説明

灯具ユニット

【課題】半導体発光素子からの光を遮光することなく、複数の配光パターンを形成する。
【解決手段】灯具ユニット1は、LD11と、LD11から出射された青色光を受けて白色光を出射する蛍光体から形成された蛍光部材13と、蛍光部材13から出射された白色光を前方へ投影する投影レンズ15とを備える。蛍光部材13は、投影レンズ15の光軸Axに直交する回動軸16を中心に回動可能に構成されるとともに、当該蛍光部材13を回動させたときに投影レンズ15から見た外形が変化するような立体形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用前照灯等に用いられる灯具ユニットとして、例えば特許文献1に記載のように、半導体発光素子と蛍光体とを組み合わせて用いるものが知られている。この特許文献1に記載の灯具ユニットは、半導体発光素子からの励起光を受けて蛍光体が出射した可視光を、反射鏡によって前方へ反射させて所定の配光パターンを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4047266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の灯具ユニットでは、蛍光体の発光態様や反射鏡の反射態様が一定であるため、単一の配光パターンしか形成することができない。
この点、いわゆるカラーホイールのように、複数の蛍光体を切り替え可能に構成して複数の配光パターンを形成可能にすることも考えられる。しかしながら、このような構成では、意図しない光が複数の蛍光体の間から漏れないように当該複数の蛍光体間を遮光しなければならないところ、そのための遮光部材が光束密度の高い半導体発光素子からの光によって熱変形してしまう恐れがある。そのため、半導体発光素子からの光は、遮光されることなく常時蛍光体に照射されていることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、半導体発光素子からの光を遮光することなく、複数の配光パターンを形成することのできる灯具ユニットの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射された励起光を受けて可視光を出射する蛍光体から形成された蛍光部材と、
前記蛍光部材から出射された前記可視光を前方へ投影する投影レンズと、
を備える灯具ユニットにおいて、
前記蛍光部材は、前記投影レンズの光軸に直交する回動軸を中心に回動可能に構成されるとともに、当該蛍光部材を回動させたときに前記投影レンズから見た外形が変化するような立体形状に形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の灯具ユニットにおいて、
所定の移動方向へ移動可能に構成されるとともに、前記移動方向に沿って曲率が変化する可変反射面を有し、前記半導体発光素子から前記蛍光部材までの光路中に配設されて、前記半導体発光素子から出射された励起光を前記可変反射面で反射させて前記蛍光部材へ照射するフレキシブルミラーを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の灯具ユニットにおいて、
前記蛍光部材から前記投影レンズへ前記可視光が出射される部分を除く前記蛍光部材の周囲を覆うとともに、内周面が前記蛍光部材と同心状の反射面とされた反射鏡を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の灯具ユニットにおいて、
前記蛍光部材は、拡散材を含有することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の灯具ユニットにおいて、
前記半導体発光素子は、レーザーダイオードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、投影レンズに向けて可視光を出射させる蛍光部材が、投影レンズの光軸に直交する回動軸を中心に回動可能に構成されるとともに、回動させたときに投影レンズから見た外形が変化するような立体形状に形成されているので、投影レンズから投影される発光形状を蛍光部材の回動によって変化させることができる。したがって、半導体発光素子からの光を遮光することなく、蛍光部材を回動させるだけで複数の配光パターンを形成することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、所定の移動方向へ移動可能に構成されるとともに、移動方向に沿って曲率が変化する可変反射面を有し、半導体発光素子から出射された励起光を可変反射面で反射させて蛍光部材へ照射するフレキシブルミラーを備えているので、このフレキシブルミラーの移動に伴って、半導体発光素子からの励起光が入射する可変反射面内の位置を異なる曲率の部分へ移動させ、フレキシブルミラーから蛍光部材への励起光の照射範囲を変化させることができる。これにより、励起光が照射される蛍光部材の被照射範囲を変化させ、ひいては蛍光部材が出射する可視光の輝度分布を変化させて、配光パターンの照度分布を変化させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、蛍光部材から投影レンズへ可視光が出射される部分を除く蛍光部材の周囲を覆うとともに、内周面が蛍光部材と同心状の反射面とされた反射鏡を備えているので、投影レンズ以外に向けて蛍光部材から出射された可視光や、蛍光部材を透過した励起光を、反射面で反射させて蛍光部材へ再入射させ、投影レンズへ向かう有効な可視光とすることができる。したがって、光束利用率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第一の実施形態における灯具ユニットの要部を示す斜視図である。
【図2】第一の実施形態におけるフレキシブルミラーの変形例を示す図である。
【図3】第一の実施形態における蛍光部材の形状を説明するための図である。
【図4】第一の実施形態における灯具ユニットでの光路を説明するための図である。
【図5】第二の実施形態における灯具ユニットの要部を示す側面図である。
【図6】第二の実施形態における蛍光部材の形状を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
[第一の実施形態]
図1は、本発明の第一の実施形態における灯具ユニット1の要部を示す斜視図である。
灯具ユニット1は、車両に搭載されて車両前方を照らす車両用前照灯であり、図1に示すように、レーザーダイオード(以下、LDという)11と、フレキシブルミラー12と、蛍光部材13と、反射鏡14と、投影レンズ15とを備えている。
このうち、LD11は、本発明に係る半導体発光素子であり、蛍光部材13の励起光としての青色のレーザー光を左右方向に沿って出射する。
【0017】
フレキシブルミラー12は、LD11の右方であって蛍光部材13の下方に配置されており、LD11から出射された青色光を表面の反射面12aで反射させて上方の蛍光部材13へ照射する。このフレキシブルミラー12は、上下方向へ移動可能に構成されるとともに、前後方向に垂直な断面内での反射面12aの曲率が上下方向に沿って変化するように形成されている。そのため、フレキシブルミラー12を上下方向へ移動させると、反射面12a内でLD11からの青色光が入射する部分が移動して、その曲率が変化する結果、上方へ反射される青色光の左右方向への照射範囲が変化する。
なお、フレキシブルミラー12は、図2(a)又は図2(b)に示すように、一端を固定端とし他端を自由端として、当該他端が図の矢印方向へ移動するように構成してもよいし、図2(c)に示すように、投影レンズ15の光軸Axと平行な所定軸を支点とし、両端が移動して両方向へ線対称に曲率が連続的に変化するように構成してもよい。
【0018】
図3(a)は、蛍光部材13の斜視図であり、図3(b)及び図3(c)は、図3(a)のA矢視図及びB矢視図である。
これらの図に示すように、蛍光部材13は、左右方向に長尺な形状に形成されており、具体的には、左右方向に直交するA方向から見ると左右方向に長尺な楕円状の外形となり、左右方向及びA方向に直交するB方向から見ると左右方向に長尺な楕円状のうち上部の左半部が切り欠かれた外形となるように、立体的な形状に形成されている。より詳しくは、A方向から見た蛍光部材13の外形が走行ビームを左右反転させた外形となっており、B方向から見た蛍光部材13の外形がすれ違いビームを左右反転させた外形となっている。また、蛍光部材13の大きさは、例えば、直径1mm×長さ6mmの円柱に内接する程度のサイズである。
【0019】
この蛍光部材13は、LD11から出射された青色光を受けることで励起されて黄色光を発する蛍光体から主に形成されている。そのため、この蛍光部材13が青色光を受けると、当該蛍光部材13で散乱した青色光が黄色光と混色される結果、白色光が放射状に出射される。この蛍光部材13を形成する蛍光体には、希土類添加のYAG(Yttrium Aluminum Garnet)など、種々のものを用いることができる。
なお、蛍光部材13には、LD11から出射された青色光を拡散させる拡散材を含有させてもよい。拡散材としては、炭酸カルシウムや酸化チタン,アルミナなどを用いることができる。この場合、蛍光体と拡散材とは、樹脂などのバインダーを用いて混合材とするのではなく、焼結によって一体化させることが耐久性・耐熱性の点から好ましい。
【0020】
また、蛍光部材13は、左右方向に延在する回動軸16を中心に回動可能に構成されている。回動軸16は、蛍光部材13を貫通しておらず、その延長線が蛍光部材13の中心を通るように、蛍光部材13の左右両端から左右方向へ延出している。この回動軸16は、蛍光体のストークス損による発熱を逃がすための放熱部材でもあることから、銅やアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属製であることが好ましい。回動軸16の先端には、ステッピングモータなどの回動角を制御可能なアクチュエータ(図示せず)が接続されている。
【0021】
反射鏡14は、図1に示すように、蛍光部材13よりも大径で左右方向に長尺な円筒状に形成され、その中心軸を回動軸16と一致させて蛍光部材13の周囲を覆うように配設されている。但し、反射鏡14は、蛍光部材13から前方の投影レンズ15へ白色光が出射される範囲の前側の一部が開口しており、当該一部を除いて蛍光部材13の周囲を覆っている。この反射鏡14の下部には、フレキシブルミラー12で上方へ反射された青色光を透過させる透光孔14aが形成されている。また、反射鏡14の内周の円筒面は、その中心軸が回動軸16と一致して蛍光部材13と同心状に形成されるとともに、蛍光部材13から出射された光を反射させる反射面14bとなっている。
【0022】
投影レンズ15は、前後方向に沿った光軸Ax上に蛍光部材13が位置するように、蛍光部材13及び反射鏡14の前方に配置されている。この投影レンズ15は、蛍光部材13の近傍に位置する物側焦点を有しており、蛍光部材13から前方へ出射された白色光を上下左右に反転させつつ車両前方へ投影する。
【0023】
図4は、灯具ユニット1での光路を説明するための図である。
この図に示すように、灯具ユニット1では、LD11から出射された青色光(励起光)がフレキシブルミラー12の反射面12aで上方へ反射され、透光孔14aを透過して蛍光部材13に入射した後、当該蛍光部材13で白色光とされて放射状に出射される。このうち、蛍光部材13から前方の投影レンズ15に向かって出射されなかった白色光は、蛍光部材13を透過してしまった青色光とともに反射鏡14の反射面14bで反射されて再び蛍光部材13に入射する。一方、蛍光部材13から投影レンズ15へ出射された白色光は、投影レンズ15で上下左右に反転されつつ車両前方へ投影される。
【0024】
このとき、蛍光部材13が、図3(a)に示すA方向を後方に一致させた状態にある場合には、図3(b)に示すA矢視での蛍光部材13の外形を上下反転させた外形が投影レンズ15を通じて反転投影され、車両前方に走行ビームが形成される。
また、この状態から蛍光部材13を90度回動させて、蛍光部材13が図3(a)に示すB方向を後方に一致させた状態(図1に示す状態)にされた場合には、図3(c)に示すB矢視での蛍光部材13の外形を上下反転させた外形が投影レンズ15を通じて反転投影され、車両前方にすれ違いビームが形成される。
このように、蛍光部材13を回動させたときに、投影レンズ15から見た蛍光部材13の外形、つまり投影レンズ15によって投影される蛍光部材13の発光形状が変化するため、走行ビームとすれ違いビームとに配光パターンを変更することができる。
【0025】
また、図示は省略するが、フレキシブルミラー12を上下に移動させて、上方へ反射される青色光の左右方向への照射範囲を変化させると、この青色光が照射される蛍光部材13の左右方向の被照射範囲が変化し、蛍光部材13が出射する白色光の輝度分布も変化する結果、蛍光部材13から投影レンズ15を通じて形成される配光パターンの照度分布が変化する。具体的には、蛍光部材13の被照射範囲を狭くして当該蛍光部材13の中心寄りに青色光を集光させた場合には、中心が明るく左右周辺部が暗い配光パターンが形成され、蛍光部材13の被照射範囲を広くして当該蛍光部材13の全体に亘って青色光を照射した場合には、より全体的に均一な照度の配光パターンが形成される。
【0026】
以上の灯具ユニット1によれば、投影レンズ15から投影される蛍光部材13の発光形状を当該蛍光部材13の回動によって変化させることができる。したがって、LD11からの光を遮光することなく、蛍光部材13を回動させるだけで、走行ビーム及びすれ違いビームの2つの配光パターンを形成することができる。
【0027】
また、フレキシブルミラー12の移動に伴って、LD11からの青色光が入射する反射面12a内の位置を異なる曲率の部分へ移動させ、フレキシブルミラー12から蛍光部材13への青色光の照射範囲を変化させることができる。これにより、青色光が照射される蛍光部材13の被照射範囲を変化させ、ひいては蛍光部材13が出射する白色光の輝度分布を変化させて、配光パターンの照度分布を変化させることができる。
【0028】
また、投影レンズ15以外に向けて蛍光部材13から出射された白色光や、蛍光部材13を透過した青色光を、反射鏡14の反射面14bで反射させて蛍光部材13へ再入射させ、投影レンズ15へ向かう有効な白色光とすることができる。したがって、光束利用率を向上させることができる。
【0029】
また、蛍光部材13の下方から青色光を入射させて前方へ白色光を出射させており、つまり蛍光部材13を介して光軸方向を変えているので、コヒーレント光である青色光が蛍光部材13の拡散材で拡散されることなく当該蛍光部材13を透過してしまった場合でも、当該青色光が投影レンズ15を通じて灯具外へ照射されることを防止でき、安全性を確保することができる。
【0030】
[第二の実施形態]
続いて、本発明の第二の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第二の実施形態における灯具ユニット2の要部を示す側面図である。
灯具ユニット2は、高所から室内を照らす一般照明に用いられる照明灯であり、図5に示すように、LD21と、蛍光部材23と、投影レンズ25とを備えている。
【0031】
このうち、LD21及び投影レンズ25は、上記第一の実施形態におけるLD11及び投影レンズ15と同様に構成されている。但し、LD21は、蛍光部材23の側方の比較的遠方に配置されて当該蛍光部材23に直接青色光を照射する。また、投影レンズ25は、光軸Axが上下方向に沿う向きとされた状態で、この光軸Ax上に蛍光部材23が位置するように当該蛍光部材23の下方に配置されている。
【0032】
図6(a)は、蛍光部材23の斜視図であり、図6(b),(c),(d)は、図6(a)のC矢視図,D矢視図,E矢視図である。
これらの図に示すように、蛍光部材23は、左右方向に直交するC方向から見ると円形の外形となり、左右方向及びC方向に直交するD方向から見ると一対の対辺が湾曲した略四角形の外形となり、左右方向に直交する方向であってD方向と約60度の角度をなすE方向から見ると六角形の外形となるように、立体的な形状に形成されている。この蛍光部材23の大きさは、例えば、一辺5mmの立方体に内接する程度のサイズである。
【0033】
また、蛍光部材23は、左右方向に延在する回動軸26を中心に回動可能に構成されている。回動軸26は、その延長線が蛍光部材23の中心を通るように、蛍光部材23の左端から左方へ突設されている。その他の回動軸26の構成は、上記第一の実施形態における回動軸16と同様である。なお、回動軸26は、蛍光部材23内に挿通させてもよいが、その場合には、接着剤を用いずに嵌合によって蛍光部材23と一体的に構成するのが好ましい。
【0034】
以上の構成を具備する灯具ユニット2では、LD21から出射された青色光(励起光)が蛍光部材23に入射して白色光とされ、投影レンズ25を通じて下方へ照射される。
このとき、蛍光部材23が、図6(a)に示すC方向を下方に一致させた状態にある場合には、図6(b)に示すC矢視での蛍光部材23の外形が投影レンズ25を通じて投影され、下方に円形の配光パターンが形成される。
また、この状態から蛍光部材23を90度回動させて、蛍光部材23が図6(a)に示すD方向を下方に一致させた状態にされた場合には、図6(c)に示すD矢視での蛍光部材23の外形が投影レンズ25を通じて投影され、下方に略四角形の配光パターンが形成される。
更に、この状態から蛍光部材23を約60度回動させて、蛍光部材23が図6(a)に示すE方向を下方に一致させた状態にされた場合には、図6(d)に示すE矢視での蛍光部材23の外形が投影レンズ25を通じて投影され、下方に六角形の配光パターンが形成される。
【0035】
以上の灯具ユニット2によれば、上記第一の実施形態における灯具ユニット1と同様に、投影レンズ25から投影される蛍光部材23の発光形状を当該蛍光部材23の回動によって変化させることができる。したがって、LD21からの光を遮光することなく、蛍光部材23を回動させるだけで、複数の配光パターンを形成することができる。
【0036】
また、LD21が蛍光部材23の遠方に配置されているので、LD21から蛍光部材23までの青色光の輝線を演出用に利用することができる。加えて、蛍光部材23から投影レンズ25以外へ出射される白色光も、天井や壁面等に照射させて演出用に利用することができる。
【0037】
なお、本発明は上記第一及び第二の実施形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
【0038】
例えば、上記第一及び第二の実施形態では、本発明に係る半導体発光素子としてレーザーダイオード(LD11,21)を用いることとしたが、発光ダイオードを用いることとしてもよい。但し、蛍光部材13,23への集光性の点や、フレキシブルミラー12による可変照度を実現する点からは、レーザーダイオードを用いることが好ましい。また、LD11,21から出射される青色光はコリメートされることが好ましい。
【0039】
また、LD11,21が青色光を出射し、蛍光部材13,23が当該青色光により黄色光を発することとしたが、これに限定されず、白色光が得られる他の構成(励起光と蛍光体との組合せ)であってもよいし、白色光以外の可視光が得られる構成であってもよい。例えば、励起光を青色光とし、赤色光と緑色光とを発する各蛍光体を混在させてもよいし、励起光を紫外光とし、赤色光と緑色光と青色光とを発する各蛍光体を混在させてもよい。なお、後者の場合に、紫外光が漏れると不都合が生じるのであれば、蛍光部材13,23には拡散材を含有させない方がよい。
【0040】
また、蛍光部材13,23の大きさは、上述した各サイズに限定されるものではない。但し、この蛍光部材13,23の大きさは、当該蛍光部材13,23を点光源に近づけるためには極力小さいことが好ましいものの、過度に小さいと加工性やハンドリング性を損ねるため、縦・横・高さがそれぞれ1mm〜30mmの範囲内であるのが好ましい。
【0041】
また、蛍光部材13,23は、当該蛍光部材13,23を形成する蛍光体や拡散材の密度によって輝度が変化するため、例えば中心付近の密度を高くするなどのように、所望の配光パターンの照度分布に応じて蛍光体や拡散材の密度分布を調整してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1,2 灯具ユニット
11,21 LD(半導体発光素子)
12 フレキシブルミラー
12a 反射面(可変反射面)
13,23 蛍光部材
14 反射鏡
14a 透光孔
14b 反射面
15,25 投影レンズ
16,26 回動軸
Ax 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射された励起光を受けて可視光を出射する蛍光体から形成された蛍光部材と、
前記蛍光部材から出射された前記可視光を前方へ投影する投影レンズと、
を備える灯具ユニットにおいて、
前記蛍光部材は、前記投影レンズの光軸に直交する回動軸を中心に回動可能に構成されるとともに、当該蛍光部材を回動させたときに前記投影レンズから見た外形が変化するような立体形状に形成されていることを特徴とする灯具ユニット。
【請求項2】
所定の移動方向へ移動可能に構成されるとともに、前記移動方向に沿って曲率が変化する可変反射面を有し、前記半導体発光素子から前記蛍光部材までの光路中に配設されて、前記半導体発光素子から出射された励起光を前記可変反射面で反射させて前記蛍光部材へ照射するフレキシブルミラーを備えることを特徴とする請求項1に記載の灯具ユニット。
【請求項3】
前記蛍光部材から前記投影レンズへ前記可視光が出射される部分を除く前記蛍光部材の周囲を覆うとともに、内周面が前記蛍光部材と同心状の反射面とされた反射鏡を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の灯具ユニット。
【請求項4】
前記蛍光部材は、拡散材を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の灯具ユニット。
【請求項5】
前記半導体発光素子は、レーザーダイオードであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の灯具ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−94466(P2012−94466A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243070(P2010−243070)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】