説明

炎の方向及び/又は軸角度を変更可能なバーナー並びにそれを実施する方法

酸化剤及び/又は燃料及び/又は酸化剤と燃料とのプレミクス等の少なくとも1つの第1ジェットを射出するための少なくとも1つの流路(10)と、流体(2)の少なくとも1つの第2ジェットを射出する前記流路へと通じた手段(21)とを備え、第1ジェットと少なくとも1つの第2ジェットとの間の相互作用が炎の方向及び/又は寸法を変化させることが可能なバーナー。変更可能な方向及び/又は変更可能な寸法の炎を用いた装入物を加熱するための上記バーナーの使用。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、炎の方向及び/又は軸角度を変化させることを可能とするバーナーに関し、上記バーナーは、少なくとも1つの主又は第1ジェットを射出するための少なくとも1つのチャネルと、アクチュエータ又は第2ジェットを射出するための少なくとも1つのチャネルとを備えている。第1ジェットは、典型的には、酸化剤及び/又は燃料及び/又は酸化剤と燃料とのプレミクス(premelange)のジェットである。本発明は、炎の方向及び/又は軸角度を変化させるための上記バーナーの使用にも関する。本発明は、このバーナーを使用して、炎の方向及び/又は軸角度を変化させて装入物を加熱する方法にも関する。
【0002】
発明の背景
殆んどの炉又は産業用ボイラは、非混合モード、即ち、酸化剤と燃料とが燃焼場所まで別個に到達するモードで作用するバーナーを使用する。燃料と酸化剤とは、その後、燃焼室内で、部分的に(耐火性ポート又は前室ブロック un bloc ouvreau ou d’une prechambre への炎の閉じ込め)又は全体的に混合される。この混合は、バーナーのパラメータを設計及び操作することにより制御され、バーナーの性能特性(作用範囲、加熱されるべき装入物への熱の移動、汚染物質の排出など)を決定する。バーナーによって提供される酸化剤及び燃料の種々のジェット又はフローの相互作用は、実際には、そのバーナーが設計されるときに決定される。いったんバーナーが作製されると、作用条件だけが変更され得る。これは、火室の上流のバーナー中で酸化剤/燃料混合物が生成される「プレミクス」バーナーにも当てはまる。試薬(reactifs)は、その後、単一の管によって射出される。
【0003】
産業用の燃焼方法の作用条件は、時間ごとに変化し得る。これは間欠的な方法では当然であるが、加熱されるべき装入物の特性が製造条件に応じて変化し得る連続的な方法においても事実である。それは、より一般的には、経年劣化を被り易いか又は環境の種々の条件に敏感なあらゆる生産ユニットについても事実である。
【0004】
バーナーの性能特性を変動する作用条件に適応させるために、オペレータは、通常2つのパラメータ:バーナーの作用パワー及び酸化剤過剰レベル(酸素の過剰量)しか有していない。
【0005】
ある燃焼技術は、離散的であり且つ非常に限られた数の作用モードを可能とする。これは、例えば、バーナーを低インパルスで操作すべきか高インパルスで操作すべきかに依存して2つの異なった注入システムを使用する「二元インパルス」バーナーについて事実である。これら2つの作用モードは、バーナーの作用又は使用範囲を増加させるか又は所定の作用位置について炎の長さを変化させることを可能とする。
【0006】
しかしながら、位置及び/又は作用モードの修正は、通常、バーナーの又はこれらバーナーを使用する方法の性能特性を全ての条件において最適化するためには不十分である。例えば、常温で固体である物質を融解するための炉への繰り返しの導入は、決して溶融すべき装入物を劣化させたり(製品の品質)又は炉を過熱させたり(装置の寿命)することなしに(生産性を向上させるべく)最速の溶融を達成するために加熱パワーを増加させることへと、オペレータ(又は制御システム)を導くであろう。この生産性と品質及び/又は寿命との間のトレードオフは、特には、システムが装入物へとエネルギーを移動させる容量に依存しており、後者又は炉の耐火性物質の局所的な過熱を回避している。このトレードオフは溶融時間に反映され、生産性における全てのゲインは、製品の性能の低下又は炉の寿命の減少によって相殺されるであろう。WO−A−9744618は、燃料の中央ジェットであって、はじめに酸化剤の複数の第1ジェットにより囲まれ、次に酸化剤の複数の第2ジェットにより囲まれたジェットを備えたバーナーを開示している。これにより、作用中に炎の位置を変化させることが可能である。
【0007】
しかしながら、炎の最大の偏向は、実際には、中央の位置から端の位置までの約15゜に制限されており(全体で最大30゜)、入射する炎が装入物の広い表面を掃射することを可能とせず、また、酸化剤の第1ジェットのための複数の開口部及び酸化剤の第2ジェットのための複数の開口部が必要であるために、対応したバーナーの製造が比較的過重である。
【0008】
更には、混合物(バーナーブロックの「外部」の混合物)の性質が入射角によって変化するために、炎の性質がその位置に従って変化し、汚染物質の排出、放熱移動(炎の発光効率)の質、及び炎の長さ(熱緩和ピークの位置)の変動を誘起する。
【0009】
発明の課題
本発明の主題は、炎の方向及び/又は軸角度の幅広い変更を可能とし且つバーナー又は炉の作用を遮る必要がないバーナーである。本発明の他のねらいは、最適化された頑丈な(robuste)バーナーを用いて、このような変更を可能とすることである。
【0010】
発明の簡潔な説明
本発明は、流体のジェット(第1ジェット又は主ジェットと呼ぶ)と少なくとも1つの他の流体のジェット(第2ジェット又はアクチュエータジェットと呼ぶ)との相互作用であって、この主ジェットを送り出す手段(管、耐火性ポートなど)の内部で前記主ジェットが前記手段へと通じる前に起こる相互作用によって、炎の方向及び/又は軸角度を制御することを提案する。
【0011】
本発明に係るバーナーは、第1ジェットを主流出開口へと導く流路を備えている。第1ジェットは、典型的には、燃料、酸化剤、又は燃料−酸化剤のプレミクスを含んだジェットである。このバーナーは、第2ジェットの射出のための少なくとも1つの第2ダクトをも備えている。第2ジェットにより射出される流体は、第1ジェットからの流体と同一のカテゴリに属していてもよく、属していなくてもよい。第2ジェットにより射出される流体は、第1ジェットからの流体と異なっていてもよく、異なっていなくてもよい。第2ジェットは、特には、蒸気などの不活性ジェット、又はリサイクルされた煙道ガスなどの燃焼生成物であり得る。
【0012】
少なくとも1つの第2ダクトは、主流出開口の上流に位置した第2開口を通じて、第1ジェットの流路上へと開いている。第2ダクトは、この第2ダクトからの第2ジェット(以後、対応する第2ジェットと呼ぶ)と第1ジェットとの間の相互作用位置(両フローに共通する想像上の表面の慣性中心)において、対応する第2ジェットの軸と第1ジェットの軸に垂直な平面との間の角度θが0゜以上であり且つ90゜より小さく、好ましくは0゜から80゜であり、また好ましくは0゜から45゜であるようにして、上記流路に対して位置を定められている。好ましい場合である角度θ=0゜のときには、対応する第2ジェットの軸は、第1ジェットの軸に垂直な平面内に配置されている。
【0013】
少なくとも1つの第2開口は、主流出開口の断面積sの平方根の10倍以下である距離L、好ましくはL≦5×√s、また好ましくはL≦3×√sだけ、主開口から離間している。
【0014】
「2002年7月14−18日のFEDSM’02 Joint US ASME−European Fluid Engineering Division Summer Meetingの会報」並びにV.Faivre及びTh.Poinsotによる、Journal of Turbulence第5巻、第1号、2004年3月、25頁の記事「Experimental and numerical investigations of jet active control for combustion applications」から分かることは、主ジェットの周りの4つの第2ジェットの特定の配置を使用して、第2ジェットと第1ジェットとの間の相互作用により炎を安定化する方法である。より広い分散角度が観察されている。
【0015】
本発明によると、バーナーには、少なくとも1つの第2ジェットのインパルスを制御するための手段が設けられている。
【0016】
従って、以下で詳細に説明するように、本発明は、少なくとも1つの第2ジェットのインパルスを上記手段を用いて変更することにより、バーナーから得られる炎の方向及び/又は軸角度を変化させることを可能とする。
【0017】
好ましくは、少なくとも1つの第2ジェットのインパルスを制御するための手段は、第2ジェットのインパルスと第1ジェットのインパルスとの間の比を制御することを可能とする手段である。
【0018】
従って、本発明は、特には高温の及び/又は汚染された又は腐食性の雰囲気を有した火室などの悪環境において不調の源となりうる機械的な手段を使用することなしに、炎の方向及び/又は軸角度の幅広い変更を引き起こすことを可能とする。
【0019】
制御手段は、特には、少なくとも1つの第2ジェットのインパルスをアクティブに又は動的に制御することを可能とする。即ち、それらは、バーナーの作用を遮ることなしに/炎を遮ることなしに、パルスを変化させることを可能とする。従って、本発明に係る器具は、同程度に動的な炎の方向及び/又は軸角度の変動を可能とする。
【0020】
好ましくは、炎について所望の効果を達成すべく第1ジェットと相互作用する第2ジェットの数は、バーナーの製造の複雑性及びコストを制限するために、並びに、第2ジェットが独立に駆動されるならば、流体の流速を供給及び制御するためのシステムの複雑性及びコストを制限するために、最小化されるであろう。例えば、単一の第2ジェットを用いると、単一方向効果(effet monodirectionnel)が達成され得る。
【0021】
この記載中で使用される用語のうち幾つかは、それらの範囲をより良く定めるために、本発明の文脈において、より正確な定義をされる価値がある:
・ジェットの/炎の方向は、流体の/炎の流路の断面に垂直であり、流れの方向、即ち、上流から下流へと向けられた単位ベクトルであるとして定義される。
【0022】
・「厚さe」は、第1ジェットの流れの方向(図1における矢印による)における第2ダクトの寸法を意味している。この図1の特定の場合では、それゆえ、eは、第2開口31のレベルにおける第2ダクト21の直径を表す。なぜなら、この例では、この第2ダクト21が円筒形であるからである。
【0023】
ジェットの/炎の「軸角度」は、図1における10などの円筒形の流路へと通じているジェット/炎について、上記流路の縦軸と、上記流路を離れるジェット/炎の表面における母線との間の角度を表している。第2ジェットとの相互作用がない場合には上記母線はこの軸に対して約10から15゜だけ傾いており、本発明によると、この傾きは70゜にも達する(図9A参照)。敷衍すると、軸角度という用語は、流路が円形の断面を有していない場合には、流路における流れの方向と上記母線との間の角度を表すであろう。
【0024】
発明の詳細な説明
本発明に係るバーナー及びその使用の態様の種々の特徴は、以下の詳細な説明からより容易に明らかとなり、非限定的な例を用いて与えられる典型的な形態を概略的に表す図が参照されるであろう。より詳細には:
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ジェットの相互作用による炎の制御用の本発明に係る(プレミクス)バーナーの理論図。
【図2】火室上に搭載された本発明に係るバーナーの制御。
【図3A】炎の方向を制御するためのバーナーであって、それぞれ互いに90゜で配置され且つ第1ジェットの方向に垂直に入射するように向けられた4つの第2ジェットを含んだバーナーの横方向の断面図。
【図3B】炎の方向を制御するためのバーナーであって、それぞれ互いに90゜で配置され且つ第1ジェットの方向に垂直に入射するように向けられた4つの第2ジェットを含んだバーナーの縦方向の断面図。
【図3C】平行な第1及び第2ジェットを有したノズルを本発明に係るバーナーへと変形させるためのパステル(pastille)の使用。
【図3D】平行な第1及び第2ジェットを有したノズルを本発明に係るバーナーへと変形させるためのパステルの使用。
【図3E】平行な第1及び第2ジェットを有したノズルを本発明に係るバーナーへと変形させるためのパステルの使用。
【図4A】合成ジェットの軸角度を制御することを可能とするバーナーの縦方向の断面図。
【図4B】合成ジェットの軸角度を制御することを可能とするバーナーの横方向の断面図。
【図5A】2つのジェット(合成)、燃料のジェット及び酸化剤のジェットを用いて炎を変化させるためのバーナーの使用。
【図5B】2つのジェット(合成)、燃料のジェット及び酸化剤のジェットを用いて炎を変化させるためのバーナーの使用。
【図5C】2つのジェット(合成)、燃料のジェット及び酸化剤のジェットを用いて炎を変化させるためのバーナーの使用。
【図6】耐火性ポートが設けられた「チューブ・イン・チューブ」型バーナー。
【図7A】分離した(separes)ジェットを有したバーナー。
【図7B】分離したジェットを有したバーナー。
【図7C】分離したジェットを有したバーナー。。
【図8】異なった入射角についての、射出点までの距離に応じた炎の熱流束密度。
【図9A】炎の軸角度制御の態様の変形。
【図9B】炎の軸角度制御の態様の変形。
【図10A】炎の偏向及び装入物への熱の移動に対する制御パラメータの影響。
【図10B】炎の偏向及び装入物への熱の移動に対する制御パラメータの影響。
【図11】ジェットのインパルス比に応じた炎の軸角度。
【図12A】炎の入射角の変化を伴った装入物の加熱への本発明のシステムの典型的な応用。
【図12B】炎の入射角の変化を伴った装入物の加熱への本発明のシステムの典型的な応用。
【図13】炎を横方向に動かすことにより装入物を加熱するための本発明の使用。
【図14】炉からのガスの飛沫同伴への変更可能な炎の軸角度の応用。
【図15】制御パラメータに応じた炎の射出のレベル。
【図16】耐火性ポートによるバーナーの端の保護。
【図17】スリーブブリックによるバーナーの端の保護。
【0026】
以後、一方では第1ジェット及びそれが流れる流路を、他方では第2ジェット又はアクチュエータジェット及びこの第2ジェットが流れる対応した第2ダクトを表すために同じ参照符号が使用される。
【0027】
図1は、本発明に係るバーナーにおいて炎を制御する方法の理論図を表している。
【0028】
バーナーは、第1ジェットを主流出開口11へと導くことを可能とする流路10を備えている。
【0029】
第1ジェットは、第2ジェットが無い場合の炎の方向及び/又は軸角度とは異なった方向及び/又は軸角度の炎1を出口開口11の下流に生成するために流路10によって方向付けられ、第2ダクト21から得られる第2ジェットと相互作用する。
【0030】
第2ジェットを射出するための少なくとも1つの第2ダクト21は、第2開口31を通じて、流路10へと開いている。この第2ダクト21は、対応する第2ジェットと第1ジェットとの間の相互作用位置において、第2ジェット21の軸と第1ジェット10の軸に垂直な平面との間の角度θが0゜以上且つ90゜未満(図1ではθ=0゜)となるように、流路10に対して位置を定められている。
【0031】
第2開口31は、主開口11から距離Lだけ離間しており、Lは10×√s(s=主開口11の断面積)以下である。距離Lは、各々の同一のインパルスを用いて、第2ジェットの第1ジェットへの衝撃に影響を与えることを可能とする。例えば、指向効果(effet directionnel)を最適化すべく、この距離を最小化するための努力が為されるであろう。概して、酸素バーナー及びメガワットオーダーの出力については、距離Lは20cm以下であり、より好ましくは10cm以下である。
【0032】
バーナーは、第2ジェットのインパルスを制御するための手段を備えている。これら手段は、質量流の制御、装入物の損失(perte de charge)の制御、流路の断面の制御のための素子に加えて、温度の制御、流体の化学組成の制御又は圧力の制御のための素子から有効に選ばれ得る。
【0033】
これら手段は、好ましくは、第2ジェットのパルスと第1ジェットのパルスとの間の比を制御することを可能とする手段である。
【0034】
上記制御手段は、炎の方向及び/又は軸角度を動的に変化させるために、1以上の第2ジェットを活性化及び不活性化(関係している第2ジェットの流れ又は流れの不在)することを可能とする。
【0035】
上記制御手段は、好ましくは、1以上の第2ジェットのインパルス(ゼロでない)を動的に増加及び減少させるか、又は、第2ジェットのインパルスと第1ジェットのインパルスとの間の比を増加及び減少させることをも可能とする。
【0036】
バーナーには、同軸上に配置された酸化剤注入チャネル及び少なくとも1つの燃料注入チャネルを介して、又は、互いに離れており且つ好ましくは互いに平行な酸化剤注入チャネル及び少なくとも1つの燃料注入チャネルを介して、燃料及び酸化剤が供給され得る。
【0037】
バーナーは、有利には、耐火性材料のブロックなどの材料ブロック5を備え、その中には流路10の少なくとも一部が置かれ、主開口11は上記ブロックの外面又は表面の1つ:前面6に配置されている。
【0038】
図1では、第2ジェットは、ブロック5を通過する第2ダクト21によって運ばれ、この第2ジェットは、好ましくは、第1ジェットに実質的に垂直に通じている。
【0039】
第1ジェットと第2ジェットとの間の相互作用は、第1ジェットの流路10が通じているブロックのうち前面6から距離Lの位置で起こり、この距離Lは、先に示したように、ことによっては変化する。
【0040】
炎の方向を変化させることが可能な図3A及び3Bに描かれた一態様によると、バーナーは、少なくとも1つの第2ダクト321、322、323及び324を備えており、それらは、対応する第2開口331、332、333及び334(即ち、関係する第2ダクトがそれを通じて流路上へと開いている第2開口)のレベルにおいて第1ジェットの軸と対応する第2ジェットの軸とが交差(secants)又は略交差(quasi-secants)するように、第1ジェットの流路310に対して位置を定められている。
【0041】
流路と第2ダクトとの間のこのような配置は、少なくとも1つの対応する第2ジェットのインパルスを変化させることにより、炎の軸と第2開口の上流における第1ジェットの軸との間の角度を変化させることを可能とする。
【0042】
アクチュエータジェットが無い場合に主流出開口311から得られる炎が図3Aの平面に垂直であれば、第2ダクト323を通じたジェットの注入は、図3Aの右側への、即ち、323からのジェットの流れの方向と同じ方向への炎の偏りを可能とする。
【0043】
同時に第2ダクト324を通じて第2ジェットの注入がある場合には、323及び324からのジェットの相対的な運動量に依存して、323及び324からのジェットの方向(図3Aにおける右及び下)の間で連続的に変動し得る方向(図3Aの平面に射影された方向)に偏向させた炎を得ることが可能となる。
【0044】
バーナーは、好ましくは、一方では2つの対応する第2開口が流路310の同一横断面上に配置され、他方ではこれら2つの第2開口のレベルにおいて対応する第2ジェットの軸が第1ジェットの軸と交差又は略交差するように、流路310に対して位置を定められた少なくとも2つの第2ダクトを備えている。この場合、2つの対応する第2開口は、有効に、第1ジェットの軸の両側(開口331及び333については右及び左側;開口332及び開口334については下及び上側)に配置され、2つの第2開口及び第1ジェットの軸は、好ましくは、単一平面(開口331及び333については水平;開口332及び334については垂直)内に配置され得る。
【0045】
他の有用な構成によると、2つの対応する第2開口のレベルにおいて、第1ジェットの軸と2つの対応する開口の1つとにより定義される平面は、第1ジェットの軸と2つの対応する開口の他の1つとにより定義される平面に垂直である。例えば、流路310の軸と第2開口331とにより定義される水平面は、この軸と第2開口332とにより定義される垂直面に垂直である。
【0046】
これら2つの態様を組み合わせることも可能である。この場合、図3A及び3Bに描かれているように、バーナーは、少なくとも4つのダクト321、322、323及び324を備え、これらは流路310に対して、以下のようにして位置を定められる:
(1)4つの対応する第2開口331、332、333、334は、流路の同一横断面上に配置されており、
(2)これら対応する第2開口331及び333の2つは、第1ジェットの軸と第1平面を定義し、この軸の両側に配置され、他の2つの第2開口332及び334は第1ジェットの軸と第2平面を定義し、第1平面は、好ましくは、第2平面に垂直である。
【0047】
この配置は、第1平面及び第2平面内(例えば水平面及び垂直面内)で、各平面内に配置された4つの第2開口の1つ又は他の選ばれた方向(例えば、水平面内では左及び右、並びに垂直面内では上及び下)へと、及び、上で説明したようにあらゆる中間の方向へと、炎の方向を変化させることを可能とする。
【0048】
4つの対応する第2開口331乃至334のレベルでは、4つの対応する第2ジェットの軸は、好ましくは、第1ジェット310の軸に垂直な同一平面内にある。
【0049】
本発明は、第1ジェットと1以上の第2ジェットとの間の相互作用を引き起こし、この相互作用に起因した流体のジェット及び炎のその軸の周りの回転を生成、保持又は強化することをも可能とする。このような相互作用は、炎の軸角度を変化させることを可能とする。
【0050】
図4A及び4Bに描かれているように、バーナーには、対応する第2開口431乃至434のレベルにおいて対応する第2ジェット421乃至424の軸が第1ジェット410の軸と同一平面又は実質的に同一平面にはなく、この少なくとも1つの第2ダクト421乃至424が好ましくは第1ジェットの流路410へと接して通じるように、第1ジェットの流路410に対して位置を定められた少なくとも1つの第2ダクト421乃至424が設けられ得る。
【0051】
バーナーは、有効に、2つの対応する第2開口431、432のレベルにおいて上記2つの対応する第2ジェット421及び422の軸が第1ジェット410の軸と同一平面になく、2つの第2ジェットが第1ジェットの軸の周りの回転の同一の方向に向けられるように、第1ジェットの流路410に対して位置を定められた2つの第2ダクト421及び422を備え得る。このようにして、上記2つの第2ジェットは、炎に付与される回転インパルスに寄与する。
【0052】
2つの第2開口は、有利には、流路410の同一の横断面上/第1ジェットの軸に垂直な同一平面内に配置されている。それらは、第1ジェットの軸の両側に配置され得る(開口431及び433又は432及び434)。それらは、第1ジェットの軸と2つの第2開口の1つ431とにより定義される平面が、第1ジェットと2つの第2開口の他の1つ432とにより定義される平面に垂直となるようにも配置され得る。
【0053】
一態様によると、バーナーは、対応する第2開口431乃至434のレベルにおいて対応する第2ジェットの軸が第1ジェットの軸と実質的に同一平面にないように第1ジェットの流路410に対して位置を定められた少なくとも4つの第2ダクト421乃至424を備えている。対応する2つの第2開口431及び433は、第1平面内で第1ジェット410の軸と実質的に同一平面にあり、第1ジェットの軸の両側に配置されている。他の2つの対応する第2開口432及び434は、第2平面内で第1ジェット410の軸と実質的に同一平面にあり、また、第1軸の両側に配置され、4つの対応する第2ジェットは、第1ジェットの軸の周りの回転と同一の方向に向けられている。第1及び第2平面は、特には、互いに垂直であり得る。4つの対応する第2開口が流路410の同一横断面上にあることもまた好ましい。
【0054】
第1ジェットに回転インパルスを付与して炎の軸角度を変化させるために、第1ジェットと対応する第2ジェットとが相互作用する第2開口のレベルにおいて、一方では第2ジェットの軸がこの位置で第1ジェットの軸に垂直な平面に属し、他方ではこの平面における第2ジェットの軸と第2開口(より正確には、第2開口のレベルにおける第1ジェットの流路の想像上の表面)の接線との角度が0゜と90゜との間、好ましくは0゜と45゜との間であることを保証することが好ましい。
【0055】
図4A及びBは、炎の軸角度を制御するための典型的な態様を示している。第1ジェット(図4Aにおいて、流路410中を左から右へと流れる)は、第2ダクト421、422、423及び424(図4Aの平面AA上の横断面である図4Bに表されている)からの第2ジェットと出合う。これら第2ジェットは、流路410に接して第1ジェットに衝突し、これら異なったジェットのインパルスに依存して、炎を多かれ少なかれ「開く」ことを可能とする。この軸角度効果(effet d’ouverture)は、主には、第2ジェットと第1ジェットとがそれらの間に物理的な相互作用を有しているにも拘らず、交差しない軸を有していることのおかげである。これは、合成ジェット及び炎のその軸上での回転をもたらす。
【0056】
上記の構成の方法の任意の1つによって炎の方向を変化させることを可能とする態様と、合成ジェットの回転を生成、保持又は強化して、炎の軸角度を変化させることを可能とする上記態様の任意の1つとを、単一のバーナーにおいて組み合わせることも可能である。
【0057】
従って、指向及び回転効果の両方を得るために、上記パラグラフの教示が組み合され得る。指向及び回転効果を動的に変化させるために、例えば、いくつかの第2ジェット射出システムを用意することも可能である。
【0058】
フィードバルブなどの第2ジェットのインパルスを制御する手段を有した別個の第2ダクトを用意することにより、単に上記制御手段(バルブ)を作動させることによって合成ジェットの形態及び方向を連続的に又は不連続的に変化させることが可能となる。
【0059】
第2ジェットが第1ジェット上で可能な限り効率的に作用することを可能とするために、アクチュエータジェットは、主ジェットの方向に実質的に垂直に射出されるべきである。
【0060】
最適な動作のためには、バーナーは、少なくとも1つの第2ダクト21であって、対応する第2開口31のレベルにおいてこのダクトがl≧0.5×e、好ましくは:0.5×e≦l≦5.0e(図1参照)を満たす厚みe及び高さlを示すように、第1ジェットの流路10に対して位置を定められた第2ダクト21を備え得る。高さの最小値が0.5×e以上であることは、対応する第2ジェットと第1ジェットとの間の最適な相互作用をもたらすことを可能とする。
【0061】
例えば、この第2ジェットと第1ジェットとの間の相互作用位置において、実際に第2ジェットの軸と第1ジェットの軸に垂直な平面との間の角度θがゼロとなるように第2ジェットを生成するためには、対応する第2開口の前で、第2ダクトが、好ましくは上記ダクトの厚みe(主流体の流れ方向の寸法;eは、ダクトが円筒形であるときには、ダクトの直径)の0.5及び5倍の間の長さlに亘って第1ジェットの軸に実質的に垂直な方向を有することが好ましいであろう。明らかに、この距離lが5e以上となることも可能であるが、このことは、第2ジェットの第1ジェット上への有意な衝撃に関して、付加的な効果を加えない。例えば、周囲条件(conditions ambiantes)における気体の炭化水素、及び酸素の射出を用いたバーナーでは、100kWのバーナーについて少なくともl=5mmが得られ、10mWのバーナーについて少なくともl=50mmが得られる。
【0062】
バーナーは、流路の端に置かれた耐火性ポート又は燃焼前室(例えば、セラミック製)を含むことができ、少なくとも1つの第2ダクトが、少なくとも部分的に耐火性ポート/燃焼前室内に配置されている。
【0063】
第1ジェットの流路は、全体として又は少なくとも部分的に、第1ジェットの射出のための第1ダクトからなり得る。この第1ダクトは、第1開口へと通じている。
【0064】
この第1開口は、流路の主流出開口と一致し得る。
【0065】
図3C、D及びE並びに図6に描かれているように、第1ダクト308、608は、主流出開口311、611の手前に端を有しており、第1開口309、609は、主開口311,611の上流に位置している。この場合、少なくとも1つの第2開口334、632、634は、第1ダクト308、608の第1開口309、609と、流路の主開口311、611との間に配置され得る。
【0066】
図6は、その中で炎が安定化されるセラミックの耐火性ポートの内部に設置された前室を有した(例えば、特許出願第US−A−5772427号及びUS−A−5620316号に本出願人の名義で記載され及び本出願人により商品名ALGLASSのもとで市場取引されている)チューブ・イン・チューブ型のバーナーにおける本発明の典型的な態様をより詳細に表している。図中、耐火性ポートブロック605は、その中へとバイチューブ(bi-tube)が通じている空洞671(又は前室)を備えている。
【0067】
第1ジェットの流路610は、従って、第1開口609を通じて空洞671へと開いており、空洞は、第1開口609の下流の耐火性ポートの前面に配置された主流出開口611を通じて開いている。
【0068】
バーナーの耐火性ポート(ブロック)605には、バーナーの対称軸X−Xに実質的に垂直に、各々が主流出開口611から距離Lの位置に配置された第2開口632及び634を通じて、流路610へと、より詳細には空洞へと開いている複数の第2ダクト622、624が存在している。
【0069】
厳密な意味で(proprement dit)、バイチューブは、概略的には、酸化剤が注入される同軸の管によって囲まれた、(好ましくは)燃料を射出するための中央管を備え、これら2つの流体は空洞671中で混合される。
【0070】
この典型的な態様では、第2開口632、634の上流において、管により同軸に射出された酸化剤と燃料と(ことによると燃焼生成物と)の混合が起こる。炎の方向及び/又は軸角度は、その後、少なくとも1つのアクチュエータジェット622、624の作用、より詳細には、制御されたインパルスにより制御される。
【0071】
本発明に係るバーナーの最適な動作のために、第1ジェットの流路は、少なくとも1つの対応する第2ジェットと第1ジェットとの間の効果的な相互作用を可能とすべく、少なくとも1つの対応する第2ダクトの延長線上であって、少なくとも1つの第2開口のレベルにおいて遮断されていないか又は少なくとも実質的に遮断されていない流体経路を呈しているであろう。典型的には、第1ジェットの流路の横断面は、少なくとも1つの第2開口のレベルにおいて、遮断されていないか又は実質的に遮断されていない流体経路を規定するであろう。これは、燃料を方向付けている中央管が、第1開口のレベルで、即ち第2開口のかなり前において終結している図6に描かれている。
【0072】
図3C、D及びEは、第1ダクト308が主流出開口311の前で終結しているバーナーの別の態様を示している。
【0073】
図3Cは、図3Bに類似した変形態様を表しているが、ノズル345中に2つの平行なチャネル(第1ダクト308及び第2ダクト324)があり、2つのチャネル308及び324がノズルの前面上へと開いている。この前面上にはパステル342があてがわれ、第1ダクトを離れていく第1ジェットへと、より詳細には第1ジェットに垂直又は実質的に垂直に、第2ダクト324からの第2ジェットを向けることを可能としている。このように、例えば図3Cにおいて矢印344によって表されている方向へと炎を偏向させることが可能となる。(炎の方向344は、第1及び第2ジェットのインパルスの比に依存するであろう)。従って、制御手段を用いて第2ジェットのインパルスを変化させることにより、炎を用いて加熱されるべき液浴の表面などの全表面を掃射することを可能とする、変更可能な炎の方向を得ることが可能となる。
【0074】
図3Dは、パステル342が(この図に表されていない手段により)取り付けられたノズル345の分解図であり、このパステルは、ここでは、ノズル345の一端を支えている一方で第1ダクト308が通じている場所にその開口346が配置された中空で横向きの円筒状部分350の形態を有している。
【0075】
図3Eはこのパステル342の底(内部)を表し、その内面349は、空洞347であって、第2ダクト324からの第2ジェットがその中で広げられた後、主流出開口346上のスロット348を介して第1ダクト308からの第1ジェットに実質的に垂直に衝突する空洞347を備えている。この開口346からの炎344(図3C)は、このようにして、(図3C、D及びEに対して)下方に偏向させられる。
【0076】
なお、パステルを用いて1以上の第2ジェット上に第1ジェットとのそれぞれの相互作用位置の手前で所望の指向性を付与する可能性は、炎の方向を変化させるために方向付けられた第2ジェットに限られず、炎の軸角度を変化させることを可能とする上述した第2ジェットにも当てはまる。
【0077】
本発明は、ジェットの流れを変化させるために並びに第1及び/又は第2ジェットの特性(特には方向及び運動量)に応じて方向及び/又は軸角度が変化させられ得る炎を生成するために第1ジェットに衝突する1以上の第2ジェットを用いて、燃焼システム又はバーナーの性能特性を動的に又はアクティブに制御するための方法にも関している。この方法は、閉又は開ループモードにおいて、流体ジェット(液体、気体又は固体分散液)の射出を行う燃焼システムの性能特性を制御するために使用され得る。
【0078】
図2は、火室212上に据え付けられた本発明に係るバーナー210の性能特性を制御する方法を表している。
【0079】
センサ214、216及び217は、それぞれ、燃焼生成物、燃焼又は火室の作用条件及びバーナーの作用を特徴付ける量を測定する。これら測定値は、ライン218、219及び220を用いて、コントローラ215へと伝達される。後者は、これら特徴量について与えられた設定値に応じて、上記特徴値をそれらの設定値に保持するために第2ジェットの操業パラメータを決定し、ライン221を用いてこれらパラメータをバーナーの制御ユニット211へと伝達する。
【0080】
本発明に係るバーナーは、有利には、第1及び/又は第2ジェットのインパルスを制御するための手段又は第1ジェットのインパルスと第2ジェットのインパルスとの比を制御するための手段を備えている。この比は、第1ジェットの流路の断面積及び第2ダクトの断面積の比、炎を供給する合成ジェットの流速に対する第2ダクト中の流速の比、並びに第1ジェット及び第2ジェットの流体の比重の比の関数である。(以下の段落では、これら比の1つの変動を考慮したときには、他の2つは一定であるとみなされる。)
各々の一定の流速を仮定すれば、対応する第2ジェットは、対応する第2開口のレベルにおける流路の断面積及び第2ダクトの断面積の比の値が増加するにつれて、第1ジェット上へのますます増加する衝撃を有する。断面積比は、好ましくは、5と50との間、より好ましくは15と30との間から選ばれるであろう。全ての第2ジェットの流速の全体の流速に対する比は、この流速比が増加するほど炎の偏向及び/又は軸角度は増大することに注意して、典型的には0(第2ジェットがないとき)と0.5との間、好ましくは0と0.3との間、より好ましくは0と0.15との間で変化するであろう。
【0081】
第2ジェットを構成している各流体の比重の第1ジェットの流体の比重に対する比は、第2ジェットの衝撃を制御することを可能とする。第2ジェットの第1ジェット上への効果は、一定の流速において、この比の値が減少するほど増大するであろう。実際的な理由により、第2ジェット及び第1ジェットにおいて、同一の流体がしばしば使用されるであろう(比は1に等しい)。(一定の質量流速において)第2ジェットの効果を増大させるべく、第1ジェット中の流体より小さな密度の流体が使用されるであろう。第2ジェット中の流体の性質は、目標とする応用に従って選ばれるであろう。空気とヘリウム(より低密度)との混合物が、例えば空気のジェットの偏向を制御するために使用されることができ、又は、蒸気の第2ジェットを用いて主燃料ジェット及び/又は酸化剤ジェットを制御することにより、プロパンにより燃料を供給された燃焼生成物の飛沫同伴を増大させることが可能となる。一般に、最も濃い流体の最も薄い流体に対する比重の(又は密度の)比は、1と20との間、好ましくは1と10との間、より好ましくは1と5との間で変化し得る。
【0082】
流路の及び/又は第2ダクトの射出断面の外形は、様々な形態、特には、円形、正方形、長方形、三角形、横長形、多葉形等であり得る。これら射出断面の外形は、合成ジェット/炎の不安定性の発達に影響する。例えば、三角形の射出器を離れるジェットは、円形の射出器から得られるものより不安定であり、この不安定性は、合成ジェットと周囲の媒体との混合を促進する。同様に、横長形の射出器は、円形又は正方形の射出器とは違って、射出器に近い領域においてジェットの非対称な発達を促進する。
【0083】
第2ジェットを生成するために使用される流体の物理的/化学的性質に関しては、これらは、合成流のある性質を制御するために選択され得る。例えば、燃料(例えば天然ガス)及び酸化剤(例えば空気)用の主ジェットの混合物の反応性を、酸素(又は他の酸化剤)及び/又は水素(又は他の燃料)の使用を通じて変更することができる。
【0084】
第1及び第2ジェットの相互作用位置の直前の第1ジェットの流路の端に、収斂/発散リードを備えたノズル(文献ではLavalノズルとも呼ばれる)が設けられていれば、流体の第1ジェット及び合成ジェット、例えば酸素ジェットに、発散リードの出口において、その後に様々な方向性を有し得る超音波(ことによると様々な軸角度を有し得るが、一般にはその超音速のスピードを失って、ある方法において亜音速及び超音速のスピードを交互にすることを可能とする)を(文献においてそれ自体で知られている仕方で)得させることが可能である。Lavalノズルは、主流出開口の手前で、合成ジェット上に配置されることもできる。
【0085】
上記方法の変形によると、平面内において炎の方向を(例えば、左及び右又は上及び下へと)変化させるために、少なくとも2つの第2ジェットが使用される。少なくとも2つの交差平面内における炎の方向の変動を得るために、少なくとも2つの第2ジェットを使用することも可能である。これら2つの変形は、単独で又は組み合わされて、装入物の表面等の表面の少なくとも一部を掃射することを可能とする。
【0086】
第1ジェットの軸と交差又は略交差しない軸を有した第2ジェットを使用することにより、単独で又は掃射と組み合わせて、装入物上における炎の軸角度を変化させ得る。
【0087】
好ましくは、第1ジェット及び/又は少なくとも1つの第2ジェットの運動量を制御するための手段が設けられる。
【0088】
なお、上では1以上の第2ジェットと相互作用するようにされた単一の第1ジェットを用いた態様を参照しながらバーナー及び方法を説明したが、本発明は、1以上の第2ジェットと相互作用する多数の第1ジェットによって変更可能な軸角度及び/又は方向を有した1以上の炎を生成するようなバーナーをも含んでいることは明らかである。
【0089】
図5は、本発明に係るバーナーが如何にして2つの第1ジェット:燃料の第1ジェット及び酸化剤の第1ジェットから変更可能な炎を生成することを可能とするかを示している。各第1ジェットは、1以上の第2ジェットと相互作用する。この相互作用のおかげで、バーナーから、変更可能な方向及び/又は軸角度を有した2つの合成ジェット即ち炎が得られる。
【0090】
図5Aは、燃料の合成ジェット61とその上にある酸化剤62の合成ジェットとを、これらジェットの何れもが1以上の第2ジェットとの相互作用によって制御されていないという状況において概略的に示している。図5Bは、同じ合成ジェットであるが、後者が反対に制御又は偏向された状況におけるもの(収斂ジェット)を示している。ジェット60は第2ジェット62によって下向きに偏向されており、ジェット61は第3ジェット63によって上向きに、(61とは異なって)下部から上部へと偏向されている。図5Cは、これらジェットが同じ方向(図では上向き)に制御又は偏向されている状況における合力を示している:第2ジェット63及び65が主ジェット61及び60の各々に下部から上部へと作用し、両方が上向きの合成ジェットを生成する。これら3つの例は、非常に異なった方向及び形態(長さ、平坦度など)の炎を得ることを可能とする。炎64は2つのジェットの中央の水平面内において非常に幅広くなり、炎67は上向きに強く偏向されるであろう。
【0091】
本発明によると、第2ジェットと第1ジェットとの間の相互作用位置において、第2ジェットの軸は、第1ジェットの軸に垂直な平面と、90゜より小さく、好ましくは0゜に等しい角度を為している。しかしながら、図3C及びDに描かれているように、これらジェットを供給するチャネルは、容積の理由から、通常は実質的に平行である。2つのフローの相互作用領域のレベルにおいて第2フローの向きを変えるためには、平行なチャネルを有したバーナーの一端に射出パステル(pastille d’injection)と名づけられた後述するエンドピースを設置することができ、その機能は、最初は第1ジェットに平行であった第2ジェットの方向を、上記第2ジェットの軸が好ましくは第1ジェットの軸に垂直な平面内に位置するように、第1ジェットに衝突する第2ジェットへと変化させることである。
【0092】
しかしながら、非常に高温の方法(T>1000℃)についてのバーナーの使用は、射出パステルの過熱及び劣化をもたらし得る。この種の問題を克服すべく、射出パステルの大きさの設定について、高温の囲いの中で放射に供されるバーナーの前面を減らす努力が為されるであろう。このためには、比l/eを制限する努力が為されるであろう。
【0093】
図16及び17に描かれている2つの解決法のうちの1つを使用することも可能である。第1の解決法(図16)は、耐火性部品501であって、その外形及び相対的なバーナー/耐火性ポートの位置がバーナーを過剰な放射から保護するであろう部品中に、バーナー500を置くことにある。耐火性部品中におけるバーナーの位置又はセットバックはそれを放射から保護するのに十分でなければならないが、炎の方向強度を制限することがあってはならない。このために、耐火性ポートの外形は、図16における破線に沿って角度αで後者の一部を除去することにより修正され得る。好ましくは、比R/dは、0.3から3の範囲内であり、角度αは[0゜,60゜]の範囲内にあるであろう。
【0094】
第2の解決法は、図17に描かれているように、スリーブブリック型の耐火性部品をバーナーの突出部(主流出開口が位置する場所)に直接的に付加することにある。この解決法は、複雑な外形の耐火性ポートを省略することを可能とする。スリーブブリックの寸法は、射出器の方向強度を制限しないような寸法である。これは、特には、スリーブブリックの厚みfが小さい(主ジェットの直径より小さい)か、又は、このスリーブブリックを製造するために使用される材料が非常に低い熱伝導度を有していることを意味している。例えば、アルミナが選択される。
【0095】
本発明は、装入物に対して炎の方向(及び/又は軸角度)を変更可能なバーナーを用いて装入物を加熱する方法にも関する。先に述べたように、本発明は、特には、平面内において炎の方向の(例えば、左及び右又は上又は下への)変動を得るために、1つ又は少なくとも2つのジェットを使用することを可能とする。少なくとも2つの交差平面内において炎の方向の変動を得るために、少なくとも2つの第2ジェットを使用することも可能である。これら2つの変形は、単独で又は組み合わされて、装入物の表面の少なくとも一部を掃射することを可能とする。
【0096】
一態様によると、装入物の加熱は、第1期には炎が装入物へと向けられ、第2期には炎が装入物に実質的に平行に向けられるようにして為される。特には、第1期においては、炎の射出角度は、約90゜と5゜との間、典型的には約90゜と10゜との間であり得る。第2期においては、炎の射出角度は、典型的には約5゜と0゜との間である。
【0097】
好ましくは、第1期における炎の射出角度は、5゜と75゜との間、より好ましくは25゜から45゜である。
【0098】
図8は、装入物上への炎の入射角に応じた、炎反応物の射出点までの距離の関数としての、炎によって装入物へと伝達された熱流束の3つのプロファイルを示している。炎の入射角の増加につれて、装入物へと伝達された熱流束の非常に強い増加が観察された。ゼロの入射角(α=0−図12参照)では、熱流束は、炎の全長に亘って実質的に一定であり;15゜の入射角では、伝達された流束は、非常に急激に、点Aから後はやや緩やかな急激さで増大し、30゜の炎入射角では、伝達された流束は、点Bまでは極めて素早く、点A辺りまではやや素早く増大し、点Aからは伝達が減少する。
【0099】
図9A及びBは、第2ジェット(アクチュエータ)の流速の第1ジェット(主ジェット)の流速に対する比に応じた炎の軸角度を表している。
【0100】
図9Aでは、曲線C1及びC2は、それぞれ、アクチュエータ/主ジェットの流速比の関数としての軸角度を表している。C1は、アクチュエータが主ジェットに垂直であり且つ主流出開口から距離hの位置で通じている配置CONF1に関し、C2は、CONF1と同一であるが、第2開口と主流出開口との間の距離がhの代わりに2×hである配置に対応している。これら2つの曲線は、アクチュエータと主ジェットとの間の衝突が主流出開口に近いほど炎の軸角度が大きいことを示している。
【0101】
図9Bは、アクチュエータの流速と主ジェットの流速との比に応じた軸角度の変化を描いている:曲線C3は、アクチュエータが主ジェットに、90゜(即ち、主ジェットの軸に垂直な平面上:θ=0゜)で、主流出開口から距離2×hの位置において衝突する配置CONF3(CONF2に類似)に対応し、曲線C4は、アクチュエータの入射角αが主ジェットの軸に対して45゜(即ち、アクチュエータの軸と主ジェットの軸に垂直な平面との間の角度θ=90゜−α=45゜)であることを除いてはCONF3と同一の配置CONF4に対応している。なお、他の全てが等しいままでアクチュエータジェットが主ジェットに垂直であるとき(CONF3:θ=0゜)には、アクチュエータジェットの入射角αがより低い(ここでは45゜)とき(CONF4:θ=45゜)よりも大きな炎の軸角度が得られる。
【0102】
図9は、百分率で表されたアクチュエータジェットの流速と主ジェットの流速との比の関数としての偏向角(度単位)を表している。図10Aは、他の全てが等しいままで主ジェットの流速がそれぞれ200l/min、150l/min、100l/min及び50l/minである4つの曲線を与える。なお、これら4つの曲線は殆んど同じであり、炎の偏向は主ジェットの流速の関数ではないことを明確に示している。
【0103】
図10Bは、アクチュエータジェットの流速の主ジェットの流速に対する比(ここでもまた、主ジェットの流速の百分率で表されている)が、燃料のジェット及び酸化剤のジェットの両方について変化する場合(分離射出を有したバーナー)の装入物への熱の移動:本発明に係るバーナーにより伝達された熱流束を表している。各ジェットは、最初は装入物の上部に平行に射出され、次第に装入物へと傾いて、装入物への熱伝達を増大させる。
【0104】
図11は、ジェットのインパルス比の関数としての炎の軸角度の曲線を表している。
【0105】
この曲線は、軸角度を制御するために得られた3種のデータの全てを寄せ集めている。測定された軸角度は、アクチュエータジェット及び主ジェットの特定のインパルスの比である物理パラメータJに応じて記録されている。この比は、密度の(アクチュエータ流体の主流体に対する)比と、アクチュエータジェットの速さの2乗の主ジェットの速さの2乗に対する比との積として表される。主流体は3つ全てについて同一であるが、アクチュエータについては異なった流体が使用されている。これら流体は、主に密度において異なっている(最も高い密度から最も低い密度へ:CO2、空気、空気−ヘリウム混合物)。3つ全ての点は(流速及び使用された流体によらず)一直線に並んでいる。これは、軸角度を制御する物理パラメータが、実際に上で定義された特定のインパルスであることを示している。
【0106】

以下の例は、本発明及びそれが如何にして使用され得るかに関するより良い理解をもたらすであろう。図7は、異なった流体の分離射出を有したバーナーの例をより詳細に示している。
【0107】
分離射出を有したバーナー101は、ジェットの形態の酸素112の射出器である上列と、ジェットの形態の天然ガス(燃料)124の射出器とを備え、射出器の全ては耐火性マス(masse refractaire)121内に置かれている(図7C)。
【0108】
バーナー101の通常は金属製の部分102は、図7Aの右手側に置かれ、一方では管107及び109によって酸素ガスを、他方では管207及び209によって天然ガスを、図7A中左方向へと射出するために延長されている。
【0109】
この図では、管109及び107に各々が接続されたボックス103及び105に、各々が管110及び108を通じて酸素を送り込む2つの独立した酸素(又は任意の酸化剤)供給源104及び106が設けられている。
【0110】
主ジェット108及び動作制御ジェット110の相互作用の説明を助けるために、管の端111が図7Bにおいて拡大されている。管107及び109の端には、アクチュエータジェットのフローを運ぶチャネル110を延長したチャネル127が存在する。壁109は(図において)上方に傾いた壁113、水平な壁114、垂直な壁115によって延長されており、中央の塊り126は、最初は上方に傾き、次いで水平であり、その後垂直(即ち、気体フローチャネル108に対して90゜を為し、後者中へと開口120を通じて開いている)なチャネル127を定めている。上で定義されたチャネル127の垂直部分は高さLを有し、120のレベルにおけるジェット110及び108の垂直性を保証することを可能とする(明らかに、異なったジェットの90゜の交差角度が選ばれる場合、チャネル127は、上述した制限の範囲内に含まれる必要な傾斜及びその長さLを有しているであろう)。バーナーの金属部分は、今の場合には垂直であり、チャネル127の縁を為している壁123において終結しており、金属部分は、使用中の火室の熱放射に曝されている。射出管のこの末端の長寿命を保証するために、例えばアルミナからなり、高温に耐性があり、例えば、この金属末端上に据え付けられてそれを保護し、開口112と等しい開口を有している保護要素を備え付けることが可能である(図7C)。
【0111】
燃料供給システム204、206、203、205は、上述した酸化剤供給システムに類似しており、主チャネル207、主燃料ジェット208の範囲を定めるアクチュエータチャネル209、及び燃料アクチュエータ210を有し、全てが耐火性ポート221の円筒形の開口222中に収容されている(酸化剤についての122と類似)。末端124及び125は、123及び112と類似している。図7Bに示されているように、同じ燃料制御ジェット射出システムが燃料の特性に応じた寸法で207及び209の末端に設けられている。
【0112】
しかしながら、一般的に、各射出器について、最も高いインパルスを有した流体(バーナーの場合、一般的には酸化剤)上に単一のアクチュエータジェットを供給し、適切に偏向されたジェットそれ自体がバーナーの外において他のジェットの偏向をもたらすことが好ましい。このような場合、もちろん、最も高いインパルスのジェットへのアクチュエータジェットの一部の作用がない場合にはバーナーが一般に水平に向いた炎を送り出し、アクチュエータジェット(最も高い運動量の主ジェット上に、上部から下部へと作用する)が主ジェットに作用する場合には、後者が、上で説明したように、下方向に向けられて(インパルスの比に応じて連続的に)より低いインパルスの第2ジェット(この場合、燃料)をそれとともに追いやり、バーナーの炎の下に置かれた加熱されるべき装入物へと向けて、水平な位置から傾斜した位置へと通過し得る炎を形成するように、最も高いインパルスのジェット(又はジェットの列)は、一般には、より低いインパルスのジェットの上方にあるであろう。主ジェットの何れかの側で90゜(又は0゜と180゜との間の任意の他の角度)を為しているアクチュエータジェットを、図7Aに描かれた上記アクチュエータジェットに(即ち、図7Cにおける123のレベルにおいて水平に、A−Aに垂直に)加えることにより、加熱されるべき装入物上で炎を左から右又は右から左へと動かして、加熱されるべき全表面を実質的にカバーすることが可能となる。
【0113】
本発明によると、アクチュエータジェットは、主ジェットと0より大きな角度を形成する。これらジェットを導く2つのチャネルには、容積の理由から、通常、同軸の供給システムによって供給がされている(平行なチャネル−図7参照)。
【0114】
本発明は、以下、鉄若しくは非鉄金属、ガラス製造、セメント製造用の固体材料の装入物などの、金属装入物又は溶解され及び/又は高温へと導かれ、その後、後者において保持される必要がある他のあらゆる装入物、又は、逆に、液浴から乾燥されるべき装入物を加熱するのに役立つバーナーの場合について説明されるであろう。
【0115】
特には、本発明を、例えば以下のようにして、電気アーク炉における鋼の処理用の道具について使用することが可能である:この種の道具は、特には精錬の始動時に、金属を加熱し、それを融解するために使用される炎(通常、亜音速)を一般に備えている。この炎は、本出願で説明されているように、バーナーの本体の方向を変化させる大型の機械的手段を必要とすることなしに装入物一面にこの炎を動かすことを可能とすべく、その方向及び/又はその軸角度を変化させるアクチュエータジェットを有した各主ジェット(酸化剤、燃料、プレミクス)又は少なくとも1つの主ジェットを備え付けることによって、変更可能な方向を有し得る。これら道具には、しばしば、粉末炭を射出するための槍(lances)が設けられ、この粉末炭は、一般に槍中の媒介ガスを用いて射出される。第2ジェット、例えば粉末炭を「押し出す」ガスと同一のガス、を射出するためのダクトにこの槍を備え付けることによって、射出された燃料のジェットと炎との迅速な合流を促進するか又はこのジェットを炎から遠ざけるために、粉末炭(又は噴霧された気体の燃料オイル)のジェットの方向を(全ての流体についてはジェットの軸角度も)変化させることを可能とする。
【0116】
以下の例は、装入物の精錬方法における、本発明に係るバーナーによる、金属等の装入物への熱移動の制御に関する。
【0117】
アルミニウムを精錬するための炉には、一般に、金属が完全に溶融した(液体)際の金属のフロートライン上に配置され、炉の精錬槽(bassin de fusion)を取り囲んだ1以上の側壁上に、1以上のバーナーが備え付けられている。炎の軸は、炎が水平であるときには、このフロートラインに対して10及び100cmの間、好ましくは40及び80cmの間の高さに配置される。
【0118】
例1:炉内の固体材料の場合:
本発明に係るバーナーは、炎の入射角を変更可能とするために使用される。(用語「入射角」は、水平面に対する炎の角度を意味すると理解されるべきである)。入射角がゼロであるときは、炎は水平である。入射角が非ゼロであるときは、炎は、水平面から傾斜して、炉の精錬槽の炉床へと向けられている。
【0119】
上記バーナーは流体の各ジェットを炉の室内へと射出するが、この種の射出器は、炎の所望の偏向を得るために、より高いインパルスの流体(酸化剤又は燃料)がより低いインパルスのそれと相互作用し得るときには、より高いインパルスの流体、空気/気体燃料バーナー又は酸素/気体燃料バーナーの場合には典型的には酸化剤、についてのみ使用され得る。
【0120】
アルミニウム精錬サイクルの最初の部分では、金属が殆んど固体状態で存在するときには、炎の方向は、後者が非ゼロの入射角(炎の軸が5゜及び75゜の間、好ましくは25゜及び45゜の間)を有するように調整される。この調整は、(図10を用いて説明するように)バーナーからの熱移動をかなり増大させ、従って、精錬時間を減少させることを可能とする。
【0121】
固体金属のブロックの殆んどが融解されたときには、ゼロの入射角を有するように炎の方向が調整される。炎は、従って、液体金属のフロートラインに平行である。この調整は、装入物へとエネルギーを移動させることを継続して金属の精錬を完了するか、又は、既に融解された金属の加熱、結果として炎による酸化又は燃焼生成物を制限することによってそれを精製することを可能とする。
【0122】
上述した炎の両極端の位置(明瞭な入射 incidence franche 又はゼロの入射角)の間において、炎の入射角が5゜及び30゜の間、好ましくは10゜及び25゜の間である中間的で静的な設定をサイクルの最初の部分で採用して、炎による炉の装入物のカバレッジ(炎の浴上への射影表面)と熱移動の強度との間のトレードオフを達成することも可能である。図12は、装入物に対する炎の両極端の位置を描いている。
【0123】
図12Aは、金属浴上に位置した2つの炎を生成する2つの本発明に係るバーナーが備え付けられたアルミニウム精錬炉の上面図である。炉の煙道は、炎によって生成された煙道ガスを排出するために使用される。
【0124】
図12B及び12Cは、炎のレベルにおける同じ炉の側面図を表している。
【0125】
図12Bでは、好ましくは金属浴中に固体金属がまだ存在しているときに、炎が水平面に対して角度αだけ傾いており、図12Cでは、炎がゼロの入射角(α=0)に位置している。
【0126】
炎の両極端の位置(明瞭な入射及びゼロの入射角)の間で、炎の入射角をサイクルの第1部分において周期的に変化させることも可能である。例えば、炉のオペレータは、入射角を0゜及び45゜の間で変化させた後、0゜に戻すことができる。
【0127】
好ましくは、バーナーは、バーナーの制御比、即ち主及びアクチュエータジェットのインパルスの比、結果として浴上への炎の入射角を周期的に変調させることを可能とする制御モジュールを用いて駆動されるであろう。制御モジュールからの制御シグナルは、0.05Hzから100Hzまでで変更可能な周波数のサイン波、三角波、四角波などであり、好ましくは0.1から10Hzの周波数の三角波である。炎の位置を周期的に変化させることにより、炉の内部における熱移動が均一にされるため、固体要素はより迅速に融解される。
【0128】
例2:装入物への均一なエネルギー移動の創成:
本発明に係るバーナーは、図13に描かれているように、水平面内における炎の向きを、各バーナーの制御比に応じて要求があり次第変化させ得るようにして定めるために使用される。
【0129】
各流体ジェットは、本発明に係るバーナーを通じて炉の室内へと射出されるが、同一の水平面内又は互いに非常に近い(1から2ジェット直径未満だけ離れた)複数の水平面内に位置したジェットについては、周縁ジェットが他のジェットと相互作用し得るときには、これら射出器を周縁ジェットとしてのみ使用することが可能である。
【0130】
水平面での方向の変動は、各種ジェットに2つの横からのアクチュエータジェットを備え付けるか又は各々の周縁の主ジェットに単一のアクチュエータジェットを備え付けるかの何れによっても左右両方向に達成可能であり、水平面内の方向であるが互いに逆の方向に主ジェットを作動することが可能となる。ゼロの制御比においては、炎が図13中のバーナーのX−X’軸に対して自然に(右へと又は左へと)偏向されるようにして主射出器を片寄らせ、その後、制御システムの制御比を次第に増加させる(即ち、軸X−X’上の非ゼロの制御比を有したジェットを得る)ことによって炎の配向を変化させることも可能である。
【0131】
変更可能な炎の配向を有した1以上のバーナーの使用は、水平面内での炎の移動によって装入物のカバレッジを増加させることを可能とする。
【0132】
(上で使用された表現「制御比」は、流体ジェットのインパルスが単純にバルブの口径を変化させることにより制御可能であり、他の全ての条件が等しいときバルブの口径の増加がジェットの流速の増加に比例するならば、アクチュエータジェット及び主ジェットの流速の比であると定義される)。
【0133】
バーナーの制御比がゼロであるときは、炎の配向はバーナーの自然軸内に位置し、炎は装入物の一部分をカバーする。制御比の1つが非ゼロであるときには、炎の位置は偏向され、炎は装入物の他の部分をカバーする。
【0134】
図13は、装入物上における炎の水平面内での移動の例を示している;各々の主ジェット130、132(酸化剤又は燃料)には、アクチュエータジェット131、133が設けられている;図13Aでは、ジェット130の制御比CRはゼロであり、即ち、チャネル131中には流体が射出されない;他方、ジェット132の制御比CRは正であり、これは、図13Aにおいて133が下部から上部へと作用するため、アクチュエータジェット133が主ジェット132を図中上方へと、即ち、バーナーのX−X’軸に対して左側へと偏向させることを意味する。
【0135】
図13Bでは、2つの主ジェット130及び132の制御比はゼロであり(CR=0)、それゆえ、作用するアクチュエータジェットがなく、炎は軸X−X’上を伝播する。
【0136】
図13Cでは、図13Aとは違って、ジェット130及びジェットの制御比CRは正であり、図中下方(上から見て右)への炎の偏向を引き起こし、主ジェット132及びアクチュエータジェット133は、ゼロの制御比(ジェット133なし)を有している。
【0137】
このように、各々のバーナーは装入物のより広い部分をカバーすることができ、熱移動の均一性を促進して、もし耐火性物質(例えば、再利用された又は精錬中に金属の酸化により形成されつつあるアルミナを素材とする残留物)が浴中に含まれているならば、起こり得る熱点(points chauds)の形成を制限すること、及び、全体としての熱移動を促進し、一定のパワーでの精錬プロセスを加速するか又は一定の精錬時間でのエネルギー消費を減少させ得るようにすることを可能とする。
【0138】
例3:装入物上において入射角を変更可能であり、装入物を横方向に掃射する炎。
【0139】
例4:閉ループ制御:
本発明のこの典型的な態様は、例えば、炉に設置された異なった型のセンサ、特には、熱流束、温度、又は、ことによると化学組成のセンサ(例えばTDL型レーザーダイオード)によって与えられる炉の異なった作動パラメータに応じて、炎の水平及び垂直の両方の移動を制御することを可能とする。
【0140】
−センサが、測定装置であって、装入物への熱移動又はアルミニウム浴の酸化の像を得ることを可能とし、この情報は上述したように動作ジェットからの流速に作用することによって装入物への移動を減少又は増加させることを可能とする測定装置である制御ループ。
【0141】
−浴の少なくとも一部が液体状態で存在しているときに浴の温度の測定に基づいて炎の位置を制御するためのループ。浴温が、アルミニウムについては例えば650℃と750℃との間である値Tc以下である限り、炎は浴上への非ゼロの入射角を保持して熱の移動を最大化しなければならない。装入物の酸化のリスクを制限するため、Tcが近づくにつれて炎が浴から隔離されることが次第に認められ、目標値に到達すると益々そうである。炎の入射角は、その後、その目標値において、温度を保持するように制御される。
【0142】
−熱流速の測定に基づいて炎の位置を制御するためのループ:
この熱流速は、必要であれば、炉の炉床に垂直な同一の母線上の2つの異なった深さにおいて浴中に浸された2つの熱電対間で読み取られた温度差を通じて評価され得る。
【0143】
熱流速は、炉の炉床を通じて、その中での温度差を測定することにより計算された熱移動から導き出すことも可能である。耐火性物質からなる炉床のより高い抵抗が与えられると、有意な温度勾配を得ることがより容易となる。
【0144】
熱流速は、例えば精錬室の天盤に置かれたフロー計により追跡することも可能である。実際には、他の全ては等しいままで、天盤によって知覚されフロー計により観察された任意の流速の減少は、少なくとも部分的には、装入物に伝導される熱流速の増大に対応するであろう(装入物へ伝導される熱流速(又は壁面におけるロス)の絶対的な値には、それに対応する信号の時間に対する傾向と比較してより低い関心しかもたれない)。
【0145】
装入物の精錬は、装入物上への明瞭な入射を有した炎から始まり、装入物へと伝達されるフラックスが高いままである間は、この入射角が保持される。このフラックスが減少し、装入物の温度上昇及びその熱吸収能の減少を現すと、酸化又は装入物の加熱のリスクを制限するために、炎は次第に持ち上げられて、浴から隔離される。
【0146】
炉を離れつつあるか又は炉の煙道ガスの多岐管の前、浴上、入射する炎とアルミニウム浴との間等の炉の内部に存在する、COなどのアルミニウム浴の酸化を明らかにする1以上の種の検出のための煙道ガスの組成の測定に基づいて、炎の位置を制御するためのループ:
a.煙道ガスの組成は、抽出後における分析(慣用的な分析器、TDLなど)又は、その場での吸収(レーザーダイオード又は他の手段)若しくは電気化学的プローブによって、それ自体で知られている仕方で測定され得る。
【0147】
b.精錬は、装入物上への明瞭な入射を有した炎から始まり、装入物の酸化のトレーサが安定で小さな値である限り、この入射角は保持される。酸化のトレーサの濃度が増加すると、トレーサの濃度、つまり装入物の酸化を制限するために、上述したようにアクチュエータジェットの媒介を通じて主ジェットに作用することにより、炎は次第に持ち上げられて、浴から隔離される。
【0148】
c.更には、炎の位置は、酸化トレーサの濃度の設定値に到達した後、正確な設定値を保持するように調節され得る。実際には、越えられない濃度閾値を設定して、それに到達するように炎の入射角を永続的に調節することも可能である。
【0149】
なお、装入物が少なくとも部分的に冷たい固体からなる全ての場合において、炎は、明瞭な入射で装入物上へと配向され得る。なぜなら、温度が穏当に保持される限り、アルミニウムについては例えば600℃より低く保持される限り、酸化の速度も遅いままだからである。装入物が主に液体となると、使用される制御が重要となり、金属の温度上昇及びその酸化を回避する。アルミニウム以外の物質の加熱、例えばガラス浴の加熱などへの本発明の適用については、それ自体で当業者によく知られている物質ごとに異なった温度及び基準について、同一の制御原理が適用される。
【0150】
例5:排出の制御:
バーナー又は産業用の炉床からの窒素酸化物の排出を低減するための全ての主たる技術は、流体又は炎の流れの局所的な性質を使用して、それらの生成を制限している。特には、それらは、温度、又は試薬(燃料、酸素)の濃度、又は炎及び/又は燃焼生成物中における試薬の滞留時間を減少させることを目的とする。これら技術の1つは、試薬の温度若しくは濃度を減少させるか又は滞留時間を減少させるために、試薬又は炎中の煙道ガスを十分に飛沫同伴することにある。このために、バーナーは、高速(強インパルス)で且つ炎の良い安定化と両立する煙道ガスの飛沫同伴又は再循環の最大速度を得るのに十分なほど離された燃料及び/又は酸化剤のジェットを得るべく寸法を定められている。安定化限界は、炭化水素についての一酸化炭素等の、燃焼生成物中の燃焼残渣の出現において検出される。ある条件では、排出を減少させるために特に好ましい「フレイムレス」燃焼レジームを達成することが可能である。
【0151】
この技法及びそれを使用する燃焼技術の限界は、煙道ガスの飛沫同伴の速度がバーナーの寸法及び作用条件によって定められることである。結果として、排出に関する性能特性は、これら条件からのずれがあるときだけでなく、燃料が変えられたり、炉又は炉床に特有のフローが炎の性質に有意に寄与するときには直ちに、非常に重大に悪化し得る。
【0152】
本発明は、作用中において、炎の性質、特には煙道ガスの再循環速度を適合させることを可能とし、あらゆる状況で、汚染物質の排出を最小化し、最終的にはバーナーの性能特性を最適化することを可能とする。
【0153】
例6:炉床中に置かれた射出器を備えたプレミクスバーナー。
【0154】
上述したアクチュエータジェットは、作用中において、流体の主ジェット(又はいくつかのジェット)の軸角度を変更するために使用される。この場合、主ジェットは、燃料及び酸化剤の気体プレミクスである。ジェットの軸角度は後者による環境媒体の飛沫同伴のレベルの目安となり、それは、ジェットの軸と、ジェットと環境媒体との間の境界に接した直線との間の角度によって測定され得る。(この境界は、ジェット中において射出された流体の濃度がゼロとなる場所として定義され得る)。
【0155】
ジェットの軸角度は、アクチュエータジェットの流速と合成ジェットの全体の流速との間の比によって制御される。この制御比がゼロのときには、排出レベルN1が測定される(図15)。この制御比は、実際には、上述したジェットのインパルスの比である。
【0156】
制御パラメータは、その後、ジェット中の煙道ガスの飛沫同伴を増加させて射出された燃料混合物を希釈すべく増加させられる。この希釈は、一方では温度の減少を、他方では炎中の試薬の濃度の減少をもたらすであろう。NOxの排出は、従って、減少してレベルN2に到達するであろう(図15)。制御パラメータの値が更に増加させられると、温度と試薬の濃度とが低すぎて炎の良い安定化を保証できなくなる:その後、燃焼残渣が燃焼生成物中に現れるのが見られる。窒素酸化物の排出は、その後レベルN3となり、燃焼残渣の排出は、過度に高いレベルI3となる。制御パラメータは、その後減少させられて、排出に関する最適レベルN0及びI0(図15におけるNOx及び燃焼残渣曲線の交点)を得る。この最適値は、手動で(受動制御)、又は、好ましくはアクティブ制御装置によって得られうる。この装置は、少なくとも1つの射出器に、窒素酸化物及び燃焼残渣の排出量を測定するためのセンサ、上述した制御論理を使用する論理コントローラ、並びに、主ジェット及びアクチュエータジェットの流速を制御するためのユニットを含んでいる。論理コントローラは、窒素酸化物及び燃焼残渣の排出量を最小化する制御パラメータの値を決定する。最適化されるべきパラメータの数が2以上であるときは、アクティブ制御が必須となる。例えば、煙道ガスによる炎の希釈の速度を増大させることにより汚染物質の排出を最小化することと、装入物に向けた炎の傾斜によって装入物への移動を最大化することとを同時に望むことが可能である。
【0157】
例6:非プレミクス燃焼を有したバーナー
燃焼技術が非プレミクス型であるならば、制御は、燃料、酸化剤又はその両方について、例5と類似の仕方で、非実体的に実行され得る。
【0158】
必要であれば、ジェット(発散性の燃料及び酸化剤ジェット)の軸角度(環境媒体の飛沫同伴)及び偏向の効果が組み合わされて、特には炎の希釈の衝撃を増加させ、排出量の減少を最大化する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・酸化剤若しくは燃料又は酸化剤−燃料プレミクスの第1ジェットを主流出開口へと向けるための流路と、
・第2ジェットの射出のための少なくとも1つの第2ダクトと
を具備し、
・前記少なくとも1つの第2ダクトは、前記主開口の上流に位置した第2開口を通じて前記流路上へと開いており、対応する前記第2ジェットと前記第1ジェットとの間の相互作用位置において、前記対応する第2ジェットの軸と前記第1ジェットの軸に垂直な平面との間の角度θが、0゜以上且つ90゜未満、好ましくは0゜から80゜、より好ましくは0゜から45゜であるように、前記流路に対して位置を定められており、
・前記少なくとも1つの第2開口は、前記主開口から、第1開口の断面積sの平方根の10倍以下の距離L、好ましくはL≦5×√s、また好ましくはL≦3×√sだけ離間している
バーナーであって、
・前記バーナーは、各々の対応する第2ジェットのインパルスを制御する手段を備え、
前記バーナーは、少なくとも1つの対応する第2ジェットのインパルスを変化させることにより炎の方向及び/又は軸角度を変化させることを可能とすることを特徴とするバーナー。
【請求項2】
前記制御手段は、各々の対応する第2ジェットの前記インパルスと前記第1ジェットのインパルスとの間の比を制御する請求項1に記載のバーナー。
【請求項3】
対応する第2開口の上流での前記第1ジェットの軸に対する前記バーナーからの前記流出口における炎の角度を変更可能とすべく、前記対応する第2開口のレベルにおいて前記第1ジェット及び前記第2ジェットの軸が交差又は略交差するように、前記流路に対して位置を定められている少なくとも1つの第2ダクトを具備した請求項1又は2に記載のバーナー。
【請求項4】
2つの対応する第2開口が第1ジェットの軸に垂直な同一の平面上に位置し、これら2つの対応する第2開口のレベルにおいて前記対応する第2ジェットの軸が前記第1流体ジェットの軸と交差又は略交差するように、前記流路に対して位置を定められた少なくとも2つの第2ダクトを具備した請求項3に記載のバーナー。
【請求項5】
前記2つの対応する第2開口は、前記2つの開口のレベルにおいて前記第1ジェットの軸と同一平面上にあり、前記第1ジェットのこの軸の両側に配置されている請求項4に記載のバーナー。
【請求項6】
前記2つの対応する第2開口のレベルにおける前記第1ジェットの軸と前記2つの対応する第2開口の1つとにより定義される平面は、前記第1ジェットの軸と前記2つの対応する第2開口の他の1つとにより定義される平面と垂直である請求項4に記載のバーナー。
【請求項7】
4つの対応する第2開口が前記第1ジェットの軸に垂直な同一の平面上にあり、これら4つの第2開口のレベルにおいて前記対応する第2ジェットの軸が前記第1ジェットの軸と交差又は略交差しており、これら対応する第2開口のうち2つが第1平面上で前記第1ジェットの軸と同一平面上にあり且つこの軸の両側に位置し、対応する第2開口の他の2つが第2平面内で前記第1ジェットの軸と同一平面上にあり且つこの軸の両側に位置するようにして、前記流路に対して位置を定められた少なくとも4つの第2ダクトを具備した請求項4乃至6の何れか1項に記載のバーナー。
【請求項8】
少なくとも1つの第2ダクトは、その軸の周りにおける流体の合成ジェットの回転を生成、保持又は強化して、これにより前記バーナーの前記流出口において前記炎の前記軸角度を変化させることを可能とするために、前記対応する第2開口のレベルにおいて流体の前記対応する第2ジェットの軸が流体の前記第1ジェットの軸と実質的には同一平面上にないように、前記流路に対して位置を定められている請求項1乃至7の何れか1項に記載のバーナー。
【請求項9】
前記対応する第2ジェットの軸が前記第1ジェットの軸と実質的には同一平面上になく、前記対応する第2ジェットが前記第1ジェットの軸の周りの回転と同一の方向に向けられているように、前記流路に対して位置を定められた少なくとも2つの第2ダクトを具備した請求項8に記載のバーナー。
【請求項10】
前記2つの対応する第2開口は、前記第1開口の軸の両側に配置されている請求項9に記載のバーナー。
【請求項11】
少なくとも1つの第2ダクトは、対応する前記第2開口のレベルにおいて前記第2ダクトが厚みe及び高さlを有し、前記高さlは前記厚みeの0.5倍以上であり、好ましくは0.5×eと5×eとの間であるように、前記流路に対して位置を定められている請求項1乃至10の何れか1項に記載のバーナー。
【請求項12】
第1流体ジェットのインパルスと第2流体ジェットのインパルスとの比を制御するための手段を具備した請求項1乃至11の何れか1項に記載のバーナー。
【請求項13】
前記流路の少なくとも一部分がその内部に配置された物質のブロックを具備し、前記主開口は前記ブロックの外面又は表面の1つの上に配置されている請求項1乃至12の何れか1項に記載のバーナー。
【請求項14】
前記第1及び/又は第2ジェットのインパルスを制御するための手段を具備した請求項1乃至13の何れか1項に記載のバーナー。
【請求項15】
前記流路の端に置かれた耐火性ポートと、前記耐火性ポート内に配置された第2開口を通じて前記流路上へと開いている少なくとも1つの第2ダクトとを具備した請求項1乃至14の何れか1項に記載のバーナー。
【請求項16】
炎を用いて装入物を加熱する方法であって、前記炎は、請求項1乃至15の何れか1項に記載のバーナーを使用することにより生成される方法。
【請求項17】
前記炎の方向及び/又は軸角度が、第1ジェットを少なくとも1つの第2ジェットと相互作用させることによって変化させられる請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1ジェットは、酸化剤、又は燃料、又は酸化剤及び燃料のプレミクスを含有したジェットである請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記装入物の表面の少なくとも一部を掃射するために、前記炎の前記方向が変化させられる請求項16乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記装入物の表面の少なくとも一部を掃射するために、少なくとも2つの交差平面内で前記炎の前記方向が変化させられる請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第1相では前記炎が装填物へと向けられ、第2相では前記炎が前記装入物に実質的に平行に向けられる請求項16乃至20の何れか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−543012(P2009−543012A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517362(P2009−517362)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際出願番号】PCT/FR2007/051598
【国際公開番号】WO2008/003908
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【出願人】(500174661)サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・レシェルシュ・サイエンティフィーク−セ・エン・エール・エス− (54)
【Fターム(参考)】