説明

無線通信システム、移動局装置および無線受信方法

【課題】制御データの受信にかかわる処理負荷を抑制する。
【解決手段】基地局装置は、配置されるサブフレームの種別に応じた項目からなる制御データの信号を生成する制御信号生成部と、第一種サブフレーム候補情報により指定されたサブフレームのうち第一種サブフレームとするサブフレームを示すスケジューリング情報の信号を生成するスケジューリング情報信号生成部と、制御データの信号を第一種および第二種サブフレームに配置し、スケジューリング情報の信号を第一種サブフレームに配置する多重部とを具備し、移動局装置は、第一種サブフレーム候補情報とスケジューリング情報とに基づき、受信したサブフレーム各々の種別を判定するフレーム種別判定部と、サブフレーム各々に対してフレーム種別判定部の判定結果が示す種別に対応する項目の制御データの検出処理を行なう制御データ検出部とを具備することで、制御データの受信にかかわる処理負荷を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、移動局装置および無線受信方法に関する。本願は、2008年6月24日に、日本に出願された特願2008−165110号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
セルラー移動通信の第三世代(3G)無線アクセス方式として、W‐CDMA(Wideband Code Division Multiple Access;広帯域符号分割多元接続)方式が3GPP(3rd Generation Partnership Project;第三世代パートナーシッププロジェクト)において標準化され、同方式によるセルラー移動通信サービスが開始されている。また、3GPPにおいて、3Gの進化(Evolved Universal Terrestrial Radio Access;以下、「EUTRA」という)および3Gネットワークの進化(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network;以下、「EUTRAN」という)が検討されている。
【0003】
EUTRAの基地局装置から移動局装置への送信である下りリンクとして、マルチキャリア送信であるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)方式が提案されている。また、EUTRAの移動局装置から基地局装置への送信である上りリンクとして、シングルキャリア送信であるDFT−Spread OFDM(Discrete Fourier Transform−Spread OFDM;離散フーリエ変換−スプレッド直交周波数分割多重)方式のシングルキャリア通信方式が提案されている。
【0004】
EUTRAにおいて、基地局装置BS1は、移動局装置UE1、UE2、UE3と無線通信を行う。EUTRAの基地局装置BS1から移動局装置UE1、UE2、UE3への無線通信である下りリンクは、下りリンクパイロットチャネル、下りリンク同期チャネル、報知チャネル、下りリンク制御チャネル、下りリンク共有データチャネル、制御フォーマットインディケータチャネル、下りリンクHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest;ハイブリッド自動再送)インディケータチャネル、マルチキャストチャネルより構成されている。また、EUTRAの移動局装置UE1、UE2、UE3から基地局装置BS1への無線通信である上りリンクは、上りリンクパイロットチャネルと、ランダムアクセスチャネルと、上りリンク制御チャネルと、上りリンク共有データチャネルとにより構成されている。
【0005】
<ユニキャストサブフレーム>図15は、EUTRAにおける下りリンク無線フレームの概略構成を示す図である(非特許文献1 6.2節)。図15では例として、下りリンク制御チャネルと下りリンク共有データチャネルを時間多重するときの無線フレームのユニキャストサブフレームの概略構成を示している。図15において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。下りリンク無線フレームは、複数の物理リソースブロックPRB(Physical Resource Block)ペアから構成されている。この物理リソースブロックPRBペアは、集中(Localized)送信の無線リソース割り当てなどの単位であり、予め決められた幅の周波数帯(PRB帯域幅)および時間帯(2スロット=1サブフレーム)からなる。基本的に1物理リソースブロックPRBペアは時間領域で連続する2個の物理リソースブロックPRB(PRB帯域幅×スロット)から構成される。
【0006】
下りリンク制御チャネルと下りリンク共有データチャネルを時間多重したサブフレーム(以下、「ユニキャストサブフレーム」という)では、1個の物理リソースブロックPRBは周波数領域において12個のサブキャリアから構成され、時間領域において7個のOFDMシンボルから構成される。システム帯域幅は、基地局装置の通信帯域幅である。時間領域においては、72個のOFDMシンボルから構成されるスロット、2個のスロットから構成されるサブフレーム、10個のサブフレームから構成される無線フレームがある。なお、1個のサブキャリアと1個のOFDMシンボルから構成されるユニットをリソースエレメントと呼ぶ。また、下りリンク無線フレームでは周波数方向にシステム帯域幅に応じた複数の物理リソースブロックPRBが配置される。下りリンク制御チャネルと、下りリンク共有データチャネルに替えてマルチキャストチャネルとを時間多重したMBSFNサブフレーム(Multicast/Broadcast over Single Frequency Network Subframe;以下、「マルチキャストサブフレーム」という)の構成は後述する。
【0007】
各ユニキャストサブフレームには少なくとも、情報データとシステム情報の送信に用いる下りリンク共有データチャネル、制御データの送信に用いる下りリンク制御チャネルが配置される。システム情報は、基地局装置と移動局装置が通信するのに必要な情報から構成されており、報知チャネルと下りリンク共有データチャネルで不特定多数の移動局装置に向かって周期的に送信される。なお、報知チャネルと下りリンク共有データチャネルに配置されるシステム情報の項目は異なり、報知チャネルに配置されるシステム情報は、システム帯域幅、下りリンクHARQインディケータチャネルの設定情報、送信アンテナの数などから構成される。下りリンク共有データチャネルに配置されるシステム情報は、上りリンクと下りリンクの送信電力制御情報、隣接した基地局装置のサブフレームの設定情報、当該基地局装置(在圏基地局装置)のサブフレームの設定情報などから構成される。
【0008】
下りリンク共有データチャネルおよび下りリンク制御チャネルの伝播路推定に用いる下りリンクパイロットチャネルについては図15においては図示せず、その配置の説明は後述する。図15では、下りリンク制御チャネルはサブフレームの先頭から1番目と2番目と3番目のOFDMシンボルに配置され、下りリンク共有データチャネルはその他のOFDMシンボルに配置された場合を示しているが、下りリンク制御チャネルが配置されるOFDMシンボル数はサブフレーム単位で変化する。
【0009】
なお、図15において図示は省略しているが、下りリンク制御チャネルを構成するOFDMシンボル数を示す制御フォーマットインディケータチャネルは1番目のOFDMシンボルの予め決められた周波数位置に配置される。下りリンク制御チャネルは1番目のOFDMシンボルのみに配置されたり、1番目と2番目のOFDMシンボルに配置されたり、1番目から3番目までのOFDMシンボルに亘って配置されたりする。制御フォーマットインディケータチャネルの配置の説明は後述する。また、同様に、図15において図示は省略しているが、下りリンクHARQインディケータチャネルは下りリンク制御チャネルが配置されるOFDMシンボルに配置される、つまり下りリンク制御チャネルと周波数多重される。なお、同一のOFDMシンボルにおいて下りリンク制御チャネルと下りリンク共有データチャネルは一緒に配置されない。ユニキャストサブフレームの下りリンク制御チャネルには、複数の上りリンク無線リソース割当情報、下りリンク無線リソース割当情報、送信電力コマンド情報などが配置される。下りリンク制御チャネルに配置される情報の詳細は後述する。
【0010】
<ユニキャストサブフレームのパイロットチャネル>図16は、EUTRAの下りリンクのユニキャストサブフレームにおける1物理リソースブロックPRBペア内の下りリンクパイロットチャネルの配置を説明する図である(非特許文献1 6.10.1節)。図16において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。ここでは、基地局装置が4本の送信アンテナ(送信アンテナ1、送信アンテナ2、送信アンテナ3、送信アンテナ4)を有する場合について説明する。図16において、符号R1が付されたリソースエレメントは送信アンテナ1から送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表す。符号R2が付されたリソースエレメントは送信アンテナ2から送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表す。符号R3が付されたリソースエレメントは送信アンテナ3から送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表す。符号R4が付されたリソースエレメントは送信アンテナ4から送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表す。
【0011】
なお、基地局装置が2本の送信アンテナのみを有する場合は、2番目のOFDMシンボルにおけるリソースエレメントR3とR4では下りリンク制御チャネルが送信され、9番目のOFDMシンボルにおけるリソースエレメントR3とR4では下りリンク共有データチャネルが送信される。なお、本発明とは関連性がないため、報知チャネル、下りリンク同期チャネルに関する説明の詳細は省略するが、報知チャネル、下りリンク同期チャネルは、予め決められたサブフレームの予め決められたリソースエレメントに配置される。
【0012】
<マルチキャストサブフレーム構成>図17は、EUTRAの下りリンクにおけるマルチキャストサブフレームの概略構成を示す図である(非特許文献16.5節、6.10.2節)。図17において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。マルチキャストサブフレームにおいて1個の物理リソースブロックPRBは周波数領域において12個のサブキャリアから構成され、時間領域において6個のOFDMシンボルから構成される。時間領域においては、6個のOFDMシンボルからスロットが構成され、2個のスロットからサブフレームが構成される。
【0013】
各マルチキャストサブフレームには少なくとも、複数のマルチキャストのデータ(MBMS(Multimedia Broadcast/MulticastService)data;以下、「マルチキャストデータ」という)の送信に用いるマルチキャストチャネル、制御データの送信に用いる下りリンク制御チャネルが配置される。ここで、マルチキャストデータとは、複数の移動局装置に宛てたデータを指す広義のマルチキャストデータであり、不特定多数の移動局装置に宛てたブロードキャストのデータおよび特定多数の移動局装置に宛てた狭義のマルチキャストのデータの総称である。以下、単にマルチキャストデータというときは、広義のマルチキャストデータを指す。マルチキャストチャネルおよび下りリンク制御チャネルのチャネル推定に用いる下りリンクパイロットチャネルについては図17においては図示せず、その配置の説明は後述する。図17では、下りリンク制御チャネルはサブフレームの先頭から1番目と2番目のOFDMシンボルに配置され、マルチキャストチャネルはその他のOFDMシンボルに配置された場合を示しているが、下りリンク制御チャネルが配置されるOFDMシンボル数はサブフレーム単位で変化する。
【0014】
マルチキャストサブフレームにおいて、マルチキャストサブフレームを構成するOFDMシンボル数はユニキャストサブフレームを構成するOFDMシンボル数よりも少ないが、マルチキャストチャネルの配置されるOFDMシンボル長はユニキャストサブフレームのOFDM長に比べて長くなっており、マルチキャストサブフレームとユニキャストサブフレームのスロットの時間長は同じになる。しかし、マルチキャストサブフレームの下りリンク制御チャネル(斜線ハッチング部)が配置されるOFDMシンボルの長さは、ユニキャストサブフレームの下りリンク制御チャネルのOFDMシンボル長と同じである。従って、マルチキャストサブフレームとユニキャストサブフレームの時間長を同じにするために、マルチキャストサブフレームでは下りリンク制御チャネルのOFDMシンボルとマルチキャストチャネルのOFDMシンボルの間に予備のサンプル(網掛けハッチング部)を配置する。例えば予備のサンプルとして「0」を配置してもよい。
【0015】
なお、図17において図示は省略しているが、下りリンク制御チャネルを構成するOFDMシンボル数を示す制御フォーマットインディケータチャネルは1OFDMシンボル目の予め決められた周波数位置に配置される。下りリンク制御チャネルは1番目のOFDMシンボルのみに配置されたり、1番目と2番目のOFDMシンボルに配置されたりする。ユニキャストサブフレームと違いマルチキャストサブフレームにおいては、3番目のOFDMシンボルには下りリンク制御チャネルが配置されない。
【0016】
また、同様に、図17において図示は省略しているが、下りリンクHARQインディケータチャネルは下りリンク制御チャネルが配置されるOFDMシンボルに配置される、つまり下りリンク制御チャネルと周波数多重される。なお、同一のOFDMシンボルにおいて下りリンク制御チャネルとマルチキャストチャネルは一緒に配置されない。マルチキャストサブフレームの下りリンク制御チャネルは、上りリンク無線リソース割当情報、送信電力コマンド情報などが配置され、下りリンク無線リソース割当情報は配置されない。下りリンク制御チャネルに配置される情報の詳細は後述する。
【0017】
<マルチキャストサブフレームのパイロットチャネル>図18は、EUTRAの下りリンクのマルチキャストサブフレームにおける1物理リソースブロックPRBペア内の下りリンクパイロットチャネルの配置を説明する図である(非特許文献1 6.10.2節)。図18において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。ここでは、基地局装置が5本の送信アンテナ(送信アンテナ1、送信アンテナ2、送信アンテナ3、送信アンテナ4、送信アンテナ5)を有する場合について説明する。図18において、符号R1が付されたリソースエレメントは送信アンテナ1から送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表す。符号R2が付されたリソースエレメントは送信アンテナ2から送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表す。符号R3が付されたリソースエレメントは送信アンテナ3から送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表す。符号R4が付されたリソースエレメントは送信アンテナ4から送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表す。符号R5が付されたリソースエレメントは送信アンテナ5から送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表す。
【0018】
リソースエレメントR1とR2とR3とR4は下りリンク制御チャネルを構成するOFDMシンボルに配置され、その配置はユニキャストサブフレームと同じであり、下りリンク制御チャネルの伝播路補償に使われる。リソースエレメントR5はマルチキャストチャネルを構成するOFDMシンボルに配置され、マルチキャストチャネルの伝播路補償に使われる。図18においては、下りリンク制御チャネルは送信アンテナ1から4を使って送信しているため、下りリンク制御チャネルの伝播路を補償するにはリソースエレメントR1とR2とR3とR4が必要なので、下りリンク制御チャネルは必ず1番目と2番目の両方に配置される。なお、基地局装置が有する送信アンテナが、3本の場合は、2本の送信アンテナで下りリンク制御チャネルを送信し、残りの1本の送信アンテナでマルチキャストチャネルを送信する。このように、下りリンク制御チャネルを2本の送信アンテナで送信するときは、2番目のOFDMシンボルにおけるリソースエレメントR3とR4では下りリンク制御チャネルが送信される。
【0019】
<マルチキャスト>EUTRAにおいて、基地局装置が不特定多数の移動局装置に向かってデータを送信するマルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービス(Multimedia Broadcast/MulticastService:以下「マルチキャスト」という)が提案されている(非特許文献2 15節)。また、マルチキャストにおいて、1つの基地局装置が不特定多数の移動局装置に向かってデータを送信するシングルセル送信と、複数の同期した基地局装置から不特定多数の移動局装置に向かって同時に同じデータを送信するマルチセル送信が提案されている。マルチセル送信は以下の特徴を有する。
【0020】
(1)複数の基地局装置で同期をとり、同時に同一の周波数でマルチキャスト(またはブロードキャスト)をするMBSFNエリア(以下、「マルチキャストエリア」という)を構成する。(2)マルチキャストエリア内の複数の基地局装置が、不特定多数の移動局装置に向かって同時に同じマルチキャストデータを送信する。(3)移動局装置は、複数の基地局装置から同時に送信されたマルチキャストデータを合成することができる。(4)マルチキャストデータはマルチキャストサブフレームのマルチキャストチャネルで送信する。(5)各基地局装置において、マルチキャストチャネルは1本のアンテナから送信される。なお、本発明とは関連性が少ないためシングルセル送信の説明は省略する。
【0021】
<マルチキャスト専用セルとマルチキャスト/ユニキャストミックスセル>マルチセル送信を行う基地局装置において、マルチキャスト専用の周波数帯でマルチキャストサブフレームのみの送信をする基地局装置のセル(MBMSdedicated cell)と、マルチキャストサブフレームとユニキャストサブフレームとを時間多重して送信する基地局装置のセル(MBMS/unicast mixed cell;以下、「マルチキャスト/ユニキャストミックスセル」という)がある(非特許文献2 15.2節)。図19は、マルチセル送信をするマルチキャスト/ユニキャストミックスセルの無線フレームの概略構成を示す図である。図19において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。無線フレームの1番目、4〜6番目、8番目のサブフレームがユニキャストサブフレームであり、残りがマルチキャストサブフレームである。マルチセル送信をするマルチキャスト/ユニキャストミックスセルの無線フレームは以下の特徴を有する。
【0022】
(1)マルチキャストサブフレームとユニキャストサブフレームは時間多重される。(2)マルチキャストデータはマルチキャストサブフレームのマルチキャストチャネルで送信される。(3)情報データとシステム情報はユニキャストサブフレームで送信され、情報データは下りリンク共有データチャネルで、システム情報は下りリンク共有データチャネルと報知チャネルで送信される。(4)無線フレームの1番目と6番目のサブフレームは常にユニキャストサブフレームであり、少なくとも同期チャネルが送信される。なお、本発明とは関連性が少ないためマルチキャスト専用の周波数帯でマルチキャストサブフレームのみを送信をする基地局装置に関する説明は省略する。
【0023】
<マルチキャストサブフレーム配置パターン>マルチセル送信を行う基地局装置において、マルチキャストサブフレームのために予約するサブフレームの配置の情報、すなわちマルチキャストサブフレームを配置可能なサブフレームを指定する情報(MBSFN subframe allocation pattern(MSAP);以下、「マルチキャストサブフレーム配置パターン」という(第三世代パートナーシッププロジェクトでは、MBSFN subframe configuration(MBSC)やMBSFN subframe allocation signallingなどと呼ばれることもある))が下りリンク共有データチャネルのシステム情報で送信される(非特許文献3)。
【0024】
図20は、マルチセル送信のマルチキャスト/ユニキャストミックスセルのマルチキャストサブフレーム配置パターンを説明する図である。図20において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。マルチキャストサブフレーム配置パターンはある周期におけるマルチキャストサブフレームのために予約するサブフレームの配置を示し、次の周期において、マルチキャストサブフレーム配置パターンが変更されなければ次のマルチキャストサブフレーム配置パターンの周期でも同じサブフレームがマルチキャストサブフレームとして予約される。EUTRAにおいて、マルチキャストサブフレーム配置パターンの周期は未定であるが、40msから320ms(1サブフレーム=1msであり、40サブフレームから320サブフレーム)の間から1つに決定して仕様化することが決まっている(非特許文献4)。例えば、マルチキャストサブフレーム配置パターンの周期が80ms(80サブフレーム)のときに、マルチキャストサブフレーム配置パターンをビットマップで表すには64ビットが必要になる(無線フレーム(=10サブフレーム)の第1番目と第6番目のサブフレームはユニキャストサブフレームで固定のため80ビットよりも16ビット少ないビットで良い)。
【0025】
<ダイナミックスケジューリング情報(dynamic scheduling information)>図21は、マルチセル送信を行う基地局装置が送信するマルチキャストサブフレーム配置パターンで示された複数のサブフレームにおいて、マルチキャストチャネルに配置されるマルチキャストデータが送信されるサブフレームの情報(dynamic scheduling information;以下、「ダイナミックスケジューリング情報」という)を説明する図である。図21において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。ここでは、説明の簡略化のためにダイナミックスケジューリング情報とマルチキャストデータが配置されるマルチキャストチャネルのみを示し、下りリンク制御チャネル、下りリンク共有データチャネルなどその他のチャネルは図示しない。ダイナミックスケジューリング情報は斜線でハッチングされた四角で表し、マルチキャストデータはハッチング無しの四角で表す。図21において、ダイナミックスケジューリング情報はマルチキャストデータ1から5がどのサブフレームに配置されているかを示す。また、ダイナミックスケジューリング情報はマルチキャストデータ1と一つのサブフレーム内で多重されている。なお、ダイナミックスケジューリング情報は以下の特徴を有する(非特許文献5)。(1)1つ、または複数のマルチキャストデータが配置されているサブフレームを示す。(2)マルチキャストデータとサブフレーム内で多重してもよい。(3)マルチキャストサブフレーム配置パターンの周期中に複数のダイナミックスケジューリング情報が含まれてもよい。
【0026】
<マルチキャストサブフレームを配置可能なサブフレーム(MBSFN subframe)のユニキャストサブフレームとしての再利用>マルチセル送信をするマルチキャスト/ユニキャストミックスセルにおいて、基地局装置がマルチキャストチャネルで送信するマルチキャストデータの一部を失った場合など、適用しているマルチキャストサブフレーム配置パターンにてマルチキャスト可能なデータ量よりマルチキャストデータが少ないときは、マルチキャストサブフレーム配置パターンにて指定されたマルチキャストサブフレームを配置可能なサブフレームのうち、その少ない分が影響を与えるサブフレームではマルチキャストデータを送信せずに、それをユニキャストサブフレームとすることが検討されている。また、マルチキャストサブフレーム配置パターンでマルチキャストサブフレームを配置可能だと示されたサブフレームでマルチキャストのデータを送信していないことを移動局装置が検知する、または移動局装置に知らせる方法をサポートすることが検討されている(非特許文献2 15.3.3節)。
【0027】
<制御データフォーマット(DCI(Down link Control Information) format)>下りリンク制御チャネルには複数の制御データが配置される。また、下りリンク制御チャネルに配置される制御データの種類には少なくとも以下の3つがある。(1)1つの移動局装置に対する下りリンク共有データチャネルの無線リソース割当の制御データ(以下、「下りリンク無線リソース割当情報」という)。(2)1つの移動局装置に対する上りリンク共有データチャネルの無線リソース割当の制御データ(以下、「上りリンク無線リソース割当情報」という)。(3)1つの移動局装置に対する上りリンク共有データチャネルと上りリンク制御チャネルの送信電力の制御命令(以下、「送信電力コマンド」という)の集合からなる制御データ(以下、「送信電力コマンド情報」という)。(非特許文献6 5.3.3)。
【0028】
<下りリンク無線リソース割当情報(DL(Down Link) assignment)>下りリンク無線リソース割当情報は、下りリンク共有データチャネルの無線リソース割当ての情報、移動局識別子、変調方式、符号化率、再送パラメータ、上りリンク制御チャネルの送信電力コマンドが少なくとも1つずつ含まれる。さらに目的に応じて以下の3つに分類される。
【0029】
(1)下りリンク共有データチャネルの無線リソース割当ての情報のサイズが一番小さく、シングルインプットマルチプルアウトプット(Single Input Multiple Output;以下、「SIMO」という)のための下りリンク無線リソース割当情報(以下、「下りリンク無線リソース割当情報1」という)。(2)下りリンク共有データチャネルの無線リソース割当情報のサイズが下りリンク無線リソース割当情報1と比べて大きく、SIMOのための下りリンク無線リソース割当情報(以下、「下りリンク無線リソース割当情報2」という)。(3)下りリンク共有データチャネルの無線リソース割当情報のサイズが下りリンク無線リソース割当情報2と同じであり、変調方式、符号化率、再送パラメータが2つずつ含まれるマルチプルインプットマルチプルアウトプット(Multiple Input Multiple Output;以下、「MIMO」という)のための下りリンク無線リソース割当情報(以下、「下りリンク無線リソース割当情報3」という)。これら3つの下りリンク無線リソース割当情報を構成するビット数(サイズ)はそれぞれ異なる。また、マルチキャストサブフレームには下りリンク共有データチャネルは配置されないので、マルチキャストサブフレームの下りリンク制御チャネルには下りリンク無線リソース割当情報は配置されない。なお、下りリンク無線リソース割当情報に含まれる送信電力コマンドは、下りリンク共有データチャネルに対する受信応答信号を送信する際に用いる上りリンク制御チャネルの送信電力コマンドである。
【0030】
<上りリンク無線リソース割当情報(UL(Up Link)assignment)>上りリンク無線リソース割当情報には、移動局識別子、上りリンク無線リソース割当情報、変調方式、符号化率、再送パラメータなどが含まれる。上りリンクと下りリンクのシステム帯域幅が同じ場合には、上りリンク無線リソース割当情報と下りリンク無線リソース割当情報1を構成するビット数(サイズ)は同じである。
【0031】
<送信電力制御(TPC;Transmit Power Control)>送信電力コマンド情報には、複数の移動局装置に対する送信電力コマンドと移動局群識別子が含まれる。送信電力コマンド情報と上りリンク無線リソース割当情報を構成するビット数(サイズ)は同じである。
【0032】
<符号化(Coding)>図22は、下りリンク制御チャネルに配置される制御データを符号化する手順の一例を説明するフローチャートである(非特許文献6 5.3.3節)。最初に、制御部から入力された制御データと誤り検出符号を多重する。誤り検出符号は予め決められた生成多項式を用いて制御データより生成される。次に、誤り検出符号を多重した制御データを畳み込み符号化する。次に、畳み込み符号化した制御データをレートマッチングしてからQPSK(Quadrature Phase Shift Keying;4値位相偏移変調)変調部へ出力する。レートマッチングの詳細は後述する。次に、レートマッチング後の制御データをQPSK変調し下りリンク制御チャネルのリソースエレメントにマッピングをする。QPSK変調後の制御データのサイズによって制御データがマッピングされる下りリンク制御チャネルのリソースエレメントの組み合わせは限定される。なお、基地局装置が送信ダイバーシチを用いて下りリンク制御チャネルを送信する場合は、QPSK変調後、送信ダイバーシチ処理を行って下りリンク制御チャネルのリソースエレメントにマッピングする。
【0033】
<レートマッチング(Rate matching)>レートマッチングとは、畳み込み符号化した制御データのサイズと制御データをマッピングする下りリンク制御チャネルの物理リソースのサイズとを合わせるために、畳み込み符号化した制御データの繰り返し(repetition)処理や間引き(puncture)処理をして符号化率を変更することである。EUTRAでは、レートマッチング後の制御データのサイズとして4つのサイズが検討されている。例えば、QPSK変調後に36リソースエレメントと72リソースエレメントと144リソースエレメントと288リソースエレメントのサイズになるようにレートマッチングをする。
【0034】
なお、異なる制御データのサイズを異なるサイズの物理リソースに対して合わせるための繰り返し処理または間引き処理をするべきパターンは異なる。つまり、下りリンク無線リソース割当情報2と上りリンク無線リソース割当情報などのサイズの違う制御データは異なるレートマッチングのパターンを用いる。また、レートマッチング前の制御データのサイズが同じ制御データでもレートマッチング後の制御データのサイズを異なるようにして符号化率を変更する場合、異なるレートマッチングのパターンを用いる。
【0035】
<総当り復号(Blind decoding)>図23は下りリンク制御チャネルに配置される制御データを復号化する手順の一例を説明するフローチャートである。移動局装置はサブフレーム毎に、当該移動局装置宛の制御データが下りリンク制御チャネルに配置されているかを監視する。しかし、移動局装置は、当該移動局装置宛のどの項目の制御データがいくつあるか、何個のリソースエレメントのサイズにレートマッチングされたか、どのリソースエレメントにマッピングされたかを知らないので、可能性のあるリソースエレメントとレートマッチングとの組合せについて、総当りに復号を試行する総当り復号を行う。
【0036】
具体的には、移動局装置はまず、下りリンク制御チャネルを構成するリソースエレメント全てをQPSK復調し(S1)、制御データがマッピングされた可能性のあるリソースエレメントの数、および配置の組合せを1つ選択し、リソースエレメントを抽出する(S2)。次に、可能性のあるレートマッチング前の制御データのサイズを1つ選択し、選択した制御データのサイズと抽出したリソースエレメントの数によって決まるレートマッチングの逆の処理(以下、「レートデマッチング」という)をする(S3)。
【0037】
次に、レートデマッチング後の制御データを畳み込み復号し(S4)、誤り検出符号を用いて誤り検出をする(S5)。ここでは、誤り検出の演算結果が、その制御データの宛先の移動局装置の識別番号となる誤り検出符号を用いている。畳み込み復号後に誤りを検出しなかったとき、すなわち誤り検出の演算結果が、当該移動局装置の識別番号となったときは(S6−No)、移動局装置は、その制御データが当該移動局装置宛の制御データであると認識し、さらに該制御データの構成を見ることで該制御データが上りリンク無線リソース割当情報、下りリンク無線リソース割当情報または送信電力コマンド情報かを認識する(S7)。上りリンク無線リソース割当情報と下りリンク無線リソース割当情報と送信電力コマンド情報の全ての制御データを復号した場合(S8−No)、復号処理を終了する。
【0038】
上りリンク無線リソース割当情報と下りリンク無線リソース割当情報と送信電力コマンド情報のうち、まだ復号していない制御データがある場合(S8−Yes)、まだ試していない制御データがマッピングされたリソースエレメントの数、および配置の組合せとレートマッチング前の制御データのサイズを設定して(S9)、下りリンク制御チャネルからリソースエレメントを抽出するステップS2からの処理を繰り返す。
【0039】
ステップS5の誤り検出処理において、誤りを検出した場合(S6−Yes)、まだ試していない制御データがマッピングされたリソースエレメントの数、および配置の組合せとレートマッチング前の制御データのサイズがある場合は(S10−Yes)、それらを設定して(S9)、下りリンク制御チャネルからリソースエレメントを抽出するステップS2からの処理を繰り返す。また、全ての制御データがマッピングされたリソースエレメントの数、および配置の組合せとレートマッチング前の制御データのサイズについて制御データの復号処理をしていた場合にも(S10−No)復号処理を終了する。なお、基地局装置が送信ダイバーシチを用いて下りリンク制御チャネルを送信する場合は、送信ダイバーシチ合成処理を行った後、ステップS1のQPSK復調を行う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0040】
【非特許文献1】3GPP TS36.211‐v8.1.0(2007‐11),Physical Channels and Modulation(Release 8)
【非特許文献2】3GPP TS36.300‐v8.3.0(2007‐12),Overall description;Stage 2(Release 8)
【非特許文献3】3GPP TSG RAN1 #51b,Sevilla,Spain,14−18 January,2008,R1−080621“Physical−layer parameters to be configured by RRC”
【非特許文献4】3GPP TSG RAN2 #61,Sorrento,Italy,11−15 February,2008,R2−080708“LS response on Signaling of MBSFN Subframe Allocation”
【非特許文献5】3GPP TSG RAN2 #61,Sorrento,Italy,11−15 February,2008,R2−080875“MBMS scheduling information and paging occasion relationg to MBMS sabuframe allocastion”
【非特許文献6】3GPP TS36.212‐v8.1.0(2007‐11),Multiplexing and channel coding(Release 8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
しかしながら、従来のEUTRAにおいて、移動局装置は、下りリンク制御チャネルに、当該移動局装置宛のどの項目の制御データがいくつあるか、何個のリソースエレメントのサイズにレートマッチングされたか、どのリソースエレメントにマッピングされたかを認識することができないので、可能性のあるリソースエレメントとレートマッチングとの組合せについて、総当りに復号を試行する総当り復号を行うため、下りリンク制御チャネルの受信にかかわる処理負荷が重いという問題がある。
【0042】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、下りリンク制御チャネルの受信にかかわる処理負荷を抑制することができる無線通信システム、移動局装置、および無線受信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0043】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の無線通信システムは、第一種のデータを配置する第一種サブフレームと第二種のデータを配置する第二種サブフレームとを時間多重して送信する基地局装置と、前記基地局装置が送信したサブフレームから自装置宛ての信号を受信する複数の移動局装置とを具備する無線通信システムにおいて、前記基地局装置は、前記サブフレーム各々の種別を決定する無線リソース制御部と、配置される前記サブフレームの種別に応じた項目からなる制御データの信号を生成する制御信号生成部と、前記第一種サブフレームを配置可能なサブフレームを指定する情報であって予め保持している第一種サブフレーム候補情報により指定されたサブフレームのうち、前記第一種サブフレームとするサブフレームを示すダイナミックスケジューリング情報の信号を生成するダイナミックスケジューリング情報信号生成部と、前記制御データの信号を前記第一種サブフレームと前記第二種サブフレームとに配置し、前記ダイナミックスケジューリング情報の信号を前記第一種サブフレームに配置する多重部と、前記多重部による多重結果の信号を送信する送信部とを具備し、前記移動局装置は、前記基地局装置から送信された信号を受信する受信部と、前記受信した信号から前記ダイナミックスケジューリング情報を検出するダイナミックスケジューリング情報検出部と、予め保持している前記第一種サブフレーム候補情報と、前記ダイナミックスケジューリング情報とに基づき、前記受信した信号のサブフレーム各々の種別を判定するフレーム種別判定部と、前記受信した信号のサブフレーム各々に対して、前記フレーム種別判定部の判定結果が示す種別に対応する項目の前記制御データの検出処理を行なう制御データ検出部とを具備することを特徴とする。
【0044】
(2)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記第一種のデータは、複数の前記移動局装置に宛てたブロードキャストまたはマルチキャストのデータであり、前記第二種のデータは、一つの前記移動局装置に宛てたユニキャストのデータであることを特徴とする。
【0045】
(3)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記ダイナミックスケジューリング情報は、前記第一種サブフレーム候補情報により指定されたサブフレームに配置され、配置されたサブフレーム以降の前記第一種サブフレーム候補情報により指定されたサブフレームのうち、前記第一種サブフレームとするサブフレームを示すことを特徴とする。
【0046】
(4)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記第一種サブフレーム候補情報は、予め決められた周期内のサブフレーム群について、前記第一種サブフレームを配置可能なサブフレームを指定する情報であり、前記ダイナミックスケジューリング情報は、前記周期内に一つまたは複数配置され、前記周期内に配置され、連続した第一種のデータからなるデータ列各々が配置されるサブフレームを指定することを特徴とする。
【0047】
(5)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記制御データ検出部は、前記フレーム種別判定部の判定結果が示す種別に対応する項目の前記制御データの検出処理を行なう際に、前記項目に応じたデータサイズを用いることを特徴とする。
【0048】
(6)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記判定結果が示す種別に対応する項目は、前記判定結果が示す種別が第一種サブフレームのときは、上りリンクの無線リソース割当情報および上りリンクの送信電力コマンド情報であることを特徴とする。
【0049】
(7)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記判定結果が示す種別に対応する項目は、前記判定結果が示す種別が第二種サブフレームのときは、下りリンクの無線リソース割当情報を少なくとも含むことを特徴とする。
【0050】
(8)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記判定結果が示す種別に対応する項目は、前記判定結果が示す種別が第二種サブフレームのときは、さらに、上りリンクの無線リソース割当情報および上りリンクの送信電力コマンド情報を含むことを特徴とする。
【0051】
(9)また、本発明の移動局装置は、第一種のデータを配置する第一種サブフレームと第二種のデータを配置する第二種サブフレームとが時間多重された信号であって、配置されるサブフレームの種別に応じた項目からなる制御データが前記第一種サブフレームと前記第二種サブフレームとに配置された信号から自装置宛ての信号を受信する移動局装置において、前記時間多重された信号を受信する受信部と、前記第一種サブフレームを配置可能なサブフレームを指定する情報であって予め保持している第一種サブフレーム候補情報により指定されたサブフレームのうち、前記第一種サブフレームとするサブフレームを示すダイナミックスケジューリング情報を、前記受信した信号から検出するダイナミックスケジューリング情報検出部と前記第一種サブフレーム候補情報と、前記ダイナミックスケジューリング情報とに基づき、前記受信した信号のサブフレーム各々の種別を判定するフレーム種別判定部と、前記受信した信号のサブフレーム各々に対して、前記フレーム種別判定部の判定結果が示す種別に対応する項目の制御データの検出処理を行なう制御データ検出部とを具備することを特徴とする。
【0052】
(10)また、本発明の無線受信方法は、第一種のデータを配置する第一種サブフレームと第二種のデータを配置する第二種サブフレームとが時間多重された信号であって、配置されるサブフレームの種別に応じた項目からなる制御データが前記第一種サブフレームと前記第二種サブフレームとに配置れた信号から自装置宛ての信号を受信する移動局装置における無線受信方法において、前記移動局装置が、前記時間多重された信号を受信する第1の過程と、前記移動局装置が、前記第一種サブフレームを配置可能なサブフレームを指定する情報であって予め保持している第一種サブフレーム候補情報により指定されたサブフレームのうち、前記第一種サブフレームとするサブフレームを示すダイナミックスケジューリング情報を、前記第1の過程にて受信した信号から検出する第2の過程と、前記移動局装置が、前記第一種サブフレーム候補情報と、前記ダイナミックスケジューリング情報とに基づき、前記受信した信号のサブフレーム各々の種別を判定する第3の過程と、前記移動局装置が、前記受信した信号のサブフレーム各々に対して、前記第3の過程による判定結果が示す種別に対応する項目の制御データの検出処理を行なう第4の過程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0053】
この発明によれば、第一種サブフレーム候補情報と、ダイナミックスケジューリング情報とに基づき、受信した信号のサブフレーム各々の種別を判定し、判定結果が示す種別に対応する項目の制御データの検出処理を行なうので、制御データの受信にかかわる処理負荷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の一実施形態による無線通信システムのチャネルの概略構造を示す図である。
【図2】同実施形態における基地局装置1から移動局装置2への下りリンク無線フレーム(無線リソース)の概略構成例を示す図である。
【図3】同実施形態におけるユニキャストサブフレームの概略構成を示す図である。
【図4】同実施形態におけるマルチキャストサブフレームの概略構成を示す図である。
【図5】同実施形態における、ダイナミックスケジューリング情報を説明する図である。
【図6】同実施形態における基地局装置1の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】同実施形態における基地局装置1の送信処理部13の内部構成を示す概略ブロック図である。
【図8】同実施形態における下りリンク制御チャネル処理部33の符号部331の内部構成を示すブロック図である。
【図9】同実施形態におけるマルチキャストサブフレーム配置パターンと本実施形態におけるダイナミックスケジューリング情報との組合せを説明する図である。
【図10】同実施形態における移動局装置2の構成を示す概略ブロック図である。
【図11】同実施形態における移動局装置2の受信処理部22の内部構成を示す概略ブロック図である。
【図12】同実施形態における移動局装置1の復号部234の内部構成を示すブロック図である。
【図13】同実施形態における移動局装置2の信号判断部211の動作の例を説明するフローチャートである。
【図14】同実施形態における移動局装置2のレートデマッチング部236の動作の例を説明するフローチャートである。
【図15】従来のEUTRAにおける下りリンク無線フレームの概略構成を示す図である。
【図16】従来のEUTRAの下りリンクのユニキャストサブフレームにおける1物理リソースブロックPRBペア内の下りリンクパイロットチャネルの配置を説明する図である。
【図17】従来のEUTRAの下りリンクにおけるマルチキャストサブフレームの概略構成を示す図である。
【図18】従来のEUTRAの下りリンクのマルチキャストサブフレームにおける1物理リソースブロックPRBペア内の下りリンクパイロットチャネルの配置を説明する図である。
【図19】従来のEUTRAにおけるマルチセル送信をするマルチキャスト/ユニキャストミックスセルの無線フレームの概略構成を示す図である。
【図20】従来のEUTRAにおけるマルチセル送信のマルチキャスト/ユニキャストミックスセルのマルチキャストサブフレーム配置パターンを説明する図である。
【図21】従来のEUTRAにおけるダイナミックスケジューリング情報を説明する図である。
【図22】従来のEUTRAにおける下りリンク制御チャネルに配置される制御データを符号化する手順の一例を説明するフローチャートである。
【図23】従来のEUTRAにおける下りリンク制御チャネルに配置される制御データを復号化する手順の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。本実施形態による無線通信システムは、複数の基地局装置1と、該基地局装置1が送信した信号を受信する複数の移動局装置2とを具備する。図1は、本実施形態の無線通信システムにおけるチャネルの概略構造を示す図である。基地局装置1から移動局装置2への無線通信の下りリンクは、下りリンクパイロットチャネル、下りリンク同期チャネル、報知チャネル、下りリンク制御チャネル、下りリンク共有データチャネル、制御フォーマットインディケータチャネル、下りリンクHARQ(Hybrid Automatic RepeatreQuest)インディケータチャネル、マルチキャストチャネルより構成されている。また、移動局装置2から基地局装置1への無線通信の上りリンクは、上りリンクパイロットチャネルと、ランダムアクセスチャネルと、上りリンク制御チャネルと、上りリンク共有データチャネルとにより構成されている。
【0056】
<無線フレーム>図2は、本実施形態における基地局装置1から移動局装置2への下りリンク無線フレーム(無線リソース)の概略構成例を示す図である。図2において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。下りリンク無線フレームは、集中(Localized)送信の際の各移動局装置2への無線リソース割り当てなどの単位であり、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなるPRB(Physical Resource Block:物理リソースブロック)ペアから構成されている。基本的に1物理リソースブロックPRBペアは時間領域で連続する2個の物理リソースブロックPRBから構成される。
【0057】
システム帯域幅は、基地局装置1の通信帯域幅であり、下りリンク無線フレームでは周波数方向にシステム帯域幅に応じた複数の物理リソースブロックPRBが配置される。時間領域においては、2個のスロットから構成されるサブフレーム(時間フレーム)、10個のサブフレームから構成される無線フレームがある。また、マルチキャスト(MBMS;Multimedia Broadcast/Multicast Service)データ(第一種のデータ)が配置されるマルチキャストチャネルを構成するマルチキャスト(MBSFN;Multicast/Broadcast over Single Frequency Network Subframe)サブフレーム(第一種サブフレーム)と、情報データ(第二種のデータ)やシステム情報が配置される下りリンク共有データチャネルを構成するユニキャストサブフレーム(第二種サブフレーム)が時間多重される。ここで、マルチキャストデータとは、広義のマルチキャストデータであり、不特定多数の移動局装置2に宛てたブロードキャストのデータおよび特定多数の移動局装置2に宛てた狭義のマルチキャストのデータの総称である。
【0058】
<ユニキャストサブフレーム>図3は、本実施形態におけるユニキャストサブフレームの概略構成を示す図である。図3において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。ユニキャストサブフレームにおいては、1個の物理リソースブロックPRBは周波数領域において12個のサブキャリアから構成され、時間領域において7個のOFDMシンボルから構成される。各ユニキャストサブフレームには少なくとも、情報データとシステム情報の送信に用いる下りリンク共有データチャネル、制御データの送信に用いる下りリンク制御チャネルが配置される。下りリンク共有データチャネルおよび下りリンク制御チャネルのチャネル推定に用いる下りリンクパイロットチャネルについては図3において図示は省略する。図3では、下りリンク制御チャネルは、斜線でハッチングされた四角で示すサブフレームの1番目と2番目と3番目のOFDMシンボルに配置され、下りリンク共有データチャネルは、ハッチング無しの四角で示すその他のOFDMシンボルに配置された場合を示しているが、下りリンク制御チャネルが配置されるOFDMシンボルはサブフレーム単位で変化する。
【0059】
なお、図3において図示は省略しているが、下りリンク制御チャネルを構成するOFDMシンボル数を示す制御フォーマットインディケータチャネルは1OFDMシンボル目の予め決められた周波数位置に配置される。下りリンク制御チャネルは1番目のOFDMシンボルのみに配置されたり、1番目と2番目のOFDMシンボルに配置されたり、1番目から3番目までのOFDMシンボルに亘って配置されたりする。また、同様に、図3において図示は省略しているが、下りリンクHARQインディケータチャネルは下りリンク制御チャネルが配置されるOFDMシンボルに配置される、つまり下りリンク制御チャネルと周波数多重される。なお、同一のOFDMシンボルにおいて下りリンク制御チャネルと下りリンク共有データチャネルは一緒に配置されない。ユニキャストサブフレームの下りリンク制御チャネルには、少なくとも下りリンク無線リソース割当情報が配置され、本実施形態では下りリンク無線リソース割当情報に加えて、複数の上りリンク無線リソース割当情報、送信電力コマンド情報が配置される。
【0060】
<マルチキャストサブフレーム>図4は、本実施形態におけるマルチキャストサブフレームの概略構成を示す図である。図4において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。マルチキャストサブフレームにおいては、1個の物理リソースブロックPRBは周波数領域において12個のサブキャリアから構成され、時間領域において6個のOFDMシンボルから構成される。時間領域においては、6個のOFDMシンボルからスロットが構成され、2個のスロットからサブフレームが構成される。各マルチキャストサブフレームには、少なくともマルチキャストデータの送信に用いるマルチキャストチャネルが配置される。マルチキャストチャネルおよび下りリンク制御チャネルのチャネル推定に用いる下りリンクパイロットチャネルについては図4においては図示を省略する。図4では、下りリンク制御チャネルは、ハッチングされた四角で示すサブフレームの1番目と2番目のOFDMシンボルに配置され、下りリンク共有データチャネルは、ハッチング無しの四角で示すその他のOFDMシンボルに配置された場合を示しているが、下りリンク制御チャネルが配置されるOFDMシンボルはサブフレーム単位で変化する。
【0061】
マルチキャストサブフレームにおいて、マルチキャストサブフレームを構成するOFDMシンボル数はユニキャストサブフレームを構成するOFDMシンボル数よりも少ないが、マルチキャストチャネルの配置されるOFDMシンボルの長さはユニキャストサブフレームのOFDM長に比べて長くなっており、マルチキャストサブフレームとユニキャストサブフレームのスロットの時間長は同じになる。しかし、マルチキャストサブフレームの下りリンク制御チャネルが配置されるOFDMシンボル(斜線ハッチング部)の長さは、ユニキャストサブフレームの下りリンク制御チャネルのOFDMシンボル長と同じであるため、マルチキャストサブフレームとユニキャストサブフレームの時間長を同じにするために、マルチキャストサブフレームでは下りリンク制御チャネルのOFDMシンボルとマルチキャストチャネルのOFDMシンボルの間に予備のサンプル(網掛けハッチング部)を配置する。
【0062】
なお、図4において図示は省略しているが、下りリンク制御チャネルを構成するOFDMシンボル数を示す制御フォーマットインディケータチャネルは1OFDMシンボル目の予め決められた周波数位置に配置される。下りリンク制御チャネルは1番目のOFDMシンボルのみに配置されたり、1番目と2番目のOFDMシンボルに配置されたりする。また、同様に、図4において図示は省略しているが、下りリンクHARQインディケータチャネルは下りリンク制御チャネルが配置されるOFDMシンボルに配置される、つまり下りリンク制御チャネルと周波数多重される。なお、同一のOFDMシンボルにおいて下りリンク制御チャネルとマルチキャストチャネルは一緒に配置されない。マルチキャストサブフレームの下りリンク制御チャネルには、複数の上りリンク無線リソース割当情報と送信電力コマンド情報が配置される。
【0063】
<ダイナミックスケジューリング情報>図5は、本実施形態におけるダイナミックスケジューリング情報(dynamic scheduling information)を説明する図である。図5において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。ここでは、説明の簡略化のためにダイナミックスケジューリング情報とマルチキャストデータが配置されるマルチキャストチャネルのみを示し、下りリンク制御チャネル、下りリンク共有データチャネルなど、その他のチャネルは図示しない。ダイナミックスケジューリング情報は斜線でハッチングされた四角で表し、マルチキャストデータはハッチング無しの四角で表す。
【0064】
マルチキャストサブフレーム配置パターンは、予め決められた周期内のサブフレーム群について、マルチキャストサブフレームを配置可能なサブフレームを指定する情報である(詳細は後述する)。ダイナミックスケジューリング情報は、マルチキャストサブフレーム配置パターンの周期内に一つまたは複数配置され、マルチキャストサブフレーム配置パターンにより指定されたサブフレームのうち、連続したマルチキャストデータからなるデータ列(図5の例ではマルチキャストデータ1から5の各々)が配置されるサブフレーム、すなわちマルチキャストサブフレームとするサブフレームを示す。なお、マルチキャストサブフレーム配置パターンは、外部から基地局装置1に入力され、保持される。
【0065】
ダイナミックスケジューリング情報は、例えば、マルチキャストデータ1を示す情報と、マルチキャストサブフレーム配置パターンで指定された1つ目のサブフレームを示す情報とを対応付けて格納し、マルチキャストデータ2を示す情報と、マルチキャストサブフレーム配置パターンで指定された2つ目のサブフレームを示す情報とを対応付けて格納し、その他のマルチキャストデータ3〜5も同様にしてサブフレームを示す情報とを対応付けて格納する。なお、マルチキャストデータ1〜5に対応付けて格納する情報は、サブフレームを示す情報だけでなく、マルチキャストデータ1〜5の大きさ、または、サブフレーム内での位置を示す情報も格納するようにしてもよい。
【0066】
ここでマルチキャストデータ1〜5は、各々が1つのサービスに割当てられた連続したマルチキャストデータを示す。例えば、マルチキャストデータ1〜3の各々は、1つの映像ストリームサービスの映像データであり、マルチキャストデータ4、5の各々は、1つの音声ストリームサービスの音声データである。また、ダイナミックスケジューリング情報はマルチキャストデータ1とサブフレーム内で多重されている。なお、ダイナミックスケジューリング情報は以下の特徴を有する。(1)1つ、または複数のマルチキャストデータが配置されているサブフレームを示す。(2)マルチキャストデータとサブフレーム内で多重してもよい。(3)マルチキャストサブフレーム配置パターンの周期中に複数のダイナミックスケジューリング情報が含まれてもよい。
【0067】
<基地局装置1の概要>本実施形態の基地局装置1は、マルチキャストデータを配置するマルチキャストサブフレームと、ユニキャストデータを配置するユニキャストサブフレームとを時間多重して送信する。基地局装置1は、ユニキャストサブフレーム内の下りリンク共有データチャネルにシステム情報を配置して送信する。このシステム情報には、マルチキャストサブフレームを送信するタイミングの情報であり、外部から入力される情報であるマルチキャストサブフレーム配置パターン(第一種サブフレーム候補情報)が含まれる。さらに、基地局装置1は、マルチキャストサブフレーム配置パターンで示したサブフレームのうち、1つまたは複数のマルチキャストデータを配置するサブフレームを示すダイナミックスケジューリング情報を送信する。基地局装置1は、マルチキャストサブフレーム配置パターンで示したサブフレームにおいて、送信すべきマルチキャストデータがない場合、またはマルチキャストデータの一部を失った場合には、そのサブフレームをユニキャストサブフレームとして情報データを配置して送信する。
【0068】
<基地局装置1のブロック図>図6は、本発明の実施形態における基地局装置1の構成を示す概略ブロック図である。図6に示すように、基地局装置1は、無線リソース制御部10、制御部11、受信処理部12、送信処理部13を具備する。無線リソース制御部10は、移動局装置2との間欠送受信サイクル、変調方式・符号化率、送信電力、下りリンク共有データチャネルの無線リソース割り当て、マルチキャストサブフレームとユニキャストサブフレームとの配置、下りリンク制御チャネルを構成するOFDMシンボル数、下りリンク制御チャネルや下りリンク共有データチャネルやマルチキャストチャネルなどの多重などを管理する。無線リソース制御部10は、これら管理内容を指示する制御信号を制御部11に出力すると共に、制御部11、送信処理部13を通して移動局装置2に制御データ、システム情報あるいはダイナミックスケジューリング情報を通知する。マルチキャストとユニキャストとの配置については、無線リソース制御部10は、外部からマルチキャストサブフレーム配置パターンを受けて、該マルチキャストサブフレーム配置パターンと送信するマルチキャストデータのデータ量とに基づき、サブフレーム各々をマルチキャストサブフレームとユニキャストサブフレームとのいずれの種別にするかを決定する。
【0069】
制御部11は、無線リソース制御部10から入力された制御信号に基づいて送信処理部13と受信処理部12の制御を行うために、送信処理部13と受信処理部12に制御信号を出力する。制御部11は、送受信信号の変調方式、符号化率の設定、下りリンク制御チャネルを構成するOFDMシンボル数の設定、各チャネルのリソースエレメントへの配置設定、マルチキャストサブフレーム配置パターンに応じたマルチキャストサブフレームとユニキャストサブフレームの配置、下りリンクパイロットチャネルの生成などの制御を、送信処理部13および受信処理部12に対して行う。また、制御部11は、下りリンク制御チャネルに配置する制御データを生成し、送信処理部13に送信を指示する。また、制御部11は、マルチキャストサブフレーム配置パターンなど、下りリンク共有データチャネルに配置するシステム情報を生成し、送信処理部13に情報データと共にデータとして送信を行うように指示する。さらに、制御部11は、マルチキャストチャネルに配置する情報を生成し、送信処理部13に送信を指示する。
【0070】
送信処理部13は、制御部11からの入力に基づき、下りリンク制御チャネル、下りリンク共有データチャネル、マルチキャストチャネル、下りリンクパイロットチャネル、制御フォーマットインディケータチャネルを生成し、各チャネルを下りリンク無線フレームに多重し、複数の、例えば4つの送信アンテナを介して、各移動局装置2に送信する。なお、本発明とは直接の関連がないため、報知チャネル、下りリンク同期チャネル、下りリンクHARQインディケータチャネルに関する処理の説明は省略する。
【0071】
受信処理部12は、制御部11からの入力に基づき、各移動局装置2が送信した上りリンク制御チャネル、上りリンク共有データチャネル、上りリンクパイロットチャネル、ランダムアクセスチャネルの受信を受信アンテナを介して行う。なお、本発明とは直接の関連がないため、上りリンクに関する処理の説明は省略する。
【0072】
<基地局装置1の送信処理部13のブロック図>図7は、本実施形態における基地局装置1の送信処理部13の内部構成を示す概略ブロック図である。基地局装置1の送信処理部13は、複数の下りリンク共有データチャネル処理部31と、マルチキャストチャネル処理部32と、複数の下りリンク制御チャネル処理部33と、参照信号(下りリンクパイロットチャネル)生成部34と、制御フォーマットインディケータ信生成部35と、多重部36と、送信アンテナ毎にアンテナ毎送信処理部37とを具備する。複数の下りリンク共有データチャネル処理部31、複数の下りリンク制御チャネル処理部33、送信アンテナ毎のアンテナ毎送信処理部(送信部)37は、各々同様の構成および機能を有するので、それぞれの一つを代表して説明する。
【0073】
<下りリンク共有データチャネル処理部31>下りリンク共有データチャネル処理部31は、外部から入力された情報データ、制御部11から入力されたシステム情報について下りリンク共有データチャネルの処理を行う。すなわち各々の下りリンク共有データチャネル処理部31は、いずれか一つの移動局装置2宛ての情報データを受けて、ターボ符号化およびデータ変調を行い、該移動局装置2宛ての信号を生成するか、またはマルチキャストサブフレーム配置パターンなどのシステム情報を受けて、ターボ符号化およびデータ変調を行い、不特定多数の移動局装置2宛の信号を生成する。下りリンク共有データチャネル処理部31は、ターボ符号部311と、データ変調部312とを具備する。
【0074】
<マルチキャストチャネル処理部32>マルチキャストチャネル処理部(スケジューリング情報信号生成部)32は、外部から入力されたマルチキャストデータと制御部11から入力されたダイナミックスケジューリング情報についてマルチキャストチャネルの処理を行う、すなわちマルチキャストチャネル処理部32が、マルチキャストデータおよびダイナミックスケジューリング情報を受けて、ターボ符号化およびデータ変調を行い、不特定多数の移動局装置2宛ての信号を生成する。マルチキャストチャネル処理部32は、ターボ符号部321と、データ変調部322とを具備する。
【0075】
<下りリンク制御チャネル処理部33>下りリンク制御チャネル処理部(制御信号生成部)33は、制御部11から入力された制御データについて下りリンク制御チャネルの処理を行う、すなわち各々の下りリンク制御チャネル処理部33が、いずれかの一つの移動局装置2宛の制御データであって、該移動局装置2宛ての下りリンク無線リソース割当情報または上りリンク無線リソース割当情報を受けて、符号化およびQPSK変調を行い、該制御データの信号を生成するか、複数の移動局装置2宛の制御データであって、該不特定数の移動局装置2宛の送信電力コマンド情報を受けて、符号化およびQPSK(Quadrature Phase Shift Keying;4相位相偏移変調)変調を行い、該制御データの信号を生成する。なお、変調方式は、QPSK変調に限定されない。
【0076】
なお、下りリンク制御チャネル処理部33は、当該処理部が生成した信号が配置されるサブフレームの種別に応じた項目からなる制御データの信号を生成する。例えば、ユニキャストサブフレームに配置される制御データの項目は、上りリンク無線リソース割当情報、下りリンク無線リソース割当情報、送信電力コマンド情報であり、マルチキャストサブフレームに配置される制御データの項目は、上りリンク無線リソース割当情報、送信電力コマンド情報である。下りリンク制御チャネル処理部33は、符号部331と、QPSK変調部332とを具備する。
【0077】
<下りリンク制御チャネル処理部33の符号部331>図8は、下りリンク制御チャネル処理部33の符号部331の内部構成を示すブロック図である。下りリンク制御チャネル処理部33の符号部331は、誤り検出符号多重部333と、畳み込み符号部334と、レートマッチング部335とを具備する。下りリンク制御チャネル処理部33の符号部331は、制御部11から入力された制御データについて符号化の処理を行う。すなわち、下りリンク制御チャネル処理部33の符号部331では、誤り検出符号多重部333は、予め決められた生成多項式を用いて生成する誤り検出符号を制御データに多重し、畳み込み符号部334は、誤り検出符号を多重した制御データを畳み込み符号化し、レートマッチング部335は、畳み込み符号化した制御データの繰り返し処理や間引き処理をし、予め決められた4つのうちのいずれかのリソースエレメントのサイズに対応する長さに、該制御データの信号を符号化する。
【0078】
ここで、予め決められた4つのリソースエレメントのサイズとは、36リソースエレメントと72リソースエレメントと144リソースエレメントと288リソースエレメントとである。そして、リソースエレメントのサイズに対応する長さは、QPSK変調をしたときの長さ、すなわち、1リソースエレメントに対して、2ビットの長さである。
【0079】
<多重部36>多重部36は、下りリンク共有データチャネル処理部31が生成した情報データおよびシステム情報の信号を、ユニキャストサブフレームに配置し、マルチキャストチャネル処理部32が生成したマルチキャストデータおよびダイナミックスケジューリング情報の信号を、マルチキャストサブフレームに配置し、下りリンク制御チャネル処理部33が生成した制御データの信号をユニキャストサブフレームとマルチキャストサブフレームとに配置する。
【0080】
<送信アンテナ毎送信処理部37>送信アンテナ毎送信処理部37は、多重部36が各送信アンテナ向けに多重した多重結果の信号を、各送信アンテナを介して送信する。送信アンテナ毎送信処理部37は、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:高速逆フーリエ変換)部371と、GI(Guard Interval:ガードインターバル)挿入部372と、D/A(ディジタル/アナログ変換)部373と、送信RF(Radio Frequency;無線周波数)部374とを具備する。
【0081】
<基地局装置1の送信処理の説明><下りリンク共有データチャネル処理部31>複数の下りリンク共有データチャネル処理部31各々は、外部から入力された情報データ、および制御部11から入力されたシステム情報(以下、情報データとシステム情報とをあわせて「データ」という)をOFDM方式で伝送するためのベースバンド処理を行う。ターボ符号部311は、制御部11からの符号化率の指示に従い、入力されたデータの誤り耐性を高めるためのターボ符号による誤り訂正符号化を行う。データ変調部312は、QPSK、16QAM(16Quadrature Amplitude Modulation;16値直交振幅変調)、64QAM(64Quadrature Amplitude Modulation;64値直交振幅変調)等のような変調方式のうち制御部11から指示された変調方式で、ターボ符号部311により誤り訂正符号化されたデータを変調する。
【0082】
<マルチキャストチャネル処理部32>マルチキャストチャネル処理部32は、外部から入力されたマルチキャストデータと制御部11から入力されたダイナミックスケジューリング情報をOFDM方式で伝送するためのベースバンド処理を行う。ターボ符号部321は、制御部11からの符号化率の指示に従い、入力されたマルチキャストデータおよびダイナミックスケジューリング情報の誤り耐性を高めるためのターボ符号による誤り訂正符号化を行う。データ変調部322は、QPSK、16QAM(16Quadrature Amplitude Modulation;16値直交振幅変調)、64QAM(64Quadrature Amplitude Modulation;64値直交振幅変調)等のような変調方式のうち制御部11から指示された変調方式で、ターボ符号部321により誤り訂正符号化されたマルチキャストデータおよびダイナミックスケジューリング情報を変調する。
【0083】
<下りリンク制御チャネル処理部33>複数の下りリンク制御チャネル処理部33各々は、制御データをOFDM方式で伝送するためのベースバンド処理を行う。符号部331は、制御部11から入力された制御データを誤り検出符号部333で制御データと誤りを検出するための誤り検出符号の多重を行い、畳み込み符号部334で制御データの誤り耐性を高めるための畳み込み符号による誤り訂正符号化を行い、レートマッチング部335で制御データを多重部36で下りリンク制御チャネルに多重するときのサイズと一致させるための繰り返し、または間引きを行う。QPSK変調部332は、符号部331により符号化された制御データをQPSK変調方式で変調する。
【0084】
参照信号生成部34は、制御部11からの各サブフレームの種別を示す制御信号に基づいて、下りリンクパイロットチャネルで基地局装置1の各送信アンテナが送信する下りリンク制御チャネルや下りリンク共有データチャネルなどのための参照信号とマルチキャストチャネルのための参照信号を生成する。制御フォーマットインディケータ信号生成部35は、制御部11からの制御信号に基づいて、下りリンク制御チャネルを構成するOFDMシンボルを示す情報を制御フォーマットインディケータチャネルで送信する制御フォーマットインディケータ信号を生成する。
【0085】
<多重部36>多重部36は、制御部11からの制御信号に基づいて、下りリンク共有データチャネル処理部31各々が出力した符号化および変調等の処理済の各移動局装置2宛てのデータの送信信号と、マルチキャストチャネル処理部32が出力した符号化および変調等の処理済の移動局装置2宛てのマルチキャストデータの送信信号と、下りリンク制御チャネル処理部33が出力した符号化および変調等の処理済みの制御データの送信信号と、制御フォーマットインディケータ信号と、参照信号とを各送信アンテナ向けのリソースエレメントに配置する。
【0086】
また、多重部36は、下りリンク共有データチャネル処理部31が生成した送信信号とマルチキャストチャネル処理部32が生成した送信信号を同じサブフレームに多重することはしない。つまり、多重部36は下りリンク共有データチャネル処理部31が生成した送信信号はユニキャストサブフレームのリソースエレメントへ配置し、マルチキャストチャネル処理部32が生成した送信信号はマルチキャストサブフレームのリソースエレメントへ配置する。
【0087】
図9は、マルチキャストサブフレーム配置パターンと本実施形態におけるダイナミックスケジューリング情報との組合せを説明する図である。すなわち、マルチキャストサブフレーム配置パターンで示す複数のサブフレームにおいて、ダイナミックスケジューリング情報でマルチキャストデータを送信するサブフレームの位置を示されなかったサブフレームを説明する図である。図9において、横軸は時間軸、縦軸は周波数軸である。ここでは、説明の簡略化のためにマルチキャストサブフレームに配置するダイナミックスケジューリング情報とマルチキャストデータ、ユニキャストサブフレームに配置する情報データのみを示し、各サブフレームに配置されるその他のデータについては図示しない。
【0088】
ダイナミックスケジューリング情報は斜線でハッチングされた四角で表し(マルチキャストサブフレーム配置パターンで指定された1つ目のサブフレーム)、マルチキャストデータは太枠の四角で表し(マルチキャストサブフレーム配置パターンで指定された1〜5つ目のサブフレーム)、情報データは細枠の四角で表し(マルチキャストサブフレーム配置パターンで指定されていないサブフレーム)、マルチキャストサブフレーム配置パターンで指定されているがマルチキャストデータを送信しないサブフレームはバツの付いた四角で表す(マルチキャストサブフレーム配置パターンで指定された6〜7つ目のサブフレーム)。
【0089】
図9のマルチキャストサブフレーム配置パターンの周期の始めから13サブフレームまでにおいて、マルチキャストデータは、マルチキャストデータ1からマルチキャストデータ5まで5つ配置されている。また、マルチキャストデータ1からマルチキャストデータ5までが配置されているマルチキャストサブフレーム配置パターンで示したサブフレームの位置を示すダイナミックスケジューリング情報が1つ配置されている。
【0090】
マルチキャストサブフレーム配置パターンは2番目と3番目と7番目と9番目と10番目と11番目と13番目のサブフレームを示している。しかし、ダイナミックスケジューリング情報は2番目と3番目と7番目と9番目と10番目のサブフレームのみを示しているので、11番目と13番目のサブフレームにはマルチキャストデータが配置されない。多重部36は、このようなサブフレームに下りリンク共有データチャネル処理部31が出力したデータの送信信号を配置することができる。
【0091】
また、多重部36は、マルチキャストサブフレーム配置パターンで示したサブフレームにおいて、ダイナミックスケジューリング情報で示したサブフレーム、すなわちマルチキャストサブフレームには、上りリンク無線リソース割当情報、送信電力コマンド情報を配置する。さらに、多重部36は、マルチキャストサブフレーム配置パターンで示したサブフレームにおいて、ダイナミックスケジューリング情報で示さなかったサブフレームに下りリンク共有データチャネル処理部31が出力したデータの送信信号を配置するサブフレーム、すなわちユニキャストサブフレームには、下りリンク無線リソース割当情報、上りリンク無線リソース割当情報、送信電力コマンド情報を配置する。
【0092】
<送信アンテナ毎送信処理部37>IFFT部371は、多重部36から入力された信号を高速逆フーリエ変換して、OFDM方式の変調を行う。GI挿入部372は、制御部11からの制御信号に基づいて、IFFT部371によりOFDM変調済みの信号にガードインターバルを付加することで、OFDM方式におけるシンボルとする。このOFDM方式のシンボルが、ベースバンドのディジタル信号となる。ガードインターバルは、伝送するシンボルの先頭又は末尾の一部を複製する公知の方法によって得る。また、GI挿入部372は、マルチキャストサブフレームの場合には予備のサンプル(図4)を多重する。D/A部373は、GI挿入部372から入力されたベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換する。
【0093】
送信RF部374は、D/A部373から入力されたアナログ信号から、中間周波数の同相成分及び直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、対応する送信アンテナに出力する。基地局装置1は、アンテナ毎送信処理部37を、送信に使用される送信アンテナの数だけ、すなわち、本実施形態では5つ具備し、各アンテナ毎送信処理部37は多重部36が出力した各送信アンテナ向けの信号のうち、対応する送信アンテナ向けの信号を処理する。
【0094】
<移動局装置2の概要>本実施形態の移動局装置2は、基地局装置1が送信したサブフレームから自装置宛ての信号を受信する。移動局装置2は、下りリンク共有データチャネルのシステム情報で送信されるマルチキャストサブフレーム配置パターンで指定されたサブフレームにおいて、ダイナミックスケジューリング情報でマルチキャストデータが含まれると示されたサブフレームはマルチキャストサブフレームであると判断し、ダイナミックスケジューリング情報でマルチキャストデータが含まれると示されなかったサブフレームはユニキャストサブフレームであると判断する。そして、移動局装置2は、マルチキャストサブフレーム配置パターンで示されたサブフレームがユニキャストサブフレームだと判断した場合と、マルチキャストサブフレームだと判断した場合で下りリンク制御チャネルの復号処理の方法を切り替えることで、処理負荷を抑制する。
【0095】
<移動局装置2のブロック図>図10は、本実施形態における移動局装置2の構成を示す概略ブロック図である。図10に示すように、移動局装置2は、制御部21、受信処理部22、送信処理部23を有する。受信処理部22は、受信アンテナを介して基地局装置1から受信した下りリンク制御チャネル、下りリンク共有データチャネル、マルチキャストチャネル、下りリンクパイロットチャネル、制御フォーマットインディケータチャネルに対し受信処理を行う。受信処理部22は、下りリンク制御チャネルを用いて通知された制御データと、下りリンク共有データチャネルと報知チャネルを用いて通知されたシステム情報と、制御フォーマットインディケータチャネルを用いて通知された制御フォーマットインディケータ信号と、マルチキャストチャネルを用いて通知されたダイナミックスケジューリング情報とを制御部21に出力する。また、受信処理部22は、下りリンク共有データチャネルを用いて通知された情報データと、マルチキャストチャネルを用いて通知されたマルチキャストデータとを、外部に出力する。
【0096】
制御部21は、基地局装置1より下りリンク制御チャネルを用いて通知された制御データと、下りリンク共有データチャネルと報知チャネルを用いて通知されたシステム情報と制御フォーマットインディケータチャネルを用いて通知された制御フォーマットインディケータ信号と、マルチキャストチャネルを用いて通知されたダイナミックスケジューリング情報に基づいて、送信処理部23、受信処理部22を制御する。
【0097】
また、制御部21は信号判断部211を具備する。信号判断部(フレーム種別判定部)211は、受信処理部22から入力されたダイナミックスケジューリング情報とマルチキャストサブフレーム配置パターンに基づいて受信したサブフレームがマルチキャストサブフレームかユニキャストサブフレームかを判断し、受信処理部22にガードインターバルを除去する方法と、下りリンク制御チャネルの復号処理の方法と、多重分離の方法を指示する。
【0098】
送信処理部23は、外部から入力された情報データと制御部21から入力された制御データの送信を、制御部21からの入力に基づき上りリンク制御チャネル、上りリンク共有データチャネル、上りリンクパイロットチャネル、ランダムアクセスチャネルを用いて送信アンテナを介して行う。なお、本発明とは直接の関連がないため、送信処理部23による上りリンクに関する処理の詳細については省略する。
【0099】
<移動局装置2の受信処理部22>図11は、本実施形態における移動局装置2の受信処理部22の内部構成を示す概略ブロック図である。移動局装置2の受信処理部22は、受信RF(Radio Frequency;無線周波数)部221と、A/D(Analogue/Digital;アナログ/デジタル)部222と、GI(Guard Interval;ガードインターバル)除去部223と、FFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)部224と、多重分離部225と、伝播路推定部226と、伝播路補償部227、228、229と、制御フォーマットインディケータ検出部230と、データ復調部231と、ターボ復号部(スケジューリング情報検出部)232と、QPSK復調部233と、復号部(制御データ検出部)234とを具備する。本実施形態では、受信RF部221とA/D部222とGI除去部223とFFT部224とで、基地局装置1から送信された信号を受信する受信部として機能する。
【0100】
受信RF部221は、受信アンテナを介して受信した信号を増幅し、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分及び直交成分に基づいて、直交復調する。A/D部222は、受信RF部221により直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。GI除去部223は、制御部21からの指示に基づき、A/D部222の出力したディジタル信号からガードインターバルに相当する部分を除去する。FFT部224は、GI除去部223から入力された信号を高速フーリエ変換し、OFDM方式の復調を行う。
【0101】
多重分離部225は、制御部21からの指示に基づき、FFT部224がフーリエ変換した信号、すなわちOFDM方式により復調された受信信号から下りリンクパイロットチャネル、制御フォーマットインディケータチャネル、下りリンク共有データチャネル、マルチキャストチャネル、下りリンク制御チャネルを、配置されたリソースエレメントから抽出して、出力する。
【0102】
具体的には、多重分離部225は、固定の配置である下りリンクパイロットチャネルと制御フォーマットインディケータチャネルを抽出して、下りリンクパイロットチャネルは伝播路推定部226に出力し、制御フォーマットインディケータチャネルは伝播路補償部227に出力する。さらに、多重分離部225は、制御部21を介して入力される、先に伝播路補償部227に出力した制御フォーマットインディケータチャネルに含まれる制御フォーマットインディケータ信号に基づいて制御部21が判断した無線リソース割当て情報などの制御データを含む下りリンク制御チャネルを抽出して、伝播路補償部229に出力する。
【0103】
さらに、多重分離部225は、制御部21を介して入力される、先に伝播路補償部229に出力した下りリンク制御チャネルに含まれる無線リソース割当情報に基づいて下りリンク共有データチャネルを抽出して、伝播路補償部228に出力する。または、現在受信している、または過去に受信したサブフレームの、下りリンク共有データチャネルのシステム情報に含まれるマルチキャストサブフレーム配置パターンと、マルチキャストチャネルに含まれるダイナミックスケジューリング情報が入力された制御部21の信号判断部211から入力される制御信号に基づいてマルチキャストチャネルを抽出して、伝播路補償部228に出力する。
【0104】
伝播路推定部226は、多重分離部225が分離した下りリンクパイロットチャネルに配置された既知の参照信号の受信結果に基づいて基地局装置1の送信アンテナ各々に対する伝播路変動を推定し、伝播路変動補償値を出力する。伝播路補償部227は、伝播路推定部226からの伝播路変動補償値に基づいて、多重分離部225から入力された制御フォーマットインディケータチャネルの信号の伝播路変動の補償を行う。制御フォーマットインディケータ検出部230は、伝播路補償部227により伝播路変動の補償が行われた制御フォーマットインディケータチャネルに配置された信号から下りリンク制御チャネルが構成されるOFDMシンボル数を示す制御フォーマットインディケータ信号を検出し、制御部21に出力する。
【0105】
伝播路補償部228は、伝播路推定部226からの伝播路変動補償値に基づいて、多重分離部225から入力された下りリンク共有データチャネルとマルチキャストチャネルの信号の伝播路変動の補償を行う。データ復調部231は、伝播路補償部228により伝播路変動の補償された下りリンク共有データチャネルとマルチキャストチャネルの復調を行う。この復調は、基地局装置1のデータ変調部312、322で用いた変調方式に対応したものが行われ、下りリンク共有データチャネルの変調方式は、下りリンク制御チャネルに含まれる情報に基づき制御部21から指示され、マルチキャストチャネルの変調方式は、下りリンク共有データチャネルのシステム情報とマルチキャストチャネルに含まれる情報に基づき制御部21から指示される。
【0106】
ターボ復号部232は、データ復調部231が復調した下りリンク共有データチャネルとマルチキャストチャネルを復号する。すなわち、ターボ復号部(スケジューリング情報検出部)232は、受信した信号から、マルチキャストチャネルに配置されたダイナミックスケジューリング情報を検出する。ターボ復号部232で復号された下りリンク共有データチャネルに含まれていたシステム情報は制御部21に入力される。この復号は、基地局装置1のターボ符号部で用いた符号化率に対応したものが行われ、下りリンク共有データチャネルの符号化率は、下りリンク制御チャネルに含まれる情報に基づき制御部21から指示され、マルチキャストチャネルの符号化率は、下りリンク共有データチャネルのシステム情報とマルチキャストチャネルに含まれる情報に基づき制御部21から指示される。
【0107】
伝播路補償部229は、伝播路推定部226からの伝播路変動補償値に基づいて、多重分離部225から入力された下りリンク制御チャネルの信号の伝播路変動の補償を行う。QPSK復調部233は、伝播路補償部226により伝播路変動の補償された下りリンク制御チャネルのQPSK復調を行う。復号部(制御データ検出部)234は、QPSK復調部233が復調した下りリンク制御チャネルを復号する。すなわち、復号部234は、受信した信号のサブフレーム各々に対して、信号判定部211の判定結果が示す種別に対応する項目の制御データの検出処理を行う。この検出処理を行う際に、判定結果が示す種別に対応する項目に応じたデータサイズを用いる。具体的には、検出処理を行う際のレートデマッチングにおいて、レートデマッチング結果がこのデータサイズとなるようにレートデマッチングを行う。復号部234で復号された下りリンク制御チャネルに構成される制御データは制御部21に入力される。復号部234の詳細は後述する。
【0108】
制御部21は、制御データ中の変調方式に関する情報に基づいてデータ復調部231に制御信号を出力し、制御データ中の符号化率に関する情報に基づいてターボ復号部232に制御信号を出力する。また、制御部21は、制御フォーマットインディケータ信号に基づいて自移動局装置2の下りリンク制御チャネルを、配置されたリソースエレメントから抽出するように多重分離部225に制御信号を出力する。また、制御部21は、復号部234より入力される制御データが下りリンク無線リソース割当情報の場合、下りリンク無線リソース割当情報に基づいて自移動局装置2の下りリンク共有データチャネルを、配置されたリソースエレメントから抽出するように多重分離部225に制御信号を出力する。
【0109】
また、制御部21は、復号部234より入力される制御データが上りリンク無線リソース割当情報の場合、上りリンク無線リソース割当情報に基づいて上りリンク共有データチャネルを送信するように送信処理部23に制御信号を出力する。また、制御部21は、復号部234より入力される制御データが送信電力コマンド情報の場合、送信電力コマンド情報に基づいて上りリンク共有データチャネル、または上りリンク制御チャネルの送信電力を設定するように送信処理部23に制御信号を出力する。
【0110】
信号判断部(フレーム種別判定部)211は、ターボ復号部232より入力される下りリンク共有データチャネルに配置されているシステム情報内のマルチキャストサブフレーム配置パターンを保持しておき、該マルチキャストサブフレーム配置パターンと、ターボ復号部232より入力されるマルチキャストチャネルに配置されているダイナミックスケジューリング情報とに基づき、受信したサブフレーム各々の種別を判定する。
【0111】
具体的には、信号判断部211は、保持しているマルチキャストサブフレーム配置パターンに基づきマルチキャストサブフレームを配置可能と指定されたサブフレームを認識し、指定されていないサブフレームの種別をユニキャストサブフレームと判定する。さらに、信号判断部211は、先に認識したマルチキャストサブフレームを配置可能と指定されたサブフレームのうち、ターボ復号部232より入力されるマルチキャストチャネルに配置されているダイナミックスケジューリング情報によりマルチキャストデータが対応付けられたサブフレームの種別を、マルチキャストサブフレームと判定する。また、信号判断部211は、先に認識したマルチキャストサブフレームを配置可能と指定されたサブフレームのうち、ダイナミックスケジューリング情報によりマルチキャストデータが対応付けられていないサブフレームの種別を、ユニキャストサブフレームと判定する。
【0112】
また、信号判断部211は、伝搬路推定部226、伝搬路補償部228、データ復調部231、ターボ復号部232に、受信したサブフレームの種別に応じた処理を行うように制御信号で指示をする。
【0113】
<レートデマッチングの処理の切換>図12は、移動局装置1の復号部234の内部構成を示すブロック図である。復号部234は制御データ多重分離部235と、レートデマッチング部236と、ビタビデコーダ部237と、誤り検出部238を具備する。制御データ多重分離部235は、当該移動局装置2宛の制御データが配置されている可能性のあるリソースエレメントのQPSK復調結果(ビット列)を36リソースエレメント毎のビット列、72リソースエレメント毎のビット列、144リソースエレメント毎のビット列、および288リソースエレメント毎のビット列の4種類のパターンで、制御データのビット列に分離してレートデマッチング部236に出力する。
【0114】
レートデマッチング部236は、信号判断部211からのサブフレームの種別を指示する制御信号に基づいて、可能性のある制御データの項目各々のデータ長と一致するように、制御データ多重分離部235から入力された制御データのビット列をレートデマッチングし、ビタビデコーダ部237に出力する。つまり、信号判断部211がマルチキャストサブフレーム配置パターンで示されたサブフレームがマルチキャストサブフレームであると判定した場合、制御データには下りリンク無線リソース割当情報は含まれていないので、信号判断部211は制御データ多重分離部235から入力された制御データを下りリンク無線リソース割当情報以外の制御データだと想定してレートデマッチングを行うようにレートデマッチング部236に制御信号で指示をする。すなわち、このように信号判断部211がマルチキャストサブフレームであると判定した場合、制御データ多重分離部235は、そのサブフレームに対して、レートデマッチングの結果、下りリンク無線リソース割当情報の長さになるレートマッチングパターンを用いたレートデマッチングを行わない。従って、制御データを検出する処理負荷を抑制することができるという効果を奏する。
【0115】
また、信号判断部211がマルチキャストサブフレーム配置パターンで示されたサブフレームがユニキャストサブフレームだと判定した場合、信号判断部211は制御データ多重分離部235から入力された制御データを下りリンク無線リソース割当情報、上りリンク無線リソース割当情報または送信電力コマンド情報だと想定してレートデマッチングを行うようにレートデマッチング部236に制御信号で指示をする。
【0116】
ビタビデコーダ部237は、レートデマッチング部236から入力された制御データを畳み込み復号し、その復号結果を誤り検出部238に出力する。誤り検出部238は、ビタビデコーダ部237から入力された制御データに多重されている誤り検出符号を抽出し誤り検出をし、誤りを検出した場合は、まだ試していないリソースエレメントとレートデマッチング(データ長)との組合せの復号処理をするように制御データ多重分離部235に制御信号で指示をし、誤りを検出しなかった場合は制御データを制御部21に出力してから、まだ試していない復号処理をするように制御データ多重分離部235に指示をする。
【0117】
<信号判断部211のフローチャート>図13は、移動局装置2の信号判断部211の動作の例を説明するフローチャートである。信号判断部211は、ターボ復号部232からマルチキャストサブフレーム配置パターンとダイナミックスケジューリング情報を入力され(Sa1)、次に信号判断部232は、マルチキャストサブフレーム配置パターンとダイナミックスケジューリング情報から、受信したサブフレームがマルチキャストサブフレームかユニキャストサブフレームかを判定する(Sa2)。次に信号判断部211は、レートデマッチング部236、伝搬路推定部226、伝搬路補償部228、データ復調部231、ターボ復号部231に、受信したサブフレームの種別(マルチキャストサブフレームまたはユニキャストサブフレーム)に応じた処理を行うように制御信号で異なる指示をする(Sa3)。
【0118】
<レートデマッチング部236のフローチャート>図14は、移動局装置2のレートデマッチング部236の動作の例を説明するフローチャートである。レートデマッチング部236に、制御データ多重分離部235から制御データが入力される(Sb1)。次にレートデマッチング部236に、信号判断部211から受信したサブフレームがマルチキャストサブフレームかユニキャストサブフレームかを示す制御信号が入力される(Sb2)。
【0119】
信号判断部211から入力した制御信号がマルチキャストサブフレームを示していた場合(Sb3−マルチキャストサブフレーム)、レートデマッチング部236は、制御データが上りリンク無線リソース割当情報または送信電力コマンド情報だと想定したレートデマッチングを行う(Sb4)。また、信号判断部211から入力した制御信号がユニキャストサブフレームを示していた場合(Sb3−ユニキャストサブフレーム)、レートデマッチング部236は、制御データが下りリンク無線リソース割当情報、上りリンク無線リソース割当情報または送信電力コマンド情報だと想定したレートデマッチングを行う(Sb5)。
【0120】
ステップSb4とSb5のように、復号部234のレートデマッチング部236は、信号判断部211によるサブフレームの種別の判定結果が示す種別に対応する項目の制御データを検出するためのレートデマッチング処理を行うので、制御データを検出する処理負荷を抑制するとの顕著な効果を奏する。
【0121】
なお、本発明に関わる移動局装置2で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU(Central Processing Unit)等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)に蓄積され、その後、Flash ROM(Read Only Memory)などの各種ROMやHDD(Hard Disk Drive)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行われる。
【0122】
また、図6における無線リソース制御部10、制御部11、および、図7における下りリンク共有データチャネル処理部31、マルチキャストチャネル処理部32、下りリンク制御チャネル処理部33、参照信号生成部34、制御フォーマットインディケータ信号生成部35、多重部36、IFFT部371、GI挿入部372、D/A部373、および図8における誤り検出符号多重部333、畳み込み符号部334、レートマッチング部335、および図10における制御部21、信号判断部211、および図11におけるA/D部222、GI除去部223、FFT部224、多重分離部225、伝播路推定部226、伝播路補償部227、制御フォーマットインディケータ検出部230、伝播路補償部228、データ復調部231、ターボ復号部232、伝播路補償部229、QPSK復調部233、復号部234、制御部21、信号判断部211および図12の制御データ多重分離部235、レートデマッチング部236、ビタビデコーダ部237、誤り検出部238の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0123】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0124】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、携帯電話端末を移動局装置とする移動体通信システムに用いて好適であるが、これに限定されない。
【符号の説明】
【0126】
1 基地局装置
10 無線リソース制御部
11 制御部
12 受信処理部
13 送信処理部
31 下りリンク共有データチャネル処理部
32 マルチキャストチャネル処理部
33 下りリンク制御チャネル処理部
34 参照信号生成部
35 制御フォーマットインディケータ信号生成部
36 多重部
37 送信アンテナ毎送信処理部
311 ターボ符号部
312 データ変調部
321 ターボ符号部
322 データ変調部
331 符号部
332 QPSK変調部
333 誤り検出符号多重部
334 畳み込み符号部
335 レートマッチング部
371 IFFT部
372 GI挿入部
373 D/A部
374 送信RF部
2 移動局装置
21 制御部
22 受信処理部
23 送信処理部
211 信号判断部
221 受信RF部
222 A/D部
223 GI除去部
224 FFT部
225 多重分離部
226 伝播路推定部
227、228、229 伝播路補償部
230 制御フォーマットインディケータ検出部
231 データ復調部
232 ターボ復号部
233 QPSK復調部
234 復号部
235 制御データ多重分離部
236 レートデマッチング部
237 ビタビデコーダ部
238 誤り検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャストチャネルを用いたMBMS(Multimedia Broadcast /Multicast Service)データの送信が行なわれるMBSFN(Multicast/Broadcast over Single Frequency Network)サブフレームと、下りリンク共有データチャネルを用いたユニキャストデータの送信が行なわれるユニキャストサブフレームとを用いて基地局装置と通信する移動局装置であって、
前記MBSFNサブフレームとして予約されるサブフレームを指示するサブフレーム設定情報を前記下りリンク共有データチャネルを用いて前記基地局装置から受信し、そして、前記サブフレーム設定情報によって指示されたサブフレームのうち前記MBMSデータが送信されるサブフレームを指示するスケジューリング情報を前記マルチキャストチャネルを用いて前記基地局装置から受信する受信処理部と、
前記MBSFNサブフレームおよび前記ユニキャストサブフレームにおいて、下りリンク制御チャネルの検出処理を行う復号部と、
前記スケジューリング情報によって指示されたサブフレームを除く、前記サブフレーム設定情報によって指示されたサブフレームにおいて、前記下りリンク共有データチャネルの無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報を含む下りリンク制御チャネルを検出した場合に、前記下りリンク共有データチャネルを復号するターボ復号部と、
を備えることを特徴とする移動局装置。
【請求項2】
前記復号部は、前記スケジューリング情報によって指示されたサブフレームにおいて、前記下りリンク共有データチャネルの無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報を含む下りリンク制御チャネルの検出処理を行わない、
請求項1に記載の移動局装置。
【請求項3】
前記復号部は、前記MBSFNサブフレームおよび前記ユニキャストサブフレームにおいて、上りリンク共有データチャネルの無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報を含む下りリンク制御チャネルの検出処理を行う、
請求項1または請求項2に記載の移動局装置。
【請求項4】
マルチキャストチャネルを用いたMBMS(Multimedia Broadcast /Multicast Service)データの送信が行なわれるMBSFN(Multicast/Broadcast over Single Frequency Network)サブフレームと、下りリンク共有データチャネルを用いたユニキャストデータの送信が行なわれるユニキャストサブフレームとを用いて移動局装置と通信する基地局装置であって、
前記MBSFNサブフレームとして予約されるサブフレームを指示するサブフレーム設定情報を、前記下りリンク共有データチャネルを用いて前記移動局装置に送信し、そして、前記サブフレーム設定情報によって指示されたサブフレームのうち前記MBMSデータが送信されるサブフレームを指示するスケジューリング情報を、前記マルチキャストチャネルを用いて前記移動局装置に送信する送信処理部と、を備え、
さらに前記送信処理部は、前記スケジューリング情報によって指示したサブフレームを除く、前記サブフレーム設定情報によって指示したサブフレームにおいて、前記下りリンク共有データチャネルの無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報の下りリンク制御チャネルを用いた送信、および前記ユニキャストデータの前記下りリンク共有データチャネルを用いた送信を行なうこと
を特徴とする基地局装置。
【請求項5】
前記送信処理部は、前記スケジューリング情報によって指示したサブフレームにおいて、前記下りリンク共有データチャネルの無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報を含む下りリンク制御チャネルの送信を行わない、
請求項4に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記送信処理部は、前記MBSFNサブフレームおよび前記ユニキャストサブフレームにおいて、上りリンク共有データチャネルの無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報を含む下りリンク制御チャネルの送信を行う、
請求項4または請求項5に記載の基地局装置。
【請求項7】
マルチキャストチャネルを用いたMBMS(Multimedia Broadcast /Multicast Service)データの送信が行なわれるMBSFN(Multicast/Broadcast over Single Frequency Network)サブフレームと、下りリンク共有データチャネルを用いたユニキャストデータの送信が行なわれるユニキャストサブフレームとを用いて移動局装置と通信する基地局装置における無線送信方法であって、
前記MBSFNサブフレームとして予約されるサブフレームを指示するサブフレーム設定情報を、前記下りリンク共有データチャネルを用いて前記移動局装置に送信する第1の過程と、
前記サブフレーム設定情報によって指示されたサブフレームのうち前記MBMSデータが送信されるサブフレームを指示するスケジューリング情報を、前記マルチキャストチャネルを用いて前記移動局装置に送信する第2の過程と、
前記スケジューリング情報によって指示したサブフレームを除く、前記サブフレーム設定情報によって指示したサブフレームにおいて、前記下りリンク共有データチャネルの無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報の下りリンク制御チャネルを用いた送信、および前記ユニキャストデータの前記下りリンク共有データチャネルを用いた送信を行なう第3の過程と、
を有することを特徴とする無線送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−9420(P2013−9420A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196726(P2012−196726)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2010−518021(P2010−518021)の分割
【原出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】