説明

無線通信装置、無線通信方法及び集積回路

【課題】再送制御に関するパラメータの送信に用いるリソースを削減し、再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させる。
【解決手段】符号化率を可変とした適応MCS制御を想定した再送制御方法を採用する場合に、通信相手装置から通知されるCQIに応じてスケジューリング部にてMCSを設定し、送信用のデータを符号化する際、RVパラメータ用ビット数設定部において、初回送信時の符号化率が小さいほど、RVパラメータのシグナリングに用いるビット数を少なく設定し、そのビット数によるRVパラメータを設定する。例えば、符号化率RがR>2/3の場合は2ビット、1/3<R≦2/3の場合は1ビット、R≦1/3の場合は0ビットに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルラーシステム等の無線通信システムに適用可能な無線通信装置に関し、特に、再送制御機能を持つ無線通信装置、無線通信方法及び集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信において、伝搬路符号化と再送合成を組み合わせた再送制御方式は、限られた周波数帯域を有効に利用し高速伝送を実現するシステムとして注目されている。再送制御方式における伝搬路符号化と再送合成との組み合わせとして、パンクチャにより柔軟な符号化率設定の可能なTurbo符号と、再送発生時にパンクチャしたパリティビットを少しずつ追加するIR(Incremental Redundancy)方式の組み合わせが有効である。このような再送制御方式は、厳密にはHybrid ARQ(HARQ)と呼ばれるが、以下では簡単のため「再送制御」と記載する。
【0003】
非特許文献1には、適応的フィードバックによる誤り訂正方法として、IRを用いることによって誤り訂正能力を向上させる技術が開示されている。また、次世代セルラーシステムの規格である3GPP−LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution)では、リダンダンシーバージョン(Redundancy Version、以後、RVと記載)などの再送データの定義を簡単化するために、CBRM(Circular Buffer based Rate-Matching)が検討されている(非特許文献2参照)。CBRMとは、巡回読出型バッファであるCircular Bufferに蓄積されたTurbo符号語を、ある任意の開始地点からバッファのアドレス順に巡回読出することにより、RVを定義するというレートマッチング方法のことである。
【0004】
伝搬路符号化と再送合成を組み合わせた再送制御の動作例を、図15を用いて簡単に説明する。図15は再送制御における送信データとRVパラメータ設定の関係の具体例を示す図であり、符号化率R=5/6の場合のIRバッファのイメージを示している。IRを用いた再送制御では、再送時に再送データの開始位置を示すRVパラメータを設定し、送信側でRVパラメータで指定される開始位置からのデータを再送データとして送信するとともに、このRVパラメータを受信側へ通知する。
【0005】
送信側における送信データ生成に際し、送信すべき情報が含まれるシステマチックビット(図中にSと表記)にTurbo符号化を施してパリティビット(図中にPと表記)を生成し、IRバッファに格納する。これらのIRバッファ内の符号化データのうち、パリティビットに一定の規則でパンクチャ処理を行って符号化データの一部を取り出して送信する。初回送信時は、IRバッファ中で図中左端をデータ開始位置と定める。
【0006】
図15では、2ビットでRVパラメータを表現し、合計4箇所のデータ開始位置(図中白丸で記載)を設けた構成の例を示している。この場合、初回送信では、RV=0とし、既定の物理リソースで送信可能な総ビット数を用いて、先頭位置からシステマチックビットSとパリティビットPの一部の信号を送信する。ここで、IRバッファ内の符号化データのうち、残りのデータは未送信データとして扱われる。受信側からNack信号がフィードバックされ、再送を行う場合は、2回目の送信データとしてRV=2を設定し、左から3番目の開始位置よりIRバッファ中のデータを取り出し、初回送信と同一のビット数を用いて信号を送信する。以降同様に、3回目の送信時はRV=1、4回目の送信時はRV=3を設定して、図15に示すようにそれぞれの開始位置からIRバッファ中のデータが取り出されて送信される。
【0007】
また、セルラーシステム等の無線通信システムでは、受信品質などに応じて変調方式と符号化率(MCS:Modulation and Coding Scheme)を適応的に可変する適応MCS制御が検討されている。適応MCS制御においては、符号化後のビット列をパンクチャまたはレピティションすることにより符号化率を可変としている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】David M. Mandelbaum, "An adaptive-feedback coding scheme using incremental redundancy", Information Theory, IEEE Transactions on, May 1974, P.388-389
【非特許文献2】R1-072604, "Way forward on HARQ rate matching for LTE", Ericsson, et al., 3GPP TSG-RAN WG1 RAN1#49 寄書, 2007/05
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の適応MCS制御及び再送制御を導入することによって、伝搬路状況に応じた柔軟なパラメータ設定によりスループット向上の効果を得ることが可能である。しかしながら、適応MCS制御適用時の再送制御用のシグナリングにおいては、符号化率の大きいデータを有効に活用するため、複数のデータ始点を表現するRVパラメータ設定とする必要がある一方で、符号化率の小さいデータでは、このRVパラメータ設定を有効に活用できないという課題がある。
【0010】
図16は符号化率を変化させた場合の再送制御における送信データとRVパラメータ設定の関係の具体例を示す図であり、(a)は符号化率R=5/6の場合、(b)は符号化率R=1/4の場合のIRバッファのイメージをそれぞれ示したものである。
【0011】
図16(a)のように、符号化率がR=5/6と大きい場合は、初回送信時にパンクチャ処理によって未送信としたパリティビットを有効に活用するために、2ビット程度のRVパラメータ設定とする必要がある。これに対し、図16(b)のように、符号化率がR=1/4と小さい場合は、初回送信時にパリティビットのレピティションが行われ、全ての符号化データが送信されることになる。このため、符号化率が大きい場合のRVパラメータ設定をそのまま符号化率が小さい場合のデータに適用すると、2ビット用意したRVパラメータの設定値によらず、同じデータを繰り返し送信することになり、毎回RV=0に設定するのと同様になる。したがって、RVパラメータのリソースが無駄になり、スループット低減につながるという課題がある。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、再送制御に関するパラメータの送信に用いるリソースを削減でき、再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させることが可能な無線通信装置、無線通信方法及び集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、データのMCS(Modulation and Coding Scheme)を設定するMCS設定部と、前記データを符号化する符号化部と、符号化された前記データのうち、送信すべき送信データの開始位置を示すRVパラメータを設定するRVパラメータ設定部と、前記MCSと前記RVパラメータを示すRV情報とを含む制御情報、及び、前記送信データを、送信する送信処理部と、を備え、前記RV情報のビット数が2の場合、前記RVパラメータは、0、1、2、3のいずれかに設定され、前記RV情報の前記ビット数が0の場合、前記制御情報は前記RV情報を含まず、前記RVパラメータは0に設定される、無線通信装置を提供する。
【0014】
本発明は、データのMCS(Modulation and Coding Scheme)を設定する工程と、前記データを符号化する工程と、符号化された前記データのうち、送信すべき送信データの開始位置を示すRVパラメータを設定する工程と、前記MCSと前記RVパラメータを示すRV情報とを含む制御情報、及び、前記送信データを送信する工程と、を有し、前記RV情報のビット数が2の場合、前記RVパラメータは、0、1、2、3のいずれかに設定され、前記RV情報の前記ビット数が0の場合、前記制御情報は前記RV情報を含まず、前記RVパラメータは0に設定される、無線通信方法を提供する。
【0015】
本発明は、データのMCS(Modulation and Coding Scheme)を設定する処理と、前記データを符号化する処理と、符号化された前記データのうち、送信すべき送信データの開始位置を示すRVパラメータを設定する処理と、前記MCSと前記RVパラメータを示すRV情報とを含む制御情報、及び、前記送信データを、送信する処理と、を制御し、前記RV情報のビット数が2の場合、前記RVパラメータは、0、1、2、3のいずれかに設定され、前記RV情報の前記ビット数が0の場合、前記制御情報は前記RV情報を含まず、前記RVパラメータは0に設定される、集積回路を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、再送制御に関するパラメータの送信に用いるリソースを削減でき、再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させることが可能な無線通信装置、無線通信方法及び集積回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムにおける信号伝送の概略を示す図
【図2】本発明の第1の実施形態におけるRVパラメータの設定例を模式的に示す図
【図3】本発明の第1の実施形態で用いる送信装置の主要部の構成を示すブロック図
【図4】本発明の第1の実施形態で用いる受信装置の主要部の構成を示すブロック図
【図5】第1の実施形態における送信装置と受信装置との間の通信に関する全体処理の手順の具体例を示すシーケンス図
【図6】第1の実施形態における符号化率に応じたRVパラメータ用ビット数の設定例を示す図
【図7】第1の実施形態におけるRVパラメータの設定例を示す図
【図8】本発明の第2の実施形態におけるRVパラメータの設定例を模式的に示す図
【図9】本発明の第2の実施形態で用いる送信装置の主要部の構成を示すブロック図
【図10】本発明の第2の実施形態で用いる受信装置の主要部の構成を示すブロック図
【図11】第2の実施形態における符号化率に応じたRVパラメータ用ビット数の設定例を示す図
【図12】本発明の第3の実施形態におけるRVパラメータの設定例を模式的に示す図
【図13】本発明の第3の実施形態で用いる送信装置の主要部の構成を示すブロック図
【図14】本発明の第3の実施形態で用いる受信装置の主要部の構成を示すブロック図
【図15】再送制御における送信データとRVパラメータ設定の関係の具体例を示す図
【図16】符号化率を変化させた場合の再送制御における送信データとRVパラメータ設定の関係の具体例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態では、本発明に係る無線通信装置、無線通信方法及び集積回路を携帯電話等の移動体通信用のセルラーシステムに適用した例を示す。ここでは、無線基地局(BS:Base Station)が送信装置となり、移動局のユーザ端末(UE:User Equipment)が受信装置となる無線通信システムにおいて、Turbo符号による伝搬路符号化とIR方式の再送合成とを組み合わせた再送制御(HARQ)を行う場合を例示する。再送制御に関する再送制御用パラメータとして、IR方式において再送データの開始位置を示すRVパラメータの設定方法を説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は本発明の実施形態に係る通信システムにおける信号伝送の概略を示す図である。送信装置となる無線基地局101は、受信装置となるユーザ端末102に対してデータ送信を行い、ユーザ端末102は、受信データの復号結果の可否によって応答信号としてAck(Acknowledgement)またはNack(Negative Acknowledgement)を返信する。無線基地局101は、初回送信データまたは再送データに対してユーザ端末102からNackの応答信号を受けた場合に、再送を行い、次の再送データを送信する。この際、IR方式を採用し、システマチックビットにパリティビットを付加した符号化データのうち、再送時には異なる開始位置のデータを送信することによって再送合成利得を得るようにしている。無線基地局101は、制御信号として、MCS、送信回数、再送制御用パラメータとしてのRVパラメータなどを含む制御情報を有する信号をユーザ端末102へ通知する。ユーザ端末102は、無線基地局101から通知された制御信号の情報を用いて、再送データの合成、復号を行う。
【0020】
図2は本発明の第1の実施形態におけるRVパラメータの設定例を模式的に示す図であり、IRバッファのイメージを表したものである。第1の実施形態では、符号化率を可変とした適応MCS制御を想定した再送制御方法を採用する場合に、初回送信時の符号化率が小さいほど、RVパラメータのシグナリングに用いるビット数を少なくする。
【0021】
例えば、図1の設定例に示すように、符号化率RがR>2/3と大きい場合、RVパラメータのビット数を2ビットに設定し、符号化率Rが1/3<R≦2/3の場合、RVパラメータのビット数を1ビットに設定し、符号化率RがR≦1/3と小さい場合、RVパラメータのビット数を0ビットに設定する。
【0022】
このように、初回送信時の符号化率が小さいほどRVパラメータのビット数を少なく設定することによって、符号化率の小さいデータにおけるRVパラメータ用のリソースの無駄を省くことができる。つまり、符号化率が小さくRVパラメータの制御粒度が粗くても良い場合に、RVパラメータ用シグナリングのオーバヘッドを小さくできる。したがって、適応MCS制御及び再送制御を適用する際に、再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させることができ、再送制御を良好な特性で実現可能となる。
【0023】
次に、第1の実施形態に係る無線通信システムの送信装置及び受信装置の具体例の構成を説明する。
【0024】
図3は本発明の第1の実施形態で用いる送信装置の主要部の構成を示すブロック図、図4は本発明の第1の実施形態で用いる受信装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【0025】
本実施形態では、図3に示した送信装置と図4に示した受信装置との間で電波を用いて無線通信を行う場合を想定している。例えば、携帯電話等の移動体通信の通信サービスを提供するセルラーシステムの無線通信基地局装置(無線基地局、BS)に図3に示す送信装置を適用し、携帯電話装置などの無線通信移動局装置であるユーザ端末(UE)に図4に示す受信装置を適用することが想定される。
【0026】
図3に示す送信装置は、符号化部311と、レート・マッチング部312と、RVパラメータ用ビット数設定部313と、制御信号生成部314と、多重部315と、送信RF部316と、アンテナ317と、受信RF部318と、分離部319と、復調・復号部320と、CRC検査部321と、Ack/Nack信号復調部322と、CQI復調部323と、スケジューリング部324とを備えている。
【0027】
通信相手装置(例えば図4に示す受信装置)から送信される電波は、アンテナ317により受信される。アンテナ317で受信された電波の高周波信号は、受信RF部318でベースバンド信号などの比較的低い周波数帯の信号に変換された後、分離部319に入力される。分離部319は、受信信号からフィードバック信号を分離し、フィードバック信号に含まれるCQI(Channel Quality Indicator)情報やAck/Nack情報等を抽出して出力する。分離したフィードバック信号のうち、Ack/Nack情報はAck/Nack信号復調部322に入力され、CQI情報はCQI復調部323に入力される。
【0028】
復調・復号部320は、分離部319で分離された受信信号の復調処理、復号処理を行い、受信したデータを復元する。CRC検査部321は、復調・復号部320から出力される復号後の信号に対しCRC(Cyclic Redundancy Check)検査による誤り検出処理を施し、復号後の受信データに誤りが含まれているかどうかを判定する。そして、CRC検査部321より受信データが出力される。
【0029】
Ack/Nack信号復調部322は、分離部319から出力されるAck/Nack情報を復調し、受信装置における受信信号復調結果の可否を示すAck/Nack信号をスケジューリング部324に出力する。CQI復調部323は、分離部319から出力されるSINR(Signal to Interference and Noise Ratio)等によるCQI情報を復調し、受信装置において測定された伝搬路品質測定結果(受信品質)を示すCQI値をスケジューリング部324に出力する。スケジューリング部324は、Ack/Nack信号復調部322から出力されるAck/Nack信号、CQI復調部323から出力されるCQI値に基づき、スケジューリング処理を行い、再送の有無、送信回数等を含む再送情報、送信信号の変調方式、符号化率等を含むMCS情報、RVパラメータ、RVパラメータ用ビット数等を含むRVパラメータ情報などを出力する。なお、スケジューリング部324から出力される再送情報、MCS情報、RVパラメータ情報などの送信信号に関する各種情報は送信パラメータと呼ぶこともある。
【0030】
符号化部311は、送信データの符号化処理を行ってレート・マッチング部312に出力する。レート・マッチング部312は、変調多値数や符号化率を適応的に設定するレート・マッチング処理を行い、多重部315に出力する。ここで、符号化部311及びレート・マッチング部312は、スケジューリング部324から出力されるMCS、RVパラメータ等に基づいて符号化処理、レート・マッチング処理を行う。レート・マッチング部312には、IRバッファが設けられ、符号化データをIRバッファに格納し、再送時にRVパラメータで指定される開始位置より伝送レート及び符号化率に応じた所定量のデータを再送データとして読み出して出力する。受信装置では、再送データ及び初回送信データを用いてIR方式による再送合成処理が行われる。
【0031】
RVパラメータ用ビット数設定部313は、スケジューリング部324より初回送信時のMCS情報を受信し、MCS情報のうちの符号化率を用いて、初回送信時の符号化率に基づいてRVパラメータ用ビット数を決定する。また、スケジューリング部324よりMCS情報及び再送情報を受信し、前記決定したRVパラメータ用ビット数と当該データの送信回数とに基づき、送信回数に応じて適切な開始位置となるRVパラメータを設定する。これらのRVパラメータ用ビット数及びRVパラメータは、制御信号生成部314、符号化部311及びレート・マッチング部312に入力される。RVパラメータ用ビット数やRVパラメータの設定処理の具体例については後述する。
【0032】
制御信号生成部314は、RVパラメータ用ビット数設定部313からのRVパラメータ用ビット数及びRVパラメータに基づき、再送制御に関するパラメータとしてのRVパラメータ情報を含む制御信号を生成して多重部315に出力する。この制御信号には、再送情報、MCS情報なども含まれる。
【0033】
多重部315は、符号化された送信データを含む送信信号、RVパラメータ情報を含む制御信号等を多重処理する。そして、変調処理等を行って送信信号を生成し、送信信号を送信RF部316に出力する。送信RF部316では、送信信号についてシリアル/パラレル変換、逆フーリエ変換等の処理が行われた後、所定の無線周波数帯の高周波信号に変換され、電力増幅された後にアンテナ317から電波として送信される。送信装置からの送信信号は、パイロット信号、制御信号、及び各種データを含むデータ信号などとして受信装置に伝送される。
【0034】
上記構成において、CQI復調部323が伝搬路品質取得部の機能を実現する。また、スケジューリング部324がMCS設定部及び再送制御部の機能を実現する。また、RVパラメータ用ビット数設定部313がパラメータビット数設定部及び再送制御用パラメータ設定部の機能を実現する。また、レート・マッチング部312、多重部315、及び送信RF部316が送信処理部の機能を実現する。
【0035】
一方、図4に示す受信装置は、アンテナ431と、受信RF部432と、チャネル推定部433と、制御信号復調部434と、復調部435と、復号部436と、RVパラメータ識別部437と、初回MCS保存部438と、尤度保存部439と、CRC検査部440と、SINR測定部441と、フィードバック情報生成部442と、Ack/Nack生成部443と、符号化部444と、多重部445と、送信RF部446とを備えている。
【0036】
通信相手装置(例えば図3に示す送信装置)から送信される電波は、アンテナ431により受信される。アンテナ431で受信された電波の高周波信号は、受信RF部432でベースバンド信号などの比較的低い周波数帯の信号に変換された後、フーリエ変換、パラレル/シリアル変換等の処理が行われてシリアルデータの受信信号に変換される。受信RF部432の出力は、チャネル推定部433、制御信号復調部434、復調部435に入力される。
【0037】
チャネル推定部433は、通信相手装置(送信装置)の送信アンテナから送信される信号に含まれているパイロット信号に基づいてチャネル推定を実施し、チャネル推定値を算出する。算出されたチャネル推定値は復調部435、SINR測定部441に入力される。制御信号復調部434は、パイロット信号とともに送信される制御信号を復調し、再送の有無、送信回数等を含む再送情報、送信信号の変調方式、符号化率等を含むMCS情報、RVパラメータを含むRVパラメータ情報などの制御情報を抽出する。復調された制御信号は、復調部435、RVパラメータ識別部437、Ack/Nack生成部443、多重部445に入力される。
【0038】
復調部435は、チャネル推定部433から受け取ったチャネル推定値を用いて自装置(自身の受信装置)に対応する受信信号の復調処理を行う。そして、デインターリーブ処理、変調多値数や符号化率が送信側と一致するようにレート・デマッチング処理等を行い、復調後の受信信号を復号部436に出力する。RVパラメータ識別部437は、制御信号復調部434から受け取った初回送信時のMCS情報を、初回送信時の符号化率の情報として、初回MCS保存部438に出力して格納させる。また、この初回送信時のMCS情報に基づき、初回送信時の符号化率によってRVパラメータ用ビット数を算出して識別する。そして、RVパラメータ識別部437は、前記算出したRVパラメータ用ビット数と制御信号復調部434から出力されるRVパラメータ情報に基づき、該当ビット数のリソースに割り当てられたRVパラメータを復調して識別し、復号部436に出力する。尤度保存部439は、過去の受信信号の尤度情報を保存する。
【0039】
復号部436は、復調部435から入力される受信信号について復号処理を行って受信データを復元する。この際、再送がなされた場合は、RVパラメータ識別部437から受け取ったRVパラメータに基づき、IR方式による再送合成処理を行う。すなわち、再送時の復号部436は、尤度保存部439に保存された過去の受信信号の尤度情報と現在の受信信号の尤度情報とを合成する尤度合成処理等を行い、復号後の受信データをCRC検査部440に出力する。CRC検査部440は、復号部436から出力される復号後の信号に対しCRC検査による誤り検出処理を施し、復号後の受信データに誤りが含まれているかどうかを示すデータエラーの有無情報をAck/Nack生成部443に出力する。そして、CRC検査部440より受信データが出力される。
【0040】
SINR測定部441は、チャネル推定部433によるチャネル推定値に基づいてパイロット信号の受信状態を検出し、伝搬路品質測定結果として、通信相手装置(送信装置)から伝送される信号のSINRを算出する。算出されたSINRは、フィードバック情報生成部442に入力される。このSINRは、所望信号に関する伝搬路品質を表す情報であるCQI値に対応するものとなる。フィードバック情報生成部442は、CQI情報を含むフィードバック情報を生成し、多重部445に出力する。
【0041】
Ack/Nack生成部443は、CRC検査部440での誤り検出結果に基づき、復号した受信データに誤りが含まれているかどうかを判断し、Ack/Nack信号を生成して多重部445に出力する。ここで、復号結果に誤りが含まれていなければAckを生成し、復号結果に誤りが含まれていればNackを生成する。
【0042】
符号化部444は、送信データの符号化処理を行って多重部445に出力する。多重部445は、入力したフィードバック情報、Ack/Nack信号、符号化された送信データを含む送信信号等を多重処理する。そして、変調多値数や符号化率を適応的に設定するレート・マッチング処理、変調処理等を行って送信信号を生成し、送信RF部446に出力する。送信RF部446では、送信信号についてシリアル/パラレル変換、逆フーリエ変換等の処理が行われた後、所定の無線周波数帯の高周波信号に変換され、電力増幅された後にアンテナ431から電波として送信される。このとき、受信装置から送信されるCQI情報やAck/Nack信号の応答信号等を含むフィードバック情報は、フィードバック信号として送信装置に伝送される。
【0043】
上記構成において、SINR測定部441及びフィードバック情報生成部442が伝搬路品質通知部の機能を実現する。また、受信RF部432、復調部435、及び制御信号復調部434が受信処理部の機能を実現する。また、初回MCS保存部438が制御情報格納部の機能を実現する。また、RVパラメータ識別部437が再送制御用パラメータ復調部の機能を実現する。
【0044】
次に、本実施形態において、図3に示した送信装置と図4に示した受信装置との間で通信する場合の処理手順について、図5を参照しながら以下に説明する。図5は第1の実施形態における送信装置と受信装置との間の通信に関する全体処理の手順の具体例を示すシーケンス図である。
【0045】
ステップS1:送信装置は、送信RF部316、アンテナ317を介してパイロットチャネルを受信装置へ送信する。
【0046】
ステップS2:受信装置は、送信装置から送られてきたパイロットチャネルをアンテナ431、受信RF部432を介して受信し、チャネル推定部433で伝搬路のチャネル推定を行い、パイロットチャネルの受信状態を観測する。そして、パイロットチャネルのチャネル推定値を用いて、SINR測定部441によりSINRを測定して算出する。
【0047】
ステップS3:受信装置は、フィードバック情報生成部442において、前記算出したSINRによるCQI情報を含むフィードバック情報を生成し、多重部445、送信RF部446、アンテナ431を介してフィードバック情報を送信装置へ送信することで、伝搬路品質を表すCQI情報(SINR)を報告する。
【0048】
ステップS4:送信装置は、受信装置からのフィードバック情報をアンテナ317、受信RF部318を介して受信し、分離部319、CQI復調部323によりCQI情報を復調する。そして、スケジューリング部324において、受信装置からフィードバックされたパイロットチャネルのCQI情報(SINR)を基に、変調方式、符号化率等を含むMCSを設定する。
【0049】
ステップS5:送信装置は、RVパラメータ用ビット数設定部313において、前記設定したMCSに基づいてRVパラメータ用ビット数を決定する。
【0050】
ここで、本実施形態の送信装置において特徴的な動作の一つである、ステップS5におけるRVパラメータ用ビット数の決定動作について詳しく説明する。RVパラメータ用ビット数設定部313は、スケジューリング部324より通信相手装置(受信装置)向けのMCS(初回送信時のMCS)を受け取り、初回送信時の符号化率に基づいてRVパラメータ用ビット数を決定する。また、RVパラメータ用ビット数設定部313は、スケジューリング部324より再送情報を受け取り、送信回数(ここでは初回送信)に応じて、初回送信用のデータ開始位置となるようRVパラメータを設定する。そして、RVパラメータ用ビット数設定部313は、決定したRVパラメータ用ビット数と、RVパラメータとを制御信号生成部314に出力する。
【0051】
ステップS6:送信装置は、制御信号生成部314において、前記決定したRVパラメータ用ビット数設定部313からのRVパラメータ用ビット数及びRVパラメータに基づき、RVパラメータ情報を含む制御信号を生成する。この制御信号には、MCSや送信回数の情報が含まれる。
【0052】
ステップS7:送信装置は、ステップS4で設定したMCSに基づいて符号化部311、レート・マッチング部312、多重部315にて処理を行い、該当受信装置向けの送信データを生成する。
【0053】
ステップS8:送信装置は、受信装置へパイロットチャネル、制御信号、データ信号をそれぞれ送信する。
【0054】
ステップS9:受信装置は、ステップS2と同様にSINR測定部441によりパイロットチャネルの受信状態からSINRを測定して算出する。
【0055】
ステップS10:受信装置は、制御信号復調部434において制御信号を復調し、MCS情報を取り出す。ここで、RVパラメータ識別部437において、初回送信時のMCS情報を初回MCS保存部438に出力して格納しておく。
【0056】
ステップS11:受信装置は、チャネル推定部433により受信信号のチャネル推定値を求め、復調部435において、ステップS10で取り出したMCSを用いて受信データを復調することによって受信処理を行う。
【0057】
ステップS12:受信装置は、復号部436において、ステップS11で復調した受信データに誤り訂正復号の処理を施す。
【0058】
ステップS13:受信装置は、CRC検査部440において、ステップS12の誤り訂正復号後の受信データに対して誤り検出処理を行う。
【0059】
ステップS14:受信装置は、Ack/Nack生成部443において、ステップS13での誤り検出結果により、対応するAck/Nack信号を生成する。
【0060】
ステップS15:受信装置は、ステップS9で算出したSINRの情報を含むフィードバック情報をフィードバック情報生成部442で生成し、このSINRとステップS14で生成したAck/Nack信号とを送信装置へフィードバックして報告する。
【0061】
ステップS16:送信装置は、Ack/Nack信号復調部922において受信装置からフィードバックされたAck/Nack信号を復調する。
【0062】
ステップS17:送信装置は、RVパラメータ用ビット数設定部313において、ステップS16で復調したAck/Nack信号に応じて、Nackを検出して再送を行う場合に、再送データの開始位置を決定し、そのデータ開始位置を示すRVパラメータを設定する。
【0063】
ここで、本実施形態の送信装置において特徴的な動作の一つである、ステップS17におけるRVパラメータの設定動作について詳しく説明する。まず、スケジューリング部324は、Nack信号を受け取った場合に、再送が必要と判断し、RVパラメータ用ビット数設定部313に向けて該当する受信装置に設定した初回送信時のMCSと送信回数(例えば2回目(再送1回目)の送信)を出力する。RVパラメータ用ビット数設定部313は、初回送信時のMCSと送信回数とを受け取り、ステップS5で決定した初回送信時の符号化率に基づくRVパラメータ用ビット数を参照し、このRVパラメータ用ビット数と該当データの送信回数とに基づいて残りの未送信データをより多く送信できるような再送用のデータ開始位置を示すRVパラメータを設定する。そして、RVパラメータ用ビット数設定部313は、設定したRVパラメータを制御信号生成部314に出力する。
【0064】
ステップS18:送信装置は、制御信号生成部314において前記設定したRVパラメータ情報、MCS情報、及び送信回数を含む制御信号を生成する。
【0065】
ステップS19:送信装置は、ステップS4で設定したMCS及びステップS17で設定したRVパラメータに基づき、レート・マッチング部312、多重部315にて処理を行い、該当受信装置向けの送信データ(再送データ)を生成する。
【0066】
ステップS20:送信装置は、受信装置へパイロットチャネル、制御信号、データ信号をそれぞれ送信する。
【0067】
ステップS21:受信装置は、ステップS9と同様にSINR測定部441によりパイロットチャネルの受信状態からSINRを測定して算出する。
【0068】
ステップS22:受信装置は、制御信号復調部434において制御信号を復調し、MCS情報及びRVパラメータ情報、送信回数を取り出す。そして、RVパラメータ識別部437において前記RVパラメータ情報から今回送信時のRVパラメータを復調して識別する。
【0069】
ここで、本実施形態の受信装置において特徴的な動作の一つである、ステップS22におけるRVパラメータの識別動作について詳しく説明する。RVパラメータ識別部437は、まず上記したステップS10での初回送信時において、制御信号復調部434から受け取った初回送信時のMCS情報を初回MCS保存部438に格納させる。そして、RVパラメータ識別部437は、制御信号復調部434から送信回数を受け取り、再送の場合には、初回MCS保存部438に記憶してある初回送信時のMCS情報を参照し、初回送信時の符号化率によってRVパラメータ用ビット数を算出する。次いで、RVパラメータ識別部437は、前記算出したRVパラメータ用ビット数に基づき、該当ビット数のリソースに割り当てられた今回送信時のRVパラメータを復調して識別し、このRVパラメータを復号部436に出力する。なお、RVパラメータ識別部437において初回送信時のMCS情報に基づいてRVパラメータ用ビット数を算出し、初回MCS保存部438には初回送信時のMCS情報の代わりにRVパラメータ用ビット数の情報を保存するようにしてもよい。
【0070】
ステップS23:受信装置は、チャネル推定部433により受信信号のチャネル推定値を求め、復調部435において、ステップS22で取り出したMCSを用いて受信データ(再送データ)を復調することによって受信処理を行う。
【0071】
ステップS24:受信装置は、復号部436及び尤度保存部439により、ステップ13で誤りを検出した初回送信時の受信データに対して、再送時の受信データを用いて、ステップS22で取得したRVパラメータに応じた尤度合成処理を施す。この際、RVパラメータに基づき、送信回数毎のそれぞれのデータ開始位置を認識し、初回送信時と再送時のデータを合成する。
【0072】
ステップS25:受信装置は、復号部436において、ステップS24で尤度合成した受信データに誤り訂正復号の処理を施す。
【0073】
ステップS26:受信装置は、CRC検査部440において、ステップS25の誤り訂正復号後の受信データに対して誤り検出処理を行う。そして、Ack/Nack生成部443において、誤り検出結果に応じてAck/Nack信号を生成する。
【0074】
ステップS27:受信装置は、ステップS21で算出したSINRの情報を含むフィードバック情報をフィードバック情報生成部442で生成し、このSINRとステップS26で生成したAck/Nack信号とを送信装置へフィードバックして報告する。
【0075】
次に、第1の実施形態におけるRVパラメータ用ビット数及びRVパラメータの設定の具体例を説明する。図6は符号化率に応じたRVパラメータ用ビット数の設定例を示す図、図7はRVパラメータの設定例を示す図である。
【0076】
本実施形態では、図6に示す設定例のように、初回送信時の符号化率Rが2/3より大きい(2/3<R)場合はRVパラメータ用ビット数を2に設定し、初回送信時の符号化率Rが1/3より大きく2/3以下(1/3<R≦2/3)の場合はRVパラメータ用ビット数を1に設定する。また、初回送信時の符号化率Rが1/3以下(R≦1/3)の場合はRVパラメータ用ビット数を0に設定する。
【0077】
例えば、送信装置において、受信装置からフィードバックされたCQI情報(SINR)に応じて初回送信時の符号化率RをR=5/6とした場合、RVパラメータ用ビット数設定部313は、RVパラメータ用ビット数を2ビットと一意に決定する。図7は符号化率R=5/6の場合の2ビットのRVパラメータの設定例をIRバッファのイメージにおいて示したものである。
【0078】
初回送信時はRVパラメータをRV=0とし、符号化データの先頭からシステマチックビットとパリティビットの一部とを送信する。そして、初回送信データの復調結果としてNackを受信した場合、スケジューリング部324は、2回目の送信(再送1回目)でIRバッファ中の未送信データをより多く送信できるよう、RV=2を選択して設定する。以降、さらに復調結果としてNackを受信して3回目以降の送信(再送2回目以降)を行う場合も同様に、未送信データをより多く送信できるようRVパラメータをRV=1、3と順に設定する。
【0079】
上述したように、第1の実施形態では、受信側で測定した伝搬路品質測定結果に応じてMCSを設定し、初回送信時のMCSにおける符号化率に応じて、再送制御用のRVパラメータのビット数を設定する。この際、初回送信時の符号化率が小さいほど、RVパラメータのビット数を少なく設定する。これにより、符号化率が小さくRVパラメータの制御粒度が粗くても良い場合に、RVパラメータを通知するためのシグナリングのリソースを削減でき、RVパラメータ用シグナリングのオーバヘッドを小さくできる。この結果として、再送制御用のリソースの無駄を省くことができ、スループットを向上できる。
【0080】
(第2の実施形態)
図8は本発明の第2の実施形態におけるRVパラメータの設定例を模式的に示す図であり、IRバッファのイメージを表したものである。第2の実施形態では、MCSの制御単位であるデータ系列を表すコードワード(CW:Codeword)として、複数コードワードを用いた構成例を示す。ここでは、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)を採用した無線通信システムに適用した構成を例示する。
【0081】
第2の実施形態においては、複数コードワードを用いる適応MCS制御を想定した再送制御方法を採用する場合に、初回送信時の符号化率が小さいコードワードほど、RVパラメータのシグナリングに用いるビット数を少なくする。
【0082】
例えば、図8の設定例に示すように、2つのコードワードを用いる場合、第1のコードワード(CW1)においては、変調方式が16QAMで符号化率RがR=3/4と大きいため、RVパラメータのビット数を2ビットに設定する。一方、第2のコードワード(CW2)においては、変調方式がQPSKで符号化率RがR=1/2と小さいため、RVパラメータのビット数を0ビットに設定する。これにより、符号化率が大きくてRVパラメータについてより柔軟な設定が必要となるCW1において、RVパラメータのビット数を大きくとって自由度を高め、柔軟な再送制御の設定を可能としたまま、CW2においてRVパラメータのビット数を0ビットと小さくすることで、両方のコードワード共に2ビットとした場合に比べて、2つのコードワード全体において合計2ビットのRVパラメータ用シグナリングのオーバヘッドを削減可能である。
【0083】
このように、初回送信時の符号化率が小さいコードワードほどRVパラメータのビット数を少なく設定することによって、符号化率の小さいコードワードにおけるRVパラメータ用のリソースの無駄を省くことができる。この場合、未送信データの多い初回送信時の符号化率が大きいコードワードについては柔軟な再送制御の設定を可能としたまま、RVパラメータの自由度を下げても影響の小さいコードワードに用いる下り方向のRVパラメータ用シグナリングのリソースを少なくできる。したがって、複数コードワード用再送制御のシグナリングオーバヘッドを小さくすることが可能となる。
【0084】
次に、第2の実施形態に係る無線通信システムの送信装置及び受信装置の具体例の構成を説明する。
【0085】
図9は本発明の第2の実施形態で用いる送信装置の主要部の構成を示すブロック図、図10は本発明の第2の実施形態で用いる受信装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【0086】
第2の実施形態では、図9に示した送信装置と図10に示した受信装置との間で電波を用いて無線通信を行う場合を想定している。例えば、携帯電話等の移動体通信の通信サービスを提供するセルラーシステムの無線通信基地局装置(無線基地局、BS)に図9に示す送信装置を適用し、携帯電話装置などの無線通信移動局装置であるユーザ端末(UE)に図10に示す受信装置を適用することが想定される。また、ここでは送受信双方で複数のアンテナを使用して無線送受信を行うMIMOシステムを構成することを前提としている。なお、通信信号の形態としては、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)信号によるマルチキャリア通信方式で通信を行い、パケット単位で順次に送信する場合などが想定される。
【0087】
図9に示す送信装置は、符号化部911と、レート・マッチング部912と、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部913と、制御信号生成部914と、MIMO多重部915と、複数の送信RF部916a、916bと、複数のアンテナ917a、917bと、受信RF部918と、分離部919と、復調・復号部920と、CRC検査部921と、Ack/Nack信号復調部922と、CQI復調部923と、スケジューリング部924と、コードワード毎RVパラメータ用ビット数保存部925とを備えている。
【0088】
通信相手装置(例えば図10に示す受信装置)から送信される電波は、アンテナ917bにより受信される。アンテナ917bで受信された電波の高周波信号は、受信RF部918でベースバンド信号などの比較的低い周波数帯の信号に変換された後、分離部919に入力される。分離部919は、受信信号からフィードバック信号を分離し、フィードバック信号に含まれる各コードワードのCQI情報やAck/Nack情報等を抽出して出力する。分離したフィードバック信号のうち、各コードワードのAck/Nack情報はAck/Nack信号復調部922に入力され、CQI情報はCQI復調部923に入力される。
【0089】
復調・復号部920は、分離部919で分離された受信信号の復調処理、復号処理を行い、受信したデータを復元する。CRC検査部921は、復調・復号部920から出力される復号後の信号に対しCRC検査による誤り検出処理を施し、復号後の受信データに誤りが含まれているかどうかを判定する。そして、CRC検査部921より受信データが出力される。
【0090】
Ack/Nack信号復調部922は、分離部919から出力されるAck/Nack情報を復調し、受信装置における各コードワードの受信信号復調結果の可否を示すAck/Nack信号をスケジューリング部924に出力する。CQI復調部923は、分離部919から出力されるSINR等によるCQI情報を復調し、受信装置における各コードワードの伝搬路品質測定結果(受信品質)を示すCQI値をスケジューリング部924に出力する。スケジューリング部924は、Ack/Nack信号復調部922から出力される各コードワードのAck/Nack信号、CQI復調部923から出力される各コードワードのCQI値に基づき、複数コードワードのスケジューリング処理を行い、再送の有無、送信回数等を含む再送情報、送信信号の変調方式、符号化率等を含むMCS情報、RVパラメータ、RVパラメータ用ビット数等を含むRVパラメータ情報などを送信パラメータとして出力する。また、スケジューリング部924は、前記MCS情報及び再送情報に基づき、コードワード毎に、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部913で決定されるRVパラメータ用ビット数と当該データの送信回数とに基づき、送信回数に応じて適切な開始位置となるRVパラメータを設定する。
【0091】
符号化部911は、複数コードワードの送信データの符号化処理を行ってレート・マッチング部912に出力する。レート・マッチング部912は、変調多値数や符号化率を適応的に設定するレート・マッチング処理を行い、MIMO多重部915に出力する。ここで、符号化部911及びレート・マッチング部912は、スケジューリング部924から出力されるMCS、RVパラメータ等に基づいて符号化処理、レート・マッチング処理を行う。レート・マッチング部912には、コードワード毎のIRバッファが設けられ、複数コードワードの符号化データをそれぞれIRバッファに格納し、再送時にRVパラメータで指定される開始位置より伝送レート及び符号化率に応じた所定量のデータを再送データとして読み出して出力する。受信装置では、コードワード毎に再送データ及び初回送信データを用いてIR方式による再送合成処理が行われる。
【0092】
コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部913は、スケジューリング部924より初回送信時のMCS情報を受信し、各コードワードのMCS情報のうちの符号化率を用いて、初回送信時の符号化率に基づいてRVパラメータ用ビット数をコードワード間で調整して決定する。この際、複数コードワードにおけるRVパラメータ用ビット数の総数を一定に保ちつつ、コードワード間で初回送信時の符号化率を比較し、相対的に符号化率の小さいコードワードほどRVパラメータ用ビット数が少なくなるよう、各コードワードのRVパラメータ用ビット数を設定する。設定した各コードワードのRVパラメータ用ビット数は、制御信号生成部914に出力されるとともに、コードワード毎RVパラメータ用ビット数保存部925に入力されて保存される。また、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部913は、スケジューリング部924よりRVパラメータを受け取り、制御信号生成部914に出力する。
【0093】
制御信号生成部914は、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部913からのRVパラメータ用ビット数及びRVパラメータに基づき、再送制御に関するパラメータとしてのRVパラメータ情報を含む制御信号を生成してMIMO多重部915に出力する。この制御信号には、再送情報、MCS情報なども含まれる。
【0094】
MIMO多重部915は、符号化された複数コードワードの送信データを含む送信信号、RVパラメータ情報を含む制御信号等を多重処理する。そして、変調処理等を行って複数のアンテナに出力するそれぞれの送信信号を分離生成し、それぞれの送信信号を送信RF部916a、916bに出力する。送信RF部916a、916bでは、送信信号についてシリアル/パラレル変換、逆フーリエ変換等の処理が行われた後、所定の無線周波数帯の高周波信号に変換され、電力増幅された後に独立した複数のアンテナ917a、917bからそれぞれ電波として送信される。送信装置からの送信信号は、パイロット信号、制御信号、及び各種データを含むデータ信号などとして受信装置に伝送される。
【0095】
上記構成において、CQI復調部923が伝搬路品質取得部の機能を実現する。また、スケジューリング部924がMCS設定部、再送制御部、及び再送制御用パラメータ設定部の機能を実現する。また、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部913がパラメータビット数設定部の機能を実現する。また、レート・マッチング部912、MIMO多重部915、及び送信RF部916a、916bが送信処理部の機能を実現する。
【0096】
一方、図10に示す受信装置は、複数のアンテナ1031a、1031bと、複数の受信RF部1032a、1032bと、チャネル推定部1033と、制御信号復調部1034と、MIMO復調部1035と、復号部1036と、RVパラメータ識別部1037と、初回MCS保存部1038と、尤度保存部1039と、CRC検査部1040と、SINR測定部1041と、フィードバック情報生成部1042と、Ack/Nack生成部1043と、符号化部1044と、多重部1045と、送信RF部1046とを備えている。
【0097】
通信相手装置(例えば図9に示す送信装置)から送信される電波は、独立した複数のアンテナ1031a、1031bによりそれぞれ受信される。アンテナ1031aで受信された電波の高周波信号は、受信RF部1032aでベースバンド信号などの比較的低い周波数帯の信号に変換された後、フーリエ変換、パラレル/シリアル変換等の処理が行われてシリアルデータの受信信号に変換される。同様に、アンテナ1031bで受信された電波の高周波信号は、受信RF部1032bでベースバンド信号などの比較的低い周波数帯の信号に変換された後、フーリエ変換、パラレル/シリアル変換等の処理が行われてシリアルデータの受信信号に変換される。これらの受信RF部1032a、1032bの出力は、チャネル推定部1033、制御信号復調部1034、MIMO復調部1035に入力される。
【0098】
チャネル推定部1033は、通信相手装置(送信装置)の各送信アンテナから送信される信号に含まれているパイロット信号に基づいてチャネル推定を実施し、チャネル推定値を算出する。算出されたチャネル推定値はMIMO復調部1035、SINR測定部1041に入力される。制御信号復調部1034は、パイロット信号とともに送信される制御信号を復調し、再送の有無、送信回数等を含む再送情報、送信信号の変調方式、符号化率等を含むMCS情報、RVパラメータを含むRVパラメータ情報などを抽出する。復調された制御信号は、MIMO復調部1035、RVパラメータ識別部1037、Ack/Nack生成部1043、多重部1045に入力される。
【0099】
MIMO復調部1035は、チャネル推定部1033から受け取ったチャネル推定値を用いて自装置(自身の受信装置)に対応する受信信号の復調処理を行う。そして、デインターリーブ処理、変調多値数や符号化率が送信側と一致するようにレート・デマッチング処理等を行い、復調後の複数コードワードの受信信号を復号部1036に出力する。RVパラメータ識別部1037は、制御信号復調部1034から受け取った初回送信時のMCS情報を初回MCS保存部1038に出力して格納させる。また、この初回送信時のMCS情報に基づき、初回送信時の符号化率によって各コードワードのRVパラメータ用ビット数を算出する。そして、RVパラメータ識別部1037は、前記算出したRVパラメータ用ビット数と制御信号復調部1034から出力されるRVパラメータ情報に基づき、該当ビット数のリソースに割り当てられた各コードワードのRVパラメータを復調して識別し、復号部1036に出力する。尤度保存部1039は、各コードワードの過去の受信信号の尤度情報を保存する。
【0100】
復号部1036は、MIMO復調部1035から入力される各コードワードの受信信号について復号処理を行って受信データを復元する。この際、再送がなされた場合は、コードワード毎に、RVパラメータ識別部1037から受け取ったRVパラメータに基づき、IR方式による再送合成処理を行う。すなわち、再送時の復号部1036は、尤度保存部1039に保存された各コードワードの過去の受信信号の尤度情報と現在の受信信号の尤度情報とを合成する尤度合成処理等を行い、復号後の複数コードワードの受信データをCRC検査部1040に出力する。CRC検査部1040は、復号部1036から出力される復号後の各コードワードの信号に対しCRC検査による誤り検出処理を施し、復号後の受信データに誤りが含まれているかどうかを示すデータエラーの有無情報をAck/Nack生成部1043に出力する。そして、CRC検査部1040より複数コードワードの受信データが出力される。
【0101】
SINR測定部1041は、チャネル推定部1033によるチャネル推定値に基づいてパイロット信号の受信状態を検出し、通信相手装置(送信装置)から伝送されるアンテナ毎の各コードワードのSINRを算出する。算出された各コードワードのSINRは、フィードバック情報生成部1042に入力される。このSINRは、所望信号に関する伝搬路品質を表す情報であるCQI値に対応するものとなる。フィードバック情報生成部1042は、各コードワードのCQI情報を含むフィードバック情報を生成し、多重部1045に出力する。
【0102】
Ack/Nack生成部1043は、CRC検査部1040での各コードワードの誤り検出結果に基づき、復号した各コードワードの受信データに誤りが含まれているかどうかを判断し、コードワード毎のAck/Nack信号を生成して多重部1045に出力する。ここで、復号結果に誤りが含まれていなければAckを生成し、復号結果に誤りが含まれていればNackを生成する。
【0103】
符号化部1044は、送信データの符号化処理を行って多重部1045に出力する。多重部1045は、入力したフィードバック情報、Ack/Nack信号、符号化された送信データを含む送信信号等を多重処理する。そして、変調多値数や符号化率を適応的に設定するレート・マッチング処理、変調処理等を行って送信信号を生成し、送信RF部1046に出力する。送信RF部1046では、送信信号についてシリアル/パラレル変換、逆フーリエ変換等の処理が行われた後、所定の無線周波数帯の高周波信号に変換され、電力増幅された後にアンテナ1031aから電波として送信される。このとき、受信装置から送信される各コードワードのCQI情報やAck/Nack信号の応答信号等を含むフィードバック情報は、フィードバック信号として送信装置に伝送される。
【0104】
上記構成において、SINR測定部1041及びフィードバック情報生成部1042が伝搬路品質通知部の機能を実現する。また、受信RF部1032a、1032b、MIMO復調部1035、及び制御信号復調部1034が受信処理部の機能を実現する。また、初回MCS保存部1038が制御情報格納部の機能を実現する。また、RVパラメータ識別部1037が再送制御用パラメータ復調部の機能を実現する。
【0105】
次に、本実施形態の送信装置において特徴的な動作の一つである、複数コードワードにおけるRVパラメータの設定動作について詳しく説明する。
【0106】
複数コードワードにおけるRVパラメータ用ビット数を設定する際、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部913は、RVパラメータ用ビット数の総数を一定に保ちつつ、コードワード間で初回送信時の符号化率を比較し、相対的に符号化率の小さいコードワードほどRVパラメータ用ビット数が少なくなるよう、各コードワードのRVパラメータ用ビット数を設定する。そして、設定した各コードワードのRVパラメータ用ビット数の値をコードワード毎RVパラメータ用ビット数保存部925に出力して保存させる。
【0107】
スケジューリング部924は、各コードワードの再送時に、コードワード毎RVパラメータ用ビット数保存部925に格納されているRVパラメータ用ビット数を参照して、該当するコードワードのRVパラメータを設定する。なお、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部913において各コードワードのRVパラメータを設定するようにしてもよい。また、制御信号生成部914は、スケジューリング部924からコードワード間RVパラメータ用ビット数調整部913を介して受け取ったRVパラメータに基づき、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部913が指示するビット数を元に、RVパラメータ情報を含む制御信号を生成する。
【0108】
また、本実施形態の受信装置において特徴的な動作の一つである、複数コードワードにおけるRVパラメータの識別動作について詳しく説明する。
【0109】
RVパラメータ識別部1037は、初回送信時において、制御信号復調部1034から受け取った各コードワードの初回送信時のMCS情報を初回MCS保存部1038に格納させる。そして、RVパラメータ識別部1037は、制御信号復調部1034から送信回数を受け取り、再送の場合には、初回MCS保存部1038に記憶してある初回送信時のMCS情報を参照し、初回送信時の符号化率によって各コードワードのRVパラメータ用ビット数を算出する。次いで、RVパラメータ識別部1037は、前記算出したRVパラメータ用ビット数に基づき、コードワード毎に、該当ビット数のリソースに割り当てられた今回送信時のRVパラメータを復調して識別し、このRVパラメータを復号部1036に出力する。なお、RVパラメータ識別部1037において初回送信時のMCS情報に基づいてRVパラメータ用ビット数を算出し、初回MCS保存部1038には初回送信時のMCS情報の代わりにRVパラメータ用ビット数の情報を保存するようにしてもよい。
【0110】
次に、第2の実施形態におけるRVパラメータ用ビット数の設定の具体例を説明する。コードワードが2つの場合、例えば前述した図8の例のように、RVパラメータ用ビット数の総数を2ビットとし、符号化率の大きいコードワードのRVパラメータ用ビット数を2ビット、符号化率の小さいコードワードのRVパラメータ用ビット数を0ビットとする。
【0111】
図11は符号化率に応じたRVパラメータ用ビット数の設定例を示す図であり、コードワードが3つの場合の例を示している。ここでは、例1及び例2共にRVパラメータ用ビット数の総数を7ビットとしている。
【0112】
例1では、符号化率R=0.75と最も符号化率が大きい第1のコードワード(CW1)のRVパラメータ用ビット数を4ビットとし、符号化率R=0.50と符号化率が2番目に大きい第3のコードワード(CW3)のRVパラメータ用ビット数を2ビットとし、符号化率R=0.33と符号化率が最も小さい第2のコードワード(CW2)のRVパラメータ用ビット数を1ビットとして設定する。例2では、符号化率R=0.80と最も符号化率が大きい第1のコードワード(CW1)のRVパラメータ用ビット数を4ビットとし、符号化率R=0.75と符号化率が2番目に大きい第2のコードワード(CW2)のRVパラメータ用ビット数を2ビットとし、符号化率R=0.50と符号化率が最も小さい第3のコードワード(CW3)のRVパラメータ用ビット数を1ビットとして設定する。
【0113】
また、上記例ではコードワード間の符号化率の順位に応じて相対的にRVパラメータ用ビット数を決定する例を挙げたが、第1の実施形態と同様にコードワード毎で個別に符号化率に応じたビット数設定とした後に、全コードワードでのRVパラメータ用ビット数の合計が所定のビット数となるよう調整することもできる。
【0114】
上述したように、第2の実施形態では、複数コードワードを用いた適応MCS制御において、各コードワードの伝搬路品質測定結果に応じてMCSを設定し、初回送信時のMCSにおける符号化率に応じて、各コードワードの再送制御用のRVパラメータのビット数を設定する。この際、初回送信時の符号化率が小さいコードワードほど、RVパラメータのビット数を少なく設定する。これにより、未送信データの多い初回送信時の符号化率が大きいコードワードにはRVパラメータのビット数を多く割り当てて柔軟な再送制御の設定を可能としたまま、RVパラメータの自由度を下げても影響の小さいコードワードに用いるRVパラメータ通知のためのシグナリングのリソースを削減でき、複数コードワードのRVパラメータ用シグナリングのオーバヘッドを小さくできる。この結果として、複数コードワード使用時の再送制御用のリソースの無駄を省くことができ、スループットを向上できる。
【0115】
(第3の実施形態)
図12は本発明の第3の実施形態におけるRVパラメータの設定例を模式的に示す図であり、IRバッファのイメージを表したものである。第3の実施形態では、第2の実施形態の複数コードワードを用いる場合において、さらに1つのコードワードにおいて複数のストリーム(信号)を送信する場合の構成例を示す。
【0116】
第3の実施形態においては、複数コードワードを用いる適応MCS制御を想定した再送制御方法を採用する場合に、初回送信時のストリーム数が少ないコードワードほど、RVパラメータのシグナリングに用いるビット数を少なくする。
【0117】
例えば、図12の設定例に示すように、2つのコードワードを用いて、第1のコードワード(CW1)では2つのストリームを送信し、第2のコードワード(CW2)では1つのストリームを送信する場合を想定する。この場合、CW1では、変調方式が16QAMで符号化率RがR=3/4としてあり、ストリーム数が2と多いため、RVパラメータのビット数を2ビットに設定する。一方、CW2では、変調方式が16QAMで符号化率RがR=1/2としてあり、ストリーム数が1と少ないため、RVパラメータのビット数を0ビットに設定する。これにより、再送時には2ストリーム送信が可能なCW2においてRVパラメータのビット数を削減でき、両方のコードワード共に2ビットとした場合に比べて、2つのコードワード全体において合計2ビットのRVパラメータ用シグナリングのオーバヘッドを削減可能である。
【0118】
このように、初回送信時のストリーム数が少ないコードワードほどRVパラメータのビット数を少なく設定することによって、再送時にストリーム数を増やすことで未送信データをより多く送信できる可能性の高いコードワードにおけるRVパラメータ用のリソースを少なくすることができる。この場合、初回送信時のストリーム数が多いコードワードについては柔軟な再送制御の設定を可能としたまま、ストリーム数の増加によって対応可能であり、RVパラメータの自由度を下げても影響の小さいコードワードに用いる下り方向のRVパラメータ用シグナリングのリソースを少なくできる。したがって、複数コードワード用再送制御のシグナリングオーバヘッドを小さくすることが可能となる。
【0119】
次に、第3の実施形態に係る無線通信システムの送信装置及び受信装置の具体例の構成を説明する。
【0120】
図13は本発明の第3の実施形態で用いる送信装置の主要部の構成を示すブロック図、図14は本発明の第3の実施形態で用いる受信装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【0121】
第3の実施形態は第2の実施形態の一部を変更した例である。なお、第3の実施形態において第2の実施形態と同様の要素は同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0122】
図13に示す送信装置は、図9の構成に対し、スケジューリング部1301、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部1302、コードワード毎RVパラメータ用ビット数保存部1303の動作が異なり、初回送信時のストリーム数に応じてRVパラメータ用ビット数を設定する構成である。ここで、本実施形態の送信装置において特徴的な動作の一つである、複数コードワードにおけるRVパラメータの設定動作について詳しく説明する。
【0123】
複数コードワードにおけるRVパラメータ用ビット数を設定する際、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部1302は、RVパラメータ用ビット数の総数を一定に保ちつつ、各コードワードにおける初回送信時のストリーム数を参照し、相対的にストリーム数の少ないコードワードほどRVパラメータ用ビット数が少なくなるよう、各コードワードのRVパラメータ用ビット数を設定する。そして、設定した各コードワードのRVパラメータ用ビット数の値をコードワード毎RVパラメータ用ビット数保存部1303に出力して保存させる。
【0124】
スケジューリング部1301は、各コードワードの再送時に、コードワード毎RVパラメータ用ビット数保存部1303に格納されているRVパラメータ用ビット数を参照して、該当するコードワードのRVパラメータを設定する。なお、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部1302において各コードワードのRVパラメータを設定するようにしてもよい。また、制御信号生成部914は、スケジューリング部1301からコードワード間RVパラメータ用ビット数調整部1302を介して受け取ったRVパラメータに基づき、コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部1302が指示するビット数を元に、RVパラメータ情報を含む制御信号を生成する。
【0125】
また、スケジューリング部1301は、ストリーム数の少ないコードワードで再送が発生した場合、再送回数が多くなるほどストリーム数が多くなるよう送信パラメータにおけるストリーム数を設定する。これにより、図12の例のように、初回送信時のストリーム数の少ないコードワードにおいて、RVパラメータ用ビットが少なくても、変調方式及び符号化率はそのままとした状態で、再送時のストリーム数を増加させてより多くの未送信データを送信可能にできる。
【0126】
図14に示す受信装置は、図10の構成に対し、RVパラメータ識別部1401の動作が異なるとともに、初回ストリーム数保存部1402を備えており、初回送信時のストリーム数に応じてRVパラメータ用ビット数及びRVパラメータを識別する構成である。ここで、本実施形態の受信装置において特徴的な動作の一つである、複数コードワードにおけるRVパラメータの識別動作について詳しく説明する。
【0127】
RVパラメータ識別部1401は、初回送信時において、制御信号復調部1034から受け取った各コードワードの初回送信時の送信パラメータからストリーム数を抽出し、初回ストリーム数保存部1402に格納させる。そして、RVパラメータ識別部1401は、制御信号復調部1034から送信回数を受け取り、再送の場合には、初回ストリーム数保存部1402に記憶してある初回送信時のストリーム数を参照し、初回送信時のストリーム数によって各コードワードのRVパラメータ用ビット数を算出する。次いで、RVパラメータ識別部1401は、前記算出したRVパラメータ用ビット数に基づき、コードワード毎に、該当ビット数のリソースに割り当てられた今回送信時のRVパラメータを復調して識別し、このRVパラメータを復号部1036に出力する。なお、RVパラメータ識別部1401において初回送信時のストリーム数に基づいてRVパラメータ用ビット数を算出し、初回ストリーム数保存部1402には初回送信時のストリーム数の代わりにRVパラメータ用ビット数の情報を保存するようにしてもよい。
【0128】
なお、上記設定例ではコードワード間のストリーム数の順位に応じて相対的にRVパラメータ用ビット数を決定する例を挙げたが、第1の実施形態と同様にコードワード毎で個別にストリーム数に応じたビット数設定とした後に、全コードワードでのRVパラメータ用ビット数の合計が所定のビット数となるよう調整することもできる。
【0129】
上述したように、第3の実施形態では、複数コードワードを用いた適応MCS制御において、各コードワードの伝搬路品質測定結果に応じてMCSを設定し、初回送信時のストリーム数に応じて、各コードワードの再送制御用のRVパラメータのビット数を設定する。この際、初回送信時のストリーム数が少ないコードワードほど、RVパラメータのビット数を少なく設定する。これにより、初回送信時のストリーム数が多いコードワードには柔軟な再送制御の設定を可能としたまま、再送時にストリーム数を増やすことで未送信データをより多く送信できる可能性の高いコードワードに用いるRVパラメータ通知のためのシグナリングのリソースを削減でき、複数コードワードのRVパラメータ用シグナリングのオーバヘッドを小さくできる。この結果として、複数コードワード使用時の再送制御用のリソースの無駄を省くことができ、スループットを向上できる。
【0130】
なお、上述の実施形態においては、RVパラメータ用ビット数は0〜2ビットの例を示したが、2より大きいビット数を用いる場合も同様に適用可能である。また、複数のコードワードを用いる場合は、2つまたは3つの例を示したが、コードワードの数については、4つや8つなど、アンテナ数やビーム数などに応じて増減した場合においても同様に適用可能である。
【0131】
また、上述したように、本発明に係る無線通信装置は、移動体通信システムにおける移動局装置(通信端末装置)及び基地局装置に搭載することが可能であり、これにより上記と同様の作用効果を有する無線通信移動局装置、無線通信基地局装置、及び移動体通信システムを提供することができる。
【0132】
なお、本発明は上記の実施形態において示されたものに限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0133】
上記各実施形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
【0134】
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0135】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0136】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【0137】
本開示に係る実施形態の種々の態様として、以下のものが含まれる。
【0138】
通信相手装置からの伝搬路品質測定結果を受け取る伝搬路品質取得部と、前記伝搬路品質測定結果に応じて符号化率を含むMCSを設定するMCS設定部と、前記MCSに応じて送信用のデータを符号化する符号化部と、前記通信相手装置からの応答信号に基づいて送信したデータの再送制御を行う再送制御部と、初回送信時の符号化率に応じて再送制御用パラメータのビット数を設定するもので、前記符号化率が小さいほどビット数を少なくするパラメータビット数設定部と、前記設定されたビット数を用いて前記再送制御用パラメータを設定する再送制御用パラメータ設定部と、前記MCS及び前記再送制御用パラメータを含む制御情報を有する制御信号を生成する制御信号生成部と、前記制御信号及び前記符号化後のデータを前記通信相手装置に送信する送信処理部と、を備える無線通信装置。
【0139】
これにより、符号化率が小さく再送制御用パラメータの制御粒度が粗くても良い場合に、再送制御用パラメータのビット数を少なくすることで再送制御に関するパラメータの送信に用いるリソースを削減できる。このため、再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させることが可能となる。
【0140】
上記の無線通信装置であって、前記パラメータビット数設定部は、前記初回送信時の符号化率が所定値以下の場合に、再送制御用パラメータのビット数を前記符号化率が所定値以上の場合よりも少なく設定する無線通信装置。
上記の無線通信装置であって、前記パラメータビット数設定部は、前記初回送信時の符号化率が所定値以下の場合に、再送制御用パラメータのビット数を0ビットに設定する無線通信装置。
【0141】
上記の無線通信装置であって、当該無線通信装置は複数のコードワードを用いて通信を行うものであり、前記MCS設定部は、前記複数のコードワード毎にMCSを設定し、前記パラメータビット数設定部は、前記複数のコードワードにおいて、前記初回送信時の符号化率が小さいコードワードほど前記再送制御用パラメータのビット数を少なく設定する無線通信装置。
【0142】
これにより、初回送信時の符号化率が大きく未送信データの多いコードワードには柔軟な再送制御の設定を可能としたまま、再送制御用パラメータの自由度を下げても影響の小さいコードワードにおいては再送制御用パラメータの送信に用いるリソースを削減できる。このため、複数コードワードの再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させることが可能となる。
【0143】
上記の無線通信装置であって、前記パラメータビット数設定部は、前記再送制御用パラメータのビット数の総数を一定としつつ、前記複数のコードワード間でビット数を調整し、前記初回送信時の符号化率が小さいコードワードのビット数を少なく設定する無線通信装置。
上記の無線通信装置であって、前記パラメータビット数設定部は、前記初回送信時の符号化率が所定値以下のコードワードのビット数を0ビットに設定する無線通信装置。
【0144】
上記の無線通信装置であって、当該無線通信装置は複数のコードワードにおいて複数のストリームを用いて通信を行うものであり、前記複数のコードワード毎のストリーム数を設定するストリーム数設定部を備え、前記パラメータビット数設定部は、前記複数のコードワードにおいて、初回送信時のストリーム数が少ないコードワードほど前記再送制御用パラメータのビット数を少なく設定する無線通信装置。
【0145】
これにより、初回送信時のストリーム数が多いコードワードには柔軟な再送制御の設定を可能としたまま、再送時にストリーム数を増やすことで未送信データをより多く送信できる可能性の高いコードワードにおいては再送制御用パラメータの送信に用いるリソースを削減できる。このため、複数コードワードの再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させることが可能となる。
【0146】
上記の無線通信装置であって、前記パラメータビット数設定部は、前記再送制御用パラメータのビット数の総数を一定としつつ、前記複数のコードワード間でビット数を調整し、前記初回送信時のストリーム数が小さいコードワードのビット数を少なく設定する無線通信装置。
上記の無線通信装置であって、前記パラメータビット数設定部は、前記初回送信時のストリーム数が所定値以下のコードワードのビット数を0ビットに設定する無線通信装置。
【0147】
通信相手装置との間の伝搬路品質を測定して伝搬路品質測定結果を通知する伝搬路品質通知部と、前記通信相手装置からの制御信号及びデータを受信する受信処理部と、前記制御信号内の制御情報における、符号化率を含むMCSを取得し、初回送信時の符号化率の情報を格納する制御情報格納部と、前記初回送信時の符号化率に応じて設定された再送制御用パラメータのビット数を識別し、前記制御情報に含まれる再送制御用パラメータを復調する再送制御用パラメータ復調部と、前記再送制御用パラメータに基づいて受信したデータの復号を行う復号部と、を備える無線通信装置。
【0148】
これにより、符号化率が小さい場合に再送制御用パラメータのビット数を少なくすることで、再送制御に関するパラメータの送信に用いるリソースを削減でき、再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させることが可能となる。受信側では、この再送制御用パラメータを的確に識別して再送時の復号等を行うことができる。
【0149】
上記の無線通信装置であって、当該無線通信装置は複数のコードワードを用いて通信を行うものであり、前記制御情報格納部は、前記複数のコードワード毎の制御情報を格納し、前記再送制御用パラメータ復調部は、前記複数のコードワードにおいて、前記初回送信時の符号化率に応じて設定された再送制御用パラメータのビット数を識別し、前記再送制御用パラメータを復調する無線通信装置。
【0150】
これにより、符号化率が小さく再送制御用パラメータの自由度を下げても影響の小さいコードワードにおいては再送制御用パラメータの送信に用いるリソースを削減でき、複数コードワードの再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させることが可能となる。受信側では、この再送制御用パラメータを的確に識別して各コードワードの再送時の復号等を行うことができる。
【0151】
上記の無線通信装置であって、当該無線通信装置は複数のコードワードにおいて複数のストリームを用いて通信を行うものであり、前記制御情報格納部は、前記複数のコードワード毎の制御情報を格納し、前記再送制御用パラメータ復調部は、前記複数のコードワードにおいて、前記初回送信時のストリーム数に応じて設定された再送制御用パラメータのビット数を識別し、前記再送制御用パラメータを復調する無線通信装置。
【0152】
これにより、初回送信時のストリーム数が少なく再送時にストリーム数を増やすことで未送信データをより多く送信できる可能性の高いコードワードにおいては再送制御用パラメータの送信に用いるリソースを削減でき、複数コードワードの再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させることが可能となる。受信側では、この再送制御用パラメータを的確に識別して各コードワードの再送時の復号等を行うことができる。
【0153】
上記いずれかに記載の無線通信装置を備える無線通信基地局装置。
上記いずれかに記載の無線通信装置を備える無線通信移動局装置。
【0154】
通信相手装置である受信装置からの伝搬路品質測定結果を受け取る伝搬路品質取得部と、前記伝搬路品質測定結果に応じて符号化率を含むMCSを設定するMCS設定部と、前記MCSに応じて送信用のデータを符号化する符号化部と、前記受信装置からの応答信号に基づいて送信したデータの再送制御を行う再送制御部と、初回送信時の符号化率に応じて再送制御用パラメータのビット数を設定するもので、前記符号化率が小さいほどビット数を少なくするパラメータビット数設定部と、前記設定されたビット数を用いて前記再送制御用パラメータを設定する再送制御用パラメータ設定部と、前記MCS及び前記再送制御用パラメータを含む制御情報を有する制御信号を生成する制御信号生成部と、前記制御信号及び前記符号化後のデータを前記受信装置に送信する送信処理部と、を備える送信装置と、
前記送信装置との間の伝搬路品質を測定して伝搬路品質測定結果を通知する伝搬路品質通知部と、前記送信装置からの制御信号及びデータを受信する受信処理部と、前記制御信号内の制御情報における、符号化率を含むMCSを取得し、初回送信時の符号化率の情報を格納する制御情報格納部と、前記初回送信時の符号化率に応じて設定された再送制御用パラメータのビット数を識別し、前記制御情報に含まれる再送制御用パラメータを復調する再送制御用パラメータ復調部と、前記再送制御用パラメータに基づいて受信したデータの復号を行う復号部と、を備える受信装置と、
を有する無線通信システム。
【0155】
通信相手装置からの伝搬路品質測定結果を受け取る伝搬路品質取得ステップと、前記伝搬路品質測定結果に応じて符号化率を含むMCSを設定するMCS設定ステップと、前記MCSに応じて送信用のデータを符号化する符号化ステップと、前記通信相手装置からの応答信号に基づいて送信したデータの再送制御を行う再送制御ステップと、初回送信時の符号化率に応じて再送制御用パラメータのビット数を設定するもので、前記符号化率が小さいほどビット数を少なくするパラメータビット数設定ステップと、前記設定されたビット数を用いて前記再送制御用パラメータを設定する再送制御用パラメータ設定ステップと、前記MCS及び前記再送制御用パラメータを含む制御情報を有する制御信号を生成する制御信号生成ステップと、前記制御信号及び前記符号化後のデータを前記通信相手装置に送信する送信処理ステップと、を有する無線通信方法。
【0156】
通信相手装置との間の伝搬路品質を測定して伝搬路品質測定結果を通知する伝搬路品質通知ステップと、前記通信相手装置からの制御信号及びデータを受信する受信処理ステップと、前記制御信号内の制御情報における、符号化率を含むMCSを取得し、初回送信時の符号化率の情報を格納する制御情報格納ステップと、前記初回送信時の符号化率に応じて設定された再送制御用パラメータのビット数を識別し、前記制御情報に含まれる再送制御用パラメータを復調する再送制御用パラメータ復調ステップと、前記再送制御用パラメータに基づいて受信したデータの復号を行う復号ステップと、を有する無線通信方法。
【0157】
本出願は、2008年3月12日出願の日本特許出願(特願2008−062680)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明は、再送制御に関するパラメータの送信に用いるリソースを削減でき、再送制御用のシグナリングのオーバヘッドを小さくしてスループットを向上させることが可能となる効果を有し、セルラーシステム等の無線通信システムに適用可能な無線通信装置、特に、再送制御機能を持つ無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法等として有用である。
【符号の説明】
【0159】
101 無線基地局
102 ユーザ端末
311、911 符号化部
312、912 レート・マッチング部
313 RVパラメータ用ビット数設定部
314、914 制御信号生成部
315 多重部
316、916a、916b 送信RF部
317、917a、917b アンテナ
318、918 受信RF部
319、919 分離部
320、920 復調・復号部
321、921 CRC検査部
322、922 Ack/Nack信号復調部
323、923 CQI復調部
324、924、1301 スケジューリング部
431、1031a、1031b アンテナ
432、1032a、1032b 受信RF部
433、1033 チャネル推定部
434、1034 制御信号復調部
435 復調部
436、1036 復号部
437、1037、1401 RVパラメータ識別部
438、1038 初回MCS保存部
439、1039 尤度保存部
440、1040 CRC検査部
441、1041 SINR測定部
442、1042 フィードバック情報生成部
443、1043 Ack/Nack生成部
444、1044 符号化部
445、1045 多重部
446、1046 送信RF部
913、1302 コードワード間RVパラメータ用ビット数調整部
915 MIMO多重部
925、1303 コードワード毎RVパラメータ用ビット数保存部
1035 MIMO復調部
1402 初回ストリーム数保存部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データのMCS(Modulation and Coding Scheme)を設定するMCS設定部と、
前記データを符号化する符号化部と、
符号化された前記データのうち、送信すべき送信データの開始位置を示すRVパラメータを設定するRVパラメータ設定部と、
前記MCSと前記RVパラメータを示すRV情報とを含む制御情報、及び、前記送信データを、送信する送信処理部と、
を備え、
前記RV情報のビット数が2の場合、前記RVパラメータは、0、1、2、3のいずれかに設定され、前記RV情報の前記ビット数が0の場合、前記制御情報は前記RV情報を含まず、前記RVパラメータは0に設定される、
無線通信装置。
【請求項2】
前記ビット数は、前記データの符号化率に応じて設定される、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記ビット数は、前記データの符号化率が小さいほど少ない、
請求項1又は2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記ビット数は、前記データの符号化率が所定値以下の場合に、0に設定される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
当該無線通信装置は複数のコードワードを用いて通信を行い、
前記複数のコードワード毎に前記ビット数が設定され、前記ビット数は、前記複数のコードワードにおいて、符号化率が小さいコードワードほど少ない、
請求項1から4のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記複数のコードワードにおけるRV情報のビット総数は一定である、
請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記複数のコードワードにおいて、符号化率が所定値以下のコードワードの前記ビット数が0に設定される、
請求項5又は6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
当該無線通信装置は複数のコードワード毎に、一つ又は複数のストリームを用いて通信を行い、
前記複数のコードワード毎に前記ビット数が設定され、前記ビット数は、前記複数のコードワードにおいて、初回送信時のストリーム数が少ないコードワードほど少ない、
請求項1から7のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記複数のコードワードにおける前記RV情報のビット総数が一定である、
請求項8に記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記複数のコードワードにおいて、初回送信時のストリーム数が所定値以下のコードワードの前記ビット数が0に設定される、
請求項8又は9に記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記RVパラメータ設定部は、前記データの再送回数に応じて、前記RVパラメータを変える、
請求項1から10のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項12】
初回送信時には、前記RVパラメータは0に設定される、
請求項1から11のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項13】
前記RVパラメータは、値に応じて、異なる前記開始位置を示す、
請求項1から12のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項14】
前記RVパラメータが0の場合に示す前記開始位置は、前記データの先頭により近い位置である、
請求項1から13のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項15】
前記RVパラメータが0の場合に示す前記開始位置の送信データは、システマチックビットをより多く含む、
請求項1から14のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項16】
データのMCS(Modulation and Coding Scheme)を設定する工程と、
前記データを符号化する工程と、
符号化された前記データのうち、送信すべき送信データの開始位置を示すRVパラメータを設定する工程と、
前記MCSと前記RVパラメータを示すRV情報とを含む制御情報、及び、前記送信データを送信する工程と、
を有し、
前記RV情報のビット数が2の場合、前記RVパラメータは、0、1、2、3のいずれかに設定され、前記RV情報の前記ビット数が0の場合、前記制御情報は前記RV情報を含まず、前記RVパラメータは0に設定される、
無線通信方法。
【請求項17】
データのMCS(Modulation and Coding Scheme)を設定する処理と、
前記データを符号化する処理と、
符号化された前記データのうち、送信すべき送信データの開始位置を示すRVパラメータを設定する処理と、
前記MCSと前記RVパラメータを示すRV情報とを含む制御情報、及び、前記送信データを、送信する処理と、
を制御し、
前記RV情報のビット数が2の場合、前記RVパラメータは、0、1、2、3のいずれかに設定され、前記RV情報の前記ビット数が0の場合、前記制御情報は前記RV情報を含まず、前記RVパラメータは0に設定される、
集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−85281(P2013−85281A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−274932(P2012−274932)
【出願日】平成24年12月17日(2012.12.17)
【分割の表示】特願2010−502722(P2010−502722)の分割
【原出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】