説明

炭素材料の製造方法

【課題】グラフェンの集合体ともいえる薄層グラファイトの含有率の高い炭素材料を提供すること。
【解決手段】植物由来の木質系原料を、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化する炭化工程を実行するとともに、炭化工程を経て得られる炭化物を不活性ガス雰囲気下2000℃以上の温度で黒鉛化する黒鉛化工程を実行し、薄層グラファイト富化炭素材料を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素材料の製造方法に関し、具体的には、平均結晶子サイズが5nm以上あり、層間距離が0.340nm〜0.347nmである平滑面を有し、積層数が15層以下である薄層グラファイト(以下本願において単に薄層グラファイトと称する)を高効率に製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子系ナノ炭素物質はフラーレン、炭素ナノチューブの発見以来、ナノサイエンス、ナノテクノロジーの基本的物質として、大きな注目を集めている。これら炭素材料は、その高強度、高弾性率、高導電性等の優れた特性から各種の複合材料に使用されている。近年のエレクトロニクス技術の発展に伴ない、電磁波遮蔽材、静電防止材用の導電性フィラーとして、あるいは、樹脂への静電塗装のためのフィラーや透明導電性樹脂用のフィラーとしての用途が期待されている。また、摺動性、耐磨耗性が高い材料として電気ブラシ、可変抵抗器などの応用にも期待されている。さらに、高導電性、耐熱伝導性、耐エレクトロマイグレーションを有するため、LSI等のデバイスの配線材料としても注目を浴びている。
とりわけ2004年には、一枚のグラファイトシート(グラフェン)が発見され、Dirac型のフェルミ粒子の固体物理の基礎的な問題として、また、電子デバイス/スピンデバイス等の応用技術の側面から大きな関心を呼んでいる。グラフェンは、フラーレンや末端が閉じたナノチューブとは異なりシート端面が解放端であるために、それらとは異なる電子状態を形成し、特異な電子的・磁気的・化学的性質を発現することが、最近の理論や実験から明らかにされつつあり、炭素系分子素子としての発展が期待される。また、同時に、グラフェンの端の活性の問題は、二次電池等における電子授受の問題とも深く関わりをもち、電池技術への重要な貢献が期待される。
【0003】
グラフェンの作成方法としては、現在、HOPGや鱗片状天然黒鉛などの高結晶性の黒鉛をテープで丁寧にはがすことによって薄片を作成する方法やテトラヒドロフラン中に分散させた後超音波によって薄片を作成する方法が知られている。またAffoune et al.は、大きさが約5nmのナノダイヤモンドを電気泳動法により高配向熱分解グラファイト(HOPG)基板に適当な濃度で付着させ、アルゴン雰囲気中、1600℃で加熱すると、一枚のナノグラフェンが得られた、と報告している(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】A. M. Affoune、 B. L. V. Prasad、 H. Sato、 T. Enoki、 Y. Kaburagi and Y. Hishiyama: Chem. Phys. Lett.、 348、17 (2001).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようにして得られるグラフェン層は、せいぜい100nm2程度であり、グラフェンが形成される場所を制御できない。工業的に、グラフェンを製造するためには、グラフェン製造に適した前駆体構造を有する原料を見出すことが重要である。化石燃料であるコールタールやアスファルトは、人造黒鉛の製造原料として古くから用いられているが、これらを原料としてグラフェンを製造する方法については、報告されていない。炭化の初期段階で、芳香族化合物の積層構造体が形成され、重合反応が開始するため、グラフェンを直接製造することは困難と考えられる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑み、簡易な方法で工業的にグラフェンを製造する技術を提供することを目的とし、具体的にはグラフェンの集合体ともいえる薄層グラファイトの含有率の高い炭素材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一方、こうした原料系に対して、環境面で問題になりにくい炭素原料として木質系バイオマス原料が注目されている。こうした原料には、セルロースやリグニンが多く含まれている。こうした化合物は、芳香族性は低いが、六員環を含んでおり、かつ酸素架橋構造のようなsp3結合も存在するため、炭化反応時に芳香族化合物の積層が阻害されるため、易黒鉛化性炭素になり得ない。それ故、単一網面であるグラフェンを作成し得る原料として興味深い。
【0008】
〔構成〕
上記技術課題を解決するための本発明の炭素材料の製造方法の特徴構成は、
植物由来の木質系原料を、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化する炭化工程を実行するとともに、前記炭化工程を経て得られる炭化物を不活性ガス雰囲気下2000℃以上の温度で黒鉛化する黒鉛化工程を実行し、
平均結晶子サイズが5nm以上あり、層間距離が0.340nm〜0.347nmである平滑面を有し、積層数が15層以下である薄層グラファイトの含有率が高い薄層グラファイト富化炭素材料を得る点にある。
尚、本発明にいう薄層グラファイトとは、図9に示すように、グラファイトの部分構造に類似の構造をもつ化合物で、グラファイトの各層が、グラフェンとしての物性を失わない程度の大きさで積層したもので、結晶子サイズとは、図中積層構造が平面状に延びる範囲の大きさを指し、層間距離とは、各層を平面としたときの面間距離を指す。これらは、X線回折により簡易に求めることができ、核相の積層数、平面性については、電子顕微鏡写真により確認できる。
【0009】
〔作用効果〕
植物由来の木質系原料を、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化する炭化工程を実行すると、前記木質系原料に含まれる有機物は炭化し、ヘテロ原子の少ない炭化物に変換される。この炭化物を、不活性ガス雰囲気下2000℃以上の温度で黒鉛化する黒鉛化工程を実行すると、通常、前記炭化物は、平滑な多数の炭素層が積層した構造が、次第に大きく成長した黒鉛構造となるのであるが、この際、まず炭素層のsp2結合が成長してグラフェン構造を備えた多数の炭素層が形成され、その炭素層同士が積層して黒鉛構造を構成するように成長することが、本発明者らにより実験的に確認された。
つまり、前記黒鉛化工程を行うと、その黒鉛化の工程中に薄層グラファイト(平均結晶子サイズが50nm以上あり、層間距離が0.340nm〜0.347nmである平滑面を有し、積層数が15層以下である炭素材料を以後単にこのように称する)を生成していることが確認された。ここで薄層グラファイトの層間距離は、黒鉛の層間距離よりも十分長く、平滑面が、平滑性が高くかつ十分大きな結晶として成長した形態となっており、黒鉛化前の炭化物や黒鉛とは明らかに区別できる構造となっている。
また、2000℃未満で黒鉛化工程を行った場合、良好な薄層グラファイトが成長しないことが後述の実験により明らかになっている。
【0010】
このような薄層グラファイトは、前記炭化物、黒鉛と構造的に異なり従来の炭素材料とは異なる物性を発揮しうるものとして期待でき、例えば、半導体材料用途への応用が期待される。そこで、黒鉛化工程を行う際に、前記薄層グラファイトの含有率の高い状態を捉えることによって、薄層グラファイト富化炭素材料を得ることができ、前記薄層グラファイトの優れた物性を有効に活用することができる炭素材料を提供することができるようになった。
【0011】
〔構成〕
また、前記植物由来の木質系原料が、サトウキビを圧搾処理して得られるサトウキビバガスであることが好ましい。
【0012】
〔作用効果〕
前記植物由来の木質系原料は、元来ヘテロ原子を含むため、まず炭化して炭素骨格を六員環に整えながらヘテロ原子を除去した後、六員環となった炭素骨格から脱水素し、sp2結合を成長させることが必要になるものと考えられるが、前記サトウキビバガスは、六員環構造の元になるセルロースやリグニンを十分含んでいる一方、sp3構造も多く含んでおり、これが、黒鉛の積層構造の成長よりも、各層のグラフェン構造の成長を促す結果になっているものと考えられ、薄層グラファイト富化炭素材料を得るのに適した原料となっているものと考えられる。
【0013】
〔構成〕
また、前記薄層グラファイトの含有率が、20%以上であることが好ましい。
【0014】
〔作用効果〕
前述のように薄層グラファイト富化炭素材料の物性は、前記薄層グラファイトの物性を反映した物性となっているものと考えられるが、その含有率が低すぎると、黒鉛化工程まえの炭化物や黒鉛化の進みすぎた黒鉛の物性が強く現れ、薄層グラファイトの物性が十分反映されないおそれがある。そのため、前記薄層グラファイトの含有率が、20%以上であることが好ましい。尚、薄層グラファイトの含有率は、粉末X線回折(XRD)による002回折線をpseudo−Voigt関数を用いて波形分離し、そのピーク面積比より2θ=26°のピークの比率として求められるものである。
【0015】
〔構成〕
さらに、サトウキビを圧搾処理して得られるサトウキビバガスを、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化する炭化工程を実行するとともに、前記炭化工程を経て得られる炭化物を不活性ガス雰囲気下2000℃以上2500℃以下の温度で黒鉛化する黒鉛化工程を実行することが好ましい。
【0016】
〔作用効果〕
つまり、この薄層グラファイト富化炭素材料製造方法によると、黒鉛化工程を2000℃以上で行えば、約30%の薄層グラファイト含有率のものが得られることが後述の実施形態からわかっており、黒鉛化工程の温度が2500℃以下であれば、工業的にも簡便に実施可能な製造方法であるといえる。
【発明の効果】
【0017】
したがって、薄層グラファイトの物性を反映した新規な炭素材料を提供することができ、種々の適用分野での活用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】1600℃でバガスを黒鉛化した炭素材料の図
【図2】1800℃でバガスを黒鉛化した炭素材料の図
【図3】2000℃でバガスを黒鉛化した炭素材料の図
【図4】2200℃でバガスを黒鉛化した炭素材料の図
【図5】2400℃でバガスを黒鉛化した炭素材料の図
【図6】2600℃でバガスを黒鉛化した炭素材料の図
【図7】2800℃でバガスを黒鉛化した炭素材料の図
【図8】各黒鉛化温度による炭素材料の主要X線回折ピークの比較図
【図9】本発明の薄層グラファイトの概念図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の炭素材料の製造方法を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
【0020】
本発明の炭素材料の製造方法は、例えば、サトウキビを圧搾処理して得られるサトウキビバガス等の植物由来の木質系原料を、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化して炭化物を得る炭化工程、
前記炭化工程を経て得られる炭化物を不活性ガス雰囲気下2000℃以上の目標温度で0.5〜3時間黒鉛化する黒鉛化工程を順に実行する。ここでは、雰囲気温度を、2000℃までは500℃/H、2000℃〜2500℃では200℃/H、2500℃以上では50℃/Hで昇温することとができる加熱炉を用いている。尚、本発明者らは、黒鉛化工程における昇温速度および目標温度における保持時間は、得られる炭素材料の構造にはあまり影響を与えないことを実験的に知得している。
【0021】
これにより、X線にて分析すると、平均結晶子サイズが5nm以上あり、層間距離が0.340nm〜0.347nmである平滑面を有し、積層数が15層以下である薄層グラファイトが20〜30%の高い割合で含まれる薄層グラファイト富化炭素材料を得ることができることがわかった。
【0022】
以下に、本発明の炭素材料の製造方法のさらに詳細な実施形態を示す。
【0023】
〔実施形態〕
100℃であらかじめ乾燥したバガスを炭化炉にて窒素雰囲気下1000℃で3時間炭化した後、アルゴン雰囲気下種々の温度(1600−2800℃)で、3時間黒鉛化を行った。得られた黒鉛化バガスを、X線回折測定、TEM観察により、構造解析した。
図1〜7に得られた黒鉛化バガスの焼成温度と構造解析結果との関係を表に示すとともに、表1に、得られた黒鉛化バガスに含まれる薄層グラファイトの構造的特性をまとめた。
【0024】
【表1】

【0025】
図5に、2400℃でバガスを黒鉛化した炭素材料の顕微鏡写真(TEM)(a)およびX線回折(XRD)(b)を示す。この顕微鏡写真よりの均一な黒鉛シートが観察される。シートのエッジ部を拡大すると、15層程度積層した薄層グラファイトで形成されていることがわかる。また、この顕微鏡写真より、前記炭素材料は、全体の約30%が薄層グラファイト構造になっていることがわかる。また、顕微鏡写真を観察すると、図5(b)に示すX線回折結果から、薄層グラファイトの1つの特徴として観測される回折角2θ=25°〜27°のピークを観察すると、2θ=26°にするどいピークの観測から結晶化(黒鉛化)が進行しており、そのピーク位置から、ここで生成した薄層グラファイトは、層間距離0.340nm〜0.347nmのグラフェン構造が積層した構成であることがわかる。また、X線回折結果から、薄層グラファイトの別の特徴として観測される回折角2θ=42°〜43°のピークを観察すると、結晶子サイズ約5nm、薄層グラファイト含有率38.9%となっていることがわかる。(尚、X線回折結果とその解析手法は、Debyeの散乱強度式を拡張することにより、近似式を求めた、Hiroyuki Fujimoto et.al Carbon、39、(2001)1753−1761に基づいて行っている。また、薄層グラファイト含有率は、002回折線をpseudo−Voigt関数を用いて波形分離したときの回折角2θ=25°〜27°の総ピーク強度に対する、回折角2θ=26°のピーク強度の割合として求めたものである。)
【0026】
図6に、2600℃でバガスを黒鉛化した炭素材料の顕微鏡写真(TEM)(a)およびX線回折(XRD)(b)を示す。この顕微鏡写真よりの均一な黒鉛シートが観察される。シートのエッジ部を拡大すると、15層程度積層した薄層グラファイトで形成されていることがわかる。また、この顕微鏡写真より、前記炭素材料は、全体の約30%が薄層グラファイト構造になっていることがわかる。また、顕微鏡写真を観察すると、図6(b)に示すX線回折結果から、薄層グラファイトの1つの特徴として観測される回折角2θ=25°〜27°のピークを観察すると、26.5°付近のピークが成長し始めており、このピークに対応する薄層グラファイトの層間距離は0.3354nm〜0.340nmであることから、薄層グラファイトは生成しているものの、各層がグラフェン的性質から黒鉛的性質に変化し始めていることがわかる。また、結晶子サイズはX線回折結果から、回折角2θ=42°〜43°のピークを観察すると、結晶子サイズ5nm程度となっていることがわかる。
【0027】
図7に、2800℃でバガスを黒鉛化した炭素材料の顕微鏡写真(TEM)(a)およびX線回折(XRD)(b)を示す。この顕微鏡写真よりの均一な黒鉛シートが観察される。シートのエッジ部を拡大すると、15層程度積層した薄層グラファイトで形成されていることがわかる。また、この顕微鏡写真より、前記炭素材料は、全体の約48%が薄層グラファイト構造になっていることがわかる。また、顕微鏡写真を観察すると、図7(b)に示すX線回折結果から、薄層グラファイトの1つの特徴として観測される回折角2θ=25°〜27°のピークを観察すると、26.5°付近のピークがさらに成長し始めており、このピークに対応する薄層グラファイトの層間距離は0.3354nm〜0.340nmであることから、各層が黒鉛的性質に変化し始めているものの、薄層グラファイトの生成量も増加していることがわかる。また、結晶子サイズはX線回折結果から、回折角2θ=42°〜43°のピークを観察すると、結晶子サイズ15nm程度となっていることがわかる。
【0028】
図3,4に2000℃および2200℃においてバガスを黒鉛化した炭素材料の顕微鏡写真(TEM)(a)およびX線回折(XRD)(b)を示す(2200℃は、XRDのみ)。この顕微鏡写真よりの均一な黒鉛シートが観察される。シートのエッジ部を拡大すると、12層程度積層した薄層グラファイトで形成されていることがわかる。また、この顕微鏡写真より、前記炭素材料は、全体の約30%が薄層グラファイト構造になっていることがわかる。また、顕微鏡写真を観察すると、図6(b)に示すX線回折結果から、薄層グラファイトの1つの特徴として観測される回折角2θ=25°〜27°のピークを観察すると、26°付近のピークが成長し始めており、このピークに対応する薄層グラファイトの層間距離は0.3354nm〜0.340nmであることから、薄層グラファイトの各層がグラフェン的性質を持ちはじめていることがわかる。また、得られた炭素材料中に含まれる薄層グラファイトは、29.4%、27.2%と比較的高い割合になっている。
【0029】
また、1600℃および1800℃で黒鉛化工程を行った例(図1、2参照)を見ると、X線回折結果から、薄層グラファイトの1つの特徴として観測される回折角2θ=25°〜27°のピークが観測されず、薄層グラファイトの層構造が形成されていないか、生成していても微量であることがわかる。
【0030】
1600℃、1800℃で黒鉛化工程を行った場合に対して、図3〜図7に示すように、2000℃〜2800℃で黒鉛化工程を行った例では、26°付近のピークが現れ、薄層グラファイトの層構造が形成されていることがわかる。
【0031】
したがって、2000℃以上で本願の目的とする薄層グラファイトを含有する炭素材料を得ることができ、さらに、好ましくは2000℃〜2500℃で黒鉛化工程を行うことが好ましいことがわかる。
【0032】
薄X線回折ピークの回折角2θ=26°付近の拡大図を重ねあわせると(図8参照)、黒鉛化工程の温度を高くするにしたがって薄層グラファイトの1つの特徴として観測される回折角2θ=26°のピークが増加し、さらに温度を上げると回折角2θ=26.5°付近のピークが増加し始め、黒鉛化が進行していることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物由来の木質系原料を、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化する炭化工程を実行するとともに、前記炭化工程を経て得られる炭化物を不活性ガス雰囲気下2000℃以上の温度で黒鉛化する黒鉛化工程を実行し、
平均結晶子サイズが5nm以上あり、層間距離が0.340nm〜0.347nmである平滑面を有し、積層数が15層以下である薄層グラファイトの含有率が高い薄層グラファイト富化炭素材料を得る炭素材料の製造方法。
【請求項2】
前記植物由来の木質系原料が、サトウキビを圧搾処理して得られるサトウキビバガスである請求項1記載の炭素材料の製造方法。
【請求項3】
前記薄層グラファイトの含有率が、20%以上である請求項1又は2記載の炭素材料の製造方法。
【請求項4】
サトウキビを圧搾処理して得られるサトウキビバガスを、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化する炭化工程を実行するとともに、前記炭化工程を経て得られる炭化物を不活性ガス雰囲気下2000℃以上2500℃以下の温度で黒鉛化する黒鉛化工程を実行する炭素材料の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の炭素材料の製造方法により得られる平均結晶子サイズが5nm以上あり、層間距離が0.340nm〜0.347nmである平滑面を有し、積層数が15層以下である薄層グラファイトの含有率が高い薄層グラファイト富化炭素材料。

【図1】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−184134(P2012−184134A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48064(P2011−48064)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】