説明

無機多孔性成形材及びその製造方法

【課題】 保水性、保肥性、通気性を保持し草木類の育成に優れるとともに、軽量で土壌への還元も可能な無機多孔性成形材及びその製造方法の提供。
【解決手段】 その孔径が10乃至100μmで且見掛比重が0.1乃至0.2に加熱発泡されたパーライトからなり、而もその粒径が1乃至10mmのパーライトの外表面にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液からなる接着剤が、パーライトの容量に対し5乃至15容量%割合で混練塗着されたうえ、所望の寸法形状で通気性を有する成形具内に積合填入させて予備成形させたうえ120乃至180℃の加熱空気で加熱乾燥させ、パーライト相互の接着と且全体を一体的に接着固定させる構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無機多孔性成形材に係わるもので、更に詳しくは膨大な微細孔隙及び粗大な間隙が混在し、透水性や通気性、絡着性若しくは廃棄性の要求される製品には、極めて好適な無機多孔性成形材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農業用の播種箱や育苗箱或いはポット若しくは花卉用の植木鉢等は耐久性や加工性に優れること、及び価格的にも安価なことから専ら合成樹脂素材が使用されてきており、これら製品には透水性や通気性が要求されるためその底面には排水孔や通気孔が形成されている。しかしながら播種箱や育苗箱等の内部には少なくとも3乃至5kg程度の培土や育成土が収納されたうえ、播種や移植等の作業には適宜数箱を重ね運搬させるもので、反面農業従事者も年々高齢化が進んでおり該播種箱や育苗箱の軽量化が強く求められている。
加えてかかる合成樹脂素材からなる製品は自然崩壊や分解もなされぬため、結局は回収のうえ焼却処分をなさねばならぬものの、実情は広範囲に亘る農地の随所に散乱されてなり環境保全のうえからも大きな問題を抱えている。
【0003】
更に我が国では極度に都市化が進み道路の舗装化とともに鉄骨鉄筋コンクリート建物の林立と且冷暖房の完備による加熱空気の放散とも相俟って、都市部の高温化所謂ヒートアイランド現象が拡大化していることから、緑化による低温化とりわけ建物施設の屋上面への草木類の植生所謂屋上緑化政策が推進されつつあるが、建物施設屋上に草木を植生させるためには、少なくとも育成土壌を20乃至30cm以上に敷設させ特に樹丈の高い樹木では生長に伴い根部を十分に固定保持させる育成土壌を更に多量に敷設投入せねばならず、建物施設には膨大な重量が付加されることから、建物施設の構造強度が十分でないと実現も不能となる。
【0004】
これがため育成土壌を削減して植生を可能ならしめるうえから、ロックウールやガラスウールの如き嵩高で保水性や通気性を保持するマット材や発泡コンクリート板材、或いは合成繊維を絡合させ若しくは編織させてなるロック材等が提案されているものの、ロックウールやガラスウールからなるマット材或いは発泡コンクリート板材等では、ツタやヘデラ等蔓性植物では生長に伴う絡着が可能なるも草木類の如き立木性の植物では根拡生長に際して根の絡着による固定支持が不十分で特に風による折損や倒伏等が発生し、十分な植性に至らぬ危険があるばかりか、これら製品も依然として多重であって、建物施設への荷重付加も大きい。
他方合成繊維を絡合若しくは編織させたロック材は嵩高で空隙も多いものの草木類の植生には多量の育成土壌の併用が余儀なくされる等、十分な屋上緑化材としては言えない。
【0005】
発明者はかかる実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、播種用若しくは育苗用培士には、土壌に還元しえる組成成分で且加熱発泡により連続気泡からなる膨大数の微細孔隙を有するパーライトが使用されており、且該パーライトは極めて軽量なうえ保水性や保肥性及び通気性に優れることに着目するとともに、このパーライトの適宜粒径の外表面にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を接着剤として塗着のうえ所望の成形具内に填入させ、該接着剤の残留水分率を15%重量%以下に蒸散せしめることにより、パーライト相互を一体的に接着固定させることにより、使用経過とともに吸水自己崩壊させ、若しくは長期に亘って耐久使用しえることを究明し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は保水性、保肥性、通気性、並びに根拡絡合性を保持し、草木類の生長に極めて優れ、而も軽量で土壌への還元も可能な無機多孔性成形材及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は、真珠岩、頁岩、膨脹頁岩、黒曜岩若しくは松脂岩等を加熱発泡させて、その孔径が10乃至100μmの連続気泡構造で見掛比重が0.1乃至0.2のパーライトと、シロキサン及びシラノール塩とを分子量換算で4000程度に多分子量化させた錯化合物状で、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が45乃至60重量%と水分40乃至55重量%の組成割合からなるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を接着剤として用い、粗大な接合間隙を形成するために、その粒径が1mm乃至10mmのパーライトの外表面に接着剤を該パーライト容量に対して5乃至15容量%割合で混練塗着せしめたうえ、所要の寸法形状で且通気性を保持する成形具内に積合填入して予備成形のうえ、その温度が120乃至180℃の加熱空気で通風乾燥せしめ、パーライト相互の接着により全体を一体的に接着固定させる、無機多孔性成形材及びその製造方法に存し、更には混練塗着された接着剤の残留水分率を7乃至15重量%に乾燥を抑制し、使用時における水分の吸水により所要の寸法形状に形成された無機多孔性成形材を吸水自己崩壊させる構成の、無機多孔性成形材及びその製造方法に存する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如き構成からなるもので主たる素材としてのパーライトには、その孔径が10乃至100μmの連続気泡構造の膨大数の微細孔隙を有し、且その粒径が1乃至10mmのパーライトを用いてその外表面にはシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液からなる接着剤がパーライトの容量に対し5乃至15容量%割合で混練塗着されたうえ所要の寸法形状で且通気性を保持する成形具内に積合填入し、120乃至180℃の加熱空気により通気乾燥させてパーライト相互を接着させ、全体を一体的に且所要の寸法形状に接着固定させて成形材が形成されるものであるから、成形材全体に亘って膨大数の微細孔隙と、且パーライト粒体相互の粗大な積合間隙も全体に亘って形成される。本発明により播種箱や育苗箱、育苗…
【0009】
従って本発明により播種箱や育苗箱、育苗ポット或いは屋上緑化基材を形成させた場合には、僅かな育成土や培養土等を併用し花卉類や蔬菜類、草木類の播種育苗若しくは移植させた場合には、全体が極めて軽量であるから搬入や搬出作業が簡便になしえるばかりか、屋上緑化においては建物施設の加重付加が著しく軽減される。
そして播種された種や育苗若しくは移植された苗は、併用される育成土や培養土に加えて成形材の膨大数の微細孔隙と且パーライト粒体相互の粗大な積合間隙が大きな保水性や保肥性と通気性を保持するため、散水や施肥による長期の保水性や保肥性が発揮されて、散水作業や施肥作業が大幅に削減されるばかりか、露地環境においての長期に亘る干天でも播種や育苗或いは移植された花卉、蔬菜、草木等の枯死が防止される。
【0010】
加えて播種し育苗し若しくは移植された花卉、蔬菜或いは草木類は、その根拡成長に伴い微細孔隙内や積合間隙内に強固に絡合しつつ成長するため、風雨による倒れや折れが防止されるばかりか、更なる成長に伴う根拡成長力により積合間隙が破壊されるとともに、その組成成分が酸化珪素や酸化アルミであるため土壌改良材として土壌に還元されることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
加熱発泡形成され、その孔径が10乃至100μmの連続気泡構造からなる膨大数の微細孔隙を有し見掛比重が0.1乃至0.2で、且その粒径が1乃至10mmのパーライトの外表面に、シロキサン及びシラノール塩からなりその分子換算で略4000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液からなる接着剤をパーライトの容量に対して5乃至15容量%割合で混練塗着のうえ、所要の寸法形状で通気性を有する成形具内に積合填入し、120乃至180℃の加熱空気を通気せしめて積合填入されたパーライト相互を接着させて全体を一体的に接着固定させた無機多孔性成形材及びその製造方法。
【実施例1】
【0012】
以下に本発明実施例を製造方法の図とともに詳細に説明すれば、図1は本発明製造方法の概略説明図、図2はパーライトの拡大説明図、図3は接着剤の説明図であって、本発明無機多孔性成形材1の形成に使用するパーライト1Aは真珠岩を初め頁岩や膨脹頁岩或いは黒曜岩若しくは松脂岩等を所要の粒径に破砕のうえ加熱発泡処理により、その孔径が10乃至100μmの連続気泡構造からなる膨大数の微細孔隙1Cを形成させた見掛比重0.1乃至0.2程度のものが、軽量化と且育成面のうえから選択される。
加えて本発明においては播種の発芽と育成、育苗若しくは移植に係わる花卉類や蔬菜類或いは草木類等の成長に従って風雨等による倒れや折れを防止するうえからは、根部の十分な強固絡合をなさしめるため、成形材の形成に際して積合填入されるパーライト1A相互の間に十分に粗大な積合間隙1Dを形成させてやる必要上、その粒径として1mmから最大10mmのパーライト1Aが用いられる。
【0013】
かくしてなるパーライト1Aの外表面には、所望の寸法形状の無機多孔性成形材1を形成する場合に、所要のパーライト1Aを予備成形工程30において、所望の寸法形状に形成された成形具3内に積合填入させたうえ、パーライト1A相互と且全体を一体的に接着し固定化させるための接着剤1Bが塗着される。この接着剤1Bは、その組成成分として耐水性や耐候性に加えて土壌への還元が可能なうえ、無機質からなるパーライト1Aと強固に接着が出来且使用安全性の高いものが要望される。
この要件を具備する接着剤1Bとしては、ケイ酸やケイ酸ソーダ等をホウ酸やフッ酸の存在下に、その分子量換算で略4000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液が好適であって、該シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の組成としては、シロキサン及びシラノール塩とからなる固形分が45乃至60%重量割合と、水分が40乃至55重量%からなるものである。
【0014】
而して所要の粒径に選択されたパーライト1Aの相互と且全体を一体的に接着固定させるために、パーライト1Aの外表面には接着剤1Bがパーライト1Aの容量に対して5乃至15容量%割合で塗着される。
かかる接着剤1Bの塗着に際しては多様な手段が提案されるが、簡便且能率的に塗着をなす手段としては、図1の混練工程20に示す混練塗着機2の使用が好適であって、該混練塗着機2は特段の制約は無く、図4に示す如く所要の収納容量で且上部に開口部2B,下部に排出部2Cが形成された収納ドラム2D内に撹拌翼2Eが回転可能に装着されたもので、該収納ドラム2D内に収納されたパーライト1Aに接着剤滴出管2Fを配位させたうえ、収納ドラム2C内に収納されたパーライト1Aの容量に対して、5乃至15容量%割合の接着剤1Bを分散滴下させ、撹拌翼2Dにより混練させることにより混練塗着2Aがなされる。混練塗着機2としては、他に収納ドラムが横方向に形成配位されたうえ収納ドラム自体が回転するものや、リボンブレンダー或いはヘンシェルミキサー等でも混練塗着2Aは可能である。
【0015】
図5にはパーライト1Aの外表面に接着剤1Bが混練工程20で混練塗着2Aされた状態が示されてなるもので、かかる如く混練塗着2Aがなされたうえは、所望の寸法形状に形成された成形具3内に粗大な積合間隙1Dが形成されるよう積合填入がなされる。
かかる場合に塗着される接着剤1Bの塗着量がパーライト1Aの容量に対して5容量%以下になると、パーライト1A相互の接着性及び全体の一体的接着固定力が不足し、取扱中における損壊や崩壊の危険が生じ、反面塗着量がパーライト1Aの容量に対して15容量%を超えると、通気性や根拡絡合性を高める積合間隙1Dの閉塞ばかりかパーライト1Aの保持する保水性や保肥性或いは通気性に係わる微細孔隙1Cも閉塞される結果ともなる。
【0016】
所要の混練塗着2Aがなされたうえは予備成形工程30において、所望の寸法形状に形成された成形具3内に積合填入させて予備成形をなすもので、かかる積合填入に際してはパーライト1A相互により形成される粗大な積合間隙1Dが保持形成されるよう僅かな填入圧力で填入させるもので、且積合填入されたうえはパーライト1Aの外表面に塗着された接着剤1Bを、短時間内に乾燥させてパーライト1A相互及び全体を一体的に接着固定させるうえから加熱乾燥工程40で加熱空気4Aを通風させる必要上該成形具3は加熱空気4Aが容易に通風できるよう、その形成素材としては金属線条を織成させてなる金網3Aが好適であるが、該金網3A以外にも適宜の金属溥板材に通気孔を打抜き形成させた所謂パンチング金属板も使用できる。当然に金網3Aの網目合やパンチングの通気孔の孔径は、パーライト1Aの粒径より小さく形成されるものである。
【0017】
図6には金網3Aを使用した成形具3の例示図が示されてなるもので、同図6のAには、屋上緑化基板等に用いる平板状の無機多孔性成形材1を形成する場合の成形具3の見取図が示されてなるもので、平板状の無機多孔性成形材1の形成では、金網3Aを所要の寸法形状を以て底面3B及び壁面3Cを形成し、且望ましくは開閉自由の蓋3Dを形成させたもので良い。他方播種箱や育苗箱等は、所要の寸法形状で且適宜の厚さを保持した容器状の無機多孔性成形材1を形成するものであるから、同図6のBに描かれてなる如く、金網3Bを用いて、無機多孔性成形材1の外寸法に適合する外型30Aと所望の厚さが形成されるよう無機多孔性成形材1の内寸法に適合する内型31Aとを形成し、この外型30Aと内型31Aとで形成される間隙31A間に積合填入させてやれば良い。無論必要により蓋型32Aを用意することも考慮される。
【0018】
成形具3内に積合填入させたうえはパーライト1A外表面に塗着されてなる接着剤1Bの水分を短時に蒸散せしめて、接着剤1Bのシロキサン結合の促進によるパーライト1A相互の接着及び全体を一体的に接着固定させるうえから乾燥工程40で加熱乾燥4が施されるもので、該加熱乾燥4の手段も多様な方法が提案されるが、簡便且安価な手段としては加熱空気4Aを通風させる手段が好適で、かかる加熱空気4Aの通風には送風ファン4Bの前面に通風可能な加熱ヒーター4Cを設けたうえその温度が120乃至180℃の加熱空気4Aを通風させる手段であって、成形具3はネット状のベルトコンベア4D上に載置移動させつつ加熱空気4Aを通風させるものである。更にネット状ベルトコンベア4D上を載置移動させる手段に代えて加熱空気4Aが流通する区画内の天井面に配置された軌道を移動可能に形成された移動フックに成形具3を吊下げて加熱乾燥4をなす方法も使用可能である。
加熱乾燥4における加熱空気4Aの温度は、形成される無機多孔性成形材1の成形厚さや接着剤1Bの塗着量によっても多少異なるが、一般的には120乃至150℃で略5乃至7分間程度の加熱乾燥時間により、十分な接着と且接着固化が可能である。かかる場合に無機多孔性成形材を短期間に吸水崩壊させる必要がある場合には、加熱乾燥4において接着剤1Bの残留水分を7乃至15重量%程度に留めることにより、短期に自己崩壊を促進させることが可能となる。
【0019】
図7は本発明の使用態様図であって、同図7のAは屋上緑化基板における態様が示されてなるもので、本発明無機多孔性成形材1の上面に適宜量の育成土壌5を敷設して草木類の苗5Aを移植させ、且予め散水及び液肥を与えることにより根部からの水分や肥料の吸収がなされるとともに、根拡成長する毛根や根枝が該無機多孔性成形材1からなる屋上緑化基板のパーライト1A相互により形成される粗大な積合間隙1D及び微細孔隙1Cに絡着しつつ生長し、風雨による倒れや折れに対抗して十分な生長がなしえるとともに多量の降雨に際してはその透水性により排水が十分になされ、且長期に亘る日照りによる乾燥が続いても無機多孔性成形材1を形成するパーライト1Aの保水性や保肥性が働き枯死も防止される。
そして本発明の無機多孔性成形材1は酸化珪素と酸化アルミニウムが主成分であるから、育成土や培養土と同様の成分であって該無機多孔性成形材1は移植された草木類の根拡成長力で次第に破砕や崩壊され、育成土壌に同化還元される。
【0020】
更に図7のBには播種箱の場合の使用態様が示されてなるもので、該播種箱においても、その内部に育成土壌5を収納させた場合にも極めて軽量であるから搬入搬出作業が簡単になしえ、且播種とともに一旦散水や液肥を施すことにより、余剰の水分や肥料分は播種箱外に排出され、且適宜容量の水分や肥料が該無機多孔性成形材1自体に保水保肥されるため灌水や施肥作業も著しく削減されるばかりか長期に亘る乾燥や日照りにおいても枯死が防止され、而も長期に使用し生長による根拡とともに破砕や崩壊されて、育成土壌5と同化還元されるため耕地への移植も可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
播種箱や育苗箱、育苗ポット或いは屋上緑化基材の寸法形状に合わせて形成すれば、即時に使用可能である。無論本発明無機多孔性成形材は、これら使用途に加え油吸着フィルター材や水の濾過材にも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】 本発明製造方法の概略工程説明図である。
【図2】 パーライトの拡大説明図である。
【図3】 接着剤の説明図である。
【図4】 混練塗機の説明図である。
【図5】 混練塗着されたパーライトの拡大説明図である。
【図6】 成形具の説明図である。
【図7】 本発明の使用態様図である。
【符号の説明】
【0023】
1 本発明無機多孔性成形材
1A パーライト
1B 接着剤
1C 微細孔隙
1D 積合間隙
2 混練塗着機
2A 混練塗着
2B 開口部
2C 排出部
2D 収納ドラム
2E 撹拌翼
2F 接着剤滴出管
20 混練工程
3 成形具
3A 金網
3B 底面
3C 壁面
3D 蓋
30 予備成形工程
30A 外型
30B 内型
31A 間隙
32A 蓋型
4 加熱乾燥
4A 加熱空気
4B 送風ファン
4C 加熱ヒーター
4D ネット状ベルトコンベア
40 乾燥工程
5 育成土壌
5A 苗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真珠岩、頁岩、膨脹頁岩、黒曜岩若しくは松脂岩を加熱発泡させ、その孔径が10乃至100μmの膨大数の連続気泡構造の微細孔隙を有し、且その見掛比重が0.1乃至0.2で而もその粒径が1乃至10mmのパーライトと、その分子量換算で略4000程度に多分子量化された錯化合物状で、且シロキサン及びシラノール塩とからなる固形分が45乃至60重量%と、水分が40乃至55重量%の組成割合のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液からなる接着剤とを混練工程においてパーライトの容量に対して接着剤を5乃至15容量%割合で分散滴下させ混練しパーライトの外表面に混練塗着させたうえ、予備成形工程において所望の寸法形状で且通気性を有する成形具内に積合填入させて予備成形のうえ、乾燥工程において120乃至180℃の加熱空気を通風せしめ、パーライト相互の接着及び全体を一体的に接着固定させることを特徴とする無機多孔性成形材の製造方法。
【請求項2】
乾燥工程において、混練塗着された接着剤の残留水分率を7乃至15重量%の乾燥割合に留める、請求項1記載の無機多孔性成形材の製造方法。
【請求項3】
その孔径が10乃至100μmの膨大数の連続気泡構造の微細孔隙を有し、且その見掛比重が0.1乃至0.2で而もその粒径が1乃至10mmのパーライトの外表面に、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液からなる接着剤がパーライトの容量に対し5乃至15容量%割合で混練塗着されたうえ、所望の寸法形状の成形具に積合填入されて予備成形のうえ加熱乾燥させて、パーライト相互及び全体が一体的に且粗大な積合間隙と微細孔隙を保持するよう接着固定されてなることを特徴とする無機多孔性成形材。
【請求項4】
加熱乾燥により接着剤の残留水分が7乃至15重量%割合に留められ、吸水により自己崩壊を可能としたことを特徴とする、請求項3記載の無機多孔性成形材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−40670(P2009−40670A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228300(P2007−228300)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(506154801)有限会社ダイアテック (13)
【Fターム(参考)】