説明

点固定式ガラスパネルを有するモジュラー式パネルシステム、その使用および防音壁の組み立て方法

【課題】モジュールシステムは、該システムの個々のパネルエレメントの簡単かつ安全な組み立てを可能にし、殊に組み立て時間の短縮を可能にする。
【解決手段】矩形であり、かつ二つの水平エッジならびに二つの垂直エッジを有する透明ガラスパネル20と、水平に延びる少なくとも二つの形材33,34および垂直に延びる少なくとも二つの形材31,32を有するキャリアフレーム骨格/キャリア30とは、多数のスプリング補助式サスペンション手段によって点式固定40されており、該キャリア30の少なくとも二つの水平に延びる形材33,34は、それぞれ、該透明ガラスパネル20の二つの垂直エッジの少なくとも1つから突出しており;垂直に延びる二つの形材31,32の一つは、少なくとも二つの水平形材33,34の第一の端部に配置されるようにモジュール式パネルシステムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点固定式ガラスパネルを有する、殊に防音壁(モジュール式NBWシステム)用のモジュール式パネルシステムに関する。加えて本発明は、防音壁の組み立て方法およびガラスパネル、フレームおよびスプリング点−保持システムから成るモジュール式システムの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
好ましくは、防音壁を構築するためのパネルシステムは、一般に、数平方メートルの大きさのパネル、殊に透明ガラスパネルから成り、その際、該パネルは並んで配置されており、かつ、それぞれ二枚の隣接したパネルはキャリア(support)によって一つにされ、かつ基部に固定される。通常、このキャリアはI型ビームであり、かつ二枚の隣接したパネルは互いにいくらか間隔を空けて該キャリアの一方のTに支えられており、かつゴム形材で保護されている。該パネルは平鋼部材により保持されており、該部材は、I型ビームの方向に向いたパネルの端部領域に載置されており、かつ二つのパネル間のギャップを複数の締め付けネジで留めることによってI型ビームと接合されている。
【0003】
このタイプの防音壁は比較的容易に構築することができ、この場合、キャリアエレメントに関して費用が掛からず、かつ該パネルを許容され得る形で固定する。しかしながら、要求される、そのつど50mmのクランプ全長を保証するために、該キャリアの支柱が非常に大きな幅を持つという欠点がある。
【0004】
これらのキャリアにプラスチック板がはめ込まれる場合、この据え付け方法は、該板を支持受けなしに形成することができるが、該方法は、支柱とプラスチック板との僅かな角度運動を許すことによって、補足的な技術仕様Laermschutzwand(noise barrier wall) 1988(ZTV LSW 06)に拠った50mmの動荷重下での最大撓みの要求を遵守するのにマイナスの作用を伴う。
【0005】
DE−U8524319.1もしくはEP−A0213521は、垂直の支柱間の透明プラスチックの大表面積板を有する防音壁を組み立てるためのガラス桟窓を開示している。I型ビームの代わりに、これらのシステムの場合、その寸法に関してI型ビームに相当している矩形管を使用することも可能である。個々のパネルは、互いに間隔をとって矩形管の一側面に適用され、かつクランプレールおよび相応する数のネジによって、個々のパネル間のギャップを留めることで該矩形管に対してクランプされる。この構造は十分に耐風性であるが、しかしながら、このために比較的幅を持つ矩形管が必要とされる。
【0006】
これに関する措置を、例えばEP−A−0530512が提供する。この文献中には、ガラスパネルが同一平面上で間隔をとって敷設されているのではなく、または、本質的にキャリアの支持面の外側でオーバーラップする形で敷設されているのではなく、むしろ、オーバーラップ部分とキャリア上の支持面とを介して互いに部分的にオーバーラップしながら該キャリアと固定されているパネルシステムが開示される。結果として、要求されるキャリア幅が、安定性を損なうことなく、およそ半減させられる。これは殊にウォールシステムにおいて、および透明な防音壁の場合に特に、光学的により好ましい印象を付与するにも関わらず(なぜなら、該キャリアは細いので、もはや従来のように見苦しい外観を持たない)、EP−A−0530512から公知の技術は、依然として約2メートルの比較的僅かな支柱間隔ならびに3メートルまでの全体の高さにわたってパネルがガイドされる必要がある。
【0007】
そのため既に、支柱間の間隔も自由突出高さも増大することができる方法について提案がなされていた。これに関する一提案は、例えばDE−A4230786から読み取ることができる。その中で開示される防音壁セグメントは、本質的に矩形のフレームを有し、そのエッジで2つの垂直なキャリア支柱の形材に挿入することができ、かつ、この中にロックアウトすることができる。2つの垂直なフレーム部材、下部のフレーム部材ならびに二つの部分に分かれた上部の水平フレーム部材から成るフレーム自体には、取り外し可能にその中に保持されているプラスチック製の吸音パネルが挿入されている。この場合、該フレームは単に、吸音パネルの高さの約2/3の高さしか持つ必要がないので、それによって50%までの突出高さが達成可能である。該突出高さおよび6メートルまでの支柱間隔における拡大によって、さもなければ公知の防音壁の場合の連続した支柱間の短い間隔によって強く損なわれている可視性が著しく改善されているにも関わらず、殊に、そのような防音壁の外観は依然として重々しく、かつ圧迫感がある。
【0008】
"より軽質な"外観の実現を改善するめざましい発展は、EP0908563A1によってなされている。該文献中には、少なくとも1つのプラスチック防音パネルと、パネルをキャリアに固定するための少なくとも1つの手段とを有する防音壁セグメントが開示されている。この場合、該パネルは、荷重下で生じる該パネルの曲げ線が固定手段によって随伴可能となるように柔軟性を持たせる形で点状に取り付けられている。ここで、用語の"随伴可能"とは、固定エレメントが荷重下で該パネルの曲げ線と平行に配向させられており、かつ、それによってパネルの破断につながり得る応力ピークの発生を防ぐことを意味する。これは好ましくは、固定手段が、キャリアの一方の端部で固定することができ、その他方の端部で、パネル中に準備された切欠き部および、それと密接するパネル外面の両側に配置されたディスクエレメントの少なくとも1つを貫通するボルトを有することによって達成することができ、その際、該切欠き部には、その高さが固定されるべきパネルの厚さより大きい弾性スプリングエレメントが配置されており、かつ、その際、該ボルトはディスクエレメント中で球形に取り付けられている。
【0009】
上述のように、光学的に極めて"軽質な"構造は可能であるけれども、EP0908563A1の中で開示される構造は、依然としてある一定の欠点を有する。該欠点に含まれるのは、なかでも、該パネルが実際には自由に点状に吊り下げられないことである。むしろ、パネルの重みは、下にあるフレーム構造によって支えられなければならないか、または該パネルは、その下にあるコンクリートエレメントまたはアルミニウムエレメントに載置されていなければならない。つまり、該パネルは自由には吊り下げることができない。それゆえ望ましいとされるのは、該パネルを全6方向に、いわば"自由に回動可能"にするポイントサスペンションを有することである。
【0010】
概して、これらの欠点は、DE102004006359A1またはPCT/EP2005/00623に記載の防音エレメント用のスプリング補助式サスペンションによって克服される。この文献中には、スプリングおよび2つのスプリングマウントを有する防音エレメント用のスプリング補助式サスペンションが開示されており、その際、1つのスプリングマウントはサスペンション装置に固定されており、かつ該スプリングは第一のスプリングマウント上に取り付けられており、第二のスプリングマウントは、クランプディスクによって防音エレメントの開口部に固定されており、スプリングの少なくとも3つの巻き数(turns)が残ったままとなるようにスプリングに取り付けられている。
【0011】
スプリングマウントによって極めて高度の柔軟性を有する固定点が得られるので、全方向からNBWに対して作用し得る荷重の非常に均一な吸収および分散が全ての荷重吸収点(固定点)で生じ得る。
【0012】
優れた荷重吸収特性および荷重分散特性に関わらず、DE102004006359A1に記載の固定システムは、日常的な慣用において初めて明らかとなるような、依然としてある一定の欠点を有している。現場でのパネルの組み立てと、個々のパネルをより大きな防音壁へと集成する場合、部分的に非常に妨げとなり得るか、または、ほとんど克服することができない位置決めの問題が起こり得る。一般的に、ガラスパネルから成る防音壁の構築に際して、最初は、土台に、ピラー、スタンドまたはキャリアが、例えば3メートルまたは6メートルの相互に隔たった適切な間隔で取り付けられる。ピラーまたはスタンドは、例えばI型ビームとして形成されており、かつ防音パネルの収容に用いられる。しかしながら、パネルは土台キャリア中には直接に組み込まれず、むしろ、該パネルは土台キャリア間に延びる形材または形材フレーム骨格に接合される。標準的には、I型ビームとして形成されている二つの隣接する土台支柱間に嵌合された二つの水平キャリアおよび二つの垂直キャリアを有するフレーム骨格が使用され、その際、該キャリアの二つの垂直形材がI型ビームに、好ましくは形状嵌合的に接合される。次いで、二つの水平キャリアは該パネルの固定に用いられる。該パネルが、工場で前もって穴を開けられたスプリング収容用開口部を有する場合、すでに極めて小さな公差が、現場での組み立てにおける長い遅延につながり得る。この場合、簡単に、確実に、かつ迅速に組み立てることのできるNBW用システムが非常に望ましいとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】DE−U8524319.1
【特許文献2】EP−A0213521
【特許文献3】EP−A−0530512
【特許文献4】EP0908563A1
【特許文献5】DE102004006359A1
【特許文献6】PCT/EP2005/00623
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
たしかに具体的には言及していないものの、しかしながら、従来技術の冒頭部の議論から容易に推論され得るか、または当然のように導き出せ得る、この課題ならびに他の課題は、請求項1の全ての特徴を有するシステムによって解決される。
【0015】
本発明によるシステムの有利な実施態様は、独立請求項であるプロダクトクレームに帰せられる請求項の対象である。
【0016】
方法に関して、独立請求項である方法クレームの特徴が、方法アスペクトに関して本発明の基礎をなしている問題の解決策を示す。好ましい方法変法は、独立請求項の方法クレームに従属する方法クレームによって保護されている。
【0017】
有利な使用は、相応するカテゴリーの請求項の対象である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
従って、本発明の対象は、
−ガラスパネル;
−キャリア;および
−多数のスプリング補助式サスペンション手段;
を有するモジュール式パネルシステムであって、
その際、
該パネルおよび該キャリアとは、多数のスプリング補助式サスペンション手段によって互いに一定の点で接合されており;
その際、
該パネルは矩形であり、かつ据え付け方向に対して二つの水平エッジ、すなわち上部エッジおよび下部エッジ、ならびに二つの垂直エッジを有し;
その際、
該キャリアは、該パネルの据え付け方向に対して水平に延びる少なくとも二つの形材およびプラスチックの据え付け方向に対して垂直に延びる少なくとも二つの形材を有し、該形材は水平に延びる形材に接合されており、かつフレーム骨格を形成する;
その際、
該キャリアの少なくとも二つの水平に延びる形材は、それぞれ、該パネルの二つの垂直エッジの少なくとも1つから突出しており;かつ
その際、垂直に延びる二つの形材の第一の形材は、少なくとも二つの水平形材の第一の端部に配置されており、かつ垂直に延びる二つの形材の第二の形材は、第一の端部と対置している、水平に延びる形材の第二の端部に配置されている。
【0019】
これによって、従来技術に対して容易には想定し得ない多数の利点を達成することが可能である。具体的に、達成可能である利点は以下に含まれる:
・パネル、キャリアおよびスプリング補助式ポイントサスペンション手段から成るモジュールシステムは、工場で前もって組み立てることができる。結果として、キャリアへのガラスパネルの厄介な固定が、現場ではなく、工場で実施される。従って、重大な故障原因および問題原因が事前に取り除かれる。
・現場では、前もって組み立てられた防音壁モジュール(NBWM)を、非常に簡単な方法で、土台の二つの支柱間で、例えば準備された土台支柱のI型ビームにNBWMの垂直形材を挿入することによって嵌合することができる。
・現場での点固定の困難な位置決めが完全に省かれる。
・このシステムの上記プレファブリケーションによって、据え付け時間が著しく短縮されるので、該据え付けのコストがより安いものとなる。
・さらに、損傷した場合の極端に簡単な交換が、このシステムにより可能である。
【0020】
本発明によるモジュール式防音壁システムは、ガラスパネルを固定するためのキャリアとして、少なくとも二つの水平形材および二つの垂直形材を有する。該形材は、一般的に、塗膜またはコーティングによって腐食から保護することができる金属、例えば鋼から成っている。さらに、ステンレス鋼またはアルミニウム形材も特に適している。該形材は一緒になって、本発明によるモジュール式パネルシステムのキャリアを形成する。該キャリアは、フレーム骨格または形材のキャリアフレーム骨格として形成することもできる。該形材は、互いに取り外し不可能か、または取り外し可能に接合されている。好ましくは、該形材は、キャリアまたはフレーム骨格を形成するために、互いに固定して、かつ永続的に接合されており、例えば互いに一緒に締め付けおよび/または溶接および/またはリベット締めされている。
【0021】
一般的に、ガラスパネルと同様、キャリアフレーム骨格も矩形の形状を有する。少なくとも二つの水平に延びる形材は、それぞれ、パネルから長手方向に二つの垂直エッジの少なくとも1つで突出する。この場合、少なくとも1つの水平形材が、パネルのそれぞれの垂直エッジから突出していることが顧慮されるべきである。これにより、垂直形材の自由な配置がパネル面の外側で(平面図の視点において)可能となる。該キャリアの垂直に延びる形材はパネル面の外側に存在しているので、それらは、例えば、現場で土台支柱として防音壁の構築に際して使用されるI型ビームへの問題のない挿入を可能にする。
【0022】
本発明の有利な変形は、キャリアが二つの水平形材および二つの垂直形材を有し、その際、二つの水平形材が、それぞれ、スプリング補助式サスペンション手段によって一定の点でパネルに接合されており、かつ二つの垂直形材が、それぞれ、I型ビームの一方の面に挿入することができるように形成されている。
【0023】
二つの水平に延びる形材が予定されている場合、二つの水平形材間の垂直間隔を、それがパネル高さの約1/3に相当するように選択することが有利であり得る。下部の水平形材は、有利にはパネル高さの1/3に相当する高さで存在し、かつキャリアフレーム骨格の第二の上部の水平形材は、有利にはパネル高さの約2/3に相当する高さで存在する。
【0024】
本発明によるモジュールはガラスパネルを有する。該ガラスは、任意のガラス様材料であってよい。殊に、該パネルは無機ガラスから成っていてよい。代替的に、かつ有利には、該パネルはプラスチックから成っていてよい。
【0025】
本発明による防音壁モジュール(LSW)においてガラスパネルとして予定される使用可能なパネルは広く知られている。該パネルは、有利には透明プラスチック、例えばポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリレートまたはポリカーボネートから成る。有利なのは、ポリ(メタ)アクリレートである。好ましくは、キャスト合成ガラス(いわゆるキャストガラス)または押出合成ガラス(いわゆるXTガラス)から成っていてもよいアクリルガラスパネルである。とりわけ有利なアクリルガラスは、好ましくはPMMAに基づく。しばしば、そのようなキャストガラスパネルは埋め込み材料も含有し、例えばナイロン糸が埋め込まれていてよく、それらは割れを保護し、かつ破損から守るために用いられる。
【0026】
アクリルガラスから成るガラスパネルは、相当な寸法を有していてよい。従って、約2×6mまでの寸法の場合、6〜40mmの厚さが考えられる。本発明によるモジュールの有利な一実施態様は、パネルが矩形であり、かつ約2×3mの面積を有することによって特徴付けられる。
【0027】
そのうえ、本発明によるシステムにおいて使用可能なパネルは、透明、半透明または不透明であってよい。該パネルは、例えば顔料によって着色されていてもよい。有利なのは、透明アクリルガラスパネルである。
【0028】
防音壁用パネルのためのスプリング補助式サスペンション手段は、スレッドを備え付けたスプリングマウントの上に取り付けられるスパイラルスプリングを有する。それによって、該スパイラルスプリングが非可動に固定され、かつ外的作用によって防音パネルが破断した場合に、高い運動エネルギーを有する小部材が制御不能に周囲に飛び散らないことが保証される。防音壁パネル用のさらに別のスプリング補助式サスペンション手段は、例えば、キャリア構造(キャリアフレーム骨格/形材)に固定されたキャリアエレメントまたはロッキングバーである。これらのロッキングバーは、静止に必要な数が、計算された間隔でキャリア構造(キャリア/フレーム骨格/形材)に、好ましくは水平に延びる形材に配置される。スプリングマウントの第一の部材をサスペンション装置に固定するためにネジが用いられる。該スプリングマウントは二個のピースから成り、かつスプリングの3〜5ターンの巻き線数(windings)が自由に残ったままであるように寸法決定されている。従って、スパイラルスプリングの自由な巻き線が、防音パネルの弾性支持をもたらす。また該スプリングマウントはその外側に、スプリングが形状嵌合および圧力嵌合により係合される溝を有する。該スプリングマウントは、例えば鋼、ステンレス鋼、プラスチックまたはゴムから作製されている。スプリングは、例えば鋼線から成る。
【0029】
本発明の特別な一実施態様は、スプリング補助式サスペンション手段が、それぞれ、スプリングおよび二つのスプリングマウントを有し、その際、1つのスプリングマウントは、キャリアの少なくとも1つの水平形材に固定されており、かつ該スプリングは、第一のスプリングマウント上に取り付けられており、かつ第二のスプリングマウントは、クランプディスクによってパネルの開口部に固定されており、かつ該スプリングの少なくとも3ターンが自由に残ったままとなる程度にまでスプリングに取り付けられていることを特徴とする。
【0030】
とりわけ好ましくは、スプリングの剛性は15000N/m〜25000N/mの間にある。
【0031】
本発明の対象は防音壁の組み立て方法でもある。この際、適切に、
−ガラスパネル;
−キャリア;および
−多数のスプリング補助式サスペンション;
を有し、
その際、
該パネルおよび該キャリアとは、多数のスプリング補助式サスペンションによって互いに一定の点で接合されており;
その際、
該パネルは矩形であり、かつ据え付け方向に対して二つの水平エッジ、すなわち上部エッジおよび下部エッジ、ならびに二つの垂直エッジを有し;
その際、
該キャリアは、該パネルの据え付け方向に対して水平に延びる少なくとも二つの形材およびプラスチックパネルの据え付け方向に対して垂直に延びる少なくとも二つの形材を有し、該形材は、該キャリアの水平に延びる形材に接合されており;
その際、
該キャリアの少なくとも二つの水平に延びる形材は、それぞれ、該パネルの垂直エッジの少なくとも1つから突出しており;かつ
その際、垂直に延びる二つの形材の第一の形材は、少なくとも二つの水平形材の第一の端部に配置されており、かつ垂直に延びる二つの形材の第二の形材は、第一の端部と対置している、水平に延びる形材の第二の端部に配置されているモジュラー式パネルシステムを提供し、かつ準備された、整合する間隔で設置されたI型ビームに差し込み、かつ場合により最終的に固定するように処理する。
【0032】
従って、本発明は、上記の方法によって得られる防音壁も含む。
【0033】
本発明の対象は、防音壁の成分としての、本明細書中における上記のようなシステムの使用にも関する。
【0034】
加えて、本発明は、点固定式パネルシステムとして、殊にファサードまたは屋根材としての、本明細書中における上記のようなシステムの使用も含む。
【0035】
以下で、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】二つの水平形材および二つの垂直形材を有するキャリア構造を備えた本発明によるシステムの第一の実施態様を透視的に示す図
【図2】水平に延びるが、しかしながら貫通しない二つの形材および二つの垂直形材を有するキャリア構造を備えた本発明によるシステムの第二の実施態様を透視的に示す図
【図3】組み立てられたI型ビームによって接合されている、多数のシステムを有する防音壁を示す図
【図4】図1または2からの詳細部分としてのスプリング補助式サスペンションの概観図
【0037】
図1は、準備された基部に部分的に据え付けられている状態での、本発明による前組み付けされた防音壁モジュールの第一の実施態様を示す。
【0038】
引用符号10は、前組み付けされたNBWモジュールを示す。前組み付けされたNBW10は、透明アクリルガラスパネル20、キャリアまたはキャリアフレーム骨格30ならびに多数の点固定部40、計6つの点固定部40を含む。具体的な例において、パネル20は、埋め込まれたナイロン糸によって割れから保護されている。キャリア30は、第一の垂直部材31、第二の垂直部材32、上部の水平部材33および下部の水平部材34を有する。二つの垂直部材31および32は、水平部材33および34にしっかりと溶接されており、かつアクリルガラスパネル20を支持するフレーム骨格を形成する。このために、フレーム骨格30は、点固定部40によってプラスチックパネル20に取り外し可能に接合されている。具体的な例において、図示されていない3つの点固定部は、プラスチックパネル20およびフレーム骨格30の上部の水平部材33を固定するために用いられ、かつ、詳しくは図示されていない3つの点固定部は、プラスチックパネル20をフレーム骨格30の下部の水平部材34に固定するために用いられる。防音壁のための組み立て箇所に準備された基部は、描写した例においていずれもI型ビームとして形成されている2本の支柱52および53を有する。支柱52、53の間には基部51がある。NBWモジュール10は、アクリルガラスパネル20をその水平方向において範囲を定めるその二つの垂直部材31および32によってI型ビーム52および53のリセスに挿入することができる。NBWモジュール10が基部50の中に完全にはめ込まれるのと同時に、該基部の垂直支柱52および53との間で防音壁部分が完成する。
【0039】
図2の中で示される、本発明による前組み付けされたNMWモジュール10の別形の場合、キャリアフレーム骨格30の水平部材33および34は貫通していないことがわかる。むしろ、キャリアフレーム骨格自体はフレーム形状を有さず、しかし、アクリルガラスパネル20および該パネル20ならびに部材33および34を取り外し可能に接合する点固定部(詳しくは図示されていない)と一緒に、しっかりと固定されており、かつ安定した構造を形成する。
【0040】
図3には、本発明による多数の"前組み付けされた"NBWモジュール10を使用して組み立てられた防音壁60が描写されている。モジュール10が基部の二つのI型ビーム間にスライドされており、かつ、これらによっていわば囲まれている。
【0041】
図4は、例示的に点固定部40を分解図において示す。20はキャリア構造33、34に固定されたパネルを示す。該パネル20は、埋め込まれたナイロン糸を含有する。リベット49ならびに2枚のディスク49aおよび49bは、スプリングマウント47の第一の部分をサスペンション装置48に固定するために使用されている。スプリングマウント45および47は、その外側に溝を有し、該溝にスプリング46が、形状嵌合および圧力嵌合により係合される。
【符号の説明】
【0042】
10 本発明による前もって組み立てられた防音壁モジュール
20 透明ガラスパネル
21 埋め込まれたナイロン糸
30 キャリアフレーム骨格/キャリア
31 第一の垂直部材/形材
32 第二の垂直部材/形材
33 上部の水平部材/形材
34 下部の水平部材/形材
40 点式固定
45 スプリングマウント
46 スプリング
47 スプリングマウント
49 皿頭ネジ
49a ディスク
49b ディスク
51 基部/底部
52 第一のI型ビーム
53 第二のI型ビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−ガラスパネル;
−キャリア;および
−多数のスプリング補助式サスペンション手段;
を有するモジュラー式パネルシステムであって、
その際、
前記パネルおよび前記キャリアとは、多数のスプリング補助式サスペンション手段によって互いに一定の点で接合されており;
その際、
前記パネルは矩形であり、かつ据え付け方向に対して二つの水平エッジ、すなわち上部エッジおよび下部エッジ、ならびに二つの垂直エッジを有し;
その際、
前記キャリアは、前記パネルの据え付け方向に対して水平に延びる少なくとも二つの形材および前記パネルの据え付け方向に対して垂直に延びる少なくとも二つの形材を有し、かつ前記形材は、前記キャリアの水平に延びる形材に接合されており、かつフレーム構造を形成し;
その際、
前記キャリアの少なくとも二つの水平に延びる形材は、それぞれ、前記パネルの垂直エッジの少なくとも1つから突出しており;かつ
その際、垂直に延びる二つの形材の第一の形材は、少なくとも二つの水平形材の第一の端部に配置されており、かつ垂直に延びる二つの形材の第二の形材は、第一の端部と対置している、水平に延びる形材の第二の端部に配置されている、モジュラー式パネルシステム。
【請求項2】
前記キャリアが二つの水平形材および二つの垂直形材を有し、その際、二つの水平形材は、それぞれ、スプリング補助式サスペンション手段によって一定の点で前記パネルに接合されており、かつ二つの垂直形材が、それぞれ、I型ビームの一方の面に挿入可能となるように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記パネルが矩形であり、約2×3mの面積を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記パネルがプラスチックから成ることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記プラスチックパネルがアクリルガラスから成ることを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記スプリング補助式サスペンション手段が、それぞれ、スプリングおよび二つのスプリングマウントを有し、その際、1つのスプリングマウントは、前記キャリアの少なくとも1つの水平形材に固定されており、かつ前記スプリングは、第一のスプリングマウント上に取り付けられており、かつ第二のスプリングマウントは、クランプディスクによって前記パネルの開口部に固定されており、かつ前記スプリングの少なくとも3つの巻き数が自由に残る程度にまでスプリングに取り付けられていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記スプリングの剛性が、15000N/mから25000N/mの間にあることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
防音壁の組み立て方法において、請求項1から7までのいずれか1項に記載のシステムを、準備された、整合する間隔で設置されたI型ビームに差し込み、かつ場合により最終的に固定することを特徴とする、防音壁の組み立て方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法に従って得られる防音壁。
【請求項10】
防音壁としての、請求項1から7までのいずれか1項に記載のシステムの使用。
【請求項11】
点固定式パネルシステムとしての、殊にファサードまたは屋根材としての、請求項1から7までのいずれか1項に記載のシステムの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−101160(P2010−101160A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241960(P2009−241960)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【出願人】(390009128)エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (293)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Roehm GmbH
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,Germany
【Fターム(参考)】