説明

無線基地局、無線制御装置及び無線装置、並びに通信方法

【課題】無線装置と無線制御装置とが分離された無線基地局においても、アンテナや増幅器等の無線機器を制御するための制御信号を無線機器に対して好適に送信する。
【解決手段】無線基地局(1)は、無線制御装置(100)と無線装置(200)とを備え、無線制御装置は、伝送リンク(500)を介して送信される伝送フレーム中において規則的に割り当てられる特定フレーム中の制御管理情報領域に、無線機器(300)を制御するための制御信号を埋め込む埋め込み手段(102、103)と、伝送リンクを介して伝送フレームを無線装置に送信する第1送信手段(102)とを備え、無線装置は、伝送フレーム中の特定フレームから制御信号を抽出する抽出手段(202、203)と、抽出された制御信号を無線機器に送信する第2送信手段(202)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば無線送受信処理を行う無線装置及びベースバンド処理等を行う無線制御装置を備える無線基地局、このような無線基地局に含まれる無線装置及び無線制御装置、並びにこのような無線基地局における通信方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの無線通信システムにおける無線基地局の構成として、無線信号を処理する無線送受信部を含む無線装置(RE:Radio Equipment)とベースバンド処理等を行う無線制御装置(REC:Radio Equipment Control)とが分離された構成が知られている。これにより、無線制御装置から離れた位置に無線装置を配置することができる。無線装置と無線制御装置との間を結ぶインタフェースとして、例えば、CPRI(Common public Radio Interface)がある。CPRIをインタフェースとして用いることで、無線基地局内を無線装置と無線制御装置とに分離し且つその間のインタフェースをオープンにすることにより、無線基地局内の各部のマルチベンダ化を図ることができる。
【0003】
一方で、無線基地局には、アンテナや増幅器等を含む無線機器(ALD:Antenna Line Device)が配置される。この無線機器の動作は、無線基地局に設置されたALDコントローラから無線機器に対して送信されるALD制御信号に基づいて制御されている。ここで、無線装置と無線制御装置とが分離されていない無線基地局においては、無線基地局に内蔵された又は無線基地局の近くに配置されたALDコントローラは、無線装置の近くに配置されることが多い無線機器の近くに配置される。しかしながら、上述したように近年では無線制御装置から離れた位置に無線装置を配置することができるがゆえに、無線装置の近くに配置されることが多い無線機器に対しても、当該無線機器から離れた位置に配置されているALDコントローラからALD制御信号を送信する必要性が生じている。つまり、無線機器を、ALDコントローラから遠隔操作(遠隔制御)する必要性が生じている。
【0004】
無線機器をALDコントローラから遠隔操作(遠隔制御)するための第1の手法として、ALDコントローラと無線機器との間に、ALD制御信号を送信するための専用線を配置する手法がある。また、無線機器をALDコントローラから遠隔操作(遠隔制御)するための第2の手法として、無線装置と無線制御装置との間のCPRIリンク中に、ALD制御信号をその送信先を示す情報と共にカプセル化して埋め込む手法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2007−511955号公報
【特許文献2】特開2007−124608号公報
【特許文献3】特開2008−131651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、まず第1の手法では、専用線を新たに設置する必要がある。このため、専用線の配置に伴うコストが増大してしまう。従って、容易に第1の手法を採用することができるとは言い難い。また、第2の手法では、ALD制御信号のカプセル化のための特別な装置が必要になる。特に、ALD制御信号をカプセル化してCPRIリンク(言い換えれば、CPRIリンク中を送信されるCPRIフレーム)中に埋め込むため、CPRIフレームの構造が規格から外れてしまう。このため、第2の手法に汎用性があるとは言い難い。
【0007】
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、例えば無線装置と無線制御装置とが分離された無線基地局においても、アンテナや増幅器等の無線機器を制御するための制御信号を無線機器に対して好適に送信することが可能な無線基地局、無線装置及び無線制御装置、並びに通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、伝送リンクを介して接続された無線装置と無線制御装置とを備える無線基地局によって解決され得る。
【0009】
無線制御装置は、無線装置を制御するための装置である。より具体的には、無線制御装置は、例えば、無線装置に対して送信するべき信号又は無線装置から受信した信号に対してベースバンド処理等を行う。無線制御装置は、埋め込み手段と第1送信手段とを備えている。埋め込み手段は、伝送リンクを介して送信される伝送フレームに含まれる特定フレーム中の制御管理情報領域に、無線装置に接続される無線機器を制御するための制御信号を埋め込む。特定フレームは、伝送フレームに含まれる複数のフレームのうち所定数のフレームを含むフレーム群毎に規則的に(言い換えれば、周期的に)割り当てられるフレームである。第1送信手段は、伝送リンクを介して、制御信号が埋め込まれた伝送フレームを無線装置に送信する。
【0010】
無線装置は、例えば無線制御装置が配置される位置とは離れた位置(遠隔位置)に配置される装置である。より具体的には、無線装置は、例えば、無線制御装置から送信される信号やアンテナ等の無線機器を介して受信される信号に対して無線送受信処理を行うための装置である。無線装置は、抽出手段と第2送信手段とを備えている。抽出手段は、無線制御装置から送信された伝送フレーム中の特定フレームから、無線機器を制御するための制御信号を抽出する。第2送信手段は、抽出手段によって抽出された制御信号を、無線機器に対して送信する。
【0011】
上記課題は、埋め込み工程と、第1送信工程と、抽出工程と、第2送信工程とを備える通信方法によっても解決され得る。埋め込み工程では、上述した埋め込み手段が行う動作と同様の動作が行われる。第1送信工程では、上述した第1送信手段が行う動作と同様の動作が行われる。抽出工程では、上述した抽出手段が行う動作と同様の動作が行われる。第2送信工程では、上述した第2送信手段が行う動作と同様の動作が行われる。埋め込み工程及び第1送信工程は、主として無線制御装置側で行われる工程である。抽出工程及び第2送信工程は、主として無線装置側で行われる工程である。
【0012】
上記課題は、上述した無線制御装置(つまり、埋め込み手段及び第1送信手段を備える無線制御装置)によっても解決され得る。また、上記課題は、上述した無線装置(つまり、抽出手段及び第2送信手段を備える無線装置)によっても解決され得る。
【発明の効果】
【0013】
以上説明した無線基地局によれば、制御信号を伝送フレームに埋め込むことができる。特に、例えば所定のプロトコル(例えば、HDLC(High Level Data Link Control)プロトコル等)に準拠した制御管理情報領域に、例えば同一のプロトコル(例えば、HDLCプロトコル等)に準拠することが多い制御信号を埋め込むことができる。このため、伝送フレームの構造を変えることなく、制御信号を伝送フレームに埋め込むことができる。つまり、制御信号そのものを伝送フレームにそのまま埋め込めば足りる。このため、制御信号にヘッダ情報を付加した上で伝送フレームに埋め込んだり或いは制御信号をカプセル化した上で伝送フレームに埋め込んだりする必要がなくなる。従って、伝送リンクの規格に準拠しながら、伝送フレームに制御信号を埋め込むことができる。
【0014】
加えて、規則的に割り当てられる特定フレームに対して制御信号を埋め込むことができる(言い換えれば、伝送フレームに対してランダムに制御信号が埋め込まれることがない)。このため、無線装置は、規則的に現れる特定フレームを参照することで、制御信号を比較的容易に抽出することができる。従ってヘッダ情報の付加やカプセル化を行わなくとも、無線装置側で比較的容易に抽出可能な態様で制御信号を伝送フレームに埋め込むことができる。
【0015】
また、無線装置と無線制御装置との間の伝送リンクを利用して、無線機器を制御するための制御信号を送信することができる。このため、制御信号を送信するための専用線を設ける必要がなくなる。
【0016】
また、以上説明した通信方法、並びに無線制御装置及び無線装置によれば、上述した通信システムと同様の効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態の無線基地局の基本構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の無線基地局が備えるRECの基本構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態の無線基地局が備えるREの基本構成の一例を示すブロック図である。
【図4】CPRIプロトコルの階層構造を説明図である。
【図5】CPRIプロトコルに準拠したCPRIフレームの構造を示すデータ構造図である。
【図6】コントロールワードのデータ構造を示すデータ構造図である。
【図7】第1実施形態の無線基地局が備えるRECの動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】ALD制御信号を埋め込むためのハイパーフレームである特定ハイパーフレームを指定する態様を示すデータ構造図である。
【図9】第1実施形態の無線基地局が備えるREの動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態の無線基地局の動作内容をまとめた模式図である。
【図11】第2実施形態の無線基地局の基本構成の一例を示すブロック図である。
【図12】第2実施形態の無線基地局が備えるRECの動作の流れをフローチャートである。
【図13】第2実施形態の無線基地局が備えるREの動作の流れをフローチャートである。
【図14】第2実施形態の無線基地局の動作内容をまとめた模式図である。
【図15】第3実施形態の無線基地局の基本構成の一例を示すブロック図である。
【図16】第3実施形態の無線基地局の動作内容をまとめた模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて説明する。
【0019】
(1)第1実施形態
初めに、図1から図10を参照して、第1実施形態の無線基地局1について説明する。
【0020】
(1−1)基本構成図
初めに、図1を参照して、第1実施形態の無線基地局1の基本構成について説明する。ここに、図1は、第1実施形態の無線基地局1の基本構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、第1実施形態の無線基地局1は、REC(Radio Equipment Control:無線制御装置)100と、RE(Radio Equipment:無線装置)200とを備えている。第1実施形態の無線基地局1は、数十mから数十kmの伝送距離を有する通信回線(例えば、光ファイバ等)を含むCPRI(Common public Radio Interface:コモン・パブリック・ラジオ・インタフェース)リンク500を介して、1つのREC100に対して1つのRE200が接続される構成を有している。また、第1実施形態の無線基地局1(特に、RE200)には、有線又は無線の通信回線を介してALD300が接続されている。また、第1実施形態の無線基地局1(特に、REC100)には、有線又は無線の通信回線を介して、ALDコントローラ400が接続されている。
【0022】
REC100は、ベースバンド処理等を行う装置である。具体的には、REC100は、RE200及びALD300を介して不図示の移動端末に対して送信するデータに対して、ベースバンド処理や符号化処理や変調処理等を行う。ベースバンド処理や符号化処理や変調処理等が行われたデータは、光ファイバ等のCPRIリンク500を介してRE200に対して送信される。また、REC100は、RE200及びALD300を介して不図示の移動端末から受信するデータに対して、ベースバンド処理や復号化処理や復調処理等を行う。
【0023】
RE200は、無線送受信処理等を行う装置であって、REC100とは離れた位置に設置される。具体的には、RE200は、ALD300を介して不図示の移動端末に対して送信するデータであって且つREC100においてベースバンド処理等が行われたデータに対して、増幅処理等の無線送受信処理等を行う。また、RE200は、ALD300を介して不図示の移動端末から受信するデータに対しても同様に無線送受信処理等を行う。無線送受信処理等が行われたデータは、CPRIリンク500を介してREC100へ送信される。
【0024】
ALD300は、アンテナ(例えば、遠隔チルトアンテナ:Remote Tilt Antenna)や増幅器(例えば、塔体取付増幅器:Tower-mounted amplifier)等の無線機器である。ALD300は、例えばRE200に近接するように設置される。言い換えれば、ALD300は、例えばREC100から離れた位置に設置される。ALD300は、RE200から送信されるデータ(つまり、無線信号)を、不図示の移動端末に向けて無線電波として送信する。また、ALD300は、不図示の移動端末から送信される無線電波を受信し、受信信号をデータとしてRE200に対して送信する。尚、図1では、ALD300が無線基地局1の外部に設置される構成を示している。しかしながら、ALD300を無線基地局1の内部に設置されるように構成してもよい。
【0025】
ALDコントローラ400は、ALD300を制御するためのALD制御信号を、ALD300に対して送受信する。ALコントローラ400は、例えばRE200やALD300から離れた位置に設置される。第1実施形態では、後に詳述するように、ALD制御信号は、REC100を介して、REC100とRE200との間で送受信されるCPRIフレームを用いて送受信される。ALD制御信号の送受信の詳細な態様は後に詳述されるため、ここでの詳細な説明は省略する。尚、図1では、ALDコントローラ400が無線基地局1の外部に設置される構成を示している。しかしながら、ALDコントローラ400を無線基地局1の内部に設置されるように構成してもよい。
【0026】
このような無線基地局1によれば、例えばRE200を地下街等に設置することで、REC100の設置された地点(例えば、地上部分)からでは電波が充分到達しないような場所においても移動端末の使用を可能とすることができる。
【0027】
(1−2)詳細構成図
続いて、第1実施形態の無線基地局1が備えるREC100及びRE200の夫々の詳細な構成について説明する。
【0028】
(1−2−1)RECの構成
初めに、図2を参照して、第1実施形態の無線基地局1が備えるREC100の構成について説明する。ここに、図2は、第1実施形態の無線基地局1が備えるREC100の基本構成の一例を示すブロック図である。尚、以下では、第1実施形態のREC100に特有の構成を選択的に説明しているが、REC100が動作するために必要な他の構成を適宜備えていてもよいことは言うまでもない。
【0029】
図2に示すように、REC100は、信号処理部101と、CPRIフレーマ102と、CPU103とを備えている。
【0030】
信号処理部101は、有線又は無線等の通信回線を介してREC100に接続された不図示の上位局(例えば、RNC等)から送信されるデータに対して、ベースバンド処理等を行う。ベースバンド処理等が行われたデータは、CPRIフレーマ102に送信される。また、信号処理部101は、CPRIフレーマ102から送信されるデータに対してベースバンド処理等を行う。ベースバンド処理等が行われたデータは、上位局に対して送信される。
【0031】
CPRIフレーマ102は、ベースバンド処理等が行われたデータを、後述するCPRIフレームに変換する。変換されたデータ(つまり、CPRIフレーム)は、CPRIリンク500を介してRE200へ送信される。また、CPRIフレーマ102は、CPRIリンク500を介してRE200から送信されるCPRIフレームを、REC100内部で処理可能なデータに変換する。変換されたデータは、信号処理部101へ送信される。
【0032】
加えて、CPRIフレーマ102は、ALDコントローラ400から送信されるALD制御信号を、CPRIフレームに埋め込む(言い換えれば、マッピングする)。ALD制御信号が埋め込まれたCPRIフレームは、CPRIリンク500を介してRE200へ送信される。同様に、CPRIフレーマ102は、RE200から送信されるCPRIフレームに埋め込まれたALD制御信号を抽出する。抽出されたALD制御信号は、ALDコントローラ400へ送信される。
【0033】
CPU103は、REC100全体の動作を制御する。CPU103は、例えば所定のファームウェアに基づいて動作することで、REC100全体の動作(例えば、信号処理部101やCPRIフレーマ102の動作)を制御する。
【0034】
(1−2−2)REのブロック図
続いて、図3を参照して、第1実施形態の無線基地局1が備えるRE200の構成について説明する。ここに、図3は、第1実施形態の無線基地局1が備えるRE200の基本構成の一例を示すブロック図である。尚、以下では、第1実施形態のRE200に特有の構成を選択的に説明しているが、RE200が動作するために必要な他の構成を適宜備えていてもよいことは言うまでもない。
【0035】
図3に示すように、RE200は、無線処理部201と、CPRIフレーマ202と、CPU203とを備えている。
【0036】
無線処理部201は、不図示の移動端末から送信されるデータに対して無線送受信処理等を行う。無線送受信処理等が行われたデータは、CPRIフレーマ202に送信される。また、無線処理部201は、CPRIフレーマ202から送信されるデータに対して無線送受信処理等を行う。無線送受信処理等が行われたデータは、ALD300を介して不図示の移動端末に送信される。
【0037】
CPRIフレーマ202は、無線送受信処理等が行われたデータをCPRIフレームに変換する。変換されたデータ(つまり、CPRIフレーム)は、CPRIリンク500を介してREC100へ送信される。また、CPRIフレーマ202は、CPRIリンク500を介してREC100から送信されるCPRIフレームを、RE200内部で処理可能なデータに変換する。変換されたデータは、無線処理部201へ送信される。
【0038】
加えて、CPRIフレーマ202は、REC100から送信されるCPRIフレームに埋め込まれたALD制御信号を抽出する。抽出されたALD制御信号は、ALD300へ送信される。また、CPRIフレーマ202は、ALD300から送信されるALD制御信号を、CPRIフレームに埋め込む。ALD制御信号が埋め込まれたCPRIフレームを、CPRIリンク500を介してREC100へ送信される。
【0039】
CPU203は、RE200全体の動作を制御する。CPU203は、例えば所定のファームウェアに基づいて動作することで、RE200全体の動作(例えば、無線処理部201やCPRIフレーマ202の動作)を制御する。
【0040】
(1−3)CPRIプロトコルの概要
続いて、図4を参照して、REC100とRE200とを接続するCPRIリンク500が準拠するCPRIプロトコルについて説明する。ここに、図4は、CPRIプロトコルの階層構造を示す説明図である。
【0041】
図4に示すように、CPRIプロトコルは、物理層(第1層:Layer 1)とデータリンク層(第2層:Layer 2)とを定義している。第1層は、例えば、電気的特性、光学的特性、異なるデータフローの時分割多重化、低レベル信号伝達等を定義している。第2層は、制御及び管理情報フローのメディア・アクセス制御、フロー制御、データ保護を定義している。
【0042】
第2層には、ユーザプレーン(User Plane)と、制御・管理プレーン(Control & Management Plane)と、同期データ(SYNC)とが定義されている。ユーザプレーンは、REC100からRE200へのデータの送信及びRE200からREC100へのデータの送信に関連するプロトコルデータプレーンである。ユーザプレーンには、REC100からRE200に送信される又はRE200からREC100に送信されるデータを複素データの形式となるIQデータ(IQ Data)として格納するIQデータ領域と、ベンダに固有の情報であるベンダ固有情報(Vender Specific)を格納するベンダ固有情報領域とが含まれている。制御・管理プレーンは、呼処理のための制御データや、REC100及びRE200の運用、管理及び保守のための管理データの送受信に関連するプロトコルデータプレーンである。制御・管理プレーンは、イーサネット(登録商標)プロトコルに準拠したファスト制御管理データ(Fast C&M)を格納するファスト制御管理データ領域と、HDLC(High Level Data Link Control)プロトコルに準拠したスロー制御管理データ(Slow C&M)を格納するスロー制御管理データ領域と、第1層インバンドプロトコル(L1 Inband Protocol)を格納する第1層インバンドプロトコル領域とを含んでいる。同期プレーンは、REC100とRE200との間での同期・タイミングデータの送受信に関連するプロトコルデータプレーンである。同期プレーンは、同期・タイミングデータとしての第1層インバンドプロトコルを格納する第1層インバンドプロトコル領域を含んでいる。これらのデータは、第1層において定義されている時分割多重化モード(Time Division Multiplexing)により、電送ライン(Electrical Transmission)又は光伝送ライン(Optical Transmission)上で多重化される。
【0043】
続いて、図5を参照して、CPRIプロトコルに準拠したCPRIフレームについて説明する。ここに、図5は、CPRIプロトコルに準拠したCPRIフレームの構造を示すデータ構造図である。
【0044】
図5に示すように、10ミリ秒の長さを有する1個のCPRIフレーム(UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)物理的フレーム)は、150個のハイパーフレーム(Hyper Frame)を含んでいる。また、1個のハイパーフレームは、256個の基本フレーム(Basic Frame)を含んでいる。1個の基本フレームは、8ビット×16ワードのサイズのデータ(或いは、最大で8ビット×16ワード×4のサイズのデータ)を格納することができる。CPRIにおいて、通常の表記では、Z(Z=0・・・149)は10m秒の長さを有するCPRIフレーム中の対応したハイパーフレームのハイパーフレーム番号を表すために使用され、X(X=0・・・225)はハイパーフレーム中の対応した基本フレームのフレーム番号を表すために使用され、W(W=0・・・15)は1つの基本フレーム中の対応したワードの番号を表すために使用され、Y(Y=0・・・3)は1つの基本フレームから構成された1つのワードの1つの対応したバイトの番号を表すために使用され、B(B=0・・・31)は1つの基本フレームから構成された1つのワードの1つの対応したビットの番号を表すために使用される。
【0045】
各基本フレーム中の最初のワード(つまり、W=0にて特定されるワード)は、上述したユーザプレーンに含まれるIQデータ以外のデータを格納するためのコントロールワードとして用いられる。ここで、図6を参照して、コントロールワードのデータ構造について説明する。ここに、図6は、コントロールワードのデータ構造を示すデータ構造図である。
【0046】
図6には、1個のハイパーフレームに含まれる256個の基本フレームの夫々の最初のワード(つまり、コントロールワード)の配列が示されている。図6中の「#X」にて特定される領域は、基本フレーム番号がXとなる基本フレームのコントロールワードを示している。図6に示すように、X=0となる基本フレーム(つまり、Z.0.Y)のコントロールワードには、コンマバイトが格納される。X=64、128及び192となる基本フレーム(つまり、Z.64.Y、Z.128.Y及びZ.192.Y)の夫々のコントロールワードには、同期・タイミングデータが格納される。X=1、65、129及び193となる基本フレーム(つまり、Z.1.Y、Z.65.Y、Z.129.Y及びZ.193.Y)の夫々のコントロールワードには、スロー制御管理データが格納される。X=2、66、130及び194となる基本フレーム(つまり、Z.2.Y、Z.66.Y、Z.130.Y及びZ.194.Y)の夫々のコントロールワードには、第1層インバンドプロトコルが格納される。X=3〜15、67〜79、131〜143及び195〜207となる基本フレーム(つまり、Z.3〜15.Y、Z.67〜79.Y、Z.131〜143.Y及びZ.195〜207.Y)の夫々のコントロールワードは、リザーブドエリアとして確保されている。X=16〜P−1(但し、Pは、ファスト制御管理データに対するポインタにより特定される変数)、80〜P+63、144〜P+127及び208〜P+191となる基本フレーム(つまり、Z.16〜P−1.Y、Z.80〜P+63.Y、Z.144〜P+127.Y及びZ.208〜P+191.Y)の夫々のコントロールワードには、ベンダ固有情報が格納される。X=P〜63、P+64〜127、P+128〜191及びP+192〜255となる基本フレーム(つまり、Z.P〜63.Y、Z.P+64〜127.Y、Z.P+128〜191+127.Y及びZ.P+192〜255.Y)の夫々のコントロールワードには、ファスト制御管理データが格納される。
【0047】
(1−4)動作説明
(1−4−1)RECの動作
続いて、図7を参照して、第1実施形態の無線基地局1が備えるREC100の動作について説明する。ここでは、REC100がCPRIフレームにALD制御信号を埋め込む動作について説明する。ここに、図7は、第1実施形態の無線基地局1が備えるREC100の動作の流れを示すフローチャートである。
【0048】
図7に示すように、REC100が備えるCPU103は、ALD制御信号をRE200に対して送信するために必要なALD接続速度を取得する(ステップS11)。例えば、CPU103は、ALD400に問い合わせを行うことで、ALD接続速度を取得してもよい。或いは、CPU103は、予め設定されているALD接続速度を取得してもよい。
【0049】
続いて、REC100が備えるCPU103は、ステップS11において取得されたALD接続速度を満たすように、ALD制御信号を埋め込むためのハイパーフレームである特定ハイパーフレームを指定する(ステップS12)。より具体的には、CPU103は、150個のハイパーフレームを所定フレーム数毎に分割した分割フレーム群(言い換えれば、変換フレーム)を生成する。その後、CPU103は、変換フレーム毎に、規則的に又は周期的に現れるハイパーフレームを特定フレームとして指定する。
【0050】
また、このとき、REC100が備えるCPU103は、特定ハイパーフレーム中において、ALD制御信号を埋め込むための基本フレームを指定してもよい。より具体的には、第1実施形態では、ALD制御信号は、CPRIフレーム中の「スロー制御管理データ領域」に埋め込まれる。スロー制御管理データ領域は、X=1、65、129及び193となる基本フレームの夫々のコントロールワードに相当する。従って、CPU103は、ALD制御信号を埋め込むための基本フレームとして、X=1、65、129及び193となる4つの基本フレームのうちの少なくとも1つの基本フレームを指定する。この場合、ALD制御信号は、特定ハイパーフレーム中のX=1、65、129及び193となる4つの基本フレームのうちの少なくとも1つのコントロールワード(つまり、スロー制御管理データ領域)に埋め込まれる。
【0051】
ここで、図8を参照して、ALD制御信号を埋め込むためのハイパーフレームである特定ハイパーフレームを指定する態様について説明する。ここに、図8は、ALD制御信号を埋め込むためのハイパーフレームである特定ハイパーフレームを指定する態様を示すデータ構造図である。
【0052】
図8に示すように、CPU103が、150個のハイパーフレームを25個のハイパーフレーム毎に分割することで変換フレームを生成する例について説明する。この場合、150個のハイパーフレームは、Z=0〜24となる25個のハイパーフレームを含む第1の変換フレームと、Z=25〜49となる25個のハイパーフレームを含む第2の変換フレームと、Z=50〜74となる25個のハイパーフレームを含む第3の変換フレームと、Z=75〜99となる25個のハイパーフレームを含む第4の変換フレームと、Z=100〜124となる25個のハイパーフレームを含む第5の変換フレームと、Z=125〜149となる25個のハイパーフレームを含む第6の変換フレームとに分割される。
【0053】
また、以下の説明は、特定ハイパーフレーム中のX=1、65、129及び193となる4つの基本フレームのうちの1つの基本フレームのコントロールワードに埋め込まれる例について説明する。
【0054】
図7のステップS11において取得されたALD接続速度が「9.6kbps」であった場合、CPU103は、例えば各変換フレーム中の2個のハイパーフレームを特定ハイパーフレームとして指定する。このとき、CPU103は、指定された特定ハイパーフレームが規則的に又は周期的に現れるように、特定ハイパーフレームを指定することが好ましい。例えば、図8に示す例では、CPU103は、各変換フレームから、第12×p(但し、p=0、1)+1番目のハイパーフレーム(つまり、2個のハイパーフレーム)を、特定ハイパーフレームとして指定する。つまり、CPU103は、第1の変換フレームから、Z=12p(つまり、0及び12)となる2個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。同様に、CPU103は、第2の変換フレームから、Z=12p+25(つまり、25及び37)となる2個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。同様に、CPU103は、第3の変換フレームから、Z=12p+50(つまり、50及び62)となる2個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。同様に、CPU103は、第4の変換フレームから、Z=12p+75(つまり、75及び87)となる2個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。同様に、CPU103は、第5の変換フレームから、Z=12p+100(つまり、100及び112)となる2個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。同様に、CPU103は、第6の変換フレームから、Z=12p+125(つまり、125及び137)となる2個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。このような特定ハイパーフレームの指定により、10ミリ秒の間(つまり、1つのCPRIフレームを送信する間)に、2×6個の特定ハイパーフレームの夫々に含まれる1つの基本フレームのコントロールワードを用いてALD制御信号を送信することができる。従って、2×6×8(ビット)/10×10−3(秒)=9.6kbpsの接続速度(言い換えれば、伝送速度)を実現することができる。
【0055】
或いは、図7のステップS11において取得されたALD接続速度が「38.4kbps」であった場合、CPU103は、例えば各変換フレーム中の8個のハイパーフレームを特定ハイパーフレームとして指定する。このときも、CPU103は、指定された特定ハイパーフレームが規則的に又は周期的に現れるように、特定ハイパーフレームを指定することが好ましい。例えば、図8に示す例では、CPU103は、各変換フレームから、第3q(但し、q=0、1、2、3、4、5、6、7)+1番目のハイパーフレーム(つまり、8個のハイパーフレーム)を、特定ハイパーフレームとして指定する。つまり、CPU103は、第1の変換フレームから、Z=3q(つまり、0、3、6、9、12、15、18及び21)となる8個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。同様に、CPU103は、第2の変換フレームから、Z=3q+25(つまり、25、28、31、34、37、40、43及び46)となる8個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。同様に、CPU103は、第3の変換フレームから、Z=3q+50(つまり、50、53、56、59、62、65、68及び71)となる8個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。同様に、CPU103は、第4の変換フレームから、Z=3q+75(つまり、75、78、81、84、87、90、93及び96)となる8個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。同様に、CPU103は、第5の変換フレームから、Z=3q+100(つまり、100、103、106、109、112、115、118及び121)となる8個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。同様に、CPU103は、第6の変換フレームから、Z=3q+125(つまり、125、128、131、134、137、140、143及び146)となる8個のハイパーフレームを、特定ハイパーフレームとして指定する。このような特定ハイパーフレームの指定により、10ミリ秒の間(つまり、1つのCPRIフレームを送信する間)に、8×6個の特定ハイパーフレームの夫々に含まれる1つの基本フレームのコントロールワードを用いてALD制御信号を送信することができる。従って、8×6×8(ビット)/10×10−3(秒)=38.4kbpsの接続速度を実現することができる。
【0056】
或いは、図7のステップS11において取得されたALD接続速度が「115.2kbps」であった場合、CPU103は、例えば各変換フレーム中の全てのハイパーフレームを特定ハイパーフレームとして指定する。このような特定ハイパーフレームの指定により、10ミリ秒の間(つまり、1つのCPRIフレームを送信する間)に、25×6個の特定ハイパーフレームの夫々に含まれる1つの基本フレームのコントロールワードを用いてALD制御信号を送信することができる。従って、25×6×8(ビット)/10×10−3(秒)=120kbps(>115.2kbps)の接続速度を実現することができる。
【0057】
また、上記接続速度は、ALD制御信号を埋め込む基本フレームの個数(言い換えれば、スロー制御管理データ領域となるコントロールワードの数)によっても調整することができる。例えば、X=1、65、129及び193となる4つの基本フレームのうちの1つの基本フレームのコントロールワードにALD制御信号を埋め込む場合の接続速度と比較して、X=1、65、129及び193となる4つの基本フレームのうちのr(但し、r=2、3、4)個の基本フレームのコントロールワードにALD制御信号を埋め込む場合の接続速度はr倍となる。但し、CPRIのラインビットレートに応じて、スロー制御管理データ領域となるコントロールワードの数に制約がある。従って、CPRIのラインビットレートをも考慮して、X=1、65、129及び193となる4つの基本フレームのうちのいずれを使用するかを指定することが好ましい。
【0058】
尚、図8に示す例は一例であり、第1実施形態の動作が図8に示す例に限定されるものではない。従って、CPU103は、150個のハイパーフレームを任意の数のハイパーフレーム毎に分割することで変換フレームを生成してもよい。同様に、CPU103は、各変換フレーム中に規則的に又は周期的に現れるハイパーフレームを特定ハイパーフレームとして指定してもよい。同様に、CPU103は、X=1、65、129及び193となる4つの基本フレームのうちの任意の基本フレームのコントロールワードにALD制御信号を埋め込んでもよい。
【0059】
再び図7において、REC100が備えるCPU103は、ALD制御信号をCPRIフレームに埋め込む初期タイミングを設定する(ステップS13)。言い換えれば、CPU103は、ALD制御信号をCPRIフレームに埋め込み始めるタイミングを設定する。
【0060】
続いて、REC100が備えるCPU103は、CPRIフレーマ102及びCPRIリンク500を介して、RE200に対して、特定ハイパーフレームを特定するための特定情報を通知する(ステップS14)。特定情報は、特定ハイパーフレームのハイパーフレーム番号そのものを含んでいてもよい。これにより、RE200は、比較的容易に特定ハイパーフレームを特定することができる。或いは、特定ハイパーフレームが規則的に又は周期的に現れることを考慮して、特定情報は、初期タイミングと特定ハイパーフレームが現れる周期や変換フレームのサイズを含んでいてもよい。これにより、特定情報のサイズの増大を抑制しながらも、RE200は特定ハイパーフレームを特定することができる。いずれにせよ、特定ハイパーフレームを適切に特定することができる情報である限りは、特定情報として用いることができる。
【0061】
このとき、特定情報は、特定ハイパーフレーム中のALD制御信号を埋め込んだ基本フレーム(言い換えれば、ALD制御信号が埋め込まれたコントロールワード)を特定するための情報を更に含んでいてもよい。例えば、特定情報は、ALD制御信号が埋め込まれた基本フレームの基本フレーム番号そのものを含んでいてもよい。或いは、コントロールワードがコントロールワード番号Xs(図6参照)及び行番号Nsにて特定され且つALD制御信号が埋め込まれるコントロールワード(つまり、スロー制御管理データ領域となるコントロールワード)の行番号Nsが全て1であることを考慮して、特定情報は、コントロールワード番号Xsを含んでいてもよい。いずれにせよ、特定ハイパーフレーム中のALD制御信号を埋め込んだ基本フレームを適切に特定することができる情報である限りは、特定情報として用いることができる。
【0062】
その後、REC100が備えるCPRIフレーマ102は、CPU103の制御の下に、ALDコントローラ400から送信されるALD制御信号を埋め込みながらCPRIフレームを生成する(ステップS15)。つまり、ステップS14において特定された特定ハイパーフレーム中のX=1、65、129及び193となる4つの基本フレームのうちの少なくとも1つの基本フレームのコントロールワード(つまり、スロー制御管理データ領域)にALD制御信号をマッピングしながら、CPRIフレームを生成する。尚、ALD制御信号及びスロー制御管理データ領域の夫々がHDLCプロトコルに準拠しているため、CPRIフレーマ102は、ビット単位での単純なマッピングを行うことで、ALD制御信号をCPRIフレームに埋め込む。
【0063】
その後、REC100が備えるCPRIフレーマ102は、CPRIリンク500を介して、CPRIフレームをRE200に対して送信する(ステップS16)。
【0064】
尚、ALD制御信号は、ALDコントローラ400からALD300へ送信されるだけでなく、ALD300からALDコントローラ400へと送信されることもある。従って、REC100は、ALD制御信号をCPRIフレームに埋め込むことに加えて又は代えて、CPRIフレームに埋め込まれたALD制御信号の抽出を行なうことが好ましい。REC100におけるALD制御信号の抽出動作は、後述するRE200におけるALD制御信号の抽出動作と同様の態様で、CPU103の制御の下に動作するCPRIフレーマ102により行われる。
【0065】
(1−4−2)REの動作
続いて、図9を参照して、第1実施形態の無線基地局1が備えるRE200の動作について説明する。ここでは、RE200がCPRIフレームに埋め込まれたALD制御信号を抽出する動作について説明する。ここに、図9は、第1実施形態の無線基地局1が備えるRE200の動作の流れを示すフローチャートである。
【0066】
図9に示すように、RE200が備えるCPU203は、CPRIフレーマ202及びCPRIリンク500を介してREC100から送信される特定情報を取得する(ステップS21)。
【0067】
続いて、RE200が備えるCPRIフレーマ202は、CPU203の制御の下に、ステップS21において取得された特定情報に基づいて、特定ハイパーフレームを受信したか否かを判定する(ステップS22)。
【0068】
ステップS22における判定の結果、特定ハイパーフレームを受信していないと判定された場合には(ステップS22:No)、ステップS22における判定動作を継続する。
【0069】
他方で、ステップS22における判定の結果、特定ハイパーフレームを受信したと判定された場合には(ステップS22:Yes)、RE200が備えるCPRIフレーマ202は、特定ハイパーフレーム中のスロー管理情報データ領域から、ALD制御信号を抽出する(ステップS23)。
【0070】
その後、RE200が備えるCPRIフレーマ202は、ステップS23において抽出したALD制御信号を、ALD300へ送信する(ステップS24)。その結果、ALD300は、ALD制御信号による制御下で動作する。
【0071】
尚、ALD制御信号は、ALDコントローラ400からALD300へ送信されるだけでなく、ALD300からALDコントローラ400へと送信されることもある。従って、RE200は、CPRIフレームに埋め込まれたALD制御信号を抽出することに加えて又は換えて、ALD制御信号をCPRIフレームに埋め込むことが好ましい。RE200におけるALD制御信号のCPRIフレームへの埋め込み動作は、上述したREC100におけるALD制御信号のCPRIフレームへの埋め込み動作と同様の態様で、CPU203の制御の下に動作するCPRIフレーマ202により行われる。但し、RE200側では、特定ハイパーフレーム等を指定する必要はなく、REC100から通知される特定情報により指定される特定ハイパーフレームに対してALD制御信号を埋め込めばよい。
【0072】
以上説明した第1実施形態の無線基地局1の動作について、図10を参照して簡潔にまとめる。ここに、図10は、第1実施形態の無線基地局1の動作内容をまとめた模式図である。
【0073】
図10に示すように、ALDコントローラ400からALD300に向かう下り方向では、REC100は、CPRIフレーム中の特定ハイパーフレームのスロー制御管理領域に、ALD制御信号(言い換えれば、ALDコントローラ400から送信されるALD制御信号)を埋め込む。また、RE200は、CPRIフレーム中の特定ハイパーフレームのスロー制御管理領域に埋め込まれたALD制御信号を抽出すると共に、抽出したALD制御信号をALD300へ送信する。一方で、ALD300からALDコントローラ400に向かう上り方向では、RE200は、CPRIフレーム中の特定ハイパーフレームのスロー制御管理領域に、ALD制御信号(言い換えれば、ALDコントローラ400に対して送信されるALD制御信号)を埋め込む。また、REC100は、CPRIフレーム中の特定ハイパーフレームのスロー制御管理領域に埋め込まれたALD制御信号を抽出すると共に、抽出したALD制御信号をALDコントローラ400に送信する。
【0074】
以上説明した第1実施形態の無線基地局1によれば、ALD300を制御するためのALD制御信号を、CPRIフレームに埋め込むことができる。第1実施形態の無線基地局1によれば、HDLC(High Level Data Link Control)プロトコルに準拠したスロー制御管理データ領域に、HDLCプロトコルに準拠したALD制御信号を埋め込むことができる。このため、CPRIフレームの構造を変えることなく、ALD制御信号をCPRIフレームに埋め込むことができる。つまり、ALD制御信号そのものをCPRIフレームに対してビット単位でマッピングしながら埋め込めば足りる。従って、ALD制御信号をCPRIフレームに対して好適に埋め込むことができる。
【0075】
更に、第1実施形態の無線基地局1によれば、REC100とRE200との間のCPRIリンク500を利用して、ALD制御信号を送信することができる。このため、ALD制御信号を送信するための専用線(例えば、ALDコントローラ400とALD300との間の専用線)を設ける必要がなくなる。
【0076】
加えて、第1実施形態の無線基地局1によれば、規則的に又は周期的に現れる特定ハイパーフレームに対してALD制御信号を埋め込むことができる。言い換えれば、第1実施形態の無線基地局1によれば、CPRIフレームに対してランダムにALD制御信号が埋め込まれることがなくなる。更に、特定ハイパーフレーム内においても、規則的に又は周期的に現れる基本フレームのコントロールワード(つまり、スロー制御管理データ領域)にALD制御信号を埋め込むことができる。このため、RE200は、この規則性又は周期性に着目して特定ハイパーフレーム及び基本フレームを参照すれば、ALD制御信号を比較的容易に抽出することができる。つまり、REC100とRE200との間でのALD制御信号の送受信に必要な同期を、比較的容易に図ることができる。このため、送信先のALD300を特定するためのアドレス等を含むヘッダ情報やフッタ情報等を新たに付加した上でALD制御信号をCPRIフレームに埋め込んだり或いはALD制御信号をカプセル化した上でCPRIフレームに埋め込んだりする必要がなくなる。従って、CPRIという規格に準拠しながら、CPRIフレームにALD制御信号を適切に埋め込むことができる。これにより、ALD制御信号をCPRIフレームに埋め込むために特別な物理的な装置(例えば、カプセル化装置等)を新たに備える必要はなく、無線基地局1の汎用性を確保することができる。
【0077】
また、第1実施形態の無線基地局1によれば、ALD制御信号が埋め込まれた特定ハイパーフレーム(更には、ALD制御信号が埋め込まれた基本フレーム)を特定するための特定情報が、REC100からRE200に対して通知される。従って、RE200は、通知情報を参照することで、特定ハイパーフレームからALD制御信号を比較的容易に抽出することができる。つまり、REC100とRE200との間でのALD制御信号の送受信に必要な同期を、比較的容易に図ることができる。
【0078】
(2)第2実施形態
続いて、図11から図14を参照して、第2実施形態の無線基地局2について説明する。尚、第1実施形態の無線基地局1と同様の構成及び動作については、同一の参照符号及びステップ番号を付してその詳細な説明については省略する。
【0079】
(2−1)システム構成図
初めに、図11を参照して、第2実施形態の無線基地局2の基本構成について説明する。ここに、図11は、第2実施形態の無線基地局2の基本構成の一例を示すブロック図である。
【0080】
図11に示すように、第2実施形態の無線基地局2は、REC100と、RE200aと、RE200bと、RE200aに接続されるALD300aと、RE200bに接続されるALD300bと、ALD300aを制御するためのALDコントローラ400aと、ALD300bを制御するためのALDコントローラ400bとを備えている。第2実施形態の無線基地局2は、CPRI(Common public Radio Interface:コモン・パブリック・ラジオ・インタフェース)500を介して1つのREC100に対して2つ(つまり、複数)のRE200が接続され且つ各RE200にALD300が接続される構成を有している。つまり、第2実施形態の無線基地局2では、複数のALDネットワークが形成されている。
【0081】
尚、REC100及びRE200の夫々の構成は、第1実施形態において説明した構成と同一であるが、REC100及び200の夫々の動作内容が第1実施形態において説明した動作内容と異なる。以下、異なる動作内容について重点的に説明する。
【0082】
(2−2)動作説明
(2−2−1)RECの動作
続いて、図12を参照して、第2実施形態の無線基地局2が備えるREC100の動作について説明する。ここでは、REC100がCPRIフレームにALD制御信号を埋め込む動作について説明する。ここに、図12は、第2実施形態の無線基地局2が備えるREC100の動作の流れを示すフローチャートである。
【0083】
図12に示すように、第2実施形態においては、REC100は、第1実施形態における動作と同様に、ALD接続速度を取得し(ステップS11)、特定ハイパーフレームを指定し(ステップS12)、初期タイミングを設定する(ステップS13)。
【0084】
第2実施形態では、REC100が備えるCPU103は、複数のRE200が接続されているか否かを判定する(ステップS31)。
【0085】
ステップS31における判定の結果、複数のRE200が接続されていないと判定された場合には(ステップS31:No)、1つのREC100には1つのRE200が接続されているものと推定される。従って、REC100は、第1実施形態における動作と同様に、特定ハイパーフレームを特定するための特定情報を通知し(ステップS14)、ALD制御信号を埋め込みながらCPRIフレームを生成し(ステップS15)、CPRIフレームをRE200に対して送信する(ステップS16)。
【0086】
他方で、ステップS31における判定の結果、複数のRE200が接続されていると判定された場合には(ステップS31:Yes)、REC100が備えるCPU103は、複数のRE200の夫々に対して、対応するコントロールワード番号Xsを重複しないように割り当てる(ステップS32)。具体的には、CPU103は、RE200aに対して一のコントロールワード番号(例えば、Xs=0)を割り当て、RE200aに対して一のコントロールワード番号とは異なる他のコントロールワード番号(例えば、Xs=1)を割り当てる。
【0087】
続いて、REC100が備えるCPU103は、CPRIフレーマ102及びCPRIリンク500を介して、RE200に対して、特定ハイパーフレームを特定するための特定情報を通知する(ステップS14)。このとき、第2実施形態における特定情報は、ステップS32において割り当てられたコントロールワード番号Xsを特定する情報を含んでいることが好ましい。
【0088】
その後、REC100が備えるCPRIフレーマ102は、CPU103の制御の下に、ALDコントローラ400から送信されるALD制御信号を埋め込みながらCPRIフレームを生成する(ステップS15)。第2実施形態では、CPRIフレーマ102は、ALDコントローラ400aから送信され且つALD300aに対して送信されるALD制御信号を、ステップS32においてRE200aに対して割り当てられたコントロールワード番号Xs(例えば、0)に対応するコントロールワード(スロー管理制御データ領域)に埋め込む。具体的には、例えば、CPRIフレーマ102は、ALDコントローラ400aから送信されるALD制御信号を、特定ハイパーフレーム中のX=1となる基本フレームのコントロールワードに埋め込む。一方で、CPRIフレーマ102は、ALDコントローラ400bから送信され且つALD300bに対して送信されるALD制御信号を、ステップS32においてRE200bに対して割り当てられたコントロールワード番号Xs(例えば、1)に対応するコントロールワード(スロー管理制御データ領域)に埋め込む。具体的には、例えば、CPRIフレーマ102は、ALDコントローラ400bから送信されるALD制御信号を、特定ハイパーフレーム中のX=65となる基本フレームのコントロールワードに埋め込む。
【0089】
その後、REC100が備えるCPRIフレーマ102は、CPRIリンク500を介して、CPRIフレームをRE200に対して送信する(ステップS16)。
【0090】
(2−2−2)REの動作
続いて、図13を参照して、第2実施形態の無線基地局2が備えるRE200の動作について説明する。ここに、図13は、第2実施形態の無線基地局2が備えるRE200の動作の流れを示すフローチャートである。
【0091】
図13に示すように、RE200が備えるCPU203は、第1実施形態の動作と同様に、特定情報を取得し(ステップS21)、特定ハイパーフレームを受信したか否かを判定する(ステップS22)。
【0092】
ステップS22における判定の結果、特定ハイパーフレームを受信していないと判定された場合には(ステップS22:No)、ステップS22における判定動作を継続する。
【0093】
他方で、ステップS22における判定の結果、特定ハイパーフレームを受信したと判定された場合には(ステップS22:Yes)、RE200が備えるCPRIフレーマ202は、特定ハイパーフレーム中のスロー管理情報データ領域から、ALD制御信号を抽出する(ステップS41)。第2実施形態では、各RE200が備えるCPRIフレーマ202は、自分に割り当てられたコントロールワード番号に対応するコントロールワード(スロー管理制御データ領域)から、ALD制御信号を抽出する。例えば、RE200aに対してコントロールワード番号Xs=0が割り当てられ且つRE200bに対してコントロールワード番号Xs=1が割り当てられる例について説明する。RE200aが備えるCPRIフレーマ202は、特定ハイパーフレーム中のX=1となる基本フレームのコントロールワード(つまり、スロー制御管理データ領域)からALD制御信号を抽出する。一方で、RE200bが備えるCPRIフレーマ202は、特定ハイパーフレーム中のX=65となる基本フレームのコントロールワード(つまり、スロー制御管理データ領域)からALD制御信号を抽出する。
【0094】
その後、RE200が備えるCPRIフレーマ202は、ステップS23において抽出したALD制御信号を、ALD300へ送信する(ステップS24)。より具体的には、RE200aは、ステップS23において抽出したALD制御信号を、ALD300aへ送信する。一方で、RE200bは、ステップS23において抽出したALD制御信号を、ALD300bへ送信する。その結果、ALD300a及び300bは、ALD制御信号による制御下で動作する。
【0095】
以上説明した第2実施形態の無線基地局2の動作について、図14を参照して簡潔にまとめる。ここに、図14は、第2実施形態の無線基地局2の動作内容をまとめた模式図である。
【0096】
図14に示すように、ALDコントローラ400a及び400bからALD300a及び300bに向かう下り方向では、REC100は、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「0」となるスロー制御管理データ領域に、ALD300aを制御するためのALD制御信号(言い換えれば、ALDコントローラ400aから送信されるALD制御信号)を埋め込む。また、REC100は、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「1」となるスロー制御管理データ領域に、ALD300bを制御するためのALD制御信号(言い換えれば、ALDコントローラ400bから送信されるALD制御信号)を埋め込む。また、RE200aは、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「0」となるスロー制御管理データ領域からALD制御信号を抽出すると共に、抽出したALD制御信号をALD300aに送信する。また、RE200bは、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「1」となるスロー制御管理データ領域からALD制御信号を抽出すると共に、抽出したALD制御信号をALD300bに送信する。
【0097】
一方で、ALD300a及び300bからALDコントローラ400a及び400bに向かう上り方向では、RE200aは、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「0」となるスロー制御管理データ領域に、ALD300aを制御するためのALD制御信号(言い換えれば、ALDコントローラ400aに対して送信されるALD制御信号)を埋め込む。また、RE200bは、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「1」となるスロー制御管理データ領域に、ALD300bを制御するためのALD制御信号(言い換えれば、ALDコントローラ400bに対して送信されるALD制御信号)を埋め込む。また、REC100は、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「0」となるスロー制御管理データ領域からALD制御信号を抽出すると共に、抽出したALD制御信号をALDコントローラ400aに送信する。また、REC100は、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「1」となるスロー制御管理データ領域からALD制御信号を抽出すると共に、抽出したALD制御信号をALDコントローラ400bに送信する。
【0098】
以上説明したように、第2実施形態の無線基地局2によれば、第1実施形態の無線基地局1が享受する効果と同一の効果を享受することができる。
【0099】
第2実施形態の無線基地局2によれば、コントロールワード番号Xsを、実質的なアドレス(つまり、ALD300とALDコントローラ400との間の通信におけるアドレス)として用いている。従って、複数のALDコントローラ400a及び400bと接続されたREC100に対して複数のRE200a及び200bが接続されている場合であっても、複数のALDコントローラ400a及び400bからのALD制御信号を、対応するRE200a及び200bを介して対応するALD300a及び300bに対して適切に送信することができる。同様に、複数のALD300a及び300bからのALD制御信号を、対応するRE200a及び200bを介して対応するALDコントローラ400a及び400bに対して適切に送信することができる。
【0100】
尚、上述の説明では、1つのREC100に対して2つのRE200a及び200bが接続される例について説明している。しかしながら、1つのREC100に対して3つ以上のRE200が接続され且つ各RE200にALD300が接続される構成であっても、同様の動作を行うことで同様の効果を享受することができることは言うまでもない。
【0101】
(3)第3実施形態
続いて、図15及び図16を参照して、第3実施形態の無線基地局3について説明する。尚、第1実施形態の無線基地局1及び第2実施形態の無線基地局2と同様の構成及び動作については、同一の参照符号及びステップ番号を付してその詳細な説明については省略する。ここに、図15は、第3実施形態の無線基地局1の基本構成の一例を示すブロック図であり、図16は、第3実施形態の無線基地局3の動作内容をまとめた模式図である。
【0102】
図15に示すように、第3実施形態の無線基地局3は、REC100と、RE200aと、RE200bと、RE200aに接続されるALD300aと、RE200bに接続されるALD300bと、ALD300a及びALD300bを制御するためのALDコントローラ400とを備えている。つまり、第3実施形態の無線基地局3では、複数のRE200及び複数のALD300を備える一方で単一のALDネットワークが形成されている。
【0103】
尚、REC100及びRE200の夫々の構成は、第1実施形態において説明した構成と同一であるが、REC100及び200の夫々の動作内容が第1実施形態において説明した動作内容と異なる。以下、異なる動作内容について重点的に説明する。
【0104】
まず、ALDコントローラ400からALD300a及び300bに向かう下り方向では、第1実施形態と同様の態様の動作が行われる。具体的には、図16に示すように、REC100は、CPRIフレーム中の特定ハイパーフレームのスロー制御管理領域に、ALD300a及び300bを制御するためのALD制御信号(言い換えれば、ALDコントローラ400から送信されるALD制御信号)を埋め込む。また、RE200aは、CPRIフレーム中の特定ハイパーフレームのスロー制御管理領域に埋め込まれたALD制御信号を抽出すると共に、抽出したALD制御信号をALD300aに送信する。同様に、RE200bは、CPRIフレーム中の特定ハイパーフレームのスロー制御管理領域に埋め込まれたALD制御信号を抽出すると共に、抽出したALD制御信号をALD300bに送信する。つまり、下り方向では、REC100からRE200a及びRE200bの夫々に対して同一のALD制御信号が送信される。ALD300a及びALD300bは、ALD制御信号のうち自身宛てのメッセージを抽出することで、ALD制御信号に基づく動作を行う。
【0105】
一方で、ALD300a及び300bからALDコントローラ400に向かう上り方向では、第2実施形態と同様の動作が行われる。具体的には、図16に示すように、RE200aは、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「0」となるスロー制御管理データ領域に、ALD300aを制御するためのALD制御信号(言い換えれば、ALD300aからALDコントローラ400に対して送信されるALD制御信号)を埋め込む。また、RE200bは、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「1」となるスロー制御管理データ領域に、ALD300bを制御するためのALD制御信号(言い換えれば、ALD300bからALDコントローラ400bに対して送信されるALD制御信号)を埋め込む。また、REC100は、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「0」となるスロー制御管理データ領域からALD制御信号を抽出すると共に、特定ハイパーフレーム中のコントロールワード番号Xsが「1」となるスロー制御管理データ領域からALD制御信号を抽出する。REC100は、更に、抽出した2種類のALD制御信号をビット加算した合成信号を、ALDコントローラ400に送信する。
【0106】
以上説明したように、第3実施形態の無線基地局2によれば、第1実施形態の無線基地局1や第2実施形態の無線基地局2が享受する効果と同一の効果を享受することができる。
【0107】
第3実施形態の無線基地局3によれば、複数のRE200a及び200b並びに複数のALD300a及び300bが1つのALDネットワーク内に配置される構成であっても、ALDコントローラ400から各ALD300a及び300bへのALD制御信号を、対応するRE200a及び200bを介して対応するALD300a及び300bに対して適切に送信することができる。同様に、複数のALD300a及び300bからのALD制御信号を、対応するRE200a及び200bを介してALDコントローラ400に対して適切に送信することができる。つまり、REC100とRE200a及び200bとの間でのALD制御信号の送受信に必要な同期を、比較的容易に図ることができる。
【0108】
尚、上述の説明では、1つのREC100に対して2つのRE200a及び200bが接続される例について説明している。しかしながら、1つのREC100に対して3つ以上のRE200が接続され且つ各RE200にALD300が接続される構成であっても、同様の動作を行うことで同様の効果を享受することができることは言うまでもない。
【0109】
以上説明した第1から第3実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0110】
(付記1)
無線装置と当該無線装置を制御するための無線制御装置とが伝送リンクを介して接続された無線基地局であって、前記無線制御装置は、前記伝送リンクを介して送信される伝送フレーム中に含まれる複数のフレームのうち所定数のフレームを含むフレーム群毎に規則的に割り当てられる特定フレーム中の制御管理情報領域に、前記無線装置に接続される無線機器を制御するための制御信号を埋め込む埋め込み手段と、前記伝送リンクを介して前記伝送フレームを前記無線装置に送信する第1送信手段とを備え、前記無線装置は、前記送信された伝送フレーム中の前記特定フレームから前記制御信号を抽出する抽出手段と、前記抽出された制御信号を前記無線機器に送信する第2送信手段とを備えることを特徴とする無線基地局。
【0111】
(付記2)
前記無線制御装置は、前記特定フレームを指定する指定手段と、前記指定された特定フレームを特定するための特定情報を前記無線装置に通知する通知手段とを更に備え、前記抽出手段は、前記特定情報に基づいて、前記送信された伝送フレーム中の前記特定フレームから前記制御信号を抽出することを特徴とする付記1に記載の無線基地局。
【0112】
(付記3)
前記無線制御装置は、少なくとも第1無線装置及び第2無線装置の夫々と接続されており、前記埋め込み手段は、前記特定フレーム中の前記制御管理情報領域のうちの第1領域部分に前記第1無線装置に接続された前記無線機器を制御するための第1制御信号を埋め込み、前記特定フレーム中の前記制御管理情報領域のうちの前記第1領域部分とは異なる第2領域部分に前記第2無線装置に接続された前記無線機器を制御するための第2制御信号を埋め込むことを特徴とする付記1又は2に記載の無線基地局。
【0113】
(付記4)
前記伝送リンクは、前記無線基地局の内部インタフェースの仕様であるCPRI(Common Public Radio Interface)を採用したリンクであり、前記伝送フレームはCPRIにより規定される伝送フレームであることを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の無線基地局。
【0114】
(付記5)
前記制御管理情報領域は、Slow C&M領域であることを特徴とする付記4に記載の無線基地局。
【0115】
(付記6)
前記無線装置は、前記特定フレーム中の制御管理情報領域に前記制御信号を埋め込む埋め込み手段と、前記伝送リンクを介して前記伝送フレームを前記無線制御装置に送信する第3送信手段とを更に備えることを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の無線基地局。
【0116】
(付記7)
前記無線制御装置は、前記無線装置から送信された伝送フレーム中の前記特定フレームから前記制御信号を抽出する抽出手段と、前記抽出された制御信号を、前記無線機器を制御する無線機器制御装置に送信する第4送信手段とを更に備えることを特徴とする付記6に記載の無線基地局。
【0117】
(付記8)
無線装置と伝送リンクを介して接続された無線制御装置であって、前記伝送リンクを介して送信される伝送フレーム中に含まれる複数のフレームのうち所定数のフレームを含むフレーム群毎に規則的に割り当てられる特定フレーム中の制御管理情報領域に、前記無線装置に接続される無線機器を制御するための制御信号を埋め込む埋め込み手段と、前記伝送リンクを介して前記伝送フレームを前記無線装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする無線制御装置。
【0118】
(付記9)
伝送リンクを介して送信される伝送フレーム中に含まれる複数のフレームのうち所定数のフレームを含むフレーム群毎に規則的に割り当てられる特定フレーム中の制御管理情報領域に無線機器を制御するための制御信号を埋め込む無線制御装置であって、前記伝送リンクを介して前記伝送フレームを送信する無線制御装置と前記伝送リンクを介して接続された無線装置であって、前記送信された伝送フレーム中の前記特定フレームから前記制御信号を抽出する抽出手段と、前記抽出された制御信号を前記無線機器に送信する送信手段とを備えることを特徴とする無線装置。
【0119】
(付記10)
無線装置と当該無線装置を制御するための無線制御装置とが伝送リンクを介して接続された無線基地局における通信方法であって、前記無線制御装置側において、前記伝送リンクを介して送信される伝送フレーム中に含まれる複数のフレームのうち所定数のフレームを含むフレーム群毎に規則的に割り当てられる特定フレーム中の制御管理情報領域に、前記無線装置に接続される無線機器を制御するための制御信号を埋め込む埋め込み工程と、前記無線制御装置側において、前記伝送リンクを介して前記伝送フレームを前記無線装置に送信する第1送信工程と、前記無線装置側において、前記送信された伝送フレーム中の前記特定フレームから前記制御信号を抽出する抽出工程と、前記無線装置側において、前記抽出された制御信号を前記無線機器に送信する第2送信工程とを備えることを特徴とする通信方法。
【0120】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう無線基地局、無線制御装置及び無線装置、並びに通信方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0121】
1、2、3 無線基地局
100 REC
101 信号処理部
102 CPRIフレーマ
103 CPU
200 RE
201 無線処理部
202 CPRIフレーマ
203 CPU
300 ALD
400 ALDコントローラ
500 CPRIリンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線装置と当該無線装置を制御するための無線制御装置とが伝送リンクを介して接続された無線基地局であって、
前記無線制御装置は、
前記伝送リンクを介して送信される伝送フレーム中に含まれる複数のフレームのうち所定数のフレームを含むフレーム群毎に規則的に割り当てられる特定フレーム中の制御管理情報領域に、前記無線装置に接続される無線機器を制御するための制御信号を埋め込む埋め込み手段と、
前記伝送リンクを介して前記伝送フレームを前記無線装置に送信する第1送信手段と
を備え、
前記無線装置は、
前記送信された伝送フレーム中の前記特定フレームから前記制御信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出された制御信号を前記無線機器に送信する第2送信手段と
を備えることを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記無線制御装置は、
前記特定フレームを指定する指定手段と、
前記指定された特定フレームを特定するための特定情報を前記無線装置に通知する通知手段と
を更に備え、
前記抽出手段は、前記特定情報に基づいて、前記送信された伝送フレーム中の前記特定フレームから前記制御信号を抽出することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記無線制御装置は、少なくとも第1無線装置及び第2無線装置の夫々と接続されており、
前記埋め込み手段は、前記特定フレーム中の前記制御管理情報領域のうちの第1領域部分に前記第1無線装置に接続された前記無線機器を制御するための第1制御信号を埋め込み、前記特定フレーム中の前記制御管理情報領域のうちの前記第1領域部分とは異なる第2領域部分に前記第2無線装置に接続された前記無線機器を制御するための第2制御信号を埋め込むことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線基地局。
【請求項4】
前記伝送リンクは、前記無線基地局の内部インタフェースの仕様であるCPRI(Common Public Radio Interface)を採用したリンクであり、前記伝送フレームはCPRIにより規定される伝送フレームであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の無線基地局。
【請求項5】
前記制御管理情報領域は、Slow C&M領域であることを特徴とする請求項4に記載の無線基地局。
【請求項6】
無線装置と)伝送リンクを介して接続された無線制御装置であって、
前記伝送リンクを介して送信される伝送フレーム中に含まれる複数のフレームのうち所定数のフレームを含むフレーム群毎に規則的に割り当てられる特定フレーム中の制御管理情報領域に、前記無線装置に接続される無線機器を制御するための制御信号を埋め込む埋め込み手段と、
前記伝送リンクを介して前記伝送フレームを前記無線装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする無線制御装置。
【請求項7】
伝送リンクを介して送信される伝送フレーム中に含まれる複数のフレームのうち所定数のフレームを含むフレーム群毎に規則的に割り当てられる特定フレーム中の制御管理情報領域に無線機器を制御するための制御信号を埋め込む無線制御装置であって、前記伝送リンクを介して前記伝送フレームを送信する無線制御装置と前記)伝送リンクを介して接続された無線装置であって、
前記送信された伝送フレーム中の前記特定フレームから前記制御信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出された制御信号を前記無線機器に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする無線装置。
【請求項8】
無線装置と当該無線装置を制御するための無線制御装置とが)伝送リンクを介して接続された無線基地局における通信方法であって、
前記無線制御装置側において、前記伝送リンクを介して送信される伝送フレーム中に含まれる複数のフレームのうち所定数のフレームを含むフレーム群毎に規則的に割り当てられる特定フレーム中の制御管理情報領域に、前記無線装置に接続される無線機器を制御するための制御信号を埋め込む埋め込み工程と、
前記無線制御装置側において、前記伝送リンクを介して前記伝送フレームを前記無線装置に送信する第1送信工程と、
前記無線装置側において、前記送信された伝送フレーム中の前記特定フレームから前記制御信号を抽出する抽出工程と、
前記無線装置側において、前記抽出された制御信号を前記無線機器に送信する第2送信工程と
を備えることを特徴とする通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate