説明

無線周波数起動用のシステムおよび方法

無線周波数装置(202)を有する作業機械(120、130、および140)を利用するためのシステムおよび方法が提供される。システムは、作業機械(120、130、および140)が無線周波数リーダ(206)の範囲内に移動したときに、第1の通信チャネルを介して無線周波数信号を無線周波数装置(202)に伝送する無線周波数リーダ(206)を含む。無線周波数装置(202)は、無線周波数信号に応答して起動信号を生成し、またインタフェース制御システム(124、134、および144)は、無線周波数装置(202)から起動信号を受信し、その起動信号に含まれる情報に基づいて、作業機械(120、130、および140)に関連する所定のプログラム機能を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線周波数通信、より詳しくは、作業機械内の通信の無線周波数起動を行うためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の作業機械(例えば、建設機械、固定されたエンジンシステム、海洋用機械等などの固定されたおよび移動可能な商業用機械)の重要な特徴は、オンボードネットワーク、およびそれに関連する機械制御モジュールである。オンボードネットワークは、種々のタイプの通信リンクに接続された多数の異なるモジュールを含む。これらのリンクは、既知の工業規格に基づく製造業者用のデータリンクおよび通信経路などの専有および非専有のものであることが可能である(例えば、J1939、RS232、RP1210、RS−422、RS−485、MODBUS、CAN等)。機械制御モジュールは、作業機械の1つ以上の構成部材を監視および/または制御し得る。制御モジュールはまた、外部システムからデータを受け取り、またデータを外部システムに伝送することが可能である。
【0003】
現在までの従来のシステムはアンテナを使用して、様々な種類の機器に関連するRFIDタグと相互作用する信号を送信および受信し得る。RFIDタグは、コンピュータシステムによって受信し得る情報を提供することが可能である。このような1つのシステムは、貸出状況および機器の移動の自動追跡を可能にする無人自動貸出システムを開示している(特許文献1)に開示されている。
【0004】
それぞれの無人貸出場所は、貸出状況、利用可能な在庫、および貸し出された在庫を監視するコンピュータシステムを有する。監視に基づいて、システムは、貸し出された項目に関する請求書を自動的に作成する。コンピュータシステムは、1つ以上のアンテナと協働するオーディオビジュアル機器のそれぞれの部分にRFIDタグを利用するRFID追跡システムを制御する。アンテナは、RFIDタグを含む機器が出入口を通過したときに、RFIDタグと相互作用する信号を送信および受信する。コンピュータシステムは、機器の貸出状況とユーザおよび参照文書とを関連付けるためのユーザインタフェースを有する。システムはまた、機器の移動を自動的に記録する記録モジュールと、規定された状況下で可聴警報を起動するセキュリティ警報モジュールとを含む。
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0097304A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(特許文献1)に記載されているシステムにより、コンピュータシステムが、RFIDタグによって提供された情報を受信することが可能になるが、(特許文献1)では、RFIDタグから受け取った情報により、第2の通信チャネルを介した外部システムへのデータの自動伝送が開始されるシステムが開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示されるいくつかの実施形態による方法、システム、および製品は、上記の1つ以上の課題を解決することが可能である。
【0008】
無線周波数装置を有する作業機械を利用するためのシステムおよび方法が提供される。一実施形態では、システムは、作業機械が無線周波数リーダの範囲内に移動したときに、第1の通信チャネルを介して無線周波数信号を無線周波数装置に伝送する無線周波数リーダを含む。無線周波数装置は、無線周波数信号に応答して起動信号を生成し、またインタフェース制御システムは、無線周波数装置から起動信号を受信し、その起動信号に含まれた情報に基づいて、作業機械に関連する所定のプログラム機能を実行する。
【0009】
他の実施形態では、システムは、無線周波数装置を有する作業機械を利用する処理を実行する。処理は、作業機械が無線周波数リーダの範囲内に移動したときに、無線周波数リーダから第1の通信チャネルを介して無線周波数装置に無線周波数信号を伝送するステップを含む。無線周波数装置は、無線周波数信号に応答して、起動信号を作業機械内のインタフェース制御システムに供給する。インタフェース制御システムは、起動信号を受信し、その起動信号に基づいて所定のプログラム機能を決定して実行する。
【0010】
本明細書に組み込まれかつその一部を構成する添付図面は、複数の実施形態を示しており、また開示される通信システムの原理を説明するために、発明の詳細な説明と共に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、添付図面に示されている模範的な実施形態について詳細に説明する。図面全体を通して同一または同様の部分を指すために、可能な限り、同一の参照番号が用いられる。
【0012】
図1は、開示されるいくつかの実施形態による特徴および原理を実現し得る模範的な作業機械環境100を示している。図1に示したように、作業機械環境100は、遠隔オフボードシステム110と、作業機械120、130、および140とを含み得る。それぞれの作業機械120、130、および140は、アンテナ122、132、および142、ならびにオンボードシステム124、134、および144などの無線通信装置をそれぞれ含む。特定数の作業機械のみが図示されているが、環境100は、任意の数のおよび任意のタイプのこのような機械および/またはオフボードシステムを含んでもよい。
【0013】
本明細書に用いられている作業機械という用語は、鉱業、建設業、農業等などの特定の産業に関連するある種の動作を行いかつ作業環境(例えば、建設現場、掘削現場、発電所等)の間またはその中で動作する固定機械または移動可能な機械を指す。限定的でない固定機械の例には、工場環境または海洋環境(例えば海洋掘削用プラットフォーム)で作動するエンジンシステムが含まれる。限定的でない移動機械の例には、トラック、クレーン、土工車両、掘削車両、バックホー、材料取扱い器具、農業用器具、船舶、航空機、および作業環境で動作する任意のタイプの移動可能な機械などの商業用機械が含まれる。図1に示したように、作業機械120と140はバックホー型の作業機械であり、一方、機械130は輸送型の作業機械である。図1に示した作業機械のタイプは模範的なものであり、限定的であることを意図しない。開示される実施形態によれば、環境100が、任意の数の異なるタイプの作業機械を実装し得ることが意図される。
【0014】
本明細書に用いられているオフボードシステムという用語は、作業機械120、130、および140から遠隔に配置されるシステムを意味する。オフボードシステムは、有線データリンクまたは無線データリンクを介して作業機械120に接続されるシステムであり得る。さらに、オフボードシステムは、1つ以上のプロセッサ、ソフトウェア、ディスプレイ、および1つ以上の処理を行うように集合的に動作するインタフェース装置などの既知の計算コンポーネントを含むコンピュータシステムであり得る。その代わりにまたはそれに加えて、オフボードシステムは、作業機械120へのおよびそこからのデータの伝送を容易にする1つ以上の通信装置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、オフボードシステムは、作業機械120から遠隔に配置された他の作業機械であり得る。
【0015】
遠隔オフボードシステム110は、製造業者、販売業者、小売業者、所有者、事業現場管理者、企業体の部門(例えば、サービスセンタ、オペレーションサポートセンタ、ロジスティックセンタ等)などの、作業機械120、130、および140に対応するビジネスエンティティ、あるいは機械120、130、および140に関連する情報を生成、維持、送信、および/または受信する他の任意の種類のエンティティに関連する1つ以上の計算システムを意味し得る。遠隔オフボードシステム110は、ワークステーション、携帯端末、ラップトップ、メインフレーム等などの1つ以上のコンピュータシステムを含むことが可能である。遠隔オフボードシステム110は、プロセッサによって実行されたときにデータを要求してそれをサーバから受信し、かつシステムを操作するユーザに内容を表示するウェブブラウザソフトウェアを含み得る。本開示の一実施形態では、遠隔オフボードシステム110は、ローカル無線通信装置を介して作業機械120に接続される。遠隔オフボードシステム110はまた、作業機械120へのメッセージの送受信のステップを含む診断動作および/またはサービス動作を実行する携帯型または固定型の1つ以上のサービスシステムを意味することが可能である。例えば、遠隔オフボードシステム110は、RS−232シリアルデータリンクを介してまたは無線通信媒体を介して作業機械に接続される電子試験装置であり得る。
【0016】
無線通信装置122、132、および142は、オフボードシステム110および他方の作業機械などの遠隔システムへのおよび/またはそこからの無線通信を送信および/または受信するように構成された1つ以上の無線アンテナを意味することが可能である。無線通信のために構成されている装置122、132、142が示されているが、他の形態の通信も考えられる。例えば、作業機械120、130、および140は、任意のタイプの無線通信ネットワークおよび無線通信インフラストラクチャ、任意のタイプの有線通信ネットワークおよび有線通信インフラストラクチャ、および/または無線と有線とを組み合わせた任意のタイプの通信ネットワークおよび通信インフラストラクチャを用いて、遠隔システムと情報を交換してもよい。図1に示したように、作業機械120は、作業機械130と140およびオフボードシステム110と情報を無線で交換することが可能である。さらに、作業機械130と140は、オフボードシステム110および作業機械120と情報を交換することが可能である。
【0017】
オンボードシステム124、134、および144は、1つ以上のオンボードモジュールのシステム、インタフェースシステム、データリンク、作業機械120、130、および140内で機械処理を行う他のタイプのコンポーネントを意味し得る。図2は、開示されるいくつかの実施形態によるオンボードシステム124のブロック図を示している。オンボードシステム124の以下の説明は、オンボードシステム134および144にも適用できる。
【0018】
図2に示したように、オンボードシステム124は、通信モジュール221と、インタフェース制御システム226と、一次および二次のオンボードデータリンク227と229にそれぞれ接続されたオンボードモジュール222、223、230、232、および234とを含むことが可能である。インタフェース制御システム226は別個のエンティティとして示されているが、いくつかの実施形態では、制御システム226が、1つ以上のオンボードモジュールの機能コンポーネントとして含まれることを許容し得る。さらに、特定数のオンボード制御モジュールのみが示されているが、システム124は任意の数のこのようなモジュールを含んでもよい。
【0019】
本明細書に用いられているオンボードモジュールという用語は、他のコンポーネントまたはサブコンポーネントを制御するかまたはそれによって制御される作業機械で動作する任意のタイプのコンポーネントを意味することが可能である。例えば、オンボードモジュールは、操作者表示装置、エンジン制御モジュール(ECM)、動力系制御モジュール、全地球測位システム(GPS)のインタフェース装置、1つ以上のサブコンポーネントが接続される取り付けインタフェース、および動作時間状態中または非動作時間状態中に(すなわち、作業機械120のエンジンの作動状態または非作動状態のそれぞれにおいて)機械の動作を容易にするために機械によって使用され得る他の任意のタイプの装置であってもよい。
【0020】
通信モジュール221は、作業機械120と、遠隔オフボードシステム110などのオフボードシステムとの間の通信を容易にするように構成される1つ以上の装置を意味する。通信モジュール221は、有線通信または無線通信によってモジュールがデータメッセージを送信および/または受信することを可能にするハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことが可能である。通信モジュール221はまた、遠隔オフボードシステム110との無線通信を容易にするための1つ以上の無線アンテナを含むことが可能であり、さらに、他のオフボードシステムは、通信モジュール221にまたそこからデータメッセージを送受信することが可能である。無線通信は、人工衛星、携帯電話、赤外線、および作業機械120がオフボードシステムと情報を無線で交換することを可能にする他の任意のタイプの無線通信を含み得る。
【0021】
モジュール222と223は、作業機械120に含まれた一次データリンク227に接続された1つ以上のオンボードモジュールを意味することが可能である。一次データリンクは、コントローラエリアネットワーク(CAN)、J1939等を含む自動車技術者協会(SAE)の標準データリンクなどの専有または非専有のデータリンクを意味し得る。一次データリンク227は無線であっても有線であってもよい。例えば、一実施形態では、作業機械120は、インタフェース制御システム226によって互いにリンクされる無線センサを含むことが可能である。「一次データリンク」という用語は、限定的なものを意図するものではない。すなわち、「一次」という用語は、例示目的のためのデータリンクを指しているに過ぎず、データリンク、または一次データリンクに接続された任意のオンボードモジュールに関連する一次機能を意味しているわけではない。しかし、いくつかの実施形態では、他のオンボードモジュールとは異なる機能関連の作業機械の重要性を有する特定のデータリンクに、オンボードモジュールを配置することが可能である。
【0022】
モジュール230、232、および234は、作業機械120内の二次データリンク229に接続されたオンボードモジュールを意味する。二次データリンク229は専有または非専有のデータリンクであり得る。さらに、二次データリンク229は無線であっても有線であってもよい。「二次データリンク」という用語は、限定的なものを意図するものではない。すなわち、「二次」という用語は、例示目的のためのデータリンクを指しているに過ぎず、データリンク、または二次データリンクに接続された任意のオンボードモジュールに関連する二次機能を意味しているわけではない。しかし、いくつかの実施形態では、他のオンボードモジュールとは異なる機能関連の作業機械の重要性を有する特定のデータリンクに、オンボードモジュールおよびインタフェース制御システム226を配置することが可能である。
【0023】
オンボードモジュール222、223、230、232、および234は、1つ以上の処理装置と、それらの処理装置によって実行されたデータを記憶するための1つ以上のメモリ装置とを含み得る(すべて図示せず)。一実施形態では、オンボードモジュール222、223、230、232、および234は、フラッシュメモリなどの再書き込み可能なメモリ装置に記憶されるソフトウェアを含むことが可能である。処理装置によって、ソフトウェアを用いて、エンジン構成部材などの作業機械120の特定の構成部材を制御することが可能である。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、個々のデータリンク227と229を介して処理装置によって受信されるコマンドにより変更可能である。
【0024】
インタフェース制御システム226は、作業機械の実施形態に従って機能を実行するように構成されたオンボードインタフェース装置を意味する。作業機械120内のインタフェース制御システム226のアプリケーションに応じた様々な種類のハードウェアおよびソフトウェアで、インタフェース制御システム226を構成し得る。したがって、いくつかの実施形態によれば、インタフェース制御システム226は、通信モジュール221およびオンボードモジュール222、223、230、232、および234へのおよびそこからのデータの伝送を容易にするインタフェース出力を提供し得る。さらに、インタフェース制御システム226は、種々のデータ処理機能を実行して、1つ以上のオンボードモジュールまたはオフボードシステムによって用いるためのデータを維持する。例えば、オンボードデータリンク用のプロトコル変換(例えばトンネリングと翻訳)およびメッセージルーティングサービスを行うように、インタフェース制御システム226を構成してもよい。
【0025】
説明を分かりやすくするために、図2は、別個の要素としてのインタフェース制御システム226を示している。しかし、オンボードデータリンクの1つ以上のモジュール(例えば222と223)内のソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアを介して、インタフェース制御機能を実行することが可能である。したがって、インタフェース制御システム226は、作業機械120の他の要素に組み込まれた機能または論理を意味し得る。
【0026】
一実施形態では、インタフェース制御システム226は、当該実施形態の必要条件に従っていくつかの機能を実行するために使用される種々の計算コンポーネントを含むことが可能である。したがって、インタフェース制御システム226は、1つ以上のプロセッサおよびメモリ装置(図示せず)を含み得る。例えば、インタフェース制御システム226は、インタフェース、通信、ソフトウェア更新機能、およびソフトウェアドライバ選択を実行するためにインタフェース制御システム226によって使用される論理コンポーネントおよび処理コンポーネントを含むデジタルコアを含んでもよい。一実施形態では、デジタルコアは、1つ以上のプロセッサおよび内部メモリを含み得る。メモリは、プロセッサによって用いられるデータ、命令、および実行可能なコード、またはそれらの任意の組み合わせを一時的に記憶する1つ以上の装置を意味することが可能である。さらに、メモリは、インタフェース制御システム226の作動中にデータを一時的に記憶する1つ以上のメモリ装置、例えば、キャッシュメモリ、レジスタ装置、バッファ、キューメモリ装置、および情報を維持する任意のタイプのメモリ装置を意味することが可能である。インタフェース制御システム226によって使用される内部メモリは、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、およびバッテリバックアップされた不揮発性メモリ装置などの任意のタイプのメモリ装置であり得る。
【0027】
動作時、デジタルコアは、プログラムコードを実行して、オンボードモジュールおよび/またはオフボードシステムの間の通信を容易にすることが可能である。一実施形態では、インタフェース制御システム226は、1つのタイプのデータリンクに関連する情報を、他のタイプのデータリンクに関連する情報に変換するためのプロトコル変換動作を実行するソフトウェアを含み得る。変換動作は、プロトコル翻訳およびトンネリングの特徴を含むことが可能である。
【0028】
一実施形態では、図2に示したように、オンボードシステム124は、無線周波数(RF)装置202を含むモジュールを含み得る。図2はRF装置202を別個の要素として示しているが、1つ以上のモジュール222、223、230、232、および234、ならびにインタフェース制御システム226は無線周波数装置202を含むことが可能である。それに加えて、または別の実施形態では、RF装置202は、オンボードモジュール222、223、230、232、および234のいずれかに、および/またはインタフェース制御システム226に1つ以上の信号を直接供給することが可能である。
【0029】
RF装置202は、無線通信に基づいてデータを送信および/または受信するように構成される装置、例えば無線周波数識別(RFID)タグ装置であり得る。一実施形態では、RF装置202は、アンテナ204に取り付けられたプロセッサ(図示せず)を含むことが可能である。RF装置202がRFリーダ206の所定範囲に入ると、オフボードモジュール110に、あるいは作業現場内のまたは作業現場外の任意の位置に配置し得るRFリーダ206を使用して、RF装置202を走査することが可能である。走査中にRFリーダ206から発信された無線信号に基づいて、RF装置202に電圧が印加され、またRF装置202は、情報を伝送する無線周波数信号をRFリーダ206に発信し得る。開示されるいくつかの実施形態によれば、オンボードコンポーネント222、223、230、232、および234、および/またはインタフェース制御システム226などの他の要素に信号または情報を供給するように、RF装置202を構成することが可能である。
【0030】
例えば、RF装置202が装備された作業機械(例えば作業機械120)は、作業現場または仕事領域内のいくつかの位置(例えば、機械を賃与する貸出場所、サービスを作業機械に提供するサービス位置等)に位置決めされるRFリーダ206の範囲内に移動し得る。作業機械がRFリーダ206に接近したときに、RFリーダ206は無線周波数信号をRF装置202に送信することが可能である。無線周波数信号を受信すると、RF装置202は、起動信号をインタフェース制御システム226に供給し得る。起動信号は、1つ以上のプログラム機能を実行するようにインタフェース制御システム226に指示することが可能である。それに加えて、または別の実施形態では、RF装置202は、起動信号を1つ以上のオンボードモジュール222、223、230、232、および234に伝送することが可能であり、前記起動信号は、情報をインタフェース制御システム226に送信するようなプログラム機能を実行するように個々のモジュールに指示する。例えば、受信された起動信号、および/あるいはオンボードモジュール222、223、230、232、および/または234から受信された情報に基づいてオフボードシステム110に伝送するためのデータを通信モジュール221に送信するように、インタフェース制御システム226を構成することが可能である。
【0031】
他の実施形態では、図3Aに示したように、RF装置202および複合RFリーダ(例えば206と302)を使用して、作業機械に関連する1つ以上の機能を開始するために使用可能な重複領域を定めることが可能である。例えば、RFリーダ206と302の無線周波数範囲によって、2つの領域(306と308)をそれぞれ定めてもよい。この構成では、無線周波数装置202がRFリーダ206の範囲に入ると、第1の機能を起動することが可能であり、また無線周波数装置202がRFリーダ302の範囲に入ると、第2の機能を起動することが可能である。例えば、作業機械120がRFリーダ206(領域306)の範囲に入ると、無線RF装置202は起動信号をインタフェース制御モジュール226に送信し得る。起動信号は、作業機械120が入っている領域に対応する情報を含むことが可能である。起動信号に基づいて、インタフェース制御モジュール226は第1のプログラム機能を実行し得る。それに続いて、作業機械120が第2のRFリーダ302(領域308)の範囲内に移動すると、RF装置202は、領域308に対応する情報を含む他の起動信号を送信することが可能である。この起動信号に基づいて、インタフェース制御システム226は第2のプログラム機能を実行し得る。
【0032】
図3Aに示されている以下の実施例を参照して、開示される実施形態のマルチファンクション機能について説明する。作業機械120が領域306に入ると、インタフェース制御システム226はRF装置202から起動信号を受信する。その結果、インタフェース制御システム226は、1つ以上のオンボードモジュールから222、223、230、232、および234からの情報を要求するような第1の機能を実行し得る。要求に応答して、オンボードモジュール222、223、230、232、および/または234は、個々のオンボードモジュールによって制御または監視された動作に対応するパラメータおよび/または状態データを検索するような個々の機能を実行することが可能である。例えば、オンボードモジュール222、223、230、232、および/または234は、燃料消費、動作時間、平均速度、および運搬された積載質量を含み得る作業機械の性能データを監視し得る。この情報は、適切なオンボードデータリンク227、229を介してインタフェース制御システム226に送信することが可能である。インタフェース制御システム226はメモリ装置の情報を待ち行列に入れることが可能である。その後に、作業機械120が領域308内に移動すると、インタフェース制御システム226は、RF装置202から第2の起動信号を受信し、この第2の起動信号は、第2の機能を実行するように制御システム226に指示する。この実施例では、第2の機能は、待ち行列に入れられた情報を通信モジュール221を介してオフボードシステム110に送信し得る。したがって、上記の実施例では、作業機械とオフボードシステムとの間で情報をより効率的に伝送することが可能であるが、この理由は、作業機械が第1の領域(すなわち領域306)に入っている間に実行された予備処理機能によって、オフボードシステムに伝送する前に情報を収集するための時間が短縮されるからである。さらに、メモリ容量をより効率的に用いることが可能であるが、この理由は、RFリーダとRF装置202との間の関連によって定められた所定領域における場合にのみ、収集された情報を記憶するように、インタフェース制御システム226に指示することが可能であるからである。
【0033】
上記の実施例では、領域によって活性化された機能はデータの通信に関連するが、1つ以上の領域によって活性化された機能は、複数の段階で活性化し得る作業機械の任意の機能に関連することが可能である。
【0034】
別の実施形態では、RFリーダ206と共に1つ以上のRF装置を使用して、操作者への作業機械の適切な割り当てを保証することが可能である。この実施形態では、図3Bに示したように、作業機械(例えば作業機械120)は、RFリーダ206に基づいて所定領域316内に移動し得る。結果として、作業機械120に配置されるRF装置202は、RF装置202に電圧を印加するRFリーダ206から無線周波数信号を受信することが可能である。無線周波数信号に基づいて、RF装置202は、第1の固有の識別番号を伝送する無線周波数信号をRFリーダ206に発信し得る。識別番号は、RF装置202および/または作業機械120に割り当てられる値であり得る。
【0035】
さらに、作業機械120が領域316に入ったときに、作業機械操作者に関連する第2のRF装置314は、RFリーダ206から無線周波数信号を受信することも可能である。無線周波数信号は、第2の固有の識別番号をRFリーダ206に伝送する無線周波数信号を発信するようにRF装置314に指示し得る。第2の識別番号は、作業機械操作者および/またはRF装置314に関連する値であり得る。
【0036】
RFリーダ206は、第1および第2の固有の識別番号を受信して、識別番号を確認し得る。次に、RFリーダ206は、2つの固有の識別番号をオフボードシステム110に転送することが可能である。受信時に、オフボードシステム110は、1つ以上の分析規則に従って2つの識別番号を分析する処理を実行し得る。例えば、オフボードシステム110は、作業機械120が現在の操作者と適切な関係であるかどうかを確認するために、作業機械および/または操作者の識別番号を有する識別番号関連の情報データベースにアクセスすることが可能である。分析に基づいて、オフボードシステム110は、通信モジュール221を介してメッセージを作業機械120に供給し得る。メッセージは、インタフェース制御システム226および/または1つ以上のオンボードモジュール222、223、230、232、および234に導かれたコマンドまたは情報を含むことが可能である。受信されたコマンドまたは情報に基づいて、インタフェース制御システム226および/またはオンボードモジュール222、223、230、232、および234は、1つ以上のプログラム機能を実行し得る。例えば、現在の操作者が作業機械120に適切に割り当てられていない状態では、コマンドは、エンジン停止ルーチンを実行するように作業機械120の制御機能を変更すべくオンボードモジュールに指示することが可能である。代わりに、現在の操作者が作業機械120に適切に割り当てられている状態においては、オフボードシステム110から送信されたメッセージは、識別された操作者に基づいて、作業機械120の1つ以上の動作に関連する1つ以上のパラメータ設定を変更することが可能である。例えば、メッセージは、識別された現在の操作者に関連するプロファイルに基づいて、作業機械120の特定の動作の性能を制限するかまたは増大させるパラメータ制限(例えばエンジン速度)を変更し得る。
【0037】
さらに、開示されるいくつかの実施形態では、RF装置202とRFリーダ206とを使用した作業機械との通信を許容することが可能である。例えば、図1を参照すると、作業機械120、130、および140のそれぞれにRFリーダ206およびRF装置202を装備してもよい。この実施形態では、作業機械120、130、および140は、それらの個々のRF装置202の入力を用いて、機械間の通信を開始することが可能である。例えば、作業機械120と130は、作業現場内の移動中に互いに接近してもよい。それぞれの機械が、それぞれの機械の個々のRFリーダ206の範囲に入ったときに、起動信号を機械のインタフェース制御システム226に供給するように、作業機械のそれぞれの中に配置されたRF装置202に指示することが可能である。
【0038】
受信された起動信号に基づいて、それぞれのインタフェース制御システム226は、他方の作業機械(120または130)に伝送するためのデータを通信モジュール221に送信するような1つ以上のプログラム機能を実行し得る。上記の開示される実施形態のこの特徴は、他方の作業機械がその個々の機能を実行し始める前に複数の機能を実行するように一方の作業機械に指示するRFリーダ206に関連する千鳥領域を含むことも可能である。例えば、作業機械120は、作業機械130に含まれたRFリーダ206よりも大きい伝送範囲で構成されるRFリーダ206を含んでもよい。それに応じて、作業機械130は、逆のことが生じる(すなわち、作業機械120が作業機械130のRFリーダ206の範囲に入る)前に、作業機械120のRFリーダ206の範囲に入ることが可能である。したがって、作業機械120が機能を実行する前に、作業機械130内に配置されたRF装置202から送信された起動信号に基づいて情報を作業機械120に送信するような機能を実行するように、作業機械130に指示し得る。
【0039】
説明してきたように、開示されるいくつかの実施形態では、電圧が印加されたRF装置202によって供給された起動信号に基づいて、1つ以上の作業機械がプログラム機能を実行することが可能である。図4は、開示されるいくつかの実施形態による模範的なRF起動処理400のフローチャートを示している。一実施形態では、RFリーダ206からRF信号を受信する作業機械(例えば作業機械120)内に配置されたRF装置202に基づいて、起動処理400を開始し得る(ステップ402)。受信されたRF信号に基づいて、RF装置202には電圧が印加される(ステップ404)。結果として、RF装置202は、起動信号を発生させて、それをインタフェース制御システム226に伝送する(ステップ406)。説明してきたように、起動信号は、RF装置202がその構成に基づいて供給できる識別情報または他の任意の形式のデータを含むことが可能である。
【0040】
起動信号がインタフェース制御システム226で受信されると(ステップ408)、インタフェース制御システム226は、起動信号に含まれた情報に基づいて1つ以上のプログラム機能を実行する(ステップ410)。一実施形態では、インタフェース制御システム226によって実行されるプログラム機能は、オフボードシステム110および/または他の作業機械に情報を供給するステップを含み得る(ステップ412)。例えば、インタフェース制御モジュール226は、オンボードモジュール222、223、230、232、および234からデータを収集または受信し、受信されたデータを記憶し、また通信モジュール221を介してデータをオフボードシステム110に送信することが可能である。さらに、インタフェース制御システム226は、オフボードシステム110および/または他の作業機械に送信されるデータを生成するプログラム処理を実行することが可能である。
【0041】
説明してきたように、開示される実施形態では、作業機械が、RFリーダ206の層状構成に基づいて1つ以上のプログラム機能を実行することを許容し得る。図5は、これらの実施形態による模範的な複数の段階の初期化処理500のフローチャートを示している。図3Aを参照して、処理500についてより良く説明する。最初に、作業機械120は、領域306およびRFリーダ206などの第1のRFリーダの範囲内に機械120を位置決めする方向に移動し得る。それに応じて、RF装置202はRFリーダ206からRF信号を受信する(ステップ502)。受信されたRF信号に基づいて、RF装置202に電圧が印加され(ステップ504)、また第1の起動信号がインタフェース制御システム226に伝送される(ステップ506)。起動信号は、RF装置202に電圧を印加したRFリーダ、例えばRFリーダ206に関連する識別情報を含むことが可能である。開始信号がインタフェース制御システム226に受信されると(ステップ508)、インタフェース制御システム226は、第1の起動信号に含まれた情報に基づいて1つ以上の第1のプログラム機能を実行し得る(ステップ510)。
【0042】
一実施形態では、インタフェース制御システム226は、1つ以上の機能を特定のRFリーダの識別情報にマッピングするメモリに記憶されたデータ構造を含むことが可能である。このようにして、RFリーダ206に関連する識別情報を分析することにより、作業機械120が配置される領域に基づいて選択的な機能を実行するように、インタフェース制御システム226をプログラムし得る。例えば、RFリーダ206に関連する識別情報を認識して、その認識に基づき、情報を要求して、それを1つ以上のオンボードモジュール222、223、230、232、および234から収集するような個々の機能を実行するように、インタフェース制御システム226をプログラムすることが可能である。その代わりにまたはそれに加えて、作業機械120が動作している領域に基づいて作業機械120の機能を制限するかまたは増大させるように、インタフェース制御システム226をプログラムしてもよい。一例としては、作業機械120の構成部材の作動を制御するパラメータしきい値、例えば、異なるエンジン速度、パワーテイクオフ(PTO)出力等を調整するように、作業機械120を構成し得る。
【0043】
作業機械120は、領域308内をまた第2のRFリーダ302の範囲内を通過して移動し続けることが可能である。その結果、RF装置202はRFリーダ302から信号を受信して(ステップ512;はい)、第2の起動信号を発生させる。インタフェース制御システム226は、起動信号に含まれたRFリーダ識別情報を分析し、1つ以上の適切な第2のプログラム機能を識別して実行する(ステップ516)。第2のプログラム機能は、作業機械120が領域306に入ったときに実行される第1のプログラム機能と同様のまたはそれとは異なる機能を含み得る。例えば、インタフェース制御システム226は、オンボードモジュール222、223、230、232、および/または234によって予め収集された情報をオフボードシステム110または他の作業機械に送信することが可能である。さらに、インタフェース制御システム226は、オンボードモジュール222、223、230、232、および234を介して作業機械120の動作を調整する処理を実行し得る。なおさらに、作業機械120は、領域308に入っている間にオフボードシステム110から情報を受信し、受信された情報に基づいて、選択された機能を実行することが可能である。第2の機能が実行されると、複数の段階の初期化処理500はステップ502に続くことが可能であり、他のRFリーダからの他のRF信号の受信を待つ。
【0044】
ステップ512に戻って、作業機械120が第2のRFリーダからRF信号を受信しなかった場合(ステップ512;いいえ)、複数の段階の初期化処理500を保持状態にすることが可能であり(ステップ514)、一方、作業機械120は、このような信号が第2のRFリーダによって受信されるまで(ステップ512;はい)、第1の領域(すなわち領域306)内を移動し続けるかまたはその中で動作を行い続ける。
【0045】
他の実施形態では、作業機械120が、選択された順序で決定領域内を通過したときに、いくつかのプログラム機能が実行されることを防止するように、インタフェース制御システム226を構成し得る。例えば、インタフェース制御システム226が、領域306に入ったときにはオンボードモジュールからパラメータ値を収集するようにプログラムされ、さらに、領域308に入ったときには、収集された値をオフボードシステム110に伝送するようにプログラムされる環境が考えられる。移動時に遭遇してきたRFリーダの順序を追跡するように、インタフェース制御システム226を構成することが可能である。このようにして、インタフェース制御システム226は、識別されたRFリーダに基づいてプログラム機能を実行する前にRFリーダの順序リストを分析し得る。順序リストの検査に基づいて、インタフェース制御システム226により、プログラム機能が実行されることを防止することが可能である。このようにして、上記の実施例では、作業機械120が領域308から領域306に移動していた場合、オンボードモジュールからのパラメータ値の収集を必要としなくてもよいが、この理由は、作業機械120が領域308に入ったときに前記パラメータ値をオフボードシステム110に記録するだけで済むからである。したがって、インタフェース制御システム226により、RFリーダ308からRFリーダ306までのRFリーダ順序に基づく収集機能の実行を防止し得る。上記の実施例は、限定的なものを意図するものではなく、また他の順序、およびそれに関連する機能は、実行すべきプログラム機能の種類を決定する前に作業機械120によって分析して考慮することが可能である。
【0046】
複合RFリーダ構成を用いてマルチファンクション機能を提供することに加えて、開示されるいくつかの実施形態では、1つ以上のRFリーダに対応するいくつかの機能および領域に、作業機械および操作者を割り当てることが可能である。図6は、開示されるいくつかの実施形態による模範的な作業機械の割り当て処理600のフローチャートを示している。例示目的のために、図3Bを参照して作業機械の割り当て処理600について説明する。作業機械(例えば作業機械120)が、領域316およびRFリーダ206などの位置決めされたRFリーダの領域内に移動したときに、処理600が開始し得る。それに応じて、RFリーダ206はRF信号をRF装置202に供給する(ステップ602)。受信されたRF信号に基づいて、RF装置202に電圧を印加することが可能であり(ステップ604)、次に、RF装置202は、作業機械120に関連する固有の識別番号を含むRF装置信号を発生させて送信する(ステップ605)。その次に、RF装置信号はRFリーダ206に受信される(ステップ606)。
【0047】
さらに、同時または異時に、RFリーダ206は、操作者が作業機械120を運転しているときに、作業機械120の操作者によって保持されるRFIDタグであり得るかまたは作業機械120内に位置決めされるRF装置314に、RF信号を供給することが可能である。RF信号により、RF装置314に電圧が印加され(ステップ608)、前記RF信号は、操作者に関連する固有の識別番号を含む第2のRF装置信号を発生させて送信するようにRF装置314に指示する(ステップ609)。第2のRF装置信号は、RFリーダ206によって受信される。
【0048】
引き続き分析するために、受信されたRF装置信号をオフボードシステム110などの処理装置に転送するように、RFリーダ206を構成し得る。例えば、オフボードシステム110は、識別番号および機能の記憶されたマップに対して、RF装置信号に含まれた固有の識別番号を分析することが可能である。一例として、オフボードシステム110は、作業機械識別番号の、および当該特定の作業機械を操作することを許可された操作者に関連する対応する操作者識別番号のリストを含むデータ構造を維持し得る。それに応じて、作業機械110は、作業機械120の操作者に対して当該機械を操作することが許可されているかどうかを決定することが可能である。他の種類の分析も考えられる。例えば、データ構造は、領域316内の作業機械のいくつかのタイプに対応する、および個々の固有の識別番号で識別された作業機械のタイプによって領域316内で許可されている操作の種類に対応する機能リストを含んでもよい。
【0049】
分析に基づいて、オフボードシステム110は、作業機械120に伝送するためのデータ、コマンド、または他の情報を含むメッセージを生成し得る。オフボードシステム110は、作業機械120によって受信し得るメッセージを送信する(ステップ610)。メッセージが、作業機械120によって受信されなかった場合(ステップ610;いいえ)、オフボードメッセージが受信されるまで、作業機械の割り当て処理600が保持状態になる(ステップ612)。他方、メッセージが受信された場合(ステップ610;はい)、インタフェース制御システム226は、オフボードシステムメッセージに含まれた情報に基づいて、特定の機能を実行すべきかどうかを決定することが可能である(ステップ616)。機能が要求されなかった場合(ステップ616;いいえ)、処理600が終了する(ステップ620)。しかし、オフボードシステムメッセージの情報に基づいて機能が必要であると、インタフェース制御システム226が決定した場合(ステップ616;はい)、機能が実行される(ステップ618)。
【0050】
インタフェース制御システム226によって実行し得る機能の種類は、オンボードモジュール222、223、230、232、および234によって実行される処理を含み得る。さらに、実行される機能は、オフボードシステムメッセージに含まれた情報に基づいて区別し得る。例えば、操作者が作業機械120と適切な関係ではなかった場合、個々の作業機械構成部材の作動を調整するように、例えば、エンジン停止を実行するように、作業機械120の1つ以上の動作の機能を増大させるかまたは制限するパラメータしきい値を調整する等のように、1つ以上のオンボードモジュール222、223、230、232、および234に指示すべく、インタフェース制御システム226をプログラムすることが可能である。さらに、インタフェース制御システム226は、操作者と作業機械120および/または領域316との不許可関係を示す警告メッセージを生成してそれを操作者に供給することが可能である。
【0051】
このようにして、作業機械の識別子と操作者との関係を用いれば、開示されるいくつかの実施形態では、RF装置または同様の無線装置を使用することによって作業機械の機能を制御し得る。
【0052】
他の実施形態では、RF装置202が通信装置221を作動させることを許容するように、オンボードシステム124を構成することが可能である。例えば、いくつかの状況においては、「ノーマル」モードまたは「スリープ」モードで作動するように、通信装置221を構成してもよい。「スリープ」モード中、通信装置221は、それが「ノーマル」モードで作動しているときよりも低い電力を作業機械120から引き出すことが可能である。作動中、作業機械120は、RFリーダ装置(例えばRFリーダ206)の範囲内に移動することが可能である。RFリーダ装置によって作動されると、RF装置202は、通信装置221に送信されるウェイクアップ起動信号を発生させ得る。ウェイクアップ起動信号を受信すると、通信装置221は「ノーマル」作動モードに入ることが可能であり、このようにして、インタフェース制御システム226が、オフボードシステム210または他方の遠隔作業機械(例えば作業機械130)に/から情報を送信および/または受信することが可能になる。したがって、この実施形態を実施することによって、通信装置221が、RF装置202により作動されるまで省電力モード(すなわち「スリープ」モード)で作動することが許容されることによって、インタフェース制御システム124は電力を節約し得る。
【0053】
開示される模範的な実施形態による方法およびシステムはRF装置を使用して、作業機械のインタフェース制御システムによって実行すべき1つ以上の機能を起動する。これらの機能は、情報をオフボードシステムに送信するステップ、または作業機械内のRF装置に電圧を印加したRFリーダのタイプに基づいて、選択された処理を実行するステップを含むことが可能である。また、他の実施形態では、方法およびシステムは、RFリーダの多層実装を用いて作業機械の機能の複数の段階の初期化を行う。例えば、RF装置が第1のRFリーダの範囲に入った場合、作業機械120は第1の機能を実行し得る。さらに、RF装置が第2のRFリーダの範囲に入った場合、作業機械120は第2の機能を実行し得る。
【0054】
その上、方法およびシステムは、操作者、および/または所定領域内で実行される機能への作業機械の割り当てを分析するためにRFリーダと共に使用可能な1つ以上のRF装置を設けることが可能である。例えば、作業機械とその機械の操作者とにそれぞれ関連付けて、多数のRF装置を使用してもよい。RF装置は、作業機械および操作者に対応する固有の識別番号をRFリーダに提供する。次に、RFリーダは、分析(例えば、操作者と作業機械との関係の確認)のために、2つの固有の識別番号をオフボードシステムに転送する。分析に基づいて、オフボードシステムは、メッセージを生成して、それを作業機械のインタフェース制御システムに供給することが可能である。インタフェース制御システムは、受信されたメッセージに含まれた情報に基づいて1つ以上のプログラム機能を実行し得る。例えば、インタフェース制御システムは、作業機械の動作を調整するようにオンボード制御モジュールに指示し得るか、または不適切な操作者が作業機械に関係していることを示す警告メッセージを供給し得る。
【0055】
他の実施形態では、複数の段階のRFリーダ環境で構成される作業機械は、情報記録作業に加えて、セキュリティ動作または安全動作を実行することが可能である。例えば、図3Aを参照すると、作業機械120が、領域308に関連する特定の地理的領域に入ることが許可されていない作業機械として示される状況が考えられる。したがって、作業機械が領域306内を通過したときに、RFリーダ206はRF装置202に電圧を印加することが可能であり、次に、このRF装置は起動信号をインタフェース制御システム226に供給する。セキュリティアプリケーションまたは安全アプリケーションにおいて、インタフェース制御システム226は、RFリーダ206に関連する識別情報を分析することによって、警告処理を実行すべきであるかどうかを決定し得る。その結果、作業機械120は、領域308に関連する許可されていない地理的領域に向かう方向に作業機械が移動していることを示す警告を作業機械120の操作者に与えることが可能である。許可されていない領域は、作業機械120の操作が危険であるとみなされている領域である可能性があるか、あるいは作業機械120および/またはその操作者が、セキュリティポリシーに基づいて入ることを許可されていない領域である可能性がある。それに加えてまたはその代わりに、インタフェース制御システム226は、オフボードシステム110および/または他の作業機械に送信される警告メッセージを生成してもよい。警告により、作業機械120を停止させるか、または領域308から離れるように作業機械120を方向転換させる時間を操作者に与えることが可能である。
【0056】
領域308に入ると、RF装置202はRFリーダ302から信号を受信し得る。結果として、第2の起動信号が、インタフェース制御システム226によって分析されるRF装置202からインタフェース制御システム226に送信される。この引き続く分析に基づいて、インタフェース制御システム226は、機械120のエンジンを停止する、いくらかの出力を低減する、より大きいレベルのセキュリティメッセージまたは安全メッセージを提供する等などの、作業機械120の動作に影響を与える1つ以上の安全機能またはセキュリティ機能を実行することが可能である。したがって、作業機械120は、インタフェース制御システム226のプログラム機能、および作業機械120とRFリーダ206と302との関係に基づいて、制限されているかまたは危険な地理的領域に入ることを防止または阻止し得る。上記の実施例では、2段階のRFリーダ構成について説明してきたが、決定された地理的領域全体にわたって構成される任意の数の段階のRFリーダによって、開示される実施形態を実行してもよい。
【0057】
また、所定位置に位置決めされたRFリーダを有する貸出場所を提供している企業体から作業機械が賃与される環境などの種々の用途に、開示されるいくつかの実施形態を利用することが可能である。この環境では、RFリーダによって電圧が印加されたRF装置から発生された起動信号に基づいてステータス情報を記録するように、貸出場所に戻される賃与された機械に指示し得る。ステータス情報は、エンジン作動時間と、燃料レベルと、動作履歴データと、作業機械によって記録可能な、作業機械が現場で使用されていた間の他の任意の種類の情報とを含むことが可能である。同じことが他の種類の環境にも当てはまる。例えば、RF装置が実装された作業機械は、それが、ステーションのRFリーダに関連する領域に入ったときに、動作データを、貸出場所の代わりにサービスステーションに供給してもよい。このようにして、技術者は、作業機械がサービスエリアに配置される前に、コンピュータシステムで故障および/または動作の履歴記録を受け取る。同様の用途には、所定の作業機械が燃料供給領域に入ったときに、燃料供給を行う技術者が、前記所定の作業機械に分配するための燃料量に関連する情報を受け取る燃料供給領域に、燃料レベルを報告することも含まれる。
【0058】
さらに、開示されるいくつかの実施形態では、作業機械が、移動可能なサービスユニットにサービス要求メッセージを送信することを許容し得る。例えば、図3を参照すると、作業機械120は、RFリーダ206によってカバーされた領域306に入ることが可能である。いくつかの実施形態では、作業機械120などの他方の作業機械にサービスを提供するもう1つの作業機械内に、RFリーダ装置206を実装し得る。例えば、サービス要素(例えば、燃料、流体、メンテナンス作業、備品等)を提供する作業機械内に、RFリーダ206を実装してもよい。したがって、作業機械120がRFリーダ206の範囲内に移動するか、またはRFリーダ206が実装された作業機械が作業機械120の範囲内に移動したときに、RF装置202は、サービスを行う作業機械が所定範囲に入ることを示す起動信号を送信することが可能である。この結果、インタフェース制御システム226は、追加燃料などの特定のサービスを要求する、通信装置221を介して伝送されるメッセージを生成し得る。その代わりにまたはそれに加えて、作業機械120がRFリーダ206の範囲に入ったときに(作業機械120、またはサービスを行う作業機械を移動させることによって)、サービスを行う作業機械は、作業機械120が利用可能なサービス要素を示すメッセージを作業機械120に送信することが可能である。サービスを行う作業機械のメッセージに応答して、インタフェース制御システム226、または作業機械120の操作者は、サービスを行う作業機械に、サービス要素を要求するメッセージを伝え得る。
【0059】
他の実施形態において、図4〜図6に関連して上述した処理は、互いに排他的であることを意図するものではない。すなわち、開示される実施形態において、作業機械の動作を制御することを許容するように、いくつかの処理を他の処理に関連して実行することが可能である。例えば、対応する領域を有する複合RFリーダと、固有の識別番号をRFリーダに提供するRF装置とを有する環境において、複数の段階の初期化処理500を、それに関連する作業機械の処理600と共に実行してもよい。他の組み合わせの処理および構成も考えられ、また実行することが可能である。
【0060】
さらに、RFリーダによって電圧が印加されたときにインタフェース制御システム226に送信される起動信号の情報を提供するRF装置を有する開示される実施形態について説明してきたが、起動信号を初期化信号として構成することが可能である。すなわち、RF装置202からの起動信号を初期化信号として受信し、その初期化信号に基づいて所定のプログラム機能を実行するように、インタフェース制御システム226を構成し得る。
【0061】
開示される模範的なシステムの他の実施形態、他の特徴、他の形態、および他の原理は、種々の環境で実施することが可能であり、作業現場の環境に限定されない。例えば、インタフェース制御システムを有する作業機械は、作業現場と地理的位置と配置位置との間の移動可能な環境などの他の環境において、本明細書に記載されている機能を実行してもよい。さらに、本明細書に開示されている処理は、本質的に、任意の特定のシステムに関するものではなく、適切な組み合わせの電気ベースのコンポーネントによって実行し得る。開示されるシステムの仕様および実施を考慮すれば、本明細書に明確に記載されている実施形態以外の実施形態が当業者には明白であろう。仕様および実施例は模範的なものに過ぎないと考えるべきであり、開示される実施形態の真の範囲は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】開示されるいくつかの実施形態による模範的な作業機械環境100の概略図である。
【図2】開示されるいくつかの実施形態によるオンボードシステムの概略図である。
【図3A】開示されるいくつかの実施形態による、作業機械の機能を初期化するための模範的なシステムの概略図である。
【図3B】開示されるいくつかの実施形態による、操作者への作業機械の適切な割り当てを保証するための模範的なシステムの概略図である。
【図4】開示されるいくつかの実施形態による模範的な無線周波数起動処理のフローチャートである。
【図5】開示されるいくつかの実施形態による模範的な複数の段階の初期化処理のフローチャートである。
【図6】開示されるいくつかの実施形態による模範的な作業機械の割り当て処理のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数装置(202)を有する作業機械(120、130、および140)を含むシステムであって、
作業機械(120、130、および140)が無線周波数リーダ(206)の範囲内に移動したときに、第1の通信チャネルを介して無線周波数信号を無線周波数装置(202)に伝送する無線周波数リーダ(206)であって、無線周波数信号に応答して起動信号を生成する無線周波数リーダ(206)と、
無線周波数装置(202)から起動信号を受信し、起動信号に含まれた情報に基づいて、作業機械(120、130、および140)に関連する所定のプログラム機能を実行するインタフェース制御システム(226)と、
を備えるシステム。
【請求項2】
所定のプログラム機能が、
少なくとも1つのオンボード制御モジュール(222、223、230、232、および234)から性能データを収集するステップと、
第1の通信チャネルとは異なる第2の通信チャネルを介して性能データを送信するステップと、
を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
作業機械の性能データが、燃料消費、動作時間、平均速度、および運搬された積載質量の内の少なくとも1つを含む請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
第2の通信チャネルが、無線通信チャネルまたは有線通信チャネルの内の少なくとも1つである請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
第2の通信チャネルを介して性能データを送信するステップが、
第2の通信チャネルを介して性能データを外部計算システム(110)に送信するステップを含む請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
外部計算システム(110)が、作業機械サービスステーション、貸出場所、および燃料サービスステーションの内の1つに少なくとも関連する請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
外部計算システム(110)が、第2の作業機械(120、130、および140)のオンボードシステム(124、134、および144)である請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
所定のプログラム機能が、作業機械の動作データをオフボードシステム(110)に送信すること、作業機械(120、130、および140)の動作を調整すること、および作業機械(120、130、および140)内のオンボード制御モジュール(222、223、230、232、および234)から情報を収集することの内の少なくとも1つを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
インタフェース制御システム(124、134、および144)が、起動信号に含まれた識別情報を分析して、所定のプログラム機能を決定し、ここで識別情報は無線周波数リーダ(206)に関連する請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
無線周波数装置(202)を有する作業機械(120、130、および140)を含む環境で実行される方法であって、
作業機械(120、130、および140)が無線周波数リーダ(206)の範囲内に移動したときに、無線周波数リーダ(206)から第1の通信チャネルを介して無線周波数装置(202)に無線周波数信号を伝送するステップと、
無線周波数装置(202)が無線周波数信号に応答することによって、起動信号を作業機械(120、130、および140)内のインタフェース制御システム(124、134、および144)に供給するステップと、
起動信号に基づいてインタフェース制御システム(124、134、および144)によって所定のプログラム機能を決定し実行するステップと、
作業機械(120、130、および140)で所定のプログラム機能を実行するステップと、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−511070(P2008−511070A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529838(P2007−529838)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/021389
【国際公開番号】WO2006/025915
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(391020193)キャタピラー インコーポレイテッド (296)
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
【Fターム(参考)】