説明

無線通信装置およびプログラム

【課題】無線LAN(Local Area Network)の通信品質に応じて接続先を適切に切り替える。
【解決手段】無線LAN(Local Area Network)または前記無線LAN以外の少なくとも一つの無線通信方式を使用して無線通信を行なう無線通信装置であって、無線LANによる通信を行なう無線LANモジュール3と、IMT−2000規格に準拠したデジタル携帯電話方式で通信を行なう3Gモジュール2と、複数の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、第1の閾値より大きいかどうかを判定し、第1の閾値よりも大きい受信品質の信号を送信した無線LAN基地局が存在する場合は、予め登録された無線LAN基地局の優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択する制御部4と、を備え、前記選択された無線LAN基地局と通信を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN(Local Area Network)の通信品質に応じて接続先を切り替える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、無線LAN、携帯電話等の異なる無線メディアを統合した技術が知られている。無線LAN端末において、無線LAN基地局への接続開始時、通話開始時または通話中に受信電波の低下を検出した場合、複数の無線LAN基地局を検索し、無線LAN基地局からの受信電波強度(RSSI : Received Signal Strength Indicator)や信号対雑音比(SNR : Signal to Noise Ratio)を比較し、最適な無線LAN基地局を選択して接続している。
【0003】
例えば、特許文献1には、音声通信を実施する無線LAN端末が、複数の無線LAN基地局を検出した際に、無線LAN基地局から得た情報に基づいて、音声通信に最適な無線LAN基地局を接続先として選択する無線LANシステムが開示されている。この無線LANシステムでは、無線LAN端末が、無線LAN基地局との無線通信状態を常時取得し、この無線通信状態に基づいて、トラフィック量が閾値以下であるか否かを判定する。また、無線LAN端末は、通信品質および音声品質を判定し、この判定結果に基づいて、無線LAN基地局に接続するかどうかを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−098397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、無線LANへの接続後に、通信品質が悪く、通信が困難または不能な状態に陥る場合がある。従来の技術では、通信状態取得を無線LAN基地局側で行なっており、また、この場合の具体的な解決策が提示されていない。無線LAN、携帯電話等の異なる無線メディアを統合した場合、統合のメリットを十分に生かせる手法が望まれる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、無線LANの通信品質に応じて、無線LAN基地局から提供される通信状態情報を用いることなく端末装置側の動作だけで接続先を適切に切り替えることができる無線通信装置およびプログラムを具体的に提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の無線通信装置は、無線LANまたは前記無線LAN以外の少なくとも一つの無線通信方式を使用して無線通信を行なう無線通信装置であって、無線LANによる通信を行なう無線LANモジュールと、前記無線LAN以外の通信方式で通信を行なう少なくとも一つの無線モジュールと、周囲に存在する複数の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第1の閾値と比較し、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信した無線LAN基地局が存在し、かつ、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録されている無線LAN基地局である場合に、その複数の該当する無線LAN基地局のうち優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択する制御部と、を備え、前記選択された無線LAN基地局と通信を行なうことを特徴とする。
【0008】
このように、複数の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第1の閾値と比較し、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信している無線LAN基地局が存在する場合は、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録されており、かつ、接続の優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択し、選択された無線LAN基地局と通信を行なうので、接続完了後には一定以上の通信品質で無線LANを利用することが可能となる。
【0009】
(2)また、本発明の無線通信装置において、前記制御部は、無線LANで通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第2の閾値と比較し、前記通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、前記第2の閾値よりも悪い場合は、周囲に存在する無線LAN基地局をサーチし、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が存在するか確認し、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が存在し、かつ、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録されている無線LAN基地局である場合、その複数の該当する無線LAN基地局のうち優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択し、前記選択された無線LAN基地局と通信を行なうことを特徴とする。
【0010】
この構成により、無線LANとその他の通信方式とを適切なタイミングで切り替えることが可能となる。
【0011】
(3)また、本発明の無線通信装置において、前記制御部は、無線LANで通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第2の閾値と比較し、前記通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、前記第2の閾値よりも悪い場合で、かつ、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が周囲に存在しない場合は、前記無線LAN以外の通信方式で通信を行なう無線モジュールを選択し、通信を継続することを特徴とする。
【0012】
この構成により、無線LANとその他の通信方式とを適切なタイミングで切り替えることが可能となる。
【0013】
(4)また、本発明のプログラムは、無線LAN(Local Area Network)による通信を行なう無線LANモジュールおよび前記無線LAN以外の通信方式で通信を行なう少なくとも一つの無線モジュールを備える無線通信装置のプログラムであって、複数の無線LAN基地局から無線信号を受信する処理と、前記受信した信号の受信品質が、第1の閾値より良いかどうかを判定する処理と、前記判定の結果、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信した無線LAN基地局が存在する場合は、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録された複数の無線LAN基地局のうち接続優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択する処理と、前記選択された無線LAN基地局と通信を行なう処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
このように、複数の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、第1の閾値より良いかどうかを判定し、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信した無線LAN基地局が存在する場合は、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録された複数の無線LAN基地局のうち接続優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択し、選択された無線LAN基地局と通信を行なうので、常に一定以上の通信品質で無線LANを利用することが可能となる。
【0015】
(5)また、本発明のプログラムにおいて、無線LANで通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第2の閾値と比較する処理と、前記通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、前記第2の閾値よりも悪い場合は、周囲に存在する無線LAN基地局をサーチし、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が存在するか否かを確認する処理と、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が存在し、かつ、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録されている無線LAN基地局である場合は、その複数の該当する無線LAN基地局のうち優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択し、前記選択された無線LAN基地局と通信を行なう処理をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
この構成により、無線LANとその他の通信方式とを適切なタイミングで切り替えることが可能となる。
【0017】
(6)また、本発明のプログラムにおいて、無線LANで通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第2の閾値と比較する処理と、前記通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、前記第2の閾値よりも悪い場合で、かつ、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が周囲に存在しない場合は、前記無線LAN以外の通信方式で通信を行なう無線モジュールを選択し、通信を継続する処理をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
この構成により、無線LANとその他の通信方式とを適切なタイミングで切り替えることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、第1の閾値より良いかどうかを判定し、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信した無線LAN基地局が存在する場合は、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録された複数の無線LAN基地局の接続優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択し、選択された無線LAN基地局と通信を行なうので、常に一定以上の通信品質で無線LANを利用することが可能となる。また、無線LANとその他の通信方式とを適切なタイミングで切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る無線通信システムの概念を示す図である。
【図2】本実施形態に係る無線通信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る無線通信装置の状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの概念を示す図である。基地局装置100は、3G(IMT-2000規格に準拠したデジタル携帯電話方式)のセルを構成する。無線LAN基地局101は、点線で示された無線LANエリアAを構成し、無線LAN基地局103は、点線で示された無線LANエリアBを構成する。無線通信装置105と107は、無線LANモジュールと3Gモジュールの両方を搭載しており、それぞれの通信方式で通信が可能である。
【0022】
ここで、無線LANエリアAにおいて、無線LAN基地局101に近い点線の内側では、無線通信装置105と107は、十分なRSSIを得ることが可能である。しかし、無線LAN基地局101に近い点線の外側と、遠い点線の内側との間では、十分なRSSIを得ることができない。また、無線LAN基地局101に遠い点線の外側では、無線通信装置105と107は、無線LAN基地局101と通信を行なうことはできない。同様に、無線LANエリアBにおいて、無線LAN基地局103に近い点線の内側では、端末装置は、十分なRSSIを得ることが可能である。しかし、無線LAN基地局103に近い点線の外側と、遠い点線の内側との間では、十分なRSSIを得ることができない。また、無線LAN基地局103に遠い点線の外側では、無線通信装置105と107は、無線LAN基地局103と通信を行なうことはできない。
【0023】
図1において、無線通信装置105は、無線LAN基地局101に近い点線の内側から外側に向かって移動しており、無線LAN基地局101に近い点線の外側と、遠い点線の内側との間に到達している。このため、無線通信装置105は、無線LAN基地局101から受信する信号のRSSIを十分に得ることができていない。従って、無線通信装置105は、通信手段を無線LANから3Gに切り替えることが望ましい。
【0024】
また、図1において、無線通信装置107は、無線LAN基地局101に近い点線の内側から外側に向かって移動しており、無線LAN基地局101に近い点線の外側と、遠い点線の内側との間に到達している。ところが、既に、無線通信装置107は、無線LAN基地局103に近い点線の内側に入っているため、無線LAN基地局103から受信する信号のRSSIを十分に得ることができている。このため、無線通信装置107は、通信の接続先を無線LAN基地局101から103へ切り替えることが望ましい。
【0025】
本実施形態では、このような状態にある無線通信装置105および107が接続先をうまく切り替えることができる手法を説明する。
【0026】
図2は、本実施形態に係る無線通信装置の概略構成を示すブロック図である。この無線通信装置1は、3Gモジュール2と、無線LANモジュール3と、制御部4と、を備えている。制御部4は、複数の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、第1の閾値より大きいかどうかを判定する。この受信品質として、受信信号強度(RSSI)、無線リンク物理速度(LinkSpeed)、パケット誤り率または受信雑音レベルを用いることが可能である。この判定の結果、第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信した無線LAN基地局が存在する場合は、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録された複数の無線LAN基地局のうち接続優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択する。そして、無線通信装置1は、制御部4が選択した無線LAN基地局と通信を行なう。
【0027】
また、制御部4は、無線LANで通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、第2の閾値よりも悪いかどうかを判定する。この判定の結果、通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、第2の閾値よりも悪い場合で、かつ、第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信した無線LAN基地局が存在しない場合は、無線LAN以外の通信方式である3Gで通信を行なう3Gモジュール2を選択し、通信を継続する。
【0028】
図3は、本実施形態に係る無線通信装置の状態遷移図である。(1)INITは、起動時の状態を示し、イベント受信登録や各種設定の読み込みを行なう。そして、無線LANを使用中であるかどうかを判定し、無線LANを使用中でない場合は、無線LAN状態のイベント待ち状態となる。一方、無線LANを使用中であれば、3Gまたは無線LANのどちらのインタフェースを使用中であるかを判断する。3Gのインタフェースを使用中である場合は、(2)MOBILE(3G)の状態へ遷移する一方、無線LANのインタフェースを使用中である場合は、(3)SELECTEDの状態へ遷移する。
【0029】
(2)MOBILE(3G)の状態では、3G選択中であることを確認し、所定時間待機する(例えば、30秒)。これは、無線LANから3Gへ切り替わった後に、すぐに無線LANへ戻ることから生ずるバタつきを防止するためである。次に、3Gイベント受信により、通信がされているかどうかを確認する。例えば、1秒後に再度3G通信状態を確認し、ユーザが意図的に3Gを使おうとしているかどうかを判断する。次に、無線LAN基地局のネイバーリストに登録された無線LAN基地局のうち、無線LAN設定リストに存在するものを抽出して、接続可能な無線LAN基地局リストを作成する。ここで、無線LAN設定リストとは、ユーザが、手動または自動設定ツール等を用いて予め追加され論理的に接続可能となっている無線LAN基地局のリストのことである。作成された接続可能な無線LAN基地局リストを接続優先度の順に並び替える。この接続優先度とは、RSSIを優先度の第1キーとするが、接続したい無線LAN基地局の種別によって重み付けをすることによって、優先度を並べ替えても良い。なお、接続可能な無線LAN基地局の判別は、SSID(Service Set Identifier)をもって行なうのが通常である。
【0030】
(3)SELECTEDの状態では、無線LANの接続イベントを待ち受けし、イベント受信があった場合は、ステータスを確認する。ここでは、起動フラグがONである場合、ネイバーリストの接続中以外の無線LAN基地局のSSIDへ接続不可とし、起動フラグをOFFに変更して、(5)COMPLETEへ遷移する。一方、イベント受信が無い場合は、選択中の無線LAN基地局への接続失敗として、接続可能無線LAN基地局リストの選択中無線LAN基地局のSSIDに失敗フラグを立てて、(4)切り替え先判定に遷移する。
【0031】
(4)切り替え先判定では、接続可能無線LAN基地局リストのRSSIをチェックする。そして、失敗フラグが立っておらず、RSSIが例えば−60dBm(第1の閾値)より大きく、優先度が最も高い無線LAN基地局のSSIDを接続可能の状態に設定する。ここで、接続可能な無線LAN基地局のSSIDを選定できない場合は、無線LAN基地局ネイバーリスト上の全てのSSIDを接続不可とし、(2)MOBILE(3G)へ遷移する。一方、無線LAN基地局のSSIDが選定できた場合は、無線LAN基地局ネイバーリスト上で、選定した無線LAN基地局のSSIDを接続可能の状態に設定し、それ以外の無線LAN基地局のSSIDをすべて接続不可として、(3)SELECTEDに遷移する。
【0032】
(5)COMPLETEの状態では、無線LANの接続イベントを待機し、無線LANのインタフェースがONであり、ステータスがIPアドレス取得済みであるかどうかを判断する。この判断を、例えば、1秒毎に行なう。イベント受信があった場合は、ステータスを確認し、起動フラグがONである場合、ネイバーリストの接続中以外の無線LAN基地局のSSIDを接続不可とし、起動フラグをOFFに変更して、(5)COMPLETEに遷移する。一方、イベント受信が無かった場合は、選択中無線LAN基地局の接続が失敗であり、接続可能無線LAN基地局リストの選択中の無線LAN基地局のSSIDに失敗フラグを立てて、(4)切り替え先判定に遷移する。
【0033】
(6)IDLEの状態では、無線LANの品質判定を行なう。この判定を1秒毎に行なう。接続中の無線LAN基地局が、例えばRSSIが−100dBm(第2の閾値)より小さいかどうかを判定しても良い。この条件を満たさない場合は、この判断を繰り返す。一方、この条件を満たした場合は、無線LANの接続候補がある場合は、(3)SELECTEDへ遷移し、無線LANの接続候補が無い場合は、(2)MOBILE(3G)に遷移する。なお、(6)IDLEの状態で、無線通信装置が無線LAN基地局側の認証サーバとの間で認証処理の動作に入った時は、(7)AUTHの状態へ遷移しても良い。(7)AUTHでは、認証完了イベントを待機し、認証完了するまでは接続中の無線LANの品質判定を停止し、切替動作を抑止する。認証完了した場合は、(6)IDLEへ遷移する。認証失敗であって、無線LAN接続候補が無い場合は、(3)SELECTEDに遷移する。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る端末装置によれば、複数の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、第1の閾値より良いかどうかを判定し、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信した無線LAN基地局が存在する場合は、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録された無線LAN基地局のSSIDのうち接続優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択し、選択された無線LAN基地局と通信を行なうので、常に一定以上の通信品質で無線LANを利用することが可能となる。また、無線LANとその他の通信方式とを適切なタイミングで切り替えることが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
1 無線通信装置
2 3Gモジュール
3 無線LANモジュール
4 制御部
100 基地局装置
101 無線LAN基地局
103 無線LAN基地局
105 無線通信装置
107 無線通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LAN(Local Area Network)または前記無線LAN以外の少なくとも一つの無線通信方式を使用して無線通信を行なう無線通信装置であって、
無線LANによる通信を行なう無線LANモジュールと、
前記無線LAN以外の通信方式で通信を行なう少なくとも一つの無線モジュールと、
周囲に存在する複数の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第1の閾値と比較し、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信した無線LAN基地局が存在し、かつ、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録されている無線LAN基地局である場合に、その複数の該当する無線LAN基地局のうち優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択する制御部と、を備え、
前記選択された無線LAN基地局と通信を行なうことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、無線LANで通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第2の閾値と比較し、前記通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、前記第2の閾値よりも悪い場合は、周囲に存在する無線LAN基地局をサーチし、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が存在するか否かを確認し、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が存在し、かつ、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録されている無線LAN基地局である場合、その複数の該当する無線LAN基地局のうち優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択し、前記選択された無線LAN基地局と通信を行なうことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、無線LANで通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第2の閾値と比較し、前記通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、前記第2の閾値よりも悪い場合で、かつ、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が周囲に存在しない場合は、前記無線LAN以外の通信方式で通信を行なう無線モジュールを選択し、通信を継続することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項4】
無線LAN(Local Area Network)による通信を行なう無線LANモジュールおよび前記無線LAN以外の通信方式で通信を行なう少なくとも一つの無線モジュールを備える無線通信装置のプログラムであって、
複数の無線LAN基地局から無線信号を受信する処理と、
前記受信した信号の受信品質が、第1の閾値より良いかどうかを判定する処理と、
前記判定の結果、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信した無線LAN基地局が存在する場合は、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録された複数の無線LAN基地局のうち接続優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択する処理と、
前記選択された無線LAN基地局と通信を行なう処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
無線LANで通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第2の閾値と比較する処理と、
前記通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、前記第2の閾値よりも悪い場合は、周囲に存在する無線LAN基地局をサーチし、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が存在するか否かを確認する処理と、
前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が存在し、かつ、予め接続に必要な情報が前記無線通信装置に登録されている無線LAN基地局である場合は、その複数の該当する無線LAN基地局のうち優先順位が最高順位である無線LAN基地局を選択し、前記選択された無線LAN基地局と通信を行なう処理をさらに含むことを特徴とする請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
無線LANで通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質を第2の閾値と比較する処理と、
前記通信中の無線LAN基地局から受信した信号の受信品質が、前記第2の閾値よりも悪い場合で、かつ、前記第1の閾値よりも良い受信品質の信号を送信する無線LAN基地局が周囲に存在しない場合は、前記無線LAN以外の通信方式で通信を行なう無線モジュールを選択し、通信を継続する処理をさらに含むことを特徴とする請求項4記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−51610(P2013−51610A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189424(P2011−189424)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】