説明

無線コンピュータマウスのための無線通信及び全地球測位を行う装置及び方法

【課題】無線コンピュータマウスのための無線通信及び全地球測位を行う装置及び方法を提供する。
【解決手段】無線コンピュータマウスのセンサからユーザ検出信号を受信してユーザの存在を判定することにより、無線コンピュータマウスの動作を行うことができる。1つの実施形態では、コントローラが、ユーザ検出信号に少なくとも部分的に基づいて無線コンピュータマウスの動作モードを決定することができる。その後、コントローラは、コントローラが決定した動作モードに基づいて、無線コンピュータマウスの短距離無線通信モジュール及び全地球測位受信機の少なくとも一方を有効にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にコンピュータ入力装置に関し、より具体的には、短距離無線通信用に構成されるとともに全地球測位データを受信するように構成された無線コンピュータマウスに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータマウス又はキーボードなどのコンピュータ周辺装置は、従来より単一のパーソナルコンピュータにコマンドを入力するように構成されてきた。通常、従来のコンピュータマウスはポインティングデバイスとして機能する。従来のマウスを第2の又は異なるコンピュータと共に動作させるには、通常、ユーザは、マウスを別の装置に結合し、及び/又はマウスを装置と共に動作するようにプログラムする必要がある。この結果、通常、従来のコンピュータマウスは1つの装置と共に動作する。さらに、通常、従来のコンピュータマウスは、同時に1つのコンピュータ装置としか動作しないように構成される。従って、従来のコンピュータマウスは、他のコンピュータ装置と無関係に動作するようには構成されていない。同様に、その他のコンピュータ周辺装置も、一般に、付属品として単一のコンピュータと共に動作するように構成される。残念なことに、及びコンピュータ周辺装置の場合は特に、周辺装置は、様々な種類の装置と共に動作するようには構成されていない。この結果、ユーザは複数の単体製品を持ち運ぶ必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、当業では、コンピュータ周辺装置の動作能力を改善するためのシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、無線コンピュータマウスの動作のための方法及び装置を開示し、この特許を請求する。1つの実施形態では、方法が、無線コンピュータマウスのセンサからユーザ検出信号を受け取ってユーザの存在を判定するステップと、ユーザ検出信号に少なくとも部分的に基づいて無線コンピュータマウスの動作モードを決定するステップと、コントローラが決定した動作モードに基づいて、無線コンピュータマウスの短距離無線通信モジュール及び全地球測位受信機の少なくとも一方をコントローラにより有効にするステップとを含む。
【0005】
当業者には、以下の発明の詳細な説明に照らして、本発明のその他の態様、特徴及び技術が明らかになるであろう。
【0006】
全体を通じて同じ参照符号が同様のものを示す図面を併用すると、以下に示す詳細な説明から本発明の特徴、目的、及び利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の1つの実施形態による無線コンピュータマウスを示す図である。
【図2】1つの実施形態による無線コンピュータマウス動作の処理を示す図である。
【図3A】1つの実施形態による無線コンピュータマウスの簡略ブロック図である。
【図3B】1つの実施形態による無線コンピュータマウスの簡略ブロック図である。
【図4A】1又はそれ以上の実施形態による1又はそれ以上の動作モードを有効にするための処理を示す図である。
【図4B−1】1又はそれ以上の実施形態による1又はそれ以上の動作モードを有効にするための処理を示す図である。
【図4B−2】図4B−1続き。
【図4C】1又はそれ以上の実施形態による1又はそれ以上の動作モードを有効にするための処理を示す図である。
【図4D】1又はそれ以上の実施形態による1又はそれ以上の動作モードを有効にするための処理を示す図である。
【図5】1つの実施形態によるシステムを示す図である。
【図6】1つの実施形態による無線コンピュータマウスの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
概要及び用語
本発明の1つの態様は、無線コンピュータマウスの動作に関する。1つの実施形態では、1又はそれ以上の動作モードを決定して、無線コンピュータマウスの短距離無線通信モジュール及び全地球測位受信機を有効及び/又は無効にできるようにするための処理が提供される。動作モードは、短距離無線通信モジュール及び全地球測位受信機の同時動作を可能にすることもできる。また、無線コンピュータマウスの1又はそれ以上の動作モードは、短距離無線通信モジュール及び全地球測位受信機の一方の単独動作を可能にすることもできる。いくつかの実施形態では、1又はそれ以上の動作モードが、無線コンピュータマウスのセンサのユーザ検出信号、1又はそれ以上のマウスボタンの起動シーケンス及び/又はコントローラ信号に基づくことができる。このようにして、動作モードは、無線コンピュータマウスのより効率的な動作を可能にするとともに、結果として消費電力を下げることができる。
【0009】
さらに、本開示は、一般にコンピュータ装置、パーソナル通信装置、媒体装置及び通信装置を含む(Blutooth(商標)などの)短距離無線通信用に構成された装置に関することができる。
【0010】
1つの実施形態では、無線コンピュータマウスが、短距離無線通信用に構成されるとともに(全地球測位システム(GPS)のデータ、米国海洋電子機器協会規格(NMEA)、全地球航法衛星システム(GLONASS)などの)全地球測位データを受信するように構成される。無線コンピュータマウスは、マウス近くのユーザの存在を検出するためのセンサをさらに含むことができる。
【0011】
本明細書で使用する場合、「1つの(英文不定冠詞)」という用語は、1又はそれ以上を意味するものとする。「複数の」という用語は、2又はそれ以上を意味するものとする。「別の」という用語は、第2の又はそれ以上の、と定義される。「含む(including)」及び/又は「有する(having)」という用語は、(「からなる(comprising)」のような)包括的な用語であると定義される。本明細書で使用する場合、「又は」という用語は包括的なものとして解釈すべきであり、すなわちいずれか1つ又はあらゆる組合せを意味する。従って、「A、B又はC」は「A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、A、B及びCのいずれか」を意味する。この定義に対する例外は、要素、機能、ステップ又は行為の組合せが何らかの形で本質的に互いに相容れない場合にのみ生じる。
【0012】
本明細書を通じて、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「ある実施形態」、又は類似の用語に対する言及は、実施形態に関連して説明する特定の機能、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて至るところに出現するこのような語句は、必ずしも全てが同じ実施形態について言及しているものではない。さらに、本発明を限定しない1又はそれ以上の実施形態に上記特定の特徴、構造又は特性をあらゆる好適な態様で組み込むことができる。
【0013】
コンピュータプログラミングの当業者の手法に従って、以下、コンピュータシステム又は同様の電子システムにより実行される動作を参照しながら本発明について説明する。これらの動作は、コンピュータ実行型と呼ばれることもある。符号で表される動作として、中央処理装置などのプロセッサによる、データビットを表す電気信号の操作、及びシステムメモリ内などの記憶場所におけるデータビットの保持、並びにその他の信号の処理が挙げられることが理解されよう。データビットを保持する記憶場所とは、データビットに対応する特定の電気的、磁気的、光学的、又は有機的特性を有する物理的場所のことである。
【0014】
ソフトウェアの形で実現される場合、基本的に本発明の要素は、必要なタスクを行うためのコードセグメントである。コードセグメントは、情報を記憶又は転送できるあらゆる媒体を含むことができるプロセッサ可読媒体に記憶することができる。プロセッサ可読媒体の例として、電子回路、半導体メモリ装置、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ又はその他の不揮発性メモリ、フロッピディスケット、CD−ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバメディア、無線周波数(RF)リンクなどが挙げられる。
【0015】
例示的な実施形態
図1を参照すると、本発明の1つの実施形態による無線コンピュータマウス100を示している。図示のように、無線コンピュータマウス100は、左クリックボタン101、中央クリックボタン102、及び右クリックボタン103を含む。マウス100は、スクロール/ホイールボタン104をさらに含む。1つの実施形態によれば、マウス100は、ユーザの存在を検出するように構成されたセンサ105を含む。センサ105は、マウス100の近くのユーザの手及び/又は身体の一部を検出するように構成された反射センサに関連することができる。一例として、センサ105を、例示的な実施形態によるセンサの2インチ以内にあるユーザの手を検出するように構成することができる。しかしながら、センサ105を、同様の又は異なる範囲内のその他の物体を検出するように構成することもできる。別の実施形態によれば、センサ105を、照明状態に基づいてユーザの存在を検出するように構成することができる。例えば、センサ105を、周囲の照明状態に応じて検出閾値を調整するように構成することができる。同様に、センサ105は反射センサに限定されるものではなく、その他の種類のセンサにも関連できることを理解されたい。いくつかの実施形態では、マウス100が、ユーザ操作などの当業で周知のような動きを検出するための1又はそれ以上のセンサをさらに含むことができる。一例として、マウス100は、(レーザー、LEDなどの)光源及び動きを追跡するための検出器(図示せず)を含むことができる。
【0016】
本発明の1つの実施形態によれば、マウス100を、全地球測位データを受信するように構成することができる。従って、マウス100は、(全地球測位システム(GPS)データ、米国海洋電子機器協会規格(NMEA)、全地球航法衛星システム(GLONASS)、ガリレオ衛星航法システムなどの)1又はそれ以上の全地球測位信号及び/又は全地球測位データを受信するように構成されたアンテナ106を含む。アンテナ106は、スタブアンテナとして示している。しかしながら、アンテナ106は(マウス100の本体に内蔵するなどの)異なる構成を有することもできるということを理解されたい。
【0017】
マウス100は、1又はそれ以上の装置との(Bluetooth(商標)などの)短距離無線通信用に構成された短距離無線通信アンテナ107及び108をさらに含む。アンテナ107及び108は、1又はそれ以上の追跡信号、ボタン101〜104の送信起動、及び/又はアンテナ106によって受信したデータを送信するように構成することができる。図1に示すアンテナ107及び108は、マウス100の内部に実装される。1つの例示的な実施形態によれば、アンテナは、2.4GHz及び2.4835GHzの、又はこれらの間の周波数でデータを送受信することができる。起動時には、短距離無線通信モジュールが、マウスの動きを示すデータを別の装置へ送信することができる。例えば、マウス100を、コンピュータ、携帯情報端末(「PDA」)、メディアプレーヤ、モバイル通信装置、イヤホーンなどの1又はそれ以上と同時に使用するように構成することができる。別個のものとして示しているが、アンテナ107及び108を代わりに単一のアンテナ又は異なる構成に置き換えることもできる。
【0018】
別の実施形態では、マウス100のコントローラ(図1には図示せず)を、ボタン101〜104の起動を検出してマウス100の1又はそれ以上の動作モードを決定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ボタン101〜104の起動シーケンスが現在の動作モードをオーバーライドすることができる。別の実施形態によれば、マウス100は、短距離無線通信及び全地球測位データの受信の同時動作を有効にするように構成されたスイッチ109を含むことができる。マウス100は、オン/オフスイッチ(図1には図示せず)をさらに含むことができる。図1には無線コンピュータマウスを記載しているが、本発明が他の装置も対象にできることを等しく理解されたい。
【0019】
ここで図2を参照すると、本発明の1又はそれ以上の実施形態による(無線コンピュータマウス100などの)無線コンピュータマウスの動作の処理を示している。マウスの起動及び/又はスタートアップ中に処理200を開始することができる。ブロック205において、マウスのコントローラが、(センサ105などの)センサからユーザ検出信号を受け取る。受け取った検出信号に基づいて、コントローラは、ブロック210においてマウスの動作モードを決定することができる。図4に関して以下でさらに詳細に説明するように、コントローラは、ユーザ検出信号に基づいて1又はそれ以上の動作モードを有効にすることができる。いくつかの実施形態では、コントローラが、1又はそれ以上の信号をさらに受信して動作モードを決定することができる。例えば、ユーザは、(ボタン101〜104などの)一連のボタンの起動及び/又はユーザ検出信号により、決定した動作モードをオーバーライドすることができる。これとは別に、或いはこれと組み合わせて、ユーザが(ボタン101〜104などの)ボタンを所定の時間押し下げることにより、手動オーバーライドを開始することができる。同様に、動作モードのオーバーライドは、(スイッチ109などの)デュアルモードスイッチの位置に基づいて短距離無線通信モジュール及び全地球測位受信機の同時動作を指示することができる。ブロック215において、コントローラが、決定した動作モードに基づいてマウスを有効にする。
【0020】
図3A〜図3Bは、本発明の1又はそれ以上の実施形態による図1の無線コンピュータマウスの簡略ブロック図を示している。
【0021】
まず図3Aを参照すると、無線コンピュータマウスは、マウスの動作に関する1又はそれ以上の信号を検出して送信するように構成された無線通信チップセット305を含むことができる。1つの実施形態によれば、無線コンピュータマウスは、無線コンピュータマウスの全地球位置に関する1又はそれ以上の信号を送信するように構成された無線通信/全地球位置受信機チップセット310をさらに含むことができる。別の実施形態によれば、動作モードに基づいてチップセット305及び310の1又はそれ以上に電力を供給することができる。
【0022】
図3Aに示すように、オン/オフスイッチが作動した場合、バッテリー335が電圧レギュレータ315に電圧を供給することができる。電圧レギュレータ315は、レギュレータのイネーブルピンにおいて受信した1又はそれ以上の制御信号及びスイッチ330の制御に基づいて、チップセット305及び310の少なくとも1つに電圧を供給するように構成することができる。1つの実施形態によれば、無線通信チップセット305を、電圧レギュレータ315及びスイッチ330を制御するように構成することができる。
【0023】
無線通信チップセット305は、(センサ105などの)センサ320により出力される1又はそれ以上の信号に基づいて、無線コンピュータマウス近くのユーザを検出するように構成することができる。信号調節回路325は、センサ320の出力に基づいて1又はそれ以上の電圧レベルを出力するように構成することができる。このようにして、1又はそれ以上の動作モードを決定することができる。チップセット305をデュアルモードスイッチ340にさらに結合し、このスイッチをユーザが起動して無線通信チップセット305及びチップセット310のデュアルモード動作を選択することができる。チップセット305は、左クリック345、スクロール/ホイールクリック350及び右クリック355を含むユーザ入力に基づいて、1又はそれ以上の制御信号を出力するようにさらに構成することができる。図3Aには示していないが、無線通信チップセット305を、無線コンピュータマウスの動きを検出してこれをアンテナ360を介して送信できるようにさらに構成できることを理解されたい。チップセット305は、アンテナ360を使用して制御信号を無線送信することができる。チップセット305は、短距離無線通信プロトコルに基づいて第1のプロファイルを使用して信号を無線送信するように構成することができる。
【0024】
無線通信/全地球測位チップセット310は、アンテナ365を使用して全地球測位信号を受信するように構成するとともに、アンテナ370を使用して位置データを外部装置へ無線送信するように構成することができる。別の実施形態によれば、チップセット310を、短距離無線通信プロトコルに基づいて、チップセット305が利用するプロファイルと同様の及び/又は別個のプロファイルを使用して信号を無線送信するように構成することができる。
【0025】
ここで図3Bを参照すると、本発明の別の実施形態による無線コンピュータマウスの簡略ブロック図を示している。図示のように、(無線コンピュータマウス100などの)無線コンピュータマウスは、全地球測位受信機372に電気的に結合されたコントローラ371、無線通信モジュール373、センサ320、及びスイッチ377を含む。コントローラ371は、決定した動作モードに基づいて全地球測位受信機372及び無線通信モジュール373の少なくとも一方を有効にするように構成することができる。1つの実施形態では、コントローラ371が、スイッチ377に1又はそれ以上の制御信号を出力して、全地球測位受信機372及び無線通信モジュール373に動作電力を供給することができる。従って、スイッチ377を、コントローラ371から受け取った1又はそれ以上の制御信号に基づいて、全地球測位受信機372、無線通信モジュール373の少なくとも一方にバッテリー335を結合するように構成することができる。
【0026】
全地球測位受信機372は、アンテナ374を介して測位データを受信するように構成することができる。1つの実施形態では、コントローラ371を、全地球測位受信機372が受け取った測位データを送信するように構成することができる。1つの実施形態では、コントローラ371を、無線通信モジュール373がコンピュータ、PDA、又はその他の装置へ送信するための(Bluetooth(商標)などの)短距離通信プロトコルに基づく全地球測位データを出力するようにさらに構成することができる。別の実施形態によれば、コントローラ371を、無線通信モジュールが無効であるときに、全地球測位受信機372が受け取った測位データをアンテナ374を介して送信するように構成することができる。
【0027】
図示の実施形態では、無線通信モジュール373を、(Bluetooth(商標)などの)短距離通信プロトコルアンテナ375に基づくデータを送受信するように構成することができる。アンテナ375を介して送信されるデータは、マウスの動き、ユーザ入力及び/又は無線コンピュータマウスに関連するその他のデータに関するものであることができる。
【0028】
コントローラ371は、信号調節回路325を介してセンサ320から1又はそれ以上の信号を受信するように構成することができる。信号調節回路325は、コントローラ371に対して電圧レベルの変換、電圧の電流への変換、及び(アナログ‐デジタル変換などの)検出信号の調節のうちの少なくとも1つを行うように構成することができる。1つの実施形態では、センサ320が、無線コンピュータマウス近くの(例えば1〜4インチの)及び/又は無線コンピュータマウスに接しているユーザを検出するように構成された反射センサに関する。別の実施形態では、センサ320が、照明状態及び/又は1又はそれ以上の周波数を有する電磁放射を検出することができる。センサ320は、電磁放射及び/又は電気信号を侵入できるようにするプラスチック、ガラス、又は別の材料からなる窓又は透明部分を含むことができる。センサ320を、温度、圧力、及び/又は静電容量を感知するように構成できることを理解することもできる。
【0029】
図3に示すように、コントローラ371は、コントローラ371をデュアルモードスイッチ340、左クリックボタン345、スクロール/ホイールボタン350及び右クリックボタン355を含む無線コンピュータマウスの1又はそれ以上のボタンに結合するための1又はそれ以上の汎用入出力(GPIO)ピンを含む。ユーザは、デュアルモードスイッチ340を、全地球測位受信機372及び無線通信モジュール373の同時動作のために設定することができる。別の実施形態によれば、ユーザが、左クリックボタン345、スクロール/ホイールボタン350及び右クリックボタン355の少なくとも1つを使用して、決定した動作モードをオーバーライドさせることができる。
【0030】
別の実施形態によれば、マウス300の全地球測位受信機372を、(衛星ラジオなどの)媒体、ニュース、最新情報などを受信するように構成することができる。さらに、図6に関して以下でさらに詳細に説明するように、無線通信モジュール373を、受信した媒体を外部装置へ送信するように構成することができる。
【0031】
本開示は、無線コンピュータマウスの動作の1又はそれ以上の処理をさらに対象とする。図4A〜図4Dは、図1の無線コンピュータマウスによって使用することができる1又はそれ以上の処理を示している。
【0032】
まず図4Aを参照すると、1つの実施形態による無線コンピュータマウスの動作モードを決定するための処理400を示している。処理400は、判定ブロック402においてユーザがマウスをオンにし、判定ブロック404において(センサ105などの)反射センサが覆われているかどうかを判定することにより開始することができる。センサが覆われていない場合(判定ブロック404からの「いいえ」の経路)、ブロック406において単独動作のための動作モードに入ることができる。センサが覆われている場合(判定ブロック404からの「はい」の経路)、ブロック408においてマウスの無線動作(ポインティング/クリッキング装置としての使用など)のための動作モードに入ることができる。処理400は、次に判定ブロック410においてデュアルモードが起動しているかどうかを判定する。デュアルモードが起動していない場合(判定ブロック410からの「いいえ」の経路)、処理400は、次にブロック404においてセンサが覆われるかどうかをモニタする。デュアルモードが起動している場合(判定ブロック410からの「はい」の経路)、ブロック412においてマウスの無線動作及び全地球測位のための動作モードに入ることができる。
【0033】
ここで図4Bを参照すると、1つの実施形態による無線コンピュータマウスの動作の処理413を示している。処理413は、判定ブロック414においてユーザがマウスをオンにし、判定ブロック416において(センサ105などの)反射センサが覆われているかどうかを判定することにより開始することができる。センサが覆われていない場合(判定ブロック416からの「いいえ」の経路)、処理413は、次に判定ブロック418において無線マウスが有効になっているかどうかを判定する。無線マウス動作が有効になっている場合(判定ブロック418からの「はい」の経路)、ブロック426において無線マウス動作を無効にすることができる。無線マウス動作が有効になっていない場合(判定ブロック418からの「いいえ」の経路)及び/又はブロック426において無線マウス動作が無効にされた場合、処理413は、ブロック420において全地球測位オーバーライド動作が有効になっているかどうかを判定することができる。GPSオーバーライドを有効にして、1つの実施形態による全地球測位受信機を有効にすることができる。全地球オーバーライドモードが有効になっている場合(判定ブロック420からの「はい」の経路)、処理413は、判定ブロック416へ戻る。全地球オーバーライドモードが有効になっていない場合(判定ブロック420からの「いいえ」の経路)、処理413は、判定ブロック422において全地球測位受信機が有効になっているかどうかをチェックする。全地球測位受信機が有効になっている場合(判定ブロック422からの「はい」の経路)、処理413は、判定ブロック416へ戻る。全地球測位受信機が有効になっていない場合(判定ブロック422からの「いいえ」の経路」)、ブロック424において全地球測位受信機が有効にされる。
【0034】
判定ブロック416へ戻り、センサが覆われている場合(判定ブロック416からの「はい」の経路)、処理413は、次にブロック428において全地球測位オーバーライド動作が行われたかどうかを判定する。全地球オーバーライドモードが有効になっていない場合(判定ブロック428からの「いいえ」の経路)、処理413は、判定ブロック430において全地球測位受信機が有効になっているかどうかをチェックする。全地球測位受信機が有効になっている場合(判定ブロック430からの「はい」の経路)、ブロック432において全地球測位受信機を無効にすることができる。全地球測位受信機が有効になっていない場合(判定ブロック430からの「いいえ」の経路)及び/又は全地球オーバーライドモードが有効になっていない場合(判定ブロック420からの「いいえ」の経路)、ブロック434において無線マウスを有効にすることができる。
【0035】
処理413は、次に判定ブロック436において全地球オーバーライドモードが有効になっているかどうかを判定する。全地球オーバーライドモードが有効になっている場合、(判定ブロック436からの「はい」の経路)、処理413は、判定ブロック438において反射センサが覆われているかどうかを判定する。全地球オーバーライドモードが有効になっていない場合、(判定ブロック436からの「いいえ」の経路)、処理413は、判定ブロック440において(スイッチ109などの)デュアルモードスイッチが起動/トグルされているかどうかを判定する。デュアルモードスイッチが起動/トグルされていない場合(判定ブロック440からの「いいえ」の経路)、処理413は判定ブロック438へ戻る。デュアルモードスイッチが起動/トグルされている場合(判定ブロック440からの「はい」の経路)、処理413は、判定ブロック442においてデュアルモードが有効になっているかどうかを判定する。デュアルモードが有効になっている場合(判定ブロック442からの「はい」の経路)、処理413は判定ブロック438へ戻る。デュアルモードが有効になっていない場合(判定ブロック442からの「いいえ」の経路)、処理413は、ブロック444においてデュアルモードを有効にする。判定ブロック438において、反射センサが覆われている場合(判定ブロック438からの「はい」の経路)、処理413は判定ブロック436へ進む。反射センサが覆われていない場合(判定ブロック438からの「いいえ」の経路)、処理413は、上述したブロック426へ進む。
【0036】
ここで図4Cを参照すると、処理450が、1つの実施形態による図1の無線コンピュータマウスの全地球測位受信機の(手動設定などの)オーバーライドを示している。ブロック452において、ユーザがGPSのオン又はオフをオーバーライドすることにより、GPSオーバーライド割り込みサービスルーチン「(GPS ISR)」452を起動することができる。GPS ISR452が呼び出されると、処理450は、次に判定ブロック454においてユーザが無線コンピュータマウスのGPS受信機を手動で設定したかどうかを判定する。ユーザが無線コンピュータマウスのGPS受信機を手動で設定した場合(判定ブロック454からの「はい」の経路)、ブロック456において無線コンピュータマウスの全地球測位受信機を有効にすることができる。ユーザが無線コンピュータマウスのGPS受信機を手動で設定しなかった場合(判定ブロック454からの「いいえ」の経路)、処理450は、次に判定ブロック458においてユーザがGPS受信機を手動でオフに設定したかどうかを判定する。ユーザがGPS受信機を手動でオフに設定した場合(判定ブロック458からの「はい」の経路)、ブロック460において全地球測位受信機が無効にされる。ユーザがGPS受信機を手動でオフに設定しなかった場合(判定ブロック458からの「いいえ」の経路)、処理450は、ブロック462においてGPS ISRから抜け出る。
【0037】
ここで図4Dを参照すると、図3の無線コンピュータマウスの動作モードを有効にするための処理を示している。処理470は、開始ブロック471において開始することができる。1つの実施形態では、マウスの起動中に処理470を開始することができる。別の実施形態では、マウスが(動き、クリック、ユーザ検出信号などの)入力を受け取ったときに処理470を開始することができる。図示のように、判定ブロック472において、マウスの(コントローラ305などの)コントローラが、(スイッチ340などの)デュアルモードスイッチがオン位置に切り替えられているかどうかを判定する。スイッチがオン位置に切り替えられている場合(判定ブロック472からの「はい」の経路)、コントローラは、ブロック473において無線通信モジュール及び全地球測位受信機の同時動作を有効にする。スイッチがオフになっている場合(判定ブロック472からの「いいえ」の経路)、コントローラは、ブロック474において(センサ320などの)反射センサが覆われているかどうかを判定する。1つの実施形態では、反射センサを覆うことが、マウスを操作するユーザの手に関連することができる。
【0038】
別の実施形態によれば、コントローラが、センサ出力を使用して1又はそれ以上の動作モードを決定することができる。マウスが覆われていない場合(判定ブロック474からの「いいえ」の経路)、コントローラは、ブロック477において動作モードを(全地球測位受信機310などの)全地球測位受信機の単独動作に決定することができる。マウスが覆われている場合(判定ブロック474からの「はい」の経路)、コントローラは、ブロック475において動作モードを(短距離無線通信モジュール315などの)短距離無線通信モジュールの単独動作に決定することができる。このようにして、コントローラは、ユーザの手が取り除かれたことを感知すると、無線通信動作モードから全地球測位モードでの動作に自動的に切り替えることができる。この結果、コントローラは、無線コンピュータマウスの消費電力を削減することができる。
【0039】
処理470は、次にブロック476において1又はそれ以上のマウスクリックの後にセンサ上にユーザの手が置かれたかどうかを判定する。コントローラが所定のシーケンスのクリックを検出しない場合(例えば、判定ブロック476からの「いいえ」の経路)、コントローラは、現在の動作モードでの動作を続けることができる。コントローラがクリックシーケンスを検出した場合(例えば、判定ブロック476からの「はい」の経路)、コントローラは、ブロック478において動作モードをオーバーライドすることができる。一例として、マウスを、(ユーザの手がマウス上に置かれた後に1又はそれ以上のクリックが行われるなどの)ユーザからの特定の入力パターンを感知したら同時動作モードに入るように構成することができ、この場合ユーザによる個々の動作に所定の時間を関連付けることができる。
【0040】
ここで図5を参照すると、1つの実施形態による図1の無線コンピュータマウスを使用するシステムの図形表示を示している。図5に示すように、(無線コンピュータマウス100などの)無線コンピュータマウス500を、モバイル通信装置510、イヤホーン515、及びコンピュータ520を含む1又はそれ以上の装置と同時に使用することができる。1つの実施形態では、無線コンピュータマウス500が、(Bluetooth(商標)などの)短距離無線通信プロトコルを使用して通信することができる。無線コンピュータマウス500を、全地球測位ソース530から全地球測位データを受信するようにさらに構成することができる。従って、マウス505を、モバイル通信装置510、イヤホーン515、及びコンピュータ520の1又はそれ以上へ全地球測位データを送信するように構成することができる。別の実施形態によれば、無線コンピュータマウス500を、無線短距離通信用に構成できるオプションのドングル/ポート525を使用して、コンピュータ520などの1又はそれ以上の装置と同時に使用するように構成することができる。
【0041】
本発明の別の実施形態によれば、マウス500を、モバイル通信装置510、イヤホーン515、及びコンピュータ520の少なくとも1つへ全地球測位情報を送信するように構成することができる。本発明の1つの利点は、(WiFi、WWANなどの)ネットワーク接続にアクセスできない場合に装置へ全地球測位データを提供できることであると言える。さらに、図6に関して以下でさらに詳細に説明するように、マウス500を、ユーザ入力装置として使用していないときに、短距離通信プロトコルを使用する装置に全地球測位データを提供するように構成することができる。
【0042】
ここで図6を参照すると、1つの実施形態による図1の無線コンピュータマウスの図形表示を示している。図6に示すように、(無線コンピュータマウス100などの)無線コンピュータマウス605を、コンピュータマウスとして使用していない間に装置へ全地球測位データを送信するように構成することができる。表示ウィンドウ610に、マウス600をバッグ605内に隠れたものとして示している。別の実施形態では、マウス600を、受け取った全地球測位データを記憶して後で外部装置へ送信するように構成することができる。別の実施形態によれば、マウス600が受け取った1又はそれ以上の信号により、モバイル装置620への全地球測位データの送信を開始することができる。さらに別の実施形態では、マウス605を、マウス600のユーザによる1又はそれ以上のボタンの起動に基づいて、モバイル装置620へ全地球測位データを送信するように構成することができる。
【0043】
別の実施形態によれば、マウス600の(全地球測位受信機310などの)全地球測位受信機を、メディア(衛星ラジオなどの)媒体、ニュース、最新情報などを受信するように構成することができる。このようにして、マウス600は、マウスの(無線通信モジュール315などの)短距離無線通信モジュールを使用してモバイル装置620を介してユーザに媒体を提供することができる。
【0044】
図6をマウス600とモバイル装置620の間の通信として説明したが、マウス600を、一般に(コンピュータ420などの)コンピュータ、デジタルカメラ、メディアプレーヤ及びその他の装置を含む1又はそれ以上の他の装置と同時に使用するように構成できることも等しく理解されたい。
【0045】
本発明の例示的な実施形態を参照しながら本発明を具体的に図示し、これについて説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲から逸脱することなく本明細書において形式及び詳細の様々な変更を行うことができると理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線コンピュータマウスの動作のための方法であって、
前記無線コンピュータマウスのセンサからユーザ検出信号を受信してユーザの存在を判定するステップと、
前記ユーザ検出信号に少なくとも部分的に基づいて前記無線コンピュータマウスの動作モードをコントローラにより決定するステップと、
前記コントローラが決定した動作モードに基づいて、前記無線コンピュータマウスの短距離無線通信モジュール及び全地球測位受信機の少なくとも一方を前記コントローラにより有効にするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ユーザ検出信号がユーザの存在を示し、有効にするステップが、前記短距離無線通信モジュール及び前記全地球測位受信機の同時動作を有効にするステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記短距離無線通信モジュールの動作を無効にするステップをさらに含み、前記ユーザ検出信号がユーザの存在を示さず、有効にするステップが、前記全地球測位受信機の動作を有効にするステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記全地球測位受信機の動作を無効にするステップをさらに含み、前記ユーザ検出信号がユーザの存在を示し、有効にするステップが、前記短距離無線通信モジュールの動作を有効にするステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記無線コンピュータマウスの1又はそれ以上のボタンのユーザ起動を検出して前記動作モードをオーバーライドするステップと、
前記ユーザ起動に基づいて前記無線コンピュータマウスを前記コントローラにより設定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記短距離無線通信モジュールにより、通信ポート、携帯電話、電話、パーソナルコンピュータ、プリンタ、全地球測位システム(GPS)受信機、デジタルカメラ、及びビデオゲーム機の少なくとも1つと通信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ユーザの存在を検出するように構成されたセンサと、
全地球測位データを受信するように構成された全地球測位受信機と、
コンピュータ装置と通信するように構成された短距離無線通信モジュールと、
前記全地球測位受信機、短距離無線通信モジュール及びセンサに結合されたコントローラと、
を含む無線コンピュータマウスであって、前記コントローラが、
前記センサからユーザ検出信号を受信し、
前記ユーザ検出信号に少なくとも部分的に基づいて前記無線コンピュータマウスの動作モードを決定し、
決定した動作モードに基づいて、前記無線コンピュータマウスの前記短距離無線通信モジュール及び全地球測位受信機の少なくとも一方を有効にする、
ように構成されたことを特徴とする無線コンピュータマウス。
【請求項8】
前記センサが、前記無線コンピュータマウスにユーザの手が近づいたことを検出するように構成された反射センサである、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線コンピュータマウス。
【請求項9】
前記センサが、前記無線コンピュータマウス近くのユーザを検出するように構成された、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線コンピュータマウス。
【請求項10】
前記出力モードが、前記全地球測位受信機及び短距離無線通信モジュールの同時動作のための動作モード、前記全地球測位受信機のための動作モード、及び前記短距離無線通信モジュールのための動作モードの1つに関連する、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線コンピュータマウス。
【請求項11】
前記コントローラが、前記ユーザの存在を示すユーザ検出信号に基づいて、前記短距離無線通信モジュール及び前記全地球測位受信機の同時動作を有効にするように構成された、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線コンピュータマウス。
【請求項12】
前記コントローラが、ユーザが存在しないことを示すユーザ検出信号に基づいて、前記短距離無線通信モジュールの動作を無効にして前記全地球測位受信機の動作を有効にするようにさらに構成された、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線コンピュータマウス。
【請求項13】
前記コントローラが、前記ユーザ検出信号が前記ユーザの存在を示す場合、前記全地球測位受信機の動作を無効にして前記短距離無線通信モジュールの同時動作を有効にするようにさらに構成された、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線コンピュータマウス。
【請求項14】
前記コントローラが、前記無線コンピュータマウスの1又はそれ以上のボタンのユーザ起動を検出して前記動作モードをオーバーライドするとともに、前記ユーザ起動に基づいて前記無線コンピュータマウスを設定するようにさらに構成された、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線コンピュータマウス。
【請求項15】
前記短距離無線通信モジュールが、通信ポート、携帯電話、電話、パーソナルコンピュータ、プリンタ、全地球測位システム(GPS)受信機、デジタルカメラ、及びビデオゲーム機の少なくとも1つと通信するように構成された、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線コンピュータマウス。
【請求項16】
前記コントローラが、検出した一連の入力ボタンの起動に基づいて前記動作モードをオーバーライドするようにさらに構成された、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線コンピュータマウス。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B−1】
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【図4B−2】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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