説明

炭酸水製造装置

【目的】逆止弁閉止力の低下を防ぎ、炭酸ガスの溶け込み量が多い、即ち、ガスボリュウムの高い炭酸水を製造することを可能とした炭酸水製造装置を提供する。
【構成】水リザーバ10に貯留している飲料水を加圧送出する水ポンプ11と、水ポンプ11が送出した加圧水のカーボネータタンク41内への通過を許可する給水弁17と、カーボネータタンク41からの逆流を防ぐ逆止弁を内設する水噴射ノズル50とを配設し、水ポンプ11の駆動と同時に給水弁17を開放して加圧水をカーボネータタンク41内に噴射し、水ポンプ11の駆動停止と同時に給水弁17を閉塞し、閉塞した給水弁17を所定時間経過後に暫時開放するように制御する制御部91を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ式飲料自動販売機や飲料ディスペンサなどの炭酸飲料供給装置に適用される炭酸水製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、炭酸飲料を販売するカップ式飲料自動販売機には、その内部に炭酸水製造装置が設けられている。この炭酸水製造装置は、円筒状のカーボネータタンクを有し、カーボネータタンクの上部に、加圧水を噴射する水噴射ノズル、炭酸ガスが所定の圧力で供給されるガスノズル、およびカーボネータタンク内の炭酸水の下限水位を検出する下限水位センサと上限水位を検出する上限水位センサを取り付け、カーボネータタンク内の下部に炭酸水吐出管を導入したものである。
下限水位センサが炭酸水の下限水位を検出すると、図6(a)のタイミングチャートに示すように、制御部は、給水弁(水電磁弁)を開く(開放する)とともに水ポンプ(加圧ポンプ)を駆動する。水ポンプは飲料水を加圧(略0.85MPa)して送出し、給水弁、逆止弁を介して水噴射ノズルからカーボネータタンク内の所定圧力(略0.55MPa)の炭酸ガス雰囲気中に加圧水を噴射すると、加圧水と炭酸ガスとの直接的な接触、および加圧水による攪拌効果により周囲雰囲気から炭酸ガスを巻き込み、炭酸ガスが水に溶け込んで炭酸水が製造され、カーボネータタンク内の下部に貯蔵される。そして、上限水位センサが炭酸水の上限水位を検出すると、制御部は、給水弁を閉じる(閉塞する)とともに水ポンプの駆動を停止し、カーボネータタンク内への加圧水の噴射を停止する。その後は、カーボネータタンクから必要量の炭酸水が炭酸水吐出管を介して外部に吐出される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−180064号公報(第3頁、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようにして、制御部は、給水弁を開くとともに水ポンプを駆動して加圧水を送出し、給水弁を閉じるとともに水ポンプの駆動を停止して加圧水の送出を停止する。この給水弁を開き水ポンプを駆動して加圧水を送出しているときは、給水弁の上流側圧力と下流側圧力は水ポンプの送出圧(略0.85MPa)と等しく、給水弁を閉じて水ポンプが送水を停止すると給水弁上流側圧力は大気圧まで低下するが、図6(b)の逆止弁上流側圧力(給水弁下流側圧力)図に示すように、給水弁下流側圧力は送出圧(略0.85MPa)が残り、その後徐々に給水弁下流側から上流側への圧力漏れにより、カーボネータタンク内の炭酸ガス雰囲気圧と同じ圧力(略0.55MPa)から略0.4MPa程度まで低下して安定する(発明者が行った実機テストから得たデータによる)。このように給水弁下流側と連通している逆止弁上流側圧力(略0.4MPaから0.55MPa)と逆止弁下流側圧力(カーボネータタンク内の炭酸ガス雰囲気圧と同じ略0.55MPa)との圧力差、所謂逆止差圧が小さくなる。この逆止弁に加わる逆止差圧が大きいと逆流を防ぐ逆止弁閉止力も大きいが、逆止差圧が小さいと逆止弁閉止力も小さくなる。特に、逆止弁上流側圧力と下流側圧力が略等しい場合には、逆止弁閉止力はスプリングの押圧力(略0.02MPa)のみとなり、逆止弁のボールや弁座(ゴムシート)に疵やゆがみがあると、カーボネータタンク内圧力が逆止弁の下流側から上流側へと徐々に漏れ、カーボネータタンク内の炭酸ガス雰囲気圧が所定の圧力(略0.55MPa)より低下して、ガスボリュウムの低い(炭酸ガスの溶け込み量の少ない)炭酸水となる。
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みて、逆止弁閉止力の低下を防ぎ、炭酸ガスの溶け込み量が多い、即ち、ガスボリュウムの高い炭酸水を製造することを可能とした炭酸水製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る炭酸水製造装置は、炭酸ガスで加圧されたカーボネータタンク内の炭酸ガス雰囲気中にカーボネータタンクの上方に設けた水噴射ノズルから加圧水を噴射して炭酸水を製造し、該炭酸水をカーボネータタンク内の下部に貯蔵するとともに、炭酸ガスのガス圧で炭酸水を外部に吐出する炭酸水製造装置において、
水リザーバに貯留している飲料水を加圧送出する水ポンプと、前記水ポンプが送出した加圧水の前記カーボネータタンク内への通過を許可する水電磁弁と、カーボネータタンクからの逆流を防ぐ逆止弁とを配設し、
前記水ポンプの駆動と同時に前記水電磁弁を開放して加圧水を前記カーボネータタンク内に噴射し、水ポンプの駆動停止と同時に水電磁弁を閉塞し、前記閉塞した水電磁弁を所定時間経過後に暫時開放するように制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の請求項2に係る炭酸水製造装置は、上述した請求項1において、前記逆止弁を前記水噴射ノズルに内設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、炭酸水製造装置において、水リザーバに貯留している飲料水を加圧送出する水ポンプと、前記水ポンプが送出した加圧水の前記カーボネータタンク内への通過を許可する水電磁弁と、カーボネータタンクからの逆流を防ぐ逆止弁とを配設し、前記水ポンプの駆動と同時に前記水電磁弁を開放して加圧水を前記カーボネータタンク内に噴射し、水ポンプの駆動停止と同時に水電磁弁を閉塞し、前記閉塞した水電磁弁を所定時間経過後に暫時開放するように制御する制御手段を設けたので、逆止弁閉止力の低下を防ぎ、カーボネータタンク内の圧力の漏れを防ぐことができるので、カーボネータタンク内の炭酸ガス圧力が所定の圧力(略0.55MPa)より低下することがなくなり、炭酸ガスの溶け込み量が多い、即ち、ガスボリュウムの高い炭酸水を製造することを可能とした炭酸水製造装置を提供することができるようになる。
【0008】
請求項2の発明によれば、前記逆止弁を前記水噴射ノズルに内設したので、逆止弁を単体で設ける場合に比べて、コンパクトに設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る炭酸水製造装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0010】
まず、本発明の実施例に係る炭酸水製造装置を適用したカップ式飲料自動販売機の回路構成を図1に基づいて説明する。なお、図1は本発明の実施例に係るカップ式飲料自動販売機の回路構成を説明する概念図である。ここで例示するカップ式飲料自動販売機1は、貨幣の投入後に利用者の要求に応じてホット飲料もしくはコールド飲料を生成し、これをベンドステージ2に供給したカップ3に注出するもので、製氷機6、水リザーバ10、水ポンプ11、冷却水槽15、水冷却コイル16、給水弁17、カーボネータ40、水噴射ノズル50、温水タンク60、コーヒー豆キャニスタ66、ミル67、コーヒーブリュア68などを備えている。
希釈液供給回路5は、冷水、炭酸水、湯などを供給するためのものであり、水リザーバ10、水ポンプ11、給水弁12を有している。給水弁12を開くと水道水は水リザーバ10に貯えられ、水ポンプ11を駆動することによって水リザーバ10から圧送される。水ポンプ11で圧送された飲料水は冷水回路13または温水回路14に送出される。冷水回路13に送出された飲料水は、冷却水槽15に浸漬した水冷却コイル16を経由することにより冷却される。
【0011】
水冷却コイル16には給水弁17と冷水管路18とが接続してある。また、給水弁17には、カップ3に炭酸水を供給するカーボネータ40が水噴射ノズル50を介して接続してあり、給水弁17を開いて水ポンプ11を駆動すると水噴射ノズル50からカーボネータ40に冷水(飲料水)が加圧されて(加圧水)供給される。
冷水管路18には、冷水弁20を介して冷水注出ノズル21が接続してあり、コールド飲料注出時(販売時)には冷水弁20を開いて水ポンプ11を駆動すると、冷水注出ノズル21からカップ3に冷水を注出する。
カーボネータ(炭酸水製造装置)40は、冷却水槽15に浸漬してある。カーボネータ40には、炭酸ガスボンベ22から炭酸ガスが供給され、この炭酸ガスが冷水に溶解して、冷水は炭酸水となる。カーボネータ40には、炭酸水弁23を介して炭酸水注出ノズル24が接続してあり、炭酸水弁23を開くと、炭酸ガスボンベ22から供給される炭酸ガスの圧力でカーボネータ40から押し出された炭酸水がカップ3に注出される。
【0012】
また、冷却水槽15には、複数のシロップ冷却コイル32が浸漬してあり、シロップ飲料の原液となる各種のシロップがそれぞれ貯蔵してある複数のシロップコンテナ30がシロップ売切装置36を介して接続してある。各シロップコンテナ30には、それぞれ、炭酸ガスボンベ22から炭酸ガスが供給され、シロップ冷却コイル32にはシロップ弁33を介してシロップ注出ノズル34が接続されている。そして、シロップ弁33を開くと、シロップコンテナ30に貯蔵してあるシロップが炭酸ガスボンベ22から供給される炭酸ガスの圧力で押し出され、シロップ売切装置36からシロップ冷却コイル32を通流したシロップは冷却されて、シロップ注出ノズル34からカップ3に注出される。
製氷機6は、製氷部と貯氷庫とを有していて、水リザーバ10から供給された水を製氷して貯氷庫で貯蔵し、アイス飲料を販売するときに貯氷庫に貯蔵している氷をアイスダクト(図示せず)からカップ3に供給する。
【0013】
給水弁25を介して温水回路14に供給された飲料水は、温水タンク60に貯えられ、温水タンク60内でヒータ(図示せず)により沸かされて湯になる。温水タンク60には、複数の湯弁61が配設してある。各湯弁61は、湯管路62によってミキシングボール63、コーヒーブリュア68またミキシングボール70に接続してあり、湯弁61を開くことにより、湯管路62を通って湯が供給される。
ミキシングボール63は、原料キャニスタ64から供給された粉末原料と、温水タンク60から供給された湯とを撹拌してホット飲料とした後に、ホット飲料注出ノズル65からカップ3に注出される。
コーヒーブリュア68は、コーヒー豆キャニスタ66から供給されたコーヒー豆をミル67で挽いた挽き豆に温水タンク60から供給された湯を注湯することによりコーヒー飲料を抽出する。また、コーヒー飲料の抽出滓は滓バケツ72に廃棄される。
【0014】
コーヒーブリュア68に接続してあるミキシングボール70は、原料キャニスタ69から供給された砂糖、クリーム等の粉末原料とコーヒー飲料とを撹拌した後に、コーヒー飲料注出ノズル71からカップ3に注出する。または、原料キャニスタ69から供給された粉末原料とコーヒー飲料と温水タンク60から供給された湯とを撹拌したアメリカンコーヒーを注出する。
以上説明したカップ式飲料自動販売機1において、ベンドステージ2に供給したカップ3に炭酸飲料を注出する場合には、まず、製氷機6からカップ3に氷を供給する。次に、注出する炭酸飲料の原料となるシロップコンテナ30に接続してあるシロップ弁33と炭酸水弁23とを開く。すると、シロップコンテナ30に貯蔵してあるシロップが炭酸ガスボンベ22から供給される炭酸ガスの圧力で押し出され、シロップ売切装置36、シロップ冷却コイル32を通ってシロップ注出ノズル34からカップ3に供給される。一方、カーボネータ40内の炭酸水は炭酸ガスボンベ22から供給される炭酸ガスの圧力で押し出され、炭酸水注出ノズル24からカップ3に供給される。このようにしてカップ3に供給されたシロップと炭酸水と氷とはカップ3内で混合され、炭酸飲料となる。
【0015】
また、カップ3にコーヒー飲料を注出する場合には、コーヒー豆キャニスタ66のコーヒー豆をミル67で挽いた挽き豆をコーヒーブリュア68に供給する一方、コーヒーブリュア68に接続した湯弁61を開いて温水タンク60に貯えている湯を湯管路62を介してコーヒーブリュア68に供給する。そして、挽き豆からコーヒー成分を抽出し、ミキシングボール70にコーヒー飲料を供給する。ミキシングボール70では、原料キャニスタ69から砂糖、クリームなどの粉末原料を、さらに飲料の種類によっては温水タンク60に貯えている湯を加えて撹拌混合した後に、コーヒー飲料注出ノズル71からカップ3にコーヒー飲料を注出する。
図2は、図1に示したカップ式飲料自動販売機1のカーボネータ40の構造を示す側断面図である。41はカーボネータタンク(密閉容器)であり、該タンク41には外部から炭酸ガス46を導入するガスノズル42、タンク41内の上部から加圧水47を下向きに噴射する水噴射ノズル50を嵌着させるノズルベース43、タンク41内に貯蔵した炭酸水48を外部に吐出する炭酸水吐出管44、および水噴射ノズル50の下方に対峙してタンク41内の中段に配した受皿45、および、図示しない炭酸水の上限水位を検出して上限水位信号を出力する上限水位センサ93、炭酸水の下限水位を検出して下限水位信号を出力する下限水位センサ94(図4参照)を備え、炭酸ガスボンベ22(図1参照)からガスノズル42を通じてタンク41内に供給した炭酸ガス46の雰囲気中に水噴射ノズル50から加圧水47を噴射して炭酸水48を製造し、炭酸水弁23(図1参照)を開くとタンク41内に貯蔵した炭酸水48を炭酸水吐出管44を通じて吐出する。
【0016】
図3は、水の逆流を防止する逆止弁を内設する水噴射ノズル50の構造を示す側断面図である。図3(a)は、水噴射ノズル50内の流路を逆止弁で閉鎖している状態を示し、加圧水が流入する流入部51a、51bを有する接続端51と、この接続端51にねじ接続することにより、ゴムシート52にボール54を押圧して水の逆流を防止するスプリング55を内設する弁ケース56と、弁ケース56とねじ接続され、流出部56a、流出穴56bから流出した加圧水を噴射させる噴射孔57aを有するノズル57と、ゴムシート52を装着するワッシャ53を有し、ゴムシート52、ボール54およびゴムシート52にボール54を押圧するスプリング55で逆止弁を構成する。また、水噴射ノズル50とノズルベース43との間からの炭酸ガス漏れ防止用Oリング58、弁ケース56とノズル57との間からの加圧水漏れ防止用Oリング59を備える。
【0017】
そして、加圧水が接続端51から圧送されると、図3(b)に示すように、ボール54が流入する加圧水圧で押し下げられて(図中下方向)、ゴムシート52とボール54との間に生じた隙間から流入した加圧水が流出穴56bを介してノズル57の噴射孔57aから噴射される。このように、接続端51にねじ接続する弁ケース56内にゴムシート52にボール54を押圧して水の逆流を防止するスプリング55を内設することにより、逆止弁を単体で設ける場合に比べて、コンパクトに設けることができる。
図4は、カップ式飲料自動販売機1の制御系を示すブロック図である。図4に示すようにカップ式飲料自動販売機1は、自販機制御部90および制御部(制御手段)91を備えている。自販機制御部90は、商品選択ボタンDおよび硬貨処理部Nの動作を制御するものである。具体的には、カップ式飲料自動販売機1のコイン投入口から硬貨が投入された場合、自販機制御部90は、硬貨処理部Nを通じてその正偽を判定し、正貨であった場合にさらに投入金額の認識を行う。商品販売に必要とする金額の硬貨が投入された場合、自販機制御部90は、商品選択ボタンDを有効化し、さらに有効化した商品選択ボタンDが押下された場合、商品選択信号を制御部91に与える。制御部91は、自販機制御部90から商品選択信号が与えられた場合、予めメモリ92に格納したプログラムやデータに従って、カップ式飲料自動販売機1各部の飲料供給制御を行う。
【0018】
下限水位センサ94が炭酸水の下限水位を検出して下限水位信号を出力すると、図5(a)のタイミングチャートに示すように、制御部91は、給水弁17(水電磁弁)を開く(開放する)とともに水ポンプ11を駆動する。水ポンプ11は水リザーバ10に貯留している飲料水を圧送(略0.85MPa)し、給水弁17を介して水噴射ノズル50からカーボネータタンク41内の炭酸ガス雰囲気中(略0.55MPa)に加圧水を噴射すると、加圧水と炭酸ガスとの直接的な接触、および加圧水による攪拌効果により周囲雰囲気から炭酸ガスを巻き込み、炭酸ガスが冷水に溶け込んで炭酸水が製造され、カーボネータタンク41の下部に貯蔵される。そして、上限水位センサ93が炭酸水の上限水位を検出して上限水位信号を出力すると、制御部91は、給水弁17を閉じる(閉塞する)とともに水ポンプ11の駆動を停止し、カーボネータタンク41内への加圧水の噴射を停止する。なお、カーボネータ40の仕様例を数値で表すと、内容積が2リットルのカーボネータタンク41に対して、給水量を200ml/10sec に設定し、カーボネータタンク41からの炭酸水吐出に伴う水位低下に合わせて炭酸ガス、冷水を補給制御して定量の炭酸水を常時貯蔵させるようにしている。
【0019】
給水弁17を開き水ポンプ11を駆動して加圧水を送出しているときは、給水弁17の上流側圧力と下流側圧力は水ポンプ11の送出圧(略0.85MPa)と等しく、給水弁17を閉じて水ポンプ11が送水を停止すると給水弁17上流側圧力は大気圧まで低下するが、図5(b)の逆止弁上流側圧力(給水弁17下流側圧力)図に示すように、給水弁17下流側圧力は送出圧(略0.85MPa)が残り、その後給水弁17下流側から上流側への圧力漏れにより徐々に内圧が低下する。この給水弁17を閉じて所定時間(例えば、3秒間)経過後、給水弁17を暫時(例えば、0.5秒間)開く。このように給水弁17を閉じた後、再度給水弁17を開くと、給水弁17下流側圧力が水ポンプ11側に拡散されるので、略0.2MPaまで強制的に圧力を下げることができる。なお、大気圧まで下げるために給水弁17を開けている時間を長くすると給水弁17の寿命が短くなるが、発明者が行った実機テストから開放時間を0.5秒間とすると給水弁17の寿命に殆ど影響を与えないことが確認されている。
【0020】
このように給水弁17を再度暫時開くことにより給水弁17下流側圧力と等しい接続端51の流入部51bの圧力を略0.2MPaまで低下させることにより、逆止弁閉止力は、スプリング55の押圧力(略0.02MPa)にその逆止差圧略0.35MPaを加えた押圧力となるので、ボール54をゴムシート52に押し付ける力が強くなり、ボール54やゴムシート52に疵やゆがみがあっても、カーボネータタンク41内の圧力が漏れることがなくなるので、カーボネータタンク41内の炭酸ガス圧力が所定の圧力(略0.55MPa)より低下しなくなり、炭酸ガスの溶け込み量が多い、即ち、ガスボリュウムの高い炭酸水を製造することができる。
以降、制御部91は、下限水位センサ94から炭酸水の下限水位信号が与えられるたびに上述した動作を繰り返し実行し、炭酸水を製造する。
【0021】
以上説明した本実施例に係るカップ式飲料自動販売機1によれば、カーボネータ40に嵌着させた水噴射ノズル50のボール54やゴムシート52に疵やゆがみがあっても、水リザーバ10に貯留している飲料水を加圧送出する水ポンプ11と、水ポンプ11が送出した加圧水のカーボネータタンク41内への通過を許可する給水弁17と、カーボネータタンク41からの逆流を防ぐ逆止弁を内設する水噴射ノズル50とを配設し、水ポンプ11の駆動と同時に給水弁17を開放して加圧水をカーボネータタンク41内に噴射し、水ポンプ11の駆動停止と同時に給水弁17を閉塞し、閉塞した給水弁17を所定時間(例えば、3秒間)経過後に暫時(例えば、0.5秒間)開放するように制御する制御部91を設けたので、給水弁17の下流側圧力と等しい接続端51の流入部51bの圧力を略0.2MPaまで低下させることができるので、逆止弁閉止力がスプリングの押圧力(略0.02MPa)にその逆止差圧略0.35MPaを加えた押圧力となるので、ボール54をゴムシート52に押し付ける力が強くなり、カーボネータタンク41内の圧力が漏れることがないので、カーボネータタンク41内の炭酸ガス圧力が所定の圧力(略0.55MPa)より低下することがなくなるので、炭酸ガスの溶け込み量が多い、即ち、ガスボリュウムの高い炭酸水を製造することができる炭酸水製造装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態である炭酸水製造装置を備えたカップ式飲料自動販売機の回路構成を説明する概念図である。
【図2】本発明の実施の形態である炭酸水製造装置の構造を示す側断面図である。
【図3】本発明の実施の形態である炭酸水製造装置の水の逆流を防止する逆止弁を内設する水噴射ノズルの構造を示す側断面図である。
【図4】図1に示したカップ式飲料自動販売機の制御系を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態である炭酸水製造装置を示すタイミングチャートおよび逆止弁上流側圧力図である。
【図6】従来の炭酸水製造装置を示すタイミングチャートおよび逆止弁上流側圧力図である。
【符号の説明】
【0023】
1 カップ式飲料自動販売機
2 ベンドステージ
3 カップ
5 希釈水供給回路
6 製氷機
10 水リザーバ
11 水ポンプ
13 冷水回路
15 冷却水槽
16 水冷却コイル
17 給水弁
22 炭酸ガスボンベ
23 炭酸水弁
24 炭酸水注出ノズル
40 カーボネータ
41 カーボネータタンク
42 ガスノズル
43 ノズルベース
44 炭酸水吐出管
45 受皿
46 炭酸ガス
47 加圧水
48 炭酸水
50 水噴射ノズル
51 接続端
52 ゴムシート
53 ワッシャ
54 ボール
55 スプリング
56 弁ケース
57 ノズル
60 温水タンク
66 コーヒー豆キャニスタ
67 ミル
68 コーヒーブリュア
90 自販機制御部
91 制御部
92 メモリ
93 上限水位センサ
94 下限水位センサ
D 商品選択ボタン
N 硬貨処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸ガスで加圧されたカーボネータタンク内の炭酸ガス雰囲気中にカーボネータタンクの上方に設けた水噴射ノズルから加圧水を噴射して炭酸水を製造し、該炭酸水をカーボネータタンク内の下部に貯蔵するとともに、炭酸ガスのガス圧で炭酸水を外部に吐出する炭酸水製造装置において、
水リザーバに貯留している飲料水を加圧送出する水ポンプと、前記水ポンプが送出した加圧水の前記カーボネータタンク内への通過を許可する水電磁弁と、カーボネータタンクからの逆流を防ぐ逆止弁とを配設し、
前記水ポンプの駆動と同時に前記水電磁弁を開放して加圧水を前記カーボネータタンク内に噴射し、水ポンプの駆動停止と同時に水電磁弁を閉塞し、前記閉塞した水電磁弁を所定時間経過後に暫時開放するように制御する制御手段を設けたことを特徴とする炭酸水製造装置。
【請求項2】
前記逆止弁を前記水噴射ノズルに内設したことを特徴とする請求項1に記載の炭酸水製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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