説明

炭化水素、有機含酸素化合物を原料とする水素の生成装置、及びそれに用いる放電極

本発明の目的は、パルス放電を安定かつ均一に発生させることができ、結果として水素をより高い効率で生成できる、新規な生成装置及びその装置に用いる放電極を提供することである。
本発明は、炭化水素、有機含酸素化合物から選ばれる一以上の物質と水とを含む原料Aを供給するための毛管が、パイプ状の導電体の内部に形成された放電極11を備え、前記放電極11によりパルス放電を行い、前記毛管により供給される原料Aの反応を誘起して水素Hを生成させる水素の生成装置1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、水素の生成装置に関する。
【背景技術】
水素は、重要な工業用ガスであり、従来、アンモニア、メタノールの合成、水素化脱硫、水素化分解、油脂などの水素化、溶接、半導体製造等に広く用いられている。そして最近では、燃料電池における反応物質や、自動車、航空機、発電、厨房用の燃料等の新しい利用分野が注目されている。
上記水素の生成方法として、アルコールや炭化水素と、水蒸気とを反応させる方法(スチームリフォーミング)が従来知られている。スチームリフォーミングは、水蒸気改質とも呼ばれ、具体的には(1)〜(3)などの化学反応式で表される。
CHOH+HO→3H+CO (1)
OH+3HO→6H+2CO (2)
CH+HO→3H+CO (3)
このスチームリフォーミングは、従来、アルミナを担体として白金等の貴金属触媒を用い、250〜400℃、1〜50気圧程度の高温高圧条件下で行われていた。しかしながら、この方法は、高価な触媒が必要であり、また高温高圧で反応を行うため、高温高圧に耐えうる堅牢な反応装置を用いる必要があった。また、種々の副反応が生じ、生じた副生成物によって反応管が閉塞したり触媒が劣化したりする問題もあった。
そのような状況の中、従来法よりも低温、常圧で実施することができ、高価な触媒を用いなくても実施することができ、転化率が高く、雑多な副反応がほとんど起きない新規なスチームリフォーミング方法及び装置が開発され、特開2001−335302号公報において開示されている。この装置は、反応器と、その反応器に収容された一対の電極と、電極に電圧を印加する直流電源とを備え、前記反応器内へ導入した気体状の鎖式炭化水素と水蒸気とを含む混合ガス中で、直流パルス放電を行って鎖式炭化水素と水蒸気を反応させ、水素を生成させるものである。
上記の装置は、非常に低コストで、かつ小型、可搬の反応器により実施可能であるため、例えば、自動車等に搭載して、燃料電池への水素供給に利用することが期待される。そのためには、水素の生成効率をさらに向上させることが望まれていた。
これに対し、本出願人は、特願2002−227865号において、新方式の水素の生成装置を提案している。この出願に係る発明は、炭化水素、有機含酸素化合物から選ばれる一以上の物質と水とを含む原料を供給するための毛管を有する放電極を備え、この放電極によりパルス放電を行い、毛管により供給される原料の反応を誘起して水素を生成させることを特徴としている。すなわち、原料を供給するための毛管を放電極に有しているため、原料を必要な量に応じて速やかにパルス放電が行われる領域へ供給でき、その結果、水素を効率的に製造することができる。この発明については、上記種々の利点の一方で、放電をより安定かつ均一に発生させることが望まれていた。
そこで本発明は、上記従来の状況に鑑み、パルス放電を安定かつ均一に発生させることができ、結果として水素をより高い効率で生成できる、新規な生成装置及びその装置に用いる放電極を提供することを目的とする。
【発明の開示】
上記課題を解決するため、本発明は、炭化水素、有機含酸素化合物から選ばれる一以上の物質と水とを含む原料を供給するための毛管が、パイプ状の導電体の内部に形成された放電極を備え、前記放電極によりパルス放電を行い、前記毛管により供給される原料の反応を誘起して水素を生成させる水素の生成装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施の形態(1)における生成装置を示す図である。
図2は、実施の形態(1)における放電極の部分拡大図である。
図3は、実施の形態(2)における放電極の部分拡大図である。
図4は、実施の形態(3)における放電極の部分拡大図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の水素の生成装置は、炭化水素、有機含酸素化合物から選ばれる一以上の物質と水とを含む原料を供給するための毛管が、パイプ状の導電体の内部に形成された放電極を備え、前記放電極によりパルス放電を行い、前記毛管により供給される原料の反応を誘起して水素を生成させる装置としたことを特徴とする。
上記構成によれば、炭化水素、有機含酸素化合物から選ばれる一以上の物質と水とを含む原料が、パイプ状導電体の内部に形成された毛管を通して移動し、パルス放電を受けて反応し、目的の水素を生成する。生成した水素は通常、排出口等を経て系外に排出される。ここでパイプ状の導電体とは、各種の金属、炭素等で構成された被覆体をいい、比較的剛性を有する管状のものや、フィルムを筒状に巻いたもの等を含む。また、パイプの側面は一般には閉じているが、必要に応じて一部開いた構造でも良い。そして、毛管とは、パイプ内部に沿って形成された通路もしくは空隙をいい、原料は、前記通路・空隙内を、毛管現象による吸引力や、ポンプ等の手段によってパルス放電が行われる領域へ移動する。そして、放電極は、外周がパイプ状の導電体で保持されるために、形態が保たれて安定した放電が得られる。また、原料が放電極の側面から漏れ出ることなく、確実かつ効率的にパルス放電が行われる領域へ原料が供給される。なお、ここでいう炭化水素には、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素を含む。さらに、有機含酸素化合物とは、分子中に酸素原子を含む有機化合物をいい、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル等が含まれる。
また、本発明は、有機含酸素化合物から選ばれる一以上の物質を含む原料を供給するための毛管が、パイプ状の導電体の内部に形成された放電極を備え、前記放電極によりパルス放電を行い、前記毛管により供給される原料の反応を誘起して水素を生成させる水素の生成装置である。
上記構成によれば、毛管を通じて移動した有機含酸素化合物が、パルス放電を受けることにより、主に分解反応を起こして水素を生成する。
また、本発明は、上記の水素の生成装置において、パイプ状の導電体の内部に、複数の導電性繊維が束にして設けられ、前記導電性繊維間に毛管が形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、導電性繊維の束が、その外側のパイプ状の導電体とともに、パルス放電の際の放電極として機能する。また、原料が、導電性繊維と他の導電性繊維との間の空隙(毛管)を通って移動する。導電性繊維としては、ステンレスなどの金属繊維等が用いられ、耐腐食性を有するものが好ましい。
また、本発明は、上記の水素の生成装置において、導電性繊維が、炭素繊維であることを特徴とする。
上記構成によれば、導電性繊維として、特に炭素繊維が選択される。炭素繊維は、良導体であり耐腐食性を有するので、本発明の反応系に適している。なお、ここでいう炭素繊維には、PAN系、レーヨン系、ピッチ系のいずれをも含み、さらに、炭素繊維を高温(1500〜3000℃)で処理したいわゆる黒鉛繊維や、賦活化処理を行った活性炭素繊維を含む概念である。
また、本発明は、上記の水素の生成装置において、パルス放電が行われる放電極間に、誘電体を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、誘電体を介してパルス放電が行われるため、いわゆる無声放電の作用により、誘電体を設けた面内で均一かつ安定なパルス放電が発生する。
また、本発明は、上記の水素の生成装置において、誘電体が、パイプ状の導電体の端面に沿って設けられたリング状の誘電体であることを特徴とする。
上記構成によれば、パイプ状の導電体の端面全体において均一かつ安定なパルス放電が発生し、その放電する領域へ原料が効率的に供給される。
また、本発明は、上記の水素の生成装置において、誘電体は、SiO、CeO、LaO、Sm、SiN、BN、ダイヤモンドから選ばれる一の物質から構成されることを特徴とする。
上記構成によれば、誘電体を構成する具体的な物質が特定される。
さらに、本発明は、上記の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、電源を用いて電圧を印加することでパルス放電を起こし、反応器内で水素を生成させる。
さらに、本発明は、上述のような特徴を有する種々の生成装置に用いられる、各種の放電極を提供するものである。
以下、実施の形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態(1)を図1及び図2に示す。図1の生成装置1は、反応器10を備え、その反応器10内には一対の放電極11、12が対向して設けられている。放電極11と放電極12の間はパルス放電が行われる放電領域13となる。なお、放電極11と放電極12の間の距離は、任意に調節可能となっている。
そして、一方の放電極11は、原料Aを供給するための毛管が、パイプ状の導電体の内部に形成されることによって概略構成されている。ここで毛管とは、パイプ内部に沿って形成された通路もしくは空隙をいい、原料Aがその毛管内を移動できるようになっている。毛管の形状は、管状や網の目状等、適宜形状とすることができる。
上記毛管の具体例について図2に示す。図2では、パイプ状の導電体110の内部111に、炭素繊維112などの良導体を複数本束ねたものを設けることで放電極11を構成している。そして、それぞれの炭素繊維112の間が、原料Aが通過する毛管113として機能している。
パイプ状の導電体110としては、導電性が高い材料であれば適宜選択して用いることができる。また、水等に対する耐食性を有することが好ましい。具体的な材質としては、SUS、ニッケル、銅、アルミニウム、鉄等の金属材料、炭素などの材料を挙げることができ、その中でもSUS、炭素等は腐食し難いのでより好ましい。なお、パイプ状の導電体110の形状は、図2のような円柱形状に限らず、四角柱状、多角柱状等の種々の形状にすることができる。また、パイプ状の導電体110の厚さ(外径と内径との差)は、適宜設定することができる。
炭素繊維112の束は、図2に示すように、パイプ状の導電体110の内部へ若干引っ込んだ位置に設けられるか、あるいはパイプ状の導電体110の端面114の位置に揃えて設けられることが好ましい。
また、図2では便宜上、炭素繊維112がある程度の太さを有し、数十本程度の束であるように模式的に示しているが、一般には炭素繊維112の太さはマイクロメートルオーダー(具体的には、1μm〜1mm程度)であり、本数も放電極11の太さに応じて多数(例えば、数万本以上)である。しかし、生成装置1の規模や原料Aの種類等によっては、より太く、少ない本数の炭素繊維を用いることも可能であり、上記の数値範囲に限定されるものではない。
上記炭素繊維112としては、従来知られた種々の炭素繊維を用いることができる。具体的には、ポリアクリロニトリル(PAN)を原料とする炭素繊維、石油、石油タール、液化石炭等を原料とするピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等が挙げられる。例えば、PAN系炭素繊維は、特殊アクリル繊維(プレカーサー)を空気中で熱処理し、得られた耐炎繊維を不活性ガス中で1000〜1800℃で焼成することにより得ることができる。また、この炭素繊維を、さらに高温の2000〜3000℃で焼成した黒鉛繊維や、賦活ガス(水蒸気、炭酸ガス、窒素ガスなどの混合ガス)中で賦活化処理した活性炭素繊維等も適用可能である。炭素繊維は、化学的に安定であるため、本発明で使用する水などにより腐食しないという利点がある。
また、炭素繊維112の端面115は、エッジ状に形成することが好ましい。このようにすると、パルス放電を行った際に、エッジの先端部に電流が集中するので放電が起こり易くなり、結果として水素の生成効率が向上する。なお、炭素繊維112が十分に細い(マイクロメートルオーダー)場合には、特に端面115を加工せずともそれ自体がエッジ状となる。また、炭素繊維112がミリメートル程度の太さを有する場合には、端面115がエッジ状になるように切断・切削等の手段により適宜加工しても良い。
他方の放電極12としては、円柱状の電極棒等の、一般的なものを用いることができる。放電極12の材質としては、SUS、ニッケル、銅、アルミニウム、鉄、炭素などの一般的な材料を用いることができるが、その中でもSUS、炭素等の腐食し難いものがより好ましい。また、放電極12の形は、上記の円柱状に限られず、例えば針状、平板状等の種々の形状にすることができるし、また、上述の放電極11の形態と同じように、パイプ状の導電体110及び炭素繊維112等から構成しても良い。なお、放電極12の、放電領域13に臨む端面は、一方の放電極11の端面114、115と平行にすることが好ましい。
図1において、反応器10は、石英その他のガラス、セラミック、合成樹脂などから構成されている。反応器10の外へ延びる放電極11には、負高電庄を印加するための直流電源14が接続され、直流電源14と放電極11の間にはデジタルオシロスコープ15が接続されている。一方、反応器10には三方口16が接続され、三方口16の一方の口へは反応器10から外へ延びる放電極12が貫通してアースされている。また、三方口16の他方の口は、パルス放電によって生成した水素H2を排出するための排出口17となっている。さらに、放電極11には、原料Aを放電極11の毛管113中へ導入するための導入路18が接続されている。
以上の生成装置1を使用する際には、概略次のように行われる。まず、導入路18を介して、炭化水素、有機含酸素化合物から選ばれる一種以上の物質と水とを含む原料Aを、放電極11中に供給する。供給された原料Aは、放電極11の内部111に形成された毛管113を通じて移動し、最終的には、例えば、放電極11の端面115から外側へ浸み出す等して、放電領域13(あるいはその近傍)へ達する。
続いて、直流電源14により放電極11に負電圧を印加すると、放電極11、12間、すなわち、パイプ状の導電体110と放電極12との間、もしくは炭素繊維112と放電極12との間でパルス放電が起きて反応が誘起され、水素Hが生成する。生成した水素Hは排出口17から排出され、種々の用途に供される。なお、毛管111を移動してパルス放電により反応する原料Aは、液体の状態であっても良いし、気体の状態であっても良い。原料Aが液体である場合、パルス放電により発生するわずかなジュール熱で原料Aは気化し、その気化した原料Aが反応する場合もある。
また、このとき、放電極11は、外周がパイプ状の導電体110で保持されているために、放電極11全体としての形態が保たれ、安定した放電を得ることができる。また、炭素繊維112の先端が微視的に不揃いである場合に、仮にパイプ状の導電体110がないと、放電が局部的に起こり水素の生成効率が低下する可能性があるが、パイプ状の導電体110を設けることによって、主にそのパイプ状の導電体110の端面114内で均一なパルス放電を発生させ、結果として反応を効率的に進行させることができる。さらに、原料Aが放電極11の側面から漏れ出ることなく、確実かつ効率的に放電領域13へ原料Aを供給することができる。
毛管113を通じて原料Aを移動させる手段としては、種々の物理的な現象を利用したり、強制的な送出手段を用いることができ、特に限定されるものではない。具体的には、好適な例として、上記毛管113の内径を適切に設定することにより、原料Aを毛管現象を利用して自然に放電領域13の方向へ吸引することができる。吸引された原料Aが反応により失われると、それを補うために新たな原料Aが吸引される。これにより、例えばポンプ等の送出手段を用いることなく自然に原料Aを放電領域13へ供給できるため生成効率の観点から好ましい。なお、毛管113の内径の適正値は、毛管113の長さ、原料Aの密度、原料Aの表面張力、原料Aの放電極表面に対する接触角などを総合的に考慮して求めることができる。例えば、直径7μmの炭素繊維を10万本束ねたもの(形成される毛管の内径は数μm)の場合、エタノールと水との容積等量比の原料を、1分間当たり約30ml吸引可能であることを知見している。
また、上記の毛管現象を利用する方法によらず、例えば、導入路18に通常のポンプ等を接続する等して、毛管113内へ原料Aを強制的に供給することもできる。また、ポンプ等と、上述の毛管現象を利用する方法を適宜組み合わせても良い。
さらに、原料Aは、パルス放電に伴って移動させることもできる。すなわち、原料Aは、パルス放電時の高電圧によってイオン化されるが、これを利用して、イオン化した原料Aを、パルス放電の起こる毎に他方の放電極12の方向へ電気泳動等の現象を利用して移動させることが可能である。この場合についても、上記の毛管現象と同様に、ポンプ等の送出手段が不要であるので効率的かつ低コストに水素を生成することができる。また、原料Aの供給がパルス放電時の電圧に対応して行われるため、水素生成の応答性が向上する。
次に、原料Aについて述べる。まず、反応させる炭化水素としては、特に限定されず、種々の炭化水素の中から適宜選択することができる。例として、直鎖状、分岐状、あるいは環状のアルカン、アルケン、アルキン等の脂肪族炭化水素や、種々の芳香族炭化水素、あるいはそれらの二種以上の混合物が挙げられ、さらに具体的には、天然ガス、石油ナフサ、ガソリン、灯軽油等や、それらの混合物をそのまま用いることもできる。また、バイオマスから得られる炭化水素も適用可能である。この例として、食品工場から排出される廃棄物、生ごみ、糞尿、草・剪定枝、木質バイオマス等を発酵あるいは熱分解して得られるメタンを挙げることができる。
有機含酸素化合物は、分子中に酸素原子を含む有機化合物であり、上記炭化水素と同様に、種々の物質の中から適宜選択することができる。例として、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルターシャルブチルエーテル等のエーテル、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等のアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸エチル、ギ酸エチル、炭酸ジメチル等のエステル等、あるいはそれらの二種以上の混合物を挙げることができる。なお、有機含酸素化合物は、バイオマス由来のものを用いても良い。例として、雑草等のセルロースを、微生物・酵素を用いてブドウ糖に加水分解し、生産したアルコールが挙げられる。また、本発明は、上述の炭化水素と、有機含酸素化合物とを適宜併用して用いることもできる。
また水は、HOを過剰に含む液体もしくは水蒸気の意味であり、一般的な水であれば適用可能である。その他、蒸留水、イオン交換水等や、いわゆる「お湯」も、当然に本発明の水の概念に包含される。
そして本発明の装置は、上記炭化水素、有機含酸素化合物から選ばれる一種以上の物質と水とを含む原料Aを放電領域13あるいはその近傍に供給した上で、パルス放電を行うことを特徴とする。ここでパルス放電とは、放電極間にパルス電流を流すことであり、例えば1μs以下という微小時間内での電子照射を繰り返すため、気相の温度が上昇せず、非常に低温で反応させることができる。なお、パルス放電は、通常は一定間隔で行うが、断続的であっても良い。
パルス放電により、例えば原料Aとしてメタンと水蒸気との混合ガスを用いた場合には、次式(4)のごとく反応が進行し目的の水素が生成する。また、原料Aとして、エタノールと水との混合液を用いた場合には、次式(5)のように進行して水素を生成する。その際にアセチレン等の副生成物を生じない。
CH+HO→3H+CO (4)
OH+HO→4H+2CO (5)
また、本発明は、原料Aとして、有機含酸素化合物を単独で用いることもできる。すなわち、メタノール、エタノール等に代表されるアルコールなどの有機含酸素化合物は、必ずしも水と併用する必要はなく、それ単独で用いることができる。その場合には、例えば(化6)に示すように有機含酸素化合物自身の分解反応が起こって水素を生成する。
CHOH→2H+CO (6)
上記の種々の反応は、放電電流、すなわち電子線が放電極から照射されることによりラジカルを生じ、このラジカルが反応を引き起こすものと考えられる。したがって、放電電流を大きくするほど、また、放電極間距離を大きくするほど、電子線と衝突する分子の数が増えるので、反応速度が大きくなり、また、単位時間内での転化率が高くなる傾向がある。
放電を行うにあたっては、パルス電源を用いることもできるが、放電極間に一定の電圧をかけ、自励的にパルス放電を行わせる直流自励パルス放電が好適に採用される。この場合、1秒間当たりのパルス放電の回数(以下、「パルス発生頻度」ということがある)は、5回〜1000回程度が適当であり、特に50〜100回程度が好ましい。パルス発生頻度は、一定電圧の下では電流が高くなるほど多くなり、また、放電極間距離が長くなるほど少なくなる。したがって、好ましい電圧、電流及び放電極間距離は、上記のパルス発生頻度が達成されるように電圧、電流及び放電極間距離を調節することによって自ずから設定される。例として、内径5mm程度の小型の反応器を用いる場合には、印加電圧は1kV〜10kV程度、電流は1〜20mA程度、放電極間距離は2mm〜10mm程度とすることが好ましい。もちろん、印加電圧、電流、及び放電極間距離は上記の範囲に限定されるものではなく、より製造能力の高い大型の反応装置を用いる場合には、放電極間距離を長くし、上記パルス発生頻度を達成するためにその分、印加電圧及び電流を大きくすることによって実施することができる。
反応させる原料Aは、液体・気体のいずれの状態でも良い。特に、気体状態の原料Aを反応させる場合、その反応温度は特に限定されないが、できるだけ低温で行う方がエネルギーコストが安いため好ましい。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等と水蒸気とを原料とする場合には、反応温度は、80℃〜150℃程度(常圧条件下)とすることが好ましい。ここで、上記範囲の低温側が100℃より低温であるのは、アルコールと水とが共沸現象によって気化する場合があるためである。なお、水蒸気は、濃縮される傾向があるため、炭化水素又は有機含酸素化合物の沸点が水よりも低い場合には、原料Aを予め反応温度よりも高い温度で前加熱した後、反応領域13に供給することが好ましい。
気体状態の原料Aを供給する場合における反応器10内の全圧は、特に限定されず、例えば0.1気圧〜10気圧程度で行うことができる。ただし、反応は常圧で十分に進行し、その際には堅牢な反応装置を必要としないので、常圧で行うことが産業上特に好ましいといえる。また、炭化水素又は有機含酸素化合物と水との混合比率は、化学量論量で良いが、所望により、一方の物質を化学量論量の1/2〜2倍程度もしくはそれ以上に増減させることも可能である。
原料Aは、反応器10内へ連続的に供給できるように構成すると効率が良く産業的に優れている。連続式で行う場合、原料Aの供給速度は、排出口17から排出される水素Hを分析して、原料Aの転化率が一定値以上、例えば60%以上となるような値に適宜設定することが好ましい。例えば、内径5mmの反応器を用い、放電極間距離を1mm〜10mm程度、印加電圧を1〜5kV程度に設定し、原料Aとしてアルコールと水蒸気とを含む混合ガスを用いる場合の供給流量は、10〜1000ml/分程度、就中50〜100ml/分程度が適当である。なお、図1のような連続式ではなく、回分式で行うことも可能である。
さらに、図1の生成装置1では、放電極11に接続する電源として直流電源14を用いているが、この他にも、パルス放電が可能な電源であれば適用可能であり、例えば、交流電源にダイオードブリッジ回路、負荷等を適宜組み合わせた電源や、その電源に直流分の電圧を重畳させた電源等を適宜採用することができる。また、放電極に印加する電圧は上記のように一極性が好ましいが、これに限ることなく、交流電圧を印加することも可能である。
また、反応器10に収容する放電極は、一対に限らず、必要に応じて複数の放電極を用いることもできる。
さらに、本発明の生成装置1は、目的の水素とともに、一酸化炭素を副生する。そこで、生成した水素及び一酸化炭素を、別途、さらに水蒸気と反応させることにより、最終的に水素ガスと二酸化炭素とを製造することも可能である。この反応は水性ガスシフト反応として知られている。水性ガスシフト反応自体はこの分野において周知であり、低温、常圧で進行するという利点がある。この水性ガスシフト反応を本発明の生成装置1に組み込む場合には、例えば、酸化亜鉛一酸化銅系固体触媒などの水性ガスシフト反応用の触媒を、図1の反応器10の排出口17側に充填することにより、パルス放電で生成した一酸化炭素をさらに水蒸気と反応させて水素及び二酸化炭素とし、これによって水素の製造効率を大幅に高めることができる。
そして、放電極11には、図2に示すように、触媒20を付着させることができる。触媒20としては、パルス放電による水素の生成反応の効率を向上させ、あるいはC2化合物等の副生成物を低減できるものであれば適用可能である。例として、アルミナを担体とするパラジウムもしくは白金触媒、ニッケル触媒、リンドラー触媒等が挙げられる。これらの触媒は、特にアセチレン等のC2化合物の生成を抑制することができる。なお、触媒20は、パルス放電を受けることにより活性化し、通常よりも触媒能が高まることを知見している。
特に、本発明の反応系における触媒20として、ルテニウム、ルテニウムと他の触媒との多元触媒、フラーレン、又はルテニウムを担持させたフラーレンを用いると、水素の生成効率が最も高まることがわかった。フラーレンとしては、従来知られる種々のフラーレンが適用可能であり、例えば、C60、C70、C76、C80、C82、C84、C86、C88、C90、C92、C94、C96、C120、C240、C560等、もしくはそれらの混合物を挙げることができる。その中でも、C240が最も高い効果が得られることを知見している。これは、C240の水素吸蔵能が高いためと考えられる。また、C60を内包したC240(以下C60@C240のように書く)、C240@C560、C80@C240@C560のような複数層の殻を有するフラーレンも好適に用いられる。フラーレンにルテニウムを担持させる方法としては、特に限定されず、例えば、フラーレンに対してルテニウムをめっき、蒸着、スパッタリングする等して担持させる方法や、フラーレンをレーザー蒸発法により作製する際に、ルテニウムを同時に蒸発させて担持させる方法等を適宜採用することができる。なお、フラーレンに担持させたルテニウムは非常に微粒子であり、活性化した状態にある。ルテニウム粒子が細かくなる理由は定かではないが、フラーレンによってルテニウム粒子同士の接触、粒成長が阻害されるためではないかと考えられる。
触媒20を放電極11に付着させる方法としては、放電極11の炭素繊維112等の表面に触媒20を蒸着、スパッタリング、めっきする等の方法を適宜採用することができる。また、予め束ねる前の炭素繊維112の表面に蒸着等によって触媒20を付着させてから、それらを束ねてパイプ状の導電体110の内部111に設けることにより放電極11を作製しても良い。
もっとも、本発明に係る装置は、触媒を用いなくても水素を生成できるので、触媒を一切用いずに実施しても無論構わない。本発明の生成装置は、触媒を使って高温、高圧でリフォーミングする従来の方法に比べて、はるかに低温、低圧で実施でき、また低コストであることを特徴とする。
次に、本発明の実施の形態(2)について説明する。
図3は、放電極11の部分拡大図である。この実施の形態(2)では、パルス放電が行われる放電極間に、誘電体を設けたことを特徴としている。具体的には、パイプ状の導電体110の端面114に沿って、リング状の誘電体23を設けている。このようにすると、いわゆる無声放電の作用によって、リング状の誘電体23の端面230全体で均一なパルス放電を発生させることができる。したがって、水素生成の反応効率を向上させることができる。なお、リング状の誘電体23の厚さは、放電極間の距離や電圧などを考慮して適宜設定することができる。また、誘電体23の形状は、リング状に限定されず、放電極間に位置することを条件として種々の形状とすることができるが、原料Aの放電領域13への移動を阻害しないようにする。また、誘電体23は、放電極11ではなく、他方の放電極12に接して設けても良い。
上記の誘電体23としては、結晶性が高く、非導電性の物質であれば適用可能である。具体的には、石英(SiO)、CeO、LaO、Sm、SiN、BN、ダイヤモンド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
続いて、本発明の実施の形態(3)について説明する。
図4は、放電極11の部分拡大図である。この実施の形態(3)では、折り曲げられた炭素繊維112の束を、図4に示すように、パイプ状の導電体110の内部111に設けたことを特徴としている。具体的には、炭素繊維112が二つに折り曲げられ、折返し部116が導電体110の端面114側に位置するように設けられている。
このようにすると、炭素繊維112を折り曲げるのみで、端面115を折返し部116として保持することが可能となる。これにより、導電体110の内部111に、炭素繊維112を端面115が揃った状態で容易に設けることが可能となる。特に、炭素繊維112が細い(マイクロメートルオーダー)場合においても、炭素繊維112の端面115を容易に揃えることが可能となる。そして、炭素繊維112の端面115が揃った状態であるため、安定したパルス放電を発生させることが可能となる。
この他、上記実施の形態(1)〜(3)で示した水素の生成装置においては、毛管113を通じて放電極11の外側へ至った原料Aを溜めおくための貯留部を設けることができる。貯留部は、例えば、金属、セラミック、樹脂等の粉末を、炭素繊維112の表面に付着させる方法等によって構成することができる。このようにすると、束にした毛管113から外側へ浸みだしてきた原料Aが、上記粉末の間隙に表面張力によって保持されることによって溜められる。したがって、パルス放電によって反応できる原料Aの量が増えて水素の生成効率を向上させることができる。また、原料Aを、放電領域の近傍に常に存在させることができるので、パルス放電に対する水素生成の応答性も向上させることができる。
貯留部については、上記の粉末を付着させる方法の他にも、種々の構成を採用することができる。例えば、炭素繊維112の表面をサンドブラスト等により粗面化処理する方法や、反応器10の容積を放電領域13の近傍で拡張させ(反応器10の外径を放電領域13の近傍で大きくし)、その拡張部分に、毛管113から供給される原料Aを滞留させておいて、反応に供する原料Aの量を多くする方法等を挙げることができる。
また、上記実施の形態(1)〜(3)で示した水素の生成装置においては、毛管113内を移動中の原料Aを加熱して気化させるための加熱部を設けることもできる。加熱部により気化した原料Aは、放電極11の外へ蒸発して、放電領域13に到達し、パルス放電によって反応して水素を生成することになる。加熱部の具体的な構成は、例えば、放電極11自体に電流を流し、発生するジュール熱を利用して加熱したり、ニクロム線等の一般的なヒータを放電極11の周囲に配置したり、ニクロム線等を炭素繊維112間に埋め込んで、毛管113を移動する原料Aを直接的に加熱する手段等を適宜用いることができる。
さらに、上記実施形態(1)〜(3)では、放電極11を、パイプ状の導電体110と、複数の炭素繊維112の束とから構成した場合について述べたが、この他にも、原料Aが移動可能であるような毛管を形成した構造であれば特に限定されることなく用いることができる。
例えば、上記炭素繊維にかえて、複数の導電性繊維を用い、それらを束にしたものを、パイプ状の導電体の内部に設けることによって放電極11を構成することができる。この場合、導電性繊維と他の導電性繊維との間が、原料が供給される毛管として機能することになる。導電性繊維としては、耐腐食性を有するものが好ましく用いられる。具体的には、ステンレス等の金属繊維などが好適に用いられる。
また、上記炭素繊維にかえて、複数の非導電性繊維を用いることもできる。この場合においても、非導電性繊維と他の非導電性繊維との間が、原料が供給される毛管として機能することになる。そして、非導電性繊維は電極としては作用せず、パルス放電はパイプ状の導電体110と放電極11との間に発生する。非導電性繊維としては、耐腐食性を有するものが好ましく用いられる。具体的には、シリコン、ガラス、SiO等の繊維などが好適に用いられる。
さらに、上記実施形態(1)〜(3)において、繊維の束の中心部に芯材を設けることも可能である。このようにすると、繊維の束の形状が芯材により支えられる。また、パイプ状の導電体110だけでなく芯材の部位においても放電が安定に行われる。なお、芯材の材質としては、特に限定されず、SUS、アルミニウム、銅等の各種金属や、炭素等を適宜用いることができる。また、芯材を繊維の束に対して複数備えることも可能である。
また、放電極11の別の例としては、通常の炭素や金属からなる材料に対し、ボール盤やレーザ等を用いて切削加工することにより毛管を形成し、この毛管を形成した材料の外周をパイプ状の導電体で覆ったもの、あるいは炭素繊維の織布等に、フェノール樹脂などの熱硬化性合成樹脂や石油ピッチなどのバインダーを含浸させたものを、複数枚積層して、加圧・加熱してバインダーを硬化させ、さらに不活性雰囲気中で高温焼成してバインダーを炭素化して製造した多孔質な材料、あるいは生コークス等の焼結性を有する黒鉛前駆体の微粒子を加圧成形しつつ高温で焼成した多孔質な材料などを作製し、これら多孔質材料の外周を、パイプ状の導電体で覆ったもの等を例示することができる。
以上のような本発明の生成装置により製造した水素は、例えば、アンモニア、メタノールの合成、水素化脱硫、水素化分解、油脂などの水素化、溶接、半導体製造等に有効に利用することができる。また、タービン燃料としての利用を考慮すると、アルコール等をそのまま燃焼する場合に比べて、水素へ転化させたものを燃焼させた方が発熱量が大きいという利点がある。さらに、小型・可搬の装置とすることができるので、自動車等へ搭載する燃料電池へ水素を供給するための装置として適している。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
【実施例1】
生成装置として図1に示す装置を作製した。反応器としては外径10mm、内径9mm、長さ200mmの石英管を用い、対向させる一対の放電極のうち一方は、SUS306からなるパイプの内部に、直径7μmの炭素繊維を84,000本束ねたもの(東邦レーヨン(株)製のベスファイトHTA−12K(商品名)を7本束ねたもの)を挿入して構成した。炭素繊維の束の部分の直径は約3mmである。また、他方の放電極にはSUS306からなるロッド状の放電極を用いた。
続いて、水とエタノールの混合液(体積比1:1)を導入路から放電極中へ毛管現象を利用して供給するとともに、放電極間に一定電圧を印加して直流パルス放電を行った。放電の条件は、パルス発生頻度が1秒間に50回、電圧5kV、電流が最大で10mAである。また、反応器内の温度を原料が蒸発可能な100℃に維持した。
そして排出口から排出される1分間当たりの生成ガス量をガスクロマトグラフィで測定した。その結果、目的の水素が高収率で得られることがわかった。また、パルス放電の状態は非常に安定していた。
【産業上の利用可能性】
以上、本発明の生成装置は、原料を供給するための毛管を、パイプ状の導電体の内部に形成した放電極を備えているため、放電極の形態が保持されて安定にパルス放電を行うことができ、毛管を通って供給される原料の反応を誘起して、目的の水素を効率的に生成することができる。
また、放電極間に石英等の誘電体を設けることにより、その誘電体を介してパルス放電を均一かつ安定に行うことができる。
本発明の生成装置は、低圧、低温で、かつ低コストで実施可能であり、また副生成物を生じないという特長を生かして、例えば、燃料電池へ供給する水素の生成装置等として好適に利用することができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素、有機含酸素化合物から選ばれる一以上の物質と水とを含む原料を供給するための毛管が、パイプ状の導電体の内部に形成された放電極を備え、前記放電極によりパルス放電を行い、前記毛管により供給される原料の反応を誘起して水素を生成させる水素の生成装置。
【請求項2】
有機含酸素化合物から選ばれる一以上の物質を含む原料を供給するための毛管が、パイプ状の導電体の内部に形成された放電極を備え、前記放電極によりパルス放電を行い、前記毛管により供給される原料の反応を誘起して水素を生成させる水素の生成装置。
【請求項3】
請求の範囲1又は2記載の水素の生成装置において、パイプ状の導電体の内部に、複数の導電性繊維が束にして設けられ、前記導電性繊維間に毛管が形成されていることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項4】
請求の範囲3記載の水素の生成装置において、導電性繊維が、炭素繊維であることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項5】
請求の範囲1又は2記載の水素の生成装置において、パルス放電が行われる放電極間に、誘電体を設けたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項6】
請求の範囲3記載の水素の生成装置において、パルス放電が行われる放電極間に、誘電体を設けたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項7】
請求の範囲4記載の水素の生成装置において、パルス放電が行われる放電極間に、誘電体を設けたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項8】
請求の範囲5記載の水素の生成装置において、誘電体が、パイプ状の導電体の端面に沿って設けられたリング状の誘電体であることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項9】
請求の範囲6記載の水素の生成装置において、誘電体が、パイプ状の導電体の端面に沿って設けられたリング状の誘電体であることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項10】
請求の範囲7記載の水素の生成装置において、誘電体が、パイプ状の導電体の端面に沿って設けられたリング状の誘電体であることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項11】
請求の範囲5記載の水素の生成装置において、誘電体は、SiO、CeO、LaO、Sm、SiN、BN、ダイヤモンドから選ばれる一の物質から構成されることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項12】
請求の範囲6記載の水素の生成装置において、誘電体は、SiO、CeO、LaO、Sm、SiN、BN、ダイヤモンドから選ばれる一の物質から構成されることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項13】
請求の範囲7記載の水素の生成装置において、誘電体は、SiO、CeO、LaO、Sm、SiN、BN、ダイヤモンドから選ばれる一の物質から構成されることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項14】
請求の範囲8記載の水素の生成装置において、誘電体は、SiO、CeO、LaO、Sm、SiN、BN、ダイヤモンドから選ばれる一の物質から構成されることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項15】
請求の範囲9記載の水素の生成装置において、誘電体は、SiO、CeO、LaO、Sm、SiN、BN、ダイヤモンドから選ばれる一の物質から構成されることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項16】
請求の範囲10記載の水素の生成装置において、誘電体は、SiO、CeO、LaO、Sm、SiN、BN、ダイヤモンドから選ばれる一の物質から構成されることを特徴とする水素の生成装置。
【請求項17】
請求の範囲1又は2記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項18】
請求の範囲3記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項19】
請求の範囲4記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項20】
請求の範囲5記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項21】
請求の範囲6記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項22】
請求の範囲7記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項23】
請求の範囲8記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項24】
請求の範囲9記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項25】
請求の範囲10記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項26】
請求の範囲11記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項27】
請求の範囲12記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項28】
請求の範囲13記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項29】
請求の範囲14記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項30】
請求の範囲15記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項31】
請求の範囲16記載の水素の生成装置において、さらに、放電極を収容する反応器と、前記放電極に電圧を印加する電源とを備えたことを特徴とする水素の生成装置。
【請求項32】
炭化水素、有機含酸素化合物から選ばれる一以上の物質と水とを含む原料中で、パルス放電を行い、前記原料の反応を誘起して水素を生成させる装置に用いられ、前記原料を供給可能な毛管が、パイプ状の導電体の内部に形成されてなる放電極。
【請求項33】
有機含酸素化合物から選ばれる一以上の物質を含む原料中で、パルス放電を行い、前記原料の反応を誘起して水素を生成させる装置に用いられ、前記原料を供給可能な毛管が、パイプ状の導電体の内部に形成されてなる放電極。
【請求項34】
請求の範囲32又は33記載の放電極において、パイプ状の導電体の内部に、複数の導電性繊維が束にして設けられ、前記導電性繊維間に毛管が形成されていることを特徴とする放電極。
【請求項35】
請求の範囲34記載の放電極において、導電性繊維が、炭素繊維であることを特徴とする放電極。

【国際公開番号】WO2004/099070
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506055(P2005−506055)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006579
【国際出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【出願人】(501195670)株式会社事業創造研究所 (12)
【Fターム(参考)】