説明

灌注式カテーテル

【課題】電気生理学的カテーテルの電極に灌注するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】カテーテル2の電極に灌注するための新規な装置と方法が開示されている。特に、流体を導くための流路を含むシャフト部1と、シャフト部1の末端に連結されている電極3と、シャフト部1の基端に連結されているハンドル部と、を備えているカテーテル1が開示されている。流路の一部は、シャフト部1に開口部7を画定している。開口部7は、流体が流路を通って流れるとき、流体の少なくとも一部が、シャフト部1の開口部7を通過した後で電極3と接触するように構成され、配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、電気生理学的カテーテルの電極に灌注するための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願は、35U.S.C.119(e)の下で、2004年5月17日出願の米国仮出願第60/571,731号「灌注式カテーテル」の出願日の利益を請求し、同出願全体を参考文献としてここに援用する。
【0003】
ヒトの心臓は、非常に複雑な器官であり、正しく機能するために筋肉の収縮と電気的な刺激の両方に依存している。電気的な刺激は、心臓の壁を経由して、先ず心房を通り、次に心室を通って、心房及び心室の対応する筋肉組織を収縮させる。従って、先ず心房が収縮し、次に心房が収縮する。この順序は、心臓が正しく機能するのに不可欠である。
【0004】
人によっては、心臓の電気的な刺激が不規則な伝播を引き起こし、心臓の正常なポンピング作用を乱す場合もある。異常な心拍リズムは「心不整脈」と呼ばれる。不整脈は、心臓の洞房結節以外の部位がリズムを打ち始めたとき(即ち、病巣性不整脈)、又は、心臓の電気信号が閉鎖回路内で反復的に循環するとき(即ち、再入性不整脈)に起こる。
【0005】
心不整脈を引き起こしている心臓の領域を探し出し、更に、これらの区域の短絡機能が働かないようにするのに用いられる技法が開発されている。これらの技法によれば、電気エネルギーを心臓組織の或る部分に印加し、その組織を切除して、再入伝導経路を遮断するか、又は病巣性始動を終結させるような傷を付ける。切除する領域は、普通は、心臓内マッピング技法を使って最初に判断される。マッピングは、通常、1つ又は複数の電極を有するカテーテルを患者に経皮的に導入すること、血管(例えば、大腿静脈又は動脈)を通してカテーテルを心臓内の部位(例えば、心臓の心房又は心室)に送ること、及び、幾つかの異なる心臓内部の各位置で多数のチャネルレコーダーを使って連続的同時記録を行えるように、故意に不整脈を誘発させること、を伴う。心電図の記録に示された不整脈の病巣又は不適切な回路は、場所が突き止められると、その領域が引き起こしている不整脈を、組織を切除することによって阻止できるように、様々な画像化又は位置特定手段によってその場所がマークされる。次に、1つ又は複数の電極を備えている切除カテーテルは、電極に隣接している組織に電気エネルギーを送り、組織に外傷を作る。1つ又は複数の適切に配置された外傷は、通常、不整脈の病巣によって発生する不規則な刺激を伝播しないようにする壊死組織の領域を作り出す。切除は、カテーテルの電極にエネルギーを印加することによって行われる。切除エネルギーは、例えば、RF、DC、超音波、マイクロ波、又はレーザー放射である。
【特許文献1】米国仮出願第60/571,731号
【特許文献2】米国特許第6,178,354号
【特許文献3】米国特許第6,461,356号
【特許文献4】米国特許第6,464,698号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、流体を導く流路を含むシャフト部と、シャフト部の末端に連結されている電極と、シャフト部の基端に連結されているハンドル部と、を備えている電気生理学的カテーテルに着目している。流路の一部は、シャフト部内に開口部を画定しており、開口部は、流体が流路を流れるときに、流体の少なくとも一部が、シャフト部の開口部を通過した後で電極と接触するように構成及び配置されている。
【0007】
本発明の別の実施形態は、シャフト部を備えており、シャフト部は、流路と、流路に連結されている流体リザーバと、流体リザーバに連結されている複数のチャンネルと、を有しており、流路は第1直径を有しており、リザーバは、第1直径より大きい第2直径を有している電気生理学的カテーテルに着目している。電気生理学的カテーテルは、また、シャフト部の末端に連結されている電極と、シャフト部の基端に連結されているハンドル部と、を備えている。流体リザーバに連結される複数のチャンネルの各チャンネルは、シャフト部に開口部を画定しており、開口部は、開口部を通ってチャンネルを出る流体が電極と接触するように構成及び配置されている。
【0008】
本発明の更に別の実施形態は、シャフト部を備えており、シャフト部は、流路と、流路に連結されているチャネルと、を有しており、チャネルは、シャフト部に開口部を画定している電気生理学的カテーテルに着目している。この電気生理学的カテーテルは、また、シャフト部に連結され、シャフト部に沿って長手方向に可動する電極アッセンブリを備えており、電極アセンブリは開口部を有している。電極アセンブリは、流体が、チャネルから、シャフト部の開口部及び電極アッセンブリの開口部の両方を通って流れるように位置決め可能となっている。電気生理学的カテーテルは、また、シャフト部の基端に連結されているハンドル部を備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
添付図面は、尺度を合わせて描いてはいない。図では、様々な図面に亘って示されている同一又は略同一の各構成要素には、同様の参照番号を付している。分かり易いように、必ずしも全ての構成要素に全ての図面で番号を付けてはいない。
【0010】
心不整脈を効果的に治療するためには、十分な寸法と深さを有する外傷を、心臓の選定された場所に作る必要がある。電極の寸法と組織接触面積が与えられた場合、無線周波数(RF)エネルギーによって作り出される外傷の寸法は、RF電力レベルと暴露時間との関数である。しかしながら、電力レベルが更に高くなると、暴露時間は、電極−組織の境界面の温度が100℃に近づくときに発生するインピーダンスの増大によって制限される。電極−組織の境界面の温度をこの限界以下に維持する或る方法は、塩水(生理的食塩水など)の様な灌注流体を切除電極に灌注することである。この塩水は、対流冷却を提供して、電極−組織の境界面の温度を制御して、インピーダンスの増大を防ぐ。灌注式の切除電極を有するカテーテルの様々な実施形態について説明する。
【0011】
図1A及び図1Bは、本発明の第1の実施形態を示している。図1Aは、末端に切除電極3が連結されたシャフト1を備えているカテーテル2を示している。シャフト1は、シャフト1の末端方向に向いている表面7に開口部5を含んでいる。塩水の様な流体9が、シャフト1から各開口部5を通して放出され、電極3の対流冷却を促すため電極3に向けて送ることができる。溝11が、開口部5を出る流体9を電極3に沿って流すために、開口部5に隣接している電極3の一部に設けられている。各溝11は、流体9が、電極3の冷却が必要な複数の部分に向けて送られるように作られていてもよい。
【0012】
図1Bは、カテーテル2の末端の図を示している。図示されるように、シャフト1の末端方向に向いた表面7には、3つの開口部5が設けられており、開口部5に隣接する電極3には3つの対応する溝11が設けられている。しかしながら、本発明は、この態様に限定されるものではなく、別の数の溝及び/又は開口部(例えば、2つ、4つ、5つ、6つ又は他の数の溝/開口部)も代わりに使用できるものと理解頂きたい。更に、溝11と開口部5との数は、同じでなくともよい。例えば、電極3に溝が無くてもよい。更に、複数の開口部5及び溝11の図示の構成は、単に例示的なものに過ぎない。各開口部5は、半円で示しているが、これらの開口部は、代わりに、円形、直線形、楕円形、又は他の適した形状でもよい。更に、各溝11は、略半円形断面を有するように図示されているが、他の形状であってもよい。具体的には、各溝11は、必ずしも電極3の長さ方向に沿って均一でなくてよい。例えば、電極3の基部側だけに溝11が設けられ、電極3の末端部には溝11が無くてもよい。
【0013】
図2A及び図2Bは、本発明の別の実施形態を示している。図2Aに示されるように、カテーテル14は、シャフト13と、その末端に連結されている電極15と、を備えている。シャフト13の直径は、電極15の直径より大きい。従って、シャフト13は、シャフト13と電極15との境界面に、末端方向に向いた表面17を有している。開口部19が、表面17に設けられており、そこから流体21が放出される。流体21は、電極15上の溝23によって案内され、これにより、流体21を電極15の所望の複数部分に向けて送ることができる。
【0014】
図2Bは、カテーテル14の末端の図を示している。図示されるように、シャフト13の末端方向に向いた表面17上に3つの開口部19が設けられており、3つの対応する溝23が、各開口部19に隣接する電極15に設けられている。なお、図1A−1Bの実施形態のように、図2A−図2Bに示している溝23の数及び開口部19の数と、その様な溝23の形状及び開口部19の形状とは、単に例示的なものであって、他の形態も可能であるものと理解頂きたい。
【0015】
図3A及び図3Bは、本発明の更に別の一実施形態を示している。図3A及び図3Bの実施形態は、灌注流体の放出のために設けられている開口部33が、カテーテルシャフト27のうち、切除電極29の半径より外側の、半径内範囲(又は周方向部分)に配置されていることを除き、図2A及び図2Bの実施形態と同様である。図3Aは、シャフト27と、その末端に連結されている切除電極29と、を備えているカテーテル25を示している。カテーテルシャフト27の末端方向に向いた表面31には、流体30を切除電極29周りに放出する複数の開口部33が設けられている。切除電極29は溝を備えているように示されてはいないが、溝は、必要に応じて、複数の開口部33から放出された流体を導くために、切除電極29に設けてもよい。
【0016】
図3Bは、カテーテル14の末端の図を示している。図示されるように、4つの円形開口部33が、シャフト27の末端方向に向いた表面31に設けられている。しかしながら、図3Bに示される開口部19の数及び形状は、単に例示的なものである。例えば、この実施形態に従って、異なる数の開口部又は異なる形状の開口部を代わりに設けてもよい。
【0017】
図4は、本発明の別の実施形態を示している。この実施形態によれば、複数の流体開口部は、実質的に円柱状のカテーテルシャフトの表面部分に設けられている。図4は、カテーテル35を図示している。カテーテル35が、末端に1つの切除電極39を有するシャフト37を含んでいる。切除電極39は、シャフト37の直径とほぼ等しい直径を有している。シャフト37は、実質的に円柱状の(例えば、円筒形の)外側表面41を含んでいる。開口部43は、灌注流体45を放出するため、外側表面41に設けられている。開口部43は、灌注流体45が、概ねカテーテル35の末端に向かって(即ち、切除電極39に向かって)送られるように構成されていてもよい。必要に応じて、開口部43を出た灌注流体45を導くために、切除電極39に溝を設けてもよい。
【0018】
図5A−5Cは、図4の実施形態に係るカテーテル35を作るための一つの代表的な方法を示している。図5Aのカテーテル49は、図4のカテーテル35と実質的に同じであるが、シャフト37の末端部47は、エポキシで形成されている。図5Bに示されるように、シャフト37の末端部47内のチャンネル51は、シャフト37の開口部33とシャフト37内に配置されているリザーバ53との間に連結されている。リザーバ53は、次いで、カテーテル49の中心の長手方向軸線に沿って配置されている流体ルーメン55に連結されている。
【0019】
流体ルーメン55は、灌注流体(例えば塩水)をリザーバ53に導き、この灌注流体45は、リザーバ53からチャンネル51と開口部33とを通って、シャフト37を出ることができる。1つのチャンネル51と、対応する開口部33とだけをカテーテル49に示しているが、複数のチャンネル51と、対応する開口部33とを設けてもよい。例えば、複数のチャンネル51が、リザーバ53に連結され、シャフト37の外側表面41の対応する開口部33に繋がれていてもよい。図示されていないが、カテーテル49のハンドルを、シャフト37の基端に設けてもよい。灌注流体45は、例えば、そのハンドル又はそのハンドル付近に設けられたポートを通して流体ルーメン55内に導入される。更に、単一の流体ルーメン55だけを図示しているが、流体を開口部33に導くのに、複数の流体ルーメンを使用してもよい。例えば、各開口部33を、シャフト37の長さ方向に亘って走る(延びる)対応する流体ルーメンに繋ぎ、リザーバ53を省いてもよい。
【0020】
シャフト37の末端部47は、切除電極39を、シャフト37の残りに取り付ける働きをしてもよい。更に、末端部47は、チャンネル51がそこに形成されるように成形することができる。なお、末端部47は、エポキシで形成されていると述べたが、チャンネル51を貫通させて形成できるのであれば、他の接着材料も適している。図5Cは、チャンネル51をシャフト37の末端部47に形成する方法を示している。具体的には、図5Cは、末端部47のエポキシ内にチャンネル51を形成するのに使用される円柱状又は円筒形のロッド57を示している。ロッド57は、末端部47を形成するのに使用されるエポキシが硬化する間、末端部47内のリザーバ53とシャフト37の外側との間に配置されてもよい。なお、ロッド57は、中実又は管状形状でよく、チャンネル51を形成できるのであれば、その他の任意の形状でもよいものと理解頂きたい。
【0021】
図6A及び図6Bは、本発明の更に別の一実施形態を示している。この実施形態によれば、切除電極63は、複数の突起部65を含んでおり、各突起部65は内部に流体チャンネルを有している。図6Aは、シャフト61と、その末端に連結された切除電極63とを備えているカテーテル59を示している。切除電極63は、複数の突起部65を含んでおり、各突起部65は、内部に灌注チャネル67を有している。各灌注チャンネル67は、切除電極63の表面に開口部69を画定又は形成している。開口部69は、切除電極63周りに流体71を放出する。切除電極63は溝を有しているように示されてはいないが、溝は、必要に応じて、開口部69から放出された流体を導くため切除電極63に設けてもよい。切除電極63の各灌注チャンネル67は、(図6Aに1本の流体ルーメン73を示しているように)シャフト61内の流体ルーメン73に連結されていてもよい。流体ルーメン73は、流体を、カテーテルシャフト61の長さ方向に沿って切除電極63へ導く。
【0022】
図6Bは、カテーテル59の末端の図を示している。図示されるように、切除電極63には、3つの突起部65と3つの対応する開口部69とが設けられている。しかしながら、図示の開口部63及び突起部65の数は、単に例示的なものである。更に、図6Bに示している開口部63及び突起部65の構成も単に例示的なものである。例えば、この実施形態に従って、代わりに、異なる数の開口部及び/又は突起部と、異なる形状の開口部及び/又は突起部と、を設けてもよい。
【0023】
図7−10は、灌注式可動電極を含む本発明の実施形態を示している。図7Aは、シャフト79と、シャフト79に可動的に連結されている切除電極81とを備えているカテーテル77の側面図を示している。図7Bは、シャフト79と、シャフト79に可動的に連結されている切除電極81とを備えているカテーテル77の上面図を示している。例えば、切除電極81は、シャフト79の長手方向に沿って摺動(又は滑動)する。切除電極81を動かすための代表的な機構は、Gibsonに付与された米国特許第6,178,354号、Pattersonに付与された第6,461,356号、及びFalwellに付与された第6,464,698号に記載されており、各特許はC.R.Bard社に譲渡されており、これら各特許を参照することによって、当該各特許の内容は本願に組み入れられている。シャフト79は、流体89をカテーテルシャフト79の長さ方向に沿って導く流体ルーメン87を含んでいる。シャフト79は、更に、流体ルーメン87に連結されている複数の灌注チャンネル85を有している。各灌注チャンネル85は、シャフト79の表面に開口部83を画定している。これら開口部83は、流体89を、シャフト79に沿って切除電極81周りに放出する。切除電極81は中実で、電極81の所与の位置で切除電極81に覆われている開口部83aが流体89を放出しないようになっている。代わりに、切除電極81は中空で、切除電極81の所与の位置で切除電極81に覆われている開口部83aが流体89を切除電極81内に放出し、切除電極81を内側から冷却するようになっていてもよい。流体89は、「閉回路」冷却式電極構成の場合のように、切除電極から(例えば、そこに連結されている可動ルーメンを通して)引き出してもよい。
【0024】
図8A及び図8Bは、図7A及び図7Bの実施形態と同様の、本発明の一実施形態を示しているが、ここでは、可動電極93は、灌注流体97を放出するための複数の開口部95を有している。カテーテル91は、シャフト79と、図7A−7Bに関連して論じた態様でシャフト79に可動的に連結されている切除電極93とを備えている。シャフト79は、灌注流体97をカテーテルシャフト79の長さ方向に沿って導く流体ルーメン87と、流体ルーメン87に連結されている複数の灌注チャンネル85と、を有している。各灌注チャンネル85は、シャフト79の表面に開口部83を画定している。複数の開口部83は、灌注流体97を、シャフト79に沿って、切除電極93周りに放出する。切除電極93は、更に、切除電極93周りに灌注流体97を放出する複数の開口部95を有している。切除電極93は、灌注流体97がシャフト79の開口部83を通り切除電極93に流れ込み、その後、切除電極93の開口部95から出るように、中空とすることができる。代わりに、切除電極93の複数のチャンネルは、切除電極93が適切な位置にある場合に、灌注流体97が、シャフト79のチャンネル85から、開口部95に連結されている切除電極93のチャンネルに流れ込むように、シャフト79のチャンネル85に対応していてもよい。切除電極93の開口部95は、多数の異なる形状や構成を取ることができる。開口部95は、切除電極93の周辺周り又は切除電極93の一方の側に設けられていてもよい。開口部95は、切除電極93上ではどの様なパターン又は数であってもよい。
【0025】
図9及び図10は、可動電極を備えたカテーテルの更に別の実施形態を示している。図9及び図10のカテーテル99は、図8A及び図8Bのカテーテル91と実質的に同じ態様で作動するが、図8A及び図8Bの構成とは異なる構成を有する切除電極101を含んでいる。図9のカテーテル99は、シャフト79と、図7A−7Bに関連付けて論じた態様でシャフト79に可動的に連結されている切除電極101と、を備えている。切除電極101はダンベル形であり、切除電極101の長手方向両端部の直径が、切除電極101の中心の直径より大きくなっている。シャフト79は、流体103を、シャフト79に沿って、切除電極101周りに放出する複数の開口部83を有している。切除電極101は、更に、流体103を切除電極101周りに放出する開口部105を有している。切除電極101は中空とすることができ、それにより、流体103がシャフト79の開口部83を通過して切除電極101に流れ込み、その後、切除電極101の開口部105から出る。代わりに、切除電極101のチャンネルはシャフト79のチャンネル85に対応していて、切除電極101が適切な位置にある場合に、流体103が、シャフト79のチャンネル85から、開口部105に連結されている切除電極101のチャンネルに流れ込むようになっていてもよい。切除電極101の複数の開口部105は、多数の異なる構成を取ることができる。開口部105は、切除電極101の周辺周りに設けられていてもよいし、切除電極101の一方の側に設けられていてもよい。開口部105は、切除電極101上にどの様なパターン又は数で設けられていてもよい。
【0026】
図10のカテーテル107は、シャフト79と、図7A−7Bに関連付けて論じた態様でシャフト79に可動的に連結されている電極アッセンブリ109と、を備えている。電極アッセンブリ109は、スリーブ115に連結されている電極111及び113を備えている。電極111及び113の一方又は両方は、複数の切除電極であってもよい。少なくとも1つの電極111、113は、マッピング電極であってもよい。スリーブ115は、電極111と113との間に、これら電極111、113の間に流体を放出する複数の開口部117を有している。シャフト79は、シャフト79に沿って、電極アッセンブリ109周りに流体119を放出する複数の開口部83を有している。スリーブ115の一部分がシャフト79回りにリザーバを形成でき、それによって、流体119が、シャフト79の開口部83を通過してリザーバに流れ込み、その後、スリーブ115の開口部117から出る。代わりに、スリーブ115のチャンネルはシャフト79のチャンネル85に対応していて、スリーブ115が適切な位置にある場合に、流体119が、シャフト79のチャンネル85から、開口部117に連結されている、スリーブ115のチャンネルに流れ込むようになっていてもよい。スリーブ115の開口部117は、多数の異なる構成を取ることができる。開口部117は、スリーブ115の周辺周りに設けられていてもよいし、スリーブ115の一方の側に設けられていてもよい。これら開口部117は、スリーブ115上にどの様なパターン又は数で設けられていてもよい。
【0027】
以上、本発明の少なくとも1つの実施形態の幾つかの態様について述べてきたが、当業者であれば、様々な変更、修正、及び改良を容易に想起できるものと理解頂きたい。その様な変更、修正、及び改良は、本開示の一部であり、本発明の精神及び範囲に含まれるものとする。従って、以上の説明と図面は、例を挙げているに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1Aは、本発明の一実施形態に係るカテーテルの一部分を示している。 図1Bは、図1Aのカテーテルの末端の図を示している。
【図2】図2Aは、本発明の別の実施形態に係るカテーテルの一部分を示している。図2Bは、図2Aに示すカテーテルの末端の図を示している。
【図3】図3Aは、本発明の別の実施形態に係るカテーテルの一部分を示している。図3Bは、図3Aに示すカテーテルの末端の図を示している。
【図4】本発明の別の実施形態に係るカテーテルの一部分を示している。
【図5】図5A−Cは、図4の実施形態に従ってカテーテルを作るための1つの代表的な方法を示している。
【図6】図6Aは、本発明の別の実施形態に係るカテーテルの一部分を示している。図6Bは、図6Aのカテーテルの末端の図を示している。
【図7】図7Aは、本発明の更なる別の実施形態に係るカテーテルの一部分の側面図を示している。図7Bは、図7Aに示すカテーテルの末端の上面図を示している。
【図8】図8Aは、本発明の別の実施形態に係るカテーテルの一部分の側面図を示している。図8Bは、図8Aに示すカテーテルの末端の上面図を示している。
【図9】本発明の別の実施形態に係るカテーテルの一部分を示している。
【図10】本発明の別の実施形態に係るカテーテルの一部分を示している。
【符号の説明】
【0029】
1 シャフト
2 カテーテル
3 電極
5 開口部
7 表面
11 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気生理学的カテーテルであって、
流体を導くための流路を含むシャフト部と、
前記シャフト部の末端に連結されている電極と、
前記シャフト部の基端に連結されているハンドル部と、を備えており、
前記流路の一部は、前記シャフト部に開口部を画定しており、該開口部は、前記流体が前記流路を通って流れるとき、前記流体の少なくとも一部が、前記シャフト部の前記開口部を通過した後で前記電極と接触するように構成及び配置されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項2】
請求項1記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記開口部は、前記電極に隣接して配置されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項3】
請求項1記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記開口部は、前記電極に対して基部側に配置されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項4】
請求項1記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記シャフト部の少なくとも一部は、円柱形を有している、電気生理学的カテーテル。
【請求項5】
請求項4記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記開口部は、円柱形を有する前記シャフト部の少なくとも一部に配置されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項6】
請求項1記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記電極は、前記シャフト部の直径と実質的に等しい直径を有している、電気生理学的カテーテル。
【請求項7】
請求項1記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記シャフト部は、末端方向に向いた表面を有しており、前記開口部は、該末端方向に向いた表面に形成されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項8】
請求項1記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記電極は、前記開口部から放出される流体を流すことができる少なくとも1つの溝を備えている、電気生理学的カテーテル。
【請求項9】
電気生理学的カテーテルであって、
シャフト部を備えており、該シャフト部は、流路と、該流路に連結されている流体リザーバと、該流体リザーバに連結されている複数のチャンネルと、を有しており、前記流路は第1直径を有しており、前記リザーバは前記第1直径より大きい第2直径を有しており、
前記電気生理学的カテーテルは、また、
前記シャフト部の末端に連結されている電極と、
前記シャフト部の基端に連結されているハンドル部と、を備えており、
前記流体リザーバに連結される前記複数のチャンネルの各チャンネルは、前記シャフト部に開口部を画定しており、前記開口部は、該開口部を通って前記チャンネルを出る流体が前記電極と接触するように構成及び配置されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項10】
請求項9記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記複数のチャンネルは、少なくとも部分的にはエポキシで作られた前記シャフト部の一部分に形成されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項11】
請求項9記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記流路は、前記電気生理学カテーテルの中心の長手方向軸線に沿って配置されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項12】
電気生理学的カテーテルであって、
シャフト部を備えており、該シャフト部は、流路と、該流路に連結されているチャネルと、を有しており、該チャネルは、前記シャフト部に開口部を画定しており、
前記電気生理学的カテーテルは、また、
前記シャフト部に連結され、前記シャフト部に沿って長手方向に可動する電極アッセンブリを備えており、該電極アセンブリは開口部を有しており、
前記電極アセンブリは、前記流体が、前記チャネルから、前記シャフト部の前記開口部及び前記電極アッセンブリの前記開口部の両方を通って流れるように位置決め可能となっており、
前記電気生理学的カテーテルは、また、
前記シャフト部の基端に連結されているハンドル部を備えている、電気生理学的カテーテル。
【請求項13】
請求項12記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記電極アッセンブリは、電極を備えており、前記電極アッセンブリの前記開口部は、前記電極内に形成されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項14】
請求項12記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記電極は、概ねダンベル形である、電気生理学的カテーテル。
【請求項15】
請求項13記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記電極は、第1直径を有する第1部分と、第2直径を有する第2部分と、前記第1部分と第2部分との間に配置され、前記第1及び第2直径の夫々より小さい第3直径を有している第3部分と、を備えており、前記開口部は、前記第3部分に形成されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項16】
請求項12記載の電気生理学的カテーテルであって、
前記電極アッセンブリは、スリーブ部と、該スリーブ部に連結されている複数の電極と、を備えており、前記開口部は、前記スリーブ部分に形成されている、電気生理学的カテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−251148(P2011−251148A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−170816(P2011−170816)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【分割の表示】特願2007−527444(P2007−527444)の分割
【原出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】