説明

無線位置決定システムにおける時間取得

【課題】無線装置のGPS信号取得時間を低減する。
【解決手段】無線装置は、基準信号を受信し、受信した基準信号の断片を抽出し、断片のための受信の時刻を決定し、断片と受信の時刻を、GPS補助情報のための要求の一部として位置決定エンティティに送信する。位置決定エンティティは、受信の関連する時刻とともに基準信号を連続的に受信し記憶し、および無線装置から送られた断片とタイムスタンプを受信する。位置決定エンティティは、さらに、信号断片を記憶された基準信号の一部にマッチさせ、タイムスタンプと、記憶された基準信号のマッチした部分の受信の時刻との間のタイムオフセットを決定し、無線装置のための補助情報を作成し、タイムオフセットを用いて補助情報を無線装置に同期させ、同期された補助情報を無線装置に送信する。無線装置は、受信したタイミング情報を含む補助情報で、GPS信号を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に位置決定システムに関し、特に位置決定システム内の無線装置にタイミング情報を供給することに関する。
【背景技術】
【0002】
無線装置の地理的位置を決定するためのシステムは技術的によく知られている。一般に使用される位置決定システムは米国国防総省によって操作される全地球測位システム(GPS)である。GPSは6つのサーキュラープレーンで地球の周りを回る24の衛星のネットワークを含む。いつでも、いかなる地理的位置からも、少なくとも5つのGPS衛星が水平線より上にあるようにGPS衛星は離間している。各GPS衛星は、地球上のGPS受信器による受信のために現在時刻と現在位置を連続的に送信する。GPS受信器は、視野内にあるGPS衛星の4つから送信された信号の位置をつきとめることによりその地理的位置を決定することができる。各信号の送信時刻と受信時刻との間の差を用いてGPS受信器と4つのGPS衛星の各々との間の距離を計算する。これらの距離測定値は、GPS信号を介して受信した衛星位置情報と時刻情報とともに、GPS受信器により使用され、その内部クロックをGPSクロックと同期させ、100メートル未満の精度でその経度、緯度、高度を計算する。
【0003】
GPS衛星は、直接スペクトル拡散変調を用いて1575.42MHzキャリア周波数でGPS信号を送信する。各GPS信号は、送信しているGPS衛星を一意的に識別する擬似ランダム雑音(PN)符号によって変調される。各PN符号は、毎ミリ秒1023チップのレートで送信される1023チップの繰り返し系列である。特定のGPS信号の位置を見つけるために、GPS受信器は相関する1023チップPN符号系列の複製を発生し、受信した信号内に一致する1023チップ系列を検索する。GPS受信器がその複製を、チップ単位ごとに、受信した信号内の1023チップ系列と一致させることができるなら、GPS信号は発見されるであろう。多くのGPS受信器は、並列に検索される連続チップ位置の範囲(例えば32チップ)を許容する相関器ハードウエアを含み、それにより1023チップ位置の各々を検索するのに必要な時間を低減する。さらに、ドップラー偏移により、各受信されるGPS信号の知覚されるキャリア周波数は、GPS受信器と送信しているGPS衛星との相対位置に応じて変化するであろう。GPS衛星とGPS受信器の相対位置は一般に未知なので、GPS信号の検索は、さらに潜在的キャリア周波数の範囲を検索する必要があるかもしれない。
【0004】
24のPN符号の各々について潜在的キャリア周波数の全体範囲を包括的に検索することは、時間がかかり望ましくない。多くの場合数分かかる。検索時間を低減するために、GPS受信器にはしばしば、視野内にあるGPS衛星および検索を始める前に各相関されたGPS信号の相関されたドップラー周波数を識別するのを手伝うために使用することができる補助情報が与えられる。1つの方法において、GPS受信器は、GPS衛星のおおよその軌道を記載する暦データを記憶する。暦データ、その内部クロック、および現在位置の推定値を用いて、GPS受信器はGPS衛星のおおよその位置を計算し、24GPS衛星のどれが視野内にありそうかを識別する。次に、GPS受信器は、識別されたGPS衛星から送信された各GPS信号のドップラー偏移を推定する。次に、GPS信号の検索が行なわれ、識別されたGPS衛星のPN符号に焦点を合わせ、期待されるドップラー周波数のあたりに中心を置く。暦データの使用は検索時間を低減するけれども、暦データの使用は、他の周知の方法の精度と効率性を欠く。
【0005】
1つの周知の方法において、GPS信号取得時間は位置決定エンティティ(PDE)の使用を介して低減される。PDEは一般には、複数の基地局と少なくとも1つの移動装置を含む無線通信ネットワークの一部である。PDEは、無線通信ネットワークのカバーエリアにわたって分布する静止GPS受信器のネットワークを介してGPS衛星の位置を継続的に追跡する。GPS信号を検索する前に、移動装置はGPS補助情報のための要求をローカル基地局を介してPDEに送信する。ローカル基地局のアイデンティティを用いて、PDEは移動装置のおおよその位置を決定し、移動装置に、そのアイデンティティと、視野内にありうるGPS衛星の位置、および各識別されたGPS信号の期待されるドップラー偏移を供給する。PDEにより編集されたリアルタイム情報は一般に標準の暦データよりもより正確であり、より短いGPS信号取得時間を生じる。
【0006】
GPS信号取得時間は、符号分割多重アクセス(CDMA)ネットワークにおいてさらにもっと低減された。CDMAネットワークにおいて、各基地局は、GPS時間に同期したクロックを維持し、そのカバーエリア内の移動装置にタイミングビーコンを送信する。移動装置は、タイミングビーコンを用いて、しばしば4マイクロ秒未満の精度で、内部クロックを基地局のクロックに同期させる。PDEおよび静止GPS受信器もGPS時間に同期したクロックを維持する。動作において、静止GPS受信器は、各PNフレーム(すなわち1023チップPN符号シーケンス)の開始が静止GPS受信器により受信される時間を追跡する。PDEは、各GPS信号の相関されたドップラー偏移および相関されたPNフレーム受信時刻とともに、視野内のGPS衛星のアイデンティティを移動装置に送信する。移動装置はこの情報を用いて、視野内のGPS衛星を識別し、相関されたGPS信号の予想される受信周波数を識別し、および相関されるPNフレームが静止GPS受信器において受信されることになっている時間を識別する。受信したGPSタイミング情報を用いて、移動装置は、発生された1023チップのPN符号系列を、受信したGPS信号からのマッチング1023チップ系列と迅速に一致させることができる。しかしながら、非同期広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)ネットワークおよび移動通信のためのグローバルシステムネットワークのような、多くの無線通信ネットワークにおいて、移動装置の内部クロックは、必ずしも基地局、PDE、および静止GPS受信器と同期していない。従って、移動装置は、静止GPS受信器が各PNフレームの開始を受信することを期待する時刻を記載する情報に依存することはできない。GPSタイミング情報を移動装置に送信することは、GPS信号取得時間を低減するという点では、ほとんど利益をもたらさないであろう。
【0007】
上記の点を考えると、無線装置がGPS信号を取得するのを手助けするために位置決定システム内の無線装置にタイミング情報を供給するための改良されたシステムおよび方法の必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、位置決定システム内の移動装置にタイミング情報を供給するための改良されたシステムおよび方法である。好適実施の形態において、非同期WCDMAネットワークのような無線通信ネットワークは、基地局、移動装置、および位置決定エンティティ(PDE)を含む。PDEは基地局を介して無線装置と通信し、無線装置が視野内にある衛星位置決めシステム(SPS)衛星の位置を見つけることを手助けする。PDEと無線装置は、各々基準信号を受信するための少なくとも1つの基準信号受信器を含む。基準信号は、PDEと無線装置の両方により受信することができるいかなる信号をも含むことができる。例えば基準信号はFMラジオ放送信号、AMラジオ放送信号、テレビジョン放送信号、あるいは他の無線周波数信号であってよい。望ましくは、基準信号は、無線通信システムの全体にわたって実質的にユビキタス(ubiquitous)な受信可能範囲を集合的に供給する1つ以上の信号を含む。
【0009】
動作において、PDEは連続的に基準信号を受信し、受信した基準信号のサンプルを信号バッファに記憶する。さらに、少なくとも1つの静止SPS受信器は、SPS衛星から送信されたSPS信号を連続的に受信し、視野内にあるSPS衛星のアイデンティテイ(identities)と位置を追跡する。静止SPS受信器はSPS信号のための現在のドップラーシフト情報を派生し、各PNフレームが受信することになっている一周期間を追跡する。SPS受信器により集められた情報はPDEに送信されSPSメモリに記憶される。
【0010】
無線装置の地理的位置を決定するために、無線装置は、基準信号を受信し、受信した信号の断片をサンプルする。断片が無線装置により受信された時刻は、無線装置のローカルクロック、W_CLOCKを用いて決定される。無線装置は断片およびタイムスタンプをSPS補助情報のための要求の一部としてPDEに送信する。これに応答して、無線装置は要求されたSPS補助情報を受信し、この補助情報を用いて無線装置がSPS信号を取得するのを手助けする。好適実施の形態において、補助情報は、W_CLOCKにより測定される時刻を含み、この時刻に、無線装置は、視野内にあるSPS衛星と相関する各PNフレームの開始を受信するように期待される。SPS信号が取得された後、無線装置の位置を計算することができる。
【0011】
PDEは望ましくは、基準信号断片とタイムスタンプを含むSPS支援のための要求に応答して、無線装置に補助情報を供給する。SPSメモリに記憶されたSPS衛星情報を用いて、PDEは、無線装置に対して視野内にあるSPS衛星のアイデンティティを含むSPS補助情報、相関するドップラー情報、および各PNフレームの開始が無線装置において受信することになっている時刻を作成する。次に、PDEは信号バッファ内の受信した基準信号断片を検索する。一致が得られれば、PDEは受信したタイムスタンプと記憶した信号の受信時刻との間のタイムオフセットを計算する。タイムオフセットは、補助情報内のSPSタイミングデータを無線装置により使用される時間領域に変換するために使用される。次に,修正された補助情報が、SPS信号を取得するのに用いるために無線装置に送信される。代わりの実施の形態において、補助情報(無修正)およびタイムオフセットを無線装置に送信することができる。無線装置は次に、タイムオフセットデータを用いてW_CLOCKを同期化し、あるいはSPSタイミングデータに対して他の調整を実行する。
【0012】
好適実施の形態において、無線装置はタイミングソース、無線周波数(RF)信号を受信するように適合された基準信号受信器、および基準信号受信器に接続されたシグナルプロセッサを含む。シグナルプロセッサは、受信したRF信号の断片をサンプルするように適合され、断片が基準信号受信器により受信された受信時刻を決定する。無線装置はさらに無線通信トランシーバおよび衛星位置決めシステム(SPS)受信器を含む。無線通信トランシーバは断片と受信時刻を位置決定エンティティに送信するように適合され、そして、それに応答して位置決定エンティティからSPS補助情報を受信する。SPS受信器は視野内にあるSPS衛星から送信されたSPS信号を受信するように適合される。好適実施の形態において、基準信号受信器、通信受信器およびSPS受信器は受信器回路の少なくとも一部を共有する。
【0013】
好適実施の形態の位置決定エンティティはタイミングソース、基準信号バッファ、SPS位置情報を記憶するSPSメモリ、通信インターフェースおよびプロセッサを含む。基準信号バッファは、相関する受信時刻情報と共に、受信した基準信号の最近のサンプルを記憶する。通信インターフェースは無線装置からの補助情報のための要求を受信するように適合される。通信インターフェースは、信号断片およびタイムスタンプを含み、補助情報を無線装置に送信する。プロセッサは、記憶された基準信号内の受信された信号断片を検索し、受信したタイムスタンプと記憶された基準信号の一致する部分との間の時間オフセットを決定し、SPS信号を見つける際に、無線装置を補助するためにSPS衛星情報から補助情報を作成し、そして、補助情報を無線装置と同期させるためにタイムオフセットを用いて補助情報を調節するように適合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
無線位置決定システムにおける時間取得のより完全な理解が当業者に提供されるであろう。並びに好適実施の形態の以下の詳細な記載の考察によってさらなる利点と目的が実現されるであろう。参照符号が添付した図面につけられ最初に簡単に記載するであろう。
【0015】
この発明は、位置決定システム内の移動装置にタイミング情報を供給するための改良されたシステムおよび方法である。図1は、この発明の好適実施の形態に従う無線通信システム10を図解する。無線通信システム10は複数の基地局12と複数の無線装置14を含むセルベースの通信システムである。各基地局12は、基地局12によりサービスされる地理的カバー領域を定義する関連したセル16を有する。セル16の1つ内に位置する各無線装置14は広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)のような所定の通信プロトコルに従ってデータパケットを交換することにより、関連する基地局12と通信するように適合される。無線装置14は、無線通信リンクを介して基地局12と通信するように適合されたいかなる装置であってもよく、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタンツ(PDAs)、乗り物ナビゲーションシステムおよびポータブルコンピュータを含む。携帯電話システム向け交換機(MSC)18はセル16内の無線通信を管理し、呼のセットアップ、無線装置間のルーティングコール(routing call)、および無線装置と、公衆交換電話網(PSTN)またはインターネットのような通信ネットワークとの間のルーティングコールを含む。無線通信システム10は複数のMSCを含むことができ、各MSCは複数のセル16を管理する。代わりの実施の形態において、無線通信システムは、無線装置が、無線通信リンクを介して第2の装置またはエンティティと通信することができるいかなる他の通信システムであってもよく、地上ベースまたは衛星ベースのセルラ通信システム、パーソナル通信システム、特殊化した移動無線システム、アドバンストモバイルフォーンシステム(Advanced Mobile Phone System)(AMPS)、移動通信のためのグローバルシステム(GSM)、ページャシステムおよび無線パケットデータシステムを含む。
【0016】
無線通信システム10はさらに無線装置14の地理的位置を決定するように適合される。好適実施の形態において、全地球測位システム(GPS)のような衛星位置決めシステムは位置決定のために使用される。各無線装置14は少なくとも1つのアンテナ20を含み、ローカル基地局12と通信し、軌道を周回する衛星から送信されたGPS信号を受信する。各基地局12は無線装置14と通信するための少なくとも1つのアンテナ22を含む。位置決定エンティティ(PDE)24はMSC18を介して基地局12に接続され、視野内にあるGPS衛星の位置を見つける際、および無線装置14の各地理的位置を計算する際に、無線装置を補助する。好適実施の形態において、PDE24、GPSアンテナ28を介してGPS信号を受信する少なくとも1つの静止GPS受信器26を用いてGPS衛星の位置を追跡する。無線通信システム10は望ましくは、そのカバー領域全体にわたって位置するGPS受信器26のネットワークを含む。一実施の形態において、各基地局12は、基地局のカバー領域16内の無線装置14を補助するためにPDE24と静止GPS受信器26を含む。
【0017】
無線補助GPSシステムは技術的に良く知られており、視野内にあるGPS衛星の位置を効率的に見つける際に無線装置14を補助するシステム、計算された地理的位置の誤差を低減するシステム、および4GPS未満の衛星を用いて無線装置の位置を決定する際に補助するシステムを含む。無線通信ネットワークにおけるGPS位置決定システムの例は、譲受人に譲渡された米国特許番号第6,058,338(発明の名称:「通信システムにおいて、効率的なGPS補助のための方法および装置」(METHOD AND APPARATUS FOR EFFICIENT GPS ASSISTANCE IN A COMMUNICATION SYSTEM)および米国特許第6,081、229(発明の名称:「無線CDMAトランシーバの位置を決定するためのシステムと方法」(SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINING THE POSITION OF A WIRELESS CDMA TRANSCEIVER)、およびスナップトラック会社(SnapTrack, Inc.)に譲渡された米国特許第6,133,874(発明の名称:「衛星位置決めシステム信号を取得するための方法および装置」(METHOD AND APPARATUS FOR ACQUIRING SATELLITE POSITIONING SYSTEM SIGNALS)に開示される。これらの文献は参照することによりここに組み込まれる。好適実施の形態において、無線装置14の位置は、譲受人により開発された、gpsOneTM位置標定技術に従って決定される。gpsOneTM技術を用いて、無線装置14は、少なくとも1つのGPS衛星および少なくとも1つの基地局から測定値を同時に収集し、収集した情報をPDE24に送信する。PDE24は、PDE24により以前に収集されたGPS衛星情報を用いて正確な位置計算を実行する。
【0018】
好適実施の形態において、PDE24は基準信号34を受信するためのアンテナ32を含み、無線装置14はアンテナ20を介して基準信号34を受信するように適合される。基準信号34はPDE24、および無線通信システム10のカバー領域内にある少なくとも1つの無線装置14の両方による受信に対して入手可能ないかなる信号も含めても良い。基準信号34は望ましくは、無線通信システム10または衛星位置決めシステムの一部でない無線周波数(RF)信号源が起源である。例えば、信号34はFMラジオ放送信号、AMラジオ放送信号、テレビジョン放送信号または他の無線周波数信号であってよい。以下に記載するように、基準信号34は無線装置14とPDE24の両方により使用され、GPS信号取得を手助けするために、無線装置14に補助情報を供給する。
【0019】
タイミング情報を無線装置に供給するための好適な方法は図2のブロック図を参照して説明する。地球上のGPS受信器による受信のために複数のGPS衛星40は連続的にGPS信号42を送信する。各GPS信号42は、送信しているGPS衛星40、送信しているGPS衛星の現在位置、およびGPS送信時刻を識別する、独自の擬似ランダム雑音(PN)符号を含む。GPS受信器26は、GPS受信器26の視野内にあるGPS衛星40からGPS信号42を連続的に受信する。GPS受信器26は、望ましくはGPS時刻と同期しているタイミングソースG_CLOCK44を含む。受信したGPS信号42を介して、GPS受信器26は視野内にあるGPS衛星40のアイデンティティと位置を追跡し、GPS信号42のための現在のドップラーシフト情報を派生し、各PNフレームがGPS受信器26において、受信される一周期間を追跡する。GPS受信器26により収集されるGPS衛星情報はPDE24に送信され、位置決定支援を無線装置14に供給する際にPDE24により使用されるためにGPSメモリ46に記憶される。GPS受信器26の一部または全ての機能はPDEの一部として実現できることは当業者に理解されるであろう。
【0020】
PDE24と無線装置14は、1つ以上の信号源48から送信される1つ以上の基準信号50を受信するように適合される。好適実施の形態において、基準信号50は無線周波数(RF)信号である。殆どの地上の領域において、RF信号はユビキタス(ubiquitous)であり、FM無線周波数バンド(すなわち、88MHz乃至108MHz)、AM無線周波数バンド(すなわち525KHz乃至1,700KHz)、VHFテレビジョン周波数バンド(すなわち、54MHzないし88MHz、174MHz乃至220MHz)および他の周波数バンドで送信される信号を含む。PDE24と無線装置14は望ましくは、無線通信システム10の全体にわたって実質的にユビキタスな受信可能範囲(例えばFMラジオ周波数バンド)を供給する利用可能なRF信号のサブセットを受信するように適合される。
【0021】
動作において、PDE24は基準信号50を連続的に受信し、GPS支援を無線装置14に供給する際に後で使用するために、受信した基準信号50のサンプルを信号メモリ52に記憶する。好適実施の形態において、信号メモリ52は、最も最近の2−3秒の受信した基準信号を維持するバッファである。PDE24はまた、望ましくはGPS時刻と同期化されるタイミングソース、P_CLOCK54を含む。PDE24はP_CLOCK54を用いて、信号メモリ52の内容がPDE24により受信された時刻を追跡する。
【0022】
無線装置14の地理的位置を決定するための好適プロセスは図3のフロー図に図解される、そして図2を参照して以下に記載される。プロセスは望ましくは無線装置14のユーザにより開始される。代わりの実施の形態において、プロセスは、無線装置14、位置決定エンティティ24、または他の装置またはエンティティにより開始してもよい。ステップ60において、無線装置14は基準信号50を受信し、ステップ62において、基準信号50の断片をサンプルする。好適実施の形態において、断片は2−3ミリ秒の基準信号50をサンプルする。ステップ64において、サンプルされた基準信号50断片が無線装置14において受信された時刻がローカルクロックW_CLOCK56を用いて決定される。好適実施の形態において、W_CLOCK56は、G_CLOCK44、P_CLOCK54またはGPS時刻のような、無線通信システム10内の他のクロックと同期されない。ステップ66において、無線装置14は断片とタイムスタンプを、無線通信リンクを介して、GPS補助情報のための要求の一部としてPDE24に送信する。ステップ68において、無線装置14は要求されたGPS補助情報を受信し、ステップ70において、補助情報は、視野内にあるGPS衛星40からGPS信号42を取得する際に無線装置14を支援するために使用される。好適実施の形態において、補助情報は、無線装置14に、無線装置14がPNフレームを受信することを予測されるW_CLOCK56により測定される、視野内の関連するドップラー情報と時刻であるGPS衛星40のアイデンティティを供給する。GPS信号42が取得された後、無線装置の位置はステップ72において当業者に知られた方法に従って決定される。
【0023】
獲得したGPS信号において受信した情報は、無線装置14により使用されW_CLOCK56をGPS時刻と同期させることができる。W_CLOCK56がGPS時刻に同期した後、GPS補助情報は、基準信号を使用することなく、一般的な方法で無線装置14に供給することができる。しかしながら、多くの無線装置は正確なタイミングソースを欠いており、ローカルクロックの再発性の同期が必要であろうことが認識される。好適実施の形態において、最後のGPS時刻が固定してから経過した時間量を識別する変数を維持する。GPS時刻の固定なしに経過した所定の時間量の後に、補助情報のための次の要求は、上述したように基準信号の断片および関連するタイムスタンプを含むであろう。
【0024】
補助情報を無線装置14に供給するための好適プロセスは図4のフロー図に図解され、図2を参照して以下に記載される。ステップ80において、PDEは無線装置14からGPS支援のための要求を受信する。この要求は基準信号断片とタイムスタンプを含む。次に、ステップ82において、PDE24は、GPSメモリ46に記憶したGPS衛星情報から、無線装置のためのGPS補助情報を作る。GPS補助情報は望ましくは、GPS受信器26から見える所にあるGPS衛星40のアイデンティティ、GPS受信器26により受信されたGPS信号42のための関連するドップラー情報、および各PNフレームの開始がGPS受信器26において受信される時刻を含む。視野内にあるGPS衛星の位置および微分訂正データのような他のGPS補助情報も含めることができる。PDE24は望ましくは、無線装置14とPDE24が通信する基地局に最も近いGPS受信器26に関連するGPS衛星情報を選択する。無線装置14はGPS受信器26に最も近いので、同じGPS衛星40が無線装置14に対して見えており、無線装置14により受信されたGPS信号42は同様のドップラーシフトを持つであろうことが期待される。さらに、無線装置14はGPS受信器26とほぼ同じGPS時刻にPNフレームを受信するであろうことが期待される。
【0025】
好適実施の形態において、PDE24は、補助情報内のGPSタイミングデータを、無線装置14およびW_CLOCK56により使用される時間領域に変換する。ステップ84において、PDE24は、無線装置14から受信した基準信号断片のための信号メモリ52を検索する。ステップ86において、一致が取れるなら、PDE24は、記憶した信号の受信時刻に対して受信したタイムスタンプを比較し、ステップ88において、2つのクロック、W_CLOCK56とP_CLOCK54との間の時間オフセットΔtを計算する。ステップ90において、PDE24は、時間オフセットΔtを用いて、PDE24の時間領域およびP_CLOCK54から補助情報内のタイミングデータを無線装置14およびW_CLOCK56により使用される時間領域に変換する。ステップ92において、次に、GPS補助情報は無線装置14に送信される。無線装置14は、GPS衛星信号42を獲得し、その地理的位置を計算する際に、無線装置14を支援するために受信した補助情報を用いてもよい。代わりの実施の形態において、PDE24が時間オフセットΔtを計算した後、修正されていないGPS補助情報および時間オフセットΔtは無線装置14に送信される。無線装置14は時間オフセットΔtを用いて、W_CLOCK56をP_CLOCK54と同期させ、あるいはGPSタイミング情報に対する独自の調節を実行してもよい。同期の精度、そして従ってGPS信号を獲得するのに必要な時間の長さは、無線装置と、PDE24の基準信号受信器との間の距離に部分的に依存するであろうことが認識される。好適実施の形態において、各静止した基準信号受信器は少なくとも1つの静止した基準信号受信器の300km以内に位置する。
【0026】
無線装置100の好適実施の形態は、図5のブロック図を参照して記載される。無線装置100は無線周波数(RF)信号を送信および受信するように適合された少なくとも1つのアンテナ102を含む。アンテナ102により受信されたRF信号は、GPS受信器104、通信トランシーバ106、および基準信号受信器108に選択的に送られる。受信器104、106および108は少なくとも1つのデジタルシグナルプロセッサ110に接続され、デジタルシグナルプロセッサ110は、それぞれ受信したGPS衛星信号、通信信号および基準信号を制御する。デジタルシグナルプロセッサ110は制御プロセッサ112に接続され、制御プロセッサ112無線装置100の動作を制御する。デジタルシグナルプロセッサ110と制御プロセッサ112は、単一のプロセッサとして、複数のプロセッサとして、またはプロセッサと、特定用途向け集積回路(ASIC)を含む専用回路の組合せとして実現してもよい。制御プロセッサ112はタイミングソースW_CLOCK114に接続され、タイミングソースW_CLOCK114は、無線装置100、メモリ116およびユーザインタフェース118のローカル時間を維持する。メモリ116は望ましくは、ランダムアクセスメモリと、デジタルシグナルプロセッサ110および制御プロセッサ1123を制御するための実行命令を記憶するプログラムメモリ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。好適実施の形態において、無線装置100は携帯電話であり、ユーザインタフェース118は、無線装置100のユーザに、電話番号および他の情報のユーザ入力のためのテンキー、可視ディスプレイ、マイクロフォンおよびスピーカを供給するための回路と部品を含む。代わりの実施の形態において、無線装置100はPDA、カーナビ装置、移動パーソナルコンピュータ、ページャまたは他の無線装置であってよい。
【0027】
GPS受信器104はGPS信号を受信し、受信したGPS信号をデジタルに変換する回路を含む。デジタルシグナルプロセッサ110は、GPS信号内のPN符号の位置を見つけ、GPS信号から衛星情報を抽出し、擬似距離を計算し、無線装置100の現在の地理的位置を決定するように適合される。代わりの実施の形態において、デジタル信号プロセッサ110と制御プロセッサ112は、通信トランシーバ112とアンテナ102を用いてPDEに受信したGPS情報を送信するように適合される。通信トランシーバ106は、通信信号を受信し、受信した通信信号を、デジタルシグナルプロセッサ110により処理のためにデジタルに変換するための回路を含む。通信トランシーバ106はまた、デジタル信号をアナログに変換し、そのアナログ信号をアンテナ102を介して無線通信リンクに送信するための回路を含む。好適実施の形態において、無線装置100は携帯電話であり、デジタルシグナルプロセッサ110および制御プロセッサ112は、通信トランシーバ106を介して音声通信およびデータ通信を処理し、送信し、受信するように適合される。基準信号受信器108は技術的に知られた一般的な無線周波数(RF)受信器であってよく、基準信号を受信し、受信した信号を、デジタルシグナルプロセッサ110による処理のためにデジタルに変換する回路を含む。デジタルシグナルプロセッサ110は、望ましくは、受信した信号の一部をサンプルしてタイムスタンプし、そのサンプルとタイムスタンプを、アンテナ102を介してPDEに送信するために通信トランシーバ106に供給するように適合される。
【0028】
図6は、無線装置100の受信構成要素の好適実施の形態を図解するブロック図である。受信器104、106、および108はそれぞれGPS、通信、および基準信号の1つを受信し、ダウンコンバートし、デジタル化するためのダブルヘテロダイン受信器を含む。GPS受信器104はGPS信号を受信するために適合されるアンテナ120aを含む。アンテナ120aは第1の低雑音増幅器122aに接続され、低雑音増幅器122aの出力は帯域通過フィルタ124aの入力に接続される。帯域通過フィルタ124aは1575.42MHzの中心周波数を有するGPS信号帯域を通過させ、GPS信号帯域外の周波数を有する通信信号、基準信号および他の信号を減衰させる。帯域通過フィルタ124aの出力は、第1ミクサ126aへの入力である。第1の発振器128aは第1ミクサ126aの第2入力に供給し、GPS信号を中間周波数(IF)(例えば70MHz)にダウンコンバートし、中間周波数は第2低雑音増幅器130aの入力に供給される。第2低雑音増幅器130aの出力は、ロウパスフィルタ132aに接続される。ロウパスフィルタ132aは、第1入力を第2ミクサ134aに供給する。第2発振器136aは第2入力を第2ミクサ134aに供給し、IF信号をより低いIF(例えば1MHz)にダウンコンバートする。第2ミクサ134aの出力はアナログデジタル(A/D)変換器138aによりデジタル化され、デジタルシグナルプロセッサ110への入力として供給される。デジタルシグナルプロセッサ110は、デジタル化されたGPS信号を処理するためのロジックを含む。
【0029】
受信器106および108はGPS受信器104と同様の回路を含む。アンテナ120bは通信信号を受信するように適合され、第1低雑音増幅器122bの入力に接続される。第1低雑音増幅器122bの出力は、帯域通過フィルタ124bの入力に接続される。帯域通過フィルタ124bは通信信号帯域を通過させ、通信信号帯域以外の周波数を有するGPS信号、基準信号および他の信号を減衰させる。帯域通過フィルタ124bの出力は第1ミクサ126bへの入力である。第1発振器128bは第2入力を第1ミクサ126bに供給し、通信信号をダウンコンバートし、第2低雑音増幅器130bの入力に供給されるIF信号を生成する。第2低雑音増幅器130bの出力はロウパスフィルタ132bに接続され、ロウパスフィルタ132bは、第1入力を第2ミクサ134bに供給する。第2発振器136bは第2入力を第2ミクサ134bに供給し、IF信号をより低いIFにダウンコンバートする。第2ミクサ134bの出力は、A/D変換器138bによりデジタル化され、デジタルシグナルプロセッサ110への入力として供給される。デジタルシグナルプロセッサ110は、デジタル化された通信信号を処理するためのロジックを含む。
【0030】
アンテナ120cは基準信号を受信するように適合され、第1低雑音増幅器122cの入力に接続される。第1低雑音増幅器122cの出力は、帯域通過フィルタ124cの入力に接続される。帯域通過フィルタ124cは、基準信号帯域を通過させ、基準信号帯域外の周波数を有するGPS信号、通信信号および他の信号を減衰する。例えば、好適実施の形態において、基準信号受信器108はFM受信器であり、帯域通過フィルタ128cはFM周波数バンド(すなわち、88MHz乃至107MHz)外の周波数を減衰させる。帯域通過フィルタ124cの出力は第1ミクサ126cの入力である。第1の発振器128cは第2入力を第1ミクサ126cに供給し、基準信号をダウンコンバートし、第2低雑音増幅器130cの入力に供給されるIF信号を出力する。第2低雑音増幅器130cの出力はロウパスフィルタ132cに接続され、ロウパスフィルタ132cは第1入力を第2ミクサ134cに供給する。第2発振器136cは第2入力を第2ミクサ134cに供給し、IF信号をより低いIFにダウンコンバートする。第2ミクサ134cの出力はA/D変換器138cによりデジタル化され、デジタルシグナルプロセッサ110への入力として供給される。デジタルシグナルプロセッサ110は基準信号を処理するためのロジックを含む。
【0031】
当業者は、GPS、通信および基準信号受信器の部品を共有する回路を含む、他の回路実装を利用して、GPS、通信、および基準信号を受信し処理できることを理解するであろう。GPS受信器と通信受信器との間の共有回路の一例は、参照することによりここに組み込まれる、スナップトラック会社(SnapTrack, Inc.)に譲渡された米国特許第6、111、540(発明の名称:「共有回路を用いた結合GPS位置決めシステムおよび通信システム」(COMBINED GPS POSITIONING SYSTEM AND COMMUNICATION SYSTEM UTILIZING SHARED CIRCUITRY))に図解される。
【0032】
共有回路を利用した代わりの実施の形態は図7のブロック図に図解される。受信構成要素は、3つの低雑音増幅器152a、152b、152cに接続される少なくとも1つのアンテナ150を含む。3つの低雑音増幅器152a、152b、152cの各々はそれぞれ帯域通過フィルタ154a、154b、および154cに接続される。帯域通過フィルタ154aはGPS信号を通過させ、帯域通過フィルタ154bは通信信号を通過させ、帯域通過フィルタ154cはFMラジオバンドのような基準信号を通過させる。帯域通過フィルタ154a−154cはスイッチ156により第1ミクサ158に選択的に接続される。スイッチ156は処理のために信号の1つを選択する。周波数シンセサイザ160は基準周波数を第1ミクサ158に出力し、選択されたRF信号タイプを中間周波数(IF)にダウンコンバートする。第1ミクサ158の出力は第2低雑音増幅器162に接続され、第2低雑音増幅器162はこの信号を、ロウパスフィルタ164に入力するために増幅し、ロウパスフィルタ164は第2ミクサ166に接続される。周波数シンセサイザ160は選択された信号タイプのための基準周波数を第2ミクサ166に出力し、IF信号をより低い中間周波数に変換する。第2ミクサ166は低いIF信号を出力し、このIF信号はA/D変換器によりデジタル化され、デジタルシグナルプロセッサ170に供給される。好適実施の形態において、プロセッサは、周波数シンセサイザ160を制御し、ミクサ158および166の各々に入力する周波数を選択する。第1ミクサ158に入力される基準周波数はスイッチ156により選択される信号に依存して変化するであろうことが予期される。一方、同じ基準周波数は、3つのすべての信号タイプに対して第2ミクサ166に入力することができる。
【0033】
代わりの実施の形態において、基準信号は、基準信号に送信された情報を回復するための復調された回路を含む。プロセッサ、または無線装置の他の部品または回路もまたユーザーインターフェースを介して無線装置のユーザに回復された情報を与えることができる。一実施の形態において、基準信号受信器はFM無線受信器であり、復調回路は、受信したFM放送信号に送信されたオーディオ情報を回復するように適合される。次に、回復されたオーディオ情報が無線装置のスピーカを介して演奏される。
【0034】
PDEの好適実施の形態を図8のブロック図を参照して記載する。PDE250は、プロセッサ252、プログラムメモリ254、記憶システム256、ローカルタイミングソースP_CLOCK258、および通信インターフェース260を含む。好適実施の形態において、P_CLOCK258はGPS時刻のような中央タイミングシステムと同期が取られる。プログラムメモリ254はプロセッサ252に位置決定機能および通信機能を実行させるように命令するためのプログラムロジックを含む。通信インターフェース260は無線通信ネットワーク内の基地局を介してPDE250と無線装置との間の通信を供給する。PDE250はさらに少なくとも1つのGPS受信器から受信されたGPS衛星情報を記憶するためのGPSデータメモリを含む。PDE250は、また、FM信号のような基準信号を受信するように適合された少なくとも1つのアンテナ272を含む。アンテナ272により受信された基準信号は基準信号受信器274に供給される。基準信号受信器274は受信した基準信号をダウンコンバートおよびデジタル化する。デジタル信号は、基準信号メモリ276に記憶される。基準信号メモリ276は望ましくは、最も最近の2−3秒の受信した基準信号を記憶する。
【0035】
無線装置100とPDE250との間の基準信号を調整するための複数の手法が考えられる。好適実施の形態において、無線装置100の基準信号受信器108および位置決定エンティティ250の基準信号受信器274は所定の基準周波数を受信するように調整される。しかしながら、代わりの実施の形態において、受信器108および274は1つ以上のRF周波数バンドを受信するように適合される。RF周波数バンドは、無線通信システムの実質的にユビキタス受信可能範囲を供給するRF信号のセットを含む。
【0036】
第1の代わりの実施の形態において基準信号周波数は無線装置100によって選択される。無線装置100の地理的位置を決定するためのプロセスが開始された後、無線装置100はRF信号のための所定のRF周波数バンドをスキャンする。望ましくは、無線装置100は、利用可能な周波数を通り、各ステップにおいて、受信した信号強度を測定し、断片をサンプルする最も強い受信した信号強度を有する周波数を選択する。しかしながら、いかなる検出した信号も基準信号として使用することができることは理解されるであろう。次に、無線装置100は、選択された基準信号のキャリア周波数とともに、断片を送信し、PDE250にタイムスタンプすることができる。次に、PDE250は受信した基準信号キャリア周波数上の断片を基準信号メモリ内で検索することができる。
【0037】
第2の代わりの実施の形態において、PDE250は基準信号周波数を選択する。PDE250は最も強い受信した信号強度に対してRF周波数バンドを連続的にスキャンし、選択された周波数を基準信号メモリに記憶する。PDE250が補助情報のための要求を受信すると、PDE250は選択されたキャリア周波数を無線装置100に送信する。無線装置100は選択されたキャリア周波数に同調し、受信した信号の断片をサンプルする。無線装置100は次に、その断片とタイムスタンプをPDE250に送信する。
【0038】
以上,無線位置決定システムにおける時間取得の好適実施の形態について述べてきたので、当業者には、ここに記載したシステムのある利点が達成されたことは当業者には明白であるはずである。また、種々の変形例、改作、代わりの実施の形態はこの発明の範囲と精神内で作ることが理解されるであろう。
【0039】
この発明の範囲は以下のクレームにより定義される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1はこの発明の好適実施の形態に従う無線通信システムを図解する。
【図2】図2はタイミング情報を無線装置に供給するための好適方法を図解する。
【図3】図3は、無線装置の地理的位置を決定するための好適プロセスを図解するフロー図である。
【図4】図4は、無線装置に補助情報を供給するための好適プロセスを図解するブロック図である。
【図5】図5は、この発明の好適実施の形態に従う無線装置を図解するブロック図である。
【図6】図6は、無線装置の受信構成要素のための好適回路を図解するブロック図である。
【図7】図7は、この発明の代わりの実施の形態に従う無線装置の受信構成要素のための好適共有回路を図解するブロック図である。
【図8】図8はこの発明の好適実施の形態に従う位置決定エンティティを図解するブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決定エンティティを含む無線通信システムにおいて、以下の工程を具備する、
衛星位置決めシステム信号を取得するための方法:
基準信号の断片を受信する、前記断片はタイミングソースにより測定される受信の時刻を有する;
補助情報のための要求を前記位置決定エンティティに送信する、前記要求は前記断片と前記受信の時刻を含む;
前記要求された補助情報を受信する;および
前記受信した補助情報を用いて前記衛星位置決めシステム信号の位置を見つける。
【請求項2】
前記タイミングソースは前記位置決定エンティティと同期されていない、請求項1の方法。
【請求項3】
前記断片を受信する工程は、
無線周波数(RF)信号を受信する工程;および
前記受信した無線周波数信号の一部をサンプリングする工程を具備する、請求項1の方法。
【請求項4】
前記RF信号はFM無線放送信号である、請求項3の方法。
【請求項5】
前記RF信号は無線通信システムの全体に渡ってユビキタスである、請求項3の方法。
【請求項6】
前記補助情報は、前記無線装置が前記衛星信号を受信することを期待される時刻を識別するタイミング情報を含む、請求項1の方法。
【請求項7】
前記補助情報は、前記タイミングソースと同期される、請求項1の方法。
【請求項8】
無線通信システムにおいて、下記工程を具備する、衛星位置決めシステム信号を取得する際に無線装置を補助するための方法:
タイミングソースを維持する;
基準信号を連続的に受信する;
前記基準信号を記憶する、前記記憶された基準信号は前記タイミングソースにより測定される受信の関連する時刻を有する;
情報を補助するための無線装置からの要求を受信する、前記要求は信号断片およびタイムスタンプを含む;
前記信号断片を前記記憶された基準信号の一部とマッチさせる;
タイムスタンプと、前記記憶された基準信号のマッチされた部分の受信の時刻との間のタイムオフセットを決定する;
無線装置のための補助情報を作成する;
前記タイムオフセットを用いて、前記補助情報を前記無線装置に同期させる;および
前記同期された補助情報を前記無線装置に送信する。
【請求項9】
前記タイミングソースは前記無線装置と同期されない、請求項8の方法。
【請求項10】
前記リファレンス信号はユビキタス信号である、請求項8の方法。
【請求項11】
前記ユビキタス信号は、FM無線放送信号から構成される、請求項10の方法。
【請求項12】
前記記憶する工程は以下の工程を具備する、請求項8の方法:
前記受信した基準信号をサンプリングする;および
前記サンプルされた基準信号をバッファに記憶する;
各記憶されたサンプルの受信の時刻は、前記タイミングソースおよび前記バッファ内のその位置により測定される現在時刻の関数として決定することができる。
【請求項13】
前記補助情報は、前記衛星位置決めシステム信号が前記無線装置により受信されることが期待される時刻を識別するタイミング情報を含む、請求項8の方法。
【請求項14】
位置決定エンティティを含む衛星位置決めシステム(SPS)において、下記を具備する無線装置:
RF信号を受信するように適合した基準信号受信器;
前記基準信号受信器に接続されたシグナルプロセッサ、前記シグナルプロセッサは、前記RF信号の断片を抽出し、前記RF信号の断片が前記基準信号受信器により受信された受信の時刻を決定するように適合される;
前記断片および受信の時刻を位置決定エンティティに送信し、前記位置決定エンティティからSPS補助情報を受信するように適合した無線通信トランシーバ;および
前記SPS補助情報を用いてSPS衛星信号を受信するように適合したSPS受信器。
【請求項15】
前記基準信号受信器は、FM無線受信器である、請求項14の無線装置。
【請求項16】
前記基準信号受信器は、AM無線受信器である、請求項14の無線装置。
【請求項17】
前記基準信号受信器は、テレビジョン信号受信器である、請求項14の無線装置。
【請求項18】
さらに下記を具備する、請求項14の無線装置:
プロセッサ;および
タイミングソース;
前記断片の受信の時刻は前記タイミングソースを用いて決定され;
前記SPS補助情報はタイムオフセットを含み;および
前記プロセッサは、前記タイムオフセットを用いて、前記タイミングソースを前記位置決定エンティティと同期を取るように適合される、請求項14の無線装置。
【請求項19】
さらに下記を具備する、請求項14の無線装置:
無線周波数(RF)入力信号を中間周波数(IF)信号にダブルダウンコンバートするように適合されたダブルヘテロダイン受信器回路;
前記基準信号は、第1RF入力をダブルヘテロダイン受信器回路に供給し;
前記通信トランシーバは、第2RF入力を前記ダブルヘテロダイン受信器回路に供給し;および
前記SPS受信器は第3RF入力を前記ダブルヘテロダイン受信器回路に供給し;および
前記ダブルヘテロダイン受信器に入力するために、前記第1、第2、および第3RF入力信号の1つを選択するためのスイッチ。
【請求項20】
第1のクロックを有する無線装置と、第2のクロックを有する位置決定エンティティを含む無線通信システムネットワークにおいて、下記を具備する、全地球測位システム(GPS)タイミング情報を前記無線装置に供給するための方法:
基準信号を受信する;
前記受信した基準信号の断片を抽出する;
前記第1のクロックに従って前記断片のための受信の時刻を決定する;
前記断片および受信の時刻を前記位置決定エンティティに送信する;および
前記位置決定エンティティから補助情報を受信する、前記補助情報は、衛星位置決めシステム信号の取得に関連するタイミング情報を含み、前記タイミング情報は前記第1のクロックと同期している。
【請求項21】
前記断片を抽出する工程は、前記受信した基準信号の一部をサンプリングする肯定を具備する、請求項20の方法。
【請求項22】
前記基準信号は、FM無線放送信号である、請求項21の方法。
【請求項23】
前記FM無線放送信号は前記無線通信ネットワークの全体にわたってユビキタスである、請求項22の方法。
【請求項24】
無線装置を含む無線通信システムにおいて、下記を具備する位置決定エンティティ:
タイミングソース;
記憶されたSPS衛星位置情報を含む衛星位置決めシステム(SPS)メモリ;
記憶された基準信号および受信情報の関連する時刻を含む基準信号メモリ;
前記無線装置からの補助情報のための要求を受信するように適合された通信インターフェース、前記要求は信号断片およびタイムスタンプを含む;
前記信号断片を前記記憶された基準信号の一部と整合させるように適合されたシグナルプロセッサ;および
前記タイムスタンプと、前記記憶された基準信号の一部の受信の時刻との間のタイムオフセットを決定し、前記SPS衛星信号の位置を見つける際に、前記無線装置を補助するために、前記SPS衛星情報から補助情報を作成し、前記補助情報を前記無線装置と同期させるために、前記タイムオフセットを用いて前記補助情報を調整し、前記通信インタフェースを用いて、前記補助情報を前記無線装置に送信するように適合された制御プロセッサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−80112(P2009−80112A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−231652(P2008−231652)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【分割の表示】特願2002−573905(P2002−573905)の分割
【原出願日】平成14年3月15日(2002.3.15)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】