0052】
本発明による組成物は、直接的に施用することが、即ち、別の成分を含ませることなく、また、希釈することなく、施用することが可能である。一般に、該組成物は、適切な製剤の形態で種子に施用するのが好ましい。種子を処理するための適切な製剤及び方法は、当業者には知られており、例えば、以下の文献に記載されている:US 4,272,417A、US 4,245,432A、US 4,808,430A、US 5,876,739A、US 2003/0176428A1、WO 2002/080675A1、WO 2002/028186A2。
【0053】
本発明に従って使用することが可能な活性化合物は、慣習的な種子粉衣製剤、例えば、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末剤、泡剤、スラリー剤又は種子用の別のコーティング組成物や、及び、さらに、ULV製剤などに変換することができる。
【0054】
これらの製剤は、既知方法で、該活性化合物を、慣習的な添加剤、例えば、慣習的な増量剤、及び、さらに、溶媒又は希釈剤、着色剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類などと混合させ、及び、さらに、水と混合させることによって、調製する。
【0055】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる着色剤は、そのような目的に関して慣習的な全ての着色剤である。これに関連して、水中であまり溶解性しない顔料のみではなく、水中で溶解する染料も使用し得る。挙げることができる例は、「Rhodamin B」、「C.I.Pigment Red 112」、及び、「C.I.Solvent Red 1」の名称で知られている着色剤である。
【0056】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切な湿潤剤は、農薬活性化合物の製剤に関して慣習的に使用される、湿潤を促進する全ての物質である。好ましくは、アルキルナフタレンスルホネート類、例えば、ジイソプロピルナフタレンスルホネート又はジイソブチルナフタレンスルホネートなどを使用する。
【0057】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切な分散剤及び/又は乳化剤は、農薬活性化合物の製剤に関して慣習的に使用される非イオン性、アニオン性及びカチオン性の全ての分散剤である。好ましくは、非イオン性若しくはアニオン性の分散剤又は非イオン性若しくはアニオン性の分散剤の混合物を使用する。挙げることができる適切な非イオン性分散剤は、特に、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー類、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類及びトリスチリルフェノールポリグリコールエーテル類、並びに、それらのリン酸化誘導体又は硫酸化誘導体である。適切なアニオン性分散剤は、特に、リグノスルホネート類、ポリアクリル酸塩類及びアリールスルホネート/ホルムアルデヒド縮合物である。
【0058】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる消泡剤は、農薬活性化合物の製剤に関して慣習的に使用される全ての泡抑制物質である。好ましくは、シリコーン消泡剤及びステアリン酸マグネシウムを使用することができる。
【0059】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる防腐剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質である。ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールを例として挙げることができる。
【0060】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる第2の増粘剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質である。セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、変性クレー及び微粉砕シリカが好ましい。
【0061】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる粘着剤は、種子粉衣製品中で使用可能な全ての慣習的な結合剤である。ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びチロースを好ましいものとして挙げることができる。
【0062】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができるジベレリン類は、好ましくは、ジベレリンA1、ジベレリンA3(=ジベレリン酸)、ジベレリンA4及びジベレリンA7である。特に好ましくは、ジベレリン酸を使用する。ジベレリン類は知られている(cf. R.Wegler “Chemie der Pflanzenschutz− und Schadlingsbekampfungsmittel” [Chemistry of crop protection agents and pesticides], vol.2, Springer Verlag, 1970, p.401−412)。
【0063】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤は、広い範囲の種子(これは、トランスジェニック植物の種子を包含する)を処理するために、直接的に使用することができるか、又は、予め水で希釈したあとで使用することができる。これに関連して、発現により形成された物質と協力して、付加的な相乗効果が生じることもあり得る。
【0064】
種子粉衣を実施するのに慣習的に使用可能な全ての混合機は、本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤又は水を添加することによってその種子粉衣製剤から調製される調製物を用いて種子を処理するのに適している。具体的にいえば、種子を混合機の中に入れる種子粉衣工程中に、所望される特定量の種子粉衣製剤を、そのままで添加するか又は予め水で希釈したあとで添加し、及び、該製剤が当該種子の表面に均質に分配されるまで全てのものを混合させるような手順に従う。適切な場合には、続いて、乾燥工程を行う。
【0065】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤の施用量は、比較的広い範囲内で変えることができる。それは、当該製剤中の活性化合物のそれぞれの含有量及び種子に依存する。その活性化合物組合せの施用量は、一般に、種子1kg当たり0.001から50gであり、好ましくは、種子1kg当たり0.01から15gである。
【実施例】
【0066】
使用実施例
下記実施例は、発明を限定することなく、本発明について例証している。
【0067】
懸濁製剤を製造するために、最初に、全ての液体成分を互いに混合させる。次の段階において、固体を添加し、得られた混合物を均質な懸濁液が形成されるまで撹拌する。その均質な懸濁液を、まず粗粉砕に付し、次いで、微粉砕に付して、全ての固体粒子のうちの90%が10μm未満の粒径有する懸濁液を得る。次いで、室温で撹拌しながら、Kelzan S及び水を添加する。均質な懸濁製剤が得られる。含有量は、重量%で示されている。
【0068】
実施例番号1
ナスにおけるナミハダニ(Tetranychus urticae)試験;灌注施用(フランス)
適切な溶液を調製するために、製剤品を水と混合させ、希釈して所望の濃度とする。
【0069】
ナミハダニ(greenhouse red spider mite)(Tetranychus urticae)の混合個体群が感染している約3週齢のナス植物(Solanum melongena)にそれぞれの製品の溶液(水体積:50mL/植物)を用いて灌水する(示されている濃度は、植物1個体当たりの活性化合物の量である)。
【0070】
所望の期間が経過した後、効果(%)を測定する。100%は、当該ナミハダニが全て死んだことを意味し、0%は、死んだナミハダニが無かったことを意味する。
【0071】
この試験において、以下の製品は良好な浸透移行性を示した:
【0072】
【表1】

【0073】
実施例番号2
トマトにおけるリリオミザ属種(Liriomyza spp.)試験;灌注施用(フランス)
適切な溶液を調製するために、製剤品を水と混合させ、希釈して所望の濃度とする。
【0074】
ハモグリバエ(leaf−mining fly)(Liriomyza spp.)の混合個体群が発生している3葉期(BBCH13)のトマト植物(Solanum esculentum)にそれぞれの製品の溶液(水体積:50mL/植物)を用いて灌水する(示されている濃度は、植物1個体当たりの活性化合物の量である)。
【0075】
所望の期間が経過した後、効果(%)を測定する。100%は、当該ハモグリバエが全て死んだことを意味し、0%は、死んだハモグリバエが無かったことを意味する。
【0076】
この試験において、以下の製品は良好な浸透移行性を示した:
【0077】
【表2】

【0078】
実施例番号3
オレンジにおけるミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)試験;灌注施用(ブラジル)
適切な溶液を調製するために、製剤品を水と混合させ、希釈して所望の濃度とする。
【0079】
ミカンハモグリガ(citrus leaf−mining moth)(Phyllocnistis citrella)が発生している約1年齢のオレンジの木(Citrus sinensis)にそれぞれの製品の溶液(水体積:50mL/植物)を用いて灌水する(示されている濃度は、植物1個体当たりの活性化合物の量である)。
【0080】
所望の期間が経過した後、効果(%)を測定する。100%は、当該ミカンハモグリガが全て死んだことを意味し、0%は、死んだミカンハモグリガが無かったことを意味する。
【0081】
この試験において、以下の製品は良好な浸透移行性を示した:
【0082】
【表3】

【0083】
実施例番号4
オレンジにおけるミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)試験;灌注施用(ブラジル)
適切な溶液を調製するために、製剤品を水と混合させ、希釈して所望の濃度とする。
【0084】
ミカンクロアブラムシ(citrus aphid)(Toxoptera citricidus)の混合個体群が発生している樹高1mのオレンジの木(Citrus sinensis)にそれぞれの製品の溶液(水体積:50mL/植物)を用いて灌水する(示されている濃度は、植物1個体当たりの活性化合物の量である)。
【0085】
所望の期間が経過した後、効果(%)を測定する。100%は、当該ミカンクロアブラムシが全て死んだことを意味し、0%は、死んだミカンクロアブラムシが無かったことを意味する。
【0086】
この試験において、以下の製品は良好な浸透移行性を示した:
【0087】
【表4】

【0088】
実施例番号5
トマトにおけるマメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)試験;灌注施用(イタリア)
適切な溶液を調製するために、製剤品を水と混合させ、希釈して所望の濃度とする。
【0089】
マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)の混合個体群が発生している4葉期(BBCH14)のトマト植物(Solanum esculentum)にそれぞれの製品の溶液(水体積:200mL/植物)を用いて灌水する(示されている濃度は、植物1個体当たりの活性化合物の量である)。
【0090】
所望の期間が経過した後、効果(%)を測定する。100%は、当該マメハモグリバエが全て死んだことを意味し、0%は、死んだマメハモグリバエが無かったことを意味する。
【0091】
この試験において、以下の製品は良好な浸透移行性を示した:
【0092】
【表5】

【0093】
実施例番号6
ツルナシインゲンマメにおけるナミハダニ(Tetranychus urticae)試験
種子施用(温室)
適切な溶液を調製するために、製剤品を水と混合させ、希釈して所望の濃度とする。
【0094】
ツルナシインゲンマメ(Phaseolus vulgaris)の種子に活性化合物調製物を用いて粉衣し、その種子を土壌中に播種する。約2週間経過した後、そのツルナシインゲンマメ植物にナミハダニ(Tetranychus urticae)を寄生させる。
【0095】
所望の期間が経過した後、効果(%)を測定する。100%は、当該ナミハダニが全て死んだことを意味し、0%は、死んだナミハダニが無かったことを意味する。
【0096】
この試験において、以下の製品は良好な浸透移行性を示した:
【0097】
【表6】

【0098】
実施例番号7
ツルナシインゲンマメにおけるマメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)試験;灌注施用
溶媒: 4重量部のアセトン
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0099】
ツルナシインゲンマメ植物(Phaseolus vulgaris)にそれぞれの製品の溶液を用いて灌水する。示されている濃度は、植物1個体当たりの活性化合物の量である。約1週間経過した後、その処理された植物にマメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)を寄生させる。
【0100】
2週間後、効果(%)を測定する。100%は、当該マメハモグリバエが全て死んだことを意味し、0%は、死んだマメハモグリバエが無かったことを意味する。
【0101】
この試験において、以下の製品は良好な浸透移行性を示した:
【0102】
【表7】

【0103】
実施例番号8
ツルナシインゲンマメにおけるナミハダニ(Tetranychus urticae)試験;灌注施用
溶媒: 4重量部のアセトン
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0104】
ツルナシインゲンマメ植物(Phaseolus vulgaris)にそれぞれの製品の溶液を用いて灌水する。示されている濃度は、植物1個体当たりの活性化合物の量である。約1週間経過した後、その処理された植物にナミハダニ(Tetranychus urticae)を寄生させる。
【0105】
2週間後、効果(%)を測定する。100%は、当該ナミハダニが全て死んだことを意味し、0%は、死んだナミハダニが無かったことを意味する。
【0106】
この試験において、以下の製品は良好な浸透移行性を示した:
【0107】
【表8】

【0108】
実施例番号9
ナスにおけるトマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)試験;灌注施用(日本)
適切な溶液を調製するために、製剤品を水と混合させ、希釈して所望の濃度とする。
【0109】
トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)の混合個体群が発生している8葉期(BBCH18)のナス植物(Solanum melongena)にそれぞれの製品の溶液(水体積:30mL/植物)を用いて灌水する(示されている濃度は、植物1個体当たりの活性化合物の量である)。
【0110】
所望の期間が経過した後、効果(%)を測定する。100%は、当該トマトハモグリバエが全て死んだことを意味し、0%は、死んだトマトハモグリバエが無かったことを意味する。
【0111】
この試験において、以下の製品は良好な浸透移行性を示した:
【0112】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
昆虫類及び/又はハダニ類及び/又は線虫類などの動物有害生物を防除するための式(I)
【化1】

〔式中、
は、H又はNHを表し;
は、CH又はFを表す〕
の化合物の使用であって、ここで、該活性化合物の施用が、地表面への灌水によって、液滴施用によって、浸漬施用によって又は種子を処理することによって行われる、前記使用。
【請求項2】
式(I)の化合物が、(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)
【化2】


からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
一般式(I)の化合物が化合物(I−1)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
一般式(I)の化合物が化合物(I−4)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項5】
処理対象の植物が人工成長基材の中で栽培されている、請求項1から4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
処理対象の植物が閉鎖系内で植え付けされている、請求項1から5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
処理対象の植物が、野菜類、香辛料類、観賞植物、灌木、針葉樹、カンキツ類植物からなる群から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
種子を処理するための、請求項1から4のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
トランスジェニック植物の種子を処理するための、請求項1から4のいずれかに記載の使用。

【公表番号】特表2012−532905(P2012−532905A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519911(P2012−519911)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004105
【国際公開番号】WO2011/006605
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】