炭化水素のオフショア移送のための多機能ユニット
本発明は、積出しの形態で配置された、オフショアユニット(1)と運搬船(2)との間の流体の移送のための炭化水素移送構成体であって、少なくとも1つの移送ホース(3)と、1つのガスリターンホース(4)とを具備し、少なくとも1つの移送ホースの端部は、プロセス船舶と運搬船との間の移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニット(6)に接続され、浮遊式多機能ユニットは、水から持ち上げられ、水位よりも上の固定位置に保持されることができ、また、浮遊式多機能ユニットには、移送ホースの端部と運搬船のミドシップマニホルドとの間の流体接続を形成するための接続手段(7)と、この接続手段から所定の距離に配置された、少なくとも1つの移送ホースのための緊急分離手段(13)とが設けられている、炭化水素移送構成体に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス船舶(process vessel)と、(ブイ、プラットフォーム、運搬船(carrier)のような)オフショアユニット(offshore unit)との間の移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに関する。
【0002】
本発明はまた、積出しの形態(offloading configuration)で配置された、プロセス船舶と構成ユニットとの間の(LNG、LPG又は液化CO2のような)液化ガスのような流体の移送のための炭化水素移送構成体であって、少なくとも1つの移送ホースとガスリターンホースとを具備し、前記少なくとも1つの移送ホースの端部は、プロセス船舶とオフショアユニットとの間の移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに接続される、炭化水素移送構成体に関する。
【0003】
本発明はまた、浮遊式多機能ユニットを使用して2つのオフショアユニット間に(液化ガスのような)流体の移送構成体を設置する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
天然ガスの産出及び液化のそばのオフショア(沖合)での液化ガスの生産は、複数の浮遊式ユニット又は海底に基礎を置いた(seabed based)複数のオフショアユニットの間の、あるいは、海底に基礎を置いた1つのオフショアユニットと1つの浮遊式ユニットとの間の液化ガスの移送を必要とする。2つのユニット間のオフショア移送システムに関する概念は、通常、重いリフティングクレーン、並びに水力学、位置制御、船の動きの補正及び多くの部品を含む複雑なシステムの使用を必要とする。また、互いに近接し離間して配置されたさまざまなダクト間の衝突を回避することが重要である。これは、特に、−163℃の温度で維持されなければならないLNGに適した船移送システムに対する現在の船の場合、そうである。それ故、現在の概念は、非常に重く、高価であり、オペレータにフレンドリでなく、維持するのが困難であり、故障しがちである。全ての既存の移送の概念は、厳しい環境及び荒い海面の状態で使用されるのに理想的でない。
【発明の概要】
【0005】
この特許出願では、好ましいオフショア移送システムの形態は、2つの船舶間のタンデム(tandem)積出しの形態である。タンデム積出しの形態では、運搬船は、プロセス船舶又はFPSO(浮遊式生産貯蔵及び積出しユニット)の後ろに、それ自体直線的に並んで位置決めされる。FPSOがウェザーベーニングである(weathervane)ので、この位置は、流れに対して直線的に並んでいる。FPSOと運搬船との間では、ホーサ綱が、FPSOから所定の距離に運搬船を保持している。運搬船がFPSOと衝突しないことを確実にするために、バックの信頼性(back trust)が運搬船によって与えられるべきである。
【0006】
タンデム積出しの形態では、少なくとも1つの積出しホースが海へと下げられることを可能にし、かつエンドフィッティングの位置に浮力を与える手段を有することが必要とされ、また、運搬船に近接して(1又は複数の)積出しホースを運搬する手段を有することも必要とされる。さらに、少なくとも1つのホース(浮遊型又は潜水型)が、水位から所定の高さまで、例えば、流体配管マニホルドに接続される船舶のデッキまで持ち上げられる必要があり、この高さは、水位よりも10〜30m上でありうる。局所的なクレーンとウインチとの少なくとも一方の使用は、持ち上げられる(1又は複数の)ホースの全重量が大きすぎるときは必ずしも可能ではない。なぜならば、リフティング能力が制限されているか、これらはデッキ上の所望の/必要な場所に位置されていないからである。さらに、既存のリフティングシステムに搭載された運搬船にさらなるリフティング設備を設置する、すなわち変更を加えることは、ホースに接続されなければならない各運搬船にそれを行う必要があるので、好ましい解決策ではない。
【0007】
運搬船にさらなる変更をするのを回避する解決策は、標準的な運搬船に対して使用されることができるので、効果的である。
【0008】
本出願人により商標クライオライド(CryoRide)の下に製造される、提案されるシステムは、2つのオフショアユニット間の最も容易で、最も速く、最も安価な積出しの接続を可能にするキーシステムである。
【0009】
この特許出願では、用語「移送ホース」は、炭化水素の、特に極低温流体(−163℃)の移送、また、LPG及び液化CO2のような液化ガスの移送に適したあらゆるタイプの移送ホースを示すために使用される。
【0010】
それ故、本発明の目的は、
移送ホースのエンドフィッティング及びこの積出し手順のために必要とされる構成要素を保持し、かつ、運搬船のマニホルドとエンドフィッティングとの間の相対移動をなくす固定点として、
水中で合体される移送ホースのエンドフィッティングと構成要素とのための浮遊構造体として、及び、
運搬船のミドシップマニホルドの高さのところにもたらされるエンドフィッティングと構成要素とのためのリフティング装置として
機能する多機能ユニットを提供することである。
【0011】
本発明はまた、簡略化され、時間消費が少なく、あまり高価でない船体中央の(ミドシップ)積出しの形態の炭化水素移送方法を提供する。
【0012】
好ましい解決策では、多機能ユニットは、さまざまな運搬船のさまざまなマニホルドにこの多機能ユニットを接続するために必要とされるさまざまな外囲体(envelope)を扱うことが可能である。多機能ユニットはまた、緊急の場合に停止され分離されることが可能であり、また、それ自体が、FPSO又はオフショアユニット、及び運搬船の貯蔵タンクへのライン中に残っている炭化水素をパージすることを可能にする。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態が、添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1a】図1aは、2つの船舶間の移送ホースの可能な形態を示している。
【図1b】図1bは、2つの船舶間の移送ホースの可能な形態を示している。
【図1c】図1cは、2つの船舶間の移送ホースの可能な形態を示している。
【図2a】図2aは、本発明の2つの実施の形態の一方に係る多機能ユニット、すなわちクライオライド(商標)を示している。
【図2b】図2bは、本発明の2つの実施の形態の他方に係る多機能ユニット、すなわちクライオライドを示している。
【図2c】図2cは、図2bに示される実施の形態を示す上面図である。
【図3a】図3aは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3b】図3bは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3c】図3cは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3d】図3dは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3e】図3eは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3f】図3fは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3g】図3gは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3h】図3hは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3i】図3iは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3j】図3jは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3k】図3kは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図4】図4は、本発明に係る閉ループを形成するために複数のホースが互いにどのように連結されるかを示している。
【図5a】図5aは、曲げ制限要素を備えた可撓性のジャンパホースが、多機能ユニットの小さな補助ウインチに接続されたケーブルを用いてマニホルドに対してどのように位置決めされるかを示している。
【図5b】図5bは、曲げ制限要素を備えた可撓性のジャンパホースが、多機能ユニットの小さな補助ウインチに接続されたケーブルを用いてマニホルドに対してどのように位置決めされるかを示している。
【図5c】図5cは、曲げ制限要素を備えた可撓性のジャンパホースが、多機能ユニットの小さな補助ウインチに接続されたケーブルを用いてマニホルドに対してどのように位置決めされるかを示している。
【図6a】図6aは、図2cの実施の形態において、クライオライドが運搬船のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。
【図6b】図6bは、図2cの実施の形態において、クライオライドが運搬船のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。
【図6c】図6cは、図2cの実施の形態において、クライオライドが運搬船のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。
【図6d】図6dは、図2cの実施の形態において、クライオライドが運搬船のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。
【図6e】図6eは、図2cの実施の形態において、クライオライドが運搬船のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。
【図7a】図7aは、本発明に係る他の実施形態の上面図である。
【図7b】図7bは、非専用LNG運搬船に予め設置された移動式リフティング手段を使用して、多機能ユニットを介したLNGプロセス船舶とLNG運搬船との間の移送ホースの接続を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
選ばれたいくつかの実施の形態では、LNG運搬船に対してタンデム形態のLNG−FPSOがある。移送ホースは、LNGの移送に適した極低温移送ホースである。しかし、本発明は、任意のタイプのオフショアユニット間のいかなるタイプのオフショア移送システムにも適用可能であることが注目されなければならない。
【0016】
図1a、図1b並びに図1cは、2つの船舶間のホースのさまざまな可能な形態を示している。
【0017】
LNG FPSO又はFSRU(浮遊式貯蔵及び再ガスユニット)、すなわちオフショアユニット1が多点(spread)係留、又はウェザーベーニング(weathervaning)係留されているLNGの積込み又は積出しの状況では、LNG運搬船2は、LNGの移送中、所定の安全距離で配置されることが好ましい。オフショアユニット1が海底に基礎を置いた形態では、LNG運搬船2は、ユニット1により近いことができる。
【0018】
図1a並びに図1bに示される実施の形態は、LNGプロセス船舶1とLNG運搬船2との間に、沖合の船体中央部の全体の、タンデム形態の、極低温流体移送構成体を示している。この構成体には、少なくとも1つの極低温移送ホース3と、1つのガスリターンライン4とが設けられており、これは、多点係留又はタレット係留された船舶と、炭化水素移送運搬船との間の通常のタンデム積出しを含むが、オフショアLNG移送の状況に対して最適化されている。この沖合での積出しの形態は、多点係留又はタレット係留されたガス液化艀船、あるいは、多点係留又はタレット係留されたLNG FPSO1を含み、通常のLNG運搬船2が、少なくとも1つの特別な、特に長い(1又は複数の)ホーサ5によってLNG FPSO1に接続され、また、LNGは、比較的長く浮遊式の、空中用(aerial)又は潜水用(submerged)の極低温移送システムによって2つの船舶間を移送される。この極低温移送システムは、少なくとも1つの極低温ホース3又は極低温硬質パイプを含むことができる。冗長性又は安定性の理由から、2つの浮遊船舶1、2の間に少なくとも1つのこれらの特別なホーサ5を設けることが必要である。本発明に係る特別なホーサ5は、全長50〜300mであることができ、かくして、少なくとも90mの安全距離でLNGタンカ2を維持する。少なくとも1つの、より好ましくは複数のタグボートが、運搬船2を曳航し、この運搬船2を多点係留されたLNG FPSO/FSRU1から離間して維持し、また、LNGの積込み又は積出し中に正確な船首方位(heading)を確実にする。このようにして、運搬船2がLNG FPSO又はFSRU1の90度のゾーン内にとどまることができる状況でLNGを積み込む又は積み出すことが可能である。
【0019】
図1aでは、3つのホース3、4が、LNG運搬船2のミドシップマニホルドの同じ側に向かって延びていることが明確に示される。2つの極低温移送ホース3と1つのガスリターンライン4とがある。
【0020】
図1bでは、2つの極低温移送ホース3が、運搬船2の左舷のミドシップマニホルドに向かって延びており、また、右舷のミドシップマニホルドには、1つのガスリターンライン4が、LNG−FPSO1に戻るように延びていることが明確に示される。
【0021】
図1cでは、その形態は、ウェザーベーニングでなく(non weathervaning)、LNGC2とオフショアユニット1との間にあることを除いて、図1aに示すものと同様である。
【0022】
本発明に係る可能な形態は、これらに図示される形態に限定されるべきではなく、
2つの極低温移送ホースが一方の側にあり、1つのガスリターンライン及び1つの極低温移送ホースがLNGCの他方の側にある形態、
3つの極低温移送ホースが一方の側にあり、1つのガスリターンライン及び1つの極低温移送ホースがLNGCの他方の側にある形態、
一方の側に3つの極低温移送ホース及び1つのガスリターンラインがある形態、
マニホルドを接続して、マニホルドの2つの入口と流体接続をなすように、端部に仕切要素を備えた1つの極低温移送ホースがある形態、
のような、あらゆるタイプの可能な形態を含むことができる。
【0023】
図2aないし図2dは、多機能ユニット6、すなわち本発明に係るクライオライド(CryoRide)(商標)を示している。このクライオライドのデザインは、モジュールで容易に適用可能な概念を用いている。オペレータ、位置及びプロジェクトの必要性に基づいて、さまざまなラインの形態が選択されることができる。クライオライドの主機能は、極低温ホース3のエンドフィッティング7を保持する固定点として機能することであり、この積出しの手順に必要とされる極低温構成要素を必要とする。また、エンドフィッティング7と前記構成要素とが水中で合体されたとき、浮遊構造体として機能する必要がある。クライオライドの第3の主機能は、エンドフィッティング7と極低温構成要素とを、LNG運搬船2のミドシップマニホルド8の高さまで持ち上げることである。
【0024】
他の主機能は、緊急の場合にシステムが停止し分離することができるべきことであり、また、最後の主機能は、システムそれ自体が、移送ホース3中に残っているLNGを、オフショアユニット1及びLNG運搬船2の貯蔵タンクにパージさせるということである。
【0025】
クライオライドの好ましいベース構造体は、浮力を与える管状構造体9であり、極低温設備の既知のアセンブリ技術である。システムにさらなる浮力を与えるために、低加圧ホイール10が、クライオライド構造体に係合されている。これらホイール10はまた、LNG運搬船の船体又はオフショアユニットの船体と衝突する場合にフェンダとして機能し、また、これらホイールは、ホイール10の軸芯の複合ベアリング構成体によって与えられる回転によって、運搬船の船体に対するリフティングの間、摩擦係数を減少させるように使用される。
【0026】
図2cでは、3つの硬質スプール要素11が、クライオライドの構造体に固定されていることが明確に示される。この実施の形態では、3つの硬質スプール要素が示されており、少なくとも2つのスプール要素が、2つの移送ライン、すなわちホースの間にループを形成するために必要とされる。これらスプール要素の主機能は、積出しホースによって引き起こされた動荷重をパイプ構造体に伝達することである。これらスプール要素11はまた、空中ジャンパホース12のための接合部としても機能する。これらスプール要素11は、構造上互いに連結されるが、2つの極低温移送ホース、すなわち輸送ライン3は、図4に示されるようにクロスフロー接続されている。また、いくつかの場合には、ガスリターンラインが極低温移送ホースと同等のデザインを有し、従って極低温流体に耐えることができるとき、積出しを開始する前に、ホース3の予冷のための1つの極低温移送ホースと流体接続することができることにも言及されるべきである。
【0027】
断熱層が、スプール要素11からクライオライド構造体の台(rest)への熱伝導を防いでいる。スプール要素11の一端は、緊急応答システム(ERS)13及び極低温積出しホース3に接続され、また、他端は、ジャンパホース12に接続されている。ジャンパホースは、通常の外面保護体を備えた、軽量で、可撓性で、非断熱性の極低温ホースである。リフティングフレーム14は、手順に対処するために、3つのジャンパホース12を一緒に接続しており、また、貯蔵中、これらホースをロックする。ジャンパホース12の全長及び可撓性は、さまざまな非専用(non-dedicated)LNG運搬船のマニホルドの構成体に極低温移送ホース3、4を接続することが可能な、最も広い動作をする外囲体をクライオライドに与えるように決定される。
【0028】
ERS13は、構造体に位置された液圧式アキュムレータによって液圧により駆動され、これらアキュムレータは、オフショアユニットに各積出しの間に再び積み込まれる。
【0029】
図2dは、他の実施の形態を示しており、この実施の形態では、クライオライドには、3つの移送ホース3、4を固定するために管状構造体9に装着された3つの極低温スプール要素11が設けられている。これらホースとこれらスプール要素との間には、緊急解放システム(ERS)13が、緊急分離中にホースに必要な分離を与える。
【0030】
ERSと移送ホースのフランジ/エンドフィッティングとの間では、3つのさらなるスプール要素が、移送輸送ラインを連結している。これは、運搬船と分離された後、移送ホースをパージすることを可能にする。
【0031】
3つの空中ジャンパホース12が、極低温スプール要素の他方の側に装着されている。これらは、運搬船のマニホルドのフランジに向かって空中ジャンパホースをガイドする液圧系HSによって支持され、そして、運搬船とマニホルドとの少なくとも一方のタイプに対して、マニホルドの外囲体の高さを収容することが可能である。この系は、運搬船のデッキ上のいかなる設備又は構造体をも妨げることなく、最終的な接続を果すように設計されている。空中ジャンパホース12の支持システムは、2つの液圧シリンダ20によって駆動される。
【0032】
空中ジャンパホース12には、最小曲げ半径を超過しないように、曲げ制限体が装備されている。空中ジャンパホース12のエンドフィッティングに、3つの手動QC/DCが、運搬船と最終的な接続を果すように係合される。これらQC/DCは、海水及び水分の侵入を避けるために、運搬中、閉止フランジされている(blind flanged)。
【0033】
図3aないし図3jは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースの引き出し、運搬、持ち上げ及び接続の一連の工程を示している。クライオライドは、供給船舶又は設備船舶上に向かって、FPSOへ運搬される。FPSOの船尾でホースリールに格納された浮遊ホースは、海水面に下げられて、設置/供給船舶の規定領域(lay down area)に持ち上げられる。ホースとクライオライドとは、船舶上で互いに接続され、そして、水中に落下される。そして、クライオライドは、FPSOのその収容位置に戻るように牽引されることができる。
【0034】
クライオライドは、液圧式Aフレームシステム14に取着されたデッキに格納されている。これは、液圧式アキュムレータのメンテナンス及び再加圧のためのクライオライドへのよいアクセスを与えるという効果を奏する。Aフレーム14は、LNG−FPSO1の船尾で3つのホースリール15の後ろに位置されており、ここに、極低温ホース3が格納される。ホースのエンドフィッティング7は、クライオライドのホースの接合部に永久的にボルト締めされている。外側の2つのホースリールには、クライオライドに対する間隔制限に合わせるように、角度が付けられている。この間隔制限は、国際基準(冷却液化天然ガス運搬船用のマニホルドのためのSIGTTO/OCIMF推奨基準)に従っている。
【0035】
図3aは、クライオライドを下げる、すなわち進水させることを示している。クライオライドは、Aフレーム14によって船外にはじかれる。クライオライドがAフレーム14から分離された後、ウインチ16がこのクライオライドに取着されて、図3b並びに図3cに示されるように、クライオライドを海へと下げる。この動作と平行して、ホースリール15が、リールに取着されたターンテーブルを駆動している電気モータ及びピニオンによって解かれる。
【0036】
他の実施の形態(図示されない)では、送り出し(launching)プラットフォームとして機能する、FPSOの船体に組み込まれたスロープ(ramp)がある。ホースリールは、送り出しプラットフォームよりも上に位置され、また、ホースは、クライオライドと予め接続されている。ホースリールのモータにより、クライオライドは、水に進水される、すなわち、送り出しプラットフォーム上で後方にたぐり寄せられる。これは、アキュムレータの再加圧のための、及び系のメンテナンスのための位置でもある。この実施の形態では、ホースリールは、クライオライドの送り出し及び引き込みを操作する。
【0037】
図3d並びに図3eでは、サポート船舶(support vessel)18が、フックでクライオライドの引張バー又は突出部(lug)に引張ロープ17を接続し、クライオライドを極低温浮遊ホース3に沿ってLNGC2に牽引することが明確に示される。ホースリール15は、(タンデム形態での最前のホースに対して比較的速い)さまざまな速度でホース3、4を解放する必要がある。
【0038】
次の工程は、クライオライドの持ち上げの準備である。クライオライドユニットは、クライオライドのフレームに形成された枢動シーブによって連結された、全長85mの合成又は鋼ワイヤロープが格納された中心シーブブロックを有する。このシーブブロックでは、シャックルが、ミドシップマニホルドに関してもまた中心に位置された船舶の拠点(strong point)と接続を果す。
【0039】
図3fは、シーブに対するシャックルが、マニホルドクレーン19で取り入れられて、マニホルドのデッキに対して中央のLNGタンカのデッキの拠点に接続されることを明確に示している。そして、シーブブロックが、マニホルドクレーン19を用いてデッキの高さまで持ち上げられて、前記突出部に接続される。シーブブロックの引張負荷索具(pulling load line)は、船尾か船首に位置された最も利便的な係留ウインチ20に向かって伝送される(route)。デッキにほとんど障害がないところでは、ワイヤロープが伝送されるべきである。
【0040】
そして、持ち上げが可能であり、図3gに示されるように、LNG運搬船の船首か船尾の領域の近くに配置された係留ウインチ20が、クライオライドに接続されることができ、デッキの高さの約1m下まで、船体にクライオライドを持ち上げる。この持ち上げプロセス中、マニホルドクレーンは、船舶の全長に沿って水平方向に多機能ユニットをガイドするか移動させるかの少なくとも一方のために使用されることができ、この結果、その端部では、多機能ユニットは、マニホルドの近くの接続外囲体内に配置される。
【0041】
他のリフティングの実施の形態は、LNGキャリア2の船尾及び船首に2つの係留ウインチを使用することである。これは、「2つのポイントリフティング」の解決策である。
【0042】
合成ロープの全長及び補助索(messenger line)を備えた適切なリフティング設備もまた、リフティング手順をより簡単にするために、クライオライドに搭載されて係合される。
【0043】
係船鎖(snubbing chain)は、クライオライドを固定するために、LNG運搬船のデッキ上の利用可能な突出部に接続される。
【0044】
図3h並びに図3jは、ジャンパホースがリフティング中にどのようにひっくり返されて(方向転換されて)マニホルドの位置に配置されるかを示している。マニホルドクレーン19は、その回転リフティング点で、可撓性のジャンパホース12のリフティングフレームに接続される。閉止フランジは、なくされることができ、手動又は液圧式QCDC(既にジャンパホース12に接続されている)が、マニホルドのフランジに接続される。
【0045】
他の実施の形態は、ジャンパホース12の曲げを制御するために、ジャンパホース12内に配置されたケーブルを有する。このような1平面での曲げは、図3jに示されるように、ストッパのおかげで可能にされ、制限される。クライオライドに設置された小さなウインチは、マニホルドクレーン19の使用を必要とすることなく、ジャンパホース12を所望のモーメントで所望の方向に曲げさせることができる。
【0046】
図3kに示されるように、極低温移送ホースは、接続され、固定されて、図4に示され説明されるように、通常のLNGの輸送が、冷却で始まることができる。
【0047】
積出しが終わったとき、ジャンパホースの分離は、以下のように行われる。冷却後、ジャンパホース12は、分離されて、LNG運搬船2のマニホルドの領域のクレーン19を使用して、クライオライドに戻すように格納される。クライオライドは、海面に戻るように下げられて、サポート船舶18が、クライオライドに索具設備を戻すように格納する。そして、サポート船舶18は、クライオライドを後ろに牽引し、引張ケーブル17を分離する。そして、ホースリール15が、クライオライドをLNG−FPSO1に戻すようにたぐり寄せるか、Aフレーム支持構造体14に戻すように持ち上げられる。
【0048】
上で述べられたように、図4は、本発明に係る閉ループを形成するために、ホースがどのように互いに連結されるかを示している。極低温ホース3がフロー接続され、かくして閉ループを形成することが明確に示される。これは、移送開始前に、極低温移送ホースが冷却されることを可能にする。実際には、互いに連結されたホース内の冷却流体は、積出し前にホースを予冷するために、ポンピングされる。
【0049】
このような閉ループを有する他のキーポイントは、緊急の場合に、ERS13の上側部分及び下側部分が、PERCの手段によって分離されるということである。
【0050】
トラップされたLNGに対する2つの極低温移送ホース3は、スプール要素11によって互いに連結され、LNGCからの窒素を使用してパージされることができる。同様のスプール要素11は、極低温移送ホース3の端部を互いに連結し、FPSO貯蔵タンクに残りのLNGをパージするためにループを形成する。
【0051】
図5は、互いに連結され枢動する曲げ制限要素を備えた可撓性のジャンパが、曲げ制限要素内でガイドされ、かつ多機能ユニットに少なくとも1つの小さな補助ウインチに接続されたケーブルを用いて、マニホルドに向かってどのようにもたらされることができるかを示している。一方のケーブルが引き入れられ、他方が引き出されれば、ジャンパホースの端部はひっくり返り(方向転換し)、マニホルドの端部に向かって動かされる(過度の曲げは制限される)。逆の動作では、ジャンパホースは、多機能ユニットでの収容位置に再び押しやられる。
【0052】
図6aないし図6dは、図2dの実施の形態において、クライオライドが運搬船2のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。これらの図では、液圧系が空中ジャンパホース12を曲げるために使用されることが明確にわかる。この実施の形態では、クライオライドにはリフティング設備が設けられており、このリフティング設備が、運搬船の船体に対してそれ自体を水から独立して(autonomously)持ち上げることを可能にすることに注目することもまた重要である。従って、特に、図1d並びに図6aないし図6dの実施の形態に示されるように、2つの液圧ウインチがクライオライドに装着され、2つのウインチケーブル28が、ミドシップマニホルドの位置で、運搬船のデッキの高さで2つの拠点に接続される。この接続は、支持タグボートから取り入れられた補助索によって達成される。
【0053】
また、水力は、支持タグボートから供給される。ホースリールのアンビリカル(umbilical)は、クライオライドの液圧系に動力を供給するためにクライオライドに接続される。持ち上げ動作の後、クライオライドは、ウインチからの水力を軽減させるために、係船鎖で固定される。
【0054】
液圧式アンビリカルは、手動又は遠隔操作で分離され、支持タグボートに巻き取られる。液圧系に動力を供給するいくつかのオプションは、以下の通りである。
クライオライドのHPU及びディーゼルエンジン。
サポート船舶からのアンビリカル。
LNGCのミドシップマニホルドの位置から直接のアンビリカル。
FLNGから船体中央部へのホーサを介してクライオライドまでのアンビリカル。
COOLホースによって伝送されるFLNGからのアンビリカル。
【0055】
さらに、ガイド手段が、多機能ユニットの持ち上げのために設けられる。
【0056】
移送ホース及びクライオライドがFPSOに格納されることができることがさらに注目されるべきである。
【0057】
さらに、第3のホイールが、この実施の形態に与えられることが明確にわかる。この第3のホイールは、2つの主機能を有する。第3のホイールは、この第3のホイールが運搬船の船体に接近したとき、(液圧系及びジャンパ空中ホース12のような)クライオライドの上部に位置された設備を保護することができる。さらに、第3のホイールは、水平位置から垂直位置へとより滑らかに移動することができる。
【0058】
本発明に係る他の代わりのデザインが、図7aに示される。よりいっそうコンパクトなデザインを得るために、特に、多機能ユニットのよりいっそうフラットなデザインを得るために、ジャンパホース12は短くされており、ひっくり返す(方向転換する)動きはもう必要とされない。(電動スイベルのような)いくつかのスイベル25を含む構成体は、ジャンパホースの端部と運搬船のマニホルド8との接続を可能にする。多機能ユニット6が正しい高さにあり、アクセスがより容易であるとき、ジャンパホース12は、マニホルド8と接続される直前に、多機能ユニット6に既に設置されるか、ユニット6に接続されることができる。
【0059】
図7bには、積出し前に、非専用LNG運搬船2に予め設置される移動式リフティング手段21が示される。図7に示される実施の形態では、リフティング手段21は、ウインチを備えたフレームと、マニホルドの高さに依存して変更される船外距離の液圧式ピストンとを有する。サポート船舶は、リフティング手段21をLNG運搬船2に運搬し、ここで、このリフティング手段21が、マニホルドクレーン(図示されない)を用いて運搬船のデッキに持ち上げられる。
【0060】
移動式リフティング手段21は、船体に海からクライオライド6を持ち上げることを可能にし、可撓性のジャンパホース12をマニホルドに接続するために必要とされる高さまでクライオライド6を持ち上げる。
【0061】
リフティング手段は、移動式リフティング手段と接続されるように、専用の海固定手段(sea fastening means)を使用してデッキにボルト締めされる。
【0062】
先の開示に照らして当業者にとって自明であるように、本発明の意図又は範囲から逸脱することなく、本発明の実施に際して多くの変更並びに修正が可能である。従って、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される内容に従って解釈される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス船舶(process vessel)と、(ブイ、プラットフォーム、運搬船(carrier)のような)オフショアユニット(offshore unit)との間の移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに関する。
【0002】
本発明はまた、積出しの形態(offloading configuration)で配置された、プロセス船舶と構成ユニットとの間の(LNG、LPG又は液化CO2のような)液化ガスのような流体の移送のための炭化水素移送構成体であって、少なくとも1つの移送ホースとガスリターンホースとを具備し、前記少なくとも1つの移送ホースの端部は、プロセス船舶とオフショアユニットとの間の移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに接続される、炭化水素移送構成体に関する。
【0003】
本発明はまた、浮遊式多機能ユニットを使用して2つのオフショアユニット間に(液化ガスのような)流体の移送構成体を設置する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
天然ガスの産出及び液化のそばのオフショア(沖合)での液化ガスの生産は、複数の浮遊式ユニット又は海底に基礎を置いた(seabed based)複数のオフショアユニットの間の、あるいは、海底に基礎を置いた1つのオフショアユニットと1つの浮遊式ユニットとの間の液化ガスの移送を必要とする。2つのユニット間のオフショア移送システムに関する概念は、通常、重いリフティングクレーン、並びに水力学、位置制御、船の動きの補正及び多くの部品を含む複雑なシステムの使用を必要とする。また、互いに近接し離間して配置されたさまざまなダクト間の衝突を回避することが重要である。これは、特に、−163℃の温度で維持されなければならないLNGに適した船移送システムに対する現在の船の場合、そうである。それ故、現在の概念は、非常に重く、高価であり、オペレータにフレンドリでなく、維持するのが困難であり、故障しがちである。全ての既存の移送の概念は、厳しい環境及び荒い海面の状態で使用されるのに理想的でない。
【発明の概要】
【0005】
この特許出願では、好ましいオフショア移送システムの形態は、2つの船舶間のタンデム(tandem)積出しの形態である。タンデム積出しの形態では、運搬船は、プロセス船舶又はFPSO(浮遊式生産貯蔵及び積出しユニット)の後ろに、それ自体直線的に並んで位置決めされる。FPSOがウェザーベーニングである(weathervane)ので、この位置は、流れに対して直線的に並んでいる。FPSOと運搬船との間では、ホーサ綱が、FPSOから所定の距離に運搬船を保持している。運搬船がFPSOと衝突しないことを確実にするために、バックの信頼性(back trust)が運搬船によって与えられるべきである。
【0006】
タンデム積出しの形態では、少なくとも1つの積出しホースが海へと下げられることを可能にし、かつエンドフィッティングの位置に浮力を与える手段を有することが必要とされ、また、運搬船に近接して(1又は複数の)積出しホースを運搬する手段を有することも必要とされる。さらに、少なくとも1つのホース(浮遊型又は潜水型)が、水位から所定の高さまで、例えば、流体配管マニホルドに接続される船舶のデッキまで持ち上げられる必要があり、この高さは、水位よりも10〜30m上でありうる。局所的なクレーンとウインチとの少なくとも一方の使用は、持ち上げられる(1又は複数の)ホースの全重量が大きすぎるときは必ずしも可能ではない。なぜならば、リフティング能力が制限されているか、これらはデッキ上の所望の/必要な場所に位置されていないからである。さらに、既存のリフティングシステムに搭載された運搬船にさらなるリフティング設備を設置する、すなわち変更を加えることは、ホースに接続されなければならない各運搬船にそれを行う必要があるので、好ましい解決策ではない。
【0007】
運搬船にさらなる変更をするのを回避する解決策は、標準的な運搬船に対して使用されることができるので、効果的である。
【0008】
本出願人により商標クライオライド(CryoRide)の下に製造される、提案されるシステムは、2つのオフショアユニット間の最も容易で、最も速く、最も安価な積出しの接続を可能にするキーシステムである。
【0009】
この特許出願では、用語「移送ホース」は、炭化水素の、特に極低温流体(−163℃)の移送、また、LPG及び液化CO2のような液化ガスの移送に適したあらゆるタイプの移送ホースを示すために使用される。
【0010】
それ故、本発明の目的は、
移送ホースのエンドフィッティング及びこの積出し手順のために必要とされる構成要素を保持し、かつ、運搬船のマニホルドとエンドフィッティングとの間の相対移動をなくす固定点として、
水中で合体される移送ホースのエンドフィッティングと構成要素とのための浮遊構造体として、及び、
運搬船のミドシップマニホルドの高さのところにもたらされるエンドフィッティングと構成要素とのためのリフティング装置として
機能する多機能ユニットを提供することである。
【0011】
本発明はまた、簡略化され、時間消費が少なく、あまり高価でない船体中央の(ミドシップ)積出しの形態の炭化水素移送方法を提供する。
【0012】
好ましい解決策では、多機能ユニットは、さまざまな運搬船のさまざまなマニホルドにこの多機能ユニットを接続するために必要とされるさまざまな外囲体(envelope)を扱うことが可能である。多機能ユニットはまた、緊急の場合に停止され分離されることが可能であり、また、それ自体が、FPSO又はオフショアユニット、及び運搬船の貯蔵タンクへのライン中に残っている炭化水素をパージすることを可能にする。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態が、添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1a】図1aは、2つの船舶間の移送ホースの可能な形態を示している。
【図1b】図1bは、2つの船舶間の移送ホースの可能な形態を示している。
【図1c】図1cは、2つの船舶間の移送ホースの可能な形態を示している。
【図2a】図2aは、本発明の2つの実施の形態の一方に係る多機能ユニット、すなわちクライオライド(商標)を示している。
【図2b】図2bは、本発明の2つの実施の形態の他方に係る多機能ユニット、すなわちクライオライドを示している。
【図2c】図2cは、図2bに示される実施の形態を示す上面図である。
【図3a】図3aは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3b】図3bは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3c】図3cは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3d】図3dは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3e】図3eは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3f】図3fは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3g】図3gは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3h】図3hは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3i】図3iは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3j】図3jは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図3k】図3kは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースを引き出して、運搬して、持ち上げて接続する一連の工程を示す図である。
【図4】図4は、本発明に係る閉ループを形成するために複数のホースが互いにどのように連結されるかを示している。
【図5a】図5aは、曲げ制限要素を備えた可撓性のジャンパホースが、多機能ユニットの小さな補助ウインチに接続されたケーブルを用いてマニホルドに対してどのように位置決めされるかを示している。
【図5b】図5bは、曲げ制限要素を備えた可撓性のジャンパホースが、多機能ユニットの小さな補助ウインチに接続されたケーブルを用いてマニホルドに対してどのように位置決めされるかを示している。
【図5c】図5cは、曲げ制限要素を備えた可撓性のジャンパホースが、多機能ユニットの小さな補助ウインチに接続されたケーブルを用いてマニホルドに対してどのように位置決めされるかを示している。
【図6a】図6aは、図2cの実施の形態において、クライオライドが運搬船のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。
【図6b】図6bは、図2cの実施の形態において、クライオライドが運搬船のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。
【図6c】図6cは、図2cの実施の形態において、クライオライドが運搬船のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。
【図6d】図6dは、図2cの実施の形態において、クライオライドが運搬船のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。
【図6e】図6eは、図2cの実施の形態において、クライオライドが運搬船のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。
【図7a】図7aは、本発明に係る他の実施形態の上面図である。
【図7b】図7bは、非専用LNG運搬船に予め設置された移動式リフティング手段を使用して、多機能ユニットを介したLNGプロセス船舶とLNG運搬船との間の移送ホースの接続を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
選ばれたいくつかの実施の形態では、LNG運搬船に対してタンデム形態のLNG−FPSOがある。移送ホースは、LNGの移送に適した極低温移送ホースである。しかし、本発明は、任意のタイプのオフショアユニット間のいかなるタイプのオフショア移送システムにも適用可能であることが注目されなければならない。
【0016】
図1a、図1b並びに図1cは、2つの船舶間のホースのさまざまな可能な形態を示している。
【0017】
LNG FPSO又はFSRU(浮遊式貯蔵及び再ガスユニット)、すなわちオフショアユニット1が多点(spread)係留、又はウェザーベーニング(weathervaning)係留されているLNGの積込み又は積出しの状況では、LNG運搬船2は、LNGの移送中、所定の安全距離で配置されることが好ましい。オフショアユニット1が海底に基礎を置いた形態では、LNG運搬船2は、ユニット1により近いことができる。
【0018】
図1a並びに図1bに示される実施の形態は、LNGプロセス船舶1とLNG運搬船2との間に、沖合の船体中央部の全体の、タンデム形態の、極低温流体移送構成体を示している。この構成体には、少なくとも1つの極低温移送ホース3と、1つのガスリターンライン4とが設けられており、これは、多点係留又はタレット係留された船舶と、炭化水素移送運搬船との間の通常のタンデム積出しを含むが、オフショアLNG移送の状況に対して最適化されている。この沖合での積出しの形態は、多点係留又はタレット係留されたガス液化艀船、あるいは、多点係留又はタレット係留されたLNG FPSO1を含み、通常のLNG運搬船2が、少なくとも1つの特別な、特に長い(1又は複数の)ホーサ5によってLNG FPSO1に接続され、また、LNGは、比較的長く浮遊式の、空中用(aerial)又は潜水用(submerged)の極低温移送システムによって2つの船舶間を移送される。この極低温移送システムは、少なくとも1つの極低温ホース3又は極低温硬質パイプを含むことができる。冗長性又は安定性の理由から、2つの浮遊船舶1、2の間に少なくとも1つのこれらの特別なホーサ5を設けることが必要である。本発明に係る特別なホーサ5は、全長50〜300mであることができ、かくして、少なくとも90mの安全距離でLNGタンカ2を維持する。少なくとも1つの、より好ましくは複数のタグボートが、運搬船2を曳航し、この運搬船2を多点係留されたLNG FPSO/FSRU1から離間して維持し、また、LNGの積込み又は積出し中に正確な船首方位(heading)を確実にする。このようにして、運搬船2がLNG FPSO又はFSRU1の90度のゾーン内にとどまることができる状況でLNGを積み込む又は積み出すことが可能である。
【0019】
図1aでは、3つのホース3、4が、LNG運搬船2のミドシップマニホルドの同じ側に向かって延びていることが明確に示される。2つの極低温移送ホース3と1つのガスリターンライン4とがある。
【0020】
図1bでは、2つの極低温移送ホース3が、運搬船2の左舷のミドシップマニホルドに向かって延びており、また、右舷のミドシップマニホルドには、1つのガスリターンライン4が、LNG−FPSO1に戻るように延びていることが明確に示される。
【0021】
図1cでは、その形態は、ウェザーベーニングでなく(non weathervaning)、LNGC2とオフショアユニット1との間にあることを除いて、図1aに示すものと同様である。
【0022】
本発明に係る可能な形態は、これらに図示される形態に限定されるべきではなく、
2つの極低温移送ホースが一方の側にあり、1つのガスリターンライン及び1つの極低温移送ホースがLNGCの他方の側にある形態、
3つの極低温移送ホースが一方の側にあり、1つのガスリターンライン及び1つの極低温移送ホースがLNGCの他方の側にある形態、
一方の側に3つの極低温移送ホース及び1つのガスリターンラインがある形態、
マニホルドを接続して、マニホルドの2つの入口と流体接続をなすように、端部に仕切要素を備えた1つの極低温移送ホースがある形態、
のような、あらゆるタイプの可能な形態を含むことができる。
【0023】
図2aないし図2dは、多機能ユニット6、すなわち本発明に係るクライオライド(CryoRide)(商標)を示している。このクライオライドのデザインは、モジュールで容易に適用可能な概念を用いている。オペレータ、位置及びプロジェクトの必要性に基づいて、さまざまなラインの形態が選択されることができる。クライオライドの主機能は、極低温ホース3のエンドフィッティング7を保持する固定点として機能することであり、この積出しの手順に必要とされる極低温構成要素を必要とする。また、エンドフィッティング7と前記構成要素とが水中で合体されたとき、浮遊構造体として機能する必要がある。クライオライドの第3の主機能は、エンドフィッティング7と極低温構成要素とを、LNG運搬船2のミドシップマニホルド8の高さまで持ち上げることである。
【0024】
他の主機能は、緊急の場合にシステムが停止し分離することができるべきことであり、また、最後の主機能は、システムそれ自体が、移送ホース3中に残っているLNGを、オフショアユニット1及びLNG運搬船2の貯蔵タンクにパージさせるということである。
【0025】
クライオライドの好ましいベース構造体は、浮力を与える管状構造体9であり、極低温設備の既知のアセンブリ技術である。システムにさらなる浮力を与えるために、低加圧ホイール10が、クライオライド構造体に係合されている。これらホイール10はまた、LNG運搬船の船体又はオフショアユニットの船体と衝突する場合にフェンダとして機能し、また、これらホイールは、ホイール10の軸芯の複合ベアリング構成体によって与えられる回転によって、運搬船の船体に対するリフティングの間、摩擦係数を減少させるように使用される。
【0026】
図2cでは、3つの硬質スプール要素11が、クライオライドの構造体に固定されていることが明確に示される。この実施の形態では、3つの硬質スプール要素が示されており、少なくとも2つのスプール要素が、2つの移送ライン、すなわちホースの間にループを形成するために必要とされる。これらスプール要素の主機能は、積出しホースによって引き起こされた動荷重をパイプ構造体に伝達することである。これらスプール要素11はまた、空中ジャンパホース12のための接合部としても機能する。これらスプール要素11は、構造上互いに連結されるが、2つの極低温移送ホース、すなわち輸送ライン3は、図4に示されるようにクロスフロー接続されている。また、いくつかの場合には、ガスリターンラインが極低温移送ホースと同等のデザインを有し、従って極低温流体に耐えることができるとき、積出しを開始する前に、ホース3の予冷のための1つの極低温移送ホースと流体接続することができることにも言及されるべきである。
【0027】
断熱層が、スプール要素11からクライオライド構造体の台(rest)への熱伝導を防いでいる。スプール要素11の一端は、緊急応答システム(ERS)13及び極低温積出しホース3に接続され、また、他端は、ジャンパホース12に接続されている。ジャンパホースは、通常の外面保護体を備えた、軽量で、可撓性で、非断熱性の極低温ホースである。リフティングフレーム14は、手順に対処するために、3つのジャンパホース12を一緒に接続しており、また、貯蔵中、これらホースをロックする。ジャンパホース12の全長及び可撓性は、さまざまな非専用(non-dedicated)LNG運搬船のマニホルドの構成体に極低温移送ホース3、4を接続することが可能な、最も広い動作をする外囲体をクライオライドに与えるように決定される。
【0028】
ERS13は、構造体に位置された液圧式アキュムレータによって液圧により駆動され、これらアキュムレータは、オフショアユニットに各積出しの間に再び積み込まれる。
【0029】
図2dは、他の実施の形態を示しており、この実施の形態では、クライオライドには、3つの移送ホース3、4を固定するために管状構造体9に装着された3つの極低温スプール要素11が設けられている。これらホースとこれらスプール要素との間には、緊急解放システム(ERS)13が、緊急分離中にホースに必要な分離を与える。
【0030】
ERSと移送ホースのフランジ/エンドフィッティングとの間では、3つのさらなるスプール要素が、移送輸送ラインを連結している。これは、運搬船と分離された後、移送ホースをパージすることを可能にする。
【0031】
3つの空中ジャンパホース12が、極低温スプール要素の他方の側に装着されている。これらは、運搬船のマニホルドのフランジに向かって空中ジャンパホースをガイドする液圧系HSによって支持され、そして、運搬船とマニホルドとの少なくとも一方のタイプに対して、マニホルドの外囲体の高さを収容することが可能である。この系は、運搬船のデッキ上のいかなる設備又は構造体をも妨げることなく、最終的な接続を果すように設計されている。空中ジャンパホース12の支持システムは、2つの液圧シリンダ20によって駆動される。
【0032】
空中ジャンパホース12には、最小曲げ半径を超過しないように、曲げ制限体が装備されている。空中ジャンパホース12のエンドフィッティングに、3つの手動QC/DCが、運搬船と最終的な接続を果すように係合される。これらQC/DCは、海水及び水分の侵入を避けるために、運搬中、閉止フランジされている(blind flanged)。
【0033】
図3aないし図3jは、LNGプロセス船舶とLNGCとの間の複数の浮遊ホースの引き出し、運搬、持ち上げ及び接続の一連の工程を示している。クライオライドは、供給船舶又は設備船舶上に向かって、FPSOへ運搬される。FPSOの船尾でホースリールに格納された浮遊ホースは、海水面に下げられて、設置/供給船舶の規定領域(lay down area)に持ち上げられる。ホースとクライオライドとは、船舶上で互いに接続され、そして、水中に落下される。そして、クライオライドは、FPSOのその収容位置に戻るように牽引されることができる。
【0034】
クライオライドは、液圧式Aフレームシステム14に取着されたデッキに格納されている。これは、液圧式アキュムレータのメンテナンス及び再加圧のためのクライオライドへのよいアクセスを与えるという効果を奏する。Aフレーム14は、LNG−FPSO1の船尾で3つのホースリール15の後ろに位置されており、ここに、極低温ホース3が格納される。ホースのエンドフィッティング7は、クライオライドのホースの接合部に永久的にボルト締めされている。外側の2つのホースリールには、クライオライドに対する間隔制限に合わせるように、角度が付けられている。この間隔制限は、国際基準(冷却液化天然ガス運搬船用のマニホルドのためのSIGTTO/OCIMF推奨基準)に従っている。
【0035】
図3aは、クライオライドを下げる、すなわち進水させることを示している。クライオライドは、Aフレーム14によって船外にはじかれる。クライオライドがAフレーム14から分離された後、ウインチ16がこのクライオライドに取着されて、図3b並びに図3cに示されるように、クライオライドを海へと下げる。この動作と平行して、ホースリール15が、リールに取着されたターンテーブルを駆動している電気モータ及びピニオンによって解かれる。
【0036】
他の実施の形態(図示されない)では、送り出し(launching)プラットフォームとして機能する、FPSOの船体に組み込まれたスロープ(ramp)がある。ホースリールは、送り出しプラットフォームよりも上に位置され、また、ホースは、クライオライドと予め接続されている。ホースリールのモータにより、クライオライドは、水に進水される、すなわち、送り出しプラットフォーム上で後方にたぐり寄せられる。これは、アキュムレータの再加圧のための、及び系のメンテナンスのための位置でもある。この実施の形態では、ホースリールは、クライオライドの送り出し及び引き込みを操作する。
【0037】
図3d並びに図3eでは、サポート船舶(support vessel)18が、フックでクライオライドの引張バー又は突出部(lug)に引張ロープ17を接続し、クライオライドを極低温浮遊ホース3に沿ってLNGC2に牽引することが明確に示される。ホースリール15は、(タンデム形態での最前のホースに対して比較的速い)さまざまな速度でホース3、4を解放する必要がある。
【0038】
次の工程は、クライオライドの持ち上げの準備である。クライオライドユニットは、クライオライドのフレームに形成された枢動シーブによって連結された、全長85mの合成又は鋼ワイヤロープが格納された中心シーブブロックを有する。このシーブブロックでは、シャックルが、ミドシップマニホルドに関してもまた中心に位置された船舶の拠点(strong point)と接続を果す。
【0039】
図3fは、シーブに対するシャックルが、マニホルドクレーン19で取り入れられて、マニホルドのデッキに対して中央のLNGタンカのデッキの拠点に接続されることを明確に示している。そして、シーブブロックが、マニホルドクレーン19を用いてデッキの高さまで持ち上げられて、前記突出部に接続される。シーブブロックの引張負荷索具(pulling load line)は、船尾か船首に位置された最も利便的な係留ウインチ20に向かって伝送される(route)。デッキにほとんど障害がないところでは、ワイヤロープが伝送されるべきである。
【0040】
そして、持ち上げが可能であり、図3gに示されるように、LNG運搬船の船首か船尾の領域の近くに配置された係留ウインチ20が、クライオライドに接続されることができ、デッキの高さの約1m下まで、船体にクライオライドを持ち上げる。この持ち上げプロセス中、マニホルドクレーンは、船舶の全長に沿って水平方向に多機能ユニットをガイドするか移動させるかの少なくとも一方のために使用されることができ、この結果、その端部では、多機能ユニットは、マニホルドの近くの接続外囲体内に配置される。
【0041】
他のリフティングの実施の形態は、LNGキャリア2の船尾及び船首に2つの係留ウインチを使用することである。これは、「2つのポイントリフティング」の解決策である。
【0042】
合成ロープの全長及び補助索(messenger line)を備えた適切なリフティング設備もまた、リフティング手順をより簡単にするために、クライオライドに搭載されて係合される。
【0043】
係船鎖(snubbing chain)は、クライオライドを固定するために、LNG運搬船のデッキ上の利用可能な突出部に接続される。
【0044】
図3h並びに図3jは、ジャンパホースがリフティング中にどのようにひっくり返されて(方向転換されて)マニホルドの位置に配置されるかを示している。マニホルドクレーン19は、その回転リフティング点で、可撓性のジャンパホース12のリフティングフレームに接続される。閉止フランジは、なくされることができ、手動又は液圧式QCDC(既にジャンパホース12に接続されている)が、マニホルドのフランジに接続される。
【0045】
他の実施の形態は、ジャンパホース12の曲げを制御するために、ジャンパホース12内に配置されたケーブルを有する。このような1平面での曲げは、図3jに示されるように、ストッパのおかげで可能にされ、制限される。クライオライドに設置された小さなウインチは、マニホルドクレーン19の使用を必要とすることなく、ジャンパホース12を所望のモーメントで所望の方向に曲げさせることができる。
【0046】
図3kに示されるように、極低温移送ホースは、接続され、固定されて、図4に示され説明されるように、通常のLNGの輸送が、冷却で始まることができる。
【0047】
積出しが終わったとき、ジャンパホースの分離は、以下のように行われる。冷却後、ジャンパホース12は、分離されて、LNG運搬船2のマニホルドの領域のクレーン19を使用して、クライオライドに戻すように格納される。クライオライドは、海面に戻るように下げられて、サポート船舶18が、クライオライドに索具設備を戻すように格納する。そして、サポート船舶18は、クライオライドを後ろに牽引し、引張ケーブル17を分離する。そして、ホースリール15が、クライオライドをLNG−FPSO1に戻すようにたぐり寄せるか、Aフレーム支持構造体14に戻すように持ち上げられる。
【0048】
上で述べられたように、図4は、本発明に係る閉ループを形成するために、ホースがどのように互いに連結されるかを示している。極低温ホース3がフロー接続され、かくして閉ループを形成することが明確に示される。これは、移送開始前に、極低温移送ホースが冷却されることを可能にする。実際には、互いに連結されたホース内の冷却流体は、積出し前にホースを予冷するために、ポンピングされる。
【0049】
このような閉ループを有する他のキーポイントは、緊急の場合に、ERS13の上側部分及び下側部分が、PERCの手段によって分離されるということである。
【0050】
トラップされたLNGに対する2つの極低温移送ホース3は、スプール要素11によって互いに連結され、LNGCからの窒素を使用してパージされることができる。同様のスプール要素11は、極低温移送ホース3の端部を互いに連結し、FPSO貯蔵タンクに残りのLNGをパージするためにループを形成する。
【0051】
図5は、互いに連結され枢動する曲げ制限要素を備えた可撓性のジャンパが、曲げ制限要素内でガイドされ、かつ多機能ユニットに少なくとも1つの小さな補助ウインチに接続されたケーブルを用いて、マニホルドに向かってどのようにもたらされることができるかを示している。一方のケーブルが引き入れられ、他方が引き出されれば、ジャンパホースの端部はひっくり返り(方向転換し)、マニホルドの端部に向かって動かされる(過度の曲げは制限される)。逆の動作では、ジャンパホースは、多機能ユニットでの収容位置に再び押しやられる。
【0052】
図6aないし図6dは、図2dの実施の形態において、クライオライドが運搬船2のマニホルドから分離されるときの一連の工程を示している。これらの図では、液圧系が空中ジャンパホース12を曲げるために使用されることが明確にわかる。この実施の形態では、クライオライドにはリフティング設備が設けられており、このリフティング設備が、運搬船の船体に対してそれ自体を水から独立して(autonomously)持ち上げることを可能にすることに注目することもまた重要である。従って、特に、図1d並びに図6aないし図6dの実施の形態に示されるように、2つの液圧ウインチがクライオライドに装着され、2つのウインチケーブル28が、ミドシップマニホルドの位置で、運搬船のデッキの高さで2つの拠点に接続される。この接続は、支持タグボートから取り入れられた補助索によって達成される。
【0053】
また、水力は、支持タグボートから供給される。ホースリールのアンビリカル(umbilical)は、クライオライドの液圧系に動力を供給するためにクライオライドに接続される。持ち上げ動作の後、クライオライドは、ウインチからの水力を軽減させるために、係船鎖で固定される。
【0054】
液圧式アンビリカルは、手動又は遠隔操作で分離され、支持タグボートに巻き取られる。液圧系に動力を供給するいくつかのオプションは、以下の通りである。
クライオライドのHPU及びディーゼルエンジン。
サポート船舶からのアンビリカル。
LNGCのミドシップマニホルドの位置から直接のアンビリカル。
FLNGから船体中央部へのホーサを介してクライオライドまでのアンビリカル。
COOLホースによって伝送されるFLNGからのアンビリカル。
【0055】
さらに、ガイド手段が、多機能ユニットの持ち上げのために設けられる。
【0056】
移送ホース及びクライオライドがFPSOに格納されることができることがさらに注目されるべきである。
【0057】
さらに、第3のホイールが、この実施の形態に与えられることが明確にわかる。この第3のホイールは、2つの主機能を有する。第3のホイールは、この第3のホイールが運搬船の船体に接近したとき、(液圧系及びジャンパ空中ホース12のような)クライオライドの上部に位置された設備を保護することができる。さらに、第3のホイールは、水平位置から垂直位置へとより滑らかに移動することができる。
【0058】
本発明に係る他の代わりのデザインが、図7aに示される。よりいっそうコンパクトなデザインを得るために、特に、多機能ユニットのよりいっそうフラットなデザインを得るために、ジャンパホース12は短くされており、ひっくり返す(方向転換する)動きはもう必要とされない。(電動スイベルのような)いくつかのスイベル25を含む構成体は、ジャンパホースの端部と運搬船のマニホルド8との接続を可能にする。多機能ユニット6が正しい高さにあり、アクセスがより容易であるとき、ジャンパホース12は、マニホルド8と接続される直前に、多機能ユニット6に既に設置されるか、ユニット6に接続されることができる。
【0059】
図7bには、積出し前に、非専用LNG運搬船2に予め設置される移動式リフティング手段21が示される。図7に示される実施の形態では、リフティング手段21は、ウインチを備えたフレームと、マニホルドの高さに依存して変更される船外距離の液圧式ピストンとを有する。サポート船舶は、リフティング手段21をLNG運搬船2に運搬し、ここで、このリフティング手段21が、マニホルドクレーン(図示されない)を用いて運搬船のデッキに持ち上げられる。
【0060】
移動式リフティング手段21は、船体に海からクライオライド6を持ち上げることを可能にし、可撓性のジャンパホース12をマニホルドに接続するために必要とされる高さまでクライオライド6を持ち上げる。
【0061】
リフティング手段は、移動式リフティング手段と接続されるように、専用の海固定手段(sea fastening means)を使用してデッキにボルト締めされる。
【0062】
先の開示に照らして当業者にとって自明であるように、本発明の意図又は範囲から逸脱することなく、本発明の実施に際して多くの変更並びに修正が可能である。従って、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される内容に従って解釈される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積出しの形態で配置された、オフショアユニットと運搬船との間の流体の移送のための炭化水素移送構成体であって、
少なくとも1つの移送ホースと、1つのガスリターンホースとを具備し、
前記少なくとも1つの移送ホースの端部は、プロセス船舶と前記運搬船との間の前記移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに接続され、
前記浮遊式多機能ユニットは、水から持ち上げられ、水位よりも上の固定位置に保持されることができ、また、
前記浮遊式多機能ユニットには、前記移送ホースの端部と前記運搬船のミドシップマニホルドとの間の流体接続を形成するための接続手段と、前記接続手段から所定の距離に配置された、前記少なくとも1つの移送ホースのための緊急分離手段とが設けられている炭化水素移送構成体。
【請求項2】
2つの移送ホースの端部が、前記浮遊式多機能ユニットに接続される請求項1の炭化水素移送構成体。
【請求項3】
前記ガスリターンホースの端部は、前記浮遊式多機能ユニットに接続される請求項1又は2の炭化水素移送構成体。
【請求項4】
2つの浮遊式多機能ユニットが使用され、各々が、前記運搬船の側部でマニホルドに接続可能である請求項1又は2の炭化水素移送構成体。
【請求項5】
前記ガスリターンホースの端部は、分離浮遊式ユニットに接続される請求項1又は2の炭化水素移送構成体。
【請求項6】
前記ガスリターンホースは、前記運搬船の一方の側部でミドシップマニホルドに接続され、また、前記多機能ユニットは、前記運搬船の他方の側部でミドシップマニホルドに接続される請求項5の炭化水素移送構成体。
【請求項7】
前記多機能浮遊式ユニットに固定される前記ホースの数は、特定の状況及び環境で所望とされる流体移送構成体に応じて変更可能であることができる請求項1ないし6のいずれか1の多機能ユニット。
【請求項8】
冷却流体をポンピングすることによって、互いに連結されたホースを予冷するための閉ループを形成するためと、前記運搬船からの緊急分離の場合に前記ホースから液化ガスをパージするためとの少なくとも一方のために、一時的な流体接続が、前記多機能ユニットのところで2つのホースの端部の間に形成される請求項1ないし7のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項9】
一時的な流体移送ループが、移送ホースと前記ガスリターンホースとの間に形成される請求項8の流体移送構成体。
【請求項10】
前記ガスリターンホースは、前記運搬船からの前記多機能ユニットの緊急分離の場合に液化ガスを移送することが可能である請求項1ないし9のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項11】
前記ガスリターンホースは、−70℃で流体を移送することが可能なLPGホースである請求項1ないし8のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項12】
2つの隣接しているホースが、複数の分離部材によって互いに所定の間隔に保たれる請求項1ないし11のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項13】
前記ホースは、表面浮遊ホースである請求項1ないし12のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項14】
前記多機能ユニットには、
各々がホースの端部と接続された複数の浮力モジュールと、
前記ホースの端部と前記LNG運搬船のマニホルドとの間の距離にかかる可撓性のジャンパホースと、
前記ジャンパホースに接続されたスプール要素と、
前記ホースの端部の近くの緊急分離手段とが設けられている請求項1ないし13のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項15】
前記可撓性のジャンパホースには、前記ジャンパホースの端部の位置が、前記多機能ユニットに配置されたケーブル及びウインチを介して操作されることができるように、調節可能な曲げ制限体が設けられている請求項14の流体移送構成体。
【請求項16】
前記多機能ユニットには、前記運搬船のマニホルドのフランジに向かって前記ジャンパホースをガイドする液圧系が設けられており、これにより、運搬船とマニホルドとの少なくとも一方のタイプに関して前記マニホルドの外囲体の高さを収容することが可能である請求項14の流体移送構成体。
【請求項17】
前記液圧系には、前記多機能ユニットと、前記運搬船と、前記オフショアユニットとの少なくとも1つに位置された動力供給システムが設けられている請求項16の流体移送構成体。
【請求項18】
緊急の場合には、多機能ユニットに接続された全てのホースが、これらの緊急分離手段から分離される請求項1ないし17のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項19】
緊急分離の場合には、前記プロセス船舶に向かって、互いに連結されたホース中のトラップされた液化ガスをパージするように、閉ループが、少なくとも2つのホースの間で、分離された多機能ユニットの部分に形成される請求項1ないし18のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項20】
緊急分離の場合には、前記多機能ユニットの台が前記運搬船から分離された後、閉ループが、前記運搬船の前記ミドシップマニホルドに接続されたままになっている前記多機能ユニットのスプール要素の部分を介して形成される請求項1ないし19のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項21】
前記多機能ユニットには、浮遊しているときに浮力を与え、かつ、前記ユニットが水から持ち上げられて前記運搬船とプロセス船舶との少なくとも一方に接続されたときにフェンダとして使用されるモジュールが設けられている請求項1ないし20のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項22】
前記浮力モジュールは、前記ユニットが水から持ち上げられたときに前記運搬船の船体又はプロセス船舶の船体に対する摩擦を減少させるように、円筒形状の回転可能なホイールである請求項19の多機能ユニット。
【請求項23】
前記多機能ユニットには、遠隔制御推進エンジンが設けられている請求項1ないし22のいずれか1の多機能ユニット。
【請求項24】
前記多機能ユニットには、独立リフティング手段が設けられている請求項1ないし23のいずれか1の多機能ユニット。
【請求項25】
前記多機能ユニットには、非専用運搬船に予め設置される移動式リフティング手段が設けられている請求項1ないし24のいずれか1の多機能ユニット。
【請求項26】
オフショアユニットと運搬船との間の積出しの形態のための浮遊式多機能ユニットであって、
少なくとも1つのホースが、この浮遊式多機能ユニットに接続され、
前記ユニットは、運搬船のミドシップマニホルドに接続可能であり、
この多機能ユニットは、
a) 移送ホースの端部及び流体移送接続のために必要とされる特定の構成要素のための浮遊支持及び固定点として、及び、
b) 移送ホースの端部及び運搬船の前記ミドシップマニホルドの高さの近く、又はその高さのところにもたらされる特定の構成要素のためのリフティング装置として
機能する浮遊式多機能ユニット。
【請求項27】
タンデム形態で配置された、LNGプロセス船舶とLNG運搬船との間に、極低温流体のための移送構成体を設置する方法であって、
前記移送構成体は、少なくとも1つの極低温移送ホースと、ガスリターンホースとを具備し、
前記少なくとも1つの移送ホースの端部は、前記プロセス船舶と前記LNG運搬船との間の前記移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに接続され、
この方法は、
a) 前記浮遊式多機能ユニットを前記LNG運搬船のミドシップマニホルドの近くに移動させる工程と、
b) 前記ユニットを、前記LNG運搬船の船首と船尾との少なくとも一方の係留索のウインチに接続される少なくとも1つのケーブルに接続して、水位よりも上の所定の高さまで前記ユニットを持ち上げる工程と、
c) 前記LNG運搬船の固定点に接続された係留鎖に前記ユニットを懸吊することによって、持ち上げられた前記ユニットを固定する工程と、
d) 可撓性のジャンパホースを介して、前記ユニットへの前記ホースの端部と前記マニホルドとの間の流体接続を形成する工程とを具備する方法。
【請求項28】
前記ユニットの垂直位置決めが、マニホルドクレーンによって果される請求項26の方法。
【請求項29】
前記ユニットの垂直位置決めが、独立リフティング手段によって果される請求項26の方法。
【請求項30】
ガイド手段が、前記多機能ユニットの持ち上げのために設けられている請求項26の方法。
【請求項31】
浮遊式多機能ユニットが前記LNG運搬船の一方の側部でミドシップマニホルドに接続された後、ガスリターンホース、又はホースが設けられた第2の多機能ユニットが、前記LNG運搬船の他方の側部で前記ミドシップマニホルドに接続される請求項26又は27の方法。
【請求項32】
積出しの形態で配置された、LNGプロセス船舶とLNG運搬船との間の極低温流体の移送のための炭化水素移送構成体を冷却するための方法であって、
少なくとも1つの極低温移送ホースと、ガスリターンホースとを具備し、
両ホースの端部が、前記プロセス船舶と前記LNG運搬船との間の前記移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに接続され、
前記多機能ユニットのところで、前記2つのホースの端部が、閉ループを形成するように、互いに一時的に連結されて、前記移送ホースが、互いに連結された前記ホース内の冷却流体をポンピングすることによって冷却される方法。
【請求項33】
タンデム形態で配置された、LNGプロセス船舶とLNG運搬船との間の極低温流体のための炭化水素移送構成体を冷却するための方法であって、
少なくとも1つの極低温移送ホースと、ガスリターンホースとを具備し、
前記極低温移送ホースの端部が、前記プロセス船舶と前記LNG運搬船との間の前記移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに接続され、
前記多機能ユニットのところで、2つの極低温移送ホースが、閉ループを形成するように、互いに一時的に連結されて、両ホースが、互いに連結された前記ホース内の冷却流体をポンピングすることによって同時に冷却される方法。
【請求項34】
前記LNG運搬船の一方の側部で前記マニホルドに接続される2つの移送ホースは、LNGの移送のためのホースであり、また、前記LNG運搬船の他方の側部で前記マニホルドに接続される1つのホースは、ガスリターンホースである前記全ての請求項のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項1】
積出しの形態で配置された、オフショアユニットと運搬船との間の流体の移送のための炭化水素移送構成体であって、
少なくとも1つの移送ホースと、1つのガスリターンホースとを具備し、
前記少なくとも1つの移送ホースの端部は、プロセス船舶と前記運搬船との間の前記移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに接続され、
前記浮遊式多機能ユニットは、水から持ち上げられ、水位よりも上の固定位置に保持されることができ、また、
前記浮遊式多機能ユニットには、前記移送ホースの端部と前記運搬船のミドシップマニホルドとの間の流体接続を形成するための接続手段と、前記接続手段から所定の距離に配置された、前記少なくとも1つの移送ホースのための緊急分離手段とが設けられている炭化水素移送構成体。
【請求項2】
2つの移送ホースの端部が、前記浮遊式多機能ユニットに接続される請求項1の炭化水素移送構成体。
【請求項3】
前記ガスリターンホースの端部は、前記浮遊式多機能ユニットに接続される請求項1又は2の炭化水素移送構成体。
【請求項4】
2つの浮遊式多機能ユニットが使用され、各々が、前記運搬船の側部でマニホルドに接続可能である請求項1又は2の炭化水素移送構成体。
【請求項5】
前記ガスリターンホースの端部は、分離浮遊式ユニットに接続される請求項1又は2の炭化水素移送構成体。
【請求項6】
前記ガスリターンホースは、前記運搬船の一方の側部でミドシップマニホルドに接続され、また、前記多機能ユニットは、前記運搬船の他方の側部でミドシップマニホルドに接続される請求項5の炭化水素移送構成体。
【請求項7】
前記多機能浮遊式ユニットに固定される前記ホースの数は、特定の状況及び環境で所望とされる流体移送構成体に応じて変更可能であることができる請求項1ないし6のいずれか1の多機能ユニット。
【請求項8】
冷却流体をポンピングすることによって、互いに連結されたホースを予冷するための閉ループを形成するためと、前記運搬船からの緊急分離の場合に前記ホースから液化ガスをパージするためとの少なくとも一方のために、一時的な流体接続が、前記多機能ユニットのところで2つのホースの端部の間に形成される請求項1ないし7のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項9】
一時的な流体移送ループが、移送ホースと前記ガスリターンホースとの間に形成される請求項8の流体移送構成体。
【請求項10】
前記ガスリターンホースは、前記運搬船からの前記多機能ユニットの緊急分離の場合に液化ガスを移送することが可能である請求項1ないし9のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項11】
前記ガスリターンホースは、−70℃で流体を移送することが可能なLPGホースである請求項1ないし8のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項12】
2つの隣接しているホースが、複数の分離部材によって互いに所定の間隔に保たれる請求項1ないし11のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項13】
前記ホースは、表面浮遊ホースである請求項1ないし12のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項14】
前記多機能ユニットには、
各々がホースの端部と接続された複数の浮力モジュールと、
前記ホースの端部と前記LNG運搬船のマニホルドとの間の距離にかかる可撓性のジャンパホースと、
前記ジャンパホースに接続されたスプール要素と、
前記ホースの端部の近くの緊急分離手段とが設けられている請求項1ないし13のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項15】
前記可撓性のジャンパホースには、前記ジャンパホースの端部の位置が、前記多機能ユニットに配置されたケーブル及びウインチを介して操作されることができるように、調節可能な曲げ制限体が設けられている請求項14の流体移送構成体。
【請求項16】
前記多機能ユニットには、前記運搬船のマニホルドのフランジに向かって前記ジャンパホースをガイドする液圧系が設けられており、これにより、運搬船とマニホルドとの少なくとも一方のタイプに関して前記マニホルドの外囲体の高さを収容することが可能である請求項14の流体移送構成体。
【請求項17】
前記液圧系には、前記多機能ユニットと、前記運搬船と、前記オフショアユニットとの少なくとも1つに位置された動力供給システムが設けられている請求項16の流体移送構成体。
【請求項18】
緊急の場合には、多機能ユニットに接続された全てのホースが、これらの緊急分離手段から分離される請求項1ないし17のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項19】
緊急分離の場合には、前記プロセス船舶に向かって、互いに連結されたホース中のトラップされた液化ガスをパージするように、閉ループが、少なくとも2つのホースの間で、分離された多機能ユニットの部分に形成される請求項1ないし18のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項20】
緊急分離の場合には、前記多機能ユニットの台が前記運搬船から分離された後、閉ループが、前記運搬船の前記ミドシップマニホルドに接続されたままになっている前記多機能ユニットのスプール要素の部分を介して形成される請求項1ないし19のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項21】
前記多機能ユニットには、浮遊しているときに浮力を与え、かつ、前記ユニットが水から持ち上げられて前記運搬船とプロセス船舶との少なくとも一方に接続されたときにフェンダとして使用されるモジュールが設けられている請求項1ないし20のいずれか1の流体移送構成体。
【請求項22】
前記浮力モジュールは、前記ユニットが水から持ち上げられたときに前記運搬船の船体又はプロセス船舶の船体に対する摩擦を減少させるように、円筒形状の回転可能なホイールである請求項19の多機能ユニット。
【請求項23】
前記多機能ユニットには、遠隔制御推進エンジンが設けられている請求項1ないし22のいずれか1の多機能ユニット。
【請求項24】
前記多機能ユニットには、独立リフティング手段が設けられている請求項1ないし23のいずれか1の多機能ユニット。
【請求項25】
前記多機能ユニットには、非専用運搬船に予め設置される移動式リフティング手段が設けられている請求項1ないし24のいずれか1の多機能ユニット。
【請求項26】
オフショアユニットと運搬船との間の積出しの形態のための浮遊式多機能ユニットであって、
少なくとも1つのホースが、この浮遊式多機能ユニットに接続され、
前記ユニットは、運搬船のミドシップマニホルドに接続可能であり、
この多機能ユニットは、
a) 移送ホースの端部及び流体移送接続のために必要とされる特定の構成要素のための浮遊支持及び固定点として、及び、
b) 移送ホースの端部及び運搬船の前記ミドシップマニホルドの高さの近く、又はその高さのところにもたらされる特定の構成要素のためのリフティング装置として
機能する浮遊式多機能ユニット。
【請求項27】
タンデム形態で配置された、LNGプロセス船舶とLNG運搬船との間に、極低温流体のための移送構成体を設置する方法であって、
前記移送構成体は、少なくとも1つの極低温移送ホースと、ガスリターンホースとを具備し、
前記少なくとも1つの移送ホースの端部は、前記プロセス船舶と前記LNG運搬船との間の前記移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに接続され、
この方法は、
a) 前記浮遊式多機能ユニットを前記LNG運搬船のミドシップマニホルドの近くに移動させる工程と、
b) 前記ユニットを、前記LNG運搬船の船首と船尾との少なくとも一方の係留索のウインチに接続される少なくとも1つのケーブルに接続して、水位よりも上の所定の高さまで前記ユニットを持ち上げる工程と、
c) 前記LNG運搬船の固定点に接続された係留鎖に前記ユニットを懸吊することによって、持ち上げられた前記ユニットを固定する工程と、
d) 可撓性のジャンパホースを介して、前記ユニットへの前記ホースの端部と前記マニホルドとの間の流体接続を形成する工程とを具備する方法。
【請求項28】
前記ユニットの垂直位置決めが、マニホルドクレーンによって果される請求項26の方法。
【請求項29】
前記ユニットの垂直位置決めが、独立リフティング手段によって果される請求項26の方法。
【請求項30】
ガイド手段が、前記多機能ユニットの持ち上げのために設けられている請求項26の方法。
【請求項31】
浮遊式多機能ユニットが前記LNG運搬船の一方の側部でミドシップマニホルドに接続された後、ガスリターンホース、又はホースが設けられた第2の多機能ユニットが、前記LNG運搬船の他方の側部で前記ミドシップマニホルドに接続される請求項26又は27の方法。
【請求項32】
積出しの形態で配置された、LNGプロセス船舶とLNG運搬船との間の極低温流体の移送のための炭化水素移送構成体を冷却するための方法であって、
少なくとも1つの極低温移送ホースと、ガスリターンホースとを具備し、
両ホースの端部が、前記プロセス船舶と前記LNG運搬船との間の前記移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに接続され、
前記多機能ユニットのところで、前記2つのホースの端部が、閉ループを形成するように、互いに一時的に連結されて、前記移送ホースが、互いに連結された前記ホース内の冷却流体をポンピングすることによって冷却される方法。
【請求項33】
タンデム形態で配置された、LNGプロセス船舶とLNG運搬船との間の極低温流体のための炭化水素移送構成体を冷却するための方法であって、
少なくとも1つの極低温移送ホースと、ガスリターンホースとを具備し、
前記極低温移送ホースの端部が、前記プロセス船舶と前記LNG運搬船との間の前記移送ホースの運搬を果す浮遊式多機能ユニットに接続され、
前記多機能ユニットのところで、2つの極低温移送ホースが、閉ループを形成するように、互いに一時的に連結されて、両ホースが、互いに連結された前記ホース内の冷却流体をポンピングすることによって同時に冷却される方法。
【請求項34】
前記LNG運搬船の一方の側部で前記マニホルドに接続される2つの移送ホースは、LNGの移送のためのホースであり、また、前記LNG運搬船の他方の側部で前記マニホルドに接続される1つのホースは、ガスリターンホースである前記全ての請求項のいずれか1の流体移送構成体。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図3h】
【図3i】
【図3j】
【図3k】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図7a】
【図7b】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図3h】
【図3i】
【図3j】
【図3k】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図7a】
【図7b】
【公表番号】特表2012−509224(P2012−509224A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537383(P2011−537383)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【国際出願番号】PCT/NL2009/050704
【国際公開番号】WO2010/059052
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(506364042)シングル・ブイ・ムーリングス・インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【国際出願番号】PCT/NL2009/050704
【国際公開番号】WO2010/059052
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(506364042)シングル・ブイ・ムーリングス・インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】
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