説明

無線通信のためのシングルバースト獲得

【課題】パケットの獲得を行なうための技術を提供する。
【解決手段】第1の検出値は、第1の複数のサンプルに基づいて、例えばサンプル上で遅延−乗算−積分を実行することによって、決定される。電力値は、第1の複数のサンプルに基づいて、例えばサンプル上で乗算−積分を実行することによって、決定される。第1の検出値は、平均検出値を得るために、平均される。電力値は、さらに、平均電力値を得るために平均される。パケットが存在するかどうかは、平均検出値と平均電力値とに基づいて決定される。第2の検出値は、第2の複数のサンプルに基づいて、決定される。パケットの開始は、第1のおよび第2の検出値に基づいて、決定される。第3の検出値は、第3の複数のサンプルに基づいて決定される。パケットの周波数エラーは、第1のおよび第3の検出値に基づいて推定される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本願は、ここでの譲受人に譲渡され、ここにおいて参照することにより組み込まれている、2006年5月22日に出願された「無線通信システムのためのシングルバースト獲得(SINGLE-BURST ACQUISITON FOR WIRELESS COMMUNICATION SYSTEM)」と題された米国仮特許出願第60/802,627号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に通信に関し、より具体的には、無線通信システムにおいて獲得(acquisition)を実行するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムにおいて、送信機は、データシンボル(data symbols)を生成するためにデータのパケット(a packet of data)を処理することができる(例えば、符号化し変調する)。コヒーレントシステム(coherent system)の場合、送信機は、データシンボルでパイロットシンボルを多重化し、変調された信号を生成するために多重化されたデータおよびパイロットシンボルを処理し、そして無線チャネルを介して変調された信号を送信することができる。無線チャンネルは、チャネルレスポンスで送信信号をひずませ(distorts)、ノイズと干渉を用いて信号の品質をさらに下げる(degrades)。
【0004】
受信機は送信信号を受信し、サンプル(samples)を得るために、受信信号を処理することができる。受信機は、パケットの存在(presence)を検出するために、パケット検出(packet detection)を実行することができる。受信機は、受信信号のタイミングおよび周波数を確実にするために、また、いずれの周波数エラー(frequency errors)について補正する (correct)ために、時間および周波数獲得(time and frequency acquisition)をさらに実行することができる。受信機は、そのあとで、データシンボル推定を得るために、周波数補正されたサンプル(the frequency-corrected samples)を処理することができ、また、復号データを得るために、データシンボル推定をさらに処理することができる(例、復調し、復号する)。
【0005】
受信機は、パケットがいつ送信されているか知らなくてもよい。さらに、受信機は、異なるタイミング、周波数、そして送信電力(transmit power)を備えたマルチプル送信機からパケットを受信してもよい。受信機は、そのあとで、パケットの存在を早く且つ正確に検出し、よいパフォーマンスを達成するために各パケットのタイミングおよび周波数獲得をすぐに実行することを必要とするであろう。
【0006】
したがって、無線通信システムにおいてすぐに且つ効率的に獲得を実行する技術について、当技術分野において必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
受信機においてパケットの獲得をすぐに且つ効率的に実行するための技術が、ここに説明されている。一設計において、第1の検出値Cは、1以上の受信アンテナから第1の複数のサンプルに基づいて、例えばサンプル上の遅延−乗算−積分を実行することによって、決定されることができる。電力値Pは、第1の複数のサンプルに基づいて、例えばサンプル上で乗算−積分を実行することによって、さらに決定されることができる。第1の検出値(first detection values)は、平均検出値(average detection values)を得るために平均されることができる。電力値(power values)は、平均電力値(average power values)を得るためにさらに平均されることができる。パケットが存在するかどうかは、平均検出値および平均電力値に基づいて、そのあと、決定されることができる。
【0008】
第2の検出値Cは、第2の複数のサンプルに基づいて決定されることができる。パケットの開始は、そのあと、第1のおよび第2の検出値に基づいて決定されることができる。第3の検出値Dは、第3の複数のサンプルに基づいて決定されることができる。パケットの周波数エラーは、第1のおよび第3の検出値に基づいて推定されることができる。第1の複数のサンプルは、ショートトレーニングシンボル(short training symbols)についてのサンプルを備えることができる。第2のおよび第3の複数のサンプルは、それぞれ、ショートおよび/またはロングトレーニングシンボルについてのサンプルを備えることができる。
【0009】
第4の検出値Gは、第4の複数のサンプルに基づいて決定されることができる。各第4の検出値は、伝送シンボルの対応するオリジナル部分(original portion)で、伝送シンボルのコピーされた部分(a copied portion)(例、OFDMシンボルのガードインターバル(guard interval))を相互関連づけることによって得られることができる。パケットの終了は、第4の検出値に基づいて決定されることができる。
【0010】
一般に、各検出値は、1セットのサンプル上で遅延−乗算−積分オペレーション(delay-multiply-integrate operation)を実行することによって、得られることができる。異なる検出値は、下で説明されるとおり、サンプルについての異なる遅延、異なる積分インターバル(integration intervals)、等で、得られることができる。
【0011】
本開示の様々な態様および特徴は、下のさらなる詳細において説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、アクセスポイントと複数の局を備えた無線ネットワークを示す。
【図2】図2は、送信機と受信機のブロック図を示す。
【図3】図3は、IEEE802.11a/gにおいて使用されるフレーム構造を示す。
【図4】図4は、パケット用の異なる検出値の計算を図示する。
【図5】図5は、受信機において、獲得プロセッサのブロック図を示す。
【図6】図6は、獲得プロセッサ内の、遅延−乗算−積分ユニットと移動平均ユニットのブロック図を示す。
【図7】図7は、受信機において、デモジュレータと数値コントロールオシレータ(NCO)のブロック図を示す。
【図8】図8は、パケットの存在について検出するプロセスを示す。
【図9】図9は、パケットの存在について検出する装置を示す。
【図10】図10は、パケットの開始について検出するプロセスを示す。
【図11】図11は、パケットの開始について検出する装置を示す。
【図12】図12は、周波数補正のためのプロセスを示す。
【図13】図13は、周波数補正のための装置を示す。
【図14】図14は、パケットの終了について検出するプロセスを示す。
【図15】図14は、パケットの終了について検出する装置を示す。
【図16】図16は、パケットを処理するためのプロセスを示す。
【図17】図17は、パケットの処理するための装置を示す。
【発明の詳細な説明】
【0013】
ここに説明される技術は、無線ローカルエリアネットワーク(WLANs)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(wireless metropolitan area networks)(WMANs)、無線広域エリアネットワーク(WWANs)等のような、様々な通信システムおよびネットワークのために、使用されることができる。用語「システム(systems)」、「ネットワーク(networks)」は、しばしば互換性をもって使用される。WLANは、標準規格のIEEE802.11ファミリにおける無線技術のうちのいずれ(Wi−Fiとも呼ばれる)、Hiperlan、等をインプリメントする(implement)ことができる。WMANは、IEEE802.16など(WiMAXとも呼ばれる)をインプリメントすることができる。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(Single-Carrier FDMA)(SC−FDMA)、空間分割多元接続(Spatial Division Multiple Access)(SDMA)、等のようなマルチプルアクセススキーム(multiple access scheme)をインプリメントすることができる。OFDMAは、直交周波数分割多元接続(OFDM)を使用し、SC−FDMAは、シングルキャリア周波数分割多重化(SC-FDM)を使用する。OFDMおよびSC−FDMは、システム帯域幅をマルチプル(K)直交サブキャリアに分割し(partition)、それらは、トーン(tones)、ビン(bins)等とも呼ばれる。各サブキャリアは、データで変調されることができる。一般に、復調シンボルは、OFDMで周波数ドメインにおいて、そして、SC−FDMで時間ドメインにおいて、送信される。OFDMシステムは、IEEE802.20、ウルトラモバイルブロードバンド(Ultra Mobile Broadband)(UMB)、フラッシュOFDM(Flash-OFDM(R))、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution)(LTE)等のような、無線技術をインプリメントすることができる。これらの様々な無線技術および標準規格は、当技術分野において知られている。明確のために、技術は、OFDMを使用してIEEE802.11標準規格、例えばIEEE802.11a、802.11g、および/または802.11n、をインプリメントするWLANについて下で説明されている。
【0014】
ここに説明された技術は、単一入力単一出力(single-input single-output)(SISO)、単一入力マルチプル出力(single-input multiple-output)(SIMO)、マルチプル入力単独出力(multiple-input single-output)(MISO)、マルチプル入力マルチプル出力(multiple-input multiple-output)(MIMO)伝送のために、さらに使用されることができる。データ伝送の場合、単一入力は、1つの送信アンテナを指し、マルチプル入力は、マルチプル送信アンテナを指す。データ受け取り(data reception)の場合、単一出力は、1つの受信アンテナを指し、マルチプル出力は、マルチプル受信アンテナを指す。
【0015】
図1は、アクセスポイント110と複数の局120を備えた無線ネットワーク100を示す。一般に、無線ネットワークは、任意の数のアクセスポイントと、任意の数の局を含むことができる。局は、無線メディアを介して別の局と通信できるデバイスである。局は、さらに呼び出されることができ、端末、モバイル局、ユーザ機器、加入者局等の機能のうちのいくつかあるいはすべてをまた含むことができる。局は、セルラ電話、ハンドヘルドデバイス、無線デバイス、携帯情報端末(personal digital assistant)(PDA)、ラップトップコンピュータ、無線モデム、コードレス電話、等であってもよい。アクセスポイントは、そのアクセスポイントに関連づけられた局のための無線メディアを介して分配サービスに対して、アクセス(access)を提供する局である。アクセスポイントは、さらに呼び出されることができ、基地局、基地トランシーバ局(BTS)、ノードB、等の機能性のうちのいくつかあるいはすべてを含むことができる。アクセスポイント110は、データネットワーク130に結合することができ、そしてデータネットワーク130を介して他のデバイスと通信することができる。
【0016】
図2は、送信機210および受信機250の設計のブロック図を示す。ダウンリンク/順方向リンクの場合には、送信機210は、アクセスポイント110の一部であってもよく、そして受信機250は、局120の一部であってもよい。アップリンク/逆方向リンクの場合には、送信機210は、ステーション120の一部であってもよく、また、受信機250は、アクセスポイント110の一部であってもよい。図2においては、送信機210は、マルチプル(T)アンテナを備えており、受信機250は、マルチプル(R)アンテナを備えている。各送信アンテナおよび各受信アンテナは、物理アンテナあるいはアンテナアレイであってもよい。一般に、送信機210および受信機250は、それぞれ、任意の数のアンテナを備えることができる。
【0017】
送信機210において、送信(TX)データおよびパイロットプロセッサ212は、データソース(示されてはいない)からデータのパケット、および/または、コントローラ/プロセッサ220からの他のデータを受信することができる。プロセッサ212は、各パケットを処理し(例えば、フォーマットし、符号化し、インタリーブし、そしてシンボルマッピングし)、そして、データのための変調シンボルであるデータシンボルを生成する。プロセッサ212は、パイロットシンボルを生成するためにパイロット(データで知られている)をさらに処理することができ、そして、データシンボルでパイロットシンボルを多重化することができる。TX空間プロセッサ214は、データおよびパイロットシンボル上で送信機空間処理(transmitter spatial processing)を実行し、そして、Tモジュレータ/送信機(MOD/TMTR)216aから216tに対して、出力シンボルのTストリームを提供することができる。各モジュレータ216は、出力チップストリームを生成するために、その出力シンボルストリーム(例、OFDM用)を処理することができる。各送信機216は、変調された信号を生成するために、その出力チップストリームを、さらにコンディションする(condition)(例、アナログに変換する、増幅する、フィルタにかける、そしてアップコンバートする)ことができる。送信機216aから216tからT変調された信号は、アンテナ218aから218tから、それぞれ、送信されることができる。
【0018】
受信機250において、Rアンテナ252aから252rは、送信機210からT変調された信号を受信することができ、また、各アンテナ252は、各受信機(RCVR)254に対して受信信号を提供することができる。各受信機254は、サンプルを得るために、その受信信号をコンディションする(例、増幅する、フィルタにかける、ダウンコンバートする、そしてデジタル化する)ことができ、そして、関連付けられたデモジュレータ(DEMOD)256および獲得プロセッサ260に対してサンプルを提供することができる。獲得プロセッサ260は、パケットについて検出するために、各パケットのタイミングおよび周波数を決定する等のために、すべてのR受信機254aから254r、からサンプルを受信し、処理することができる。各デモジュレータ256は、周波数エラーを取り除くためにそのサンプルを処理することができ、そして、受信シンボルを得るために周波数補正されたサンプル(例、OFDM用)をさらに処理することができる。MIMO検出器262は、送信機210から受信機250にチャネルレスポンスの推定を導き出すために受信シンボルを処理することができる。MIMO検出器262は、チャネル推定ですべてのRアンテナについて受信シンボル上でMIMO検出をさらに実行することができ、そして、アクセスポイント110によって送信されたデータシンボルの推定である、データシンボル推定を提供することができる。RXデータプロセッサ264は、そのあと、データシンボル推定を処理する(例、シンボルデマッピング、デインタリーブする、そして復号する)ことができ、そして、データシンク(data sink)(示されてはいない)、および/または、コントローラ/プロセッサ270に復号データを提供することができる。
【0019】
コントローラ/プロセッサ220および270は、送信機210および受信機250において、それぞれ、オペレーションを制御することができる。メモリ222および272は、送信機210および受信機250について、それぞれ、データおよびプログラムコードを保存することができる。
【0020】
IEEE802.11a/gは、−32から+31のインデックス(indices)を割り当てられた(assigned)、K=64サブキャリアに、システム帯域幅を分割するサブキャリア構造を使用する。これらの合計64サブキャリアは、±{1,…,6,8,…,20,22,…,26}のインデックスを備えた48データサブキャリアと、±{7,21}のインデックスを備えた4つのパイロットサブキャリアを含んでいる。0のインデックス(index)を備えたDCサブキャリアと、残余サブキャリア(remaining subcarriers)は、使用されない。このサブキャリア構造は、公的に入手可能であって、1999年9月、「第11部:無線LANメディアアクセス制御(MAC)および物理層(PHY)明細書:5GHz帯域における高速度物理層(Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications: High-speed Physical Layer in the 5 GHz Band)」と題されたIEEE標準規格802.11aにおいて説明されている。IEEE802.11nは、±{1,…,6,8,…,20,22,…,28}のインデックスを備えた52データサブキャリアと、±{7,21}のインデックスを備えた4つのパイロットサブキャリアと、を含む合計64のサブキャリアでサブキャリア構造を使用する。
【0021】
IEEE802.11において、メディアアクセス制御(MAC)層は、MACプロトコルデータユニット(MAC protocol data units)(MPDUs)としてデータを処理する。物理層コンバージェンスプロトコル(Physical Layer Convergence Protocol)(PLCP)は、そのあと、PLCPプロトコルデータユニット(PPDU)を生成するために、PLCPサービスデータユニット(PSDU)と呼ばれる、各MPDUを処理する。物理層は、そのあと、無線チャネルを介して送信される、フレームを生成するために、各PPDUを処理する。フレームは、パケットとも呼ばれることができる。
【0022】
図3は、IEEE802.11a/gにおいて使用されるフレーム/パケット構造を示す。物理層(PHY)で、データは、フレーム/パケットにおいて、処理され、そして送信される。各パケット300は、PLCPプリアンブル310、PLCPヘッダ320、PSDU330およびトレーラー340を含んでいる。PSDU330は、パケット300についてのトラフィックデータを搬送し、そして可変な長さ(variable length)を有している。トレーラー340は、必要であれば、6テイルビット(tail bits)およびパッドビット(pad bits)を含む。
【0023】
PLCPプリアンブル310は、tからt10として表示される10のショートトレーニングシンボルを含んでおり、ロングトレーニングシンボルのためのガードインターバルが続き(followed by)、さらにTとTとして表された2つのロングトレーニングシンボルが続く。10のショートトレーニングシンボルは、2つのOFDMシンボル期間において送信される。ガードインターバルおよび2つのロングトレーニングシンボルは、2つのOFDMシンボル期間においてさらに送信される。各OFDMシンボル期間は、IEEE802.11a/gにおいて4マイクロ秒(μs)である。
【0024】
ショートトレーニングシンボルは、12の特定変調シンボルを12の特定サブキャリアにマッピングし、0シグナル値を残余52サブキャリアにマッピングし、そして、64の時間ドメインサンプル(64 time-domain samples)を得るために、合計64のシンボル上で、64ポイント高速フーリエ変換(FFT)を実行することによって、生成される。12の変調シンボルは、周波数ドメインにおいて4つのサブキャリアの倍数(multiples)によって離れて配置される、12サブキャリアにマッピングされる。これは、cからc16として表される16サンプルを含んでいる各シーケンスで、4つの同一のシーケンスから成り、周期的(periodic)である、64の時間ドメインサンプルを結果としてもたらす。各ショートトレーニングシンボルは、16サンプルの1シーケンスである。最後のショートトレーニングシンボルは、受信機250(IEEE802.11a/gで明記されておらず、図3において示されていない)によって時間オリジン(time origin)の検出を改善するために、逆にされることができる。10のショートトレーニングシンボルは、合計160サンプルを含む。
【0025】
ロングトレーニングシンボルは、52の特定サブキャリアに52の特定変調シンボルをマッピングし、残余の12サブキャリアに0信号値をマッピングし、zからz64として示された64の時間ドメインサンプルを得るために合計64のシンボル上で64ポイントFFTを実行することによって、生成される。ガードインターバルは、FFT出力の最後の32サンプルz33からz64を含む。各ロングトレーニングシンボルは、64サンプルの1シーケンスである。T送信アンテナのためのガードインターバルおよびロングトレーニングシンボルは、相違(diversity)を改善するために異なる量によって循環的にシフトされることができる。2つのロングトレーニングシンボルおよびガードインターバルは、160サンプルの合計を含む。ショートおよびロングトレーニングシンボルは、IEEE802.11a/gドキュメントにおいて説明されている。
【0026】
受信機250は、いつあるいはどの送信機が送信されるか、アプリオリ(a priori)を知らないかもしれない。異なる送信機は、異なるリファレンスクロック周波数を有してもよく、したがって、受信機250の周波数およびタイミングに関する、異なるタイミングおよび/あるいは周波数オフセットを有してもよい。受信機250は、それの電源を入れる間(while it is powered on)送信機からパケットについて継続的に検出することができる。受信機250は、送信機ソースおよび各パケットの周波数が知られていないかもしれないので、独立して各パケットを獲得することができる。受信機250は、各パケットのために以下を実行することができる:
・パケット検出―パケットの存在を検出する
・パケットの開始検出―パケットの開始を検出する
・粗周波数推定―粗周波数エラー(coarse frequency error)を推定する
・良質周波数推定および補正―パケットについてのサンプルにおける良質周波数エラー(fine frequency error)を推定し補正する
・自動利得制御(Automatic gain control)(AGC)―受信電力に基づいて受信機利得を調整する
・パケットの終了検出―パケットの終了を検出する
タスクのそれぞれは、下に説明されているように実行されることができる。
【0027】
受信機250は、各パケットのPLCPヘッダ(PLCP header)において、ショートおよびロングトレーニングシンボルに基づいて、検出および獲得を実行することができる。より多くの時間が他のタスクについて利用可能であることができるように、可能な限り早くそして正確にパケットの存在を検出することは望ましい。PLCPヘッダが確実に(reliably)復号されることができるように、PLCPヘッダの開始によっていずれの周波数エラーを補正することもまた望ましい。
【0028】
受信機250は、遅延−乗算−積分技術に基づいてパケット検出を実行することができる。この技術に関して、Nサンプルのウィンドウ上で遅延−乗算−積分オペレーションは、以下のように与えられる。
【数1】

【0029】
ただし、xi,jは、i番目サンプル期間におけるj番目アンテナからのサンプルであって、
は、k番目ウィンドウについての検出値である、そして、
「*」は、複素共役を表す。
【0030】
式(1)は、16の遅延で自己相関(auto-correlation)を実行し、それは、1つのショートトレーニングシンボルの長さである。各アンテナjについて、サンプルxi,jは、16サンプル期間前からサンプルxi−16,jの複素共役で乗算される。ショートトレーニングシンボルは、16サンプルごとに繰り返すので、xi,jおよびxi−16,jは、同じ送信サンプルに対応するべきである。ウィンドウkにおけるNサンプルについての乗算結果は、アンテナjについての結果を得るために積分される。すべてのRアンテナについての結果は、そのあとで、ウィンドウkについての検出値Cを得るために、加算される。ウィンドウサイズNは、いずれの適切に選択された値であってもよい。例えば、Nは、図3で示されるショートトレーニングシンボルについての16、32、などに等しくてもよい。ウィンドウkは、いずれのサンプル期間において開始できる。
【0031】
Nサンプルの各ウィンドウの電力もまた、以下のように計算されることができる。
【数2】

【0032】
ここでは、Pは、k番目のウィンドウについての電力値である。電力は、サンプルxi,jをその複素共役xi,jで乗算することによって得られる(16サンプル期間早い別のサンプルの複素共役の代わりに)。
【0033】
一般に、検出値Cおよび電力値Pは、R受信機254aから254rから、得られたサンプルの各ウィンドウについて、計算されることができる。明らかにするために、ウィンドウインデックスkおよびインデックスiは、パケットの開始に関して定義される。実際には、受信機250は、パケットについて検出するときに、パケットの開始を知らず、インデックスkおよびiは、時間にわたって単に増加される。
【0034】
以下のように、検出値Cは、Lウィンドウにわたって平均されることができる:
【数3】

【0035】
ただしAは、k番目ウィンドウについての平均検出値である。式(3)は、現在のウィンドウおよびL−1前のウィンドウについての検出値に基づいて、現在のウィンドウについての平均検出値を計算する。Lは、いずれの適切に選択された値、例えばL=4、であってもよい。式(3)は、LウィンドウについてのL検出値に基づいて計算されることができる。代替的に、式(3)は、前のウィンドウについて平均値に基づいて現在のウィンドウについての平均値を計算する効率的な方法である、移動平均(moving average)で、インプリメントされることができる。一般的に、平均することは、少なくとも2つの値に基づいて、平均値、例えば現在のおよび前の値(current and prior values)、を導き出すプロセスを指す。平均することは、式(3)で示される機能、有限インパルスレスポンス(finite impulse response)(FIR)フィルタ機能、無限インパルスレスポンス(infinite impulse response)(IIR)フィルタ機能、等のような、いずれの機能に基づいて、実行されることができる。
【0036】
以下のように、電力値は、L+1ウィンドウにわたって平均されることができる。
【数4】

【0037】
ここでは、Bは、k番目ウィンドウについての平均電力値である。
【0038】
平均検出値Aは、サンプルのL+1ウィンドウに基づいて得られる。初めの2つのウィンドウは、第1の検出値を生成するために使用され、また、各追加のウィンドウは、1つの追加の検出値を提供する。平均電力値Bは、1つの電力値Pを提供する各ウィンドウで、サンプルのL+1ウィンドウに基づいて、さらに得られる。したがって、AおよびBは、サンプルの同じブロックにわたって、計算される。
【0039】
メトリック値Mは、各ウィンドウkについて、以下のように、計算されることができる:
【数5】

【0040】
一設計においては、パケットの検出は、以下のように、定義されることができる。
【0041】
もしM>MTHである場合、そのときには、パケットの存在を宣言する 式(6)
そうではなくてもしM≦MTHである場合、そのときにはパケットなしを宣言する ただし、MTHは、検出スレッシュホールド(threshold)である。
【0042】
THは、検出の確率と偽アラーム(false alarm)の確率との間で、トレードオフ(trade off)に基づいて選択されることができる。検出の確率は、それが存在するとき、パケットの存在を宣言する(declaring)確率である。偽アラームの確率は、それが存在しないとき、パケットの存在を宣言する確率である。MTHは、Aの計算におけるファクタ1/Lと、Bの計算におけるファクタ1/(L+1)を、含むように、さらに定義されることができる。このケースにおいて、ファクタ1/Lは、式(3)から取り除かれることができ、ファクタ1/(L+1)は、式(4)から取り除かれることができる。
【0043】
式(5)は、比の機能(ratio function)に基づいてメトリック値Mの導出を示し、式(6)は、パケット検出の一設計を示す。一般に、パケット検出のために使用されるメトリック値は、いずれの入力パラメータを受信することができる、いずれの機能に基づいて定義されることができる。パケット検出のテストは、メトリック値を計算するように使用された機能に基づいて定義されることができる。
【0044】
図4は、N=16、L=4を備えた、パケットについてのC、P、A、BおよびMの計算を図示しており、各ウィンドウは1つのショートトレーニングシンボルをカバーする。明らかにするために、サンプルインデックスiは、パケットにおける第1のサンプルについては、0ではじまり、そしてウィンドウインデックスkは、パケットにおいて第1のショートトレーニングシンボルについては、0で始まる。1つの検出値Cは、第1のショートトレーニングシンボルの後で、各ショートトレーニングシンボルのために得られる。1つの電力値Pは、各ショートトレーニングシンボルについて得られる。平均検出値A、平均電力値B、および、メトリック値Mは、k=4で第5のショートトレーニングシンボルで始まる各ショートトレーニングシンボルについて得られる。
【0045】
L+1ウィンドウにわたってCおよびPの平均化は、検出パフォーマンスを改善することができる、AおよびBの信頼性(reliability)を、それぞれ、改善することができる。AおよびBは、図4に図示されているように、NサンプルのL+1ウィンドウをカバーするスライディングのより大きいウィンドウ(a sliding larger window)にわたって、本質的に計算される。各ウィンドウkについて(すべてのL+1ウィンドウの代わりに)AおよびBを計算することによって、パケット検出に関する決定は、各ウィンドウk(すべてのL+1ウィンドウの代わりに)においてなされることができる。
【0046】
検出信頼性を改善するために、パケットの検出は、スレッシュホールドMTHを超えるマルチプルメトリック値に関してコンディションされることができる。以下のとおりに、一設計において、パケットは、2つの連続的なウィンドウkおよびk+1、それぞれについて、2つのメトリック値MおよびMk+1に基づいて宣言されてもよい:
もし(M>MTH)且つ(Mk+1>MTH)の場合には、そのときには、パケットの存在を宣言する 式(7)
そうでなければパケットなしを宣言する。
【0047】
一般に、パケットの検出は、任意の数のウィンドウについての任意の数のメトリック値に基づくことができる。
【0048】
検出信頼性をさらに改善するために、パケットの検出は、有効周波数エラーを有するサンプル上でコンディションされることができる。IEEE802.11aについては、送信機における最大周波数エラーが±20パーツ・パー・ミリオン(parts per million)(ppm)であって、それは、5.8Ghzにおける±230KHzに対応する。20メガサンプル毎秒(mega samples per second)(Msps)のサンプルレートについては、各ショートトレーニングシンボルは、800ナノ秒(nano seconds)(ns)にわたり、また、1つのショートトレーニングシンボルによって離れて配置された2つのサンプル間の最大位相シフトは、±0.184サイクルである。MTHを超える与えられたウィンドウMについて、そのウィンドウについての平均位相シフトが0.184サイクルよりも大きい場合、偽アラームは、宣言されてもよい。
【0049】
式(1)における量xi,j・xi−16,jは、サンプルxi−16,jからサンプルxi,jまで位相シフトを与え、それは16サンプル期間後である。Cの角度は、ウィンドウkにおけるサンプルに基づいて16サンプル期間にわたって、平均位相シフトを提供する。Aの角度は、Aを計算するように使用されたLウィンドウにおけるサンプルに基づいて16サンプル期間にわたって平均位相シフトを提供する。ウィンドウkについての平均位相シフトθは、以下のように得られることができる。
【数6】

【0050】
式(7)で示されているようにもしパケットが宣言される場合には、そのときには、ウィンドウkおよびk+1についての平均位相シフトθおよびθk+1は、それぞれ、以下のように、計算され、位相スレッシュホールドθTHと比較されることができる。
【0051】
もし(θ>θTH)あるいは(θk+1>θTH)の場合には、そのときには、偽アラームあるいはパケットなしと宣言する。 式(9)
位相スレッシュホールドθTHは、0.184×2πラジアンよりも大きい任意の値にセットされることができる。例えば、θTHは、インプリメンテーションを簡略化するために、θTH=π/4ラジアンにセットされることができる。
【0052】
検出されたパケットのタイミングは、ショートおよびロングトレーニングシンボル間の境界を検出することによって決定されることができる。これを達成するために、検出値Cは、以下のように、各サンプル期間iについて計算されることができる。
【数7】

【0053】
式(10)は、対象(interest)の各サンプル期間についてのCを得るために、スライディング遅延乗算積分オペレーションを実行する。各サンプル期間において、Cは、現在のサンプルxi,jおよび63の早いサンプルから成る64サンプルのウィンドウに基づいて計算される。ノイズのない状態で、Cは、64サンプルウィンドウが(i)ショートおよびロングトレーニングシンボルの間の境界において中央に置かれるとき、(ii)2つのショートトレーニングシンボルおよびロングトレーニングシンボルの半分をカバーするとき、0を通り抜ける(goes through)。
【0054】
メトリック値Qiは、各サンプル期間iについて、以下のように、計算されることができる。
【数8】

【0055】
式(11)に示されているように、Qは、CおよびAに基づいて計算され、ここでは、Cは、サンプルごとにアップデートされ、Aは、Nサンプルのウィンドウごとにアップデートされる。
【0056】
ロングトレーニングシンボルの開始は、そのあと、以下のように検出されることができる:
<QTHの場合には、そのときには、サンプルiにおいてロングトレーニングシンボルの開始を宣言する。 式(12)
ただし、QTHは、スレッシュホールドである。QTHは、適切な正の値にセットされることができる。
最後のショートトレーニングシンボルが、逆さにされる場合(図3には示されていない)、そのときには、9番目および10番目のショートトレーニングシンボルの間の境界は、検知されることができる。このケースにおいて、Cは、16の遅延(64の代わりに)および、16の積分インターバル(64の代わりに)で計算されることができる。現在のサンプルxi,jよりも早い少なくとも16サンプルからのAは、逆ショートトレーニングシンボル(the inverted short training symbol)でAを汚す(contaminating)ことを避けるために、Qiを計算することに使用されることができる。QTHは、0にセットされることができる。
【0057】
いかなるケースにおいて、ロングトレーニングシンボルの開始を検出した後で、例えば式(12)で示されたように、Aの最後の値は、粗周波数エラー推定として使用されることができる。
【0058】
ロングトレーニングシンボルは、良質周波数補正に使用されることができる。検出値は、Mサンプルのウィンドウについて、以下のように、計算されることができる:
【数9】

【0059】
ただし、Dはサンプル期間mについての検出値である。ロングトレーニングシンボルが各64サンプルを繰り返すので、xi,jおよびxi−64,jは、同じ送信されたサンプルに対応すべきである。
【0060】
ショートおよびロングトレーニングシンボル間の境界は、検出されたパケットの時間オリジンとしてみなされ、そして、式(12)において示されるように決定されることができる。式(13)は、時間オリジンが知られたあとで計算されてもよく、そして、そのあとで単一のサンプル期間mについて計算されてもよい。積分するサンプルの数、M、は、いずれの適切な値、例えば16から64の間、であってもよい。より小さいMは、良質周波数補正の完了をより早く可能にすることができ、それは、代わりに、第2のロングトレーニングシンボルが周波数補正されること、そして、PLCPヘッダの復調についてのパイロット参照として使用されること、を可能にすることができる。
【0061】
の角度は、64サンプル期間にわたって、平均位相シフトφとして使用されることができ、そして以下のように与えられることができる:
【数10】

【0062】
5.8GHzにおける最悪なケースの周波数エラーの±20ppmの場合、1つのロングトレーニングシンボルによって離れて位置された、2つのサンプル間の最大位相シフトは、±0.736サイクルである。与えられた計算された位相値のyについて、|y|>0.264サイクルの場合、真の位相シフトはy、1−y、あるいは1+yサイクルであるかどうかを知られていないので、式(14)における平均位相シフトφは、それゆえに、あいまいである。
【0063】
良質位相シフトφにおける位相あいまい性は、ショートトレーニングシンボルから得られた粗位相シフトθを使用することによって、解決されることができる。64サンプルロングトレーニングシンボルにわたって位相シフトは、およそ16サンプルショートトレーニングシンボルにわたって位相シフトの4倍であるべきであって、すなわち、
【数11】

【0064】
であり、ここでは、φ’は、位相補正値である。φ’は、φ’を可能な限り4θに近づけるために、必要であれば、φに、1サイクルを、加える、あるいは、差し引くことによって得られることができる。
【0065】
サンプルごとの位相補正値φ’sは、64で良質位相補正値を割ることによって、すなわちφ’=φ’/64、得られることができる。受信機254aから254rまでサンプルは、周波数補正サンプルを得るために、サンプルごとの位相補正値φ’によって回転される(rotated)ことができる。
【0066】
別の設計において、良質周波数エラー推定は、ショートトレーニングシンボルに基づいて導き出す可能性がある。検出値Dは、平均検出値Aで、同時に計算されることができる。パケットが検出されるとき、平均位相シフトθkは、最新のAに基づいて決定されることができ、そして、必要であれば、良質位相補正値φ’を得るために、Dの角度は、決定され、θkで補正されることができる。φ’は、そのあとで、第1のロングトレーニングシンボルの到着の前に、サンプルに適用されることができる。この設計において、周波数補正されたサンプルは、2つのロングトレーニングシンボルについて得られることができ、そして受信シンボルを得るために64ポイントFFTsで変換されうる。チャネル推定は、そのあとで、受信シンボルに基づいて導き出されることができ、そして、PLCPヘッダのコヒーレント復調について使用されることができる。この設計は、周波数補正について、受信機254から、サンプルの追加バッファリング(additional buffering)を避けることができる。ロングトレーニングシンボルは、良質周波数エラー推定を精密にする(refine)ために、さらに使用されることができる。ロングトレーニングシンボルから得られた、良質周波数エラー推定へのアップデートは、いずれの時間においてサンプルに適用されることができる。第2のロングパイロットシンボルの終わりの近くのポイントへの積分は、最も正確な良質周波数エラーアップデートを提供することができる。
【0067】
AGCの場合、受信機250は、低電力パケットを検出するために、初めに最大利得にセットされることができる。受信機250の無線周波数(RF)フロントエンドは、最大利得で飽和させることができ、したがって、効率的に受信信号をクリッピングする(clipping)。したがって、式(1)における遅延−乗算−積分オペレーションは、クリッピングにもかかわらず、いまだに有効であろう。電力値Pは、電力スレッシュホールドに対して比較されることができ、そして、受信機利得は、電力スレッシュホールドが超えている場合には、減少しうる。受信機利得は、パケットの終了が検出されるまで保持されることができ、そしてそのあとで、最大値にリセットされることができる。
【0068】
PLCPヘッダのあと、OFDMシンボルの可変数が続くことができる。各OFDMシンボルは、(i)OFDMシンボルの便利な部分について64時間ドメインサンプルを得るために、64サブキャリアについて64シンボル上で64ポイントFFTを実行することによって、(ii)OFDMシンボル用の80サンプルを得るために、便利な部分の最後の16サンプルをコピーし、これらの16サンプルを便利な部分のフロントにアペンドする(appending)ことにより、ガードインターバルを便利な部分にアペンドすることによって、生成される。
【0069】
パケットの終了を検出するために、検出値は、各OFDMシンボルについて、以下のように、計算されることができる:
【数12】

【0070】
ただし、Gは、OFDMシンボル期間nについての検出値である。式(16)において、OFDMシンボルについてのガードインターバルの16サンプルは、OFDMシンボル期間の便利な部分の最後の16サンプルと相互に関係がある。
【0071】
スレッシュホールドGTHは、S OFDMシンボル期間についての検出値の平均に基づいて、以下のように、定義されることができる:
【数13】

【0072】
ただし、
【数14】

【0073】
は、スレッシュホールドについて使用するGの平均のパーセンテージである。
【0074】
各OFDMシンボル期間において、Gは計算されることができ、GTH、nはアップデートされることができ、Gは、GTH、nと比較されうる。一設計において、Gは、GTH、nよりも少ない場合には、パケットの終了は検出され、以下のように表されることができる:
<GTH、nである場合には、そのときには、パケットの終了を宣言する。 式(18)
別の設計において、Gが、GTH、nよりも少ない場合、そのときには、GTH、nはフリーズし(is frozen)、次のOFDMシンボル期間n+1についてのGが、GTH、nよりも少ない場合、Gn+1パケットの終了が検出され、以下のように表されることができる:
(G<GTH、n)且つ(Gn+1<GTH、n)の場合には、そのときには、パケットの終了を宣言する。 式(19)
パケットの終了は、他の方法でさらに検出されることができる。いずれのケースにおいて、パケットの終了が検出されるとき、AGCは最大利得にリセットされることができ、周波数オフセットは、次のパケットの準備が整うように、0にリセットされることができる。
【0075】
図5は、図2における獲得プロセッサ260の設計のブロック図を示す。ユニット510は、すべてのRアンテナからサンプルを受信し、例えば式(1)に示されているように、遅延−乗算−積分を実行し、そして、Nサンプルの各ウィンドウについての検出値Cを提供する。ユニット512は、例えば式(3)に示されているように、LウィンドウにわたってCの移動平均を計算し、各ウィンドウについての平均検出値Aを提供する。ユニット514は、例えば式(8)で示されているように、Aの位相を決定し、各ウィンドウについての平均位相シフトθを提供する。
【0076】
ユニット520は、例えば式(2)に示されているように、各ウィンドウにおいてすべてのRアンテナからサンプルに基づいて電力値Pを計算する。ユニット522は、例えば式(4)で示されているように、L+1ウィンドウにわたってPの移動平均を計算し、そして、各ウィンドウについて平均電力値Bを提供する。ユニット524は、各ウィンドウについて平均検出値Aおよび平均電力値Bを受信し、そして、そのウィンドウについてメトリック値Mを、例えば式(5)において示されているように、計算する。ユニット526は、メトリック値Mおよび可能性のある平均位相シフトθに基づいて、例えば式(6)、(7)および/また(9)に示されているように、パケットの存在について検出する。
【0077】
パケットが検出された後で、ユニット530は、式(10)において示されているように、各サンプル期間について検出値Cを計算する。ユニット534は、各サンプルについての検出値Cおよび最後のウィンドウについての平均検出値Aを、パケット検出の前に、受信し、そして、例えば式(11)に示されているように、各サンプル期間についてメトリック値Qを計算する。ユニット536は、例えば式(12)において示されているように、メトリック値Qに基づいてパケットの開始を検出し、パケットタイミングを提供し、それは、ショートおよびロングトレーニングシンボルの間の境界のサンプル期間、あるいは、パケットにおいて他のある既知ポイント、であってもよい。
【0078】
ユニット540は、例えば式(13)に示されているように、パケットタイミングによって決定された、特定のサンプル期間mについて検出値Dを計算する。ユニット544は、例えば式(14)に示されているように、Dの位相を決定し、そして、平均位相シフトφを提供する。ユニット546は、最後のショートトレーニングシンボルから得た平均位相シフトθと、ロングあるいはショートトレーニングシンボルのいずれかから得られた平均位相シフトφと、を受信し、周波数補正値φ’を、例えば式(15)に示されているように、決定する。
【0079】
パケット終了検出の場合、ユニット550は、例えば式(16)に示されているように、各OFDMシンボル期間についての検出値Gを計算する。ユニット522は、S OFDMシンボル期間にわたって、Gの移動平均を計算する。ユニット554は、例えば式(17)に示されているように、各OFDMシンボル期間について、スレッシュホールドGTH、nを計算する。ユニット556は、上で説明されたとおり、検出値Gおよびスレッシュホールド値GTH、nに基づいてパケットの開始を検出する。
【0080】
図6は、図5における、遅延−乗算−積分ユニット510および移動平均ユニット512、の設計のブロック図を示す。ユニット510内で、アンテナ1からのサンプルは、遅延ユニット610aおよび乗算器614aに提供される。遅延ユニット610aは、遅延の16サンプルを提供し、それは1つのショートトレーニングシンボルの継続時間(duration)である。ユニット612aは、遅延ユニット610aから受信された、各サンプルの複素共役を提供する。各サンプル期間において、乗算器614aは、受信されたサンプルを、ユニット612aからのサンプルで乗算し、積分器616aに結果を提供する。積分器616aは、各ウィンドウのスタートにおいてリセットされ、Nサンプル期間にわたって乗算器614aから結果を積分する。それぞれの残余のアンテナからのサンプルは、アンテナ1からのサンプルと同じ方法で、処理される。加算器618は、すべてのRアンテナについて積分器616aから616rの出力を加算し、各ウィンドウについて検出値Cを提供する。
【0081】
ユニット512内で、遅延ユニット620は、Lによって検出値Cを遅らせる、それは、Aについての移動平均の継続時間である。各ウィンドウについて、加算器622は、ユニット510からの検出値Cを、レジスタ624の出力で、加算し、遅延ユニット620の出力をさらに差し引き、そして平均検出値Aを提供する。ユニット622および624は、各ウィンドウkにおいてアップデートされる累算器(accumulator)を形成する。ユニット620は、先のLウィンドウから検出値Ck-Lを提供し、それは、移動平均がLウィンドウにわたるように、現在の累積結果(current accumulation result)から差し引かれる。
【0082】
ユニット610aから610rについての異なる遅延および/または、積分器610aから610rにおける異なる積分の長さを備えているにもかかわらず、図5のユニット530、540、および550は、ユニット510と同じ方法でインプリメントされることができる。遅延ユニット610aから610rを備えていないのにもかかわらず、ユニット520は、ユニット510と同じ方法でインプリメントされることができる。ユニット620について異なる遅延を備えているにもかかわらず、ユニット522および552は、ユニット512と同じ方法でインプリメントされることができる。
【0083】
図7は、図2のデモジュレータ256aから256rと、数値コントロールオシレータ(NCO)710と、の設計のブロック図を示す。NCO710は、獲得プロセッサ260の一部である。NCO710内で、加算器712は、サンプルごとの周波数補正値φ’を、例えば、図5の周波数エラー推定器546から、受信し、この周波数補正値を、レジスタ714からの現在の位相値(current phase value)で加算し、そして、レジスタ714にその出力を提供する。加算器712およびレジスタ714は、各サンプル期間においてアップデートされる、位相累積器を形成する。ルックアップテーブル716は、レジスタ714から現在の位相値を受信し、そして、この位相のサインおよびコサインを提供する。
【0084】
一設計において、周波数補正値は、500Hzの解像度(resolution)を有しており、位相累積器は、1/40,000サイクルの位相解像度を有している。レジスタ714は、この位相解像度を達成するために、17ビットでインプリメントされることができる。一設計において、ルックアップテーブル716は、0からπ/4までの512の異なる角度のための9ビットサインおよび9ビットコサインについての512×9表で、インプリメントされることができ、それは、50dB SNRについて提供することができる。ルックアップテーブル716は、他のサイズで、例えば1024×9等で、さらにインプリメントされることができる。
【0085】
各デモジュレータ256内で、乗算器722は、関連付けられたアンテナから複素値のサンプルを受信し、そのサンプルについてサインおよびコサインで各サンプルを乗算し、そして周波数補正されたサンプルを提供する。ユニット724は、図5のパケット開始検出器536から、パケットタイミングに基づいて、各OFDMシンボルについてのガードインターバルを取り除き、そして、OFDMシンボルについて64サンプルを提供する。FFTユニット726は、ユニット724から64サンプル上で64ポイントのFFTを実行し、そして、64のサブキャリアについて64の受信シンボルを提供する。
【0086】
送信機210は、デジタル処理用のサンプルクロックと、アップコンバージョン用のキャリア信号と、の両方を生成するために、単一のレファレンスオシレータを使用することができる。受信機250におけるサンプルは、そのあと、サンプルタイミングエラー同様、周波数エラーを有することができる。周波数エラーは、上で説明されるように、推定されることができ、乗算器722aから722rによって補正されることができる。サンプルタイミングエラーは、受信機254aから254r(図7には示されてはいない)からのサンプルを再サンプリングする(resampling)ことによって、補正されることができる。サンプルタイミングは補正されていない場合(図7で示されているように)、そのときは、パケットにわたって、サンプルにおけるタイミングドリフトは、OFDMシンボルにおいて位相スロープ(phase slope)を導入する(introduces)。この位相スロープは、パケットにわたって変化する。
【0087】
図8は、パケットの存在について検出するプロセス800の設計を示す。検出値は、複数のサンプルに基づいて、例えば式(1)で示されているように、決定されることができる(ブロック812)。電力値は、複数のサンプルに基づいて、例えば式(2)に示されるように、さらに決定されることができる(ブロック814)。複数のサンプルは、ショートトレーニングシンボル用のサンプルを備えてもよく、1以上の受信アンテナからであってもよい。各検出値は、各第1セットのサンプル上で遅延−乗算−積分を実行することによって、得られることができる。各電力値は、個別の第2のセットのサンプル上で、乗算―積分を実行することによって、得られることができる。検出値は、例えば式(3)で示されているように、平均検出値を得るために、平均されることができる(ブロック816)。電力値は、例えば式(4)で示されているように、平均電力値を得るために、さらに平均されることができる(ブロック818)。パケットが存在しているかは、そのあと、平均検出値および平均電力値に基づいて決定されることができる(ブロック820)。
【0088】
ブロック820の場合、メトリック値は、例えば式(5)に示されているように、平均検出値および平均電力値に基づいて、決定されることができる。一設計において、もしメトリック値がスレッシュホールド値を超える場合には、パケットの存在は宣言されうる。別の設計において、もしマルチプル(例えば2つの連続の)メトリック値がスレッシュホールド値を超える場合には、パケットの存在は、宣言されることができる。さらに別の設計において、位相シフトは、平均検出値に基づいて決定されることができ、また、パケットが存在しているかは、位相シフトにさらに基づいて決定されることができる。例えば、もし位相シフトが位相スレッシュホールドを超える場合には、いかなるパケットも存在していないということは宣言されることができる。
【0089】
図9は、パケットの存在を検出する装置900の設計を示す。装置900は、複数のサンプルに基づいて、例えば第1セットのサンプル上で遅延−乗算−積分を実行することによって、検出値を決定するための手段(モジュール912)と、複数のサンプルに基づいて、例えば第2のセットのサンプル上で乗算―積分を実行することによって、電力値を決定するための手段(モジュール914)と、平均検出値を得るために検出値を平均するための手段(モジュール916)と、平均電力値を得るために電力値を平均するための手段(モジュール918)と、平均検出値および平均電力値に基づいて、パケットが存在するかどうかを決定するための手段(モジュール920)と、含む。
【0090】
図10は、パケットの開始を検出する、プロセス1000の設計を示す。第1の検出値は、サンプルのウィンドウに基づいて、例えば式(1)および(3)で示されるようにサンプルのウィンドウ上で遅延−乗算−積分を実行することによって、決定されることができる(ブロック1012)。第2の検出値は、マルチプルサンプルのそれぞれについて、例えば式(10)で示されるようにスラインディング遅延−乗算−積分を実行することによって、決定されることができる(ブロック1014)。第1の検出値を導き出すのに使用されたサンプルのウィンドウは、各第2の検出値を導き出すのに使用されたサンプルよりも早いかもしれない。メトリック値は、例えば式(11)に示されているように、マルチプルサンプルについて第1の検出値および第2の検出値に基づいて計算されることができる(ブロック1016)。パケットの開始は、メトリック値およびスレッシュホールドに基づいて、例えば式(12)に示されるように、決定されることができる(ブロック1018)。
【0091】
図11は、パケットの開始を検出する、装置1100の設計を示す。装置1100は、サンプルのウィンドウに基づいて、例えばサンプルのウィンドウ上で遅延−乗算−積分を実行することによって、第1の検出値を決定するための手段(モジュール1112)と、例えばスライディング遅延−乗算−積分を実行することによって、マルチプルサンプルのそれぞれについての第2の検出値を決定するための手段(モジュール1114)と、マルチプルサンプルについての第1の検出値および第2の検出値に基づいてメトリック値を計算するための手段(モジュール1116)と、メトリック値およびスレッシュホールドに基づいてパケットの開始を決定するための手段(モジュール1118)と、含む。
【0092】
図12は、周波数補正のためのプロセス1200の設計を示す。パケットについての粗周波数エラー推定は、式(1)、(3)、および(8)において示されるように、例えば第1の複数のサンプル上で遅延−乗算−積分を実行することによって得られた、少なくとも1つの第1の検出値に基づいて、導き出される可能性がある(ブロック1212)。パケットについての良質周波数エラー推定は、式(13)および(14)において示されるように、例えば第2の複数のサンプル上で遅延−乗算−積分を実行することによって得られた、第2の検出値に基づいて、導き出される可能性がある(ブロック1214)。少なくとも1つの第1の検出値についての遅延−乗算−積分は、第1の遅延、例えば16サンプル、に基づくことができる。第2の検出値についての遅延−乗算−積分は、より正確で良質周波数エラー推定を得るために、第1の遅延よりも長い、第2の遅延(例、64サンプル)に基づくことができる。第1の複数のサンプルは、ショートトレーニングシンボルについてのサンプルを備えることができる。第2の複数のサンプルは、ショートおよび/またはロングトレーニングシンボルについてのサンプルを備えることができる。
【0093】
パケットについての周波数補正値は、粗および良質周波数エラー推定に基づいて、例えば、良質周波数エラー推定における位相あいまい性を解決するために、粗周波数エラー推定を使用することによって、導き出される可能性がある(ブロック1216)。例えば、第1の位相値は、粗周波数エラー推定に基づいて得られることができ、第2の位相値は、良質周波数エラー推定に基づいて得られることができ、第1の位相値は、第2の位相値におけるあいまい性を解決するために使用されることができ、また、あいまい性が解決された第2の位相値は、周波数補正値として提供されることができる。パケットについてのサンプルの周波数は、周波数補正値に基づいて補正されることができる(ブロック1218)。
【0094】
図13は、周波数補正のための装置1300の設計を示す。装置1300は、パケットについて粗周波数エラー推定を、例えば第1の複数のサンプル上で遅延−乗算−積分を実行することによって得られた、少なくとも1つの第1の検出値に基づいて、導き出すための手段(モジュール1312)と、パケットについて良質周波数エラー推定を、例えば第2の複数のサンプル上で遅延−乗算−積分を実行することによって得られた、第2の検出値に基づいて、導き出すための手段(モジュール1314)と、粗および良質周波数エラー推定に基づいて、例えば良質周波数エラー推定における位相あいまい性を解決するために粗周波数エラー推定を使用することによって、パケットについての周波数補正値を導き出すための手段(モジュール1316)と、周波数補正値に基づいてパケットについてのサンプルの周波数を補正するための手段(ブロック1318)と、を含む。
【0095】
図14は、パケットの終了について検出するプロセス1400の設計を示す。検出値は、式(16)で示されているように、マルチプルシンボル期間のそれぞれについて、例えばガードインターバルをシンボル期間における対応する便利な部分で相互関連づけることによって、決定されることができる(ブロック1412)。一般に、伝送シンボルのいずれのコピーされた部分は、そのシンボルについての検出値を得るためにオリジナル部分で相互関連づけられることができる。スレッシュホールド値は、式(17)で示されているように、例えば現在のシンボル期間に至るまでのSシンボル期間について(for S symbol periods up to the current symbol period)、S検出値の移動平均に基づいて、決定されることができる(ブロック1414)。パケットの終了は、マルチプルシンボル期間についての検出値およびスレッシュホールド値に基づいて、決定されることができる(ブロック1416)。一設計において、検出値は、各シンボル期間においてスレッシュホールド値に対して、比較されることができ、スレッシュホールド値は、スレッシュホールド値よりも少ない検出値であるシンボル期間の後、フリーズする可能性があり、また、パケットの終了は、もし次のシンボル期間についての検出値がスレッシュホールド値よりも少ない場合、宣言されうる。
【0096】
図15は、パケットの終了について検出する装置1500の設計を示す。装置1500は、例えば対応する便利な部分でガードインターバルを相互関連づけることによって、マルチプルシンボル期間のそれぞれについての検出値を決定するための手段(モジュール1512)と、例えば、現在のシンボル期間にいたるまでのSシンボル期間について、S検出値の移動平均に基づいて、各シンボル期間についてのスレッシュホールド値を決定するための手段(モジュール1514)と、マルチプルシンボル期間について、検出値およびスレッシュホールド値に基づいてパケットの終了を決定するための手段(モジュール1516)と、を含む。
【0097】
図16は、パケットを処理するためのプロセス1600の設計を示す。第1の検出値Cは、第1の複数のサンプルに基づいて決定されることができる(ブロック1612)。電力値Pは、第1の複数のサンプルに基づいて、決定されることができる(ブロック1614)。パケットが存在するかどうかは、検出値および電力値に基づいて決定されることができる(ブロック1616)。第2の検出値Cは、第2の複数のサンプルに基づいて決定されることができる(ブロック1618)。パケットの開始は、第1および第2の検出値に基づいて、決定されることができる(ブロック1620)。第3の検出値Dは、第3の複数のサンプルに基づいて、決定されることができる(ブロック1622)。パケットの周波数エラーは、第1および第3の検出値に基づいて推定されることができる(ブロック1624)。第4の検出値Gは、第4の複数のサンプルに基づいて決定されることができる(ブロック1626)。パケットの終了は、第4の検出値に基づいて決定されることができる(ブロック1628)。
【0098】
図17は、パケットを処理するための装置1700の設計を示す。装置1700は、第1の複数のサンプルに基づいて第1の検出値Cを決定するための手段(モジュール1712)と、第1の複数のサンプルに基づいて電力値Pを決定するための手段(モジュール1714)と、検出値および電力値に基づいてパケットが存在するかどうかを決定するための手段(モジュール1716)と、第2の複数のサンプルに基づいて第2の検出値Cを決定するための手段(モジュール1718)と、第1および第2の検出値に基づいてパケットの開始を決定するための手段(モジュール1720)と、第3の複数のサンプルに基づいて第3の検出値Dを決定するための手段(モジュール1722)と、第1および第3の検出値に基づいてパケットの周波数エラーを推定するための手段(モジュール1724)と、第4の複数のサンプルに基づいて第4の検出値Gを決定するための手段(モジュール1726)と、第4の検出値に基づいてパケットの終了を決定するための手段(モジュール1728)と、を含む。
【0099】
図9、11、13、15および17は、プロセッサ、電子デバイス、ハードウェアデバイス、電子コンポーネント、論理回路(logical circuits)、メモリ等、あるいはそれらのいずれの組み合わせを備えることができる。
【0100】
上で説明される遅延−乗算−積分技術は、良質の検出パフォーマンスを提供することができ、そして、無線環境においてマルチパスによって影響を受けない。別の設計においては、パケット検出は、既知サンプルとの相関に基づいて実行される。この設計においては、受信サンプルは、異なる時間オフセットにおいてショートトレーニングシンボルについての知られたサンプルと、相互に関連がある。異なるマルチパスに対応することができる、第1のスレッシュホールドを超えている検出値は、最後の検出値を得るために組み合わされることができる。最後の検出値は、そのあとで、パケットの存在を検出するために第2のスレッシュホールドと、比較されることができる。強い検出値をもたらすタイムオフセットは、パケットの開始を決定するために使用されることができる。
【0101】
ここに説明された技術は、様々な手段によってインプリメントされることができる。例えば、これらの技術はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアあるいはそれらの組み合わせでインプリメントされることができる。ハードウェアのインプリメンテーションに関しては、その技術を実行するのに用いられる処理ユニットは、1あるいはそれ以上の特定用途向け集積回路(ASICs)、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、デジタル信号処理デバイス(DSPDs)、プログラマブル論理デバイス(PLDs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、ここに説明された機能を実行するように設計された他の電子ユニット、コンピュータ、あるいはこれらの組み合わせでインプリメントされることができる。
【0102】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアのインプリメンテーションに関して、技術は、ここに説明された機能を実行するモジュール(例えばプロシージャ、機能等)でインプリメントされることができる。ファームウェアおよび/またはソフトウェアのインストラクションは、メモリ(例、図2におけるメモリ272)において保存されることができ、そして、プロセッサ(例、プロセッサ260あるいは270)によって実施されることができる。メモリは、プロセッサ内であるいはプロセッサの外でインプリメントされることができる。ファームウェアおよび/またはソフトウェアのインストラクションはまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、電子的消去可能PROM(EEPROM)フラッシュメモリ、コンパクトディスク(CD)、磁気あるいは光学データ記憶装置、等に保存されることができる。
【0103】
本開示の、以上の説明は、いずれの当業者も本開示を作り、使用することができるように提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者にとって容易に明らかであろう、そして、ここにおいて定義された包括的な原理は、本開示の精神あるいは範囲から逸脱することなく、他の変形に適用されることができる。したがって、本開示は、ここに説明された例に限定されるようには意図されておらず、ここに開示された原理および新規な特徴に整合する最も広い範囲が与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサンプルに基づいて検出値を決定するように、前記複数のサンプルに基づいて電力値を決定するように、平均検出値を得るために前記検出値を平均するように、平均電力値を得るために前記電力値を平均するように、そして、前記平均検出値および前記平均電力値に基づいてパケットが存在するかどうかを決定するように、構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えている装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、マルチプルアンテナから前記複数のサンプルを受信するように、前記マルチプルアンテナから個別の第1セットのサンプルに基づいて各検出値を決定するように、そして、前記マルチプルアンテナから個別の第2セットのサンプルに基づいて各電力値を決定するように、構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記検出値を得るためにサンプルのウィンドウ上で遅延−乗算−積分を実行するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、対応する遅延されたサンプルで、サンプルのウィンドウにおいて各サンプルを乗算するように、そして、前記ウィンドウについて検出値を得るために、前記ウィンドウにおいてすべてのサンプルについての前記の乗算の結果を積分するように、構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記平均検出値および前記平均電力値に基づいてメトリック値を決定するように、また、もしメトリック値がスレッシュホールド値を超える場合にはパケットは存在すると宣言するように、構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記平均検出値および前記平均電力値に基づいてメトリック値を決定するように、また、もしマルチプルメトリック値がスレッシュホールド値を超える場合にはパケットは存在すると宣言するように、構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記平均検出値に基づいて位相シフトを決定するように、そして、さらに前記位相シフトに基づいてパケットが存在しているかを決定するように、構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、もし位相シフトが位相スレッシュホールドを超える場合にはパケットは存在していないと宣言するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記複数のサンプルは、ショートトレーニングシンボルについてのサンプルを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記電力値に基づいて受信機利得を調整するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
複数のサンプルに基づいて検出値を決定することと、
前記複数のサンプルに基づいて電力値を決定することと、
平均検出値を得るために前記検出値を平均することと、
平均電力値を得るために前記電力値を平均することと、
前記平均検出値および前記平均電力値に基づいてパケットが存在するかどうかを決定することと、
を備えている方法。
【請求項12】
前記検出値を前記決定することは、
前記検出値を得るためにサンプルのウィンドウ上で遅延−乗算−積分を実行することを備えている、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
パケットが存在するかどうかを前記決定することは、
前記平均検出値および前記平均電力値に基づいてメトリック値を決定することと、
もし少なくとも1つのメトリック値がスレッシュホールド値を超える場合には、パケットが存在するかどうかを宣言することと、
を備えている、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
パケットが存在するかどうかを前記決定することは、
前記平均検出値に基づいて位相シフトを決定することと、
さらに前記位相シフトに基づいてパケットが存在するかどうかを決定することと、
を備えている、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
複数のサンプルに基づいて検出値を決定するための手段と、
前記複数のサンプルに基づいて電力値を決定するための手段と、
平均検出値を得るために前記検出値を平均するための手段と、
前記平均検出値および前記平均電力値に基づいて、パケットが存在するかどうかを決定するための手段と、
を備えている装置。
【請求項16】
前記検出値を決定するための前記手段は、
前記検出値を得るために、サンプルのウィンドウ上で遅延−乗算−積分を実行するための手段を備えている、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
パケットが存在するかどうかどうかを決定するための前記手段は、
前記平均検出値と前記平均電力値に基づいてメトリック値を決定するための手段と、 もし少なくとも1つのメトリック値がスレッシュホールド値を超える場合にはパケットは存在すると宣言するための手段と、
を備えている、
請求項15に記載の装置。
【請求項18】
パケットが存在するかどうかを決定するための前記手段は、
前記平均検出値に基づいて位相シフトを決定するための手段と、
さらに前記位相シフトに基づいてパケットが存在するかどうかを決定するための手段と、
を備えている、
請求項15に記載の装置。
【請求項19】
サンプルのウィンドウに基づいて第1の検出値を決定するように、マルチプルサンプルのそれぞれについての第2の検出値を決定するように、そして、前記マルチプルサンプルについて前記第1の検出値および第2の検出値に基づいてパケットの開始を決定するように、構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えている装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記第1の検出値を得るためにサンプルの前記ウィンドウ上で遅延−乗算−積分を実行するように、そして、前記マルチプルサンプルのそれぞれについての前記第2の検出値を得るためにスライディング遅延−乗算−積分を実行するように、構成されている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の検出値を導き出すように使用されたサンプルの前記ウィンドウは、各第2の検出値を導き出すのに使用されたサンプルよりも早い、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記プロセッサは、前記第1の検出値および前記第2の検出値に基づいてメトリック値を計算するように、そして、前記メトリック値およびスレッシュホールドに基づいて前記パケットの前記開始を決定するように、構成されている、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
サンプルのウィンドウに基づいて第1の検出値を決定することと、
マルチプルサンプルのそれぞれについて第2の検出値を決定することと、
前記マルチプルサンプルについて前記第1の検出値と第2の検出値に基づいてパケットの開始を決定することと、
を備えている方法。
【請求項24】
前記パケットの前記開始を決定することは、
前記第1の検出値および前記第2の検出値に基づいてメトリック値を計算することと、 前記メトリック値およびスレッシュホールドに基づいて前記パケットの前記開始を決定することと、
を備えている、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
パケットについての粗周波数エラー推定を導き出すように、前記パケットについて良質周波数エラー推定を導き出すように、前記粗および良質周波数エラー推定に基づいて前記パケットについて周波数補正値を導き出すように、前記周波数補正値に基づいて前記パケットについてサンプルの周波数を補正するように、構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えている装置。
【請求項26】
前記プロセッサは、少なくとも1つの第1の検出値を得るために第1の複数のサンプル上で遅延−乗算−積分を実行するように、前記少なくとも1つの第1の検出値に基づいて前記粗周波数エラー推定を導き出すように、第2の検出値を得るために第2の複数のサンプル上で遅延−乗算−積分を実行するように、そして、前記第2の検出値に基づいて前記良質周波数エラー推定を導き出すように、構成されている、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの第1の検出値を得るために第1の遅延で遅延−乗算−積分を実行するように、そして、前記第2の検出値を得るために前記第1の遅延よりも大きい第2の遅延で遅延−乗算−積分を実行するように、構成されている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記プロセッサは、前記良質周波数エラー推定における位相あいまい性を解決するために、前記粗周波数エラー推定を使用するように、構成されている、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記プロセッサは、前記粗周波数エラー推定に基づいて第1の位相値を得るように、前記良質周波数エラー推定に基づいて第2の位相値を得るように、前記第2の位相値においてあいまい性を解決するために前記第1の位相値を使用するように、そして、前記周波数補正値として、前記あいまい性が解決された第2の位相値を提供するように、構成されている、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記第1の複数のサンプルは、ショートトレーニングシンボルについてのサンプルを備えており、また、前記第2の複数のサンプルは、ロングトレーニングシンボルについてのサンプルを備えている、請求項25に記載の装置。
【請求項31】
前記第1および第2の複数のサンプルは、それぞれショートトレーニングシンボルについてのサンプルを備えている、請求項25に記載の装置。
【請求項32】
パケットについての粗周波数エラー推定を導き出すことと、
前記パケットについての良質周波数エラー推定を導き出すことと、
前記粗および良質周波数エラー推定に基づいて、前記パケットについての周波数補正値を導き出すことと、
前記周波数補正値に基づいて前記パケットについてのサンプルの周波数を補正することと、
を備えている方法。
【請求項33】
前記粗周波数エラー推定を前記導き出すことは、
少なくとも1つの第1検出値を得るために第1の複数のサンプル上で遅延−乗算−積分を実行することと、
前記少なくとも1つの第1の検出値に基づいて前記粗周波数エラー推定を導き出すことと、
を備えており、また、前記良質周波数エラー推定を前記導き出すことは、
第2の検出値を得るために第2の複数のサンプル上で遅延−乗算−積分を実行することと、
前記第2の検出値に基づいて前記良質周波数エラー推定導き出すことと、
を備えている、
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記周波数補正値を前記導き出すことは、
前記良質周波数エラー推定における位相あいまい性を解決するために、前記粗周波数エラー推定を使用することを備えている、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
マルチプルシンボル期間のそれぞれについての検出値を決定するように、そして、前記マルチプルシンボル期間についての複数の検出値に基づいてパケットの終了を検出するように、構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えている装置。
【請求項36】
前記プロセッサは、前記シンボル期間において、対応する便利な部分でガードインターバルを相互関連づけることによって、各シンボル期間についての前記検出値を決定するように構成されている、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記プロセッサは、現在のシンボル期間に至るまでのSシンボル期間について、S検出値の平均に基づいて各シンボル期間についてのスレッシュホールド値を決定するように構成されており、Sは1あるいはそれより大きい場合、前記マルチプルシンボル期間についての前記検出値およびスレッシュホールド値に基づいて前記パケットの前記終了を検出するように構成されている、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記プロセッサは、各シンボル期間において前記スレッシュホールド値に対して前記検出値を比較するように、前記検出値が前記スレッシュホールド値よりも少ないシンボル期間の後で前記スレッシュホールド値をフリーズするように、そして、もし次のシンボル期間についての前記検出値が前記スレッシュホールド値よりも少ない場合には前記パケットの前記終了を宣言するように、構成されている、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
マルチプルシンボル期間のそれぞれについての検出値を決定することと、
前記マルチプルシンボル期間について検出値に基づいてパケットの終了を検出することと、
を備えている方法。
【請求項40】
前記パケットの前記終了を前記検出することは、
Sが1あるいはそれより大きい場合、現在のシンボル期間に至るまでのSシンボル期間について、S検出値の平均に基づいて各シンボル期間についてのスレッシュホールド値を決定することと、
前記マルチプルシンボル期間についての前記検出値およびスレッシュホールド値に基づいて、前記パケットの前記終了を検出することと、
を備えている、
請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記パケットの前記終了を前記検出することは、
各シンボル期間において前記スレッシュホールド値に対して前記検出値を比較することと、
前記検出値が前記スレッシュホールド値よりも少ないシンボル期間の後で前記スレッシュホールド値をフリーズすることと、
もし次のシンボル期間についての前記検出値が前記スレッシュホールド値よりも少ない場合、前記パケットの前記終了を宣言することと、
を備えている、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
第1の複数のサンプルに基づいて第1の検出値を決定するように、前記第1の複数のサンプルに基づいて電力値を決定するように、前記第1の検出値および前記電力値に基づいてパケットが存在するかどうかを決定するように、第2の複数のサンプルに基づいて第2の検出値を決定するように、そして、前記第1および第2の検出値に基づいて前記パケットの開始を決定するように、構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えている装置。
【請求項43】
前記プロセッサは、第3の複数のサンプルに基づいて第3の検出値を決定するように、そして、前記第1および第3の検出値に基づいて前記パケットの周波数エラーを推定するように、構成されている、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記プロセッサは、第4の複数のサンプルに基づいて第4の検出値を決定するように、また、前記第4の検出値に基づいて前記パケットの終了を決定するように、構成されている、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
第1の複数のサンプルに基づいて第1の検出値を決定することと、
前記第1の複数のサンプルに基づいて電力値を決定することと、
前記第1の検出値および前記電力値に基づいてパケットが存在するかどうかを決定することと、
第2の複数のサンプルに基づいて第2の検出値を決定することと、
前記第1および第2の検出値に基づいて前記パケットの開始を決定することと、
を備えている方法。
【請求項46】
第3の複数のサンプルに基づいて第3の検出値を決定することと、そして、前記第1および第3の検出値に基づいて前記パケットの周波数エラーを推定することと、
をさらに備えている請求項45に記載の装置。
【請求項47】
第4の複数のサンプルに基づいて第4の検出値を決定することと、そして前記第4の検出値に基づいて前記パケットの終了を決定することと、
をさらに備えている請求項46に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−199940(P2012−199940A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−106857(P2012−106857)
【出願日】平成24年5月8日(2012.5.8)
【分割の表示】特願2009−512273(P2009−512273)の分割
【原出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】