無線通信システムにおける輻輳を判定して、管理するための方法および装置
【課題】AP(アクセスポイント)から輻輳の本当の状況をSTA(無線局)に与える。
【解決手段】APがサービス負荷指標を生成し、送信する。サービス負荷指標は、測定枠の間に送信されたBE(ベストエフォート)フレームについての平均アクセス遅延、BEサービスが利用可能でないこと、あるいはBEフレームについての平均アクセス遅延が利用可能でないこと、の表示を示すBE遅延フィールドと、測定枠の間に送信されたBK(背景)フレームについての同様な表示を示すBK遅延フィールドと、測定枠の間に送信されたVI(映像)フレームについての同様な表示を示すVI遅延フィールドと、測定枠の間に送信されたVO(音声)フレームについての同様な表示を示すVO遅延フィールドを含む。STAはAPからシングルメセージの一部としてサービス負荷指標を受信する。
【解決手段】APがサービス負荷指標を生成し、送信する。サービス負荷指標は、測定枠の間に送信されたBE(ベストエフォート)フレームについての平均アクセス遅延、BEサービスが利用可能でないこと、あるいはBEフレームについての平均アクセス遅延が利用可能でないこと、の表示を示すBE遅延フィールドと、測定枠の間に送信されたBK(背景)フレームについての同様な表示を示すBK遅延フィールドと、測定枠の間に送信されたVI(映像)フレームについての同様な表示を示すVI遅延フィールドと、測定枠の間に送信されたVO(音声)フレームについての同様な表示を示すVO遅延フィールドを含む。STAはAPからシングルメセージの一部としてサービス負荷指標を受信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の分野に関する。より具体的には、本発明は、搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式(CSMA/CA)機構を使用し、輻輳(通信回線の混雑状態)を判定して、管理するための手段を提供し、無線通信において新奇な媒体アクセス制御(MAC)測定を提供することによってネットワーク管理をさらに強化する無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、当該技術分野において周知である。一般に、そのようなシステムは、互いの間で無線通信信号を送受信する通信局を含む。システムタイプに応じて、通信局は、通常、以下の2つのタイプ、すなわち、基地局、または移動ユニット(携帯)を含む無線送信/受信ユニット(WTRU)のいずれかである。
【0003】
本明細書で使用する基地局という用語には、基地局、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント、または基地局が関連付けられているネットワークへの無線アクセスをWTRUに提供する、無線環境における他のインタフェースデバイスが含まれるが、以上に限定されるものではない。
【0004】
本明細書で使用するWTRUという用語には、ユーザ機器、移動局、固定加入者ユニットまたは移動加入者ユニット、ポケットベル、または無線環境において動作することができる他の任意のタイプのデバイスが含まれるが、以上に限定されるものではない。WTRUには、電話機、テレビ電話機、およびネットワーク接続を有するインターネット対応電話機などのパーソナル通信デバイスが含まれる。さらに、WTRUには、同様のネットワーク能力を有する無線モデムを有するPDAやノートブックコンピュータなどの、パーソナルコンピューティングデバイスが含まれる。ポータブルである、またはそれ以外で移動することができるWTRUは、移動ユニット(携帯)と呼ばれる。一般的に、基地局もWTRUである。
【0005】
通常、基地局のネットワークは、各基地局が、適切に構成されたWTRU群と同時に無線通信を行うことができるように備えられている。一部のWTRUは、互いの間で直接に、すなわち、ネットワークの中で基地局を介して中継されることなしに、無線通信を行うように構成されている。これは、一般に、ピアツーピア無線通信と呼ばれる。WTRUは、他のWTRU群と通信するように構成されている場合、そのWTRU自体が、基地局として構成され、基地局として機能することが可能である。WTRUは、ネットワーク能力とピアツーピア通信能力を共に有して、複数のネットワークにおいて使用されるように構成されることが可能である。
【0006】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と呼ばれる1つのタイプの無線システムは、同様の備えを有するWTRU群とピアツーピア通信を行うこともできるWLANモデムを備えたWTRU群と無線通信を行うように構成されることが可能である。現在、WLANモデムは、メーカー(製造業者)によって多くの従来の通信デバイスおよびコンピューティングデバイスに組み込まれている。例えば、セルラー電話機(携帯電話)、パーソナルデジタルアシスタント(携帯情報端末)、およびラップトップコンピュータ(ノート型コンピュータ)が、1つまたは複数のWLANモデムを有して構築されている。
【0007】
通常、アクセスポイント(AP)と呼ばれる、1つまたは複数のWLAN基地局を有する一般的なローカルエリアネットワーク環境は、IEEE802.11の一群の標準に準拠して構築される。図1に示す例示的な802.11ローカルエリアネットワーク(LAN)は、システムがセルに分割されるアーキテクチャに基づく。各セルは、802.11システムの文脈で局(STA)と一般に呼ばれる1つまたは複数のWTRUと通信するための少なくとも1つのAPを含む、基本サービスセット(BSS)を含む。APとSTAの間の通信は、無線STAと有線ネットワークの間の無線インタフェースを定義するIEEE802.11標準に準拠して行われる。
【0008】
無線LAN(WLAN)は、配信システム(DS)に対するポータル(入り口)を有する、単一のAPを有する単一のBSSによって形成されることが可能である。しかし、設備(installation)は、通常、いくつかのセルから成り、AP群が、DSと呼ばれるバックボーン(基幹回線)を介して接続される。
【0009】
また、モバイルアドホックネットワーク(MANET)も、図1に示されている。MANETは、無線リンクによって接続されたモバイルルータ群(および関連するホスト群)の自己構成ネットワークであり、ルータ群の結合は、任意のトポロジ(接続形態)を形成する。ルータ群は、ランダムに移動して、自らを任意に編成することが自由にでき、そのため、ネットワークの無線トポロジは、急速に、予測できないように変化する可能性がある。そのようなネットワークは、スタンドアロン型(ネットワークに接続されていない独自方式)で動作しても、よりも大きいインターネットに接続されてもよい。
【0010】
様々なセル、セルのそれぞれのAP、およびDSを含む、互いに接続されたWLANは、単一のIEEE802.11ネットワークと見なされ、拡張サービスセット(ESS)と呼ばれる。IEEE802.11ネットワークは、通常、搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式(CSMA/CA)プロトコルを使用して、WLANネットワークのノード群(つまり、STA群)の間で、無線で情報を交換する。以上の枠組みにおいて、送信することを望むSTA群は、無線媒体へのアクセスを求めて当然競合するものである。競合機構には、媒体が、(標準によって規定される規則セットに従って)ある期間にわたってアイドル(遊休状態)のままになるのを待ってから、データパケットを送信することを含む。ノードが、チャネルにアクセスして、そのノードのパケットを送信するのにかかる時間は、局の数、およびデータトラフィック(データアクセス量)が増加するにつれ、増大する。そのようなシステムにおける輻輳は、媒体へのアクセスを得るのにかかる時間が、あまりにも多くの局が、同一の媒体を求めて競合していることにより、許容できなくなる場合に生じる可能性がある。
【0011】
CSMA/CAプロトコルの性質のため、また、ほとんどの送信がベストエフォート型であることを考慮すると、システムが、いつ輻輳を経験していると分類されるかを判定することは、極めて困難である。そのような複雑なシステムにおいて輻輳を判定することは、1つの選択されたメトリック(計量)が、輻輳を示す一方で、別のメトリックが、輻輳を示さない可能性があるので、単純な作業ではない。
【0012】
輻輳を示すのに使用されることが可能な、いくつかのメトリックには、衝突率と、チャネル稼働時間、すなわち、媒体が使用中である時間などが含まれる。しかし、これらのメトリックは、個々に測定されると、必ずしも輻輳の本当の状況を与えない。例えば、チャネル稼働時間メトリックは、輻輳状況の正確な状況を与えない。1つの局が、あるチャネル上でただ1つだけであり、常時、送信している可能性がある。そのケースでは、チャネル稼働時間メトリックは、高い。システムが、他の局からのさらなるトラフィックを、サポートすることができないように見える可能性がある。しかし、新たな局が、そのチャネルにアクセスした場合、その局は、それでも、CSMA/CA機構のおかげで、良好なスループットを経験する可能性がある。というのは、そのチャネルは、その場合、その2つの局の間で均等に共用されるからである。システムは、所与の時点で同一のチャネルを求めて競合しており、媒体へのアクセスを各局が待たなければならない、より長い時間、およびより多くの数の衝突のために、深刻な遅延を経験している、いくつかの局が存在する場合に、実際に、輻輳している。
【0013】
別の態様では、特に、IEEE802.11標準およびIEEE802.11k標準に準拠するシステムにおいて、現在、限られたネットワーク管理機能が、存在する。本発明者らは、ネットワーク管理の文脈で、現在、使用されているチャネル負荷情報の有用性には、いくつかの限界が存在することを認識した。また、チャネル負荷測定値を使用することの限界を考慮した後、より良いネットワーク管理を実現する改良された方法の必要性も存在する。本発明は、チャネル負荷情報の文脈で、IEEE802.11標準およびIEEE802.11k標準に関連する強化されたネットワーク管理を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)システムにおいて輻輳を判定して、アドバタイジング(公示)するための方法を提供する。また、本発明は、輻輳が検出された際に、輻輳を管理するための方法も提供する。本発明の一態様は、CSMA/CAを使用する無線システムに適用される。好ましくは、以下を含む、いくつかのメトリックが、輻輳を判定するのに使用される。すなわち、バックオフ手続きの平均時間、基本サービスセット内(BBS内)遅延率(deferral rate)、BSS外遅延率、関連局の数、平均WTRUチャネル稼働時間、および平均バッファ媒体アクセス制御(MAC)占有率である。輻輳を緩和するのにとられる措置には、好ましくは、確認応答のある/確認応答のないパケットを送信しようとして費やされた浪費時間の多い順にWTRUのセットを並べ替えること、および輻輳が緩和されるまで、各WTRUを1つずつ切り離すことが含まれる。
【0015】
また、本発明は、好ましくは、2つの新たなMAC測定値の使用を介して、特にIEEE802.11標準およびIEEE802.11k標準の文脈で、ネットワーク管理の改良された方法も提供する。より具体的には、2つの新たな測定値には、STAアップリンクトラフィック負荷測定値およびアクセスポイント(AP)サービス負荷測定値が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、未対応のキュー(待ち行列)に入れられたトラフィック要求に関してSTA送信負荷の新たな測定値を与える、送信キューサイズの管理情報ベース(MIB)表示の考慮を含む。本発明は、STAがハンドオフ判定を行うのを支援するのに使用されるAPサービス負荷の新たな測定値を与える、APサービス負荷のMIB表示の考慮をさらに含む。以上の特徴の実施は、ソフトウェアとして、または他の任意の好都合な形態において可能である。本発明の以上の態様は、一般に、例えば、直交周波数分割多重(OFDM)システムおよび符号分割多重アクセス2000(CDMA2000)システムの文脈でIEEE802.11k準拠システムに適用されるレイヤ1およびレイヤ2に適用可能である。しかし、本発明は、他のシナリオに対する一般的な適用可能性も有する。
【0017】
本発明は、有利には、様々な形態の選択的に構成されたWTRUにおいて実施される。
【0018】
本発明のより詳細な理解は、例示として与えられ、添付の図面に関連して理解されるべき、好ましい諸実施形態の以下の説明から得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】対応する構成要素を有する従来のIEEE802.11 WLANを示す概略図である。
【図2】図2から図9は無線通信システムにおいて輻輳を判定して、管理するための本発明の諸技法を示す流れ図である。より詳細には、図2は遅延率(DR)メトリックおよびパケット誤り率(PER)メトリックを使用して輻輳を判定するための方法を示す流れ図である。
【図2A】確認応答のないパケットを送信/再送信しようとして浪費された時間を測定することに基づき、WTRUを切り離すための方法を示す流れ図である。
【図3】ノードの負荷を近隣ノード群のアドバタイジングされた負荷と比較することによって負荷遮断を管理するための方法を示す流れ図である。
【図4】パケットがキューの先頭に到達してからパケットの送信までの平均遅延に基づき、WTRU群にアドバタイジングされる負荷を示すための方法を示す流れ図である。
【図5】送信キューサイズ(TQS)を近隣ノード群に示すための方法を示す流れ図である。
【図6】競合のない送信キューサイズ(CFTQS)を近隣ノード群に示すための方法を示す流れ図である。
【図7】競合送信キューサイズ(CTQS)を近隣ノード群に示すための方法を示す流れ図である。
【図8】WTRU群からの対応済みのトラフィック負荷および未対応のトラフィック負荷の評価に基づいてチャネルを管理するために、およびWTRU群にアドバタイジングするためのサービス負荷スカラーをもたらすために、ノードによって使用される方法を示す流れ図である。
【図9】近隣ノード群によってもたらされる負荷スカラーに基づいてノードを選択するために、WTRU群によって使用される方法を示す流れ図である。
【図10】本発明によるBSS負荷エレメントフォーマットを示す図である。
【図11】本発明によるアクセスカテゴリーサービス負荷エレメントフォーマットを示す図である。
【図12】本発明に従って構成された通信局を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の諸特徴および諸要素は、好ましい諸実施形態において特定の組み合わせで説明されるが、各特徴または各要素は、単独で(好ましい諸実施形態の他の特徴、および他の要素を伴わずに)使用されることも、本発明の他の特徴、および他の要素を伴って、または伴わずに、様々な組み合わせで使用されることも可能である。
【0021】
本発明の一態様は、チャネル輻輳の負荷メトリックを測定する、以下の2つの異なるアプローチを導入する。すなわち、第1に、個々のAPの負荷に主に基づく、基本サービスセット(BSS)ベースの負荷メトリック。第2に、様々なAPの間で分担される負荷を示すメトリックである、チャネルベースの負荷メトリック。
【0022】
BSSベースの負荷メトリックは、高い負荷条件、および高いチャネル輻輳を判定するメトリックである。2つの好ましいBSSベースの負荷メトリックは、BSS内遅延率メトリックおよびパケット誤り率メトリックである。
【0023】
遅延率(DR:deferral rate)は、APが、送信すべき1つまたは複数のパケットを有しながら(すなわち、APのキューが、空ではない)、APの受信側が、搬送波ロックされている(すなわち、クリアチャネルアセスメント(CCA)が使用中条件を示す)時間のパーセンテージを表す測定値である。つまり、DRは、APが、他のWLANノードへの送信を延期することに費やす時間の量を表す。
【0024】
BSS内遅延率は、APが、送信すべき1つまたは複数のパケットを有しながら、APの受信側が、BSS内パケット(すなわち、BSSに関連付けられたWTRUの1つを発信元とするパケット)に、搬送波ロックされている時間のパーセンテージを表す。つまり、BSS内DRは、APに関連付けられたWTRUの1つが、媒体を支配している(すなわち、パケットを送信している)ために、APが、APの独自の送信を延期することに費やす時間の量を表す。
【0025】
BSS内遅延率(deferral rate)は、システムが受けている現在の負荷のレベルを示し、同一のBSS内の別のノードに送信する必要がある場合に、送信を延期することに費やされた時間を測定することによる。低いBSS内延期メトリック(deferral metric)は、そのBSSに関する負荷が低いことを示す。高いBSS遅延率は、同時に送信している多数のノードが存在すること、およびそのため、相当な負荷が存在することを示す。
【0026】
送信すべき相当な量のデータを有する2つだけのノードが、システム内に存在するケースでは、遅延率は、高い可能性があり、単独で使用された場合に、輻輳を示す。しかし、システム内に2つだけのノードしか存在しないので、これは、輻輳状況とは考えられない。以上の状況に対処するのに、本発明は、遅延率メトリックに加えて、パケット誤り率(PER)を使用する。
【0027】
パケット誤り率(PER)は、送信されたパケットの総数に対する、失敗した送信(すなわち、ACKが受信されなかったパケット送信)の数の比である。PERメトリックは、控えめなデータ送信速度が使用される場合に、システムにおける衝突率の良好な表示である。システム内のノードの数が多いほど、衝突の確率は、高くなる。BSS内遅延率メトリックとPERメトリックの両方を一緒に使用することにより、いずれかのメトリックが個別に使用されるよりも、APの負荷のより良好な表示がもたらされる。
【0028】
本発明では、図2に示すとおり、ステップS1およびステップS3で、BSS内遅延率メトリックおよびPERメトリックが、それぞれ測定され、次に、それぞれ、ステップS2およびステップS4で、事前定義された期間(例えば、30秒)にわたって平均される。両方のメトリックの平均は、ステップS5およびステップS6で、輻輳が生じたことを知らせるのに使用される。より具体的には、所与の期間(例えば、30秒)にわたって、BSS内遅延率(DR)メトリックが、ステップS5における判定により、第1の事前定義された閾値を超え、PERメトリックが、ステップS6における判定により、第2の事前定義された閾値を超えると、このことは、輻輳の表示である。
【0029】
輻輳が、上述した基準に基づいて検出されるか、または輻輳を判定するための他の技術を使用するかにかかわらず、本発明は、以下のアクション(行動)を提供する。すなわち、まず、ステップS7でAPが、再送信を試みて費やされた時間量の順に、基本サービスセット(BSS)内のすべてのWTRUを並べ替えることである。浪費された時間は、好ましくは、以下に説明する浪費時間アルゴリズムALGwtに従って算出される。より具体的には、確認応答のないパケットを有するWTRUのセットまたはリストが、作成される。WTRUに対する、確認応答のない各パケットに関して、そのパケットを送信しようとし、再送信しようとして費やされたすべての浪費時間の合計(すなわち、パケットサイズ/パケット送信速度に再送信された各パケットに関するペナルティを足した値)が、記録される。そのペナルティは、再送信に関連する、増大する遅延、すなわち、輻輳枠(CW)の倍増に起因するバックオフ(ネットワーク上で衝突が発生した後の伝送遅延)時間を反映する。ペナルティは、パケットの送信の準備が整った時点から、パケットが媒体を介して実際に送信される時点までに被った付加的な遅延を表す。したがって、以上の再送信時間メトリックは、衝突の後にパケットを再送信することに時間を浪費する局の場合に、非常に大きい。再送信時間メトリックは、選択された期間にわたって正規化される。
【0030】
WTRUに関する浪費時間を割り出すための例示的な式は、以下によって与えられる。すなわち、
【0031】
【数1】
【0032】
ただし、
wated_timeWTRU=WTRUに、確認応答のないパケットを送信しようとし、再送信しようとして費やされた浪費時間の合計
j=第j番目のパケット
i=第j番目のパケットの第i回目の送信#_pktsj=第j番目のパケットの送信の#、例えば、1、2、3、...Pkt_sizeij=第j番目のパケットの第i回目の送信のビット単位のサイズPkt_tx_rateij=第j番目のパケットの第i回目の送信のbps単位の送信速度RTxi>1=2i-2、ただし、i>1、さもなければ0の場合、Penalty=CWmin*スロット時間、例えば、CWmin=32、かつスロット時間=20マイクロ秒注:CWは、第1回の送信の後、2×CWmin#_pktsjは、所与のパケットの確認応答のない送信の回数と一致することに留意されたい。パケットが、最終的にうまく送信された場合、#_pktsjは、再送信の回数と正確に一致する。パケットが、ドロップされた(すなわち、決してうまく送信されなかった)場合、#_pktsjは、(再送信の回数+1)と一致する。
【0033】
wated_txtimeSTAの例が、以下に与えられる。すなわち、
APが、特定のSTAに送信すべき20のパケットを有するものと想定されたい。複数回の送信を行う間に、例えば、以下のとおり、パケットが、うまく確認応答されたか否か、およびパケット再送信回数を、APが、監視して、記録する、すなわち、
GGGGGBBB↓BBB↓GGGGG↑GGGGGG↑BBB↓GGGG
ただし、
↑=率の増加
↓=率の減少
G=確認応答のある、つまり、「良好の」フレーム
B=確認応答のない、つまり、「不良の」フレーム
最初のBは、第6番目のパケットであり、その第6番目のパケットの6回の送信が存在した、すなわち、BBB↓BBB。
#_pkts6=6
Pkt_sizei6=12000ビット
Pkt_tx_ratei6={11.0, 11.0, 11.0, 5.5, 5.5, 5.5}Mbps
RTxi>1*Penalty={0.0, 640.0, 1280.0, 2560.0, 5120.0, 10240.0}μs
第7番のBは、第17番目のパケットであり、その第17番目のパケットの3回の送信が存在した、すなわち、↑BBB↓。
#_pkts17=3
Pkt_sizei17=8000ビット
Pkt_tx_ratei17={11.0, 11.0, 11.0}Mbps
RTxi>1*Penalty={0.0, 640.0, 1280.0}μs
したがって、
wasted_txtimeSTA=(12000/11e6)+(12000/11e6+640.0)+(12000/11e6+1280.0)+(12000/5.5e6+2560.0)+(12000/5.5e6+5120.0)+(12000/5.5e6+10240.0)+(8000/11e6)+(8000/11e6+640.0)+(8000/11e6+1280.0)=33.76ミリ秒
【0034】
好ましくは、WTRUは、ステップS7〜S4で、最大時間から最小時間まで並べ替えられる。次に、プログラムは、ステップS8に進む。ステップS8(図2)で、並べ替えられたリストからの各STAが、時間の大きい方から先に、輻輳が緩和されるまで切り離される。
【0035】
また、本発明は、以下を含む他のメトリックの使用も可能にする。すなわち、BSSベースの負荷メトリック、関連付けられたWTRUの数、アクセスポイント(AP)が、媒体アクセス制御(MAC)においてそのパケットと関係があるすべてのACK(確認応答)(例えば、フラグメンテーション)を受信する時間、および(バッファのサイズに基づく)平均バッファMAC占有率である。
【0036】
本発明は、負荷遮断(すなわち、切り離し)または負荷平衡化のいずれかを実行するシステムの必要性を評価する際に、近隣AP群の負荷を考慮に入れる方法をさらに提供する。例えば、図3に示すとおり、ステップS9およびステップS10で収集され、ステップS11およびステップS12で近隣AP群と比較される、近隣AP群の各APの負荷もやはり高い場合、ユーザが、別の場所でサービス提供を受ける可能性が低いので、すなわち、L1、L2、およびL3はすべて高いので(ステップS13)、負荷遮断は、遅延される(ステップS14)。負荷遮断は、L1またはL2が、アドバタイジング(ネットワーク管理に必要な最新情報を定期的に配送すること)される負荷よりも低い負荷を有する場合(ステップS15B)、ステップS16で行われる。L3負荷が、L1およびL2より少ない場合、APは、ステップS15AおよびステップS17で示すとおり、WTRUを受け付けることができる。
【0037】
アクセスポイント(AP)は、APの複数の局(WTRU群)に負荷をアドバタイジングするため、例えば、近隣AP群、すなわち、AP(x)およびAP(y)に対してAPの負荷を比較することができる。AP負荷が、APの近隣AP群の推定される負荷と比べて高い場合に、APは、ステップS15A(図3)における判定に応答して、高い負荷をアドバタイジングする。AP負荷が、APの近隣の推定される負荷と比べて低い場合に、APは、ステップS15Bにおける判定に応答して、低い負荷をアドバタイジングする。
【0038】
本発明の別の方法は、媒体(例えば、チャネル)負荷を測定するメトリックを使用することである。そのメトリックは、WTRUが、最も負荷がかかっていないAPを選択することができるようにする。BSS内チャネル負荷を有するBSSが、近隣BSSに単に任せていることが可能であり、したがって、APの負荷は低いが、媒体負荷は高い場合に該当するように、BSS内チャネル負荷が有効ではないケースでは、媒体負荷メトリックが、使用される。そのケースでは、アドバタイジングされる負荷は、媒体負荷を表すものとする。そのケースでは、APは、新たなWTRUをサポートすることができる場合に、低い負荷のみをアドバタイジングする。
【0039】
媒体負荷の表示を与えるメトリックは、APにおけるダウンリンク送信のために図4に示すようなやり方で判定されるバックオフ手続きを実行するのに要求される、平均時間(Avg D)である。より具体的には、このメトリックは、ステップS18〜S23で測定され、ステップS24でWTRU群にAvgDをアドバタイジングして、パケットの送信の準備が整った時点(すなわち、CSMA/CAアクセス競合を開始する)から、パケットが、媒体を介して送信を開始する時点までに被る媒体アクセス遅延を表す。
【0040】
競合枠のサイズは、バックオフ手続きを実行するのに必要とされる時間に影響を与える。競合枠サイズは、確認応答が、受信側ノードから受信されない場合にはいつでも、増加される。この態様は、衝突が、同一のBSSのノード間で生じるケース、または異なるBSSのノード間で生じるケースを対象に含む。バックオフ手続きのカウントダウン中、カウントダウンは、媒体が、使用中であることが感知されるといつでも、一時停止され、これにより、バックオフ手続きの時間が増大する。このさらなる態様は、独自のBSSのWTRU群、および/または近隣BSS群のWTRU群のために、媒体に高い負荷がかかっているケースを対象に含む。このメトリックは単独で、BSS内のそのノードによって認識される輻輳の良好な表示をもたらす。媒体が使用中である時間(チャネル稼働時間)をメトリックとして単に使用することを考慮することもできる。しかし、たった1つだけのWTRUが、アクセスポイント(AP)に関連付けられており、大量のデータを送信または受信している実施例では、チャネル稼働時間メトリックは、輻輳の良好な表示を与えない。チャネル稼働時間は、実際には、システムが、1名のユーザだけしかサポートしていない場合に、高い輻輳を示す。そのAPに追加される第2のユーザ(WTRU)が、容易にサポートされることが可能である。単一ユーザの例において、新たな提案されるAvg.Dメトリック(すなわち、バックオフ手続きを実行する平均時間)は、低い輻輳を正しく示す。
【0041】
AvgDメトリックは、長い時間が、重い負荷のかかった媒体を示す場合には、バックオフ手続きに要求された短い時間は、軽い負荷のかかった媒体を示すので、好ましい測度である。例として、現在のIEEE802.11b標準を考慮されたい。競合枠(CW)の最小値は、32×20マイクロ秒=640マイクロ秒であり、最大値は、1023×20マイクロ秒=20.5ミリ秒である。しかし、バックオフを実行するのに要求される時間は、使用中の媒体を感知したことに起因するカウントダウンの一時停止によってもたらされる、CWの最大サイズよりも大きいことが可能である。時間のこの増加は、媒体の活動による負荷の表示を与える。
【0042】
本発明の文脈でMAC負荷測定値を使用する理由には、以下が含まれる。すなわち、・MACレイヤは、管理情報ベース(MIB)を介して、またはIEEE802.11標準およびIEEE802.11k標準における測定値を介しては、現在、利用可能でない、多くの情報を有する。
・上位レイヤに役立つ、本発明によって提供される新たな情報項目は、802.11kの範囲内で提供されることが可能であるものの、現在、利用可能でない。
・IEEE802.11eは、識別されたチャネル稼働時間(CU)を役立つ負荷情報項目として有する。
【0043】
また、本発明は、WTRUアップリンク負荷情報およびAPサービス負荷情報の必要性が存在することも認識する。CU情報の限定のいくつかには、以下が含まれる。すなわち、
・負荷情報は、WTRUおよびAPにおけるハンドオフ判定のために役立つ。
・潜在的な目標APのCU情報は、ハンドオフオプションを評価する際、WTRUに役立つ。
・CUは、チャネル稼働時間としても知られる、(すべてのWTRUからAPへの)アップリンク対応済み負荷と(APからすべてのWTRUへの)ダウンリンク対応済み負荷の合計である。
・トラフィック負荷は、しかし、以下の2つの部分、すなわち、対応済みのトラフィック負荷と未対応の(キューに入れられた)トラフィック負荷とから成る。
・CUは、現在、動的な未対応のキューに入れられたトラフィック負荷情報を提供しない。
【0044】
ネットワークは、未対応のアップリンクトラフィック要求(キューに入れられたトラフィック負荷)にアクセスする現行の方法を全く有さない。
【0045】
ネットワーク管理におけるWTRUアップリンクトラフィック負荷測定値(UTLM)の利点には、以下が含まれる。すなわち、
・高いチャネル負荷は、最大値に近い対応済みトラフィックを示す。
・未対応のトラフィック要求が低い場合、このことは、最適なチャネル管理である。
・未対応のトラフィック要求が高い場合、このことは、最適に達していない。
・未対応のアップリンクトラフィック要求は、APが、フレーム時間のアップリンクセグメントおよびダウンリンクセグメントをよりうまく分割することができるようにするのに極めて役立つ。
・AP群は、最大トラフィック稼働時間および最小トラフィックブロックに向けてチャネルを管理する必要がある。
・WTRU群におけるキューに入れられたアップリンクトラフィックは、送信遅延、および潜在的なチャネルブロックを示す。
・MAC送信バッファの中でキューに入れられたデータの量は、キューに入れられたアップリンク負荷の良好な測度をもたらす。
【0046】
本発明は、送信トラフィック負荷のための新たなMAC管理情報ベース(MAC MIB)要素、すなわち、送信キューサイズ(TQS)を提供する。送信キューサイズ(TQS)は、以下のとおり定義される。すなわち、新たなMIB情報は、以下の3つの項目を含む。すなわち、競合のない送信キューサイズ(CFTQS)と競合送信キューサイズ(CFTQS)の合計から成る合計送信キューサイズ(合計TQS)である。
【0047】
TQSは、現在のMACキューサイズをバイト単位で含む。TQSは、MAC MIB802.11 Countersテーブルの中に含められることが可能である。Dot11Countersテーブルは、標準における定義されたデータ構造である。TQS情報は、図5に示すとおり、カウンタによって実施されることが可能であり、WTRUが、ステップS25で、システム起動時にTQSカウンタを0に初期設定する。WTRUは、ステップS26で、フレームを受信し、ステップS27で、そのフレームをMACレイヤの中でキューに入れる。ステップS28で、WTRUは、キューに入れられたフレームのバイト数だけ、TQSカウンタを増分する。代替として、累計は、カウントがメモリの中に格納され、例えば、フレームの各バイトがキューに入れられるにつれ、PC(現在のカウント)をPC+1で置き換えることにより、増分されることが可能である、ソフトウェア技術を使用することができる。
【0048】
WTRUは、セッションが開始されると、ステップS29で、物理(PHY)レイヤを使用してフレームを送信し、確認応答のないモードで動作している場合、またはPHY送信の後に、APによってフレームに確認応答が行われた場合に、ステップS30で、送信されたバイト数だけTQSカウンタを減分する。WTRUは、ステップS31で、TQSカウントを近隣AP群に伝達する。TQSは、新たなMIB要素である。すべてのMIB要素は、近隣のMIBから要素を取得するように実行されるMIBクエリを介して、必要に応じて近隣に送信される。
【0049】
競合送信キューサイズ(CTQS)は、例えば、図6に示すとおり、実施され、WTRUが、ステップS32で、システム起動時に、CTQSカウンタを0に初期設定する。WTRUのMACレイヤは、ステップS33で、競合フレームを受信し、ステップS34で、そのフレームをMACレイヤの競合キューの中に入れる。ステップS35で、CTQSカウンタが、受信されたフレームのバイト数だけ増分される。
【0050】
WTRUは、ステップS36で、確認応答のないモードで動作している場合、またはPHY送信の後に、フレームに確認応答が行われた場合に、PHYレイヤを使用してフレームを(例えば、APに)送信し、ステップS37で、確認応答のないモードで、またはPHYレイヤ送信の後に、フレームに確認応答が行われた場合に、送信されたバイト数だけ、CTQSカウンタを減分する。ステップS38で、WTRUは、CTQSカウントを近隣AP群に伝達する。
【0051】
競合のない送信キューサイズ(CFTQS)は、図7に示すとおり、CFTQSカウンタを提供することによって実施され、WTRUは、ステップS39で、システム起動時に、CFTQSカウンタを0に初期設定する。
【0052】
ステップS40で、WTRU MACレイヤが、競合のないフレームを受信し、ステップS41で、そのフレームを競合のないキュー(CFQ)の中に入れる。ステップS42で、WTRUは、キューに入れられたフレームのバイト数だけ、CFTQSを増分する。
【0053】
ステップS43で、WTRUは、PHYレイヤを使用して、競合のないフレームを送信し、ステップS44で、確認応答のないモードで、またはPHYレイヤ送信の後に、フレームに確認応答が行われた際に、フレームの中で送信されたバイト数だけ、CFTQSカウンタを減分する。ステップS45で、WTRUは、カウントを近隣AP群に伝達する。
【0054】
図8は、APが、MAC MIB情報を利用する1つのやり方を示し、APが、例えば、それぞれ、ステップS46、ステップS47、およびステップS48で、例えば、WTRU(x)、WTRU(y)、およびWTRU(z)から、TSQカウント、CTQSカウント、およびCFTQSカウントの1つまたは複数を含むMAC MIB情報を受信する。未対応のトラフィックを表す、このデータは、アップリンク負荷とダウンリンク負荷をともに含むチャネル負荷などの、対応済みのトラフィックデータと組み合わされ、ステップS49でAPによって評価され、ステップS50で、例えば、トラフィック稼働時間を最大化し、トラフィックブロックを最小化するように、トラフィックを調整することにより、対応済みの負荷データ、および未対応の負荷データを利用してチャネルを管理する。APは、チャネル稼働時間を最適化するために、未対応のアップリンクトラフィックデータに基づき、フレームのアップリンクセグメントおよびダウンリンクセグメントを調整することができる。
【0055】
本発明の文脈でAPサービス負荷測定値をもたらすための考慮には、以下が含まれる。すなわち、
WTRU群は、複数のAPをハンドオフのための目標AP群と見なすことができる。2つのAPが、同様のチャネル負荷、および容認できる信号品質を有する場合、WTRUは、いずれが、より良好なAPであるかを判定することができる能力を必要とする。AP群が、AP群の既存のWTRUセットにサービス提供する能力、およびさらなるWTRUにサービス提供する能力に関する情報をアドバタイジングできるようにすることにより、チャネル稼働時間が、最適化されることが可能である。この情報は、予期される容量に関するAP固有の情報によって変更された、APに関するダウンリンクトラフィックキュー測定値と同様である。
【0056】
以下は、APサービス負荷に対処する。すなわち、
WTRUのハンドオフ判定においてWTRUを支援する、新たなMAC MIB情報項目が、提供される。
【0057】
対応済みの負荷が最適であることを示す、定義済み中心点を伴う、「現在、いずれのWTRUにもサービス提供を行っていない」から「新たなサービスを全く扱うことができない」までの255値スケール(例えば、8バイナリビットで表現される)の定量的表示。
例えば、以下のとおりである。すなわち、
0==いずれのWTRUにもサービス提供を行っていない(アイドルなAPまたはWTRUは、APではない)
1ないし254==APサービス負荷のスカラー表示
255==新たなサービスを全く受け付けることができない
このMIB項目の正確な仕様は、処理系依存のものであり、厳密に指定されなくてもよく、最大稼働時間を得る詳細な定義は、特定のネットワークの特性に合わせられることが可能である。
【0058】
新たなAPサービス負荷は、MAC dot11Countersテーブル、またはMIBにおける別の場所に含められることが可能である。
【0059】
目標APとして選択されることが可能な複数のAPを有するWTRUは、図9に示すとおり、チャネル負荷、および容認できる信号品質の考慮に加えて、ステップS51、ステップS52、およびステップS53においてそれぞれ示す、AP(x)、AP(y)、およびAP(z)から負荷公示(load advertisements)を受信することができ、ステップS54で、受信されたAPによってアドバタイジング(ネットワーク管理に必要な最新情報を定期的に配送すること)された負荷(SLスカラー)を評価し、そのため、受信されたAPによってアドバタイジングされた負荷(advertised load)の比較に基づいて判定を行うことができ、ステップS55で、APを選択する。
【0060】
APサービス負荷(SL)は、スカラー値であり、例えば、対応済みのトラフィック、および未対応のトラフィックに基づくとともに、例えば、統計データに基づく、信号品質、および予期されるキャパシティー(処理能力)などの他のデータに基づくことが可能である。AP SLスカラーは、図8のステップS50Aに示すとおりに、作成され、ステップS50Bに示すとおりに、近隣WTRU群にアドバタイジングされることが可能である。
【0061】
上述した諸方法は、好ましくは、選択的に構成されたWTRU群において実施される。例えば、WTRUは、メモリデバイス、プロセッサ、および送信機を提供することにより、無線ネットワークでのチャネル管理を支援するように構成されることが可能である。メモリデバイスは、好ましくは、WTRUの媒体アクセス制御(MAC)レイヤに関するデータフレームのキューを提供するように構成される。プロセッサは、好ましくは、それぞれのWTRUにおける未対応のキューに入れられたトラフィック要求を表すキューサイズデータを算出するように構成される。送信機は、好ましくは、無線ネットワークのアクセスポイント(AP)にキューサイズデータを伝達するように構成され、これにより受信側APは、そのキューサイズデータを利用して、チャネル管理に役立てる。特に、プロセッサは、システム起動時に、キューに入れられたデータサイズを表すカウントをゼロに初期設定し、WTRUの媒体アクセス制御(MAC)レイヤによってフレームがキューに入れられると、フレームのバイト数だけ、カウンタを増分するように構成される。好ましくは、プロセッサは、確認応答のないモードでWTRUの物理(PHY)レイヤによってフレームが送信されると、フレームのバイト数だけ、カウントを減分するように構成される。
代替として、プロセッサは、PHY送信の後に、フレームに確認応答が行われた際に、WTRUの物理(PHY)レイヤによってフレームが送信されると、フレームの中のバイト数だけ、カウントを減分するように構成されることが可能である。
【0062】
そのようなWTRU内で、メモリは、好ましくは、媒体アクセス制御(MAC)レイヤの競合キューおよび競合のないキューを有して構成され、プロセッサは、競合キューに関する未対応のキューに入れられたトラフィック要求を表す競合送信キューサイズ(CTQS)データ、競合のないキューに関する未対応のキューに入れられたトラフィック要求を表す競合のない送信キューサイズ(QFTQS)データ、および媒体アクセス制御(MAC)レイヤのすべての送信データキューに関する、未対応のキューに入れられたトラフィック要求を表す合計送信キューサイズ(TQS)データを算出するように構成される。
【0063】
また、そのようなWTRUは、好ましくは、AP群によってWTRU群から受信されたキューサイズデータに基づいて作成されたサービス負荷指標をAP群から受信するように構成された受信機、および受信された負荷指標に基づいて無線通信のためのAPを選択するように構成されたコントローラも含む。
【0064】
アクセスポイント(AP)群と、無線チャネルを介してAP群と無線通信することができる無線送受信ユニット(WTRU)の両方に、無線ネットワークでのチャネル管理を提供するように構成されたアクセスポイント(AP)が、提供されることが可能である。受信機は、APの無線サービス範囲内に位置するWTRU群から受信される、未対応のトラフィック要求データを受信するように構成される。APは、好ましくは、WTRU群から受信された未対応のトラフィック要求データに基づき、サービス負荷指標を計算するように構成されたプロセッサを有する。AP無線サービス範囲内のWTRU群にサービス負荷指標をアドバタイジングするように構成された送信機が含められ、APのAP無線サービス範囲内に位置するWTRU群は、アドバタイジングされたサービス負荷指標を使用して、無線通信を行う相手のAPを選択するのに役立てることができる。そのようなAPにおいて、受信機は、好ましくは、他のAP群から、アドバタイジングされたサービス負荷指標を受信するように構成され、プロセッサは、好ましくは、他のAP群から受信された、アドバタイジングされたサービス負荷指標を使用して、APとの通信から、動作上、関連付けられたWTRU群を切り離すことに関する判定に役立てるように構成される。
【0065】
別の実施形態では、無線送受信ユニット(WTRU)は、基本サービスセット(BSS)によって定義される無線通信システムにおいて輻輳を管理するように構成される。WTRUは、基本サービスセット (BSS)内遅延率(DR)を算出し、所与の時間間隔にわたって前記DRを平均するように構成されたプロセッサを有する。好ましくは、プロセッサは、パケット誤り率(PER)も算出し、上記時間間隔にわたって上記PERを平均するように構成される。メモリが、BSS内のWTRUに動作上、関連付けられたWTRU群の各WTRUに関して、データを送信しようとして費やされた浪費時間を反映する比較値を格納するように構成される。上記平均DRおよび上記平均PERが、所与の閾値よりも大きい場合には、データを送信しようとして費やされた最大の時間を反映する、格納した比較値を有するWTRUから始めて、WTRUから、動作上、関連付けられたWTRU群を切り離すように構成されたトランシーバ(無線電話機)が、含められる。
【0066】
そのようなWTRU内で、プロセッサは、好ましくは、30秒程度の時間間隔にわたってDRおよびPERを平均するように構成され、トランシーバは、WTRUに動作上、関連付けられた各WTRUに関して、データを送信しようとして費やされた浪費時間を反映する比較値を定期的に受信し、それらの比較値でメモリを更新するように構成される。
【0067】
そのようなWTRU内で、また、プロセッサは、WTRUが、送信されたデータパケットに応答して、成功の確認応答(ACK)または否定的な確認応答(NACK)を受信するのにかかる時間を測定し、ビーコン期間中の測定された時間を合計し、その合計をビーコン期間によって正規化することにより、比較浪費時間値を算出するように構成されることも可能である。その場合、トランシーバは、好ましくは、他のWTRU群にデータを送信しようとして費やされた浪費時間を反映する最新の比較値を定期的に送信するように構成される。
【0068】
また、アクセスポイントAPも、無線送受信局(WTRU)が、無線通信システムにおいて無線通信を行う相手のアクセスポイントAPを選択するのを、選択的に構成された構成要素をWTRUに提供することにより、支援するように構成されることが可能である。好ましくは、受信機は、他のAP群のアドバタイジングされた負荷指標を受信するように構成される。APの通信負荷を、他のAP群からの受信済みのアドバタイジングされた負荷指標と比較して、上記比較に基づき、APの調整された負荷を算出するように構成されたプロセッサが、含められる。送信機は、調整されたAP負荷をWTRU群にアドバタイジングするように構成される。好ましくは、プロセッサは、送信機が、WTRU群にアドバタイジングする負荷を更新するために、上記比較する動作、および上記算出する動作を定期的に実行するように構成される。
【0069】
そのようなAP内で、送信機は、APの通信負荷が、他のAP群のアドバタイジングされた負荷と比べて低いとプロセッサが判定した場合には、低い負荷をアドバタイジングし、APの通信負荷が、他のAP群のアドバタイジングされた負荷と比べて高いとプロセッサが判定した場合には、高い負荷をアドバタイジングするように構成されることが可能である。また、プロセッサは、データパケットの送信の準備が整った時点から、そのパケットが、WTRUに実際に送信される時点までの遅延を測定し、所与の期間にわたって上記遅延を平均し、その平均遅延を利用して負荷を示すことにより、APの通信負荷を算出するように構成されることも可能である。
【0070】
別の実施形態では、基地局は、無線ネットワークにおいて輻輳状態が検出されると、基地局との動作上の関連付けからWTRU群を切り離すように構成される。基地局は、関連付けられた各WTRUに関して、確認応答のないパケットを送信/再送信しようと試みて費やされた浪費時間(Tw)を算出し、関連付けられた各WTRUに関する浪費時間Twを所与の期間にわたって正規化するように構成されたプロセッサを有する。関連付けられたWTRU群のリスト、およびそれらのWTRUのそれぞれの正規化された浪費時間を格納するように構成されたメモリが、提供される。トランシーバは、WTRUのそれぞれの正規化された浪費時間に基づき、WTRU群を切り離して、上記輻輳を緩和するように構成され、最大のTwを有するWTRUが、先に切り離される。好ましくは、プロセッサは、上述した式に従ってWTRU群の浪費された送信時間(Tw)を計算するように構成されることなどにより、再送信に関連する増大する遅延を表すペナルティを上記Twに加算するように構成される。
【0071】
IEEE802.11eは、例えば、音声トラフィック、映像トラフィック、ベストエフォート型トラフィック、および背景トラフィックなどの、いくつかのアクセスカテゴリー(アクセス種類)をサポートする。一実施形態では、本発明は、好ましくは、アクセスカテゴリーごとのAPサービス負荷を利用する。BSS負荷エレメントは、BSS内の現在の局ポピュレーション、トラフィックレベル、およびサービスレベルに関する情報を含む。
図10は、本発明による要素情報フィールドの例を示す。
【0072】
Length(長さ)フィールドは、後続のフィールドにおけるオクテット(8ビットのこと)数に設定されるものとする。局カウントフィールドは、そのBSSに現在、関連付けられているSTAの総数を示す符号なしの整数と解釈される。局カウントフィールドは、純粋に例として、dot11QoSOptionImplemented、dot11QBSSLoadImplemented、およびdot11RadioMeasurementEnabledがすべて真である場合、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームの中に存在しないものとする。
【0073】
チャネル利用率フィールドは、物理的、または仮想の搬送波感知機構によって示すように、媒体が使用中であるとAPが感知した時間のパーセンテージとして定義される。このパーセンテージは、((チャネル全稼動時間/(dot11ChannelUtilizationBeaconIntervals*dot11BeaconPeriod*1024))*255)の移動平均として表され、チャネル全稼動時間は、搬送波感知機構が、チャネル使用中指示を示したマイクロ秒の秒数として定義され、dot11ChannelUtilizationBeaconIntervalsは、平均が計算されるべき連続したビーコン間隔の数を表す。チャネル利用率フィールドは、dot11QoSOptionImplemented、dot11QBSSLoadImplemented、およびdot11RadioMeasurementEnabledがすべて真である場合、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームの中に存在しないものとする。
【0074】
APサービス負荷は、APにおけるサービス負荷の相対的レベルのスカラー表示であるものとする。低い値は、より高い値よりも多くの利用可能なサービス容量を示すものとする。0という値は、そのAPが、いずれのSTAにも現在、サービス提供を行っていないことを示すものとする。0から254までの値は、DCFパケットの送信の準備が整った時点(すなわち、CSMA/CAアクセスを開始する)から、実際のパケット送信開始時点までに測定された、DCF送信パケットに関する平均媒体アクセス遅延の対数目盛りで表された表示であるものとする。1という値は、50マイクロ秒の遅延を表すものとするのに対して、253という値は、5.5ミリ秒の遅延、または5.5ミリ秒よりも大きい任意の遅延を表さすものとする。254という値は、さらなるAPサービス容量が、利用可能でないことを示すものとする。255という値は、APサービス負荷が、利用可能でないことを示すものとする。APは、30秒の測定枠などの所定の猶予時間にわたって、DCFアクセス機構を使用して、すべての送信パケットに関する媒体アクセス遅延を測定し、平均するものとする。平均媒体アクセス遅延に関する精度は、少なくとも200のパケットにわたって平均された場合、+/−200マイクロ秒以内であるものとする。
【0075】
アクセスカテゴリー(AC)サービス負荷要素は、サービス品質(QoS)強化AP(QAP)群においてだけ、BSS Loadの中で提供されることが可能である。ACサービス負荷は、指示アクセスカテゴリーのサービスに関する、QAPにおける平均アクセス遅延(AAD)のスカラー表示とする。低い値は、より高い値よりも短いアクセス遅延を示すものとする。0という値は、そのQAPが、示すACのサービスを現在、提供していないことを示すものとする。0から254までの値は、EDCFパケットの送信の準備が整った時点(すなわち、CSMA/CAアクセスを開始する)から、実際のパケット送信開始時点までに測定され、指示ACの送信パケット送信パケットに関する平均媒体アクセス遅延の対数目盛りで表された表示であるものとする。1という値は、50マイクロ秒の遅延を表すものであるのに対して、253という値は、5.5ミリ秒の遅延、または5.5ミリ秒よりも大きい任意の遅延を表すものとする。254という値は、指示ACにおけるサービスが、現在、ブロックされている、または一時停止されていることを示すものとする。255という値は、ACサービス負荷が、利用可能でないことを示すものとする。
【0076】
QAPは、連続する30秒の測定枠などの所定の猶予時間にわたってEDCFアクセス機構を使用して、指示ACのすべての送信パケットに関する媒体アクセス遅延を測定し、平均するものとする。平均媒体アクセス遅延に関する精度は、少なくとも200のパケットにわたって平均された場合、+/−200マイクロ秒以内とする。ACサービス負荷は、好ましくは、第1のオクテットが、AC表示(ACI)を含み、第2のオクテットが、指示ACに関するAADの測定された値を含む2オクテットのサブ要素として、図11に示すとおりにフォーマットされる。図10および図11に示すオクテットは、単に例示として与えられており、他の任意のオクテットが利用されることが可能であることに留意されたい。表1は、ACI符号化の実施例を示す。
【0077】
【表1】
【0078】
次に、図12を参照すると、本発明に従って構成された通信局100が、図示されている。通信局100は、アクセスポイント(AP)、WTRU、または無線環境において動作することができる他の任意のタイプのデバイスであることが可能であることに留意されたい。通信局100は、好ましくは、通信局100の無線サービス範囲108内に位置するWTRU群からの未対応のトラフィック要求データを受信するように構成された受信機102を含む。また、通信局100は、プロセッサ104も含む。プロセッサ104は、好ましくは、受信機102に結合され、複数のアクセスカテゴリーのそれぞれに関して、BSS負荷エレメントを計算するように構成される。また、通信局100は、送信機106も含む。送信機106は、好ましくは、通信局100のサービス範囲108内でBSS負荷エレメントをアドバタイジングするように構成される。その場合、BSS負荷エレメントは、通信局100のサービス範囲108内の他の通信局群(例えば、アクセスポイント群および/またはWTRU群)によって受信されて、それらの局に、BSSに関連する情報を提供することが可能である。
【0079】
(実施形態1)
各アクセスカテゴリーに関して第1のAPによってサービス負荷指標を作成することを含む、無線チャネル上で互いに無線通信することができるアクセスポイント(AP)群とWTRU群(無線送受信ユニット)の双方によるネットワーク稼働時間を最適化するために、無線ネットワークでのチャネル管理を提供するための方法。
【0080】
(実施形態2)
上記第1のAPのサービス範囲内のWTRU群にサービス負荷指標をアドバタイジングすることをさらに含む実施形態1の方法。
【0081】
(実施形態3)
上記サービス負荷指標に基づき、WTRUによってAPを選択することをさらに含む以上のいずれかの実施形態の方法。
【0082】
(実施形態4)
上記サービス負荷指標が、上記第1のAPにおける平均アクセス遅延の表示である、以上のいずれかの実施形態の方法。
【0083】
(実施形態5)
上記平均アクセス遅延が、所定の有効期間内に測定される、実施形態4の方法。
【0084】
(実施形態6)
上記期間が、30秒である、実施形態5の方法。
【0085】
(実施形態7)
上記アクセスカテゴリーが、音声トラフィック、映像トラフィック、ベストエフォート型トラフィック、および/または背景トラフィックを含む、以上のいずれかの実施形態の方法。
【0086】
(実施形態8)
第2のAPから、アドバタイジングされたサービス負荷指標を受信することをさらに含む以上のいずれかの実施形態の方法。
【0087】
(実施形態9)
上記第2のAPによって、WTRU群の切り離しを決定する際に、上記アドバタイジングされたサービス負荷指標を使用することをさらに含む実施形態8の方法。
【0088】
(実施形態10)
上記第2のAPは、上記第1のAPからのサービス負荷指標が、該第2のAPによって測定されたサービス負荷指標と比べて低い場合、該第2のAPからWTRU群を切り離す、実施形態8から9のいずれかの実施形態の方法。
【0089】
(実施形態11)
以上の実施形態のいずれかの実施形態の方法に従って、チャネル管理を提供するように構成されたアクセスポイント(AP)。
【0090】
(実施形態12)
各アクセスカテゴリーに関してサービス負荷指標を計算するように構成されたプロセッサを含む実施形態11のAP。
【0091】
(実施形態13)
AP無線サービス範囲内のWTRU群にサービス負荷指標をアドバタイジングするように構成された送信機を含む、以上のいずれかの実施形態のAP。
【0092】
(実施形態14)
上記APの上記AP無線サービス範囲内に位置するWTRU群が、アドバタイジングされたサービス負荷指標を使用して、無線通信を行う相手のAPを選択するのに役立てる、以上のいずれかの実施形態のAP。
【0093】
(実施形態15)
他のAP群から、アドバタイジングされたサービス負荷指標を受信するように構成された受信機を含む以上のいずれかの実施形態のAP。
【0094】
(実施形態16)
プロセッサが、他のAP群から受信された、アドバタイジングされたサービス負荷指標を使用して、APからWTRU群を切り離すことに関する決定に役立てるように構成された、以上のいずれかの実施形態のAP。
【0095】
(実施形態17)
以上の実施形態のいずれかの実施形態の方法に従った無線ネットワークでのチャネル管理を提供するように構成された無線送信/受信ユニット(WTRU)。
【0096】
(実施形態18)
APから、各アクセスカテゴリーに関するサービス負荷指標を受信するための受信機を含む実施形態17のWTRU。
【0097】
(実施形態19)
無線通信を行う相手のAPを選択する際にサービス負荷指標を利用するように構成されたプロセッサを含む実施形態17から18のいずれかの実施形態のWTRU。
【0098】
(実施形態20)
複数のアクセスカテゴリーのそれぞれに関して基本サービスセット(BSS)負荷エレメントを提供する第1の通信局を含む、無線チャネル上で互いに無線通信することができる通信局群によるネットワーク稼働時間を最適化するように、無線ネットワークでのチャネル管理を提供するための方法。
【0099】
(実施形態21)
第1の通信局のサービス範囲内の他の通信局群にBSS負荷エレメントをアドバタイジングすることをさらに含む実施形態20の方法。
【0100】
(実施形態22)
上記BSS負荷エレメントに基づいて通信する相手の別の通信局を選択する少なくとも1つの通信局をさらに含む実施形態20から21のいずれかの実施形態の方法。
【0101】
(実施形態23)
上記BSS負荷エレメントが、エレメント識別フィールドを含む、実施形態20から22のいずれかの実施形態の方法。
【0102】
(実施形態24)
上記BSS負荷エレメントが、通信局フィールド、APフィールド、またはWTRUサービス負荷フィールドを含み、上記通信局フィールド、上記APフィールド、または上記WTRUサービス負荷フィールドが、第1の通信局におけるサービス負荷の相対的レベルのスカラー表示である、実施形態20から23のいずれかの実施形態の方法。
【0103】
(実施形態25)
上記BSS負荷エレメントが、該BSS負荷エレメントのすべてのフィールドの中に含まれるオクテットの総数に値が設定される、長さフィールドを含む、実施形態20から24のいずれかの実施形態の方法。
【0104】
(実施形態26)
上記BSS負荷エレメントが、局カウントフィールドをさらに含み、上記局カウントフィールドが、現在のBSSに関連付けられた通信局の総数を示す、符号なしの整数である、実施形態20から25のいずれかの実施形態の方法。
【0105】
(実施形態27)
上記第1の通信局が、サービス品質(QoS)強化通信局(QCS)またはサービス品質(QoS)強化AP(QAP)である、実施形態20から26のいずれかの実施形態の方法。
【0106】
(実施形態28)
上記BSS負荷エレメントが、アクセスカテゴリー中の1つのアクセスカテゴリーのサービスに関して、QCSまたはQAPにおいて平均アクセス遅延(AAD)のスカラー表示を提供するために1つずつの、4つのサブフィールドとしてフォーマットされたアクセスカテゴリー(AC)サービス負荷フィールドをさらに含む、実施形態27の方法。
【0107】
(実施形態29)
上記ACサービス負荷フィールドが、QoS−Option−Implementedパラメータが真である場合にだけ、上記BSS負荷エレメントの中に含められる、実施形態28の方法。
【0108】
(実施形態30)
上記4つのサブフィールドが、ベストエフォート型に関するAAD(AADBE)フィールド、背景に関するAAD(AADBG)フィールド、映像に関するAAD(AADVI)フィールド、および/または音声に関するAAD(AADVO)フィールドを含む、
実施形態28から29のいずれかの実施形態の方法。
【0109】
(実施形態31)
低いAAD値が、より高いAAD値よりもより短いアクセス遅延を示す、実施形態28から30のいずれかの実施形態の方法。
【0110】
(実施形態32)
上記QCSまたはQAPが、指示アクセスカテゴリーに関するサービスを提供していない場合に、上記4つのサブフィールドの第1のサブフィールドに関するAAD値を、該第1のサブフィールドに隣接する、右側のサブフィールドのAAD値に設定することをさらに含む、実施形態28から31のいずれかの実施形態の方法。
【0111】
(実施形態33)
指示アクセスカテゴリーのすべての送信パケットに関する媒体アクセス遅延(MAD)値を測定すること、および/または平均することをさらに含む以上のいずれかの実施形態の方法。
【0112】
(実施形態34)
上記MAD値が、連続的な猶予時間にわたってEDCFアクセス機構を使用して測定され、かつ/または平均され、平均されたMADが、所定の精度範囲を有し、最小限の数の送信パケット遅延測定値に基づく、実施形態33の方法。
【0113】
(実施形態35)
上記猶予時間が、30秒測定枠であり、所定の精度範囲が、200マイクロ秒であり、かつ/または上記MAD平均が、少なくとも200の送信パケット遅延測定値に基づく、実施形態34の方法。
【0114】
(実施形態36)
上記4つのサブフィールドの1つのサブフィールドの中の所定の値の範囲内のAAD値が、指示アクセスカテゴリーにおける送信されたパケットに関する、EDCFパケットの送信の準備ができた時点から、EDCFパケットが実際に送信されるまでに測定された平均MADの対数目盛りで表された表現である、実施形態28から35のいずれかの実施形態の方法。
【0115】
(実施形態37)
上記値の範囲が、0から254までである、実施形態36の方法。
【0116】
(実施形態38)
上記4つのサブフィールドのいずれかのサブフィールドの中の所定のAAD値が、QCSまたはQAPが、指示アクセスカテゴリーに、またはより高い優先順位のいずれのアクセスカテゴリーにもサービスを提供していないことを示す、実施形態28から37のいずれかの実施形態の方法。
【0117】
(実施形態39)
上記所定のAAD値が、0である、実施形態39の方法。
【0118】
(実施形態40)
他の所定のAAD値が、様々な平均MAD時間を表す、実施形態28から39のいずれかの実施形態の方法。
【0119】
(実施形態41)
1というAAD値が、50マイクロ秒の平均MADを表す、実施形態28から40のいずれかの実施形態の方法。
【0120】
(実施形態42)
253というAAD値が、5.5マイクロ秒以上の平均MADを表す、実施形態28から41のいずれかの実施形態の方法。
【0121】
(実施形態43)
254というAAD値が、指示アクセスカテゴリーにおけるサービス群が、現在、ブロックされていることを示す、実施形態28から42のいずれかの実施形態の方法。
【0122】
(実施形態44)
255というAAD値が、ACサービス負荷が、利用可能でないことを示す、実施形態28から42のいずれかの実施形態の方法。
【0123】
(実施形態45)
上記BSS負荷エレメントが、チャネル利用率フィールドをさらに含む、以上のいずれかの実施形態の方法。
【0124】
(実施形態46)
上記チャネル利用率フィールドは、第1の通信局が、搬送波感知機構によって示すように、送信媒体が使用中であるであると感知した時間のパーセンテージを規定する、実施形態45の方法。
【0125】
(実施形態47)
上記時間のパーセンテージが、移動平均である、実施形態46の方法。
【0126】
(実施形態48)
上記移動平均が、チャネル全稼動時間パラメータ、チャネル稼働時間ビーコン間隔パラメータ、および/またはビーコン期間パラメータから成るグループから選択された少なくとも1つのパラメータを使用して決められる、実施形態47の方法。
【0127】
(実施形態49)
上記移動平均が、チャネル全稼動時間パラメータと255の積を、チャネル稼働時間ビーコン間隔パラメータとビーコン期間と1024の積で割った値として定義される、実施形態47から48のいずれかの実施形態の方法。
【0128】
(実施形態50)
上記チャネル全稼動時間パラメータは、搬送波感知機構が、チャネル使用中指示を示したマイクロ秒の秒数として定義される、実施形態48から49のいずれかの実施形態の方法。
【0129】
(実施形態51)
上記チャネル稼働時間ビーコン間隔パラメータは、平均が計算されることが可能な連続するビーコン間隔の数として定義される、実施形態48から50のいずれかの実施形態の方法。
【0130】
(実施形態52)
上記チャネル利用率フィールドは、QoS−Option−ImplementedパラメータとPBSS−Load−Implementedパラメータの少なくともいずれかが、偽である場合に、BSS負荷エレメントの中に含められる、実施形態48から51のいずれかの実施形態の方法。
【0131】
(実施形態53)
データパケットの送信の準備ができた第1の時点を測定することを含む、通信局への単一のアクセスに関する媒体アクセス遅延(MAD)タイミングを測定する方法。
【0132】
(実施形態54)
上記第1の時点が、搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式(CSMA/CA)プロトコルが開始される時点である、実施形態53の方法。
【0133】
(実施形態55)
物理(PHY)レイヤ送信プロセスに対して送信要求が行われた第2の時点を測定することを含む、実施形態53から54のいずれかの実施形態の方法。
【0134】
(実施形態56)
上記送信要求に確認応答が行われた第3の時点を測定することを含む実施形態53から55のいずれかの実施形態の方法。
【0135】
(実施形態57)
パケット送信−確認応答タイミングを、第2の時点と第3の時点の差として計算することを含む、実施形態53から56のいずれかの実施形態の方法。
【0136】
(実施形態58)
合計アクセスタイミングを、第3の時点と第1の時点の差として計算することを含む実施形態53から57のいずれかの実施形態の方法。
【0137】
(実施形態58)
合計アクセスタイミングからパケット送信−確認応答タイミングを引くことによってMADタイミングを算出することを含む実施形態53から58のいずれかの実施形態の方法。
【0138】
(実施形態59)
送信要求にが、Request−to−Send/Clear−to−Send(RTS/CTS)ハンドシェークが先行する、実施形態53から59のいずれかの実施形態の方法。
【0139】
(実施形態60)
データパケット再送信に関するMADタイミングを測定する方法。
(実施形態61)
データパケットが、媒体アクセス制御(MAC)キューに入る第1の時点を測定することを含む実施形態60の方法。
【0140】
(実施形態62)
データパケットが、MACキューの先頭にあるときの第2の時点を測定することを含む実施形態60から61のいずれかの実施形態の方法。
【0141】
(実施形態63)
MACキューイング遅延を、第2の時点と第1の時点の差として計算することを含む実施形態60から62のいずれかの実施形態の方法。
【0142】
(実施形態64)
第1番目の再送信タイミングを、第1番目の送信開始時刻と第1番目の送信終了時刻との差として割り出すことを含む実施形態60から63のいずれかの実施形態の方法。
【0143】
(実施形態65)
上記第1番目の送信開始時刻が、データパケットの第1番目の送信の開始を示し、上記第1番目の送信終了時刻が、送信確認応答を受信することを伴わない上記第1番目の送信の終了を示す、実施形態64の方法。
【0144】
(実施形態66)
第2番目の再送信タイミングを、第2番目の送信開始時刻と第2番目の送信終了時刻との差として割り出すことを含む実施形態60から64のいずれかの実施形態の方法。
【0145】
(実施形態67)
上記第2番目の送信開始時刻が、延期・バックオフ期間の後に開始して、データパケットの第2番目の送信の開始を示し、上記第2番目の送信終了時刻が、送信確認応答を受信することを伴わない上記第2番目の送信の終了を示す、実施形態66の方法。
【0146】
(実施形態68)
第N番目の再送信タイミングを、第N番目の送信開始時刻と第N番目の送信終了時刻との差として割り出すことを含む実施形態60から67のいずれかの実施形態の方法。
【0147】
(実施形態69)
上記第N番目の送信開始時刻が、延期・バックオフ期間の後に開始して、データパケットの第N番目の送信の開始を示し、上記第N番目の送信終了時刻が、送信確認応答の受信を示す、実施形態68の方法。
【0148】
(実施形態70)
合計再送信タイミングを、第1番目の再送信タイミングと、第2番目の再送信タイミングと、第N番目の再送信タイミングの合計として計算することを含む実施形態60から69のいずれかの実施形態の方法。
【0149】
(実施形態71)
確認応答が受信された時点を示す完了時刻を割り出すことを含む実施形態60から70のいずれかの実施形態の方法。
【0150】
(実施形態72)
データパケットに関するMADタイミングを、完了時刻と第1の時点の差から、MACキューイング遅延を引き、合計再送信タイミングを引き、全体をNで割った値として計算することを含む実施形態60から71のいずれかの実施形態の方法。
【0151】
(実施形態73)
第1の通信局が、アクセスポイント(AP)であり、BSS負荷エレメントの諸特徴が、APにおいて、および/またはAPによって使用されるように構成される、実施形態20から52のいずれかの実施形態の方法。
【0152】
(実施形態74)
その他の通信局のいずれも、APである、実施形態20から53のいずれかの実施形態の方法。
【0153】
(実施形態75)
第1の通信局が、WTRUであり、BSS負荷エレメントの諸特徴が、WTRUによって使用されるように構成される、実施形態20から54のいずれかの実施形態の方法。
【0154】
(実施形態76)
その他の通信局のいずれも、WTRU内、および/またはWTRUによる、実施形態20から55のいずれかの実施形態の方法。
【0155】
(実施形態77)
上記通信局が、APである、実施形態53から72のいずれかの実施形態の方法。
【0156】
(実施形態78)
上記通信局が、WTRUである、実施形態53から72のいずれかの実施形態の方法。
【0157】
(実施形態79)
実施形態20から52および実施形態73から76の方法のいずれかに従ってチャネル管理を提供するように構成された通信局。
【0158】
(実施形態80)
上記通信局の無線サービス範囲内に位置する他の通信局群から、未対応のトラフィック要求データを受信するように構成された受信機を含む実施形態79の通信局。
【0159】
(実施形態81)
複数のアクセスカテゴリーのそれぞれに関して、BSS負荷エレメントを計算するように構成されたプロセッサを含む実施形態79から80のいずれかの実施形態の通信局。
【0160】
(実施形態82)
上記通信局のサービス範囲内のその他の通信局群にBSS負荷エレメントをアドバタイジングするように構成された送信機を含む実施形態79から81のいずれかの実施形態の通信局。
【0161】
(実施形態83)
受信機が、他の通信局群から、アドバタイジングされたBSS負荷エレメントを受信するように構成される、実施形態79から82のいずれかの実施形態の通信局。
【0162】
(実施形態84)
上記プロセッサが、他の通信局群からの受信されたBSS負荷エレメントを利用して、通信局群が、切り離し決定を行うのを支援するようにさらに構成される、実施形態79から83のいずれかの実施形態の通信局。
【0163】
(実施形態85)
通信局が、APである、実施形態79から84のいずれかの実施形態の通信局。
【0164】
(実施形態86)
上記通信局が、WTRUである、実施形態79から84のいずれかの実施形態の通信。
【0165】
(実施形態87)
その他の通信局群のいずれの通信局も、APである、実施形態79から86のいずれかの実施形態の通信局。
【0166】
(実施形態88)
その他の通信局群のいずれの通信局も、WTRUである、実施形態79から87のいずれかの実施形態の通信局。
【0167】
(実施形態89)
実施形態53から72および実施形態77から78の諸方法および/または諸特徴のいずれかに従って媒体アクセス遅延を算出するように構成された通信局。
【0168】
(実施形態90)
上記通信局が、APである、実施形態89の通信局。
【0169】
(実施形態91)
上記通信局が、WTRUである、実施形態89の通信局。
【0170】
(実施形態92)
実施形態53から72および実施形態77から78の諸方法および/または諸特徴のいずれかに従って媒体アクセス遅延を算出するように構成されたプロセッサを含む実施形態90から91のいずれかの実施形態の通信局。
【0171】
(実施形態93)
有効期間を定義することを含む、所定の有効期間にわたって評価された平均MADタイミングを算出する方法。
【0172】
(実施形態94)
パケット送信時間と、上記期間中に行われた、ある量のパケット送信に関する確認応答を待つこと、および/または受信することに費やされた時間とを合計することにより、合計パケット送信時間を割り出すことを含む実施形態93の方法。
【0173】
(実施形態95)
パケット送信が、パケット再送信を含む、実施形態93から94のいずれかの実施形態の方法。
【0174】
(実施形態96)
複数のアクセスカテゴリーに関する合計の空の送信キュー時間を割り出すことを含む実施形態93から95のいずれかの実施形態の方法。
【0175】
(実施形態97)
合計の空の送信キュー時間が、アクセスカテゴリーの送信キューが空のままである期間を含む、実施形態96のいずれかの実施形態の方法。
【0176】
(実施形態98)
合計パケット送信時間、合計の空の送信キュー時間、および/または合計送信キュー延期時間を有効期間から差し引いて、総計の差をもたらすことを含む実施形態93から96のいずれかの実施形態の方法。
【0177】
(実施形態99)
総計の差をパケット送信の量で割って、平均MADタイミングを得ることを含む実施形態93から97のいずれかの実施形態の方法。
【0178】
(実施形態100)
複数のアクセスカテゴリーに関して、合計の送信キュー延期時間を割り出すことを含む実施形態93から99のいずれかの実施形態の方法であって、上記送信キュー延期時間が、アクセスカテゴリーが、それらのカテゴリーのそれぞれの送信を、より高い優先順位のキューに譲った期間を含む、方法。
【0179】
(実施形態101)
上記合計送信キュー延期時間を総計の差から差し引いてから、上記総計の差が、パケット送信の量で割られて、平均MADタイミングを得ることを含む実施形態100の方法。
【0180】
(実施形態102)
実施形態93から101の諸方法および/または諸特徴のいずれかに従ってMADタイミングを測定するように構成された通信局。
【0181】
(実施形態103)
プロセッサを含む実施形態102の通信局。
【0182】
(実施形態104)
上記通信局が、APである、実施形態102から103のいずれかの実施形態の通信局。
【0183】
(実施形態105)
上記通信局が、WTRUである、実施形態102から103のいずれかの実施形態の通信局。
【0184】
(実施形態106)
以上の実施形態のいずれかに記載の諸方法および/または諸特徴のいずれかを実行するように構成され、かつ/または以上の実施形態のいずれかに記載の諸特徴のいずれかを含む通信局。
【0185】
(実施形態107)
上記通信局が、APである、実施形態106の通信局。
【0186】
(実施形態108)
通信局が、WTRUである、実施形態106の通信局。
【0187】
本発明を、特に、好ましい諸実施形態に関連して図示し、説明してきたが、上述した本発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更が、それらの実施形態において行われてもよいことが、当業者には理解されよう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の分野に関する。より具体的には、本発明は、搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式(CSMA/CA)機構を使用し、輻輳(通信回線の混雑状態)を判定して、管理するための手段を提供し、無線通信において新奇な媒体アクセス制御(MAC)測定を提供することによってネットワーク管理をさらに強化する無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、当該技術分野において周知である。一般に、そのようなシステムは、互いの間で無線通信信号を送受信する通信局を含む。システムタイプに応じて、通信局は、通常、以下の2つのタイプ、すなわち、基地局、または移動ユニット(携帯)を含む無線送信/受信ユニット(WTRU)のいずれかである。
【0003】
本明細書で使用する基地局という用語には、基地局、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント、または基地局が関連付けられているネットワークへの無線アクセスをWTRUに提供する、無線環境における他のインタフェースデバイスが含まれるが、以上に限定されるものではない。
【0004】
本明細書で使用するWTRUという用語には、ユーザ機器、移動局、固定加入者ユニットまたは移動加入者ユニット、ポケットベル、または無線環境において動作することができる他の任意のタイプのデバイスが含まれるが、以上に限定されるものではない。WTRUには、電話機、テレビ電話機、およびネットワーク接続を有するインターネット対応電話機などのパーソナル通信デバイスが含まれる。さらに、WTRUには、同様のネットワーク能力を有する無線モデムを有するPDAやノートブックコンピュータなどの、パーソナルコンピューティングデバイスが含まれる。ポータブルである、またはそれ以外で移動することができるWTRUは、移動ユニット(携帯)と呼ばれる。一般的に、基地局もWTRUである。
【0005】
通常、基地局のネットワークは、各基地局が、適切に構成されたWTRU群と同時に無線通信を行うことができるように備えられている。一部のWTRUは、互いの間で直接に、すなわち、ネットワークの中で基地局を介して中継されることなしに、無線通信を行うように構成されている。これは、一般に、ピアツーピア無線通信と呼ばれる。WTRUは、他のWTRU群と通信するように構成されている場合、そのWTRU自体が、基地局として構成され、基地局として機能することが可能である。WTRUは、ネットワーク能力とピアツーピア通信能力を共に有して、複数のネットワークにおいて使用されるように構成されることが可能である。
【0006】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と呼ばれる1つのタイプの無線システムは、同様の備えを有するWTRU群とピアツーピア通信を行うこともできるWLANモデムを備えたWTRU群と無線通信を行うように構成されることが可能である。現在、WLANモデムは、メーカー(製造業者)によって多くの従来の通信デバイスおよびコンピューティングデバイスに組み込まれている。例えば、セルラー電話機(携帯電話)、パーソナルデジタルアシスタント(携帯情報端末)、およびラップトップコンピュータ(ノート型コンピュータ)が、1つまたは複数のWLANモデムを有して構築されている。
【0007】
通常、アクセスポイント(AP)と呼ばれる、1つまたは複数のWLAN基地局を有する一般的なローカルエリアネットワーク環境は、IEEE802.11の一群の標準に準拠して構築される。図1に示す例示的な802.11ローカルエリアネットワーク(LAN)は、システムがセルに分割されるアーキテクチャに基づく。各セルは、802.11システムの文脈で局(STA)と一般に呼ばれる1つまたは複数のWTRUと通信するための少なくとも1つのAPを含む、基本サービスセット(BSS)を含む。APとSTAの間の通信は、無線STAと有線ネットワークの間の無線インタフェースを定義するIEEE802.11標準に準拠して行われる。
【0008】
無線LAN(WLAN)は、配信システム(DS)に対するポータル(入り口)を有する、単一のAPを有する単一のBSSによって形成されることが可能である。しかし、設備(installation)は、通常、いくつかのセルから成り、AP群が、DSと呼ばれるバックボーン(基幹回線)を介して接続される。
【0009】
また、モバイルアドホックネットワーク(MANET)も、図1に示されている。MANETは、無線リンクによって接続されたモバイルルータ群(および関連するホスト群)の自己構成ネットワークであり、ルータ群の結合は、任意のトポロジ(接続形態)を形成する。ルータ群は、ランダムに移動して、自らを任意に編成することが自由にでき、そのため、ネットワークの無線トポロジは、急速に、予測できないように変化する可能性がある。そのようなネットワークは、スタンドアロン型(ネットワークに接続されていない独自方式)で動作しても、よりも大きいインターネットに接続されてもよい。
【0010】
様々なセル、セルのそれぞれのAP、およびDSを含む、互いに接続されたWLANは、単一のIEEE802.11ネットワークと見なされ、拡張サービスセット(ESS)と呼ばれる。IEEE802.11ネットワークは、通常、搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式(CSMA/CA)プロトコルを使用して、WLANネットワークのノード群(つまり、STA群)の間で、無線で情報を交換する。以上の枠組みにおいて、送信することを望むSTA群は、無線媒体へのアクセスを求めて当然競合するものである。競合機構には、媒体が、(標準によって規定される規則セットに従って)ある期間にわたってアイドル(遊休状態)のままになるのを待ってから、データパケットを送信することを含む。ノードが、チャネルにアクセスして、そのノードのパケットを送信するのにかかる時間は、局の数、およびデータトラフィック(データアクセス量)が増加するにつれ、増大する。そのようなシステムにおける輻輳は、媒体へのアクセスを得るのにかかる時間が、あまりにも多くの局が、同一の媒体を求めて競合していることにより、許容できなくなる場合に生じる可能性がある。
【0011】
CSMA/CAプロトコルの性質のため、また、ほとんどの送信がベストエフォート型であることを考慮すると、システムが、いつ輻輳を経験していると分類されるかを判定することは、極めて困難である。そのような複雑なシステムにおいて輻輳を判定することは、1つの選択されたメトリック(計量)が、輻輳を示す一方で、別のメトリックが、輻輳を示さない可能性があるので、単純な作業ではない。
【0012】
輻輳を示すのに使用されることが可能な、いくつかのメトリックには、衝突率と、チャネル稼働時間、すなわち、媒体が使用中である時間などが含まれる。しかし、これらのメトリックは、個々に測定されると、必ずしも輻輳の本当の状況を与えない。例えば、チャネル稼働時間メトリックは、輻輳状況の正確な状況を与えない。1つの局が、あるチャネル上でただ1つだけであり、常時、送信している可能性がある。そのケースでは、チャネル稼働時間メトリックは、高い。システムが、他の局からのさらなるトラフィックを、サポートすることができないように見える可能性がある。しかし、新たな局が、そのチャネルにアクセスした場合、その局は、それでも、CSMA/CA機構のおかげで、良好なスループットを経験する可能性がある。というのは、そのチャネルは、その場合、その2つの局の間で均等に共用されるからである。システムは、所与の時点で同一のチャネルを求めて競合しており、媒体へのアクセスを各局が待たなければならない、より長い時間、およびより多くの数の衝突のために、深刻な遅延を経験している、いくつかの局が存在する場合に、実際に、輻輳している。
【0013】
別の態様では、特に、IEEE802.11標準およびIEEE802.11k標準に準拠するシステムにおいて、現在、限られたネットワーク管理機能が、存在する。本発明者らは、ネットワーク管理の文脈で、現在、使用されているチャネル負荷情報の有用性には、いくつかの限界が存在することを認識した。また、チャネル負荷測定値を使用することの限界を考慮した後、より良いネットワーク管理を実現する改良された方法の必要性も存在する。本発明は、チャネル負荷情報の文脈で、IEEE802.11標準およびIEEE802.11k標準に関連する強化されたネットワーク管理を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)システムにおいて輻輳を判定して、アドバタイジング(公示)するための方法を提供する。また、本発明は、輻輳が検出された際に、輻輳を管理するための方法も提供する。本発明の一態様は、CSMA/CAを使用する無線システムに適用される。好ましくは、以下を含む、いくつかのメトリックが、輻輳を判定するのに使用される。すなわち、バックオフ手続きの平均時間、基本サービスセット内(BBS内)遅延率(deferral rate)、BSS外遅延率、関連局の数、平均WTRUチャネル稼働時間、および平均バッファ媒体アクセス制御(MAC)占有率である。輻輳を緩和するのにとられる措置には、好ましくは、確認応答のある/確認応答のないパケットを送信しようとして費やされた浪費時間の多い順にWTRUのセットを並べ替えること、および輻輳が緩和されるまで、各WTRUを1つずつ切り離すことが含まれる。
【0015】
また、本発明は、好ましくは、2つの新たなMAC測定値の使用を介して、特にIEEE802.11標準およびIEEE802.11k標準の文脈で、ネットワーク管理の改良された方法も提供する。より具体的には、2つの新たな測定値には、STAアップリンクトラフィック負荷測定値およびアクセスポイント(AP)サービス負荷測定値が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、未対応のキュー(待ち行列)に入れられたトラフィック要求に関してSTA送信負荷の新たな測定値を与える、送信キューサイズの管理情報ベース(MIB)表示の考慮を含む。本発明は、STAがハンドオフ判定を行うのを支援するのに使用されるAPサービス負荷の新たな測定値を与える、APサービス負荷のMIB表示の考慮をさらに含む。以上の特徴の実施は、ソフトウェアとして、または他の任意の好都合な形態において可能である。本発明の以上の態様は、一般に、例えば、直交周波数分割多重(OFDM)システムおよび符号分割多重アクセス2000(CDMA2000)システムの文脈でIEEE802.11k準拠システムに適用されるレイヤ1およびレイヤ2に適用可能である。しかし、本発明は、他のシナリオに対する一般的な適用可能性も有する。
【0017】
本発明は、有利には、様々な形態の選択的に構成されたWTRUにおいて実施される。
【0018】
本発明のより詳細な理解は、例示として与えられ、添付の図面に関連して理解されるべき、好ましい諸実施形態の以下の説明から得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】対応する構成要素を有する従来のIEEE802.11 WLANを示す概略図である。
【図2】図2から図9は無線通信システムにおいて輻輳を判定して、管理するための本発明の諸技法を示す流れ図である。より詳細には、図2は遅延率(DR)メトリックおよびパケット誤り率(PER)メトリックを使用して輻輳を判定するための方法を示す流れ図である。
【図2A】確認応答のないパケットを送信/再送信しようとして浪費された時間を測定することに基づき、WTRUを切り離すための方法を示す流れ図である。
【図3】ノードの負荷を近隣ノード群のアドバタイジングされた負荷と比較することによって負荷遮断を管理するための方法を示す流れ図である。
【図4】パケットがキューの先頭に到達してからパケットの送信までの平均遅延に基づき、WTRU群にアドバタイジングされる負荷を示すための方法を示す流れ図である。
【図5】送信キューサイズ(TQS)を近隣ノード群に示すための方法を示す流れ図である。
【図6】競合のない送信キューサイズ(CFTQS)を近隣ノード群に示すための方法を示す流れ図である。
【図7】競合送信キューサイズ(CTQS)を近隣ノード群に示すための方法を示す流れ図である。
【図8】WTRU群からの対応済みのトラフィック負荷および未対応のトラフィック負荷の評価に基づいてチャネルを管理するために、およびWTRU群にアドバタイジングするためのサービス負荷スカラーをもたらすために、ノードによって使用される方法を示す流れ図である。
【図9】近隣ノード群によってもたらされる負荷スカラーに基づいてノードを選択するために、WTRU群によって使用される方法を示す流れ図である。
【図10】本発明によるBSS負荷エレメントフォーマットを示す図である。
【図11】本発明によるアクセスカテゴリーサービス負荷エレメントフォーマットを示す図である。
【図12】本発明に従って構成された通信局を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の諸特徴および諸要素は、好ましい諸実施形態において特定の組み合わせで説明されるが、各特徴または各要素は、単独で(好ましい諸実施形態の他の特徴、および他の要素を伴わずに)使用されることも、本発明の他の特徴、および他の要素を伴って、または伴わずに、様々な組み合わせで使用されることも可能である。
【0021】
本発明の一態様は、チャネル輻輳の負荷メトリックを測定する、以下の2つの異なるアプローチを導入する。すなわち、第1に、個々のAPの負荷に主に基づく、基本サービスセット(BSS)ベースの負荷メトリック。第2に、様々なAPの間で分担される負荷を示すメトリックである、チャネルベースの負荷メトリック。
【0022】
BSSベースの負荷メトリックは、高い負荷条件、および高いチャネル輻輳を判定するメトリックである。2つの好ましいBSSベースの負荷メトリックは、BSS内遅延率メトリックおよびパケット誤り率メトリックである。
【0023】
遅延率(DR:deferral rate)は、APが、送信すべき1つまたは複数のパケットを有しながら(すなわち、APのキューが、空ではない)、APの受信側が、搬送波ロックされている(すなわち、クリアチャネルアセスメント(CCA)が使用中条件を示す)時間のパーセンテージを表す測定値である。つまり、DRは、APが、他のWLANノードへの送信を延期することに費やす時間の量を表す。
【0024】
BSS内遅延率は、APが、送信すべき1つまたは複数のパケットを有しながら、APの受信側が、BSS内パケット(すなわち、BSSに関連付けられたWTRUの1つを発信元とするパケット)に、搬送波ロックされている時間のパーセンテージを表す。つまり、BSS内DRは、APに関連付けられたWTRUの1つが、媒体を支配している(すなわち、パケットを送信している)ために、APが、APの独自の送信を延期することに費やす時間の量を表す。
【0025】
BSS内遅延率(deferral rate)は、システムが受けている現在の負荷のレベルを示し、同一のBSS内の別のノードに送信する必要がある場合に、送信を延期することに費やされた時間を測定することによる。低いBSS内延期メトリック(deferral metric)は、そのBSSに関する負荷が低いことを示す。高いBSS遅延率は、同時に送信している多数のノードが存在すること、およびそのため、相当な負荷が存在することを示す。
【0026】
送信すべき相当な量のデータを有する2つだけのノードが、システム内に存在するケースでは、遅延率は、高い可能性があり、単独で使用された場合に、輻輳を示す。しかし、システム内に2つだけのノードしか存在しないので、これは、輻輳状況とは考えられない。以上の状況に対処するのに、本発明は、遅延率メトリックに加えて、パケット誤り率(PER)を使用する。
【0027】
パケット誤り率(PER)は、送信されたパケットの総数に対する、失敗した送信(すなわち、ACKが受信されなかったパケット送信)の数の比である。PERメトリックは、控えめなデータ送信速度が使用される場合に、システムにおける衝突率の良好な表示である。システム内のノードの数が多いほど、衝突の確率は、高くなる。BSS内遅延率メトリックとPERメトリックの両方を一緒に使用することにより、いずれかのメトリックが個別に使用されるよりも、APの負荷のより良好な表示がもたらされる。
【0028】
本発明では、図2に示すとおり、ステップS1およびステップS3で、BSS内遅延率メトリックおよびPERメトリックが、それぞれ測定され、次に、それぞれ、ステップS2およびステップS4で、事前定義された期間(例えば、30秒)にわたって平均される。両方のメトリックの平均は、ステップS5およびステップS6で、輻輳が生じたことを知らせるのに使用される。より具体的には、所与の期間(例えば、30秒)にわたって、BSS内遅延率(DR)メトリックが、ステップS5における判定により、第1の事前定義された閾値を超え、PERメトリックが、ステップS6における判定により、第2の事前定義された閾値を超えると、このことは、輻輳の表示である。
【0029】
輻輳が、上述した基準に基づいて検出されるか、または輻輳を判定するための他の技術を使用するかにかかわらず、本発明は、以下のアクション(行動)を提供する。すなわち、まず、ステップS7でAPが、再送信を試みて費やされた時間量の順に、基本サービスセット(BSS)内のすべてのWTRUを並べ替えることである。浪費された時間は、好ましくは、以下に説明する浪費時間アルゴリズムALGwtに従って算出される。より具体的には、確認応答のないパケットを有するWTRUのセットまたはリストが、作成される。WTRUに対する、確認応答のない各パケットに関して、そのパケットを送信しようとし、再送信しようとして費やされたすべての浪費時間の合計(すなわち、パケットサイズ/パケット送信速度に再送信された各パケットに関するペナルティを足した値)が、記録される。そのペナルティは、再送信に関連する、増大する遅延、すなわち、輻輳枠(CW)の倍増に起因するバックオフ(ネットワーク上で衝突が発生した後の伝送遅延)時間を反映する。ペナルティは、パケットの送信の準備が整った時点から、パケットが媒体を介して実際に送信される時点までに被った付加的な遅延を表す。したがって、以上の再送信時間メトリックは、衝突の後にパケットを再送信することに時間を浪費する局の場合に、非常に大きい。再送信時間メトリックは、選択された期間にわたって正規化される。
【0030】
WTRUに関する浪費時間を割り出すための例示的な式は、以下によって与えられる。すなわち、
【0031】
【数1】
【0032】
ただし、
wated_timeWTRU=WTRUに、確認応答のないパケットを送信しようとし、再送信しようとして費やされた浪費時間の合計
j=第j番目のパケット
i=第j番目のパケットの第i回目の送信#_pktsj=第j番目のパケットの送信の#、例えば、1、2、3、...Pkt_sizeij=第j番目のパケットの第i回目の送信のビット単位のサイズPkt_tx_rateij=第j番目のパケットの第i回目の送信のbps単位の送信速度RTxi>1=2i-2、ただし、i>1、さもなければ0の場合、Penalty=CWmin*スロット時間、例えば、CWmin=32、かつスロット時間=20マイクロ秒注:CWは、第1回の送信の後、2×CWmin#_pktsjは、所与のパケットの確認応答のない送信の回数と一致することに留意されたい。パケットが、最終的にうまく送信された場合、#_pktsjは、再送信の回数と正確に一致する。パケットが、ドロップされた(すなわち、決してうまく送信されなかった)場合、#_pktsjは、(再送信の回数+1)と一致する。
【0033】
wated_txtimeSTAの例が、以下に与えられる。すなわち、
APが、特定のSTAに送信すべき20のパケットを有するものと想定されたい。複数回の送信を行う間に、例えば、以下のとおり、パケットが、うまく確認応答されたか否か、およびパケット再送信回数を、APが、監視して、記録する、すなわち、
GGGGGBBB↓BBB↓GGGGG↑GGGGGG↑BBB↓GGGG
ただし、
↑=率の増加
↓=率の減少
G=確認応答のある、つまり、「良好の」フレーム
B=確認応答のない、つまり、「不良の」フレーム
最初のBは、第6番目のパケットであり、その第6番目のパケットの6回の送信が存在した、すなわち、BBB↓BBB。
#_pkts6=6
Pkt_sizei6=12000ビット
Pkt_tx_ratei6={11.0, 11.0, 11.0, 5.5, 5.5, 5.5}Mbps
RTxi>1*Penalty={0.0, 640.0, 1280.0, 2560.0, 5120.0, 10240.0}μs
第7番のBは、第17番目のパケットであり、その第17番目のパケットの3回の送信が存在した、すなわち、↑BBB↓。
#_pkts17=3
Pkt_sizei17=8000ビット
Pkt_tx_ratei17={11.0, 11.0, 11.0}Mbps
RTxi>1*Penalty={0.0, 640.0, 1280.0}μs
したがって、
wasted_txtimeSTA=(12000/11e6)+(12000/11e6+640.0)+(12000/11e6+1280.0)+(12000/5.5e6+2560.0)+(12000/5.5e6+5120.0)+(12000/5.5e6+10240.0)+(8000/11e6)+(8000/11e6+640.0)+(8000/11e6+1280.0)=33.76ミリ秒
【0034】
好ましくは、WTRUは、ステップS7〜S4で、最大時間から最小時間まで並べ替えられる。次に、プログラムは、ステップS8に進む。ステップS8(図2)で、並べ替えられたリストからの各STAが、時間の大きい方から先に、輻輳が緩和されるまで切り離される。
【0035】
また、本発明は、以下を含む他のメトリックの使用も可能にする。すなわち、BSSベースの負荷メトリック、関連付けられたWTRUの数、アクセスポイント(AP)が、媒体アクセス制御(MAC)においてそのパケットと関係があるすべてのACK(確認応答)(例えば、フラグメンテーション)を受信する時間、および(バッファのサイズに基づく)平均バッファMAC占有率である。
【0036】
本発明は、負荷遮断(すなわち、切り離し)または負荷平衡化のいずれかを実行するシステムの必要性を評価する際に、近隣AP群の負荷を考慮に入れる方法をさらに提供する。例えば、図3に示すとおり、ステップS9およびステップS10で収集され、ステップS11およびステップS12で近隣AP群と比較される、近隣AP群の各APの負荷もやはり高い場合、ユーザが、別の場所でサービス提供を受ける可能性が低いので、すなわち、L1、L2、およびL3はすべて高いので(ステップS13)、負荷遮断は、遅延される(ステップS14)。負荷遮断は、L1またはL2が、アドバタイジング(ネットワーク管理に必要な最新情報を定期的に配送すること)される負荷よりも低い負荷を有する場合(ステップS15B)、ステップS16で行われる。L3負荷が、L1およびL2より少ない場合、APは、ステップS15AおよびステップS17で示すとおり、WTRUを受け付けることができる。
【0037】
アクセスポイント(AP)は、APの複数の局(WTRU群)に負荷をアドバタイジングするため、例えば、近隣AP群、すなわち、AP(x)およびAP(y)に対してAPの負荷を比較することができる。AP負荷が、APの近隣AP群の推定される負荷と比べて高い場合に、APは、ステップS15A(図3)における判定に応答して、高い負荷をアドバタイジングする。AP負荷が、APの近隣の推定される負荷と比べて低い場合に、APは、ステップS15Bにおける判定に応答して、低い負荷をアドバタイジングする。
【0038】
本発明の別の方法は、媒体(例えば、チャネル)負荷を測定するメトリックを使用することである。そのメトリックは、WTRUが、最も負荷がかかっていないAPを選択することができるようにする。BSS内チャネル負荷を有するBSSが、近隣BSSに単に任せていることが可能であり、したがって、APの負荷は低いが、媒体負荷は高い場合に該当するように、BSS内チャネル負荷が有効ではないケースでは、媒体負荷メトリックが、使用される。そのケースでは、アドバタイジングされる負荷は、媒体負荷を表すものとする。そのケースでは、APは、新たなWTRUをサポートすることができる場合に、低い負荷のみをアドバタイジングする。
【0039】
媒体負荷の表示を与えるメトリックは、APにおけるダウンリンク送信のために図4に示すようなやり方で判定されるバックオフ手続きを実行するのに要求される、平均時間(Avg D)である。より具体的には、このメトリックは、ステップS18〜S23で測定され、ステップS24でWTRU群にAvgDをアドバタイジングして、パケットの送信の準備が整った時点(すなわち、CSMA/CAアクセス競合を開始する)から、パケットが、媒体を介して送信を開始する時点までに被る媒体アクセス遅延を表す。
【0040】
競合枠のサイズは、バックオフ手続きを実行するのに必要とされる時間に影響を与える。競合枠サイズは、確認応答が、受信側ノードから受信されない場合にはいつでも、増加される。この態様は、衝突が、同一のBSSのノード間で生じるケース、または異なるBSSのノード間で生じるケースを対象に含む。バックオフ手続きのカウントダウン中、カウントダウンは、媒体が、使用中であることが感知されるといつでも、一時停止され、これにより、バックオフ手続きの時間が増大する。このさらなる態様は、独自のBSSのWTRU群、および/または近隣BSS群のWTRU群のために、媒体に高い負荷がかかっているケースを対象に含む。このメトリックは単独で、BSS内のそのノードによって認識される輻輳の良好な表示をもたらす。媒体が使用中である時間(チャネル稼働時間)をメトリックとして単に使用することを考慮することもできる。しかし、たった1つだけのWTRUが、アクセスポイント(AP)に関連付けられており、大量のデータを送信または受信している実施例では、チャネル稼働時間メトリックは、輻輳の良好な表示を与えない。チャネル稼働時間は、実際には、システムが、1名のユーザだけしかサポートしていない場合に、高い輻輳を示す。そのAPに追加される第2のユーザ(WTRU)が、容易にサポートされることが可能である。単一ユーザの例において、新たな提案されるAvg.Dメトリック(すなわち、バックオフ手続きを実行する平均時間)は、低い輻輳を正しく示す。
【0041】
AvgDメトリックは、長い時間が、重い負荷のかかった媒体を示す場合には、バックオフ手続きに要求された短い時間は、軽い負荷のかかった媒体を示すので、好ましい測度である。例として、現在のIEEE802.11b標準を考慮されたい。競合枠(CW)の最小値は、32×20マイクロ秒=640マイクロ秒であり、最大値は、1023×20マイクロ秒=20.5ミリ秒である。しかし、バックオフを実行するのに要求される時間は、使用中の媒体を感知したことに起因するカウントダウンの一時停止によってもたらされる、CWの最大サイズよりも大きいことが可能である。時間のこの増加は、媒体の活動による負荷の表示を与える。
【0042】
本発明の文脈でMAC負荷測定値を使用する理由には、以下が含まれる。すなわち、・MACレイヤは、管理情報ベース(MIB)を介して、またはIEEE802.11標準およびIEEE802.11k標準における測定値を介しては、現在、利用可能でない、多くの情報を有する。
・上位レイヤに役立つ、本発明によって提供される新たな情報項目は、802.11kの範囲内で提供されることが可能であるものの、現在、利用可能でない。
・IEEE802.11eは、識別されたチャネル稼働時間(CU)を役立つ負荷情報項目として有する。
【0043】
また、本発明は、WTRUアップリンク負荷情報およびAPサービス負荷情報の必要性が存在することも認識する。CU情報の限定のいくつかには、以下が含まれる。すなわち、
・負荷情報は、WTRUおよびAPにおけるハンドオフ判定のために役立つ。
・潜在的な目標APのCU情報は、ハンドオフオプションを評価する際、WTRUに役立つ。
・CUは、チャネル稼働時間としても知られる、(すべてのWTRUからAPへの)アップリンク対応済み負荷と(APからすべてのWTRUへの)ダウンリンク対応済み負荷の合計である。
・トラフィック負荷は、しかし、以下の2つの部分、すなわち、対応済みのトラフィック負荷と未対応の(キューに入れられた)トラフィック負荷とから成る。
・CUは、現在、動的な未対応のキューに入れられたトラフィック負荷情報を提供しない。
【0044】
ネットワークは、未対応のアップリンクトラフィック要求(キューに入れられたトラフィック負荷)にアクセスする現行の方法を全く有さない。
【0045】
ネットワーク管理におけるWTRUアップリンクトラフィック負荷測定値(UTLM)の利点には、以下が含まれる。すなわち、
・高いチャネル負荷は、最大値に近い対応済みトラフィックを示す。
・未対応のトラフィック要求が低い場合、このことは、最適なチャネル管理である。
・未対応のトラフィック要求が高い場合、このことは、最適に達していない。
・未対応のアップリンクトラフィック要求は、APが、フレーム時間のアップリンクセグメントおよびダウンリンクセグメントをよりうまく分割することができるようにするのに極めて役立つ。
・AP群は、最大トラフィック稼働時間および最小トラフィックブロックに向けてチャネルを管理する必要がある。
・WTRU群におけるキューに入れられたアップリンクトラフィックは、送信遅延、および潜在的なチャネルブロックを示す。
・MAC送信バッファの中でキューに入れられたデータの量は、キューに入れられたアップリンク負荷の良好な測度をもたらす。
【0046】
本発明は、送信トラフィック負荷のための新たなMAC管理情報ベース(MAC MIB)要素、すなわち、送信キューサイズ(TQS)を提供する。送信キューサイズ(TQS)は、以下のとおり定義される。すなわち、新たなMIB情報は、以下の3つの項目を含む。すなわち、競合のない送信キューサイズ(CFTQS)と競合送信キューサイズ(CFTQS)の合計から成る合計送信キューサイズ(合計TQS)である。
【0047】
TQSは、現在のMACキューサイズをバイト単位で含む。TQSは、MAC MIB802.11 Countersテーブルの中に含められることが可能である。Dot11Countersテーブルは、標準における定義されたデータ構造である。TQS情報は、図5に示すとおり、カウンタによって実施されることが可能であり、WTRUが、ステップS25で、システム起動時にTQSカウンタを0に初期設定する。WTRUは、ステップS26で、フレームを受信し、ステップS27で、そのフレームをMACレイヤの中でキューに入れる。ステップS28で、WTRUは、キューに入れられたフレームのバイト数だけ、TQSカウンタを増分する。代替として、累計は、カウントがメモリの中に格納され、例えば、フレームの各バイトがキューに入れられるにつれ、PC(現在のカウント)をPC+1で置き換えることにより、増分されることが可能である、ソフトウェア技術を使用することができる。
【0048】
WTRUは、セッションが開始されると、ステップS29で、物理(PHY)レイヤを使用してフレームを送信し、確認応答のないモードで動作している場合、またはPHY送信の後に、APによってフレームに確認応答が行われた場合に、ステップS30で、送信されたバイト数だけTQSカウンタを減分する。WTRUは、ステップS31で、TQSカウントを近隣AP群に伝達する。TQSは、新たなMIB要素である。すべてのMIB要素は、近隣のMIBから要素を取得するように実行されるMIBクエリを介して、必要に応じて近隣に送信される。
【0049】
競合送信キューサイズ(CTQS)は、例えば、図6に示すとおり、実施され、WTRUが、ステップS32で、システム起動時に、CTQSカウンタを0に初期設定する。WTRUのMACレイヤは、ステップS33で、競合フレームを受信し、ステップS34で、そのフレームをMACレイヤの競合キューの中に入れる。ステップS35で、CTQSカウンタが、受信されたフレームのバイト数だけ増分される。
【0050】
WTRUは、ステップS36で、確認応答のないモードで動作している場合、またはPHY送信の後に、フレームに確認応答が行われた場合に、PHYレイヤを使用してフレームを(例えば、APに)送信し、ステップS37で、確認応答のないモードで、またはPHYレイヤ送信の後に、フレームに確認応答が行われた場合に、送信されたバイト数だけ、CTQSカウンタを減分する。ステップS38で、WTRUは、CTQSカウントを近隣AP群に伝達する。
【0051】
競合のない送信キューサイズ(CFTQS)は、図7に示すとおり、CFTQSカウンタを提供することによって実施され、WTRUは、ステップS39で、システム起動時に、CFTQSカウンタを0に初期設定する。
【0052】
ステップS40で、WTRU MACレイヤが、競合のないフレームを受信し、ステップS41で、そのフレームを競合のないキュー(CFQ)の中に入れる。ステップS42で、WTRUは、キューに入れられたフレームのバイト数だけ、CFTQSを増分する。
【0053】
ステップS43で、WTRUは、PHYレイヤを使用して、競合のないフレームを送信し、ステップS44で、確認応答のないモードで、またはPHYレイヤ送信の後に、フレームに確認応答が行われた際に、フレームの中で送信されたバイト数だけ、CFTQSカウンタを減分する。ステップS45で、WTRUは、カウントを近隣AP群に伝達する。
【0054】
図8は、APが、MAC MIB情報を利用する1つのやり方を示し、APが、例えば、それぞれ、ステップS46、ステップS47、およびステップS48で、例えば、WTRU(x)、WTRU(y)、およびWTRU(z)から、TSQカウント、CTQSカウント、およびCFTQSカウントの1つまたは複数を含むMAC MIB情報を受信する。未対応のトラフィックを表す、このデータは、アップリンク負荷とダウンリンク負荷をともに含むチャネル負荷などの、対応済みのトラフィックデータと組み合わされ、ステップS49でAPによって評価され、ステップS50で、例えば、トラフィック稼働時間を最大化し、トラフィックブロックを最小化するように、トラフィックを調整することにより、対応済みの負荷データ、および未対応の負荷データを利用してチャネルを管理する。APは、チャネル稼働時間を最適化するために、未対応のアップリンクトラフィックデータに基づき、フレームのアップリンクセグメントおよびダウンリンクセグメントを調整することができる。
【0055】
本発明の文脈でAPサービス負荷測定値をもたらすための考慮には、以下が含まれる。すなわち、
WTRU群は、複数のAPをハンドオフのための目標AP群と見なすことができる。2つのAPが、同様のチャネル負荷、および容認できる信号品質を有する場合、WTRUは、いずれが、より良好なAPであるかを判定することができる能力を必要とする。AP群が、AP群の既存のWTRUセットにサービス提供する能力、およびさらなるWTRUにサービス提供する能力に関する情報をアドバタイジングできるようにすることにより、チャネル稼働時間が、最適化されることが可能である。この情報は、予期される容量に関するAP固有の情報によって変更された、APに関するダウンリンクトラフィックキュー測定値と同様である。
【0056】
以下は、APサービス負荷に対処する。すなわち、
WTRUのハンドオフ判定においてWTRUを支援する、新たなMAC MIB情報項目が、提供される。
【0057】
対応済みの負荷が最適であることを示す、定義済み中心点を伴う、「現在、いずれのWTRUにもサービス提供を行っていない」から「新たなサービスを全く扱うことができない」までの255値スケール(例えば、8バイナリビットで表現される)の定量的表示。
例えば、以下のとおりである。すなわち、
0==いずれのWTRUにもサービス提供を行っていない(アイドルなAPまたはWTRUは、APではない)
1ないし254==APサービス負荷のスカラー表示
255==新たなサービスを全く受け付けることができない
このMIB項目の正確な仕様は、処理系依存のものであり、厳密に指定されなくてもよく、最大稼働時間を得る詳細な定義は、特定のネットワークの特性に合わせられることが可能である。
【0058】
新たなAPサービス負荷は、MAC dot11Countersテーブル、またはMIBにおける別の場所に含められることが可能である。
【0059】
目標APとして選択されることが可能な複数のAPを有するWTRUは、図9に示すとおり、チャネル負荷、および容認できる信号品質の考慮に加えて、ステップS51、ステップS52、およびステップS53においてそれぞれ示す、AP(x)、AP(y)、およびAP(z)から負荷公示(load advertisements)を受信することができ、ステップS54で、受信されたAPによってアドバタイジング(ネットワーク管理に必要な最新情報を定期的に配送すること)された負荷(SLスカラー)を評価し、そのため、受信されたAPによってアドバタイジングされた負荷(advertised load)の比較に基づいて判定を行うことができ、ステップS55で、APを選択する。
【0060】
APサービス負荷(SL)は、スカラー値であり、例えば、対応済みのトラフィック、および未対応のトラフィックに基づくとともに、例えば、統計データに基づく、信号品質、および予期されるキャパシティー(処理能力)などの他のデータに基づくことが可能である。AP SLスカラーは、図8のステップS50Aに示すとおりに、作成され、ステップS50Bに示すとおりに、近隣WTRU群にアドバタイジングされることが可能である。
【0061】
上述した諸方法は、好ましくは、選択的に構成されたWTRU群において実施される。例えば、WTRUは、メモリデバイス、プロセッサ、および送信機を提供することにより、無線ネットワークでのチャネル管理を支援するように構成されることが可能である。メモリデバイスは、好ましくは、WTRUの媒体アクセス制御(MAC)レイヤに関するデータフレームのキューを提供するように構成される。プロセッサは、好ましくは、それぞれのWTRUにおける未対応のキューに入れられたトラフィック要求を表すキューサイズデータを算出するように構成される。送信機は、好ましくは、無線ネットワークのアクセスポイント(AP)にキューサイズデータを伝達するように構成され、これにより受信側APは、そのキューサイズデータを利用して、チャネル管理に役立てる。特に、プロセッサは、システム起動時に、キューに入れられたデータサイズを表すカウントをゼロに初期設定し、WTRUの媒体アクセス制御(MAC)レイヤによってフレームがキューに入れられると、フレームのバイト数だけ、カウンタを増分するように構成される。好ましくは、プロセッサは、確認応答のないモードでWTRUの物理(PHY)レイヤによってフレームが送信されると、フレームのバイト数だけ、カウントを減分するように構成される。
代替として、プロセッサは、PHY送信の後に、フレームに確認応答が行われた際に、WTRUの物理(PHY)レイヤによってフレームが送信されると、フレームの中のバイト数だけ、カウントを減分するように構成されることが可能である。
【0062】
そのようなWTRU内で、メモリは、好ましくは、媒体アクセス制御(MAC)レイヤの競合キューおよび競合のないキューを有して構成され、プロセッサは、競合キューに関する未対応のキューに入れられたトラフィック要求を表す競合送信キューサイズ(CTQS)データ、競合のないキューに関する未対応のキューに入れられたトラフィック要求を表す競合のない送信キューサイズ(QFTQS)データ、および媒体アクセス制御(MAC)レイヤのすべての送信データキューに関する、未対応のキューに入れられたトラフィック要求を表す合計送信キューサイズ(TQS)データを算出するように構成される。
【0063】
また、そのようなWTRUは、好ましくは、AP群によってWTRU群から受信されたキューサイズデータに基づいて作成されたサービス負荷指標をAP群から受信するように構成された受信機、および受信された負荷指標に基づいて無線通信のためのAPを選択するように構成されたコントローラも含む。
【0064】
アクセスポイント(AP)群と、無線チャネルを介してAP群と無線通信することができる無線送受信ユニット(WTRU)の両方に、無線ネットワークでのチャネル管理を提供するように構成されたアクセスポイント(AP)が、提供されることが可能である。受信機は、APの無線サービス範囲内に位置するWTRU群から受信される、未対応のトラフィック要求データを受信するように構成される。APは、好ましくは、WTRU群から受信された未対応のトラフィック要求データに基づき、サービス負荷指標を計算するように構成されたプロセッサを有する。AP無線サービス範囲内のWTRU群にサービス負荷指標をアドバタイジングするように構成された送信機が含められ、APのAP無線サービス範囲内に位置するWTRU群は、アドバタイジングされたサービス負荷指標を使用して、無線通信を行う相手のAPを選択するのに役立てることができる。そのようなAPにおいて、受信機は、好ましくは、他のAP群から、アドバタイジングされたサービス負荷指標を受信するように構成され、プロセッサは、好ましくは、他のAP群から受信された、アドバタイジングされたサービス負荷指標を使用して、APとの通信から、動作上、関連付けられたWTRU群を切り離すことに関する判定に役立てるように構成される。
【0065】
別の実施形態では、無線送受信ユニット(WTRU)は、基本サービスセット(BSS)によって定義される無線通信システムにおいて輻輳を管理するように構成される。WTRUは、基本サービスセット (BSS)内遅延率(DR)を算出し、所与の時間間隔にわたって前記DRを平均するように構成されたプロセッサを有する。好ましくは、プロセッサは、パケット誤り率(PER)も算出し、上記時間間隔にわたって上記PERを平均するように構成される。メモリが、BSS内のWTRUに動作上、関連付けられたWTRU群の各WTRUに関して、データを送信しようとして費やされた浪費時間を反映する比較値を格納するように構成される。上記平均DRおよび上記平均PERが、所与の閾値よりも大きい場合には、データを送信しようとして費やされた最大の時間を反映する、格納した比較値を有するWTRUから始めて、WTRUから、動作上、関連付けられたWTRU群を切り離すように構成されたトランシーバ(無線電話機)が、含められる。
【0066】
そのようなWTRU内で、プロセッサは、好ましくは、30秒程度の時間間隔にわたってDRおよびPERを平均するように構成され、トランシーバは、WTRUに動作上、関連付けられた各WTRUに関して、データを送信しようとして費やされた浪費時間を反映する比較値を定期的に受信し、それらの比較値でメモリを更新するように構成される。
【0067】
そのようなWTRU内で、また、プロセッサは、WTRUが、送信されたデータパケットに応答して、成功の確認応答(ACK)または否定的な確認応答(NACK)を受信するのにかかる時間を測定し、ビーコン期間中の測定された時間を合計し、その合計をビーコン期間によって正規化することにより、比較浪費時間値を算出するように構成されることも可能である。その場合、トランシーバは、好ましくは、他のWTRU群にデータを送信しようとして費やされた浪費時間を反映する最新の比較値を定期的に送信するように構成される。
【0068】
また、アクセスポイントAPも、無線送受信局(WTRU)が、無線通信システムにおいて無線通信を行う相手のアクセスポイントAPを選択するのを、選択的に構成された構成要素をWTRUに提供することにより、支援するように構成されることが可能である。好ましくは、受信機は、他のAP群のアドバタイジングされた負荷指標を受信するように構成される。APの通信負荷を、他のAP群からの受信済みのアドバタイジングされた負荷指標と比較して、上記比較に基づき、APの調整された負荷を算出するように構成されたプロセッサが、含められる。送信機は、調整されたAP負荷をWTRU群にアドバタイジングするように構成される。好ましくは、プロセッサは、送信機が、WTRU群にアドバタイジングする負荷を更新するために、上記比較する動作、および上記算出する動作を定期的に実行するように構成される。
【0069】
そのようなAP内で、送信機は、APの通信負荷が、他のAP群のアドバタイジングされた負荷と比べて低いとプロセッサが判定した場合には、低い負荷をアドバタイジングし、APの通信負荷が、他のAP群のアドバタイジングされた負荷と比べて高いとプロセッサが判定した場合には、高い負荷をアドバタイジングするように構成されることが可能である。また、プロセッサは、データパケットの送信の準備が整った時点から、そのパケットが、WTRUに実際に送信される時点までの遅延を測定し、所与の期間にわたって上記遅延を平均し、その平均遅延を利用して負荷を示すことにより、APの通信負荷を算出するように構成されることも可能である。
【0070】
別の実施形態では、基地局は、無線ネットワークにおいて輻輳状態が検出されると、基地局との動作上の関連付けからWTRU群を切り離すように構成される。基地局は、関連付けられた各WTRUに関して、確認応答のないパケットを送信/再送信しようと試みて費やされた浪費時間(Tw)を算出し、関連付けられた各WTRUに関する浪費時間Twを所与の期間にわたって正規化するように構成されたプロセッサを有する。関連付けられたWTRU群のリスト、およびそれらのWTRUのそれぞれの正規化された浪費時間を格納するように構成されたメモリが、提供される。トランシーバは、WTRUのそれぞれの正規化された浪費時間に基づき、WTRU群を切り離して、上記輻輳を緩和するように構成され、最大のTwを有するWTRUが、先に切り離される。好ましくは、プロセッサは、上述した式に従ってWTRU群の浪費された送信時間(Tw)を計算するように構成されることなどにより、再送信に関連する増大する遅延を表すペナルティを上記Twに加算するように構成される。
【0071】
IEEE802.11eは、例えば、音声トラフィック、映像トラフィック、ベストエフォート型トラフィック、および背景トラフィックなどの、いくつかのアクセスカテゴリー(アクセス種類)をサポートする。一実施形態では、本発明は、好ましくは、アクセスカテゴリーごとのAPサービス負荷を利用する。BSS負荷エレメントは、BSS内の現在の局ポピュレーション、トラフィックレベル、およびサービスレベルに関する情報を含む。
図10は、本発明による要素情報フィールドの例を示す。
【0072】
Length(長さ)フィールドは、後続のフィールドにおけるオクテット(8ビットのこと)数に設定されるものとする。局カウントフィールドは、そのBSSに現在、関連付けられているSTAの総数を示す符号なしの整数と解釈される。局カウントフィールドは、純粋に例として、dot11QoSOptionImplemented、dot11QBSSLoadImplemented、およびdot11RadioMeasurementEnabledがすべて真である場合、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームの中に存在しないものとする。
【0073】
チャネル利用率フィールドは、物理的、または仮想の搬送波感知機構によって示すように、媒体が使用中であるとAPが感知した時間のパーセンテージとして定義される。このパーセンテージは、((チャネル全稼動時間/(dot11ChannelUtilizationBeaconIntervals*dot11BeaconPeriod*1024))*255)の移動平均として表され、チャネル全稼動時間は、搬送波感知機構が、チャネル使用中指示を示したマイクロ秒の秒数として定義され、dot11ChannelUtilizationBeaconIntervalsは、平均が計算されるべき連続したビーコン間隔の数を表す。チャネル利用率フィールドは、dot11QoSOptionImplemented、dot11QBSSLoadImplemented、およびdot11RadioMeasurementEnabledがすべて真である場合、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームの中に存在しないものとする。
【0074】
APサービス負荷は、APにおけるサービス負荷の相対的レベルのスカラー表示であるものとする。低い値は、より高い値よりも多くの利用可能なサービス容量を示すものとする。0という値は、そのAPが、いずれのSTAにも現在、サービス提供を行っていないことを示すものとする。0から254までの値は、DCFパケットの送信の準備が整った時点(すなわち、CSMA/CAアクセスを開始する)から、実際のパケット送信開始時点までに測定された、DCF送信パケットに関する平均媒体アクセス遅延の対数目盛りで表された表示であるものとする。1という値は、50マイクロ秒の遅延を表すものとするのに対して、253という値は、5.5ミリ秒の遅延、または5.5ミリ秒よりも大きい任意の遅延を表さすものとする。254という値は、さらなるAPサービス容量が、利用可能でないことを示すものとする。255という値は、APサービス負荷が、利用可能でないことを示すものとする。APは、30秒の測定枠などの所定の猶予時間にわたって、DCFアクセス機構を使用して、すべての送信パケットに関する媒体アクセス遅延を測定し、平均するものとする。平均媒体アクセス遅延に関する精度は、少なくとも200のパケットにわたって平均された場合、+/−200マイクロ秒以内であるものとする。
【0075】
アクセスカテゴリー(AC)サービス負荷要素は、サービス品質(QoS)強化AP(QAP)群においてだけ、BSS Loadの中で提供されることが可能である。ACサービス負荷は、指示アクセスカテゴリーのサービスに関する、QAPにおける平均アクセス遅延(AAD)のスカラー表示とする。低い値は、より高い値よりも短いアクセス遅延を示すものとする。0という値は、そのQAPが、示すACのサービスを現在、提供していないことを示すものとする。0から254までの値は、EDCFパケットの送信の準備が整った時点(すなわち、CSMA/CAアクセスを開始する)から、実際のパケット送信開始時点までに測定され、指示ACの送信パケット送信パケットに関する平均媒体アクセス遅延の対数目盛りで表された表示であるものとする。1という値は、50マイクロ秒の遅延を表すものであるのに対して、253という値は、5.5ミリ秒の遅延、または5.5ミリ秒よりも大きい任意の遅延を表すものとする。254という値は、指示ACにおけるサービスが、現在、ブロックされている、または一時停止されていることを示すものとする。255という値は、ACサービス負荷が、利用可能でないことを示すものとする。
【0076】
QAPは、連続する30秒の測定枠などの所定の猶予時間にわたってEDCFアクセス機構を使用して、指示ACのすべての送信パケットに関する媒体アクセス遅延を測定し、平均するものとする。平均媒体アクセス遅延に関する精度は、少なくとも200のパケットにわたって平均された場合、+/−200マイクロ秒以内とする。ACサービス負荷は、好ましくは、第1のオクテットが、AC表示(ACI)を含み、第2のオクテットが、指示ACに関するAADの測定された値を含む2オクテットのサブ要素として、図11に示すとおりにフォーマットされる。図10および図11に示すオクテットは、単に例示として与えられており、他の任意のオクテットが利用されることが可能であることに留意されたい。表1は、ACI符号化の実施例を示す。
【0077】
【表1】
【0078】
次に、図12を参照すると、本発明に従って構成された通信局100が、図示されている。通信局100は、アクセスポイント(AP)、WTRU、または無線環境において動作することができる他の任意のタイプのデバイスであることが可能であることに留意されたい。通信局100は、好ましくは、通信局100の無線サービス範囲108内に位置するWTRU群からの未対応のトラフィック要求データを受信するように構成された受信機102を含む。また、通信局100は、プロセッサ104も含む。プロセッサ104は、好ましくは、受信機102に結合され、複数のアクセスカテゴリーのそれぞれに関して、BSS負荷エレメントを計算するように構成される。また、通信局100は、送信機106も含む。送信機106は、好ましくは、通信局100のサービス範囲108内でBSS負荷エレメントをアドバタイジングするように構成される。その場合、BSS負荷エレメントは、通信局100のサービス範囲108内の他の通信局群(例えば、アクセスポイント群および/またはWTRU群)によって受信されて、それらの局に、BSSに関連する情報を提供することが可能である。
【0079】
(実施形態1)
各アクセスカテゴリーに関して第1のAPによってサービス負荷指標を作成することを含む、無線チャネル上で互いに無線通信することができるアクセスポイント(AP)群とWTRU群(無線送受信ユニット)の双方によるネットワーク稼働時間を最適化するために、無線ネットワークでのチャネル管理を提供するための方法。
【0080】
(実施形態2)
上記第1のAPのサービス範囲内のWTRU群にサービス負荷指標をアドバタイジングすることをさらに含む実施形態1の方法。
【0081】
(実施形態3)
上記サービス負荷指標に基づき、WTRUによってAPを選択することをさらに含む以上のいずれかの実施形態の方法。
【0082】
(実施形態4)
上記サービス負荷指標が、上記第1のAPにおける平均アクセス遅延の表示である、以上のいずれかの実施形態の方法。
【0083】
(実施形態5)
上記平均アクセス遅延が、所定の有効期間内に測定される、実施形態4の方法。
【0084】
(実施形態6)
上記期間が、30秒である、実施形態5の方法。
【0085】
(実施形態7)
上記アクセスカテゴリーが、音声トラフィック、映像トラフィック、ベストエフォート型トラフィック、および/または背景トラフィックを含む、以上のいずれかの実施形態の方法。
【0086】
(実施形態8)
第2のAPから、アドバタイジングされたサービス負荷指標を受信することをさらに含む以上のいずれかの実施形態の方法。
【0087】
(実施形態9)
上記第2のAPによって、WTRU群の切り離しを決定する際に、上記アドバタイジングされたサービス負荷指標を使用することをさらに含む実施形態8の方法。
【0088】
(実施形態10)
上記第2のAPは、上記第1のAPからのサービス負荷指標が、該第2のAPによって測定されたサービス負荷指標と比べて低い場合、該第2のAPからWTRU群を切り離す、実施形態8から9のいずれかの実施形態の方法。
【0089】
(実施形態11)
以上の実施形態のいずれかの実施形態の方法に従って、チャネル管理を提供するように構成されたアクセスポイント(AP)。
【0090】
(実施形態12)
各アクセスカテゴリーに関してサービス負荷指標を計算するように構成されたプロセッサを含む実施形態11のAP。
【0091】
(実施形態13)
AP無線サービス範囲内のWTRU群にサービス負荷指標をアドバタイジングするように構成された送信機を含む、以上のいずれかの実施形態のAP。
【0092】
(実施形態14)
上記APの上記AP無線サービス範囲内に位置するWTRU群が、アドバタイジングされたサービス負荷指標を使用して、無線通信を行う相手のAPを選択するのに役立てる、以上のいずれかの実施形態のAP。
【0093】
(実施形態15)
他のAP群から、アドバタイジングされたサービス負荷指標を受信するように構成された受信機を含む以上のいずれかの実施形態のAP。
【0094】
(実施形態16)
プロセッサが、他のAP群から受信された、アドバタイジングされたサービス負荷指標を使用して、APからWTRU群を切り離すことに関する決定に役立てるように構成された、以上のいずれかの実施形態のAP。
【0095】
(実施形態17)
以上の実施形態のいずれかの実施形態の方法に従った無線ネットワークでのチャネル管理を提供するように構成された無線送信/受信ユニット(WTRU)。
【0096】
(実施形態18)
APから、各アクセスカテゴリーに関するサービス負荷指標を受信するための受信機を含む実施形態17のWTRU。
【0097】
(実施形態19)
無線通信を行う相手のAPを選択する際にサービス負荷指標を利用するように構成されたプロセッサを含む実施形態17から18のいずれかの実施形態のWTRU。
【0098】
(実施形態20)
複数のアクセスカテゴリーのそれぞれに関して基本サービスセット(BSS)負荷エレメントを提供する第1の通信局を含む、無線チャネル上で互いに無線通信することができる通信局群によるネットワーク稼働時間を最適化するように、無線ネットワークでのチャネル管理を提供するための方法。
【0099】
(実施形態21)
第1の通信局のサービス範囲内の他の通信局群にBSS負荷エレメントをアドバタイジングすることをさらに含む実施形態20の方法。
【0100】
(実施形態22)
上記BSS負荷エレメントに基づいて通信する相手の別の通信局を選択する少なくとも1つの通信局をさらに含む実施形態20から21のいずれかの実施形態の方法。
【0101】
(実施形態23)
上記BSS負荷エレメントが、エレメント識別フィールドを含む、実施形態20から22のいずれかの実施形態の方法。
【0102】
(実施形態24)
上記BSS負荷エレメントが、通信局フィールド、APフィールド、またはWTRUサービス負荷フィールドを含み、上記通信局フィールド、上記APフィールド、または上記WTRUサービス負荷フィールドが、第1の通信局におけるサービス負荷の相対的レベルのスカラー表示である、実施形態20から23のいずれかの実施形態の方法。
【0103】
(実施形態25)
上記BSS負荷エレメントが、該BSS負荷エレメントのすべてのフィールドの中に含まれるオクテットの総数に値が設定される、長さフィールドを含む、実施形態20から24のいずれかの実施形態の方法。
【0104】
(実施形態26)
上記BSS負荷エレメントが、局カウントフィールドをさらに含み、上記局カウントフィールドが、現在のBSSに関連付けられた通信局の総数を示す、符号なしの整数である、実施形態20から25のいずれかの実施形態の方法。
【0105】
(実施形態27)
上記第1の通信局が、サービス品質(QoS)強化通信局(QCS)またはサービス品質(QoS)強化AP(QAP)である、実施形態20から26のいずれかの実施形態の方法。
【0106】
(実施形態28)
上記BSS負荷エレメントが、アクセスカテゴリー中の1つのアクセスカテゴリーのサービスに関して、QCSまたはQAPにおいて平均アクセス遅延(AAD)のスカラー表示を提供するために1つずつの、4つのサブフィールドとしてフォーマットされたアクセスカテゴリー(AC)サービス負荷フィールドをさらに含む、実施形態27の方法。
【0107】
(実施形態29)
上記ACサービス負荷フィールドが、QoS−Option−Implementedパラメータが真である場合にだけ、上記BSS負荷エレメントの中に含められる、実施形態28の方法。
【0108】
(実施形態30)
上記4つのサブフィールドが、ベストエフォート型に関するAAD(AADBE)フィールド、背景に関するAAD(AADBG)フィールド、映像に関するAAD(AADVI)フィールド、および/または音声に関するAAD(AADVO)フィールドを含む、
実施形態28から29のいずれかの実施形態の方法。
【0109】
(実施形態31)
低いAAD値が、より高いAAD値よりもより短いアクセス遅延を示す、実施形態28から30のいずれかの実施形態の方法。
【0110】
(実施形態32)
上記QCSまたはQAPが、指示アクセスカテゴリーに関するサービスを提供していない場合に、上記4つのサブフィールドの第1のサブフィールドに関するAAD値を、該第1のサブフィールドに隣接する、右側のサブフィールドのAAD値に設定することをさらに含む、実施形態28から31のいずれかの実施形態の方法。
【0111】
(実施形態33)
指示アクセスカテゴリーのすべての送信パケットに関する媒体アクセス遅延(MAD)値を測定すること、および/または平均することをさらに含む以上のいずれかの実施形態の方法。
【0112】
(実施形態34)
上記MAD値が、連続的な猶予時間にわたってEDCFアクセス機構を使用して測定され、かつ/または平均され、平均されたMADが、所定の精度範囲を有し、最小限の数の送信パケット遅延測定値に基づく、実施形態33の方法。
【0113】
(実施形態35)
上記猶予時間が、30秒測定枠であり、所定の精度範囲が、200マイクロ秒であり、かつ/または上記MAD平均が、少なくとも200の送信パケット遅延測定値に基づく、実施形態34の方法。
【0114】
(実施形態36)
上記4つのサブフィールドの1つのサブフィールドの中の所定の値の範囲内のAAD値が、指示アクセスカテゴリーにおける送信されたパケットに関する、EDCFパケットの送信の準備ができた時点から、EDCFパケットが実際に送信されるまでに測定された平均MADの対数目盛りで表された表現である、実施形態28から35のいずれかの実施形態の方法。
【0115】
(実施形態37)
上記値の範囲が、0から254までである、実施形態36の方法。
【0116】
(実施形態38)
上記4つのサブフィールドのいずれかのサブフィールドの中の所定のAAD値が、QCSまたはQAPが、指示アクセスカテゴリーに、またはより高い優先順位のいずれのアクセスカテゴリーにもサービスを提供していないことを示す、実施形態28から37のいずれかの実施形態の方法。
【0117】
(実施形態39)
上記所定のAAD値が、0である、実施形態39の方法。
【0118】
(実施形態40)
他の所定のAAD値が、様々な平均MAD時間を表す、実施形態28から39のいずれかの実施形態の方法。
【0119】
(実施形態41)
1というAAD値が、50マイクロ秒の平均MADを表す、実施形態28から40のいずれかの実施形態の方法。
【0120】
(実施形態42)
253というAAD値が、5.5マイクロ秒以上の平均MADを表す、実施形態28から41のいずれかの実施形態の方法。
【0121】
(実施形態43)
254というAAD値が、指示アクセスカテゴリーにおけるサービス群が、現在、ブロックされていることを示す、実施形態28から42のいずれかの実施形態の方法。
【0122】
(実施形態44)
255というAAD値が、ACサービス負荷が、利用可能でないことを示す、実施形態28から42のいずれかの実施形態の方法。
【0123】
(実施形態45)
上記BSS負荷エレメントが、チャネル利用率フィールドをさらに含む、以上のいずれかの実施形態の方法。
【0124】
(実施形態46)
上記チャネル利用率フィールドは、第1の通信局が、搬送波感知機構によって示すように、送信媒体が使用中であるであると感知した時間のパーセンテージを規定する、実施形態45の方法。
【0125】
(実施形態47)
上記時間のパーセンテージが、移動平均である、実施形態46の方法。
【0126】
(実施形態48)
上記移動平均が、チャネル全稼動時間パラメータ、チャネル稼働時間ビーコン間隔パラメータ、および/またはビーコン期間パラメータから成るグループから選択された少なくとも1つのパラメータを使用して決められる、実施形態47の方法。
【0127】
(実施形態49)
上記移動平均が、チャネル全稼動時間パラメータと255の積を、チャネル稼働時間ビーコン間隔パラメータとビーコン期間と1024の積で割った値として定義される、実施形態47から48のいずれかの実施形態の方法。
【0128】
(実施形態50)
上記チャネル全稼動時間パラメータは、搬送波感知機構が、チャネル使用中指示を示したマイクロ秒の秒数として定義される、実施形態48から49のいずれかの実施形態の方法。
【0129】
(実施形態51)
上記チャネル稼働時間ビーコン間隔パラメータは、平均が計算されることが可能な連続するビーコン間隔の数として定義される、実施形態48から50のいずれかの実施形態の方法。
【0130】
(実施形態52)
上記チャネル利用率フィールドは、QoS−Option−ImplementedパラメータとPBSS−Load−Implementedパラメータの少なくともいずれかが、偽である場合に、BSS負荷エレメントの中に含められる、実施形態48から51のいずれかの実施形態の方法。
【0131】
(実施形態53)
データパケットの送信の準備ができた第1の時点を測定することを含む、通信局への単一のアクセスに関する媒体アクセス遅延(MAD)タイミングを測定する方法。
【0132】
(実施形態54)
上記第1の時点が、搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式(CSMA/CA)プロトコルが開始される時点である、実施形態53の方法。
【0133】
(実施形態55)
物理(PHY)レイヤ送信プロセスに対して送信要求が行われた第2の時点を測定することを含む、実施形態53から54のいずれかの実施形態の方法。
【0134】
(実施形態56)
上記送信要求に確認応答が行われた第3の時点を測定することを含む実施形態53から55のいずれかの実施形態の方法。
【0135】
(実施形態57)
パケット送信−確認応答タイミングを、第2の時点と第3の時点の差として計算することを含む、実施形態53から56のいずれかの実施形態の方法。
【0136】
(実施形態58)
合計アクセスタイミングを、第3の時点と第1の時点の差として計算することを含む実施形態53から57のいずれかの実施形態の方法。
【0137】
(実施形態58)
合計アクセスタイミングからパケット送信−確認応答タイミングを引くことによってMADタイミングを算出することを含む実施形態53から58のいずれかの実施形態の方法。
【0138】
(実施形態59)
送信要求にが、Request−to−Send/Clear−to−Send(RTS/CTS)ハンドシェークが先行する、実施形態53から59のいずれかの実施形態の方法。
【0139】
(実施形態60)
データパケット再送信に関するMADタイミングを測定する方法。
(実施形態61)
データパケットが、媒体アクセス制御(MAC)キューに入る第1の時点を測定することを含む実施形態60の方法。
【0140】
(実施形態62)
データパケットが、MACキューの先頭にあるときの第2の時点を測定することを含む実施形態60から61のいずれかの実施形態の方法。
【0141】
(実施形態63)
MACキューイング遅延を、第2の時点と第1の時点の差として計算することを含む実施形態60から62のいずれかの実施形態の方法。
【0142】
(実施形態64)
第1番目の再送信タイミングを、第1番目の送信開始時刻と第1番目の送信終了時刻との差として割り出すことを含む実施形態60から63のいずれかの実施形態の方法。
【0143】
(実施形態65)
上記第1番目の送信開始時刻が、データパケットの第1番目の送信の開始を示し、上記第1番目の送信終了時刻が、送信確認応答を受信することを伴わない上記第1番目の送信の終了を示す、実施形態64の方法。
【0144】
(実施形態66)
第2番目の再送信タイミングを、第2番目の送信開始時刻と第2番目の送信終了時刻との差として割り出すことを含む実施形態60から64のいずれかの実施形態の方法。
【0145】
(実施形態67)
上記第2番目の送信開始時刻が、延期・バックオフ期間の後に開始して、データパケットの第2番目の送信の開始を示し、上記第2番目の送信終了時刻が、送信確認応答を受信することを伴わない上記第2番目の送信の終了を示す、実施形態66の方法。
【0146】
(実施形態68)
第N番目の再送信タイミングを、第N番目の送信開始時刻と第N番目の送信終了時刻との差として割り出すことを含む実施形態60から67のいずれかの実施形態の方法。
【0147】
(実施形態69)
上記第N番目の送信開始時刻が、延期・バックオフ期間の後に開始して、データパケットの第N番目の送信の開始を示し、上記第N番目の送信終了時刻が、送信確認応答の受信を示す、実施形態68の方法。
【0148】
(実施形態70)
合計再送信タイミングを、第1番目の再送信タイミングと、第2番目の再送信タイミングと、第N番目の再送信タイミングの合計として計算することを含む実施形態60から69のいずれかの実施形態の方法。
【0149】
(実施形態71)
確認応答が受信された時点を示す完了時刻を割り出すことを含む実施形態60から70のいずれかの実施形態の方法。
【0150】
(実施形態72)
データパケットに関するMADタイミングを、完了時刻と第1の時点の差から、MACキューイング遅延を引き、合計再送信タイミングを引き、全体をNで割った値として計算することを含む実施形態60から71のいずれかの実施形態の方法。
【0151】
(実施形態73)
第1の通信局が、アクセスポイント(AP)であり、BSS負荷エレメントの諸特徴が、APにおいて、および/またはAPによって使用されるように構成される、実施形態20から52のいずれかの実施形態の方法。
【0152】
(実施形態74)
その他の通信局のいずれも、APである、実施形態20から53のいずれかの実施形態の方法。
【0153】
(実施形態75)
第1の通信局が、WTRUであり、BSS負荷エレメントの諸特徴が、WTRUによって使用されるように構成される、実施形態20から54のいずれかの実施形態の方法。
【0154】
(実施形態76)
その他の通信局のいずれも、WTRU内、および/またはWTRUによる、実施形態20から55のいずれかの実施形態の方法。
【0155】
(実施形態77)
上記通信局が、APである、実施形態53から72のいずれかの実施形態の方法。
【0156】
(実施形態78)
上記通信局が、WTRUである、実施形態53から72のいずれかの実施形態の方法。
【0157】
(実施形態79)
実施形態20から52および実施形態73から76の方法のいずれかに従ってチャネル管理を提供するように構成された通信局。
【0158】
(実施形態80)
上記通信局の無線サービス範囲内に位置する他の通信局群から、未対応のトラフィック要求データを受信するように構成された受信機を含む実施形態79の通信局。
【0159】
(実施形態81)
複数のアクセスカテゴリーのそれぞれに関して、BSS負荷エレメントを計算するように構成されたプロセッサを含む実施形態79から80のいずれかの実施形態の通信局。
【0160】
(実施形態82)
上記通信局のサービス範囲内のその他の通信局群にBSS負荷エレメントをアドバタイジングするように構成された送信機を含む実施形態79から81のいずれかの実施形態の通信局。
【0161】
(実施形態83)
受信機が、他の通信局群から、アドバタイジングされたBSS負荷エレメントを受信するように構成される、実施形態79から82のいずれかの実施形態の通信局。
【0162】
(実施形態84)
上記プロセッサが、他の通信局群からの受信されたBSS負荷エレメントを利用して、通信局群が、切り離し決定を行うのを支援するようにさらに構成される、実施形態79から83のいずれかの実施形態の通信局。
【0163】
(実施形態85)
通信局が、APである、実施形態79から84のいずれかの実施形態の通信局。
【0164】
(実施形態86)
上記通信局が、WTRUである、実施形態79から84のいずれかの実施形態の通信。
【0165】
(実施形態87)
その他の通信局群のいずれの通信局も、APである、実施形態79から86のいずれかの実施形態の通信局。
【0166】
(実施形態88)
その他の通信局群のいずれの通信局も、WTRUである、実施形態79から87のいずれかの実施形態の通信局。
【0167】
(実施形態89)
実施形態53から72および実施形態77から78の諸方法および/または諸特徴のいずれかに従って媒体アクセス遅延を算出するように構成された通信局。
【0168】
(実施形態90)
上記通信局が、APである、実施形態89の通信局。
【0169】
(実施形態91)
上記通信局が、WTRUである、実施形態89の通信局。
【0170】
(実施形態92)
実施形態53から72および実施形態77から78の諸方法および/または諸特徴のいずれかに従って媒体アクセス遅延を算出するように構成されたプロセッサを含む実施形態90から91のいずれかの実施形態の通信局。
【0171】
(実施形態93)
有効期間を定義することを含む、所定の有効期間にわたって評価された平均MADタイミングを算出する方法。
【0172】
(実施形態94)
パケット送信時間と、上記期間中に行われた、ある量のパケット送信に関する確認応答を待つこと、および/または受信することに費やされた時間とを合計することにより、合計パケット送信時間を割り出すことを含む実施形態93の方法。
【0173】
(実施形態95)
パケット送信が、パケット再送信を含む、実施形態93から94のいずれかの実施形態の方法。
【0174】
(実施形態96)
複数のアクセスカテゴリーに関する合計の空の送信キュー時間を割り出すことを含む実施形態93から95のいずれかの実施形態の方法。
【0175】
(実施形態97)
合計の空の送信キュー時間が、アクセスカテゴリーの送信キューが空のままである期間を含む、実施形態96のいずれかの実施形態の方法。
【0176】
(実施形態98)
合計パケット送信時間、合計の空の送信キュー時間、および/または合計送信キュー延期時間を有効期間から差し引いて、総計の差をもたらすことを含む実施形態93から96のいずれかの実施形態の方法。
【0177】
(実施形態99)
総計の差をパケット送信の量で割って、平均MADタイミングを得ることを含む実施形態93から97のいずれかの実施形態の方法。
【0178】
(実施形態100)
複数のアクセスカテゴリーに関して、合計の送信キュー延期時間を割り出すことを含む実施形態93から99のいずれかの実施形態の方法であって、上記送信キュー延期時間が、アクセスカテゴリーが、それらのカテゴリーのそれぞれの送信を、より高い優先順位のキューに譲った期間を含む、方法。
【0179】
(実施形態101)
上記合計送信キュー延期時間を総計の差から差し引いてから、上記総計の差が、パケット送信の量で割られて、平均MADタイミングを得ることを含む実施形態100の方法。
【0180】
(実施形態102)
実施形態93から101の諸方法および/または諸特徴のいずれかに従ってMADタイミングを測定するように構成された通信局。
【0181】
(実施形態103)
プロセッサを含む実施形態102の通信局。
【0182】
(実施形態104)
上記通信局が、APである、実施形態102から103のいずれかの実施形態の通信局。
【0183】
(実施形態105)
上記通信局が、WTRUである、実施形態102から103のいずれかの実施形態の通信局。
【0184】
(実施形態106)
以上の実施形態のいずれかに記載の諸方法および/または諸特徴のいずれかを実行するように構成され、かつ/または以上の実施形態のいずれかに記載の諸特徴のいずれかを含む通信局。
【0185】
(実施形態107)
上記通信局が、APである、実施形態106の通信局。
【0186】
(実施形態108)
通信局が、WTRUである、実施形態106の通信局。
【0187】
本発明を、特に、好ましい諸実施形態に関連して図示し、説明してきたが、上述した本発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更が、それらの実施形態において行われてもよいことが、当業者には理解されよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信/受信ユニット(WTRU)で用いる方法であって、
複数のアクセスカテゴリーの各々について、平均アクセス遅延の符号化された表示、サービスが利用可能でないこと、または前記平均アクセス遅延の前記符号化された表示が利用可能でないことを示すサービス負荷指標を受信することと、
前記サービス負荷指標に基づいてAP(アクセスポイント)を選択することであって、前記サービス負荷指標は、アクセスカテゴリーに関連するデータに対して前記APにおける平均アクセス遅延の表示であることと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記サービス負荷指標は、前記複数のアクセスカテゴリーの平均アクセス遅延の符号化された表示である1から252の値を含む二進8ビットの符号化された表示を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記平均アクセス遅延は、所定の時間期間の間、前記APにより測定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のアクセスカテゴリーは、音声カテゴリー、映像カテゴリー、ベストエフォートカテゴリー、および背景カテゴリーを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項1】
無線送信/受信ユニット(WTRU)で用いる方法であって、
複数のアクセスカテゴリーの各々について、平均アクセス遅延の符号化された表示、サービスが利用可能でないこと、または前記平均アクセス遅延の前記符号化された表示が利用可能でないことを示すサービス負荷指標を受信することと、
前記サービス負荷指標に基づいてAP(アクセスポイント)を選択することであって、前記サービス負荷指標は、アクセスカテゴリーに関連するデータに対して前記APにおける平均アクセス遅延の表示であることと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記サービス負荷指標は、前記複数のアクセスカテゴリーの平均アクセス遅延の符号化された表示である1から252の値を含む二進8ビットの符号化された表示を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記平均アクセス遅延は、所定の時間期間の間、前記APにより測定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のアクセスカテゴリーは、音声カテゴリー、映像カテゴリー、ベストエフォートカテゴリー、および背景カテゴリーを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−81261(P2013−81261A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−21821(P2013−21821)
【出願日】平成25年2月6日(2013.2.6)
【分割の表示】特願2011−234185(P2011−234185)の分割
【原出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年2月6日(2013.2.6)
【分割の表示】特願2011−234185(P2011−234185)の分割
【原出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】
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