説明

点眼剤成分の定量方法

【課題】 分析に要する時間と労力を軽減するため、グリチルリチン酸二カリウム、塩酸ピリドキシン、イプシロン−アミノカプロン酸、メチル硫酸ネオスチグミン、塩酸テトラヒドロゾリン、フマル酸ケトチフェンおよびマレイン酸クロルフェニラミンの7種成分を同時に含む被検液を高速液体クロマトグラフィーにより一斉に定量分析する方法を提供する。
【解決手段】 7種成分を同時に含む被検液を含んだ移動相を、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに導入し、この被検液が導入されたオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムから出た溶出液を、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに直結された陽イオン交換カラムに移動相として導入し、この陽イオン交換カラムから出た溶出液に含まれる成分を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速液体クロマトグラフィーにより点眼剤の主要成分を定量分析する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
点眼剤(通称、目薬)は、外用液剤、坐剤および軟膏剤等とともに外用剤の一種として分類される。この点眼剤には、グリチルリチン酸二カリウム(以下、「GK2」という。)、塩酸ピリドキシン(以下、「VB6」という。)、イプシロン−アミノカプロン酸(以下、「EAC」という。)、メチル硫酸ネオスチグミン(以下、「NM」という。)、塩酸テトラヒドロゾリン(以下、「TH」という。)、フマル酸ケトチフェン(以下、「Ket」という。)およびマレイン酸クロルフェニラミン(以下、「CP」という。)が主要成分として含まれている。
【0003】
ここで、GK2、VB6、EAC、NM、TH、KetおよびCPの7成分(以下、「上記7成分」と省略する。)は、それぞれ以下のような効能を有している。まず、GK2およびEACは抗炎症作用を有している。次に、VB6は、ビタミンBであり、新陳代謝を促進して目の疲れを改善する効能がある。更に、NMは、ピント調整剤であり、目の筋肉の働きを強化して疲れた目の調節機能を改善する効能がある。また更に、THは、強い血管収縮作用を有しており、目の充血を取り除く効能がある。Ketは抗アレルギー作用および抗ヒスタミン作用を有している。CPは、抗ヒスタミン剤であり、目のかゆみや炎症を鎮める効能がある。
【0004】
このように、上記7成分は点眼剤の重要な効能を発揮するものであるため、その定量分析は、点眼剤の品質管理等において非常に重要なものとなる。そして、従来より、上記7成分の定量分析のためには、他の分析方法と比較して正確かつ迅速で簡便なものとして、高速液体クロマトグラフィーが採用されてきた。例えば、上記7成分が含まれている点眼剤を定量分析する場合、上記7成分のうちGK2およびNMの定量分析は、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムを用いたイオンペア法で分析し、残りのVB6、EAC、TH、KetおよびCPの定量分析は陽イオン交換カラムを用いたイオン交換法で分析していた。
【0005】
しかし、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムと陽イオン交換カラムの使用条件はそれぞれ異なるため、イオンペア法およびイオン交換法の両方法による分析を、従来は一つの装置で同時に行うことはできなかった。このため、イオンペア法で分析可能な成分(例えば、GK2)およびイオン交換法で分析可能な成分(例えば、VB6)を含有する点眼剤を分析する場合、この点眼剤一検体に対して条件の異なる分析を2回行う必要があった。従って、分析に要する時間を短縮させるために、1回の分析で一斉に、上記7成分全てを定量分析できる方法が昨今より求められてきた。
【0006】
一方、2種類のカラムを組み合わせることにより、無機イオン性物質と有機物質を一斉に分析可能な高速液体クロマトグラフ(以下、「HPLC」という。)装置110が報告されている(特許文献1参照。)。図6に、このHPLC装置110の流路図を示す。HPLC装置110は、以下のような構成となっている。まず、第1移動相容器111、第1ポンプ112、試料導入口113、イオン交換カラム114、分岐管115、逆送分配カラム116および検出器117,118が、この順に接続されている。また、分岐管115には第2ポンプ120が接続されており、この第2ポンプ120は、第2移動相容器119と接続している。
【0007】
ここで、HPLC装置110で行われる分析フローは以下のとおりである。まず、第1ポンプ112は、試料導入口113で導入された試料を、イオン交換カラム用の第1移動相とともにイオン交換カラム114に送液し、このイオン交換カラム114は無機イオン物質の分離を行う。また、第2ポンプ120は第2の移動相を分岐管115に送液する。この分岐管115でイオン交換カラム114から出てきた溶出液(以下、「第1溶出液」という。)と第2の移動相が混合して混合液になる。この混合液は逆送分配カラム116に送液されて、この逆送分配カラム116で混合液中の有機物質が分離される。そして、逆送分配カラム116から出てきた溶出液を検出器117,118で検出する。
【0008】
以上に示すように、HPLC装置110によって、無機イオン性物質と有機物質を一斉に分析することが可能である。しかし、第1溶出液と第2の移動相が分岐管115で混合するため、第1溶出液の流圧と第2の移動相の流圧によっては、第1溶出液または第2の移動相が分岐管15から違う液側に流入する可能性がある。つまり、第1溶出液の流圧が第2の移動相の流圧よりも高圧である場合は、第1溶出液が分岐管115から第2ポンプ120方向に流入するおそれがある。逆に、第1溶出液が第2の移動相の流圧よりも低圧である場合は、第2の移動相が分岐管115からイオン交換カラム114方向に流入するおそれがある。このような流入を防止するためには、第1の移動相の流圧と第2の移動相の流圧を微妙に調整するという分析前の煩雑な作業が要求されることになり、分析担当者の負担が過大となっていた。
【特許文献1】特開平9−68519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のごとく、従来方法では分析の準備に煩雑な作業を必要とし、さらには分析を短時間で行うことができないので、分析を担当する分析担当者の労力負担が過大であった。従って、分析に要する時間と労力の軽減を図ることができる新規分析方法の案出が望まれていた。
【0010】
本発明は、分析に要する時間と労力を軽減するため、グリチルリチン酸二カリウム、塩酸ピリドキシン、イプシロン−アミノカプロン酸、メチル硫酸ネオスチグミン、塩酸テトラヒドロゾリン、フマル酸ケトチフェンおよびマレイン酸クロルフェニラミンから選ばれる2種以上を同時に含む被検液を高速液体クロマトグラフィーにより一斉に定量分析する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0012】
(1) グリチルリチン酸二カリウム、塩酸ピリドキシン、イプシロン−アミノカプロン酸、メチル硫酸ネオスチグミン、塩酸テトラヒドロゾリン、フマル酸ケトチフェンおよびマレイン酸クロルフェニラミンからなる群から選ばれる2種以上を同時に含む被検液を高速液体カラムクロマトグラフィーで定量する方法において、前記被検液を含んだ移動相を、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに導入し、当該被検液が導入されたオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムから出た溶出液を、前記オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに直結された陽イオン交換カラムに移動相として導入し、当該陽イオン交換カラムから出た溶出液に含まれる成分を検出することを特徴とする混合成分の定量方法。
【0013】
(1)の発明によれば、グリチルリチン酸二カリウム、塩酸ピリドキシン、イプシロン−アミノカプロン酸、メチル硫酸ネオスチグミン、塩酸テトラヒドロゾリン、フマル酸ケトチフェンおよびマレイン酸クロルフェニラミンから選ばれる2種以上を同時に含む被検液を含んだ移動相を、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに導入し、この被検液が導入されたオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムから出た溶出液を、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに直結された陽イオン交換カラムに移動相として導入し、この陽イオン交換カラムから出た溶出液に含まれる成分を検出している。従って、上記7成分のうち2成分以上を含んだ被検液の分析に対して複数回の分析を行う必要がなく、また、分析のために煩雑な準備作業を必要としないため、分析に費やす時間と労力の軽減を図ることができる。
【0014】
なお、「直結」とは、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムと陽イオン交換カラムを直接に結びつけるばかりでなく、配管を介して連結されている場合を含む。
【0015】
(2) グリチルリチン酸二カリウム、塩酸ピリドキシン、イプシロン−アミノカプロン酸、メチル硫酸ネオスチグミン、塩酸テトラヒドロゾリン、フマル酸ケトチフェンおよびマレイン酸クロルフェニラミンからなる群から選ばれる2種以上を同時に含む被検液を高速液体カラムクロマトグラフィーで定量する方法において、前記被検液を含んだ移動相を、陽イオン交換カラムに導入し、当該被検液が導入された陽イオン交換カラムから出た溶出液を、前記陽イオン交換カラムに直結されたオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに移動相として導入し、当該オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムから出た溶出液に含まれる成分を検出することを特徴とする混合成分の定量方法。
【0016】
(2)の発明によれば、グリチルリチン酸二カリウム、塩酸ピリドキシン、イプシロン−アミノカプロン酸、メチル硫酸ネオスチグミン、塩酸テトラヒドロゾリン、フマル酸ケトチフェンおよびマレイン酸クロルフェニラミンから選ばれる2種以上を同時に含む被検液を含んだ移動相を、陽イオン交換カラムに導入し、この被検液が導入された陽イオン交換カラムから出た溶出液を、陽イオン交換カラムに直結されたオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに移動相として導入し、このオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムから出た溶出液に含まれる成分を検出している。従って、上記7成分のうち2成分以上を含んだ被検液の分析に対して複数回の分析を行う必要がなく、また、分析のために煩雑な準備作業を必要としないため、分析に費やす時間と労力の軽減を図ることができる。
【0017】
(3) 外用剤に対する定量方法である(1)または(2)に記載の混合成分の定量方法。
【0018】
(3)の発明によれば、外用剤の有効成分として上記7成分のうち2成分以上を含んだ被検液の分析に対しても複数回の分析を行う必要がなく、また、分析のために煩雑な準備作業を必要としないため、分析に費やす時間と労力の軽減を図ることができる。
【0019】
(4) 点眼剤に対する定量方法である(1)から(3)のいずれかに記載の混合成分の定量方法。
【0020】
(4)の発明によれば、点眼剤の有効成分として上記7成分のうち2成分以上を含んだ被検液の分析に対しても複数回の分析を行う必要がなく、また、分析のために煩雑な準備作業を必要としないため、分析に費やす時間と労力の軽減を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、グリチルリチン酸二カリウム、塩酸ピリドキシン、イプシロン−アミノカプロン酸、メチル硫酸ネオスチグミン、塩酸テトラヒドロゾリン、フマル酸ケトチフェンおよびマレイン酸クロルフェニラミンからなる群から選ばれる2種以上を同時に含む被検液を含んだ移動相を、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに導入し、この被検液が導入されたオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムから出た溶出液を、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに直結された陽イオン交換カラムに移動相として導入し、この陽イオン交換カラムから出た溶出液に含まれる成分を検出している。従って、上記7成分のうち2成分以上を含んだ被検液の分析に対して複数回の分析を行う必要がなく、また、分析のために煩雑な準備作業を必要としないため、分析に費やす時間と労力の軽減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0023】
本発明に係る定量の方法は、グリチルリチン酸二カリウム(以下、「GK2」という。)、塩酸ピリドキシン(以下、「VB6」という。)、イプシロン−アミノカプロン酸(以下、「EAC」という。)、メチル硫酸ネオスチグミン(以下、「NM」という。)、塩酸テトラヒドロゾリン(以下、「TH」という。)、フマル酸ケトチフェン(以下、「Ket」という。)、マレイン酸クロルフェニラミン(以下、「CP」という。)成分を同時に含むものであれば、どのようなものであっても定量分析可能であるが、好ましくは、水虫薬に代表される外用液剤、坐剤、軟膏剤および点眼剤等の外用剤に含まれる成分の定量分析に適用可能である。そして、最も好ましくは点眼剤に含まれる成分の定量分析に適用される。
【0024】
また、本発明で定量分析が可能な成分は、GK2、VB6、EAC、NM、TH、Ket、CP、アラントイン(以下、「AL」という。)、クロロブタノール(以下、「CB」という。)、塩化ベンザルコニウム(以下、「BC」という。)、p-ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(以下、「Me‐P」という。)、p‐ヒドロキシ安息香酸プロピルエステル(以下、「Pr‐P」という。)、p‐ヒドロキシ安息香酸ブチルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ヘプチル、p−ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル、塩酸ナファゾリン等であるが、好ましくは、GK2、VB6、EAC、NM、TH、KetおよびCPから選ばれる2種以上の成分である。
【0025】
本発明に使用される高速液体クロマトグラフィーによる定量分析の2種類のフローを説明する。まず、第1の定量分析のフローは、以下のとおりである。GK2、VB6、EAC、NM、TH、KetおよびCP等の成分を同時に含む被検液を含んだ移動相を、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに導入し、この被検液が導入されたオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムから出た溶出液を、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに直結された陽イオン交換カラムに移動相として導入し、この陽イオン交換カラムから出た溶出液に含まれる成分を検出する。
【0026】
第2の定量分析のフローは、以下のとおりである。まず、GK2、VB6、EAC、NM、TH、KetおよびCP等の成分を同時に含む被検液を含んだ移動相を、陽イオン交換カラムに導入し、この被検液が導入された陽イオン交換カラムから出た溶出液を、陽イオン交換カラムに直結されたオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに移動相として導入し、このオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムから出た溶出液に含まれる成分を検出する。
【0027】
本発明に用いるオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラム(以下、「ODSカラム」という。)とは、オクタデシル基が結合されたシリカゲルを充填している逆相分離用のカラムをいう。本発明においてODSカラムは、イオン抑制法の逆相分離用のカラムとして使用されている。イオン抑制法とは、弱酸または弱塩基のクロマトグラフィーであり、移動相の水素イオン指数(以下、「pH」という。)を調整することによって、弱酸のイオン化や弱塩基のプロトン化を抑制し、弱酸または弱塩基を逆相分離カラム上で分離する方法をいう。このイオン抑制法では、一般的にメタノールあるいはアセトニトリルと緩衝液を移動相として使用する。このイオン抑制法で使用されるODSカラムは、GK2、VB6、EAC、NM、TH、KetおよびCPの全ての成分と相互に作用するが、特に、GK2との相互作用が強い。
【0028】
また、本発明に用いる陽イオン交換カラム(以下、「SCXカラム」という。)とは、好ましくは強酸型陽イオン交換樹脂を充填したカラムである。強酸型陽イオン交換樹脂は、官能基としてスルホン基を有している。このSCXカラムは、酸性成分に対して相互作用がなく、塩基性成分に対して相互作用がある。
【0029】
なお、本発明においては、ODSカラムとSCXカラムを直結して分析を行うが、ODSカラムとSCXカラムの順番は、ODSカラム、SCXカラムの順でも、SCXカラム、ODSカラムの順でもよい。しかし、塩基性成分のほとんどがSCXカラムにより主に分離されるため、ODSカラムとSCXカラムの順番がSCXカラム、ODSカラムの順であり、被検液中の成分の多くが塩基性成分の場合は、SCXカラムの負荷が高くなってピーク割れを起こし、正確な定量分析が困難となる。従って、被検液中の成分の多くが塩基性成分の場合、ODSカラムとSCXカラムの順はODSカラム、SCXカラムの順にするのが好ましい。
【0030】
本発明に係る定量の方法では、SCXカラムを用いるため、移動相に有機溶媒と緩衝液との混液を使用している。緩衝液の塩として、リン酸二水素カリウムまたはリン酸二水素アンモニウムが用いられるが、リン酸二水素アンモニウムが好ましい。緩衝液の塩濃度は、通常使用されている濃度である50〜150mmol/Lであればよいが、50mmol/Lが好ましい。有機溶媒として、メタノールまたはアセトニトリルが用いられるが、メタノールが好ましい。緩衝液がリン酸二水素カリウムの場合、メタノールと緩衝液の混液のメタノール濃度は40〜50容量%であればよいが、44〜50容量%が好ましく、47容量%が最も好ましい。また、緩衝液が150mmol/Lのリン酸二水素アンモニウムの場合、メタノールと緩衝液の混液のメタノール濃度は40〜50容量%であればよいが、45〜49容量%が好ましい。また、緩衝液が50mmol/Lのリン酸二水素アンモニウムの場合、メタノールと緩衝液の混液のメタノール濃度は62〜69容量%であればよいが、63〜67容量%が好ましい。移動相のpHは、SCXカラムが使用可能である2.0〜4.0であればよいが、3.0が好ましい。
【0031】
本発明に係る定量の方法で使用される検出器としては、紫外可視吸収検出器、蛍光検出器、フォトダイオードアレイ検出器、示差屈折検出器、電気的検出器等が適宜選ばれるが、紫外可視吸収検出器またはフォトダイオードアレイ検出器が好ましい。
【実施例】
【0032】
以下に本発明の実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明は、この説明および例示により制限されるものではない。
【0033】
図1は、本発明の一実施例を示す流路図の一例について説明する。本例のHPLC装置10は、以下のような構成となっている。第1の移動相が入った移動相容器11、ポンプ12、試料導入部13、第1のカラム14、第2のカラム15、検出器16がこの順に接続している。なお、第1のカラム14と第2のカラム15の間は直結されており、それ以外の各装置(カラム)は、配管を介して接続されているが、第1のカラム14と第2のカラム15の間も配管を介して接続されていてもよい。
【0034】
ここで、第1のカラム14がSCXカラムである場合は、第2のカラム15はODSカラムであり、第1のカラム14がODSカラムである場合は、第2のカラム15はSCXカラムである。
【0035】
なお、後述する予備分析では、第1のカラム14または第2のカラム15のいずれかのカラムを使用して上記7成分の定量分析を行っている。つまり、予備分析では、SCXカラムまたはODSカラムのいずれかを使用して上記7成分の定量分析を行っている。
【0036】
また、本実施例のHPLC装置10で行われる分析フローは以下のとおりである。ポンプ12は移動相容器11中の第1の移動相を試料導入部13に送液し、試料導入部13は試料(被検液)を第1の移動相中に導入する。試料導入部13によって導入された試料(被検液)は、第1の移動相とともに第1のカラム14方向に送液され、第1のカラム14に導入される。第1のカラム14から出てきた溶出液を第1の溶出液とすると、第1の溶出液のみを、第2のカラム15に移動相として導入する。つまり、本発明に係る定量の方法においては、第1の溶出液のみが第2のカラム15で使用する移動相に相当する。さらに、この第2のカラム15から出てきた第2の溶出液を検出器で検出する。
【0037】
なお、上記の「第1の溶出液のみが第2のカラム15で使用する移動相に相当する」の「第1の溶出液のみ」とは、「第1の溶出液だけ」を意味するのではなく、第1の溶出液に実用的でない他の物質(固体、液体、気体を含む)が含有されている場合も含む。
【0038】
[HPLCモジュール]
分析に使用した高速液体クロマトグラフ(HPLC)モジュールとして、2695セパレーションモジュール(ウォーターズ(米国))を使用した。カラム温度は50℃に維持した。
【0039】
[カラム]
分析に使用したODSカラムとして、Atlantis(4.6mmφ×150mmまたは4.6mmφ×75mm、3μm、ウォーターズ(米国))、ChromolithPerformance(4.6mmφ×100mm、メルク(米国))、Chromolith SpeedROD(4.6mmφ×50mm,メルク(米国))、CAPCELL PAK C18 AQ(4.6mmφ×150mm、5μm、資生堂(日本))、Hydrosphere C18(4.6mmφ×150mm,5μm、ワイエムシィ(日本))のいずれかを使用した。また、SCXカラムとして、CAPCELL PAK SCX UG80(4.6mmφ×150mm、または4.6mmφ×75mm、5μm、資生堂(日本))のいずれかを使用した。
【0040】
カラムから出た溶出液を分析する検出器6として、フォトダイオードアレイ(PDA)検出器2996(ウォーターズ(米国))を使用した。測定波長は、特記しない場合、210nmとした。
【0041】
[試薬および試液]
GK2は丸善製薬(日本)より、NMは東京化成(日本)より、VB6はロッシュ(スイス)より、THは岡見化学工業(日本)より、CPは金剛化学(日本)より、EACは第一化学薬品(日本)より、KetはSifavitor(イタリア)より、グリチルリチン酸モノアンモニウムはアルプス薬品工業(日本)より購入した。GK2以外についてはその含量が99・0%以上のものを使用した。GK2はグリチルリチン酸モノアンモニウムを用いて含量を測定して用いた。
【0042】
GK2、VB6、EAC、NM、TH、KetおよびCPの7成分および内標準溶液を含んだ標準溶液は、以下のように調製した。なお、GK2、VB6、EAC、NM、TH、KetおよびCPの7成分を以下「上記7成分」と省略する。また、GK2、VB6、EAC、NM、TH、KetおよびCPの各7成分を以下「各7成分」と省略する。
【0043】
EACを105℃で3時間乾燥し、その約40mgを精密に量り、水とメタノールの混液(50容量%:50容量%)に溶かし、正確に5mLとし、標準原液Aとした。また別に、VB6をデシケーター(減圧、シリカゲル)で4時間乾燥し、その約50mgを精密に量り、水とメタノールの混液(50容量%:50容量%)に溶かし、正確に20mLとし、標準原液Bとした。また別に、GK2約50mgを精密に量り、水とメタノールの混液(50容量%:50容量%)に溶かし、正確に25mLとし、標準原液Cとした。また別に、CPを105℃で3時間乾燥し、その約50mgを精密に量り、水とメタノールの混液(50容量%:50容量%)に溶かし、正確に50mLとした。この液6mLを正確に量り、水とメタノールの混液(50容量%:50容量%)を加えて10mLとし、標準原液Dとした。また別に、NMを105℃で3時間乾燥し、その約50mgを精密に量り、水とメタノールの混液(50容量%:50容量%)を加えて100mLとし、標準原液Eとした。また別に、THを105℃で2時間乾燥し、その約100mgを精密に量り、水/メタノール混液(50容量%:50容量%)を加えて100mLとし、標準原液Fとした。また別に、KeTを、105℃で4時間乾燥し、その約35mgを精密に量り、ここに標準原液E:2mL及び標準原液F:5mLをそれぞれ正確に加え、水とメタノールの混液(50容量%:50容量%)を加えて25mLとし、これを標準溶液Gとした。内標準溶液は、p−ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル:0.01gをメタノール溶液500mLで溶解させたものを使用した。そして、標準溶液G:1mL、標準原液A:2.5mL、標準原液B:1mL、標準原液C:2.5mL、標準原液D:1mL及び内標準溶液:2mLをそれぞれ正確に加え、水とメタノールの混液(50容量%:50容量%)を加えて10mLとし、これを標準溶液とした。この標準溶液を使用して、後述の予備分析および実施例の分析を行った。この標準溶液中の各7成分の濃度は、各7成分が実際に点眼剤に配合されるときの最大の濃度である。
【0044】
リン酸二水素カリウム、リン酸二水素アンモニウムおよびリン酸は和光純薬工業(日本)より購入し、メタノールは国産化学(日本)より購入した。また、すべての試薬は、特にグレードの明記のあるもの以外は特級を用いた。
【0045】
[移動相]
各種移動相としては、メタノールとリン酸二水素カリウム緩衝液の混液、またはメタノールとリン酸二水素アンモニウム緩衝液の混液を使用した。リン酸二水素カリウム緩衝液およびリン酸二水素アンモニウム緩衝液のpHは、リン酸二水素カリウムまたはリン酸二水素アンモニウム緩衝液の水溶液にリン酸をそのまま加えて調整した。移動相の流量は、特記しない限り1.0(mL/分)とした。
【0046】
[予備分析1]
メタノールとリン酸二水素カリウム緩衝液の混液を移動相として使用し、ODSカラムまたはSCXカラムを単独で使用したときの上記7成分の保持時間について検討するため、予備分析1を行った。予備分析1の分析条件を表1に示す。なお、今回の分析に用いた被検液としての標準溶液には、上記7成分の他に、Me‐P、Pr‐P(以上みどり化学(日本))およびCB(第一化学薬品(日本))が含まれている。
【表1】

【0047】
表1の条件で行った上記7成分の保持時間を表2に示す。そして、ODSカラムまたはSCXカラムのいずれかを単独で用いて分析した上記7成分の保持時間と数1に示す保持時間の理論式により、SCXカラムとODSカラムを直結した場合に予想される上記7成分の保持時間(以下、「予想保持時間」という。)を求めた(表2参照)。理論式により求められた予想保持時間を検討すると、SCXカラムとODSカラムを(SCXカラム、ODSカラムの順に)直結して分析を行った場合でも、上記7成分の分離が可能であることが推測できた。そこで、SCXカラムとODSカラムを実際に直結させ、上記7成分の定量分析を試みた(予備分析2)。なお、SCXカラムとODSカラムを実際に直結させて分析を行う方法を、以下「TM―HPLC法(Tandem Mode HPLC法)と表現する。
【表2】

【数1】

【0048】
[実施例1]
メタノールとリン酸二水素カリウム緩衝液の混液を移動相として使用し、SCXカラムとODSカラムを(SCXカラム、ODSカラムの順に)直結した場合に移動相のpHの変化に基づく各7成分の保持時間の変化を検討するため、実施例1の分析を行った。この実施例1の分析条件を表3に示す。なお、今回の分析に用いた被検液としての標準溶液には、上記7成分の他に、Me‐P、Pr‐P(以上みどり化学(日本))およびCB(第一化学薬品(日本))が含まれている。
【表3】

【0049】
表3の条件で行った移動相のpHの変化に基づく上記7成分(Ketは除く)の保持時間の変化を図2に示す。移動相のpHを3.0から6.0の間で変化させたところ、GK2の保持挙動に最も変化が見られ、他の成分の保持挙動はほとんど変化が見られなかった。表4に示すように、EAC、VB6およびKetの酸解離定数の対数であるpKaを考慮すると、pHがなるべく低い領域で分析を行った方が各成分の分子型、解離型の混在を回避できるため、今後の分析をpH3.0で行うことにした。
【表4】

【0050】
また、表3の条件(但しPH3.0)で行ったTM―HPLC法(SCXカラム、ODSカラムの順)での上記7成分の保持時間を表2に示す。TM―HPLC法(SCXカラム、ODSカラムの順)での各7成分の保持時間は、予備分析1で求めた予想保持時間(表2参照)とほぼ一致していた。また、予想保持時間から推測されたように、実際にSCXカラムとODSカラムを直結させると、全成分の分離が可能であった。なお、各7成分が分離できたか否かは、数2に示す分解度(Rs)を求め、隣接ピークとの分解度が1.5以上であるときに完全に分離したと判断した。
【数2】

【0051】
[実施例2]
次に、メタノールとリン酸二水素カリウム緩衝液の混液を移動相として使用し、上記7成分を分離させるのに最適なメタノール濃度およびカラムの組み合わせを検討するため、実施例2の分析を行った。実施例2の分析条件を表5に示す。なお、今回の分析に被検液として用いた標準溶液には、上記7成分の他に、AL(川研ファインケミカル(日本))、Me‐P、Pr‐P(以上みどり化学(日本))およびCB(第一化学薬品(日本))が含まれている。
【表5】

【0052】
表5の条件で行った分析結果を表6に示す。前述したように、分解度が1.5以上の場合、上記7成分は完全分離したと定めた。表6では、分析結果が完全分離して、全成分の溶出時間が60分以内の場合、「○」を付記し、さらに完全分離したときのメタノール濃度(容量%)を付記している。完全分離したが、溶出時間が60分を超えた成分があるとき、あるいはピーク形状が不良で定量が困難であると判断した場合には、「△」を付記し、さらに完全分離したときのメタノール濃度(容量%)を付記している。なお、「GK2×」とは、GK2の溶出時間が60分を超えたことを意味している。これ以外、つまり、完全分離ができない場合を「×」とした。
【表6】

【0053】
ここで、表5の条件で行った分析結果が、完全分離で、かつ全成分の溶出時間が60分以内となった条件は、以下に示す2つの条件のときであった。第1の条件は、SCXカラムがCAPCELL PAK SCX−UG80(4.6mmφ×150mm、5μm、資生堂(日本))、ODSカラムがAtlantis(4.6mmφ×75mm、3μm、ウォーターズ(米国))、メタノール濃度が47容量%の場合であり、第2の条件は、SCXカラムがCAPCELL PAK SCX UG80(4.6mmφ×150mm、5μm、資生堂(日本))、ODSカラムがChromolith Performance(4.6mmφ×100mm、メルク(米国))、メタノール濃度が44容量%の場合であったが、後者は流量が2ml/分の条件下であった。図3に第1の条件のときのクロマトグラムの例を示す。図3に示すクロマトグラムでは、保持時間が10分以内の領域にピークが密集してしまい、移動相の組成と理論組成とのわずかな違いやカラムの劣化等の影響により、各成分の分離が困難となる可能性がある。また、GK2のピークが遅い時間に現れ、分析時間に長時間を要する。従って、移動相であるメタノールとリン酸二水素カリウム緩衝液の混液をメタノールとリン酸二水素アンモニウム緩衝液の混液に置き換えて検討を行ってみた。
【0054】
[予備分析2]
まず、50mmol/Lまたは150mmol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液とメタノールとの混液を移動相として使用し、SCXカラムを単独で使用したときの上記7成分を分離させるのに最適なメタノール濃度について検討するため、予備分析2を行った。予備分析2の分析条件を表7に示す。
【表7】

【0055】
表7の条件で分析した上記7成分を分離させるのに最適なメタノール濃度は、緩衝液が50mmol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液の場合は60〜70%のときであり、緩衝液が150mmol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液の場合は40〜50%のときであったが、両者とも上記7成分全ての分離はできなかった。次に、ODSカラムを単独で用いて、上記7成分の分析を行い、上記7成分の完全分離に最適なメタノール濃度の検討を行った。
【0056】
[予備分析3]
50mmol/Lまたは150mmol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液とメタノールとの混液を移動相として使用し、ODSカラムを単独で使用したときの上記7成分を分離させるのに最適なメタノール濃度およびカラムの組み合わせについて検討するため、予備分析3を行った。予備分析3の分析条件を表8に示す。さらに、この予備分析3の分析結果と予備分析2の分析結果から、ODSカラムとSCXカラムを直結した場合に、上記7成分の完全分離に最適なメタノール濃度およびカラムの組み合わせについて予測した。この予測結果を表9および表10に示す。表9は、移動相に50mmol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液とメタノールとの混液を使用した場合の予測結果であり、表10は、移動相に150mmol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液とメタノールとの混液を使用した場合の予測結果である。表9および表10における「○」、「△」、「×」および「メタノール濃度」は、表6と同様の位置付けによって付記されている。
【表8】

【表9】

【表10】

【0057】
[実施例3]
次に、予備分析3の表9および表10の予測結果を参照して、50mmol/Lまたは150mmol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液とメタノールとの混液を移動相として使用し、上記7成分の完全分離に最適なメタノール濃度とカラムの組み合わせについて検討するために、実施例3を行った。実施例3の分析条件を表11に示す。なお、今回の分析に用いた被検液としての標準溶液には、上記7成分の他に、Me‐P、Pr‐P(以上みどり化学(日本))、CB(第一化学薬品(日本))およびBCが含まれている。
【表11】

【0058】
50mmol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液とメタノールとの混液を移動相として分析した結果を表12に、150mmol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液を移動相として分析した結果を表13に示す。表12および表13における「○」、「△」、「×」および「メタノール濃度」は、表6と同様の位置付けによって付記されている。
【表12】

【表13】

【0059】
リン酸二水素アンモニウム緩衝液とメタノールとの混液を移動相として使用した場合に、上記7成分の定量分析をTM―HPLC法(SCXカラム、ODSカラムの順)で行ったときのクロマトグラムのパターンは大きく分けて、2つのパターンに分類された。2つのクロマトグラムのパターンのうち一方を図4に示し、他方を図5に示す。図4に示すクロマトグラムは、SCXカラムがCAPCELL PAK SCX UG80(4.6mmφ×150mm、5μm、資生堂(日本))、ODSカラムがAtlantis(4.6mmφ×150mm、3μm、ウォーターズ(米国))、メタノール濃度が49〜50容量%の場合のクロマトグラムであり、図5に示すクロマトグラムは、SCXカラムがCAPCELL PAK SCX UG80(4.6mmφ×75mm、5μm、資生堂(日本))、ODSカラムがAtlantis(4.6mmφ×75mm、3μm、ウォーターズ(米国))、メタノール濃度が65〜67容量%の場合のクロマトグラムであった。
【0060】
図5に示すクロマトグラムのパターン以外は、全て図4に示すクロマトグラムのパターンとなった。すなわち、図4に示すクロマトグラムのパターンからも明らかのように、図5に示すクロマトグラムのパターン以外はすべて、GK2のピークが非常に遅く出現するパターンであった。一方、図5に示すクロマトグラムのパターンは、GK2のピークが早い時間に出現した。また、図5に示すクロマトグラムのパターンは、各7成分のピークはそれほど近接していないため、全成分の定量が可能であった。
【0061】
以上の分析結果より、図5のクロマトグラムのパターンで溶出する条件が、上記7成分の定量分析をTM―HPLC法(SCXカラム、ODSカラムの順)で行う条件として最も好ましい条件であることが確認された。なお、クロマトグラムは省略するが、SCXカラム、ODSカラムの順にカラムを直結しても、ODSカラム、SCXカラムの順にカラムを直結しても、クロマトグラムのパターンに大きな変化はなかった。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施例である高速液体クロマトグラフィーの流路図である。
【図2】本発明の実施例1で得られた保留時間と移動相のpHの関係を示す図である。
【図3】本発明の実施例2で得られた第1の条件のときのクロマトグラムを示す図である。
【図4】本発明の実施例3で得られたクロマトグラムを示す図である。
【図5】本発明の実施例3で得られたクロマトグラムを示す図である。
【図6】従来の高速液体クロマトグラフィーの流路図である。
【符号の説明】
【0063】
10 高速液体クロマトグラフ
11 移動相容器
12 ポンプ
13 試料導入部
14 第1のカラム
15 第2のカラム
16 検出器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリチルリチン酸二カリウム、塩酸ピリドキシン、イプシロン−アミノカプロン酸、メチル硫酸ネオスチグミン、塩酸テトラヒドロゾリン、フマル酸ケトチフェンおよびマレイン酸クロルフェニラミンからなる群から選ばれる2種以上を同時に含む被検液を高速液体カラムクロマトグラフィーで定量する方法において、
前記被検液を含んだ移動相を、オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに導入し、当該被検液が導入されたオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムから出た溶出液を、前記オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに直結された陽イオン交換カラムに移動相として導入し、当該陽イオン交換カラムから出た溶出液に含まれる成分を検出することを特徴とする混合成分の定量方法。
【請求項2】
グリチルリチン酸二カリウム、塩酸ピリドキシン、イプシロン−アミノカプロン酸、メチル硫酸ネオスチグミン、塩酸テトラヒドロゾリン、フマル酸ケトチフェンおよびマレイン酸クロルフェニラミンからなる群から選ばれる2種以上を同時に含む被検液を高速液体カラムクロマトグラフィーで定量する方法において、
前記被検液を含んだ移動相を、陽イオン交換カラムに導入し、当該被検液が導入された陽イオン交換カラムから出た溶出液を、前記陽イオン交換カラムに直結されたオクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムに移動相として導入し、当該オクタデシルシラン結合シリカゲルが充填されたカラムから出た溶出液に含まれる成分を検出することを特徴とする混合成分の定量方法。
【請求項3】
外用剤に対する定量方法である請求項1または2に記載の混合成分の定量方法。
【請求項4】
点眼剤に対する定量方法である請求項1から3のいずれかに記載の混合成分の定量方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−29980(P2006−29980A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209200(P2004−209200)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【復代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之