説明

炭素繊維糸条の製造方法

【課題】横型炭素化炉内で付着した珪素化合物を除去し、品位の優れた炭素繊維糸条の製造方法を提供すること。
【解決手段】シリコーン系油剤が付与されたポリアクリロニトリル系前駆体繊維糸条を酸化性雰囲気で200〜300℃で耐炎化し、得られた耐炎化繊維を不活性ガス雰囲気の炭素化炉で炭素化処理して炭素繊維糸条を製造する方法において、炭素化炉として横型炭素化炉を用い、該横型炭素化炉から出炉した炭素繊維糸条を液体で満たした槽に浸漬することを特徴とする炭素繊維糸条の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐炎化繊維糸条を焼成して炭素繊維糸条を製造するに際し、炭素化処理および黒鉛化処理での生産性向上および品位低下抑制可能な炭素繊維糸条または黒鉛化繊維糸条の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維は他の補強用繊維に比べて高い比強度および比弾性率をもつことから航空宇宙、スポーツおよび自転車・船舶・土木建築などの一般産業用途において、複合材料の補強繊維として工業的に幅広く利用されている。この炭素繊維は、一般にアクリロニトリル系繊維等をプリカーサーとして用い、酸化性雰囲気中200℃〜300℃以上の温度下で耐炎化処理した後、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中1200〜2000℃の範囲において炭素化処理し必要に応じて得られた炭素繊維を不活性ガス雰囲気中2000〜3000℃の範囲において炭素化炉で黒鉛化処理することにより得られる。
【0003】
しかしながら、プリカーサーを得る課程でシリコーン系油剤を用いた場合には、炭素化処理中にシリコーン系油剤に由来する珪素が高温炉構造材から気化する炭素や炭素繊維そのものに起因する炭素および不活性ガスとして使用する窒素などと結合することによって、炭化珪素或いは窒化珪素といった様々な珪素化合物などが生成されることが知られている。これらの化合物は炭素化炉の比較的低温部となる内壁に付着堆積し、ある一定の大きさまで成長するとその重さで堆積した珪素化合物などの一部または全部が落下して、珪素化合物と走行する炭素繊維の擦過により毛羽が発生したり、糸切れを招くこととなり、炭素繊維の品位低下および工程通過性を低下させる問題があった。
【0004】
炭素化炉内での珪素化合物などの付着物による毛羽の発生は、物理的にも化学的にも生じており、物理的な毛羽の発生は炭素繊維糸条が炉外のロールを経由する際に付着物が炭素繊維糸条と擦過することにより生じ、化学的な毛羽の発生は付着した珪素化合物などが炭素化処理時の1200〜3000℃の温度域で反応することにより生じる。また、これらの堆積物が炭素化炉内を走行する炭素繊維糸条に付着して最終製品まで混入した場合、炭素繊維とマトリックス樹脂間に異物として存在するため成形加工品の品位および品質の低下を招く。
【0005】
炭素化炉内で発生した珪素化合物等の付着物を走行する炭素繊維糸条から除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、付着物を除去するためにエアーを吹き付ける方法が使用されているために、付着物は除去出来たとしても走行する炭素繊維糸条へのダメージが大きく、かえって内在している毛羽が表面に現れ新たに単糸が破断されることなどで毛羽が発生して、炭素繊維の品位の劣化および工程通過性の低下を招く。
【0006】
また、水をシール液として満たした貯槽を下部に具備した縦型炭素化炉が提案されている。(特許文献2参照)このシールでは付着物に対して一定の洗浄効果はあるものの炭素化炉の開口部を水に浸けているために常時水蒸気が炉内に混入する恐れがあり、そのため特別な制御を行う必要があった。
【0007】
このように従来の技術では、炭素繊維の品位が優れた炭素繊維の製造方法が得られなかった。
【特許文献1】特開2003−313731号公報
【特許文献2】特開平10−251922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、横型炭素化炉内で付着した珪素化合物を除去し、品位の優れた炭素繊維糸条の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、次の構成を有する。すなわち、不活性ガス雰囲気中横型炭素化炉でシリコーン系油剤が付与された前駆体繊維糸条を酸化性雰囲気で200〜300℃で耐炎化して得られる耐炎化繊維糸条を炭素化処理して炭素繊維糸条を製造する際、炭素化炉から出た直後の炭素繊維糸条を液体で満たされた槽に浸漬して炭素繊維糸条から珪素化合物を除去する炭素繊維糸条の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
炭素化炉の出側に液体を満たした槽に炭素繊維糸条を走行させることで、珪素化合物などの付着物を沈殿して除去するとともに、糸収束性による毛羽立ちを防止する。また、炭素化炉出側の直近ローラー前で付着物を除去することでローラーと珪素化合物などの擦過による毛羽立ちも防止することによる炭素繊維糸条の品位および工程通過性を上げる。さらに、炭素繊維糸条への異物付着防止によりプリプレグなど次工程での操業性を保持し、コンポジット特性の低下を抑制する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において用いられる炭素繊維前駆体繊維糸条としては、アクリル系、ピッチ系、レーヨン系が挙げられるが、強度など品質に優れたアクリル系繊維糸条を用いることが好ましい。紡糸方法は乾式、乾湿式および湿式のいずれでも良い。前駆体繊維糸条の1糸条あたりのフィラメント数は1000〜300000本、好ましくは3000〜36000本、より好ましくは6000〜24000本の範囲である。フィラメント数が1000未満ではローラーとの擦過により毛羽が発生しやすく品位および工程通過性が低下する。また、300000本を越えると例えばプリプレグを加工する時に樹脂含浸斑が発生し、それに起因したボイドが形成されて、成型品の物性が低下する。耐炎化繊維糸条は、アクリル系繊維糸条等の前駆体を熱風循環炉で酸化性雰囲気中200〜300℃の温度下で耐炎化処理することで得られる。
【0012】
本発明における炭素化処理は、耐炎化繊維糸条を炭素化炉において不活性ガス雰囲気中で1200〜3000℃の温度下で熱処理することで行われるが、1200〜3000℃の温度域を複数の炭素化炉を分割した多段処理、或いは単一の炭素化炉内に1200〜3000℃の温度域を設けた一段処理のいずれであってもよい。不活性ガスは、ヘリウム、アルゴンなどの希ガスのほか窒素ガスなどを用いることができるが、コスト面から窒素が好ましい。炭素化炉の最高温度は1200〜3000℃、好ましくは1300〜2500℃の範囲である。温度が1000℃未満では、炭素繊維糸条の炭化が進まずに弾性率などの品質の低下を招く。また、温度が3000℃を越えると炭素化炉に莫大なエネルギーが必要でコストアップにつながるばかりでなく、炭素繊維糸条の各フィラメント内の炭素の結晶化が過度に進行して成型品の圧縮特性が低下する問題がある。炭素繊維前駆体繊維糸条に付与したシリコーン系油剤に由来する珪素化合物は、1000℃以上の温度領域で生成されることが知られており、炭素化炉の比較的低温領域で珪素化合物が炭素化炉内の内壁に堆積することから、2000℃以上の高温で炭素化処理する場合は、毛羽の発生が少ない1200〜2000℃の温度で一旦炭素化処理して、炭素化炉出側に液体を供給する槽に浸透させて珪素化合物を除去した後で2000℃以上の温度で黒鉛化することが好ましい。
【0013】
本発明においては、炭素化炉から出た直後の炭素繊維糸条をローラーに接触する前に液体で満たされた槽に浸漬させ、炭素繊維糸条への珪素化合物等の付着物を沈殿させ除去するものであり、多段処理或いは一段処理における炭素化炉から出炉した炭素繊維糸条に対して適用しうる。炭素化炉で形成される炭化珪素或いは窒化珪素等の珪素化合物などの付着物はその比重と液体の比重との差から、炭素繊維糸条の付着物は液体を満たした槽で沈殿させて除去出来る。
【0014】
本発明において、横型炭素化炉から出炉した炭素繊維糸条を浸漬する液体は化学的に安定で炭素繊維糸条と化学反応しない特性を有していれば良く、かかる液体としては水、アルコール、アセトン、ヘキサン等のような有機溶媒が挙げられるが、コストの観点から、水が好ましく用いられる。
【0015】
液体を満たした槽に浸漬させる炭素繊維糸条に付与する張力は、1〜7gf/tex、好ましくは1.5〜6.5gf/tex、より好ましくは2.5〜4.5gf/texである。炭素繊維糸条の張力が1gf/tex未満では珪素化合物などは除去できるものの、ローラーでの巻き付きが発生する。炭素繊維糸条の張力が7gf/texを越える場合、高張力のために珪素化合物などが炭素繊維に把持されて液体による除去が困難になるばかりでなく、単繊維が切れて毛羽や糸切れを発生させる。
【0016】
炭素繊維糸条への流速方向は特に限定しないが、走行している炭素繊維糸条への流速による衝撃を緩和させて毛羽立ちを抑制するために、炭素繊維糸条の進行方向と平行であり、糸の走行に対して向流または逆流に流して脱落物をろ過した後循環し、その一部を排液することが好ましい。液体で満たされた槽そのものの設置位置は、炭素化炉出の直近ローラー手前の炭素繊維糸条に対して行うことが好ましい。液体槽の液面はオバーフローさせ、炭素繊維糸条に浸漬けさせる。また、液体槽の液中を超音波振動させることが好ましい。また、槽内での排液方法および排液場所は特に限定しないが、槽の出側に孔状やスリット状の排出口を設けることができる。
【0017】
炭素化処理工程においては、炭素繊維糸条に付着した珪素化合物などは、そのほとんどが炭素繊維糸条表面に局所的に存在していることから、本発明による槽への浸漬による付着物の除去方法は、簡便でありながら効果的な方法であり、付着物が除去され毛羽の発生および糸切れの少ない高品位の炭素繊維糸条を効率的に製造することが可能である。
【0018】
前記液体として水を使う場合、炭素繊維糸条を浸漬する水の電気伝導度は、100μS/cm以下、好ましくは50μS/cm以下、さらに好ましくは10μS/cm以下であることが好ましい。水の電気伝導度が100μS/cmを越えると、ナトリウムをはじめとする金属イオンなど不純物が多量に含まれることになり、炭素繊維表面に不純物が付着するために、高次加工工程での接着不良や樹脂の硬化不良などの問題が生じる。水の種類は特に限定しないが、軟水、水道水、イオン交換水、蒸留水が挙げられるが、低い電気伝導度が得やすいのでイオン交換水や蒸留水が好ましい。
【0019】
炭素繊維を浸漬する水は、付着物を炭素繊維糸条から引き離すために、槽を通過する炭素繊維糸条1kgに対して0.5〜20リットルの液量を供給することが好ましい、より好ましくは1〜10リットルの範囲の液量である。液量が0.5リットルでは流速が弱く炭素繊維糸条から付着物除去することが困難になる場合がある。液量が20リットルを越える場合、ランニングコストが増加するとともに流速が速くなり、炭素繊維糸条の内在毛羽を新たに発生させて品位を低下させる場合がある。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中の評価は次の方法に拠った。
(付着物、毛羽の発生、糸切れ、判定)
設置した液槽出側と炭素化炉出側の直近ローラーとの間で得られた炭素繊維糸条をライトで照らし、1時間置きに1回1糸条当たり1分で10本の珪素化合物等の付着物、1cm以上の毛羽の発生を求め、それを24時間繰り返し一日当たりの合計数を求めた。また、得られた炭素繊維糸条100本の一日当たりの糸切れ回数を求めた。
(実施例1)
シリコーン系油剤を付与した単繊維繊度が1.1dtexで単繊維数24000本からなるアクリロニトリル系前駆体繊維糸条を酸素雰囲気中250℃で耐炎化処理して得た耐炎化繊維糸条を、窒素ガス雰囲気中で最高温度1800℃の炭素化炉において炭素化処理した。その後、炭素化炉出側に炭素繊維糸条1kgに対して伝導度が10μS/cmのイオン交換水を5リットル供給した槽に、張力を2.5gf/texを設定した炭素繊維糸条の進行方向と同方向に水流を形成して槽での珪素化合物などの沈殿除去を行った。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物等の付着物は認められなかったが、毛羽が2個/240min発生し、糸切れは認められなかった。コンポジット物性
(実施例2)
実施例1において、糸条の進行方向と逆方向に流速を流したこと以外同じ条件にし、付着物の沈殿または浮遊除去を行った。一旦走行する炭素繊維糸条から離れた珪素化合物の一部が再び付着し持ち出されてしまい、また、内在していた毛羽が発生し、品位が低下したが、珪素化合物などが除去された。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物などが8個/240min付着し、毛羽が25個/240min発生し、珪素化合物などの付着物および糸切れは認められなかった。
(実施例3)
実施例1において、炭素繊維糸条1kgに対してイオン交換水を20リットル供給したこと以外同じ条件にし、付着物の沈殿や浮遊による除去を行った。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物などの付着物は認められなかったが、毛羽が30個/240min発生し、糸切れが1本/日認められた。
(実施例4)
実施例1において、イオン交換水を炭素繊維糸条1kgに対して0.5リットル供給したこと以外同じ条件にし、付着物の沈殿・浮遊除去を行った。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物等の付着物が10個/240min付着し、それによる毛羽が20個/240minが発生し、糸切れは認められなかった。
(実施例5)
実施例1において、イオン交換水の電気伝導度が50μS/cm以外同じ条件にし、付着物の沈殿・浮遊除去を行った。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物等の付着物は認められなかったが、毛羽が3個/240min発生し、糸切れは認められなかった。
(実施例6)
実施例1において、イオン交換水の電気伝導度が100μS/cm以外同じ条件にし、付着物の沈殿・浮遊除去を行った。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物等の付着物は認められなかったが、毛羽が2個/240min発生し、糸切れは認められなかった。
(実施例7)
実施例1において、炭素繊維糸条の張力を1gf/texに設定した以外は同じ条件にし、付着物の沈殿・浮遊除去を行った。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物等の付着物は認められず、毛羽が5個/240min発生し、糸切れが1本/日認められた。
(実施例8)
実施例1において、炭素繊維糸条の張力を7gf/texに設定した以外は同じ条件にし、付着物の沈殿・浮遊除去を行った。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物等の付着物が7個/240min、毛羽が35個/240min発生し、糸切れが2本/日認められた。
(比較例1)
実施例1において、イオン交換水の電気伝導度を300μS/cmにした以外は同じ条件にした。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物などの付着物は認められず、毛羽が5個/日発生したが、糸切れは発生しなかった。しかし、炭素繊維糸条表面にナトリウムイオンが付着して、成型品加工で樹脂との塗れ性が低下して高次加工品の大幅な物性低下を招いた。
(比較例2)
実施例1において、槽にイオン交換水を供給しないこと以外は同じ条件にした。流速が槽内でなくなり、一旦走行する炭素繊維糸条から離れた珪素化合物などが再び付着し持ち出されてしまった。珪素化合物等の付着物が20個/240min、毛羽が40個/240min発生し、糸切れが2本/日認められた。
(比較例3)
実施例1において、イオン交換水の流速を25m/minの流速にしたところ、流速が強く珪素化合物は除去できるものの、内在していた毛羽が発生して品位の低下を招いた。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物などの付着物は認められなかったが、毛羽が60個/240min発生し、糸切れが3本/日認められた。
(比較例4)
実施例1において、炭素繊維糸条の張力を0.5gf/texにしたところ、内在した珪素化合物は除去できたが、ローラーでの糸たるみに起因する巻き付きが発生して、著しく工程通過性が低下した。得られた炭素繊維糸条には、珪素化合物などの付着物は発生しなかったが、毛羽が45個/240min発生し、ローラーへの巻き付きによる糸切れが4本/日認められた。
(比較例5)
実施例1において、炭素繊維糸条の張力を8gf/texに設定したところ、珪素化合物などが炭素繊維糸条に把持され、水流による除去ができなかった。さらに、高張力のために毛羽多発して巻き付きや糸切れを招いた。珪素化合物等の付着物が18個/240min、毛羽が110個/240min発生し、ローラーへの巻き付きによる糸切れが5本/日認められた。
【0021】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の一例を模式的に示している概略構成図である。
【符号の説明】
【0023】
1 炭素化炉
2 炭素繊維糸条
3 ローラー
4 槽
5 炭素繊維糸条の走行方向
6 液体供給
7 排液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン系油剤が付与されたポリアクリロニトリル系前駆体繊維糸条を酸化性雰囲気で200〜300℃で耐炎化し、得られた耐炎化繊維糸条を不活性ガス雰囲気の炭素化炉で炭素化処理して炭素繊維糸条を製造する方法において、炭素化炉として横型炭素化炉を用い、該横型炭素化炉から出炉した炭素繊維糸条を液体で満たした槽に浸漬することを特徴とする炭素繊維糸条の製造方法。
【請求項2】
前記横型炭素化炉から出炉した前記炭素繊維糸条を浸漬する前記液体が、電気伝導度が100μS/cm以下の水である請求項1記載の炭素繊維糸条の製造方法。
【請求項3】
前記横型炭素化炉を出炉した前記炭素繊維糸条を浸漬する前記槽において、前記炭素繊維糸条の進行方向に対し平行方向に液体の流れ生じせしめるように、前記槽を通過する炭素繊維糸条1kgに対して0.5〜20リットルの範囲で液体を供給する請求項1または2記載の炭素繊維糸条の製造方法。
【請求項4】
前記液体で満たした槽ににおける素繊維糸条の張力を1〜7gf/texの範囲に調整する請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維糸条の製造方法。
【請求項5】
前記横型炭素化炉において不活性ガス雰囲気中1200〜2000℃の範囲で前記耐炎化繊維糸条を炭素化処理する請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維糸条の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の方法によって得られた炭素繊維糸条を不活性ガス雰囲気中2000〜3000℃の範囲において炭素化炉で黒鉛化処理する黒鉛化繊維糸条の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−106405(P2010−106405A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281129(P2008−281129)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】