説明

無人ヘリコプタ

【課題】 自律飛行制御機器を自律制御ボックスに収納した場合に自律制御ボックスの小型軽量化を図り、アンテナからのGPS受信データへのノイズの混入をなくして安定したGPSデータが得られるGPS装置を備えた無人ヘリコプタを提供する。
【解決手段】 GPS情報を受信するアンテナと、受信したGPS情報を演算処理してデジタルデータ信号を送出するGPS受信機とを一体化したアンテナ一体型GPS受信機81をテールボディの上面に備えた。好ましくは、メインGPS装置21,29とこれより優先順位が低いサブGPS装置とを備え、該サブGPS装置を前記アンテナ一体型GPS受信機81で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律制御によるプログラムフライトを行う無人ヘリコプタに関し、特に無人ヘリコプタの位置等を検出するGPS装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリコプタにムービーカメラやスチールカメラを搭載して、上空からの様子を撮影することが行われている。特に近年では無線操縦等により地上からの遠隔操作や、予めプログラムされた経路を飛行(プログラムフライト)する無人ヘリコプタ(例えば特許文献1)にこれらカメラを搭載して、有人ヘリコプタが近づけない場所の航空写真撮影などが行われている。
【0003】
自律制御によるプログラムフライトを行なう上でもっとも重要なセンサの一つとしてGPSが挙げられる。これは、設定された経路に沿って正確に飛行するためには、自機の現在位置の検出が正確に行なうことが重要であるということからも明らかである。
【0004】
GPS(Global Positioning System)は、近年のカーナビゲーションの普及により身近なものとなってきているが、GPSとは地球の周回軌道(上空約2万km)を回る24個のGPS衛星(6軌道に4個ずつ配置されている)から発信される情報を利用して、利用者の現在地(緯度、経度、高度)、速度、時刻を得るためのシステムである。
【0005】
ただし、使用される電波が高周波(1.5GHz)であるため、ほとんど光に近い性質を持っており、GPSアンテナから衛星までの空間に金属、建物、山、機器類、人間、鳥などがあると、位置精度が悪化したり、又は電波が受信できないことがある。また、GPS衛星は米国国防総省が運営しているため、有事の時には利用が制限されることがある。
【0006】
GPSを使用した測位システムとしては、図9に示すように、GPS衛星からの信号のみを利用した単独測位100によるシングルGPS101と、陸上でGPS衛星を受信し、その情報を無線で送る基点局と、車、船舶、航空機など移動体側においてGPS衛星からの信号を受信すると共に、前記基点局からの無線データを受信し演算することで測位精度を向上する相対測位110とがある。
【0007】
この相対測位の方法としてはさらに、安価で比較的精度が高く、かつ、基点局から遠く離れていても使用可能なディファレンシャルGPS(Differential GPS、以下DGPSと記す)111と、より高精度なリアルタイムキネマテックGPS(Real Time Kinematic GPS、以下RTK−GPSと記す)112とがある。
【0008】
シングルGPS101は、1つのGPS受信機とアンテナによって構成される。
GPS受信機は衛星からの電波(搬送波)に載せられたコードの伝搬時間を測定して、位置を算出するものであり、安価でかつ構造が単純なため制御のための高速演算が可能であるという点がメリットとして挙げられる。しかし、自身の受信精度に依存するため、測位精度としては15m〜100m程度の誤差を含んでいる。
【0009】
DGPS111は、陸上の位置が正確に計られている地点に設置した基点局と、自動車、船舶、航空機など移動体に設置した移動局から構成される。基点局は衛星からの電波(搬送波)に乗せられたコードの伝搬時間を測定して、位置を演算する共に、既値の位置データと演算によって求められた位置データとを比較して、GPS信号のエラー率等の補正データを無線電波(一般的なカーナビ等ではFM放送波が用いられるが、様々な電波の周波数及び形式がある)に乗せて移動局に送信し、移動局は衛星から受信した信号によって単独測位したデータを前記補正データを用いて補正演算して現在位置を測位するため、比較的安価かつ単純な構成でシングルGPSよりも高精度に位置を検出することができる。
【0010】
RTK−GPS112は、前述のシングルGPS101やDGPS111のように搬送波に載せられたコードの伝搬時間の測定によるものではなく、電波(搬送波)の位相を測定することにより cm レベルの高精度測位を可能とした技術である。
【0011】
RTK−GPS112は、DGPS111の構成にさらに基準局を設ける。基準局は基点局からのデータを受信すると同時に衛星からの電波(搬送波)を連続的に観測し,搬送波位相積算値を計測し、移動局に位相データを送信する。移動局では衛星からの電波(搬送波)を連続的に観測して位相データを算出すると共に、基準局から送信されたデータを基に二重位相差を求める。これにより、誤差要因を除去した上で三次元的に分布する一波長ごとの格子点群の中から、正しい移動局の位置を特定するとともに、衛星までの絶対距離を知るために波長(19cm)ごとの不確定性を決定するために初期化を行なう。初期化には常に5個以上の衛星を受信することが必要で一瞬たりとも信号を逃すと、再度初期化をする必要がある。また、一度初期化が終了すれば、得られた位置精度は、常に4個以上のGPS衛星を受信している限り維持されるが、一部の衛星の電波が瞬時的にも遮られると不連続となり、再度初期化をし直す必要がある。なお、基点局からのデータは、時々受信できない程度であれば問題はない。
【0012】
このようなGPS装置は、アンテナと、このアンテナで受信したGPSデータを演算処理して位置や速度などを算出し、デジタルデータ信号として送出する受信機とにより構成される。この受信機からのGPS位置データ等が自律飛行制御に利用される。
【0013】
従来、アンテナはテールボディの上面に設けられ、受信機は他の自律飛行用制御機器類とともに機体内部に収納され、あるいは自律制御ボックス内に収納されて、機体側面又は下部に搭載されていた。
【0014】
しかしながら、GPS受信機を機体内部あるいは自律制御ボックス内部に収納すると、機体内部や自律制御ボックス内のスペース的制約が大きくなり、レイアウトも煩雑になる。また、自律制御ボックスの形状も大きくなり重量も重くなる。
【0015】
また通常、アンテナからGPS受信機までのケーブルにはノイズが混入しやすく、アンテナで受信した電波が受信機までの間で乱れ、安定して良好なGPSデータが得られなくなる場合がある。したがって従来、このような点を考慮して、ケーブルに対するシールドを厳格にしたり、取扱いを慎重にしなければならなかった。
【0016】
【特許文献1】特開2002−166893号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであって、自律飛行制御機器を自律制御ボックスに収納した場合に自律制御ボックスの小型軽量化を図り、アンテナからのGPS受信データへのノイズの混入をなくして安定したGPSデータが得られるGPS装置を備えた無人ヘリコプタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1の発明は、GPS情報を受信するアンテナと、受信したGPS情報を演算処理してデジタルデータ信号を送出するGPS受信機とを一体化したアンテナ一体型GPS受信機をテールボディの上面に備えたことを特徴とする無人ヘリコプタを提供する。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、メインGPS装置とこれより優先順位が低いサブGPS装置とを備え、該サブGPS装置を前記アンテナ一体型GPS受信機で構成したことを特徴とする。
【0020】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記サブGPS装置は、前記メインGPS装置より、テールボディ上でメインロータ軸に近い側に備わることを特徴とする。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、テールボディ上にステイを固定し、該ステイ上に免震ダンパを介してアンテナ一体型GPS受信機を設け、該アンテナ一体型受信機を防水ケースで覆ったことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、アンテナ一体型GPS受信機をテールボディ上面に設けるため、アンテナと別体のGPS受信機を機体内部あるいは自律制御ボックス内部に備える必要がなくなり、機体内部あるいは自律制御ボックス内部のスペースに余裕ができ、部品レイアウトの自由度が高まる。また自律制御ボックスを用いる場合には、自律制御ボックスの小型軽量化が図られる。
【0023】
また、アンテナ一体型GPS受信機を用いることにより、アンテナとGPS受信機間の、ノイズが混入しやすく取扱いに慎重さを要するアンテナケーブルが不要となり、アンテナ一体型GPS受信機から機体内部あるいは自律制御ボックス内部までは、取扱いが容易でノイズの影響が少ないデジタルデータ信号ケーブルを配設すればよい。これにより、ケーブルの取扱いやシールドが容易になるとともに、位置や速度等のGPSデータが常に安定した状態で得られる。
【0024】
請求項2の発明によれば、機体の姿勢や向きなどによりGPSアンテナが受信不良となることを防止するため、メインGPSアンテナを有するメインGPS装置及びこれより優先順位の低い(例えば性能が幾分低い)サブGPSアンテナを有するサブGPS装置とを備えた場合に、優先順位が低く比較的小型の受信機を用いるサブGPS装置をアンテナ一体化受信機として形成できる。これにより、前述の請求項1の効果とともに、GPSが電波障害等で確実性を低下させることなく、常に確実にGPSを利用した信頼性の高い自律制御ができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、優先順位が高く主として使用されるメインGPS装置のGPSアンテナがテールボディ上でメインロータ軸から離れた位置に設けられるため、メインロータ軸による電磁遮蔽作用を受けにくくなり、GPS機能が安定化する。
【0026】
請求項4の発明によれば、免震されている自律制御ボックス内に比べ振動が大きいテールボディ上で、免震ダンパを介して安定してアンテナ一体型GPS受信機を支持できるとともに、防水ケースにより雨水の影響を防止して装置の劣化や機能低下を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1〜図3はそれぞれ、本発明に係る無人ヘリコプタの側面図、上面図及び正面図である。
無人ヘリコプタ1はメインボディ2とテールボディ3からなる機体4を備える。メインボディ2の上部にはエンジン(不図示)からの回転力を受けて回転するメインシャフト5aにメインロータ5がロータ支持部5bを介して接続されている。テールボディ3の後部にテールロータ6が備わる。メインボディ2の前部にラジエータ7が備わり、機体4のほぼ中央部のメインボディ2の左右下部に支持脚8を介してスキッド9が備わる。
【0028】
スキッド9の前端部上方の機体下部には、機体内のエンジン(不図示)に接続された排気管60に備わるマフラー61が配設される。
【0029】
メインボディ2の後部上側にコントロールパネル10が備わり、下側に表示灯11が備わる。コントロールパネル10は、飛行前のチェックポイントやセルフチェック結果等を表示する。コントロールパネル10の表示は地上局でも確認できる。表示灯11は、GPS制御の状態や機体の異常警告等の表示を行なう。
【0030】
メインボディ2の前部下側には、赤外線カメラ(もしくはCCDカメラ)を収容したカメラ装置12がカメラ雲台13を介して取付けられる。カメラ雲台13に取付けられたカメラは、パン軸(垂直軸)廻りに回転するとともに、チルト軸(水平軸)廻りに回転可能である。これにより、カメラが前側の窓14を通して上空から地上の全方位を撮影できる。
【0031】
メインボディ2の左側に自律制御ボックス15が搭載される。自律制御ボックス15内には、自律制御に必要なGPS制御装置、地上と通信するデータ通信機や画像通信機、及び制御プログラムを組み込んだ制御基板などが収容される。自律制御は、機体の位置や速度などの飛行データ、機体の姿勢や方位などの機体データ、エンジン回転数やスロットル開度などの運転状態データ等に基づいて、予め定められた運転モードや制御プログラムを自動的に、あるいは地上局からの命令によって選択し、運転状態に応じて最適な操縦制御を行なう。
【0032】
この無人ヘリコプタ1は、このような自律制御で飛行できると共に、飛行状態を目で確認しながら、この飛行状態や機体から送信された各種運転状態データに基づいて、無線操縦機によりマニュアル操作が可能である。
【0033】
メインボディ2の下面側にアンテナ支持枠16が取付けられる。このアンテナ支持枠16に、傾斜したステー17が取付けられる。このステー17に前述の自律制御に必要な運転状態データや飛行指令データ等の操縦データ(デジタルデータ)を地上局との間で送受信するために操縦データアンテナ18が取付けられる。ステー17にはさらに、前述のカメラ装置12で撮影した画像データ(アナログデータ)を地上局に送信するための画像データアンテナ19が取付けられる。
【0034】
テールボディ3下面側に地磁気等に基づく方位角センサ20が備わる。方位角センサ20により機体の向き(東西南北)が検出される。メインボディ2内にはさらに、ジャイロ装置からなる姿勢角センサ(不図示)が備わる。
【0035】
テールボディ3の上面側にメインGPSアンテナ21およびアンテナ一体型GPS受信機81が備わる。テールボディ3の後端部に、無線操縦機からの指令信号を受信する無線操縦用受信アンテナ26が備わる。
【0036】
図4は、本発明の参考例に係る無人ヘリコプタのブロック構成図である。
カメラ装置12は、カメラ雲台13に搭載された赤外線カメラ(又はCCDカメラ)24を備える。
【0037】
自律制御ボックス15内には、カメラ24からの映像データを受信する画像制御装置25と、画像データを地上局に送る画像送信機26と、自律制御に必要なデータを地上局との間で送受信するためのデータ通信機27と、自律制御プログラムが格納されたマイコン等からなる制御基板28と、メインGPSアンテナ21に接続されたメインGPS受信機29と、サブGPSアンテナ22に接続されたサブGPS受信機30が収納される。
【0038】
機体4には、自律制御ボックス15内の画像送信機26及びデータ通信機27からそれぞれ、アナログ画像データを地上局に送る画像データアンテナ19及びデジタル操縦データを地上局との間で送受信する操縦データアンテナ18が、前述のようにメインボディ2(図1)の下面側に備わる。方位センサ20は、自律制御ボックス15内の制御基板28に接続される。機体4内には、ジャイロ装置等からなる姿勢センサ31が備わり、コントロールボックス32に接続される。コントロールボックス32は、自律制御ボックス15内の制御基板28とデータ通信して5台のサーボモータ33を駆動する。3台のサーボモータ33がメインロータを制御してエンジンコントロール用のサーボモータとともに、機体の前後、左右、上下方向の移動を制御し、テールロータ制御用のサーボモータが機体の回転を制御する。
【0039】
メインGPSアンテナ21は、アンテナケーブル21bを介してメインGPS受信機29に接続される。メインGPS受信機29は、メインGPSアンテナ21で受信したGPS情報に基づいて機体の位置や速度等を演算し、このデータをデジタル信号として信号ケーブル21cを介して制御基板28に送出する。
【0040】
同様に、サブGPSアンテナ22は、アンテナケーブル22bを介してサブGPS受信機30に接続される。サブGPS受信機30は、サブGPSアンテナ22で受信したGPS情報に基づいて機体の位置や速度等を演算し、このデータをデジタル信号として信号ケーブル22cを介して制御基板28に送出する。
【0041】
図5は、上記図4の参考例と比較した本発明の実施例に係る無人ヘリコプタのブロック構成図である。
本発明の実施例では、サブGPSアンテナ22とサブGPS受信機30が一体化され、アンテナ一体型GPS受信機81が備わる。このアンテナ一体型GPS受信機81は、それ自体でGPS情報を受信するとともに、受信したGPS情報に基づいて機体の位置や速度等を演算し、このデータをデジタル信号として信号ケーブル81bを介して制御基板28に送出する。その他の構成は上記図4の参考例と同様である。
【0042】
本実施例では、優先順位が高く性能に優れたメインGPS装置(メインGPSアンテナ21とメインGPS受信機29)は、アンテナケーブル21bを用いてアンテナ21での受信データを受信機29に送っている。一方、優先順位の低いサブGPS装置(アンテナ一体型GPS受信機81)は、アンテナケーブルを用いることなく、デジタル信号ケーブル81bを介して一体型アンテナから自律制御ボックス15内の制御基板28までを接続している。すなわち、アンテナとGPS受信機間の、ノイズが混入しやすく取扱いに慎重さを要するアンテナケーブル(図4のケーブル22b)が不要となり、アンテナ一体型GPS受信機81から自律制御ボックス15内部までは、取扱いが容易でノイズの影響が少ないデジタル信号ケーブル81bを配設すればよい。これにより、ケーブルの取扱いやシールドが容易になるとともに、位置や速度等のGPSデータが常に安定した状態で得られる。
【0043】
図6は、地上局のブロック構成図である。
無人ヘリコプタ1と通信する地上局53には、GPS衛星からの信号を受信するGPSアンテナ34と、無人ヘリコプタ1とデータ通信を行うための通信アンテナ35と、無人ヘリコプタ1から画像データを受信するための画像受信アンテナ36の3本のアンテナが地上に設置される。
【0044】
地上局53は、データ処理部37と、監視操作部38と、電源部39とにより構成される。
【0045】
データ処理部37は、GPS受信機40と、データ通信機41と、画像受信機42と、これらの受信機40,通信機41,受信機42に接続された通信基板43とにより構成される。
【0046】
監視操作部38は、手動用コントローラ(無線操縦機)44と、カメラ操作や機体の操縦調整などを行うベースコントローラ45と、バックアップ電源46と、ベースコントローラ45に接続されたパソコン47と、パソコン用のモニタ48と、ベースコントローラ45に接続され画像データを表示する画像モニタ49とにより構成される。
【0047】
電源部39は、発電機50と、バッテリブースタ51を介して発電機50に接続されたバックアップバッテリ52とにより構成される。バックアップバッテリ52は、飛行前のチェック時などの発電機50が動作していないときに機体側に接続して12Vの電圧を供給する。飛行中は、発電機50からデータ処理部37及び監視操作部38に100Vの電圧を供給する。
【0048】
前述のように、無人ヘリコプタ1のテールボディ3の上面には、メインGPSアンテナ21とアンテナ一体型GPS受信機81が備わる。機体下部に支持脚8を介してスキッド9が備わる。この例ではメインボディ2の後部でテールボディ3の下側に自律制御ボックス15が備わる。自律制御ボックス15をメインボディ2の後部ほぼ中央に配置することにより、重量バランスが安定する。
【0049】
図7は、本発明の参考例に係る無人ヘリコプタの構成図である。この参考例は、前述の図4の参考例に対応する。
テールボディ3の上面にステイ21aが固定され、その上にメインGPSアンテナ21が固定される。メインGPSアンテナ21は、図4に示したように、アンテナケーブル21bを介して自律制御ボックス15内のメインGPS受信機29に接続される。
【0050】
メインGPSアンテナ21の前方のテールボディ3上にステイ22aが固定され、その上にサブGPSアンテナ22が固定される。サブGPSアンテナ22は、アンテナケーブル22bによりコネクタ80を介して自律制御ボックス15内のサブGPS受信機30に接続される。
【0051】
図8は、本発明の実施例に係る無人ヘリコプタの構成図である。
テールボディ3の上面にステイ21aが固定され、その上にメインGPSアンテナ21が固定される。メインGPSアンテナ21は、図5に示したように、アンテナケーブル21bを介して自律制御ボックス15内のメインGPS受信機29に接続される。
【0052】
メインGPSアンテナ21の前方のテールボディ3上にステイ81aが固定され、その上にワイヤスプリング等からなる免震ダンパ82を介してアンテナ一体型GPS受信機81が設けられる。ステイ81aは、例えば2枚の平行な金属板あるいはFRP板で構成される。アンテナ一体型GPS受信機81は、デジタル信号ケーブル81bにより、コネクタ80を介して、メインボディ2の後部に搭載された自律制御ボックス15内の制御基板に接続される。このアンテナ一体型GPS受信機81は非導電体材料からなる防水ケース83で覆われる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、無人ヘリコプタだけでなく、翼を有する無人飛行機に対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る無人ヘリコプタの側面図。
【図2】図1の無人ヘリコプタの上面図。
【図3】図1の無人ヘリコプタの正面図。
【図4】本発明の参考例に係る無人ヘリコプタのブロック構成図。
【図5】本発明の実施例に係る無人ヘリコプタのブロック構成図。
【図6】地上局のブロック構成図。
【図7】本発明の参考例に係る無人ヘリコプタの構成図。
【図8】本発明の実施例に係る無人ヘリコプタの構成図。
【図9】GPSの説明図。
【符号の説明】
【0055】
1:無人ヘリコプタ、2:メインボディ、3:テールボディ、4:機体、5:メインロータ、5a:メインシャフト、5b:ロータ支持部、6:テールロータ、7:ラジエータ、8:支持脚、9:スキッド、10:コントロールパネル、11:表示灯、12:カメラ装置、13:雲台、14:窓、15:自律制御ボックス、16:アンテナ支持枠、17:ステー、18:操縦データアンテナ、19:画像データアンテナ、20:方位センサ、21:メインGPSアンテナ、21a:ステイ、21b:アンテナケーブル、21c:デジタル信号ケーブル、22:サブGPSアンテナ、22a:ステイ、22b:アンテナケーブル、22c:デジタル信号ケーブル、23:無線操縦用受信アンテナ、24:カメラ、25:画像制御装置、26:画像送信機、27:データ通信機、28:制御基板、29:メインGPS受信機、30:サブGPS受信機、31:姿勢センサ、32:コントロールボックス、33:サーボモータ、34:GPSアンテナ、35:通信アンテナ、36:画像受信アンテナ、37:データ処理部、38:監視操作部、39:電源部、40:GPS受信機、41:データ通信機、42:画像受信機、43:通信基板、44:無線操縦機、45:ベースコントローラ、46:バックアップ電源、47:パソコン、48:モニタ、49:画像モニタ、50:発電機、51:バッテリブースタ、52:バックアップバッテリ、53:地上局、56:ステー支持枠、57:クッション材、58,59:ブラケット、60:排気管、61:マフラー、80:コネクタ、81:アンテナ一体型GPS受信機、81a:ステイ、81b:デジタル信号ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS情報を受信するアンテナと、受信したGPS情報を演算処理してデジタルデータ信号を送出するGPS受信機とを一体化したアンテナ一体型GPS受信機をテールボディの上面に備えたことを特徴とする無人ヘリコプタ。
【請求項2】
メインGPS装置とこれより優先順位が低いサブGPS装置とを備え、該サブGPS装置を前記アンテナ一体型GPS受信機で構成したことを特徴とする請求項1に記載の無人ヘリコプタ。
【請求項3】
前記サブGPS装置は、前記メインGPS装置より、テールボディ上でメインロータ軸に近い側に備わることを特徴とする請求項2に記載の無人ヘリコプタ。
【請求項4】
テールボディ上にステイを固定し、該ステイ上に免震ダンパを介してアンテナ一体型GPS受信機を設け、該アンテナ一体型受信機を防水ケースで覆ったことを特徴とする請求項1に記載の無人ヘリコプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−106269(P2007−106269A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299411(P2005−299411)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)