説明

無線モニター装置

【課題】
従来、運送用コンテナーは、常時、鍵等の進入を阻止する物理的障碍を設けて保護されていた。封印が破られた場合にRF(Radio frequency)警報を送るRF装置を含んでいるものもある。封印のあるものには、光ファイバーケーブル等を含んで、切断、破損した際に障碍信号を出すものもある。これらはすべて、RFタグに送信される前に障碍を決定する何らかの機械的、又は電子・機械装置を必要とする。
【解決手段】
本発明のシステムは「コンテナー」に取り付けられたモニター機器を使い、「コンテナー」の状態、又は置かれた状況の変化をモニターする。
モニター機器は、電源、プログラム可能なパラメータをもつ反射エネルギーを使うセンサー、グローバル一意センサー識別、時刻表に従い記録する能力、記憶メモリー、及び無線技術により情報を再送信する能力を持つ。
モニター機器に記録された情報は、手持ち型機器、及びコンピュータを含み適当な装置でRF通信により読み取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテナー、木箱、又は運送用ダンボール箱の状態、又はセキュリティーをモニターし、及び無線周波数識別技術を用いてその情報を送信するために記録する方法及びシステムに関する。
【0002】
本出願は、本発明者の一人が2003年3月31日に出願した“反射エネルギー近接センサー及び無線周波数識別技術を用いる、輸送用コンテナードアの存在をモニターする不正改変検知セキュリティー装置”のタイトルの仮出願、出願番号60/458,260に基づき、35U.S.C. 119(e)により、優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
無線周波数識別タグ(Radio frequency identification tag,(以下「REID」))は、貨物輸送及び小売製品の追跡を含む多くの分野で用いられる周知の電子装置である。RFIDは最初に識別データや他のデータをRFID装置のメモリーに記録し、又は「焼付ける」(burning in)ことにより作動する。そして、RFIDは記録された識別又は他の情報をRFID読み取り装置に送る。バーコード、光学文字及び磁気記憶(多くのクレジットカードにある磁気帯の様な)に対するRFIDの特に優れた点は、RFIDでは物理的に接触する必要がなく、又は光学文字及びバーコードリーダーの場合の様に、タグと読み取り装置の間で、目視線が読み取られる必要がないことである。現在実際に用いられているアクティブ タグの中には、運送時に用いられる通常の木箱、及びコンテナーを通して300フィートの距離まで読むことの出来るものもある。
【0004】
RFIDにはアクティブとパッシブの2種がある。アクティブRFIDは電池又は他の電源を持ち、読取装置からの信号により起動する。起動されたRFIDはその後読み取り装置が読み取った識別又は他のデータを送りだす。アクティブタグの内の幾つかは、データを遠隔で書き込み及び受け取ることのできるメモリーチップを持っているものもある。パッシブRFIDと比べた有アクティブRFIDの利な点は、アクティブRFIDは電源を持っているために、タグ回路を動作させるために電磁場に入ることなく受信機に送信することが出来ることである。
【0005】
アクティブRFIDは、又通常、遠距離に亙り送信することができ、また個々に起動することができる。アクティブRFIDはこれらの優位な点を持つため自動通行料金の課金システム等に用いられる。
【0006】
パッシブRFIDはそれ自体では電源を持たないが、動力が電磁動力受取装置を用いてRFID回路に供給される。RFID読取装置はRFID電磁動力受取装置に動力を送り、RFID回路を始動させ、又は回路スイッチを入れる。次にパッシブRFIDは、識別又は他の情報を含む応答信号を送り、そしてその情報は読取装置により読み取られる。パッシブRFIDは電池を持たないため、コストがより安く、又軽い。パッシブRFIDは、特に使用者がカードリーダーの近くにカードを近づけてドアを開けるセキュリティーアクセスカード、及び衣料品にセキュリティータグを付ける衣料店においてある期間用いられた。
【0007】
アクティブ タグは無線送信能力を備えたコンピュータ(以下リーダー、Reader)によって、個々に又はグループとして接触させることが出来る。リーダーは手持ち型の、持ち運び可能な装置であるか、又は固定位置に据付けることのできるものであっても良い。
【0008】
固定型リーダーは入り口(portal)の周辺に配置されたアンテナ群により作動し、その入り口を通る全てのタグを読み取る。固定型リーダーは、その入り口を通るタグのみを読み取る点でより選択的に用いることができる。固定型リーダーは又、タグが入り口を通るときに、タグが移動している方向を判別することができ、又時速40又は50マイルの速度で行うことができる。
【0009】
近接センサー、又は物理的に接触することなく対象物の存在、又は不存在を判別するセンサーは多様な形で使用が可能である。
【0010】
これらの装置は、すべてエネルギーを作り出し、そして送信し、又はその方向を決め、そして、標的から反射されるエネルギーの一部を受取り、それにより標的の存在又は不存在を検知するという共通の機能を持っており、本件の場合の標的はドアである。これらセンサーの幾つかのタイプについては以下に述べる。ホール効果センサー(Hall Effect Sensor)は磁気バイアス半導体を用い、ホール素子が動いている対象物を感知する。光フィードバック(Light Feedback)、又は光ファイバーセンサーでは、エミッター及び受信機が同じハウジング内、又は隣合わせであっても良い。エミッターはパルス赤色線、又は赤外線ビームを送りだし、それが標的により直接反射され(角度は問わない)、あらゆる方向に散乱し、そのうちの幾らかが反射して返ってくる。受信機は元の光のわずかな部分のみを受取り、標的が有効スキャンの範囲に入り検知されたときにセンサーの電源を切り替える。
【0011】
超音波近接センサー(Ultrasonic Proximity Sensor)は、音波の送信、及び受信を交互に行うことができる。トランスジューサーは対象物により反射され、トランスジューサーに返ってくる音波を多数放出する。音波を放出した後に超音波センサーは受信モードに切り替わる。
【0012】
放出から受信までの時間の差はセンサーから対象物までの距離に比例する。無線周波数センサーは、参考RF動力値としてパルス変調されたRFソースを用い、ダイオード受信機よりT秒ごとに平均基準値が集められる。基準値の変化は移動を反映する。上記の各機器及び同様な装置は全て、以下「センサー」と呼ぶ。
【0013】
運送用コンテナー、木箱、ダンボール箱、及び箱(以下「コンテナー」)は、従来常に窃盗の対象となっており、又「コンテナー」から品物が盗まれるばかりでなく、テロリストの用いる機器であり、又は禁制品をその脇に置くことができるため安全上の脅威がある。過去においては、運送用コンテナーは、通常鍵やその他の進入を阻止する物理的障碍を設けて保護されていた。簡単な目視検査により封印が破られているか確認できるため、物理的封印も使用されていた。最近では封印及び鍵を使った装置はより高度化し、あるものは封印が物理的に破られた場合にRF警報を送るRF装置を含んでいるものもある。RFID封印の内のあるものは、光ファイバーケーブル又は光ファイバー線を含み、切断、又は破損した際に障碍信号を出すものがある。あるものはマイクロスイッチ、磁気ラッチ(magnetic latch)、又はコンタクトスイッチを含むものもある。これらはすべて、RF通信タグに送信される前に障碍を決定するための何らかの機械的、又は電子・機械装置を必要とする。
【発明の概要】
【0014】
本発明のシステムは「コンテナー」に取り付けられている一以上のモニター機器(Monitoring Unit)を使い、「コンテナー」の状態、又は置かれている状況の変化をモニターする方法を含む。モニター機器は、好ましくは電源、プログラム可能なパラメータをもつ反射エネルギーを使うセンサー、グローバル一意センサー識別(globally-unique sensor identification)、時刻表(timeline)に従い記録する能力、長期間の記憶メモリー、及びRFID無線技術により情報を再送信する能力を持っているのが良い。モニター機器のプログラム可能なモニターハードウエア装置は、センサー出力中の重要な変化をトリガー事象(triggering event)として検知する。プログラム可能なモニターハードウエア装置は「コンテナー」の識別情報を保存するメモリーを含む。センサーは、可視光線、赤外線、磁場、無線エネルギー及び音を含む種々の形のエネルギーを検知する従来の装置を含むことができる。事象は事後の読出しのために記録され、及び/又は直ちにRF送信することもできる。ある実施の形態においては、モニター機器は長距離輸送に適している輸送用コンテナーの内部に取り付けられる。「コンテナー」のドアが開閉されるとセンサー出力に変化を生じ、その変化がモニターハードウエア装置によりトリガー事象(triggering event)として検知される様センサーが配置される。トリガー事象はセキュリティー装置の不正改変防止に用いることができる。モニター機器に保存された状態及び記録された情報は、手持ち型機器、及びラップトップ コンピュータを含み適当な装置を備えるものであればRF通信により読み取ることができる。
【好ましい実施の形態の詳細な説明】
【0015】
以下に記載する好ましい実施の形態を種々改変することは、当業者にとって容易であり、本明細書に開示された内容は、本発明、及び本願の請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、他の形態での実施及び応用をすることができるであろう。
【0016】
したがって、本発明は、本明細書に記載の実施の形態に限定されるものではなく,本明細書に開示された内容と整合する最も広い範囲の内容を含むものである。
【0017】
本発明のシステム20は図1に記載されている。このシステム20は一以上のモニター機器21(Momitering Unit)、及びこれらは手持ち型/携帯型機器31(Handheld/mobile devices 31)、ラップトップ コンピュータ32(Laptop computers 32)、デスクトップ コンピュータ33(Desktop computers 33)、及び/又は専用固定位置機器34(Dedicated fixed position devices)の様なモニター機器21から情報を読み取り、又はモニター機器21と通信する一以上のリーダー30(Reader)を含む。
【0018】
各リーダー30は、RF機能を備えており、これはコンピュータのスロットに差込む市販されているカード(示していない)であっても良い。このカードは送信機、受信機、及びアンテナを含む。リーダー30は、好ましくは、モニター機器21との間で無線信号を送信し、及び受信するものが良い。モニター機器21は一以上のセンサー22及び一つのRF送信機/受信機25(RF transmitter/receiver 25)を含む。RF機能は、幾つかの応用では送信のみに限定することができる。モニター機器21の知能は、センサー22に接続されているマイクロコンピュータ、メモリー、及びインターフェイス機器を含む電子機器(Monitoring electronics 24)に組み入れられている。モニター電子機器24をコントロールするためのプログラム又はファームウエア(Firmware)は、標準プログラム機器及び技術を用いて開発される。各モニター機器21は、タグが付着されている「コンテナー」に関連した識別情報を保存するメモリーを持つことにより、アクティブRFIDタグの機能を持つ。RF送信機/受信機25は、自身から、及び自身への送信を識別するのに用いるアドレス又はそれに関連したIDを持つこともでき、それは「コンテナー」の識別情報とは別のものである。
【0019】
その信号により、唯一の個々の機器として直接接触され、そして識別されることが可能な無線機器であればどの様なものでもRFID無線機器であり、本発明の範囲内のものとして使用されうる。その例の幾つかは、GSMセルフォン、超広帯域無線、衛星無線、及びスペクトル拡散無線がある。これらの無線の何れもRF送信機/受信機25に変えて用いることができる。モニター機器21は「コンテナー」と共に移動することが予想されるため、電池(示さず)の様な自己自給式電力供給装置が必要となる。
【0020】
際立った応用例として、多数のモニター機器21を、貨物置場、倉庫等で同時に用いることができる。種々の「コンテナー」はモニター機器21に装着することができる。モニター機器21はRF通信により接触され、個々に、又はグループ毎に反応させることが可能である。リーダー30とモニター機器21間の距離は、実際のRF送信機/受信機25、及び「コンテナー」の物理的特性の様な種々の環境要因の関数であるが、通常300フィートまでの距離が実際的であり、信号は運送用「コンテナー」を通過することができる。アクティブRFID技術は市場で入手可能であり、本発明は、部分的にアクティブRFID技術を用いて実施することができる。センサー22は「コンテナー」の中の環境の変化をモニターするのに用いられる。
【0021】
例えば、ドアの開閉を検知することができる。
【0022】
センサー22は又、貨物の移動、又は「コンテナー」への侵入を検知するのに用いることができる。センサー22は通常反射エネルギーを用い、そして例えば、送信し、そして反射エネルギーを受信してドアの存在を感知することができる。この方法は、破損し、又は断線した場合警告を発することが必要となる電線、又は光ファイバーケーブルを用いることはなく、又スイッチ、又は電磁接点を操作し又警告を発する必要もない。本発明は特定のタイプのセンサーに限定されるものではない。本発明のモニター機器21で有用に使用しうるセンサー22は、可視光線、通常光(inured light)、電磁場、無線周波数エネルギー及び音を含む種々の形のエネルギーを検知する通常の装置を含む。
【0023】
図2はRFIDタグ54(Tag 54)を用いるモニター機器21の実施の形態を示す。この実施の形態はセキュリティー不正改変防止に用いることができる。センサー22は、適当なアナログインターフェイス42(Analogue interface 42)に接続され、インターフェイス42は、更にアナログ・デジタル(A/D)変換機44 (Analogue/Digital converter 44)に接続される。
【0024】
マイクロコンピュータ装置によっては、内蔵A/D変換機を持っているため、アナログインターフェイス42は又デジタル ロジックバス46に直接接続されることもある。マイクロプロセッサ48はメモリー49に保存されているコントロールプログラムを実施する。マイクロプロセッサ48及びメモリー49は、マイクロコンピュータの様な単一の集積回路の部分であっても良い。電力は、電源モニター53(Power monitor 53)によりモニターされる電池52(Battery 52)により供給される。本実施の形態においては、RF通信は、マイクロプロセッサ48に接続された自給式RFIDタグ54により実施される。自給式RFIDタグはRF回路、電池、アンテナ、ロジック回路、及びソフトプログラムの一部として時刻表が記録されている不揮発性メモリーよりなる。この時刻表は事象を記録し、事象が起こった時間とともに再現することができる。ドアが開いた場合の様にトリガー事象が、センサーをモニターすることにより検知される場合、障害信号が不揮発性メモリーに保存され、そして自給式RFIDタグの時刻表に移すことができる。この情報は、そしてリーダーにより読み取ることができる。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態によると、本発明は例えば、ドアの位置又はドアを開く装置の状態をモニターし、情報を直ちに又はその後に送信するために記録することによりコンテナー、木箱、又は運送用ダンボールのセキュリティーをモニターするモニター機器21を用いる方法を提供する。具体的には、エネルギーが送られドアにより反射され、センサーに返ってくるエネルギーを受領することにより、ドアの位置等がモニターされる。ドアが開かれると、センサーの受けるエネルギーが変化し、障害条件が生じる。障害信号は直ちに再送信され、及び/又はRF通信信号による送信が、相対的又はリアルタイム時刻印(timestamp)により記録される。
【0026】
この装置は、設置位置により、ドア、ドアの故障、ドア枠、モバイル オープニング(mobile opening)、取り外し可能面(removable side)(以下「ドア」)を物理的封印、又は電子機械スイッチに変わってセンサーを用いてモニターすることができる。この装置は、「ドア」が動いたときに、センサーにより検知される障害状況をRFIDタグを利用できるタイムスタンプにより記録することができ、RFIDタグはRFIDリーダーに送信することができる。
【0027】
センサー22は好ましくは、「ドア」、貨物、又は他のモニター標的の近辺に置くのが良い。最大距離はセンサーの容量により制限される。モニター機器21は、ねじ、磁石等により取り付けることができ、好ましくは、「コンテナー」の内部に取り付けるのが良い。センサーは、標的を目標としたエネルギーエミッター及び受信機が、好ましくはセンサーと標的との間に障害物のない状態で取り付けられるのが良い。標的が移動し、又は障害を受けた場合には、センサーは標的からの反射エネルギーの差、又は反射エネルギーの不存在を検知する。標的の移動を示すエネルギーの差又は不存在は、障害(fault)であるか、又はトリガー事象(triggering event)を意味する。このセンサー22はSIC Technical Informationと標示された資料中の市販されているSICK ELFセンサーに類似しているものであっても良い。
【0028】
障害を示す信号がマイクロプロセッサ48、又は他のロジック回路により検知され、図2に示すマイクロプロセッサ又は、マイクロコンピュータから分離された、又は内部にあるメモリーに保存される。障害が何時発生するかを知ることは有用であり、次の障害を記録することが必要であるため、比較時刻表上の非揮発性メモリー、又はリアルタイム時計のタイムスタンプを用いて記録されるまで、マイクロプロセッサはその揮発性メモリーに障害の情報を記憶することができる。非揮発性メモリーに記憶されると、障害の情報はRFIDタグ54により読み取り可能となる。障害が非揮発性メモリーに記録されると、マイクロプロセッサはそのメモリーから障害の条件を消し去り、再び次の障害を受け入れるために利用が可能となる。
【0029】
上記の発明の実施の形態において用いられるRFIDタグ54は、Active UHF Tag i-Q Series資料に記載の市場で入手可能なIdentec Solutions i-Q Seriesであっても良い。本発明で用いられるRFIDタグはアクティブであり、タイムスタンプを含み、障害情報にアクセスする能力を持っているか、又は、Identec i-Qタグの場合の様に、実際にタグメモリー機能の一部であるタイムスタンプ能力を持つ必要がある。この実施の形態においては、Identecタグは障害情報を外部のリード線(outside lead)を経由して直接マイクロプロセッサから取り、Identecタグのメモリーにある時刻表(timeline)に障害を保存する。
【0030】
上記の方法の有利な点は、時刻表がメモリーを持つ二つの装置を用いることによる拡大効果により伸長することができることである。この実施例は以下の通りである:
5年の電池寿命、及び32Kメモリーを持つIdentecのi-Qタグは時刻表に13,312事象、又は読み取りを記録でき、これは30日の運送時間をカバーし、センサーは20秒間隔で読むことができる。ドアに適当な予防措置を講じるために、センサーは連続的に又は少なくとも2秒間隔でモニターする必要がある。これを達成する一つの方法は、事象を上に記載の様に記録し、Identecタグにより20秒ごとに起動される非揮発性メモリーに記録されるまで、揮発性メモリーに20秒以上保持することである。この方法の不利な点は、記録される障害の発生時刻が、20秒の範囲でしか正確でないということである。この実施の形態においては、センサーは、Identecタグ同様に常にオンの位置にある。センサーに反射して返ってくるエネルギーがない場合には、センサーは障害を記録するため、電池が接続されていない、取外されている又は壊れた場合には常に障害の状態が現れる。同様に、障害がない場合は、適正に機能していることが明白であり、設置が成功裏になされたことを示す。
【0031】
この情報は、設置時にリーダーを用いて読み取り及びテストすることができる。
【0032】
本発明のモニター機器21の他の実施の形態においては、RFIDタグ54は時刻表の保存機能を持つ必要はない。この実施の形態においては、トリガー事象が生じた場合に、センサー22からの障害信号はモニター機器21のメモリー49の時刻表、又はリアルタイム時計に記録され、それはRF回路に伝えられリーダーにより読み取ることができる。この場合マイクロプロセッサは、センサーを連続的にモニターし、又は障害状態の探知のために事前に決められた間隔でセンサーをオンにする様にプログラムされるであろう。障害が起きた場合、直ちに再送信され、直接マイクロプロセッサのロジック回路の時刻表又はリアルタイム時計に記録される。同じマイクロプロセッサは又、メモリー、RFID回路とのインターフェイス、及びRFID回路のロジックを提供し、この実施の形態においては、ドアセンサーをオフ及びオンにする等の、追加の機能を実行する為、マイクロプロセッサはRFID回路を通して直接アクセスすることができる。正確に機能しているかどうかを決定するためセンサーの数値を読み、ドアからセンサーまでの距離の差による、又は環境による反射数値に対応して、センサーの出力又は感度を変更して、センサー基準を調整又は修正する。
【0033】
本発明の目的にとって、シーケンス制御、及びセンサー及び時刻表又はリアルタイム時計のモニターが実際にRFID回路及びそのメモリーの一部になっているか否か、又はメモリーを持つ自給式RFIDタグがアクセス可能な別のメモリー上に保存されるか否かは、障害情報が媒体送信(mediate transmission)の為に直ぐに利用でき、又はその後の送信の為にアクセス可能なタイムスタンプに保存されている限り、重要ではない。
【0034】
障害情報は、そのメモリーがRFID回路によりアクセス可能であるタイムスタンプに関わる長期記憶メモリーに記録された後、リーダーが利用できる様にリーダー30に送信されなければならない。RFIDタグは、固定型、又は手持ち型リーダーにより読み取ることが出来る。リーダーは又タグの情報を読み取り、長距離送信技術により再送信する装置の役割をすることができる。
【0035】
図3に示すモニター機器21の他の実施の形態においては、マイクロプロセッサ48から無線送信機/受信機25(これは上に記載した何れであっても良いが)に、データを送信する為のRS485直列インターフェイスを用いる。本発明のこの実施の形態においては、モニター機器21は自給式であり、RFIDタグによる電源に依存しない。全ての機能制御、ロジック、及びメモリーはモニター機器21及びそのファームウエア(firmware)に内臓されており、無線は通信のみに用いられる。
【0036】
モニター機器21は、コンテナーに関する重要な情報、例えば、所有者名、コンテナーの内容物、在庫、及びモニターすべき特定の運送に関する連絡先情報を保存するためのメモリーを持っている。更にモニター機器21はコンテナードアの状態(セキュリティー 警報)の様なセンサーからのログデータを持つ。微妙な性質のデータの暗号化はリーダーにより処理される。このようにリーダーのアプリケーション プログラムは、データがモニター機器21またはRFIDタグ54のメモリーに書き込まれる場合、これを暗号化しなけれならない。この様にして、許可されたリーダー及びユーザーのみがデータを見ることが出来、適当な権限を持つ、限られた者のみがそのデータに変更を加えることができる。許可なくデータを変更しようとすると、電子封書(electronic envelope)を破ることになり、電子封印が破られると、障害状態が発生して、適当な通報がなされる。データは3段階暗号化プロセスにより書き込むことが出来る:第一は、書き込まれるデータはRSA標準暗号化アルゴリズム(使用される国により64ビット、128ビット、または1024ビット)を用いて暗号化される。データ構造が触られていないことを証明する為、解読後用いられる最初のチェックサムキー(checksum key)はデータストリームに保存される。データはその後好ましくは、更にデータにスクランブルを掛け、タグメモリーの空きを確保するため、従来の圧縮技術を用いて圧縮するのが良い。
【0037】
モニター機器21のデータを読むと、プロセスはリーダーにより反転させられる。解読プロセスの最後に、チェックサムキーの有効性がテストされ、データが事実もとの状態に戻されたかが確認される。使用者の権限に応じ、データの一部分又は全ての使用が許可される。
【0038】
モニター機器21を用いた、本発明の方法の実施の形態は以下の通りである。荷送人は運送貨物をコンテナーに荷積みする。コンテナーのドアは閉じられ、手持ち型(または固定型)リーダーを用いて、コンテナーは荷送人により「閉じられた」ことが記録される。リーダーは以下のデータパケット(data packet)を含む(これに限定されるものではない)モニター機器21のデータを更新する:コンテナーが閉じられたと記録された日時、コンテナーが閉じられたと記録されたときに、リーダーにログされた使用者名、所有者情報、在庫情報、及び関連船積み情報の書類の保存場所である。
【0039】
このデータは上記のプロセスによりモニター機器21に書き込まれる。この段階でモニター機器21は初期化され、動作調整をし、センサー標的(ドア、積荷等)のモニターを開始する。装置は平均基準値(baseline)値を作り出して自己調整をし、障害状態を示す数値の変化をモニターする。全ての数値、又は障害状態(規定のパラメータの範囲にない数値)は、任意選択により、定時的にRFIDタグのメモリーにリアルタイム時刻とともに記録することが出来る。障害状態になると警報を出し、又は記録された記録がRFID技術により遠隔的にアクセスが可能となる。
【0040】
モニタープロセスは、コンテナーが船積みプロセスでの主要ポイント(waypoint)で受け取られるまで続く。モニター機器21が許可を受けたリーダーと接触すると、データは応用ソフトに読み込まれ、応用ソフトが、各プロセスのステップにおいてデータの完全性をテストし、暗号化プロセスは反転される。データはその後使用者が再チェックすることが出来る。もし主要ポイントが船積みの最終地である場合は、使用者はコンテナーを受領することを選択しても良い。そうすることにより、モニター機器21は「オープン」として記録される。
【0041】
モニター機器21は、それが反応するコマンドセットを持ち、適用の仕方に応じて変えることができる。各モニター機器21は、その機器が反応する固有のアドレスを持つが、好ましくは、全てのモニター機器に適用される、選択された送信コマンドにも反応することが望ましい。送信コマンドは、全ての機器がコマンドを受信する筈であることを示す「00」の様な、通常は割り当てられないアドレスを含むことができる。しかし、機器は送信されたコマンドに反応するものではなく、送信コマンドの典型的な使用は、続いて送られる個々のコマンド受信を準備するために、全ての機器を覚醒させることである。モニター機器のアドレスを含むNOPコマンドは、又単位機器を覚醒させるために用いることもできる。モニター機器で実施される他の一般コマンドは「スリープ」(“sleep”)である。眠りモードでは、電力は保存される。種々のタイプの、及び/又は実施の形態のモニター機器が予想されるため、モニター機器のタイプに対応する識別番号が割り当てられ、識別番号はリーダーにより出されるコマンド(「モニター機器ID取得」、(Get Unit ID))が読み取れるものであるべきである。
【0042】
モニター機器が反応するアドレス(「セット アドレス」、(Set Address))を変更するコマンドを持つことが望ましい。「セット アドレス」コマンドはアドレスの抵触を避けるのに役立つ。モニター機器に保存されている障害状態等に関する情報の読み出しは「反応取得」(Get Response)コマンドにより実施される。機器により返されるデータ量は適用の内容により変わる。
【0043】
セキュリティーに加えて、本発明は又供給チェーンを通じて移動する品物をモニターし追跡するために用いることができる。図4を参照願いたい。適当なセンサーを持つモニター機器21は、サプライチェーンを通して移動する対象物の存在を検知し、本明細書に記載の種々のリーダーを通してその情報を送信する。近接センサーが事象をモニターし、障害をトリガーするため、供給チェーンで長い間用いられてきた。これまでこれらのセンサーは固定位置に置かれ、有線により結ばれていた。本発明により近接検知器は無線を使用することができ、そのため携帯が可能となり、無線の届く範囲という制限があるに過ぎない。対象品の追跡、又は集計に用いられるモニター機器21のファームウエアプログラムの設定は、セキュリティーに用いられるプログラムとは異なる。トリガー事象は障害状態を意味するものではなく、リーダーに送信するに十分な時間の間記録されていれば良い。図4に示す様に本発明の一つの応用として、対象品71が、ある場所から移動する他の位置、又はコンテナーに移る場合に、この対象品を検知するものがある。この場合、移動機器上に事象を記録し、又はメモすることが重要である。特に複数の移動機器が存在し、そのためどの移動機器に対象品が置かれたについて種々の可能性のある場合には特に重要となる。この様な応用の場合では、各移動機器は、移動機器、又はコンテナーの開口を対象とした一以上のセンサー22を備えているであろう。各モニター機器21は無線送信機25を持ち、この場合送信のみが可能である。対象品74がコンテナーに入れられると、モニター機器21内の近接センサー22は反射信号を通して事象を捉え、その事象をRF送信機を経由してリーダーに送り、リーダーはある特定の対象物が特定のコンテナーに入れられたことを察知する。こうすることにより、各対象品が個々のコンテナーに入れられる場合、これを追跡することが可能であり、そのため追跡し、これらがオペレーター、自動選別装置等により適正なコンテナー72に入れられたことが確認される。
【0044】
好ましい実施の形態においては、センサーによるモニターでは、トリガー事象が何時生じたかを決定するためにプログラム可能なパラメータを用いる。各センサー及び応用環境には、ある正常と考えられるノイズ、又は出力中の無関係とされる変数のレベルがある。無関係な情報の記録及び送信を避ける為に、センサー出力をフィルターする為にプログラム可能なパラメータを用いることが出来る。生産プロセスの一部としてモニター機器の非揮発性メモリーに、デフォールト パラメータセットが書き込まれる。特定のセンサーのために選定されたパラメータは、モニター機器21により送信され又受信されるコマンドにより変更することが出来る。パラメータの例としては、センサーサンプル率(モニター機器21の読み取り頻度)、感度または閾値パラメータ、出力タイプ(センサー出力が、「オン」状態で起動するか、センサー出力が、「オフ」状態で起動するか)、警告信号の持続時間(リセットされ、次の通知を準備するまでにどの程度の警告時間が維持されるか)があり、及び最高温度、最高衝撃度、最低放射線レベル等の境界パラメータは工場でデフォールト値にセットされる。
【0045】
好ましくはモニター機器21は、電力が節約されるスリープモードを持つのが良い。スリープモード中は、電力を節約する為にマイクロプロセッサは冬眠状態に置かれる。割り込み駆動の為のタイマーが、マイクロプロセッサが読み取り及び他の作業をする様に、一定時間毎にマイクロプロセッサを覚醒させる様にセットされる。温度、湿度、及び他の静的センサーは事前に決められたサンプル率(sample rate)(上記のパラメータを参照)で起動され、測定値が読み取られる。温度等は通常連続的に記録されるため、測定そのものは必ずしも記録のトリガー事象とはならず、したがって、センサーは電力を節約する為スリープ状態となり、そして現状を数値に記録する為起動される。記録数値のログはリーダーから受信したコマンドにより読み取り可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】PCIカード及びモニター機器と通信するアンテナを備えた手持ち型、ラップトップ コンピュータ、デスクトップ コンピュータを用いた本発明システムの実施の形態を示す。
【図2】本発明のモニター機器の実施の形態を示す。
【図3】異なる種類のRF装置に対しRS485シリアルインターフェイスを用いた本発明のモニター機器の実施の形態を示す。
【図4】コンテナーに置かれる供給チェ−ンの商品を感知し、追跡する近接センサーを備える本発明のモニター機器の使用状態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニター機器であって、
電源;
出力するセンサー;
マイクロプロセッサ、マイクロプロセッサ及びデータメモリー用のプログラムを保存するファームウエアメモリーを含むセンサー出力に接続されたモニター電子機器、モニター電子機器はセンサー出力の変化をトリガー事象(trigger event)として検知し且つ記録し;及び
モニター電子機器により提供された、トリガー事象に関する情報を送信する無線送信機を含み、前記情報はモニター機器のための識別子を含む、
前記モニター機器。
【請求項2】
更に、リーダーからのコマンド及びデータを受信する無線受信機を含む請求項1に記載のモニター機器。
【請求項3】
更に、マイクロプロセッサをスリープモードに置く手段、及びモニター活動を行うために定期的にマイクロプロセッサをスリープ状態から起こす割り込み駆動のタイマーを含む請求項1に記載のモニター機器。
【請求項4】
更に、センサーの出力の変化がトリガー事象となりうるかを決定するために用いられる閾値をコントロールするパラメータを用いるセンサー出力をモニターする手段、及び無線受信機により受信されたコマンドからのパラメータを読む手段を含む請求項3に記載のモニター機器。
【請求項5】
更に、各トリガー事象を時刻表上(timeline)にタイムスタンプ(timestamp)と共に記録する手段と、コマンドを受け取り次第リーダーに時刻表を送信する手段を含む請求項3に記載のモニター機器。
【請求項6】
更にコンテナー識別子としてリーダーからのデータを受信する手段を含み、前記コンテナー識別子はモニター機器が付けられているコンテナーに関連付けられており、及びコマンドを受け取り次第コンテナー識別子をリーダーに送信する手段を含む請求項3に記載のモニター機器。
【請求項7】
更に、コマンドを受け取り次第リーダーにセンサー識別子を送信する手段を含み、前記センサー識別子はセンサーのタイプを特定する、請求項3に記載のモニター機器。
【請求項8】
更に、リーダーから受け取ったコマンドに基づきモニター機器のために識別子を変更する手段を含む請求項2に記載のモニター機器。
【請求項9】
更に、各トリガー事象の情報をリアルタイムに送信する手段を含む請求項1に記載のモニター機器。
【請求項10】
運送用コンテナーの貨物をモニターする方法であって、
運送用コンテナーの内部表面にモニター機器を取り付けるステップ、前記モニター機器はセンサー、モニター用電子機器及び無線送信機を含み;
リーダーから無線による開始コマンドを受け取り次第、タイムスタンプを付してモニター機器のメモリーにトリガー事象のデータ記録を開始するステップ、トリガー事象はセンサー出力の変化であり;及び
リーダーから無線による反応受信のコマンドを受け取り次第、トリガー事象のデータをリーダーに送信するステップ
を含む前記モニターする方法。
【請求項11】
更に、リーダーから受け取った保存識別子コマンド中の貨物識別子を保存するステップ;及び
リーダーから読み取り識別子コマンドを受け取り次第、貨物識別子を送信するステップ
を含む請求項11に記載の運送用コンテナーの貨物をモニターする方法。
【請求項12】
更に、マイクロプロセッサをスリープモードに置き、モニター動作を再開させるために、ある時間経過後にマイクロプロセッサを起動させる割り込み駆動のタイマーをセットすること、を含む請求項11に記載の運送用コンテナーの貨物をモニターする方法。
【請求項13】
更に、定期的に環境パラメータを測定すること、メモリーに環境パラメータの数値を記録すること、及びリーダーからコマンドを受け取り次第記録された環境パラメータの数値を送信することを含む請求項11に記載の運送用コンテナーの貨物をモニターする方法。
【請求項14】
更に、リーダーから読み取り・センサー・識別子(read-sensor-identifier)を受け取り次第センサー識別子を送信するステップを含み、前記センサー識別子はセンサーのタイプを示す、請求項11に記載の運送用コンテナーの貨物をモニターする方法。
【請求項15】
更に、センサーパラメータを持つコマンドを受け取るステップ;及び
パラメータに従いセンサー出力をフィルターすることによりトリガー事象が起きた時を決定するためにセンサーパラメータを用いるステップ
を含む請求項11に記載の運送用コンテナーの貨物をモニターする方法。
【請求項16】
モニター対象物のある点への進入をモニターする方法であって、
モニターされる点にモニター機器を取り付けること、モニター機器は近接センサー、モニター電子機器、及び無線送信機を含み、及び
近接センサーの出力に変化を感知すると、無線送信機を用いてモニター機器のための識別子をリーダーに送信すること、を含む前記のモニターする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−531936(P2007−531936A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506231(P2007−506231)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/009380
【国際公開番号】WO2005/093456
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(506330070)フェアフィールド・インダストリーズ・インク (1)
【Fターム(参考)】